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JP7109106B2 - 標識柱の構造、標識柱、及び柱構造 - Google Patents
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標識柱の構造、標識柱、及び柱構造 Download PDF

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Description

本発明は、道路等に設置される標識柱の構造、標識柱及び柱構造に関する。
現在、道路の側辺には多くの標識柱が設置されている。標識柱には、道路標識やミラー等が取り付けられている。このような標識柱は、自動車や歩行者の交通の便に寄与している。一般的に、標識柱は、直立した状態で地面に埋設されている。しかし、これら標識柱は、自動車等の衝突により曲げられてしまう場合が多々ある。
この場合、根元に局所座屈が発生することが多くみられ、標識起こし機等を用いて修理する作業が行われている。しかし、標識起こし機で倒れた標識柱を起こすと、標識柱に亀裂が入ることがある。そして、危険を取り除くために標識柱を折り取り、新たな標識柱やミラー設置柱を再度設置すると、多くのコストがかかってしまう。
局所座屈を防止するための方策として、例えば特許文献1に開示のものがある。これによれば、標識柱座屈防止具により地面から少し上方の位置での標識柱の局所座屈が防止され、自動車等の衝突によっても標識柱が緩やかに曲がるようにすることができる、とされている。
特開2017-36631号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の標識柱座屈防止具は、地面付近で標識柱の外周外側に配置される。従い、地面付近での標識柱の外径形状が見かけ上大径化する。設置場所によっては、埋設するスペースに制約があるため、標識柱の外径を大きくすることが困難な場合がある。自動車や歩行者が標識柱の近くを通過する際に、標識柱座屈防止具を踏みつけてしまう場合もあり得る。標識柱が曲がってしまった場合には、標識起こし機等を用いて修理、すなわち、標識柱の曲がりを直す作業が行われる。このとき、標識柱の外周外側に配置された標識柱座屈防止具が作業の邪魔になる可能性もある。
また、地上に建てられた柱に水平に固定梁が接続された柱構造では、例えば車両の衝突や、強風、地震等の災害によって、柱と固定梁との接続部に過剰の応力が印可され、柱と固定梁との接続部近傍で局所座屈が生じることがある。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、標識柱の外径形状を変化させずに標識柱の地面付近での局所座屈を防止することで、設置スペースの自由度を向上させ、標識柱近くにおける歩行者や自動車等の通過性を向上させることを課題としている。合わせて、自動車等の衝突によっても曲がりにくいか又は緩やかに曲がるように構成することを実現した標識柱及びその構造を提供することを課題としている。
また、地上に建てられた柱に水平に固定梁が接続された柱構造において、柱と固定梁との接続部近傍で局所座屈を防止し、衝撃が加わったとしても曲がりにくいか又は緩やかに曲がるように構成することを実現した柱構造を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
本発明の一実施形態に係る標識柱の構造は、直立した状態で地面に埋設されて使用される標識柱の構造であって、前記標識柱は、実質的に外径が所定外径であり、内径が所定内径であり、その肉厚が所定肉厚であって中空の管状部材であり、前記標識柱が地面に埋設された状態において地表面の高さ以下の第1位置から地表面の高さより所定距離だけ上方の第2位置までの第1範囲の間は前記所定肉厚が一定であり、かつ、前記第1範囲において、前記中空の内部に前記標識柱の曲げ強さを補強するための補強部材が配置されている。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、標識柱の外径形状を変化させずに標識柱の地面付近での局所座屈を防止することで、設置スペースの自由度を向上させ、標識柱近くにおける歩行者や自動車等の通過性を向上させることができる。さらに、自動車等の衝突によっても曲がりにくいか又は緩やかに曲がるように構成することができる。
図1は、実施形態1に係る標識柱を用いた道路標識の全体図である。 図2(a)及び(b)は、標識柱の他の例を示す図である。 図3は、実施形態1に係る標識柱の内部構造を示す縦断面図である。 図4は、標識柱の断面二次モーメントのシミュレーション計算結果を示す表である。 図5(a)及び(b)は、実施形態2に係る標識柱の内部構造を示す断面図である。図5(a)は、図5(b)のVa-Va線に沿った断面図である。図5(b)は、図5(a)のVb-Vb線に沿った断面図である。 図6(a)及び(b)は、実施形態3に係る標識柱の内部構造を示す断面図である。図6(a)は、図6(b)のVIa-VIa線に沿った断面図である。図6(b)は、図6(a)のVIb-VIb線に沿った断面図である。 図7(a)及び(b)は、実施形態4に係る標識柱の内部構造を示す断面図である。図7(a)は、図7(b)のVIIa-VIIa線に沿った断面図である。図7(b)は、図7(a)のVIIb-VIIb線に沿った断面図である。 図8(a)及び(b)は、実施形態5に係る標識柱の内部構造を示す断面図である。図8(a)は、図8(b)のVIIIa-VIIIa線に沿った断面図である。図8(b)は、図8(a)のVIIIb-VIIIb線に沿った断面図である。 図9(a)及び(b)は、実施形態6に係る標識柱の内部構造を示す断面図である。図9(a)は、図9(b)のIXa-IXa線に沿った断面図である。図9(b)は、図9(a)のIXb-IXb線に沿った断面図である。 図10(a)及び(b)は、実施形態7に係る標識柱の内部構造を示す断面図である。図10(a)は、図10(b)のXa-Xa線に沿った断面図である。図10(b)は、図10(a)のXb-Xb線に沿った断面図である。 図11は、実施形態8に係る標識柱の内部構造を示す断面図である。図11(a)は、図11(b)のXIa-XIa線に沿った断面図である。図11(b)は、図11(a)のXIb-XIb線に沿った断面図である。 図12は、標識柱の他の例を示す図である。 図13は、標識柱の他の例を示す図である。 図14(a)、(b)、(c)及び(d)は、実施形態9に係る柱部材の内部構造を示す断面図である。図14(a)は、図14(b)のXIVa-XIVa線に沿った断面図である。図14(b)は、図14(a)のXIVb-XIVb線に沿った断面図である。図14(c)は、図14(d)のXIVc-XIVc線に沿った断面図である。図14(d)は、図14(c)のXIVd-XIVd線に沿った断面図である 図15(a)、(b)及び(c)は、実施形態9に係る固定梁の内部構造を示す断面図である。図15(a)は、図15(b)のXVb-XVb線、又は図15(c)のXVc-XVc線に沿った断面図である。図15(b)は、図15(a)のXVa-XVa線に沿った断面図である。図15(c)は、図15(a)のXVa-XVa線に沿った断面図である。 図16(a)、(b)及び(c)は、実施形態9に係る固定梁の内部構造を示す断面図である。図16(a)は、図16(b)のXVIb-XVIb線、又は図16(c)のXVIc-XVIc線に沿った断面図である。図16(b)は、図16(a)のXVIa-XVIa線に沿った断面図である。図16(c)は、図16(a)のXVIa-XVIa線に沿った断面図である。
[実施形態1]
以下、本発明の実施形態1について図面を用いて説明する。
<標識柱の説明>
図1は、本発明の実施形態1に係る道路標識1の全体図である。道路標識1は、標識柱2と標識板3とを有して大略構成される。標識板3は、標識柱2の上端部近傍等に固定取付けされる板状部材であり、一般的にスチール、アルミニウム等の金属板で構成される。標識板3の少なくとも一方の表面(片側面)には、標識情報としての図柄や文字等が形成される。これにより、付近を通過する歩行者や自動車(以下、これらを総称して通行者等ともいう。)に情報を与えたり、注意を喚起したりする機能を発揮させることができる。標識情報の一例としては、例えば、速度制限、一時停止、駐車禁止等の標識図形を列挙することができる。
標識柱2は、標識板3が通行者等により容易に認識されるようにするために、一定の高さに標識板3を掲示する機能を有する。標識柱2は、一般的にスチール等の金属製円管によって構成される。例えば、外径60mm~80mm程度、肉厚2mm~4mm程度の鋼管が標識柱2として用いられる。標識柱2の長さは種々のものがあり、例えば2m~5m程度のものがよく用いられる。標識板3は、通行者等が遠くからも視認容易となるように、標識柱2の上端部近傍に固定金具14を介して取り付けられている。標識柱2の下方部分は、地面4に埋設される。そして、標識柱2は地表4aから直立するように設置される。
標識柱2は、必ずしも直線的な鋼管に限定されず、例えば、図2(a)に示す標識柱2aや図2(b)に示す標識柱2bのように、設置場所に応じて部分的に曲げられたものもある。しかしながら多くの標識柱(2、2a、2b)は、地面4に埋設される部分においては、略直線的な形状を有する。
<標識柱の内部構造>
図3は、この実施形態1に係る標識柱2の内部構造を示す断面図である。なお、図3は、標識柱2の延伸方向に沿った断面図を示している。同様に、以下に示す断面図は、特に断りがない限り、標識柱の延伸方向の断面図を示す。図3は、標識柱2が地面4に設置される場合の地表4aの高さに対応する位置近傍を示している。この標識柱2では、標識柱2の下方部分が地中4b内に埋設されている。また、標識柱2の大部分が地表4aに立設するように配置される。なお、標識柱2の地表4aの高さに相当する高さ位置を位置P0とする。また、位置P0から見て地中側を下方、地上側(標識板3のある側)を上方とい
う。
標識柱2は、位置P0を含む範囲である第1範囲5(後述、図3参照)以外の部分においては、一定の値を有する外径(第1の外径)及び一定の値を有する内径(第1の内径)を有している。つまり、標識柱2は、第1範囲5以外の部分においては、一定の値を有する肉厚(肉厚t1)を有する円管状部材から構成される。例えば、本実施形態1では、この第1範囲5以外の部分では、標識柱2は外径60.5mm、肉厚2.8mmの鋼管である。もちろん標識柱2は、管状部材であればよく円管に限られない。場合によっては、本発明は、断面三角形状の三角管状部材、断面四角形状の四角管状部材等の多角形管状部材、断面楕円形状の楕円管状部材等から成る標識柱に適用することが可能である。
第1範囲5は、図3に示すように、地表4aの下方の第1位置P1から地表4aより所定距離Lだけ上方の第2位置P2までの範囲である。標識柱2は、少なくとも第1範囲5において肉厚(t1)が一定(本実施形態1では、肉厚t1が2.8mmに設定される)である。すなわち、本実施形態1では、標識柱2を構成する円管状部材は、全体において一定の所定肉厚(t1)を有している。
所定距離Lは、例えば、10mmである。すなわち、第2位置P2は、例えば、位置P0から10mm上方の位置である。所定距離Lは、0mm以上であればよく、5mm以上が好ましい。さらに、所定距離Lは、10mm以上であることがより好ましい。
一般に、標識柱(本発明不適用のもの)に自動車等が衝突して外部から大きな外力(曲げモーメント力)が加えられた場合、標識柱は、地表から約10mm上方の位置で座屈し折れ曲がることが多い。そのため、地表から約10mm上方の位置における標識柱の断面二次モーメントを大きくして(曲げモーメント力に対する強さを強くして)座屈を防止し、標識柱が折れることなく緩やかに曲がるように構成することが好ましい。標識柱が緩やかに曲がった場合は、標識起こし機等により元の直立状態に比較的容易に復元することができる。
また、地表から約10mm上方の位置において標識柱(本発明不適用のもの)が座屈する場合においては、標識柱には横方向(水平方向)に沿った皺が入ることがある。この皺は、標識柱が内部方向(円断面中心方向)へ凹むことにより生じる。しかしながら、地表から約10mm上方の位置で標識柱の肉厚を大きくしたり、標識注の内部の補強用の別部材(補強部材)を配置すれば、標識柱が内部方向へと凹み難くなる。その結果、皺が生じ難くなる。つまり、この位置での座屈が生じ難くなる。
次に、所定距離Lの上限値は以下の様に求めることができる。標識柱(本発明不適用のもの)に自動車等が衝突して外部から大きな外力(曲げモーメント力)が加えられた場合でも、標識柱が座屈し折れ曲がることがない所定距離LをLmaxと定義する。よく知られている長柱の弾性座屈に関するオイラーの公式を用いると、所定距離の上限値Lmaxは、以下の式で表される。ここで、所定距離の上限値Lmaxは、弾性限界(降伏)と同時に座屈変形を生じる圧縮場の長さとして定義することができる。

Figure 0007109106000001
ここで、t、β、E、σの各パラメータは以下の通り定義される。
Lmax:所定距離の上限値
t:肉厚
β:有効座屈長(下端完全固定、上端ピン支持の場合は0.7)
E:ヤング率
σ:降伏応力

ここで、Lmaxは、標識柱の肉厚tに依存し、標識柱の外径には依存しないことに留意する必要がある。従って、標識柱において、地表からLmax以下の位置の肉厚を大きくすることで、実質的に塑性変形を伴う局部座屈を防止できることが分かる。さらに、標識柱の肉厚が大きい範囲を地表からLmax以下とすることで、標識柱の重量の低減も可能となる。
例えば、標識柱が鋼材からなる場合、典型的なヤング率は約200GPaである。降伏応力が180MPaであるとして、標識柱の肉厚tに対してLmaxは以下のように求めることができる。肉厚tが2.3mmの場合、Lmaxは、99.3mmである。肉厚tが2.8mmの場合、Lmaxは、120.9mmである。肉厚tが3.2mmの場合、Lmaxは、138.2mmである。
地表4a近傍の位置において、標識柱2の外径は一定であり、外観上は単純な円柱形状を有する。したがって、標識柱2の設置箇所に余分なスペースは必要としない。一般的な標識柱と同様に自由度の高い設置箇所の選択が可能である。また、標識柱2を設置した後にも、通行者等が標識柱2近くを通過する際に、付近に通行の邪魔になるような部材が存在しない。故に、通行者等の通行性を良好なものとすることができる。
標識柱2の中空内部6には、第1位置P1の下方に底板部7が配置されている。底板部7は、後述する補強部材としての粒状体8が下方に落下するのを防止するためのものである。底板部7の材質は特段限定されないが、例えば鉄やアルミニウム等の金属製であってもよい。また、底板部7は、標識柱2の中空内部6を上側と下側とに遮断するものであってもよい。しかし、粒状体8の下方落下を防止する機能を発揮するものであれば、必ずしも中空内部6を完全に遮断するものである必要はない。例えば、粒状体8よりも小さな貫通孔が空いていたり、格子構造を有していてもよい。また、底板部7は、標識柱2とは別体とされた部材であって、例えば溶接、熱カシメ、圧入等の方策により中空内部6に固定されるものであってもよい。
中空内部6には、底板部7の上方に複数の粒状体(補強部材)8が充填されている。粒状体8は、第1位置P1から第2位置P2までの第1範囲5にわたって充填されている。粒状体8は、比較的小サイズの補強部材である。粒状体8の材質は特段限定されないが、充分な補強機能を発揮するために、例えば鉄、アルミニウム、真鍮等の金属材料の他、砂、石、ガラス等を用いることができる。粒状体8は、小径の球体であってもよいし、小サイズの正四面体、正六面体であってもよい。また、粒状体8は、砂や石のように、大きさや形状が不揃いの粒子の集合体であってもよい。粒状体8が小径の球体である場合には、例えば、直径が3mm~20mm程度であることが好ましい。粒状体8が小サイズの正四面体、正六面体である場合は一辺の長さが3mm~20mm程度であることが好ましい。いずれにしても第1範囲5における粒状体8の充填率が高い(空隙率が小さい)ことが好ましい。
第1範囲5において、中空内部6に粒状体8が充填されることで、標識柱2は地表4a近傍において高い強度を有することとなる。粒状体8の存在により、第1範囲5において標識柱2の見かけ上の断面積が増大したのと同様の効果を発揮することができる。この結果、この部分での標識柱2の断面二次モーメントが大きくなるように構成することができる。また、複数の粒状体8同士又は粒状体8と標識柱2の内面とが相互に摩擦力を生じることで、一層曲げに対する強さを向上させることができる。その結果、標識柱2は、自動車等の衝突によっても容易に曲折してしまったり破損してしまったりしないようになっている。破損は防止され、曲がりにくくされ、たとえ曲がってしまう場合にも緩やかに曲がるようになっている。
なお、上記においては、標識柱2の外径が60.5mm、所定肉厚が2.8mm、第2位置P2が10mmの場合について説明した。これらの数値は、本発明の標識柱2の一例であって、本発明の趣旨は必ずしもここに記載の数値に限定されない。
また、標識柱2に自動車等が衝突した場合の応力集中や、曲がってしまった標識柱2の曲がりを直す修正作業時の応力集中は、一般的に地表4aから10mm程度上方にて生じることが多い。そのため、第2位置P2は、10mm以上に設定することが好ましい。もちろん、第2位置P2は、更に大きい値、例えば20mmに設定することはより好ましい。
<断面二次モーメントのシミュレーション計算>
第1範囲5において、中空内部6に補強部材としての粒状体8を充填することにより、第1範囲5における標識柱2の見かけ上の断面積を増大させたのと同様の効果が得られる。標識柱2の見かけ上の断面積の増大は、標識柱2の見かけ上の肉厚の増大と略同視することができる。その結果、この第1範囲において、標識柱2の断面二次モーメントが他の部分よりも大きくなる。
ここで、標識柱2の第1範囲5の肉厚をどの程度の肉厚に設定すれば、充分な補強効果が得られるかを検討するために、強度(曲げ剛性)についてのシミュレーション計算結果を以下に示す。円管部材の強度は、断面二次モーメントの値で評価することができる。円管部材としての実施形態1の標識柱2の断面二次モーメントは、以下式(1)で与えられる。
I=π(D-d)/64 -(式(1))
ここで、
I:標識柱2の断面二次モーメント
D:標識柱2の外径
d:標識柱2の内径。
標識柱2の外径Dを60.5mm、内径dを2.3mmから30.25mmまで変化させた場合の断面二次モーメントの計算結果を表にして図4に示す。図4の表では、標識柱2の肉厚t(=(D-d)/2)、標識柱2が中空の円管でなく中実の円柱であるとした場合の中実断面二次モーメントIf、IfとIとの比率(中空中実比R=I/If)も記載している。なお、標識柱2の内径が30.25mmの場合とは、実質的に標識柱2が円管(中空)でなく円柱(中実)である場合に相当する。
図4の表からわかるように、標識柱2の肉厚tが増える程、断面二次モーメントIの値が大きくなり、強度(曲げ剛性)が高くなる。肉厚tと外径Dとの比率(肉厚外径比=t/D)の値と中空中実比Rとの関係を以下に示す。
肉厚t=5mm(t/D=0.0826)のとき、R=0.515
肉厚t=10mm(t/D=0.165)のとき、R=0.799
肉厚t=17mm(t/D=0.281)のとき、R=0.963
肉厚t=20mm(t/D=0.331)のとき、R=0.987
つまり、肉厚外径比が0.281以上(t≧17mm)のとき、中空中実比Rは95%を超えている。このとき、円管部材の曲げ剛性は中実の円柱部材の曲げ剛性とあまり変わらなくなるといえる。粒状体8の充填により、第1範囲5における標識柱2の見かけ上の肉厚tが大きくなる。例えば、見かけ上の肉厚外径比(t/D)が0.281以上となると、中空中実比が95%以上となり、標識柱2の第1範囲5における曲げ剛性は中実の円柱部材とあまり変わらなくなる。
[実施形態2]
図5(a)及び(b)は、実施形態2に係る標識柱2cの内部構造を示す断面図である。図5(a)は、標識柱2cの延長方向に直交する面で切断した断面図である。図5(b)は、標識柱2cの中心を通り延長方向に沿った面で切断した断面図である。なお、図5(a)では、断面を上方から矢視している。
実施形態1の標識柱2では、補強部材としての粒状体8が第1範囲5における中空内部6に充填された例について説明した。実施形態2では、標識柱2cの中空内部6に、標識柱2cの延長方向に沿って延びる複数の棒状部材9が補強部材として、第1範囲5内に配置されている。
棒状部材9の材質は、特に限定されないが、例えば鉄、アルミニウム、真鍮等の金属から成ることができる。棒状部材9の延長長さは、第1範囲5全域にわたっていることが好ましい。すなわち、標識柱2cの底板部7上に載置された棒状部材9が第2位置P2まで延長していることが好ましい。棒状部材9の断面形状は特に限定されないが、円形断面形状、多角形断面形状を採用可能である。棒状部材9の断面サイズは、例えば円形断面形状である場合には直径が3mm~20mm程度であることが好ましい。また、多角形断面形状である場合には、一辺の長さが3mm~20mm程度であることが好ましい。また、第1範囲5における空隙率がなるべく小さいことが好ましい。
底板部7は、例えば棒状部材9と同様の金属材料で形成され、標識柱2cの中空内部6における第1位置P1の下方に配置されている。底板部7は、本実施形態2では、例えば、接着、溶着、圧入、熱カシメ、側方からのボルト(又はネジ)留め等の手法により、標識柱2cの内面に固定されてもよい。
なお、実施形態2における標識柱2cのその他の事項(構成や配置等)については、実施形態1における標識柱2の事項と略同様であるので、説明を省略する。実施形態2における複数の棒状部材9の各々の断面サイズはすべて略同一である。しかしながら、各々の棒状部材9の断面サイズは特に限定されず、各々が別々の異なる断面サイズを有していてもよい。
[実施形態3]
図6(a)及び(b)は、実施形態3に係る標識柱2dの内部構造を示す断面図である。図6(a)は、標識柱2dの延長方向に直交する面で切断した断面図である。図6(b)は、標識柱2dの中心を通り延長方向に沿った面で切断した断面図である。なお、図6(a)では、断面を上方から矢視している。
実施形態2の標識柱2cでは、複数の棒状部材9の断面サイズが略同一である例について説明した。実施形態3では、棒状部材9の断面サイズが各々異なる例について説明する。なお、各々の断面サイズが異なる複数の棒状部材9が中空内部6内に配置されていること以外は、実施形態2の標識柱2cと構成や配置等が略同様であるので、それらの詳細な説明を省略する。
実施形態3では、複数の棒状部材9が異なる断面サイズを有している。例えば、標識柱2dの管中心側10に断面サイズが比較的小さい棒状部材9が配置される。また、管周縁側11に断面サイズが比較的大きい棒状部材9が配置されている。そして、棒状部材9の断面サイズは、管中心側10から管周縁側11に向けて徐々に大きくなっている。ここで、棒状部材9の断面サイズは、棒状部材9の断面積と略同視し得る。
管中心側10の棒状部材9の断面サイズを他の部分よりも小さくすることで、管中心側10における棒状部材9の充填率を向上させることができる(換言すれば、管中心側10における空隙率を低減することができる。)。また、管周縁側11における断面サイズを他の部分よりも大きくすることで、充填率を犠牲にすることなく棒状部材9の使用本数を削減することができる。
[実施形態4]
図7(a)及び(b)は、実施形態4に係る標識柱2eの内部構造を示す断面図である。図7(a)は、標識柱2eの延長方向に直交する面で切断した断面図である。図7(b)は、標識柱2dの中心を通り延長方向に沿った面で切断した断面図である。なお、図7(a)では、断面を上方から矢視している。
実施形態1の標識柱2では、補強部材としての粒状体8が第1範囲5における中空内部6に充填された例について説明した。実施形態4では、標識柱2eの中空内部6に、標識柱2eの延長方向に沿って延びる複数の管状部材12が補強部材として、第1範囲5内に配置されている。
複数の管状部材12は各々の直径が異なり、管状部材12の中空内部に隣接する管状部材12が挿入されている。複数の管状部材12は、略同心円状に配置され、縦断面図において、あたかも樹木の年輪のような配列となっている。
管状部材12の材質や延長長さについては、実施形態2の棒状部材9と同様である。管状部材12の内径と内側に隣接する管状部材の外径とは近い値であることが空隙率を低減することに寄与するので好ましい。
なお、実施形態4における標識柱2eのその他の事項(構成や配置等)については、実施形態1における標識柱2の事項と略同様であるので、説明を省略する。
[実施形態5]
図8(a)及び(b)は、実施形態5に係る標識柱2gの内部構造を示す断面図である。図8(a)は、標識柱2gの延長方向に直交する面で切断した断面図である。図8(b)は、標識柱2gの中心を通り延長方向に沿った面で切断した断面図である。なお、図8(a)では、断面を上方から矢視している。
実施形態2の標識柱2cでは、補強部材としての棒状部材9が底板部7上に載置されて第2位置P2まで延長している例について説明した。実施形態2では、底板部7が楔部材19により標識柱2gの内面に固定されている点を除いて、実施形態2の標識柱2cと構成や配置等が略同様であるので、それらの詳細な説明を省略する。
底板部7の一部に貫通孔20が開口形成されている。楔部材19は、楔形状(例えば、図8では、円錐台形状を有する楔部材19が用いられる。)を有する部材であり、例えば金属等を材料として形成される。底板部7を所定位置(中空内部6であって第1位置より下方の位置)に位置させたうえで、貫通孔20に下方より楔部材19を打ち込むと、底板部7が外方(すなわち、標識柱2gの横断面方向)に拡張変形する。この拡張変形によって、底板部7が中空内部6の所定位置に固定されることとなる。
[実施形態6]
図9(a)及び(b)は、実施形態6に係る標識柱2hの内部構造を示す断面図である。図9(a)は、標識柱2hの延長方向に直交する面で切断した断面図である。図9(b)は、標識柱2hの中心を通り延長方向に沿った面で切断した断面図である。図9(a)では、断面を下方から矢視している。
実施形態5の標識柱2gでは、補強部材としての棒状部材9が底板部7上に載置されて第2位置P2まで延長している例について説明した。実施形態6では、上板部7bが第2位置P2より上方の中空内部6に配置されている。また、棒状部材9が上板部7bから下方に延びて第1位置P1まで到達している。つまり、実施形態5では底板部7の上に棒状部材9が位置する。一方、本実施形態6では上板部7bの下方に棒状部材9が位置する点で、実施形態5とは構成が異なっており、板部と棒状部材9との配置関係が上下逆転している。本実施形態6の標識柱2hは、その点以外については、実施形態5の標識柱2gと構成や配置等が略同様であるので、それらの詳細な説明を省略する。
上板部7bを中空内部6に固定する方法については、実施形態5と同様に、貫通孔20に楔部材19を打ち込むことによる固定方法(図9参照)の他、上板部7bを中空内部において、標識柱2hの内面に接着する方法、溶着する方法、圧入する方法、熱カシメする方法、側方からボルト(又はネジ)留めする方法等、種々の方法を用いることができる。
本実施形態6では、上板部7bの下方に棒状部材9が位置することになるので、上板部7bの底面に予め棒状部材9を固定しておく必要がある。上板部7bに対する棒状部材9の固定については、接着、溶着、ボルト(又はネジ)留め等の種々の方法を用いることができる。上方から予め上板部7bに棒状部材9を固定しておき、上板部7bを中空内部6に挿入して固定することができる。例えば、既存の標識柱に対し、上方から上板部7bと棒状部材9とを一括して挿入する作業が容易に行えるというメリットがある。
[実施形態7]
図10(a)及び(b)は、実施形態5に係る土木用の柱部材2f(以下、柱部材2fという)の地表4a近傍の構造を示す二面図(部分断面図)である。この柱部材2fは、地中4bに埋設されておらず、地面4に植設されている。具体的には、柱部材2fの外周外側にフランジ部17が形成され、そのフランジ部17がアンカーボルト18によって地表4aに固定される。
この柱部材2fにもその第1範囲5に本発明の補強部材(例えば、粒状体8)を適用することができる。なお、柱部材2fにおいては、第1位置P1は地表4aの高さと一致している。柱部材2fでは、フランジ部17が底板部に対応して粒状体8の落下を防止している。
[実施形態8]
図11(a)及び(b)は、実施形態8に係る標識柱2iの内部構造を示す断面図である。図11(a)は、標識柱2iの延長方向に直交する面で切断した断面図である。図11(b)は、標識柱2iの中心を通り延長方向に沿った面で切断した断面図である。なお、図11(a)では、断面を上方から矢視している。
実施形態1の標識柱2では、補強部材としての粒状体8が第1範囲5における中空内部6に充填された例について説明した。実施形態8では、標識柱2iの中空内部6に、標識柱2iの延長方向に沿って延びる管状部材12と標識柱2iの間に粒状体8が補強部材として、第1範囲5内に充填されている。
管状部材12は、例えば、接着、溶着、圧入、熱カシメ、側方からのボルト(又はネジ)留め等の手法により底板部7に固定されている。底板部7は、実施形態1と同様に下方に配置されている。
本実施形態における標識柱2iでは、断面2次モーメントのシミュレーション計算によれば、見かけ上の肉厚外径比(t/D)が0.281以上となると、中空中実比が95%以上となる。この結果、標識柱2iの第1範囲5における曲げ剛性は中実の円柱部材とあまり変わらなくなる。
本実施形態では、標識柱2iの中空内部6に、標識柱2iの延長方向に沿って延びる管状部材12と標識柱2iの間に粒状体8が補強部材として、第1範囲5内に充填されている。しかし、補強部材として粒状体8の代わりに、例えば実施形態2の棒状部材、実施形態3の断面サイズの異なる複数の棒状部材、実施形態4の直径が異なる複数の管状部材12を管状部材13と標識柱2iの間に配置することができ、この構成によっても、曲げ剛性を中実の円柱部材とあまり変わらないようにすることができ、使用する材料を削減できる。
この結果、加工費並びに材料費などの製作費の低減を図ることができる。
[実施形態9]
図12は、本発明の実施形態9に係る道路標識1の全体図である。
図12及び図13は、本発明の実施形態9に係る道路標識1の全体図である。図12において、道路標識1は道路側辺に設置された柱部材2jと、柱部材2jから道路上の車両が接触しない高さに設置されている標識板3と、標識板3を固定し柱部材2jに接続するための梁部材14aから構成されている。なお、本実施形態では、柱部材2jは、地表4aにほぼ垂直な方向(第1方向)に延伸しており、梁部材14aは、地表4aにほぼ平行な方向(第2方向)に延伸している。しかし、第1方向と第2方向は、互いに交差する方向であればよく、必ずしも直交して柱部材と梁部材が結合されている必要はない。また、本実施形態において、柱部材2j及び2kは、実施形態1の標識柱に対応している。柱部材(2j、2k)は、一般的にスチール等の金属製円管によって構成される。例えば、柱部材(2j、2k)は、外径が150mm~350mm程度、肉厚が4mm~15mm程度の鋼管から成ることができる。柱部材(2j、2k)の長さは種々のものがあり、例えば7m程度のものがよく用いられる。標識板3は、通行車両等が遠くからも視認容易となるように、道路上に梁部材14aを介して取り付けられている。この柱部材(2j、2k)は、地中4bに埋設されておらず、地面4に植設されている。具体的には、柱部材(2j、2k)の外周外側にフランジ部17が形成され、そのフランジ部17が基礎部21に固定されたアンカーボルト18によって地表4aに固定されている。梁部材14aは、例えば柱部材(2j、2k)に溶接やボルトで固定される。また、本実施形態では、柱部材及び梁部材は円筒管から構成されているが、三角管、四角管、六角管など断面が多角形状を有する鋼管を用いてもよい。
図13は、車道をまたいで設置された門型構造(支柱)に標識板を車道部の上方に設置した道路標識1の全体図を示す図である。図13において、2本あるいは複数の柱部材2kの間を1本あるいは複数の梁部材14aがあり、梁部材14aに標識板3が固定されている。図14(a)(b)(c)及び(d)は、図12及び図13の柱部材(2j、2k)の地表4a近傍の構造を示す二面図(部分断面図)を示す図面である。図14(a)及び(c)は、柱部材(2j、2k)の延長方向に直交する面で切断した断面図である。図14(b)及び(d)は、柱部材(2j、2k)の中心を通り延長方向に沿った面で切断した断面図である。なお、図14(a)及び(c)では、断面を上方から矢視している。
図14(a)に示したように、柱部材(2j、2k)の中空内部6に、柱部材(2j、2k)の延長方向に沿って延びる径の異なる複数の管状部材12と柱部材(2j、2k)と複数の管状部材12との間に粒状体8が補強部材として、第1範囲5内に充填されている。粒状体8がこぼれないようにキャップ23で蓋をしている。同様に、図14(b)に示したように、柱部材(2j、2k)の中空内部6に、柱部材(2j、2k)の延長方向に沿って延びる径の異なる複数の管状部材12と標識柱2jと複数の管状部材12との間に粒状体8が補強部材として、第1範囲5内に充填されている。同様に、図14(c)に示したように、柱部材(2j、2k)の中空内部6に柱部材(2j、2k)の延長方向に沿って延びる径の異なる複数の管状部材12と柱部材(2j、2k)と複数の管状部材12との間に複数の棒状部材9が補強部材として、第1範囲5内に充填されている。複数の棒状部材9が、柱部材(2j、2k)と複数の管状部材12との間から飛び出さないようにキャップ23で蓋をしている。また、図14(d)に示したように、柱部材(2j、2k)の中空内部6に、柱部材(2j、2k)の延長方向に沿って延びる径の異なる複数の管状部材12と柱部材(2j、2k)と複数の管状部材12との間に複数の棒状部材9が補強部材として、第1範囲5内に充填されている。
図15(a)(b)及び(c)は、実施形態9に係る柱部材(2j、2k)と梁部材14aとをフランジ17を用いて接続する場合の内部構造を示す断面図である。図15(a)は、梁部材14aの延長方向に直交する面で切断した断面図である。図15(b)は、梁部材14aの中心を通り延長方向に沿った面で切断した断面図である。図15(c)は、梁部材14aの中心を通り延長方向に沿った面で切断した断面図である。なお、図15(b)の柱部材(2j、2k)は、断面が略四角形の四角鋼管を用いた場合を示しており、図15(c)の柱部材(2j、2k)は、断面が略円形の円筒鋼管を用いた場合を示している。また、図15(a)では、断面を側方から矢視している。
図15(b)では、柱部材(2j、2k)が四角鋼管の平面部と梁部材14aの接続を示している。梁部材14aの中空内部6に、梁部材14aの延長方向に沿って延びる径の異なる複数の管状部材12と梁部材14aと複数の管状部材12との間に複数の棒状部材9が補強部材として、第1範囲5内に充填されている。複数の棒状部材9が、柱部材(2j、2k)と複数の管状部材12との間から飛び出さないようにキャップ23で蓋をしている。なお、本実施形態における第1範囲5は、図15(b)、(c)に示すように、柱部材(2j、2k)の側面である第1位置P1から柱部材(2j、2k)の側面より所定距離Lだけ速報の第2位置P2までの範囲である。また、図15(c)では、柱部材(2j、2k)が円筒鋼管の曲面部と梁部材14aの接続を示している。梁部材14aの中空内部6に、梁部材14aの延長方向に沿って延びる径の異なる複数の管状部材12と梁部材14aと複数の管状部材12との間に複数の棒状部材9が補強部材として、第1範囲5内に充填されている。複数の棒状部材9が、梁部材14aと複数の管状部材12との間から飛び出さないようにキャップ23で蓋をしている。図15に示した梁部材14aでは、補強部材として棒状部材9を用いた場合を説明したが、棒状部材9の代わりに粒状体8を充填してもよい。
図16(a)(b)及び(c)は、実施形態9に係る柱部材(2j、2k)と梁部材14aとを溶接により直接接続する内部構造を示す断面図である。図16(a)は、梁部材14aの延長方向に直交する面で切断した断面図である。図16(b)は、梁部材14aの中心を通り延長方向に沿った面で切断した断面図である。図16(c)は、梁部材14aの中心を通り延長方向に沿った面で切断した断面図である。なお、図16(b)の柱部材(2j、2k)は、断面が略四角形の四角鋼管を用いた場合を示しており、図16(c)の柱部材(2j、2k)は、断面が略円形の円筒鋼管を用いた場合を示している。また、図16(a)では、断面を側方から矢視している。
図16(b)では、柱部材(2j、2k)が四角鋼管の平面部と梁部材14aの接続を示している。梁部材14aの中空内部6に、梁部材14aの延長方向に沿って延びる径の異なる複数の管状部材12と梁部材14aと複数の管状部材12との間に複数の粒状体8が補強部材として、第1範囲5内に充填され、こぼれないようにキャップ23で蓋をしている。なお、本実施形態における第1範囲5は、図16(b)、(c)に示すように、柱部材(2j、2k)の側面である第1位置P1から柱部材(2j、2k)の側面より所定距離Lだけ側方の第2位置P2までの範囲である。また、図16(c)では、柱部材(2j、2k)が円筒鋼管の曲面部と梁部材14aの接続を示している。梁部材14aの中空内部6に、梁部材14aの延長方向に沿って延びる径の異なる複数の管状部材12と梁部材14aと複数の管状部材12との間に複数の粒状体8が補強部材として、第1範囲5内に充填され、こぼれないようにキャップ23で蓋をしている。図16に示した梁部材14aでは、補強部材として粒状体8を用いた場合を説明したが、粒状体8の代わりに棒状部材9を充填してもよい。
本実施形態9で説明した道路標識1のように、柱部材と、柱部材に接続された梁部材から構成された標識柱の構造、或いは柱構造では、例えば車両の衝突や、強風、地震等の災害
によって、柱部材と梁部材との接続部に過剰の応力が印可される。この結果、柱部材と梁部材との接続部近傍で局所座屈が生じることがある。本実施形態9の柱構造(2j、2k)において、梁部材の第1範囲5内に補強部材を設けることにより、梁部材14aの見かけ上の肉厚を増大させる効果を発揮することができる。従い第1範囲5における断面二次モーメントを向上させることができ、梁部材の曲げ剛性を向上することができる。さらに、複数の補強部材同士の接触摩擦によって梁部材の曲げ剛性を更に増大させることができる。補強部材及び管状部材の弾性により、振動の吸収、収束が図られ、制振作用により耐震性が向上する。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。上記実施形態1から実施形態9においては、補強部材として複数の粒状体8、複数の棒状部材9、複数の管状部材12を用いる例について説明した。これらの補強部材が、標識柱の見かけ上の肉厚を増大させる効果を発揮し、第1範囲5における断面二次モーメントを向上させ、曲げ剛性の強化に貢献する。さらに、複数の補強部材同士の接触摩擦によって標識柱の曲げ剛性を更に増大させる。また、標識柱に限定されず、標識柱に接続された固定梁にも同様の効果が期待できる。つまり、第1範囲5内に補強部材を設けることにより、固定梁の見かけ上の肉厚を増大させる効果を発揮し、第1範囲5における断面二次モーメントを向上させ、曲げ剛性の強化に貢献する。さらに、複数の補強部材同士の接触摩擦によって標識柱の曲げ剛性を更に増大させることができる。
本発明は、例えば以下の趣旨を含むものとする。
[趣旨1]
直立した状態で地面に埋設されて使用される標識柱の構造であって、前記標識柱は、実質的に外径が一定の所定外径であり、内径が所定内径であり、その肉厚が所定肉厚であって中空の管状部材であり、前記標識柱が地面に埋設された状態において地表面の高さ以下の第1位置から地表面の高さより所定距離だけ上方の第2位置までの第1範囲の間は前記所定肉厚が一定であり、かつ、前記第1範囲において、前記中空の内部に前記標識柱の曲げ強さを補強するための補強部材が配置されている、標識柱の構造。
[趣旨2]
前記所定距離は、10mm以上であってもよい。
[趣旨3]
前記補強部材が粒状体であり、複数の前記粒状体が、前記第1範囲における前記中空の内部に充填されていてもよい。
[趣旨4]
前記粒状体が、球体、正四面体及び正六面体のうちのいずれかであってもよい。
[趣旨5]
前記補強部材が、前記標識柱の延長方向に沿って延びる棒状部材であり、複数の前記棒状部材が、前記第1範囲における前記中空の内部に配置されていてもよい。
[趣旨6]
前記標識柱の延長方向に直交する面内における前記複数の棒状部材の断面積が各々異なり、前記中空の内部において、前記標識柱の管中心側から管周縁側に向けて前記棒状部材の断面積が徐々に大きくなるように前記複数の棒状部材が配置されていてもよい。
[趣旨7]
前記補強部材が、前記標識柱の延長方向に沿って延びる管状部材であり、直径の異なる複数の前記管状部材が、前記第1範囲における前記中空の内部に略同心円状に配置されていてもよい。
[趣旨8]
前記標識柱の前記中空の内部に、当該標識柱の延長方向に沿って延びる管状部材12が配置され、前記補強部材が、前記管状部材と前記標識柱との間に配置されていてもよい。
[趣旨9]
前記第1範囲における断面二次モーメントが前記第1範囲以外の部分における断面二次モーメントよりも大きくてもよい。
[趣旨10]
上記の標識柱の構造を有する標識柱。
[趣旨11]
第1方向に延伸する柱部材と、前記柱構造に結合され、前記第1方向に交差する第2方向に延伸する梁部材と、を備える。前記梁部材は、外径が一定の所定外径であり、内径が所定内径であり、その肉厚が所定肉厚であって中空の管状部材であり、 前記柱部材の側面の第1位置から当該側面から梁部材が延伸する方向に所定距離だけ離れた第2位置までの第1範囲の間は前記所定肉厚が一定であり、かつ、前記第1範囲において、前記中空の内部に前記梁部材の曲げ強さを補強するための補強部材が配置されている、柱構造。
[趣旨12]
前記補強部材が粒状体であり、複数の前記粒状体が、前記第1範囲における前記中空の内部に充填されていてもよい。
[趣旨12]
前記補強部材が、前記第2方向に沿って延びる棒状部材であり、複数の前記棒状部材が、前記第1範囲における前記中空の内部に配置されていてもよい。
L:所定距離
P0:位置
P1:第1位置
P2:第2位置
1:道路標識
2、2a~2e,2g,2h、2i:標識柱
2j、2k:柱部材
2f:土木用柱部材(柱)
3:標識板
4:地面
4a:地表
4b:地中
5:第1範囲
6:中空内部
7:底板部
7b:上板部
8:粒状体(補強部材)
9:棒状部材(補強部材)
10:管中心側
11:管周縁側
12:管状部材
14:固定金具
14a:梁部材
17:フランジ部
18:アンカーボルト
19:楔部材
20:貫通孔
21:基礎部
22:板材
23:キャップ
24:道路

Claims (10)

  1. 直立した状態で地面に埋設されて使用される標識柱の構造であって、
    前記標識柱は、外径が一定の所定外径であり、内径が所定内径であり、その肉厚が所定肉厚であって中空の管状部材であり、
    前記標識柱が地面に埋設された状態において地表面の高さ以下の第1位置から地表面の高さより所定距離だけ上方の第2位置までの第1範囲の間は前記所定肉厚が一定であり、
    前記第1範囲において、前記中空の内部に前記標識柱の曲げ強さを補強するための補強部材が配置されており、
    前記補強部材が、前記標識柱の延長方向に沿って延びる複数の棒状部材又は複数の管状部材を含み、
    前記管状部材の前記中空の内部には、前記第1位置の下方に底板部が配置されており、
    前記補強部材を構成する前記複数の棒状部材又は前記複数の管状部材は、一端が前記底板部上に載置され、他端が固定されずに自由端となっており、
    前記複数の棒状部材又は前記複数の管状部材は、固着されず互いに稼働可能に、前記第1範囲における前記中空の内部に配置されている、標識柱の構造。
  2. 前記補強部材を構成する前記複数の棒状部材又は前記複数の管状部材が、前記第2位置まで延長している、請求項1に記載の標識柱の構造。
  3. 前記所定距離は、10mm以上である、請求項1又は請求項2に記載の標識柱の構造。
  4. 前記補強部材が、複数の棒状部材であり、
    前記標識柱の延長方向に直交する面内における前記複数の棒状部材の断面積が各々異なり、
    前記中空の内部において、前記標識柱の管中心側から管周縁側に向けて前記棒状部材の断面積が徐々に大きくなるように前記複数の棒状部材が配置されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の標識柱の構造。
  5. 前記補強部材が、複数の管状部材であり、
    直径の異なる前記複数の管状部材が、前記第1範囲における前記中空の内部に略同心円状に配置されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の標識柱の構造。
  6. 前記標識柱の前記中空の内部に、当該標識柱の延長方向に沿って延びる管状部材が配置され、
    前記補強部材が、前記管状部材と前記標識柱との間に配置されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の標識柱の構造。
  7. 前記第1範囲における断面二次モーメントが前記第1範囲以外の部分における断面二次モーメントよりも大きい、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の標識柱の構造。
  8. 請求項1から請求項7のうち、いずれか1項に記載の標識柱の構造を有する標識柱。
  9. 第1方向に延伸する柱部材と、
    前記柱部材に結合され、前記第1方向に交差する第2方向に延伸する梁部材と、を備え、
    前記梁部材は、外径が一定の所定外径であり、内径が所定内径であり、その肉厚が所定肉厚であって中空の管状部材であり、
    前記柱部材の側面の第1位置から当該側面から梁部材が延伸する方向に所定距離だけ離れた第2位置までの第1範囲の間は前記所定肉厚が一定であり、
    前記第1範囲において、前記中空の内部に前記梁部材の曲げ強さを補強するための補強部材が配置されており、
    前記補強部材が、前記第2方向に沿って延びる複数の棒状部材又は複数の管状部材を含み、
    前記補強部材を構成する前記複数の棒状部材又は前記複数の管状部材は、一端が前記柱部材に当接し、他端が固定されずに自由端となっており、
    前記複数の棒状部材又は前記複数の管状部材は、固着されず互いに稼働可能に、前記第1範囲における前記中空の内部に配置されている、柱構造。
  10. 前記補強部材を構成する前記複数の棒状部材又は前記複数の管状部材が、前記第2位置まで延長している、請求項9に記載の柱構造。

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