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JP7149831B2 - ガス発生器およびその製造方法 - Google Patents
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ガス発生器およびその製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、ガス発生器およびその製造方法に関する。
従来、自動車等に搭載されるエアバッグ装置に用いられるガス発生器が知られている。たとえば、特開2016-13748号公報(以下、「特許文献1」という。)には、ハウジングと、点火器と、フィルタと、ガス発生剤と、押さえ部材と、を備えるガス発生器が開示されている。ハウジングは、互いに対向する底板部および天板部を有している。点火器は、底板部に組み付けられている。フィルタは、点火器を包囲する筒状に形成されている。フィルタは、底板部および天板部とともに、燃焼室を形成している。この燃焼室(フィルタの内側の空間)にガス発生剤が充填されている。フィルタは、ガス発生剤の燃焼時に生じるガスを冷却する機能を有している。押さえ部材は、フィルタの内側でかつ天板部とガス発生剤との間に配置されている。押さえ部材は、天板部によってガス発生剤に向けて押し付けられている。これにより、ガス発生剤は、押さえ部材によって押さえ付けられる。このため、ガス発生剤のハウジングに対する相対変位が抑制されている。
特開2016-13748号公報
特許文献1に記載されるガス発生器では、押さえ部材が天板部によってガス発生剤に向けて押し付けられているため、燃焼室へのガス発生剤の充填量や充填密度などが変化すると、押さえ部材からガス発生剤に作用する荷重に変化が生じ得る。このため、ガス発生剤のハウジングに対する相対変位や、これに起因したガス発生剤の割れ等が生じる懸念がある。
本発明の目的は、ガス発生剤のハウジングに対する相対変位を抑制することが可能なガス発生器およびその製造方法を提供することである。
この発明に基づくガス発生器は、互いに対向する下壁および上壁を有するハウジングと、前記下壁に組み付けられた点火器と、前記点火器を包囲する形状を有し、前記下壁および前記上壁とともに燃焼室を形成するフィルタと、前記燃焼室内に充填されたガス発生剤と、前記ガス発生剤の燃焼時に生じるガスが前記フィルタと前記上壁との隙間から前記フィルタの外側に流出するのを規制する上側規制部材と、を備える。前記上側規制部材は、前記上壁から離間した位置で前記下壁に向かう荷重を前記ガス発生剤に作用させた状態において、前記フィルタの内周面に圧接触している。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、前記上側規制部材は、前記ガス発生剤を前記下壁に向けて押付ける押付け部を有していてもよい。この場合において、前記押付け部は、平板状に形成されていてもよい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、前記上側規制部材は、前記押付け部の外縁部に接続されており、前記押付け部の周方向に連続的につながるとともに前記下壁に向かって凸となるように湾曲する形状を有する環状湾曲部をさらに有していてもよい。
また、前記押付け部には、前記ガス発生剤の少なくとも一部を収容可能な形状を有する複数の凹部が形成されていてもよい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、前記複数の凹部は、前記押付け部の中央を中心とする同心円の各円の周方向に沿って互いに間隔を置いて並ぶように設けられていることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、前記上側規制部材は、前記フィルタの周方向の全域にわたって前記フィルタの内周面に接触する形状を有する周壁部をさらに有することが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、前記周壁部は、前記押付け部から前記上壁に向けて突出する上突出筒部と、前記押付け部から前記下壁に向けて突出する下突出筒部と、を有していてもよい。この場合において、前記上壁と前記下壁とを結ぶ方向における前記下突出筒部の長さは、同方向における前記上突出筒部の長さよりも大きいことが好ましい。
この発明に基づくガス発生器の製造方法は、下壁を有する下側シェルと、前記下壁と対向する上壁を有する上側シェルと、を有するハウジングの前記下壁に点火器を組み付ける工程と、前記点火器を包囲する形状を有し、前記下壁および前記上壁とともに燃焼室を形成するフィルタを前記下側シェル内に組み付ける工程と、前記フィルタの内側にガス発生剤を充填する工程と、前記ガス発生剤の燃焼時に生じるガスが前記フィルタと前記上壁との隙間から前記フィルタの外側に流出するのを規制する上側規制部材が前記フィルタの上端部よりも前記下壁側に位置し、かつ、前記下壁に向かう荷重が前記上側規制部材から前記ガス発生剤に作用した状態となるように、前記上側規制部材を前記フィルタ内に圧入する工程と、前記下側シェルに対して前記上側シェルを組み付ける工程と、を含む。
以上に説明したように、この発明によれば、ガス発生剤のハウジングに対する相対変位を抑制することが可能なガス発生器およびその製造方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態のガス発生器の断面図である。 図1に示されるガス発生器の製造工程におけるガス発生剤充填工程後の状態を示す図である。 図1に示されるガス発生器の製造工程における上側規制部材圧入を示す図である。 図3に示される上側規制部材圧入工程後の状態を示す図である。 第1実施形態の上側規制部材の第1変形例を示す断面図である。 第1実施形態のガス発生器の第1変形例を示す断面図である。 第1実施形態の上側規制部材の第2変形例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態のガス発生器の断面図である。 図8に示されるガス発生器の上側規制部材の平面図である。 図8に示される上側規制部材の凹部とガス発生剤との関係を示す図である。 図8に示される上側規制部材の凹部とガス発生剤との関係を示す図である。 第2実施形態の上側規制部材の第1変形例を示す断面図である。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態のガス発生器の断面図である。図1に示されるように、ガス発生器1は、ハウジング10と、点火器40と、ホルダ50と、伝火室形成部材60と、伝火薬70と、ガス発生剤71と、フィルタ80と、下側規制部材90と、上側規制部材100と、を備えている。
ハウジング10は、ガス発生剤71の燃焼室S11を有している。ハウジング10は、下側シェル20と、上側シェル30と、を有している。下側シェル20および上側シェル30は、たとえば圧延された金属製の板状部材をプレス加工することによって形成されたプレス成形品からなる。下側シェル20および上側シェル30を構成する金属製の板状部材としては、たとえばステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等からなる金属板が利用され、好適には440[MPa]以上780[MPa]以下の引張応力が印加された場合にも破断等の破損が生じないいわゆる高張力鋼板が利用される。
下側シェル20は、下壁22と、下側周壁26と、を有している。
下壁22は、基部23と、隆起部24と、を有している。
基部23は、平板状かつ円環状に形成されている。
隆起部24は、基部23の内側の縁部から上壁32に向かって隆起する形状を有している。隆起部24の中央には、点火器40を取付けるための取付孔24hが形成されている。
下側周壁26は、基部23の外側の縁部から起立する形状を有している。下側周壁26は、円筒状に形成されている。
上側シェル30は、上壁32と、上側周壁34と、フランジ36と、を有している。
上壁32は、平板状に形成されている。本実施形態では、上壁32は、円板状に形成されている。上壁32は、下壁22と対向している。
上側周壁34は、上壁32の外縁部から下壁22側に向かって延びる形状を有している。上側周壁34は、円筒状に形成されている。上側周壁34の内径は、下側周壁26の外径よりもわずかに小さく形成されている。換言すれば、下側周壁26は、上側周壁34に圧入されている。上側周壁34および下側周壁26の境界部は、溶接などにより接合されている。
上側周壁34には、ガス発生剤71の燃焼時に生じるガスを外部に噴出させるためのガス噴出孔34hが設けられている。ガス噴出孔34hは、燃焼室S11を外部に連通させている。このガス噴出孔34hは、シール部材としての金属製のシールテープ35により塞がれている。このシールテープ35としては、片面に粘着部材が塗布されたアルミニウム箔等が好適に利用でき、当該シールテープ35によってハウジング10の内部の空間の気密性が確保されている。
フランジ36は、上側周壁34の外周面から上側周壁34の径方向の外向きに張り出す形状を有している。フランジ36は、エアバッグ装置に設けられたリテーナなどに固定される。
点火器40は、火炎を発生させるためのものである。点火器40は、点火部42と、一対の端子ピン44と、を有している。
点火部42は、スクイブカップと、スクイブカップ内に充填されており点火されることにより燃焼する点火薬と、この点火薬を着火させるための抵抗体(ブリッジワイヤ)と、を有している。スクイブカップは、一般に金属製またはプラスチック製である。抵抗体としては、一般にニクロム線等が利用される。点火薬としては一般にZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム)、ZWPP(ジルコニウム・タングステン・過塩素酸カリウム)、鉛トリシネート等が利用される。
一対の端子ピン44は、点火部42に接続されている。具体的には、一対の端子ピン44は、当該一対の端子ピン44の端部がスクイブカップ内において抵抗体に接続された状態でスクイブカップに保持されている。一対の端子ピン44は、取付孔24hに挿通されている。
ホルダ50は、下壁22の隆起部24に固定されており、点火器40を保持している。本実施形態では、ホルダ50は、樹脂材料の射出成形(インサート成形)によって形成されている。この樹脂材料としては、硬化後において耐熱性や耐久性、耐腐食性等に優れたものが好適に選択されて利用される。その場合、エポキシ樹脂等に代表される熱硬化性樹脂に限られず、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂(たとえばナイロン6やナイロン66等)、ポリプロピレンスルフィド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂等に代表される熱可塑性樹脂を利用することも可能である。これら熱可塑性樹脂を原材料として選択する場合には、成形後においてホルダ50の機械的強度を確保するために、これら樹脂材料にガラス繊維等をフィラーとして含有させることが好ましい。しかしながら、熱可塑性樹脂のみで十分な機械的強度が確保できる場合には、上述の如くのフィラーを添加する必要はない。ホルダ50は、上側被覆部52と、下側被覆部54と、連結部56と、を有している。
上側被覆部52は、隆起部24の上に設けられており、点火部42を保持している。上側被覆部52は、隆起部24の上面に接している。
下側被覆部54は、隆起部24の下に設けられている。下側被覆部54は、一対の端子ピン44を露出させる形状を有している。下側被覆部54は、隆起部24の下面に接している。
連結部56は、取付孔24内において上側被覆部52と下側被覆部54とを連結している。
伝火室形成部材60は、点火部42の周囲に伝火室S10を規定するように点火部42の周囲に設けられている。伝火室形成部材60は、伝火薬70の燃焼時に破裂または溶融する部材からなる。たとえば、伝火室形成部材60は、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製の薄膜状の部材や、エポキシ樹脂等に代表される熱硬化性樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂(たとえばナイロン6やナイロン66等)、ポリプロピレンスルフィド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂等に代表される熱可塑性樹脂等の樹脂製の薄膜状の部材からなる。伝火室形成部材60は、筒部62と、天板部64と、延設部66と、先端部68と、を有している。
筒部62は、上側被覆部52を取り囲む筒状に形成されている。換言すれば、上側被覆部52は、筒部62内に圧入されている。筒部62は、円筒状に形成されている。
天板部64は、筒部62の上端部に接続されている。天板部64は、筒部62の開口を閉塞する形状を有している。
延設部66は、筒部62の下端部から基部23に向かって延びる形状を有している。
先端部68は、延設部66の下端部に接続されている。先端部68は、基部23に接触している。
伝火薬70は、伝火室S10に充填されている。伝火薬70としては、ガス発生剤71を確実に燃焼させることができるものであることが必要であり、一般的には、B/KNO3、B/NaNO3、Sr(NO32等に代表される金属粉/酸化剤からなる組成物や、水素化チタン/過塩素酸カリウムからなる組成物、B/5-アミノテトラゾール/硝酸カリウム/三酸化モリブデンからなる組成物等が用いられる。伝火薬70としては、粉状のものや、バインダによって所定の形状に成形されたもの等が利用される。バインダによって成形された伝火薬70の形状としては、たとえば顆粒状、円柱状、シート状、球状、単孔円筒状、多孔円筒状、タブレット状など種々の形状がある。伝火薬70は、点火器40の作動時に生じた火炎によって点火される。伝火薬70の燃焼により、熱粒子が生じる。伝火薬70の燃焼により、伝火室形成部材60が破裂または溶融するため、伝火室S10が燃焼室S11に開放される。
ガス発生剤71としては、非アジド系ガス発生剤を用いることが好ましく、一般に、燃料と酸化剤と添加剤とを含む成形体としてこのガス発生剤71が形成される。
燃料としては、たとえばトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体等またはこれらの組み合わせが利用される。具体的には、たとえばニトログアニジンや硝酸グアニジン、シアノグアニジン、5-アミノテトラゾール等が好適に利用される。
酸化剤としては、たとえば塩基性硝酸銅等の塩基性硝酸塩や、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アンモニアから選ばれたカチオンを含む硝酸塩等が利用される。硝酸塩としては、たとえば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が好適に利用される。
添加剤としては、バインダやスラグ形成剤、燃焼調整剤等が挙げられる。バインダとしては、たとえばポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースの金属塩、ステアリン酸塩等の有機バインダや、合成ヒドロタルサイト、酸性白土等の無機バインダが好適に利用可能である。また、この他にも、バインダとしては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ニトロセルロース、微結晶性セルロース、グアガム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、デンプン等の多糖誘導体や、二硫化モリブデン、タルク、ベントナイト、ケイソウ土、カオリン、アルミナ等の無機バインダも好適に利用可能である。スラグ形成剤としては、窒化珪素、シリカ、酸性白土等が好適に利用可能である。燃焼調整剤としては、金属酸化物、フェロシリコン、活性炭、グラファイト等が好適に利用可能である。
ガス発生剤の成形体の形状には、顆粒状、ペレット状、円柱状等の粒状のもの、ディスク状のものなど様々な形状のものがある。また、円柱状のものでは、成形体内部に貫通孔を有する有孔状(たとえば単孔筒形状や多孔筒形状等)の成形体も利用される。これらの形状は、ガス発生器1が組み込まれるエアバッグ装置の仕様に応じて適宜選択されることが好ましく、たとえばガス発生剤の燃焼時においてガスの生成速度が時間的に変化する形状を選択するなど、仕様に応じた最適な形状を選択することが好ましい。また、ガス発生剤の形状の他にもガス発生剤の線燃焼速度、圧力指数などを考慮に入れて成形体のサイズや充填量を適宜選択することが好ましい。
フィルタ80は、点火器40を包囲する形状を有している。具体的に、フィルタ80は、円筒状に形成されている。フィルタ80は、下壁22および上壁32とともに燃焼室S11を形成する。フィルタ80は、下壁22および上壁32に挟持されている。フィルタ80は、ガス発生剤71の燃焼により生じるガスを冷却する。フィルタ80は、前記ガスに含まれる残渣(スラグ)等を除去する機能をも有している。
フィルタ80として、孔あき金属板を巻き回したもの等が好ましく用いられる。この孔あき金属板としては、たとえば、金属板に千鳥状に切れ目を設けるとともにこれを押し広げることによって孔を形成して網目状に加工したエキスパンドメタルや、金属板に孔を穿つとともにその際に孔の周縁に生じるバリを潰すことでこれを平坦化したフックメタル等が挙げられる。なお、金属板として、鋼板(マイルドスチール)やステンレス鋼板が好ましく用いられ、アルミニウム、銅、チタン、ニッケルまたはこれらの合金等の非鉄金属板も用いられることが可能である。また、フィルタ80として、ステンレス鋼や鉄鋼等の金属線材を巻き回して焼結したものや、金属線材の編み込みにより形成された網材をプレス加工することによって押し固められたもの等も好ましく用いられる。
下側規制部材90は、ガス発生剤71の燃焼時に生じるガスがフィルタ80と下壁22との隙間からフィルタ80の外側に流出するのを規制する。下側規制部材90は、ホルダ50の周囲を取り囲む形状を有している。下側規制部材90は、ガス発生剤71の燃焼時に破断しない強度を有している。下側規制部材90は、たとえば、ステンレス鋼、鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属材料からなる。下側規制部材90は、底板部92と、外筒部94と、内筒部96と、を有している。
底板部92は、平板状でかつ円環状に形成されている。底板部92は、フィルタ80の下部と延設部66との間に配置されている。底板部92は、基部23に近接する位置に配置されている。
外筒部94は、底板部92の外側の縁部から起立するとともに、円筒状に形成されている。外筒部94の外周面は、フィルタ80の内周面に接触している。
内筒部96は、底板部92の内側の縁部から起立するとともに、円筒状に形成されている。内筒部96は、底板部92から点火部42および上側被覆部52の側方の位置に至る高さまで延びる形状を有している。
上側規制部材100は、ガス発生剤71の燃焼時に生じるガスがフィルタ80と上壁32との隙間からフィルタ80の外側に流出するのを規制する。上側規制部材100は、フィルタ80の内側でかつガス発生剤71上に配置されている。より詳細には、上側規制部材100は、上壁32から離間した位置で下壁22に向かう荷重(以下、「押さえ荷重」と表記する。)をガス発生剤71に作用させた状態において、フィルタ80の内周面に圧接触している。上側規制部材100は、たとえば、ステンレス鋼、鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属材料からなる。上側規制部材100は、上記金属材料からなる板状部材をプレス加工することによって形成される。上側規制部材100は、押付け部102と、環状湾曲部104と、周壁部106と、を有している。
押付け部102は、ガス発生剤71を下壁22に向けて押し付ける部位である。押付け部102は、平板状に形成されている。本実施形態では、押付け部102は、円板状に形成されている。押付け部102は、上壁32と平行な姿勢で点火器40の上方に配置されている。
環状湾曲部104は、押付け部102の外縁部に接続されている。環状湾曲部104は、押付け部102の周方向に連続的につながるとともに、下壁22に向かって凸となるように湾曲する形状を有している。環状湾曲部104は、当該環状湾曲部104の径方向に弾性変形可能である。
周壁部106は、環状湾曲部104の外縁部から上壁32に向かって突出する形状を有している。周壁部106は、フィルタ80の周方向の全域にわたってフィルタ80の内周面に接触する形状を有している。本実施形態では、周壁部106は、フィルタ80の周方向の全域にわたってフィルタ80の内周面に接触する形状を有している。具体的に、周壁部106は、円筒状に形成されている。周壁部106の外径は、フィルタ80の内径よりもわずかに大きく設定されている。すなわち、周壁部106は、フィルタ80の内周面に圧接触している(フィルタ80内に圧入されている)。周壁部106の上端部は、上壁32から離間している。周壁部106の上端部は、押付け部102よりも上方に位置している。なお、周壁部106は、省略されてもよい。また、周壁部106は、フィルタ80の周方向の全域にわたってフィルタ80の内周面に線接触する形状を有していてもよい。
次に、図2~図4を参照しながら、ガス発生器1の製造方法について説明する。この製造方法は、点火器固定工程と、下側規制部材組み付け工程と、伝火室形成工程と、フィルタ組み付け工程と、ガス発生剤充填工程と、上側規制部材圧入工程と、上側シェル組み付け工程と、を含む。図2は、図1に示されるガス発生器の製造工程におけるガス発生剤充填工程後の状態を示す図である。図3は、図1に示されるガス発生器の製造工程における上側規制部材圧入を示す図である。図4は、図3に示される上側規制部材圧入工程後の状態を示す図である。
点火器固定工程では、下壁22の隆起部24に点火器40が設置された状態において、取付孔24hを通じて樹脂材料をインサート成形することによって形成されたホルダ50を介して点火器40が固定される。
下側規制部材組み付け工程では、隆起部24および延設部66の周囲に下側規制部材90が組み付けられる。
伝火室形成工程では、伝火室形成部材60に所定の伝火薬70が充填され、その後、伝火室形成部材60内に上側被覆部52が圧入される。
フィルタ組み付け工程では、外筒部94の外周面にフィルタ80の内周面が沿うように下側シェル20内にフィルタ80が組み付けられる。これにより、ガス発生剤71の燃焼時に生じるガスがフィルタ80と下壁22との隙間からフィルタ80の外側に流出するのが抑制される。
ガス発生剤充填工程では、ガス発生剤71がフィルタ80の内側に充填される。図2は、このガス発生剤充填工程後の状態を示している。
上側規制部材圧入工程は、ガス発生剤充填工程後に行われる。図3に示されるように、上側規制部材圧入工程では、上側規制部材100がフィルタ80内に圧入される。より詳細には、この工程では、周壁部106の外周面がフィルタ80の内周面に接触させられながら、周壁部106の上端部がフィルタ80の上端部よりも下壁22側に位置し、かつ、押さえ荷重が上側規制部材100からガス発生剤71に作用した状態となるように、工具200によって押付け部102が下壁22に向けて押し込まれる。これにより、上側規制部材100は、フィルタ80の内周面に圧接触した状態でフィルタ80に保持される。なお、押さえ荷重は、工具200あるいは工具200に取り付けられた計測器(不図示)により測定される。図4は、上側規制部材載置工程後の状態を示している。この上側規制部材圧入工程では、周壁部106の外周面がフィルタ80の内周面に面接触した状態が維持されるため、押付け部102が下側シェル20に対して傾斜することが抑制される。
なお、ガス発生剤充填工程と上側規制部材圧入工程との間に、下側シェル20を振動させる工程が設けられてもよい。また、上側規制部材圧入工程中に、下側シェル20を振動させてもよい。
上側シェル組み付け工程は、上側規制部材圧入工程後に行われる。上側シェル組み付け工程では、上壁32がフィルタ80の上端部に接触するように上側周壁34が下側周壁26に嵌められる。これにより、フィルタ80は、上壁32と下壁22によって挟持される。上側周壁34と下側周壁26との境界部は、たとえば溶接される。
以上の工程を経ることにより製造されたガス発生器1では、上側規制部材100は、上壁32から離間した位置で押さえ荷重をガス発生剤71に作用させた状態において、フィルタ80の内周面に圧接触している。よって、押さえ荷重を予め設定された大きさとすることにより、製品間でガス発生剤71の充填量や充填密度などにバラツキが生じた場合においても、ガス発生剤71のハウジング10に対する相対変位およびそれに起因するガス発生剤71の割れ等が抑制される。
また、上側規制部材100は、環状湾曲部104を有しているため、この環状湾曲部104の弾性復元力によって周壁部106が有効にフィルタ80の内周面に押し付けられる。
(第1変形例)
図5は、第1実施形態の上側規制部材の第1変形例を示す断面図である。図6は、第1実施形態のガス発生器の第1変形例を示す断面図である。図5および図6に示されるように、押付け部102は、周壁部106の上端部よりも上方に位置していてもよい。この態様では、ガス発生剤71の燃焼時に上側規制部材100が上壁32に向けて変位した際、内圧の上昇に起因して押付け部102が上壁32に向かって膨出するように変形するものの、押付け部102が上壁32に当接することによって周壁部106の外周面とフィルタ80の内周面とが互いに接触した状態が有効に維持される。よって、周壁部106とフィルタ80との隙間からガスが流出することが有効に抑制される。また、ガス発生剤71の充填空間が増大する。
(第2変形例)
図7は、第1実施形態の上側規制部材の第2変形例を示す断面図である。図7に示されるように、環状湾曲部104が省略され、押付け部102の外縁部が周壁部106に接続されてもよい。この場合、押付け部102は、周壁部106の上下方向における中間部に接続されることが好ましい。つまり、押付け部106は、押付け部102から上壁32に向けて突出する上突出筒部106aと、押付け部102から下壁22に向けて突出する下突出筒部106bと、を有することが好ましい。この態様では、上側規制部材100をフィルタ80内に圧入する作業が容易になる。
さらに、上下方向(上壁32と下壁22とを結ぶ方向)における下突出筒部106bの長さは、同方向における上突出筒部106aの長さよりも大きいことがより好ましい。このようにすれば、ガス発生剤71の充填空間が大きく確保される。
(第2実施形態)
次に、図8~図11を参照しながら、本発明の第2実施形態のガス発生器1について説明する。図8は、本発明の第2実施形態のガス発生器の断面図である。図9は、図8に示されるガス発生器の上側規制部材の平面図である。なお、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同じ構造、作用及び効果の説明は繰り返さない。
本実施形態では、上側規制部材100の押付け部102には、複数の凹部108が形成されている。これら凹部108は、たとえば平板をプレス加工することによって形成される。各凹部108は、ガス発生剤71の少なくとも一部を収容可能な形状を有している。図9に示されるように、複数の凹部108は、押付け部102の中央を中心とする同心円状の各円の周方向に沿って互いに間隔を置いて並ぶように設けられている。
この態様では、ガス発生剤71の少なくとも一部が凹部108に収容されるため、ガス発生剤71が、上側規制部材100によるガス発生剤71の押し付け方向(図8の下方向)と交差する方向(たとえばフィルタ80に向かう方向)に変位することが抑制される。よって、ガス発生剤71がハウジング10内で振動することによる異音の発生がより確実に抑制される。また、複数の凹部108が形成されていることから、押付け部102の剛性が向上している。
図10および図11は、図8に示される上側規制部材の凹部とガス発生剤との関係を示す図である。図10は、単一の凹部108に単一のガス発生剤71が嵌り込んだ状態を示している。図11は、単一の凹部108に複数のガス発生剤71が嵌り込んだ状態を示している。なお、図10および図11には、ガス発生剤71が球状である例が示されている。
図10および図11に示されるように、ガス発生剤71の径をg、凹部108の深さをh、凹部108の幅をa、互いに隣接する凹部108間の距離をbとすると、以下の関係式を満たすことが好ましい。
g/2<a<5g ・・・(1)
g/2<b<5g ・・・(2)
g/2<h<5g ・・・(3)
このようにすれば、図10および図11に示されるように、上側規制部材100の押付け部102からガス発生剤71に対して多方向から力Fが作用するため、ガス発生剤71のハウジング10に対する相対変位が抑制される。このため、ガス発生剤71の割れ等が抑制される。
図10および図11では、ガス発生剤71が球状である例が示されたが、ガス発生剤71が円柱状や円筒状である場合においても、球状の場合に準じた効果が得られる。
(第1変形例)
図12は、第2実施形態の上側規制部材の第1変形例を示す断面図である。図12に示されるように、押付け部102の外縁部は、周壁部106の上下方向における中間部に接続されることが好ましい。つまり、押付け部106は、上突出筒部106aと、下突出筒部106bと、を有することが好ましい。さらに、下突出筒部106bの上下方向における長さは、上突出筒部106aのそれよりも大きいことがより好ましい。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 ガス発生器、10 ハウジング、20 下側シェル、22 下壁、23 基部、24 取付部、24h 取付穴、26 下側周壁、30 上側シェル、32 上壁、34 上側周壁、34h ガス噴出孔、36 フランジ、40 点火器、42 点火部、44 端子ピン、50 ホルダ、52 上側被覆部、54 下側被覆部、56 連結部、60 伝火室形成部材、62 筒部、64 天板部、66 延設部、68 先端部、70 伝火薬、71 ガス発生剤、80 フィルタ、90 下側規制部材、92 底板部、94 外筒部、96 内筒部、100 上側規制部材、102 押付け部、104 環状湾曲部、106 周壁部、108 凹部、S10 伝火室、S11 燃焼室。

Claims (6)

  1. 互いに対向する下壁および上壁を有するハウジングと、
    前記下壁に組み付けられた点火器と、
    前記点火器を包囲する形状を有し、前記下壁および前記上壁とともに燃焼室を形成するフィルタと、
    前記燃焼室内に充填されたガス発生剤と、
    前記ガス発生剤の燃焼時に生じるガスが前記フィルタと前記上壁との隙間から前記フィルタの外側に流出するのを規制する上側規制部材と、を備え、
    前記上側規制部材は、前記上壁から離間した位置で前記下壁に向かう荷重を前記ガス発生剤に作用させた状態において、前記フィルタの内周面に圧接触しており、
    前記上側規制部材は、前記ガス発生剤を前記下壁に向けて押付ける押付け部を有し、前記押付け部には、前記ガス発生剤の少なくとも一部を収容可能な形状を有する複数の凹部が形成されており、
    前記複数の凹部は、前記押付け部の中央を中心とする同心円の各円の周方向に沿って互いに間隔を置いて並ぶように設けられている、ガス発生器。
  2. 前記上側規制部材は、前記ガス発生剤を前記下壁に向けて押付ける押付け部を有し、前記押付け部は、平板状に形成されている、請求項1に記載のガス発生器。
  3. 前記上側規制部材は、前記押付け部の外縁部に接続されており、前記押付け部の周方向に連続的につながるとともに前記下壁に向かって凸となるように湾曲する形状を有する環状湾曲部をさらに有する、請求項2に記載のガス発生器。
  4. 前記上側規制部材は、前記フィルタの周方向の全域にわたって前記フィルタの内周面に接触する形状を有する周壁部をさらに有する、請求項2又は3に記載のガス発生器。
  5. 前記周壁部は、
    前記押付け部から前記上壁に向けて突出する上突出筒部と、
    前記押付け部から前記下壁に向けて突出する下突出筒部と、を有し、
    前記上壁と前記下壁とを結ぶ方向における前記下突出筒部の長さは、同方向における前記上突出筒部の長さよりも大きい、請求項に記載のガス発生器。
  6. 下壁を有する下側シェルと、前記下壁と対向する上壁を有する上側シェルと、を有するハウジングの前記下壁に点火器を組み付ける工程と、
    前記点火器を包囲する形状を有し、前記下壁および前記上壁とともに燃焼室を形成するフィルタを前記下側シェル内に組み付ける工程と、
    前記フィルタの内側にガス発生剤を充填する工程と、
    前記ガス発生剤の燃焼時に生じるガスが前記フィルタと前記上壁との隙間から前記フィルタの外側に流出するのを規制する上側規制部材が前記フィルタの上端部よりも前記下壁側に位置し、かつ、前記下壁に向かう荷重が前記上側規制部材から前記ガス発生剤に作用した状態となるように、前記上側規制部材を前記フィルタ内に圧入する工程と、
    前記下側シェルに対して前記上側シェルを組み付ける工程と、を含み、
    前記上側規制部材を前記フィルタ内に圧入する工程では、前記上側規制部材として、前記ガス発生剤を前記下壁に向けて押付ける押付け部を有し、前記押付け部には、前記ガス発生剤の少なくとも一部を収容可能な形状を有する複数の凹部が形成されており、前記複数の凹部は、前記押付け部の中央を中心とする同心円の各円の周方向に沿って互いに間隔を置いて並ぶように設けられているものが用いられる、ガス発生器の製造方法。
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