JP6938221B2 - 印刷パターンの形成方法 - Google Patents
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Description
配線板は、各種電子機器におけるタッチパネル、電磁波シールド等の部材として有用であり、特に、タッチパネルは、携帯電話等の情報通信機器をはじめとする各種表示素子において需要が急増している。配線板は、透明基板上に電極として銀や銅等の金属細線を備えて構成され、金属細線は、例えば、網目(メッシュ)を形成している。
本発明の印刷パターンの形成方法は、印刷版として凹版を用いる印刷パターンの形成方法であって、前記印刷版は、その表面にインクを充填するための溝を有し、前記溝は、前記印刷版の表面に対して平行な方向において屈曲する屈曲部を有し、前記溝が、前記屈曲部の180°未満の角度を成す側において、くびれを有するものである。
本明細書において、印刷版中の前記溝が有する「屈曲部」とは、特に断りのない限り、上述のものを意味し、印刷版の溝を有する表面を上方から見下ろすように平面視したときに、溝は前記表面内において屈曲している。
図1は、本発明で用いる印刷版の一例について、その溝が形成されている領域を拡大して模式的に示す平面図である。
なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
溝9は、屈曲部90において、角度θ(0°<θ<180°)を成して、折れ曲がっている。
くびれ91は、上記のように平面視したときに、溝9の内部において、屈曲部90の180°未満の角度(θ)を成す側から、これとは反対側(360°−θの角度を成す側)へ向けて、溝9を遮断しないように、多面体状の突出部が形成され、構成されている。本明細書においては、このように、溝が有する「くびれ」を「突出部」と称することもある。
なお、図2以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図2に示すように、突出部91の長さはL1であり、幅はL2である。
ここで、「突出部91の長さ」とは、図2に示すように、突出部91が形成されておらず、屈曲部90の角度θを成す側において、溝9が所定の角度を持って折れ曲がっている(図2中、破線で該当する箇所を示している)と仮定した場合に特定される、溝9の前記折れ曲がり部位(角部)から、突出部91の突端までの距離を意味する。このときは、溝9が、屈曲部90以外の部位から屈曲部90へ向けて直線状に伸びて形成されていると仮定して、溝9の前記折れ曲がり部位(角部)を特定する。
通常は、角度θが小さいほど、本発明の効果がより顕著に得られる。
また、印刷版1は、溝9以外の溝を、1本又は2本以上有していてもよく、溝9以外の溝は、くびれを有していてもよいし、有していなくてもよい。
印刷版1において、溝9と、それ以外の溝が設けられている位置(配置位置)は、目的に応じて任意に設定でき、特に限定されない。
前記幅W1は、1〜20μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましく、3〜5μmであることが特に好ましい。幅W1が前記下限値以上であることで、印刷パターン(細線)を、断線等をはじめとする各種の形状異常を伴うことなく、より安定して形成できる。幅W1が前記上限値以下であることで、印刷時に細線の屈曲部において、細線の幅の目的外の拡大を抑制するより高い効果が得られる。
また、「溝の幅」とは、特に断りのない限り、「溝の開口部の幅」を意味するものとする。
溝9の深さは、0.5〜10μmであることが好ましく、0.8〜5μmであることがより好ましく、1.1〜3μmであることが特に好ましい。溝9の深さが前記下限値以上であることで、印刷パターン(細線)を、断線等をはじめとする各種の形状異常を伴うことなく、より安定して形成できる。溝9の深さが前記上限値以下であることで、印刷時に細線の屈曲部において、細線の幅の目的外の拡大を抑制するより高い効果が得られる。
通常、例えば、幅W1が上述の数値範囲内である場合、突出部91の長さL1は、1〜3μmであることが好ましく、突出部91の幅L2は、0.5〜2μmであることが好ましい。
例えば、L1×L2/W1の値は、好ましくは0.35〜0.46μm、より好ましくは0.38〜0.44とすることができるが、これら数値範囲は、L1×L2/W1の好ましい数値範囲の一例である。
ここに示す印刷版2は、その表面2aに、印刷に供するインクを充填するための、細線状の溝9A及び9Bを有しており、凹版である。
溝9A及び9Bは、印刷版2の表面2aを上方から見下ろすように平面視したときに、表面2aにおいて開口している。
溝9A及び9Bは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
すなわち、溝9A及び9Bは、全体として、これら屈曲部(屈曲部90及び屈曲部90’)において、角度θ1、θ2、θ3又はθ4(0°<θ1、θ2、θ3、θ4<180°)を成して、折れ曲がっていると見做すことができる。
印刷版2における溝9A及び9Bの数がそれぞれ2本以上である場合、これら溝9A及び9Bは、メッシュ(網目)状に設けられていることが好ましい。
より具体的には、溝9Aは単独で、屈曲部90の180°未満の角度(θ1)を成す側において、くびれ911を有する。
同様に、溝9Bは単独で、屈曲部90の180°未満の角度(θ2)を成す側において、くびれ912を有する。
そして、溝9A及び9Bは、一体となって、屈曲部90’の180°未満の角度(θ3、θ4)を成す側において、くびれ913及びくびれ914を有する。
より具体的には、くびれ911は、上記のように平面視したときに、溝9Aの内部において、屈曲部90の180°未満の角度(θ1)を成す側から、これとは反対側(360°−θ1の角度を成す側)へ向けて、溝9Aを遮断しないように、多面体状の突出部が形成され、構成されている。
くびれ912は、上記のように平面視したときに、溝9Bの内部において、屈曲部90の180°未満の角度(θ2)を成す側から、これとは反対側(360°−θ2の角度を成す側)へ向けて、溝9Bを遮断しないように、多面体状の突出部が形成され、構成されている。
くびれ913は、上記のように平面視したときに、溝9A及び9Bが一体となった溝の内部において、屈曲部90’の180°未満の角度(θ3)を成す側から、これとは反対側(360°−θ3の角度を成す側)へ向けて、この一体となった溝を遮断しないように、多面体状の突出部が形成され、構成されている。
くびれ914は、上記のように平面視したときに、溝9A及び9Bが一体となった溝の内部において、屈曲部90’の180°未満の角度(θ4)を成す側から、これとは反対側(360°−θ4の角度を成す側)へ向けて、この一体となった溝を遮断しないように、多面体状の突出部が形成され、構成されている。
通常は、角度θ1、θ2、θ3又はθ4が小さいほど、本発明の効果がより顕著に得られる。
ここに示す印刷版3は、その表面3aに、細線状の溝9A及び9Bを有しており、凹版である。
溝9A及び9Bは、いずれも図1に示す溝9と同様のものであり、溝9と同様に折れ曲がっている。溝9A及び9Bは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
印刷版3は、溝9A及び9Bが互いに屈曲部90を共有せずに交差している点以外は、図3に示す印刷版2と同じである。
溝9Bは、屈曲部90において、角度θ2(0°<θ2<180°)を成して、折れ曲がっている。
印刷版3における溝9A及び9Bの数がそれぞれ2本以上である場合、これら溝9A及び9Bは、メッシュ(網目)状に設けられていることが好ましい。
同様に、溝9Bは、屈曲部90の180°未満の角度(θ2)を成す側において、くびれ912を有する。
くびれ911及びくびれ912も、印刷版1におけるくびれ91の場合と同様に形成されている。
より具体的には、くびれ911は、上記のように平面視したときに、溝9Aの内部において、屈曲部90の180°未満の角度(θ1)を成す側から、これとは反対側(360°−θ1の角度を成す側)へ向けて、溝9Aを遮断しないように、多面体状の突出部が形成され、構成されている。
くびれ912は、上記のように平面視したときに、溝9Bの内部において、屈曲部90の180°未満の角度(θ2)を成す側から、これとは反対側(360°−θ2の角度を成す側)へ向けて、溝9Bを遮断しないように、多面体状の突出部が形成され、構成されている。
図1〜図4においては、上記のように平面視したときに、くびれの形状は、直線の組み合わせだけで形作られている。これに対して、図5に示す印刷版4の屈曲部80においては、上記のように平面視したときに、溝8のくびれ81が、曲線だけで形作られている。印刷版4は、このようにくびれの形状が異なる点以外は、図1に示す印刷版1と同じである。なお、符号4aは、印刷版4の表面を示している。
一方、突出部81の幅は、突出部81の突端に向けて漸次狭くなっている。このように、突出部の幅が変動するときには、本発明のより高い効果が得られるように、突出部の最大幅(図4においては、突出部81の突端から最も遠い部位での幅)を、適宜調節することが好ましい。
なお、突出部81は、その幅が突出部81の突端に向けて、このように漸次狭くならずに、代わらない領域を有していてもよい。
また、図1〜図4においては、くびれを形成している前記突出部が多面体状である印刷版を示しているが、例えば、前記突出部が多面体状の角部が丸められた形状等の他の形状となっている印刷版であってもよい。
また、図3〜図4においては、1枚の印刷版が有する複数個所のくびれは、すべて同じ形状であるが、例えば、1枚の印刷版が有する複数個所のくびれは、一部のみ同じ形状であってもよいし、すべて異なる形状であってもよい。
例えば、目的とする、くびれを有する溝を備えた印刷版の、設計図となる製版データを作製する。別途、印刷版の母材となる金属板の表面に、レジスト層を形成しておき、このレジスト層に、上記の製版データを反映させてレーザー光を照射することにより感光させ、レジスト膜を形成し、このレジスト膜を現像してレジストパターンを形成する。次いで、現像後のレジスト膜で被覆されていない金属板の表面をエッチングし、さらにすべてのレジスト膜(レジストパターン)を除去する。以上により、金属板の表面に、上記の製版データを反映させて、くびれを有する溝を形成することで、目的とする印刷版が得られる。印刷版の表面は、必要に応じてメッキや研磨等の処理を行ってもよい。
ここに示す印刷パターンは、印刷対象物109の表面109aにおいて、屈曲部909を有する細線99によって形成されており、屈曲部909が成す角度は、印刷版1又は印刷版4において、屈曲部90が成す角度と同じである。
細線99は、印刷版1又は印刷版4によって転写されたインクが乾燥されて形成された印刷層である。
この場合の印刷パターンは、屈曲部909’を有する細線99’によって形成されており、細線99’はインクが乾燥されて形成された印刷層である。
ここに示すように、屈曲部909’での細線99’の幅DL’は、図6に示す細線99の幅DLよりも顕著に広く(DL<DL’)、拡大してしまっている。
ここに示す印刷パターンは、印刷対象物109の表面109aにおいて、細線99A及び99Bによって形成されている。
細線99A及び99Bは、印刷版2によって転写されたインクが乾燥されて形成された印刷層である。
細線99A及び99Bは、印刷版2の溝の形状を反映して形成されており、印刷パターンにおいて、屈曲部909での細線99A及び99Bの幅DL1と、屈曲部909’での、細線99A及び99Bが一体となった細線の幅DL2は、いずれも完全に又はほぼ、拡大が抑制されている。
また、屈曲部909’において、細線99A及び99Bが一体となった細線の幅DL2の拡大が完全に抑制されている場合には、「DL2=W1/sin(θ3/2)」又は「DL2=W1/sin(θ4/2)」となる。
ここに示す印刷パターンは、印刷対象物109の表面109aにおいて、屈曲部909を有する細線99A及び99Bによって形成されており、屈曲部909が成す角度は、印刷版3において、屈曲部90が成す角度と同じである。
細線99A及び99Bは、印刷版3によって転写されたインクが乾燥されて形成された印刷層である。
印刷パターンにおいて、屈曲部909での細線99A及び99Bの幅DL3は、完全に又はほぼ、拡大が抑制されている。
S’=WL×WL=WL 2
により算出できる。
S=DL0×DL0/2=DL0 2/2
により算出できる。
E=S/S’=DL0 2/2WL 2 ・・・・(M1)
細線の高さは、印刷版の溝に対するインクの充填量、すなわち、印刷版の溝の深さを調節することで、調節できる。
ただし、温度が25℃、せん断速度が0.1s−1〜1000s−1の場合の前記インクのせん断粘度は、0.1Pa・s以上であることが好ましく、0.5Pa・s以上であることがより好ましく、1Pa・s以上であることが特に好ましい。インクのせん断粘度が前記下限値以上であることで、細線の屈曲部において、細線の幅の目的外の拡大を抑制するより高い効果が得られる。
一方、前記インクのせん断粘度は、20Pa・s以下であることが好ましく、10Pa・s以下であることがより好ましく、3Pa・s以下であることが特に好ましい。インクの粘度が前記上限値以下であることで、細線(印刷パターン)の形成がより容易となる。
例えば、前記インクのせん断粘度は、好ましくは0.1〜20Pa・s、より好ましくは0.5〜10Pa・s、特に好ましくは1〜3Pa・sとすることができるが、これら数値範囲は、前記インクのせん断粘度の好ましい数値範囲の一例である。
また、形成された印刷パターンは、必要に応じて、乾燥処理、加熱処理等の後処理を行ってもよい。前記後処理は、印刷パターンを構成しているインクの固化を目的としたものであってもよい。
これに対して、本発明の印刷パターンの形成方法を適用することで、このような金属細線の幅の拡大が抑制され、タッチパネル用の配線板を良好に製造できる。
以下、金属細線を形成するための金属インク組成物について説明する。
前記金属細線の金属種は特に限定されず、例えば、単体金属及び合金のいずれであってもよい。
なかでも、金属細線を形成して配線板を製造する場合には、前記金属種は、銀又は銅であることが好ましく、銀であることがより好ましい。
金属細線(金属層)のパターンは、その前段階の前記組成物層のパターンと同じとなる。
金属インク組成物中の金属及び金属の形成材料は、いずれも、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
なお、本明細書において、「ナノ粒子」とは、粒径が1nm以上1000nm未満、好ましくは1〜100nmである粒子を意味し、「ナノワイヤー」とは、幅が1nm以上1000nm未満、好ましくは1〜100nmであるワイヤーを意味する。
前記金属銀の形成材料は、加熱等によって分解し、金属銀を形成するものである。
[カルボン酸銀]
金属銀の形成材料としては、例えば、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀等が挙げられる。
前記カルボン酸銀は、式「−COOAg」で表される基を有していれば特に限定されない。例えば、1分子中の式「−COOAg」で表される基の数は1個のみでもよいし、2個以上でもよい。また、カルボン酸銀中の式「−COOAg」で表される基の位置も特に限定されない。
本発明において、カルボン酸銀は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
なお、本明細書においては、単なる「カルボン酸銀」との記載は、特に断りの無い限り、「β−ケトカルボン酸銀(1)」及び「カルボン酸銀(4)」だけではなく、これらを包括する、「式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀」を意味するものとする。
Y1はそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;R1は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;R2は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R4及びR5はそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;R6は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり;
X1はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「R7O−」、「R7S−」、「R7−C(=O)−」若しくは「R7−C(=O)−O−」で表される基であり;
R7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
β−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表わされるものであれば、特に限定されない。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、2−メチルアセト酢酸銀(CH3−C(=O)−CH(CH3)−C(=O)−OAg)、アセト酢酸銀(CH3−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)、2−エチルアセト酢酸銀(CH3−C(=O)−CH(CH2CH3)−C(=O)−OAg)、プロピオニル酢酸銀(CH3CH2−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)、イソブチリル酢酸銀((CH3)2CH−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)、ピバロイル酢酸銀((CH3)3C−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)、カプロイル酢酸銀(CH3(CH2)3CH2−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)、2−n−ブチルアセト酢酸銀(CH3−C(=O)−CH(CH2CH2CH2CH3)−C(=O)−OAg)、2−ベンジルアセト酢酸銀(CH3−C(=O)−CH(CH2C6H5)−C(=O)−OAg)、ベンゾイル酢酸銀(C6H5−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)、ピバロイルアセト酢酸銀((CH3)3C−C(=O)−CH2−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)、イソブチリルアセト酢酸銀((CH3)2CH−C(=O)−CH2−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)、2−アセチルピバロイル酢酸銀((CH3)3C−C(=O)−CH(−C(=O)−CH3)−C(=O)−OAg)、2−アセチルイソブチリル酢酸銀((CH3)2CH−C(=O)−CH(−C(=O)−CH3)−C(=O)−OAg)、又はアセトンジカルボン酸銀(AgO−C(=O)−CH2−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)であることが好ましい。
カルボン酸銀(4)は、前記一般式(4)で表されるものであれば、特に限定されない。
カルボン酸銀(4)は、ピルビン酸銀(CH3−C(=O)−C(=O)−OAg)、酢酸銀(CH3−C(=O)−OAg)、酪酸銀(CH3−(CH2)2−C(=O)−OAg)、イソ酪酸銀((CH3)2CH−C(=O)−OAg)、2−エチルへキサン酸銀(CH3−(CH2)3−CH(CH2CH3)−C(=O)−OAg)、ネオデカン酸銀(一例を挙げれば、CH3−(CH2)5−C(CH3)2−C(=O)−OAg)、シュウ酸銀(AgO−C(=O)−C(=O)−OAg)、又はマロン酸銀(AgO−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)であることが好ましい。また、上記のシュウ酸銀(AgO−C(=O)−C(=O)−OAg)及びマロン酸銀(AgO−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)の2個の式「−COOAg」で表される基のうち、1個が式「−COOH」で表される基となったもの(HO−C(=O)−C(=O)−OAg、HO−C(=O)−CH2−C(=O)−OAg)も好ましい。
そして、これらカルボン酸銀の中でも、2−メチルアセト酢酸銀及びアセト酢酸銀は、後述する含窒素化合物(なかでもアミン化合物)との相溶性に優れ、銀インク組成物の高濃度化に、特に適したものとして挙げられる。
銀インク組成物は、特に前記金属銀の形成材料が前記カルボン酸銀である場合、前記金属銀の形成材料以外に、さらに含窒素化合物が配合されてなるものが好ましい。
前記含窒素化合物は、炭素数25以下のアミン化合物(以下、「アミン化合物」と略記することがある)、炭素数25以下の第4級アンモニウム塩(以下、「第4級アンモニウム塩」と略記することがある)、アンモニア、炭素数25以下のアミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アミン化合物由来のアンモニウム塩」と略記することがある)、及びアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩(以下、「アンモニア由来のアンモニウム塩」と略記することがある)からなる群から選択される1種又は2種以上のものである。すなわち、配合される含窒素化合物は、1種のみでよいし、2種以上でもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記アミン化合物は、炭素数が1〜25であり、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンのいずれであってもよい。また、前記第4級アンモニウム塩は、炭素数が4〜25である。前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩は、鎖状及び環状のいずれでもよい。また、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子(例えば、第1級アミンのアミノ基(−NH2)を構成する窒素原子)の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。
前記アミン化合物のうち、前記第2級アミンとしては、例えば、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいジアルキルアミン、ジアリールアミン、ジ(ヘテロアリール)アミン等が挙げられる。
前記アミン化合物のうち、前記第3級アミンとしては、例えば、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいトリアルキルアミン、ジアルキルモノアリールアミン等が挙げられる。
環状アミンであれば、好ましいものとして、例えば、ピリジン等が挙げられる。
そして、これらアミン化合物の中でも、2−エチルヘキシルアミンは、前記カルボン酸銀との相溶性に優れ、銀インク組成物の高濃度化に特に適しており、さらに導電層の表面粗さの低減に特に適したものとして挙げられる。
前記アミン化合物由来のアンモニウム塩は、前記アミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩である。前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸であってもよいし、酢酸等の有機酸であってもよく、酸の種類は特に限定されない。
前記アミン化合物由来のアンモニウム塩としては、例えば、n−プロピルアミン塩酸塩、N−メチル−n−ヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩等が挙げられるが、これらに限定されない。
前記アンモニア由来のアンモニウム塩は、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩である。ここで酸としては、例えば、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩の場合と同じもの等が挙げられる。
前記アンモニア由来のアンモニウム塩としては、例えば、塩化アンモニウム等が挙げられるが、これに限定されない。
そして、前記含窒素化合物としては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩及びアンモニア由来のアンモニウム塩からなる群から選択される1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物は、特に前記金属銀の形成材料が前記カルボン酸銀である場合、金属銀の形成材料以外に、さらにアルコールが配合されてなるものが好ましい。
アセチレンアルコール(2)は、前記一般式(2)で表されるものであれば、特に限定されない。
好ましいアセチレンアルコール(2)としては、例えば、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、2−プロピン−1−オール、4−エチル−1−オクチン−3−オール、3−エチル−1−ヘプチン−3−オール等が挙げられる。
前記アルコールとしては、アセチレンアルコール(2)以外の他のアルコールを用いてもよい。
前記アルコールとしては、例えば、エタノール、2−プロパノール等の飽和脂肪族アルコール等が挙げられる。
銀インク組成物は、特に前記金属銀の形成材料が前記カルボン酸銀である場合、金属銀の形成材料以外に、さらに還元剤が配合されてなるものが好ましい。
前記還元剤は、シュウ酸(HOOC−COOH)、ヒドラジン(H2N−NH2)及び下記一般式(5)で表される化合物(以下、「化合物(5)」と略記することがある)からなる群から選択される1種又は2種以上のものである。
H−C(=O)−R21 ・・・・(5)
(式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基又はアミノ基である。)
すなわち、配合される還元剤は、1種のみでよいし、2種以上でもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料、含窒素化合物、アルコール及び還元剤以外の、その他の成分が配合されてなるものでもよい。
銀インク組成物における前記その他の成分は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。前記その他の成分としては、例えば、アルコール以外の溶媒等が挙げられ、配合成分の種類や量に応じて任意に選択できる。
銀インク組成物における前記その他の成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記溶媒は、アルコール以外のもの(水酸基を有しないもの)であれば、特に限定されない。
ただし、前記溶媒は、常温で液状であるものが好ましい。なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15〜25℃の温度等が挙げられる。
例えば、前記その他の成分がアルコール以外の溶媒である場合、前記溶媒の配合量は、銀インク組成物の粘度等、目的に応じて選択すればよい。ただし通常は、銀インク組成物において、配合成分の総量に対する前記溶媒の配合量の割合は、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが特に好ましい。
また、前記その他の成分が前記溶媒以外の成分である場合、銀インク組成物において、配合成分の総量に対する前記その他の成分の配合量の割合は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
配合成分の総量に対する前記その他の成分の配合量の割合が0質量、すなわちその他の成分を配合しなくても、銀インク組成物は十分にその効果を発現する。
前記銀インク組成物は、前記金属銀の形成材料及びそれ以外の成分を配合することで得られる。各成分の配合後は、得られたものをそのまま銀インク組成物としてもよいし、必要に応じて引き続き公知の精製操作を行って得られたものを銀インク組成物としてもよい。本発明においては、特に金属銀の形成材料としてβ−ケトカルボン酸銀(1)を用いた場合、上記の各成分の配合時において、導電性を低下させる不純物が生成しないか、又はこのような不純物の生成量を極めて少量に抑制できる。したがって、精製操作を行っていない銀インク組成物を用いても、十分な導電性を有する金属銀が得られる。
例えば、前記金属銀の形成材料、含窒素化合物、アルコール、還元剤、及びアルコール以外の溶媒が配合されてなる銀インク組成物を製造する場合には、上記の製造方法において、含窒素化合物に前記溶媒を添加した後に、金属銀の形成材料を添加するようにした方法で製造することが好ましい。
銀インク組成物において、溶解していない成分を均一に分散させる場合には、例えば、上記の三本ロール、ニーダー又はビーズミル等を用いて分散させる方法を適用することが好ましい。
銀インク組成物は、さらに二酸化炭素が供給されてなるものでもよい。このような銀インク組成物は高粘度となり、インクを厚盛りすることが必要な印刷法への適用に好適である。
そして、本発明においては、例えば、前記金属銀の形成材料及び含窒素化合物が配合されてなる第1混合物に、二酸化炭素を供給して第2混合物とし、必要に応じて前記第2混合物に、さらに、前記還元剤を配合して、銀インク組成物を製造することが好ましい。また、前記アルコール又はその他の成分を配合する場合、これらは、第1混合物及び第2混合物のいずれか一方又は両方の製造時に配合でき、目的に応じて任意に選択できる。
インクとして、前記銀インク組成物等の金属インク組成物を用いる場合には、まず、先に説明したように、金属インク組成物と、前記印刷版と、を用いて印刷を行い、基材(基板)等の印刷対象物上に、印刷パターンとして、金属インク組成物の層(組成物層)のパターンを形成する。
次いで、得られた組成物層のパターンに対して、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の固化処理を行うことで、金属細線(細線状の金属層)を形成する。前記固化処理により、組成物層のパターンと同じパターンを有する金属細線が得られる。
金属インク組成物の印刷前の、基材の加熱処理の条件は、基材の種類に応じて適宜調節すればよく、特に限定されないが、60〜200℃で10〜60分間加熱処理することが好ましく、例えば、金属細線の形成時における、金属インク組成物の加熱(焼成)処理の条件と同じであってもよい。
プラズマ処理は公知の方法で行えばよく、例えば、大気圧プラズマ処理の場合には、電圧290〜300W、気流速度1.0〜5.0m/分等の条件で行うことができる。
銀インク組成物の加熱処理を加湿条件下で行う場合の相対湿度は、10%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましく、70%以上であることが特に好ましく、90%以上であってもよいし、100%であってもよい。そして、加湿条件下での加熱処理は、100℃以上に加熱した高圧水蒸気の吹き付けにより行ってもよい。このように加湿条件下で加熱処理することにより、短時間でより高純度の金属銀を形成できる。
一段階目の加熱処理において、加熱温度は、銀インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよいが、60〜140℃であることが好ましく、70〜130℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、5秒〜12時間であることが好ましく、30秒〜2時間であることがより好ましい。
二段階目の加熱処理において、加熱温度は、金属銀が良好に形成されるように、銀インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよいが、60〜280℃であることが好ましく、70〜260℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、1分〜12時間であることが好ましく、1分〜10時間であることがより好ましい。
銀インク組成物を耐熱性が低い基材に印刷して加熱(焼成)処理する場合には、一段階目及び二段階目の加熱処理における加熱温度は、130℃未満であることが好ましく、125℃以下であることがより好ましく、120℃以下であることが特に好ましい。
上記の加熱した液体は湯(加熱した水)であることが好ましく、二段階目の加熱処理は、一段階目の加熱処理を行った銀インク組成物を湯中に浸漬すること、すなわち湯煎によって行うことが好ましい。
二段階目の加熱処理を液相中で行った場合には、この加熱処理によって形成された金属銀を、さらに乾燥させればよい。
なお、本明細書において「非加湿」とは、上述の「加湿」を行わないこと、すなわち、湿度を人為的に増大させないことを意味し、好ましくは相対湿度を5%未満とすることである。
一段階目の非加湿条件下での加熱処理に次いで行う、二段階目の加湿条件下での加熱処理時の加熱温度は、60〜140℃であることが好ましく、70〜130℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、1分〜2時間であることが好ましく、1分〜1時間であることがより好ましく、1分〜30分であることが特に好ましい。
銀インク組成物を耐熱性が低い基材に印刷して加熱(焼成)処理する場合には、一段階目の非加湿条件下での加熱処理及び二段階目の加湿条件下での加熱処理における加熱温度は、いずれも130℃未満であることが好ましく、125℃以下であることがより好ましく、120℃以下であることが特に好ましい。
なかでも、好ましい金属細線の形成方法としては、例えば、前記金属銀の細線を形成する工程において、前記カルボン酸銀、好ましくはβ−ケトカルボン酸銀(1)が配合されてなる銀インク組成物の層を、非加湿条件下で加熱処理した後、さらに加湿条件下で、又は加熱した液体と接触させて、加熱処理することで、銀細線を形成するものが挙げられる。
[実施例1]
<印刷版の製造>
以下に示す手順により、図3に示すような、くびれを有する溝をメッシュ状に備えた印刷版を製造した。
すなわち、印刷版の母材となる銅板の表面に、感光性レジスト組成物を塗布してレジスト層を形成した。次いで、目的とする配置形態の溝がこの銅板に形成されるように、前記レジスト層にレーザー光を照射して感光させることで、レジスト膜を形成した。次いで、このレジスト膜の現像を行うことで、目的とするレジストパターンを形成した。次いで、このレジストパターンを形成した銅板の表面をエッチング液と接触させ、現像後のレジスト膜で被覆されていない銅板の表面をエッチングし、さらにすべてのレジスト膜(レジストパターン)を除去することで、銅板の表面に目的とする配置形態の溝を形成した。次いで、この溝を形成した銅板の表面に対して、クロムメッキを行い、さらに形成したクロムメッキ膜の表面を研磨することで、印刷版として、くびれを有する溝を、目的とする配置形態で表面に備えた、厚さが150μmの凹版を得た。
ビーカー中に2−エチルヘキシルアミン(後述する2−メチルアセト酢酸銀に対して1.45倍モル量)と、n−ヘキサン(後述する2−メチルアセト酢酸銀に対して1.63倍モル量)と、をこの順に加えて、メカニカルスターラーを回転させて撹拌しながら、液温が50℃以下となるように、ビーカー中に2−メチルアセト酢酸銀を添加した。
2−メチルアセト酢酸銀の添加終了後、同様の状態を維持したまま、ビーカー中にシリンジポンプを用いて、ギ酸(2−メチルアセト酢酸銀に対して0.5倍モル量)を10分かけて滴下し、ギ酸の滴下終了後、さらにそのままの状態で1.5時間撹拌した。
次いで、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(以下、「DMHO」と略記することがある)(2−メチルアセト酢酸銀に対して0.032倍モル量)及び4−エチル−1−オクチン−3−オール(以下、「EOO」と略記することがある)(2−メチルアセト酢酸銀に対して0.004倍モル量)の混合物をビーカー中に添加し、添加終了後、さらにそのままの状態で5分撹拌することにより、銀インク組成物を得た。
なお、DMHOとしては、エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」を用い、EOOとしては、東京化成工業社製のものを用いた。
なお、本実施例において「金属銀の形成材料」とは、「β−ケトカルボン酸銀(1)」のことである。
グラビアオフセット印刷法により、上記で得られた印刷版及び銀インク組成物を用いて、ポリカーボネート製基板(厚さ0.4mm)の一方の主面(表面)上に印刷を行い、図7に示すようなメッシュ状の印刷パターンを形成した。より具体的には、印刷版の溝を有する表面に、銀インク組成物を供給し、余分の銀インク組成物をドクターブレードによって除去することで、溝に銀インク組成物を充填した。そして、この充填された銀インク組成物を、オフセットロールのブランケット材の表面に転写した後、ベルトコンベヤユニットで運搬されてきた前記基板の表面に対して、この銀インク組成物を転写することで印刷を行った。オフセットロールとしては、金属製の筒体の表面がシリコーン樹脂製のブランケット材で被覆されたものを用いた。
次いで、上記で得られた、印刷パターンを備えた基板を、120℃で10分加熱し、さらに温度120℃、相対湿度90%の加湿雰囲気下に10分置いて、前記印刷パターンを加熱(焼成)処理した。以上により、前記印刷パターン(銀インク組成物のパターン)から金属銀を形成させることで、基板上に図7に示すメッシュ状の銀細線を形成した。
表2に示すように、溝のくびれを形成している前記突出部の長さL1が、2.0μmではなく1.5μmとなるように製版データを作製した点以外は、実施例1の場合と同じ方法で印刷版を製造した。すなわち、本参考例では、印刷版の製造に際して、溝の幅W1が5μm、溝の深さが1.9μm、溝のくびれを形成している前記突出部の長さL1が1.5μm、前記突出部の幅L2が1.0μm、とそれぞれなるように製版データを作製し、ほぼそのとおりの印刷版を得た。
そして、この印刷版を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、印刷パターン及び銀細線を形成した。
表2に示すように、溝のくびれを形成しないように製版データを作製した点以外は、実施例1の場合と同じ方法で印刷版を製造した。
そして、この印刷版を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、印刷パターン及び銀細線を形成した。
表2に示すように、溝の幅W1が5μmではなく4μm、溝の深さが1.9μmではなく1.5μm、とそれぞれなるように製版データを作製した点以外は、実施例1の場合と同じ方法で印刷版を製造した。すなわち、本参考例では、印刷版の製造に際して、溝の幅W1が4μm、溝の深さが1.5μm、溝のくびれを形成している前記突出部の長さL1が2.0μm、前記突出部の幅L2が1.0μm、とそれぞれなるように製版データを作製し、ほぼそのとおりの印刷版を得た。
そして、この印刷版を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、印刷パターン及び銀細線を形成した。
表2に示すように、溝の幅W1が5μmではなく4μm、溝の深さが1.9μmではなく1.5μm、とそれぞれとなるように、さらに溝のくびれを形成している前記突出部の長さL1が、2.0μmではなく1.5μmとなるように、製版データを作製した点以外は、実施例1の場合と同じ方法で印刷版を製造した。すなわち、本実施例では、印刷版の製造に際して、溝の幅W1が4μm、溝の深さが1.5μm、溝のくびれを形成している前記突出部の長さL1が1.5μm、前記突出部の幅L2が1.0μm、とそれぞれなるように製版データを作製し、ほぼそのとおりの印刷版を得た。
そして、この印刷版を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、印刷パターン及び銀細線を形成した。
表2に示すように、溝のくびれを形成しないように、かつ溝の幅W1が5μmではなく4μmとなるように製版データを作製した点以外は、実施例1の場合と同じ方法で印刷版を製造した。
そして、この印刷版を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、印刷パターン及び銀細線を形成した。
<銀細線の屈曲部における幅の拡大の抑制効果>
レーザー顕微鏡(キーエンス社製「VK−X100」)を用いて、上記の各実施例、参考例及び比較例の銀細線を観察した。そして、銀細線について、すべての屈曲部において幅DL(幅DL1及び幅DL2)を測定し、屈曲部以外での幅WLを測定して、これら測定値の最大値を求めた。そして、幅DL1又は幅DL2が最大となっている銀細線の屈曲部において、幅の拡大の抑制効果を、観察結果から下記評価基準に従って評価した。結果を表2に示す。表2中、「拡大抑制効果」の欄の記載が、該当する結果である。
(評価基準)
A:拡大抑制効果が高い。
B:Aには劣るが、拡大抑制効果が認められる。
C:拡大抑制効果が低いか、又は認められない。
上記の各実施例、参考例及び比較例で得られた、銀細線を備えた基板の、銀細線が形成されていない側の表面(裏面)を、樹脂成分としてポリカーボネート/ABS樹脂アロイを含有する黒色基材(厚さ2mm)の一方の表面に接触させて、前記基板を前記黒色基材上に載置した。この状態で、前記基板上の銀細線は露出している。
次いで、4人の観察者によって、この状態の前記基板を、その上方(換言すると銀細線側)から目視観察し、銀細線の屈曲部の視認抑制効果を、下記評価基準に従って評価した。結果を表2に示す。表2中、「視認抑制効果」の欄の記載が、該当する結果である。
(評価基準)
A:視認抑制効果が高い。
B:Aには劣るが、視認抑制効果が認められる。
C:視認抑制効果が低いか、又は認められない。
上記の「銀細線の屈曲部における幅の拡大の抑制効果」の評価時に、同時に、銀細線の屈曲部の形状を観察し、銀細線の導電性の観点から、下記評価基準に従って、形状異常の有無を評価した。結果を表2に示す。表2中、「形状」の欄の記載が、該当する結果である。
(評価基準)
A:銀細線が顕著に大きい抵抗値を有する原因となる、断線又はその他の明らかな形状異常が認められない。
B:銀細線が顕著に大きい抵抗値を有する原因となる、断線又はその他の明らかな形状異常が認められる。
Claims (3)
- 印刷版として凹版を用いる印刷パターンの形成方法であって、
前記印刷版は、その表面にインクを充填するための溝を有し、
前記溝は、前記印刷版の表面に対して平行な方向において屈曲する屈曲部を有し、
前記溝が、前記屈曲部の180°未満の角度を成す側において、くびれを有し、
前記印刷版の前記溝を有する表面を上方から見下ろすように平面視したとき、前記くびれは、前記溝の内部において、前記屈曲部の180°未満の角度を成す側から、これとは反対側へ向けて、前記溝を遮断しないように、多面体状の突出部が形成され、構成されており、
前記突出部の長さをL 1 とし、前記突出部の幅をL 2 とし、前記印刷版の前記表面における、前記溝の前記屈曲部以外での開口部の幅をW 1 としたとき、L 1 ×L 2 /W 1 の値が0.35〜0.46μmである、印刷パターンの形成方法。 - 前記L 1 が1〜3μmであり、前記L 2 が0.5〜2μmであり、前記W 1 が1〜20μmである、請求項1に記載の印刷パターンの形成方法。
- 前記突出部の形状が角柱状である、請求項1又は2に記載の印刷パターンの形成方法。
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