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JP6959639B2 - 透光性布帛 - Google Patents
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本発明は、紗織りやオーガンジーなどの透孔布帛に装飾用の不透光性模様が付加されて形成される透光性
従来から、仏壇の内障子などには、金属箔付透孔布帛などの透光性布帛が用いられている(たとえば、特許文献1参照)。仏壇を寺院に見立てると、扉は山門に相当し、内障子は扉とは独立して開閉可能である。扉を開いて、内障子を開放することは、寺院の内陣を開放することに相当する。内障子を閉じても内陣が見通せるように、内障子には紗織りのような透光性を有する透孔布帛が装着される。内障子は、開いた状態でも、閉じた状態でも、同様に装飾されている方が好ましい。このため、内障子では、透孔布帛の片面に、金属箔、あるいは金属箔の片面または両面に有色薄膜を積層した積層膜を部分転写して装飾模様付けした金属箔付透孔布帛が用いられる。
本件出願人は、特許文献1で、表裏の光沢が同様に見える金属箔付透孔布帛を提案している。金属箔付透孔布帛は、金属光沢に表裏の差がないことを目的とし、金属箔の表面側に艶消し層を形成し、透孔布帛で消されて上品になる裏面側と同様の光沢が得られるようにしている。
特開2016−172327号公報
特許文献1では、金属箔付透孔布帛を、紗織りばかりではなく、絽やレースなどに用い、室内装飾などに使用することも可能としている。カーテンやリボンなどに表裏が同様に見える透孔布帛を使用すれば、独特の装飾効果が得られると期待される。
しかしながら、透孔布帛に形成する不透光性模様の面積が大きくなると、裏面側では透孔布帛の緯糸と経糸との織目が目立ち、表面側を艶消しにして光沢を裏面側と同様にするだけでは、外観の差を解消させることができなくなる。
本発明の目的は、表裏での外観の差を小さくすることが可能な透光性布帛を提供することである。
本発明は、透孔布帛の一方側表面に不透光性模様の層の一面側を付着させて形成される透光性布帛において、
不透光性模様の層の他面側に、透孔布帛模様を印刷しておく、
ことを特徴とする透光性布帛である。
また本発明で、前記不透光性模様は、金属箔の部分転写層を含む、
ことを特徴とする。
また本発明で、前記不透光性模様は、顔料または金属粉の少なくとも一方を含む樹脂インクの印刷層で形成する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、不透光性模様の層の一面側は透孔布帛の一方側表面に付着しているので、透光布帛の他方側から見れば透孔布帛が見え、一方側から見れば不透光性模様の層の他面側に印刷されている透孔布帛模様が見えるので、一方側と他方側との表裏での外観の差を小さくすることができる。

また本発明によれば、不透光性模様は、金属箔の部分転写層で形成し、表面側に透孔布帛模様を印刷しておくので、金属光沢の艶消し具合も含めて表裏の外観の差を小さくすることができる。金属箔の厚みが小さければ、透孔布帛の緯糸および経糸による織目構造が表面側の凹凸にも反映され、印刷される透孔布帛模様の立体感を補強して、外観の差を解消させることができる。
また本発明によれば、不透光性模様を、顔料または金属粉の少なくとも一方を含む樹脂インクの印刷層で形成する。不透光性模様の部分で透孔布帛が表面側から見えなくなっても、不透光性模様表面に透孔布帛模様を印刷するので、表裏での外観の差を小さくすることができる。
図1は、本発明の実施例1である透光性布帛1の表裏を示す模式的な正面図および背面図である。 図2は、図1の透光性布帛1の構成およびその転写素材の提供状態を示す模式的な断面図である。 図3は、本発明の実施例2である透光性布帛31の構成およびその転写素材の提供状態を示す模式的な断面図である。
以下、図1および図2で、本発明の実施例1としての透光性布帛1について説明する。また図3で、本発明の実施例2としての透光性布帛31について説明する。説明の便宜上、説明対象の図には記載されていない部分について、他の図に記載される参照符を付して言及する場合がある。また、同様な機能を有する部分は、同一の参照符を付して重複する説明を省略する場合がある。ただし、同一の参照符が付されていても、素材などを含めて完全に同一ではない場合がある。
図1は、本発明の実施例1としての透光性布帛1の表裏を模式的に示す。透光性布帛1は、たとえば仏壇の内障子への使用を想定して、紗織りの透孔布帛2の一方側表面に不透光性模様3となる金属箔を部分転写で付着させて形成する。(b)に示す裏面側は、透孔布帛2を介して、不透光性模様3の裏側が見える状態となり、不透光性模様3の金属箔としての光沢は緩和される。不透光性模様3が付着していない透孔布帛2の部分は、表側と裏側とのいずれから見ても、背景が透けて見え、透孔布帛2自体はあまり目立たない。これに対し、不透光性模様3が存在する部分を裏側から見ると、透孔布帛2の緯糸と経糸との織目構造が目立つ場合がある。たとえば、緯糸と経糸とによる目が粗くなっていたり、布帛の糸の色が金属箔の色と異なっていたりすれば織目構造が目立つ。逆に、目が詰んでいれば、織目構造のメッシュが細かくなってあまり目立たなくなり、不透光性模様3が細かいような場合も織目構造はあまり目立たない。本実施例1のように、不透光性模様3として「山カスミ」を使用すると、特許文献1の図3や図5に示す「唐草」よりも模様の面積が大きくなるので、裏面側では、織目構造が目立つようになる。
図1(a)は、透光性布帛1の表面側を示す。表面側では、不透光性模様3の表面に、透孔布帛模様4を印刷しておき、不透光性模様3が付着している部分の表裏の外観を合わせている。すなわち、不透光性模様3の部分では、裏面側から付着している透孔布帛2が見え、表面側から印刷されている透孔布帛模様4が見えるので、表裏での外観の差を小さくすることができる。
図2は、透光性布帛1の断面構成およびその転写素材の提供状態を示す。(a)に示すように、透光性布帛1は、透孔布帛2の表面に不透光性模様3を、表面に透孔布帛模様4が印刷された状態で付着させて形成する。不透光性模様3は、アルミニウム蒸着層11の裏面側と表面側とに、黄色系の着色層12,13を形成し、さらに着色層13上に透孔布帛模様4を印刷したものを、透孔布帛2上に部分転写して形成する。着色層12,13は単一色で一様な色づけをするばかりではなく、柄が印刷されるようにしてもよい。不透光性模様3と透孔布帛2との間には、接着剤層15が設けられる。
図2(b)は、不透孔性模様3として提供される転写素材の断面構成を示す。不透孔性模様3は、アルミニウム蒸着層11の金属光沢で模様を形成するために使用される。アルミニウム蒸着層11を、紙や透孔布帛2などの凹凸や透孔を有する素材上に蒸着させて一様な被膜を得ることは困難なので、平坦な樹脂フィルムを基材シート20として蒸着のベースに利用する。まず、基材シート20上に離型剤層21を形成し、透孔布帛模様4を先に印刷しておく。透孔布帛模様4の次に着色層13を形成してから、アルミニウム蒸着層11を数100〜1000オングストロームの厚さとなるように真空蒸着などで形成し、さらに着色層12を形成する。着色層12,13は、透明な樹脂の塗膜のみ形成してもよい。透明な樹脂の塗膜を形成する場合、アルミニウム蒸着層11は、銀色に見える。着色層12,13として、黄色系とは異なる色の塗膜を形成すれば、金属光沢を有する着色状態を得ることができる。アルミニウム蒸着層11に替えて、金、銀、亜鉛、クロムなどの他の金属や合金などの蒸着層を用いることもできる。また、家庭用のクッキングホイルで7ミクロン程度の厚さとなるようなアルミニウム箔(Al)など、圧延加工によって形成される金属箔や、圧延加工後に箔を叩き延す箔打ち加工で0.1ミクロン程度の厚さとなるような金(Au)箔をアルミニウム蒸着層11に替えて使用することもできる。他の金属箔として、洋白箔、真鍮箔、銀(Ag)箔、白金(Pt)箔を使用することもできる。
図2(a)に示すような部分転写された不透光性模様3は、(b)に示す転写素材を、透孔布帛2の表面に印刷された接着剤層15を介して付着させて形成する。たとえば、グラビア印刷で設ける接着剤層15を介して転写素材を貼付け、接着剤層15の硬化後に、基材シート20側から剥離させる。接着剤層15が形成された部分では、基材シート20と透孔布帛模様4との間が離型剤層21で分離し、不透光模様3が残る。接着剤層15が形成されない部分では、離型剤層21で分離しないで、転写素材の全体を除去することができる。転写素材が除去された部分は、表裏とも透孔布帛2が同様に見えるようになる。不透光模様3の表面に印刷される透孔布帛模様4は、透孔布帛2への貼付け前に形成され、透孔布帛2が伸縮みしやすいこともあって、透孔布帛模様4と透孔布帛2の編目構造を合わせることは困難である。しかしながら、透孔布帛2の部分は、透けていて背景が見えていて織目が目立たなければ、不透光性模様3に比較してあまり目立つことはなく、透光性布帛1の表面側でも、不透光性模様3に透孔布帛模様4が形成されていることが、裏面側との外観の差を小さくしている。
図2(c)に示すように、アルミニウム蒸着層11などの部分転写の過程で、接着剤層15を介して転写素材を透孔布帛2上に貼付ける際に押圧すると、不透光性模様3の厚さが薄いので、表面側から見ると不透光性模様3が下層の透孔布帛2の織目構造を拾う。この結果、透孔布帛2の緯糸2aおよび経糸2bによる織目構造が不透光性模様3の表面側の凹凸にも反映され、外観の差を解消させることができる。たとえば、透孔布帛模様4と同様な模様を印刷しただけの紙では、織物の感じはあまり得られない。しかし、透孔布帛模様4のような模様を印刷し、透孔布帛と同様な織物構造の布目の凹凸をエンボス加工によって入れると立体感が出て、織物に近いように見える。透孔布帛2の場合、凹凸と透孔布帛模様4との位置がずれていても、凹凸で印刷される透孔布帛模様4の立体感を補強することができる。
図3は、本発明の実施例2としての透光性布帛31の断面構成およびその転写素材の提供状態を示す。(a)に示すように、透光性布帛31では、図2のアルミニウム蒸着層11を使用する不透光性模様3に替えてし、樹脂インクの印刷で形成する樹脂層30を含む不透光性模様33を使用して部分転写する。樹脂層30は、充填材や、顔料または金属粉の少なくとも一方である着色材などを含み、不透光性にしておく。着色層13には、透孔布帛模様4との親和性の高い樹脂を使用する。着色層12は、表裏で同一の外観となるように、着色層13と同様に形成する。(b)に示す転写素材は、平坦な基材シート20上に全面印刷で形成するので、金属蒸着よりも生産性を上げることができる。樹脂層30の遮光性が高くなって裏面側の透孔布帛2が表面側から見えなくなっても、透孔布帛模様4を印刷するので、表裏での外観の差を小さくすることができる。特に、樹脂層30を薄くしておけば、表面側に透孔布帛2の凹凸が反映されるので、立体感の差も小さくすることができる。
不透光性模様3は、面積が大きいような場合、樹脂層30は、接着剤層15を介して部分転写するばかりではなく、直接透孔布帛2に印刷したり、シート状の樹脂層30からカッティングマシーンで裁断して貼付けたりして形成することもできる。そのような不透光性模様3の表面への透孔布帛模様4の印刷は、インクジェット方式などを利用して行うことができる。
なお、各実施例の透光性布帛1,31は、透孔布帛2として紗織りを使用する仏壇の内障子ばかりではなく、透孔布帛2として絽やレースなどを用いる室内装飾や、オーガンジーやシフォンなどを使用する衣料、カーテンやリボンなどに使用することもできる。
1 透光付布帛
2 透孔布帛
3,33 不透光性模様
4 透孔布帛模様
11 アルミニウム蒸着層
12,13 着色層
15 接着剤層
30 樹脂層

Claims (3)

  1. 透孔布帛の一方側表面に不透光性模様の層の一面側を付着させて形成される透光性布帛において、
    不透光性模様の層の他面側に、透孔布帛模様を印刷しておく、
    ことを特徴とする透光性布帛。
  2. 前記不透光性模様は、金属箔の部分転写層を含む、
    ことを特徴とする請求項1記載の透光性布帛。
  3. 前記不透光性模様は、顔料または金属粉の少なくとも一方を含む樹脂インクの印刷層で形成する、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の透光性布帛。
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