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JP7186520B2 - W/o型乳化組成物 - Google Patents
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JP7186520B2 - W/o型乳化組成物 - Google Patents

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本発明はW/O型乳化組成物に関する。
セラミド類は、スフィンゴ脂質の1種であり、細胞膜に高濃度に存在する。セラミド類は、皮膚において、角質間細胞脂質中の鍵成分として脂質バリアーを構成し、皮膚を柔軟でみずみずしく保つための重要な役割を果たしていることが知られており、肌荒れを改善する手段の一つとして、角質層の水分保持力を高めるため皮膚外用剤に有効な成分である。
このようなセラミド類は結晶性が高く、乳化系への安定な配合が困難であることから、セラミド及びリン脂質を配合したO/W型乳化組成物を、シリコーン系界面活性剤を配合した油相中に分散したO/W/O型乳化化粧料(特許文献1)、セラミド類をまずO/W乳化物とし、次にこれに液体の油脂及び親油性乳化剤を配合してO/W/O型乳化物からなる二重乳化型化粧料組成物とする技術(特許文献2)、セラミドと有機変性粘土鉱物と、N-アシルグルタミン酸のジエステルと、フィトステロールを含有する油中水型乳化剤形の皮膚外用剤(特許文献3)が報告されている。さらに、セラミド類と、グリセリンモノ脂肪酸エステル、高級アルコール、スフィンゴシン塩又はイオン性界面活性剤とを含有するO/W/O型皮膚外用剤も報告されている(特許文献4)。
特開2006-273747号公報 特開平03-47108号公報 特表2010-513221号公報 特開2016-104730号公報
特許文献4記載のO/W/O型皮膚外用剤は、低温保存時のセラミド類の結晶化が抑制されており、乳化安定性を有し、皮膚に適用した場合に皮膚の保護感やなめらか感も良好である。
ところで、皮膚の表面は恒常性を維持する一環で弱酸性に保たれている。そのため、低刺激な皮膚外用剤を設計する上では製剤を肌に近いpHとして弱酸性に調整することが望まれる。また、皮膚外用剤中の界面活性剤としては、幅広い年代層の使用者や様々な肌タイプの使用者への適用を考慮し、アニオン性界面活性剤を用いることがより望ましい。しかし、セラミド類を安定に乳化分散させるためにアニオン性界面活性剤を用いる場合には、弱酸性から中性のpHではその界面活性能が失活してしまうという問題がある。
従って、本発明の課題は、セラミド類を含有し、水相中に酸性化合物を含有していても高温保存時の乳化安定性に優れ、かつ皮膚に適用したときの使用感に優れるW/O型乳化組成物を提供することにある。
そこで本発明者等は、セラミド類を含有する特許文献4のO/W/O型皮膚外用剤について種々検討したところ、無機酸及び炭素数6以下の有機酸並びにアニオン性界面活性剤を配合し、さらに特定のHLB8以上の非イオン性界面活性剤を含有させることにより、高温保存時の乳化安定性に優れ、かつ皮膚に適用したときにしっとり感が持続するという使用感に優れるW/O型乳化組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)炭素数12~26のグリセリンモノ脂肪酸エステル、
(B)炭素数10~22の高級アルコール、
(C)セラミド類、
(D)アニオン性界面活性剤、
(E)HLB8以上の非イオン性界面活性剤、
(F)無機酸及び炭素数6以下の有機酸から選ばれる1種以上
を含有するW/O型乳化組成物を提供するものである。
本発明のW/O型乳化組成物は、50℃以上の高温保存後においても粘度変化が小さく、乳化系の安定性が優れており、かつしっとり感が持続するとともに、塗布時の厚み感、皮膚を保湿する感じ、塗布時のきしみがなく、肌をなめらかにする等の使用感が優れている。
本発明のW/O型乳化組成物は、以下の成分(A)~(F)を含有する組成物である。
(A)炭素数12~26のグリセリンモノ脂肪酸エステル、
(B)炭素数10~22の高級アルコール、
(C)セラミド類、
(D)アニオン性界面活性剤、
(E)HLB8以上の非イオン性界面活性剤、
(F)無機酸及び炭素数6以下の有機酸から選ばれる1種以上
(成分(A))
成分(A)は、炭素数12~26のグリセリンモノ脂肪酸エステルである。
成分(A)の炭素数は、後述する成分(C)の析出を抑制するとともに好ましい使用感を与える観点から、好ましくは14以上であり、より好ましくは16以上であり、また、好ましくは24以下であり、さらに好ましくは22以下である。
成分(A)の具体例として、グリセリンモノラウリン酸エステル、グリセリンモノミリスチン酸エステル、グリセリンモノパルミチン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノベヘン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル、グリセリンモノイソステアリン酸エステル、グリセリンモノアラキジン酸エステル、グリセリンモノリノール酸エステル等が挙げられる。これらのうち、前述した観点から、グリセリンモノベヘン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノパルミチン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、グリセリンモノベヘン酸エステルがさらに好ましい。
本実施形態において、成分(A)は一種または二種以上を組み合わせて用いることができる。本実施形態において、乳化組成物中の成分(A)の含有量は、乳化組成物の乳化安定性を向上させる観点、塗布時のきしみ感を抑制する観点、および、皮膚を保護する感じを高める観点から、乳化組成物全体に対して0.05~12質量%が好ましく、0.2~10質量%がより好ましく、0.3~7質量%がさらに好ましく、0.4~4質量%がさらにより好ましく、0.45~2質量%が殊更好ましく、0.5~1.0質量%がより一層好ましい。
(成分(B))
成分(B)は、炭素数10~22の高級アルコールである。
成分(B)の炭素数は、後述する成分(C)の析出を抑制するとともに好ましい使用感を与える観点から、好ましくは14以上であり、より好ましくは16以上であり、また、好ましくは20以下であり、さらに好ましくは18以下である。
本実施形態において、成分(B)は一種または二種以上を組み合わせて用いることができる。本実施形態において、成分(B)の具体例として、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール等の一価アルコールが挙げられる。これらのうち、直鎖アルキル基を有するものが好ましく、より好ましくは、炭素数16~18の一価アルコールであり、セチルアルコールおよびステアリルアルコールから選ばれる一種以上がさらに好ましい。
本実施形態において、乳化組成物中の成分(B)の含有量は、乳化組成物の乳化安定性を向上させる観点、塗布時のべたつきを抑制する観点、および、塗布時の厚み感および皮膚を保護する感じを高める観点から、乳化組成物全体に対して0.05~15質量%が好ましく、0.2~10質量%がより好ましく、0.3~7質量%がさらに好ましく、0.4~4質量%がさらにより好ましく、0.45~2質量%が殊更好ましく、0.5~1.0質量%がより一層好ましい。
また、本実施形態における乳化組成物において、成分(A)および(B)の含有量の合計、すなわち((A)+(B))で表される質量割合は、乳化組成物の乳化安定性を向上させる観点から、乳化組成物全体に対して好ましくは0.15~10質量%であり、より好ましくは0.4~8質量%であり、さらに好ましくは0.6~3質量%であり、さらにより好ましくは0.7~2.5質量%であり、特に好ましくは0.8~2.0質量%である。
さらに、成分(B)に対する成分(A)の質量比((A)/(B))は、乳化組成物の塗布時の厚み感と皮膚を保護する感じを向上させる観点から、0.1以上が好ましく、0.4以上がより好ましく、0.6以上がさらに好ましく、皮膚を保護する感じを向上させる観点および塗布時のきしみ感を低減させる観点からは、5以下が好ましく、3.0以下がより好ましく、2.5以下がさらに好ましい。
(成分(C))
成分(C)は、セラミド類であり、天然型セラミドおよび疑似型セラミドから選ばれる一種または二種以上を用いることができ、具体的には、特開2013-53146号公報記載のセラミド類が使用できる。
天然型セラミドの具体的な例示として、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシンまたはスフィンガジエニンがアミド化されたセラミドType1~7(たとえば、J. Lipid Res.,24:759(1983)の図2、および、J.Lipid.Res.,35:2069(1994)の図4に記載のブタおよびヒトのセラミド)が挙げられる。
さらにこれらのN-アルキル体(たとえばN-メチル体)も含まれる。
これらのセラミドは天然型(D(-)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、さらに天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでもよく、また、これらの混合物によるものでもよい。中でも、CERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)および次式で表わされるものが好ましい。
Figure 0007186520000001
これらは天然からの抽出物および合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。このような天然型セラミドの市販のものとしては、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社製)、Ceramide TIC-001(高砂香料社製)、CERAMIDE II(Quest International社製)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社製)、CERAMIDE2(セダーマ社製)が挙げられる。
Figure 0007186520000002
また、疑似型セラミドとして、下記一般式(5)に示すものが挙げられる。
Figure 0007186520000003
(上記一般式(5)中、R25は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10~22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基または水素原子を示し;X19は水素原子、アセチル基またはグリセリル基を示し;R26はヒドロキシル基またはアミノ基が置換していてもよい炭素数5~22の直鎖、分岐鎖もしくは環状の飽和または不飽和の炭化水素基であるか、または該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8~22の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;R27は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基またはアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1~30のアルキル基を示す。)
26としては、ノニル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したウンデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位に12-ヒドロキシステアリン酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位にメチル分岐イソステアリン酸がアミド結合したウンデシル基がことさら好ましい。
25が水素原子の場合、R27はヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基またはアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数10~30の、好ましくは総炭素数12~20のアルキル基であり;R25がヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10~22の直鎖、分岐鎖もしくは環状の飽和または不飽和の炭化水素基である場合、R27は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基またはアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1~8のアルキル基を示すことが好ましい。R27のヒドロキシアルコキシ基またはアルコキシ基としては炭素数1~7のものが好ましい。
上記一般式(5)に示す化合物の具体例として、下記式に示すものが挙げられる。
Figure 0007186520000004
一般式(5)で表されるものとしては、R25がヘキサデシル基、X19が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基のもの;R25がヘキサデシル基、X19が水素原子、R26がノニル基、R27がヒドロキシエチル基のものの疑似型セラミドが好ましく、一般式(5)のR25がヘキサデシル基、X19が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基のもの(N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミド)が、さらに好ましい。また、次式で表わされるものも好ましい。
Figure 0007186520000005
本実施形態において、乳化組成物中の成分(C)の含有量は、乳化組成物の安定性を向上させる観点および塗布時のべたつきを低減させる観点から、乳化組成物全体に対して0.05~15質量%が好ましく、0.1~13質量%がより好ましく、0.5~10質量%がさらに好ましく、0.8~5質量%がさらにより好ましい。
また、成分(A)、(B)および(C)において、成分(A)、(B)および(C)の合計に対する成分(C)の質量割合、つまり((C)/((A)+(B)+(C)))で表される質量割合は、低温での乳化組成物の乳化安定性および使用感を向上させる観点から、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.45以上、さらに好ましくは0.5以上、さらにより好ましくは0.52以上であり、殊更好ましくは0.55以上である。また、低温保存時の成分(C)の析出を抑制する観点から、((C)/((A)+(B)+(C)))で表される質量割合は好ましくは1.0未満であり、より好ましくは0.95以下、より好ましくは0.9以下、さらに好ましくは0.85以下であり、さらにより好ましくは0.8以下である。
また、低温での乳化組成物の乳化安定性および使用感を向上させる観点、および低温保存時の成分(C)の析出を抑制する観点から、((C)/((A)+(B))で表される質量割合は、0.5~3.5が好ましく、0.7~3.0がより好ましく、1.0~2.8がさらに好ましい。
(成分(D))
成分(D)は、アニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上の化合物である。
成分(D)のアニオン性界面活性剤としては、たとえば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸アルギニン等の炭素数12~22の脂肪酸またはその塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム等の炭素数12~22のアルキル硫酸エステルまたはその塩;
ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン等の炭素数12~22のアルキルエーテル硫酸エステルまたはその塩;
ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム等の炭素数12~22のアルキルエーテル酢酸エステルまたはその塩;
ラウロイルサルコシンナトリウム等のN-炭素数12~22のアシルサルコシンまたはその塩;
モノステアリルリン酸ナトリウム等の炭素数12~22のアルキルリン酸またはその塩;
ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレン炭素数12~22のアルキルエーテルリン酸またはその塩;
ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等の炭素数12~24のジアルキルスルホコハク酸またはその塩;
N-ステアロイル-N-メチルタウリンナトリウム等の炭素数12~22のN-アルキロイルメチルタウリンまたはその塩;
N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム等の炭素数12~22のアシルグリシンまたはその塩;
N-ヤシ油脂肪酸アシルアラニンナトリウム等の炭素数12~22のアシルアラニンまたはその塩;または
ジラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ステアロイル-L-グルタミン酸アルギニン、N-ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム等のN-炭素数12~22のアシルグルタミン酸またはその塩が挙げられる。
成分(D)としては、皮膚外用剤の乳化安定性を向上させる観点から、脂肪酸またはその塩以外のものが好ましく、ポリオキシエチレン炭素数12~22のアルキルエーテルリン酸またはその塩、炭素数12~22のN-アルキロイルメチルタウリン塩、N-炭素数12~22のアシルグルタミン酸塩から選ばれる一種または二種以上が好ましく、好ましい使用感を得る観点から、N-炭素数12~22のアシルグルタミン酸またはその塩および炭素数12~22のN-アルキロイルメチルタウリン塩からなる群から選ばれる一種または二種がより好ましい。N-炭素数12~22のアシルグルタミン酸塩としては、N-ステアロイル-L-グルタミン酸塩が好ましく、N-ステアロイル-L-グルタミン酸アルギニン塩、N-ステアロイル-L-グルタミン酸カリウム塩がより好ましい。炭素数12~22のN-アルキロイルメチルタウリン塩としては、皮膚外用剤の乳化安定性を向上させる観点及び好ましい使用感を得る観点から、炭素数12~22のN-アルキロイルメチルタウリンナトリウムが好ましく、炭素数14~20のN-アルキロイルメチルタウリン塩がより好ましく、炭素数16~20のN-アルキロイルメチルタウリン塩がさらに好ましい。
また、成分(C)の析出を抑制する観点、および、乳化組成物の乳化安定性を向上させる観点から、成分(D)がアシルメチルタウリン塩、アシルグルタミン酸塩、アシルアスパラギン酸塩、脂肪酸塩、ジアシルグルタミン酸リジン塩、アシルアルギニン塩からなる群から選択される一種または二種以上を含むことが好ましい。
成分(D)は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
成分(D)の含有量は、後述の各成分を安定に分散でき、べたつかない使用感を得る観点、および、塗布時のきしみ感を抑制する観点から、乳化組成物の全体に対してたとえば0.01~10質量%であり、0.05~5質量%が好ましく、0.1~3質量%がより好ましく、0.4~2質量%がさらにより好ましい。
成分(A)、(B)、(C)および(D)において、成分(A)、(B)および(C)の合計に対する成分(D)の質量割合、つまり((D)/((A)+(B)+(C)))で表される質量割合は、低温での乳化組成物の乳化安定性、低温保存時の成分(C)の析出を抑制させる観点、および使用感を向上させる観点から、好ましくは0より大きく、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.08以上、さらにより好ましくは0.10以上である。また、低温での乳化組成物の乳化安定性と使用感とのバランスを向上させる観点から、((D)/((A)+(B)+(C)))で表される質量割合は、好ましくは0.5以下であり、より好ましくは0.4以下、さらに好ましくは0.35以下であり、さらにより好ましくは0.30以下である。
また、本実施形態における乳化組成物において、成分(A)~(D)の含有量の合計、すなわち((A)+(B)+(C)+(D))で表される質量割合は、低温での乳化組成物の安定性を向上させる観点から、乳化組成物全体に対して好ましくは0.3~15質量%であり、より好ましくは0.5~12質量%であり、さらに好ましくは1~10質量%であり、さらにより好ましくは2~8質量%であり、特に好ましくは3.5~7質量%である。
(成分(E))
成分(E)は、HLB8以上の非イオン性界面活性剤である。本発明においては、HLB8未満の非イオン性界面活性剤を用いた場合、水相中に酸性化合物を配合した組成物の高温条件下での乳化安定性が保持できず、分離や増粘・ゲル化により使用感が損なわれる。
非イオン性界面活性剤のHLBは、高温乳化安定性、高温粘度安定性を向上させる観点から、8以上20以下が好ましく、10以上20以下がより好ましく、12以上20以下がさらに好ましく、14以上20以下がさらにより好ましい。
ここで、HLB(親水性親油性バランス)は、例えば下記式により求めることができるものである。
式:〔HLB〕=7+1.171log(Mw/Mo)
(式中、Mwは界面活性剤の親水性基の分子量、Moは界面活性剤の疎水性基の分子量、logは底が10の対数を示す。)
HLB8以上の非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル等から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。このうち、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
本実施形態において、成分(E)は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本実施形態において、成分(E)の含有量は、高温での乳化安定性、高温粘度安定性の観点から、0.05~1質量%が好ましく、0.1~1質量%がより好ましく、0.15~0.8質量%がさらに好ましく、0.2~0.7質量%がよりさらに好ましい。
成分(F)は、無機酸及び炭素数6以下の有機酸である。水相中の有機酸を配合することにより、皮膚表面の恒常性を保ちながら、使用感が向上する。
有機酸としては、水溶性の有機酸が好ましく、炭素数1~6の脂肪酸、ヒドロキシ酸、ジカルボン酸、酸性アミノ酸等が挙げられる。このうち、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、アジピン酸から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、コハク酸等から選ばれる1種又は2種以上がさらに好ましい。
また、無機酸は、塩酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、リン酸から選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
本実施態様において、成分(F)は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本実施態様において、成分(F)の含有量は、乳化組成物の高温安定性を良好に保ちつつ、皮膚表面の恒常性を保ちながら使用感を向上させる観点から、0.01~2質量%が好ましく、0.02~1質量%がより好ましく、0.05~1質量%がさらに好ましく、0.05~0.8質量%がよりさらに好ましい。
成分(E)と成分(F)の質量比(E/F)は、高温での乳化安定性及び高温粘度安定性を向上させる観点から、0.3以上6.0以下が好ましく、0.7以上5.5以下がより好ましく、1.0以上5.0以下がさらに好ましい。
成分(E)と成分(A)の質量比(E/A)は、低温下及び高温下での乳化組成物の安定性を向上させる観点から、0.1以上1.5以下が好ましく、0.2以上1.3以下がより好ましい。
本実施形態における乳化組成物は、以上の成分(A)~(F)を含むW/O型の乳化組成物であり、W/O型乳化組成物の水相中に成分(A)~(F)を含むことが好ましく、W/O型乳化組成物の水相中に内層油相O1を分散させたO1/W/O型乳化化粧料であることがより好ましい。
また、本実施形態における乳化組成物の内相は、さらに具体的には、ラメラ状のα-ゲル構造をとる。本実施形態における皮膚外用剤は、使用感、とくにしっとり感の持続性に優れるが、これは、乳化組成物中の固体脂が皮膚表面にα-ゲル構造のラメラ皮膜を形成し、さらに外層油相との相乗作用により、長時間、皮膚表面に油剤がラメラ被膜として留まるためであると推察される。
したがって、本実施形態においては、低温保存時のセラミド類の結晶化が抑制されてセラミド類が安定に配合されているとともに、好ましい使用感を与える化粧品を得る観点から、成分(A)~(E)を内層油相(O1)に含むことが好ましい。
本実施形態における乳化組成物は、温度サイクル条件下での保存安定性を良好にする観点から、さらに(G1)架橋型ポリエーテル変性シリコーン及び架橋型ポリグリセリン変性シリコーンから選ばれる1種以上と、(G2)ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上とを含有することが好ましい。
(G1)架橋型ポリエーテル変性シリコーンは、オルガノポリシロキサン鎖をポリエーテルで架橋した3次元架橋物であり、例えば、次の一般式(3)
Figure 0007186520000006
(式中、各R10は、メチル基又はフェニル基を示し、各R'は水素原子、炭素数1~30のアルキル基又はアシル基を示し、各R"は炭素数1~30のアルキル基若しくはアシル基、又はケイ素原子1~30のシロキサン基を示す。dは1~20の数を示し、e及びfは0~200の数を示し、e及びfが同時に0となることはない。gは0~30の数を示し、hは1~100の数を示し、iは10~2000の数を示し、jは1~1000の数を示し、kは1~1000の数を示す)
で表される架橋型ポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。
一般式(1)中、R"は、炭素数1~15のアルキル基が好ましい。また、gは0~15の数、hは1~40の数、iは10~200の数、jは1~50の数、kは1~50の数が好ましい。
(G1)架橋型ポリエーテル変性シリコーンは、例えば、特開平4-272932号公報に記載の方法により製造することができる。
また、(G1)架橋型ポリエーテル変性シリコーンは、揮発性炭化水素油又はシリコーン油に希釈又は分散されたものが好ましい。揮発性炭化水素油としては、イソドデカン、ポリイソブテンがより好ましい。
(G1)架橋型ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えば、KSG-210、KSG-240(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー);KSG-310、KSG-320、KSG-330((PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー);KSG-340((PEG-10/ラウリルジメチコン)クロスポリマー及び(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー)(以上、信越化学工業社製)等の市販品を用いることができる。
これらの架橋型ポリエーテル変性シリコーンは、1種又は2種以上を用いることができる。
(G1)架橋型ポリグリセリン変性シリコーンは、オルガノポリシロキサン鎖をポリグリセリンで架橋した3次元架橋物であり、具体例としては、(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマーや、アルキル共変性タイプの(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー等が挙げられ、例えば、KSG-710(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー)、KSG-810(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー)(以上、信越化学工業社製)等の市販品を用いることができる。
これらの架橋型ポリグリセリン変性シリコーンは、1種又は2種以上を用いることができる。
成分(G1)の含有量は、温度サイクル条件下での保存安定性、使用感の観点から、乳化組成物の全体に対して0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上2質量%以下がより好ましく、0.75質量%以上1.25質量%以下がさらに好ましい。
成分(G1)としては、温度サイクル条件下での保存安定性、使用感の観点から、架橋型ポリエーテル変性シリコーンを用いることがより好ましい。
成分(G2)のうち、ポリエーテル変性シリコーンは、1価のポリオキシアルキル基を構造内に有するシリコーンをいい、例えば、次の一般式(4)で表されるものが挙げられる。
Figure 0007186520000007
(上記一般式(4)中、各R11は同一または異なって、メチル基またはフェニル基を示し、R13は水素原子、炭素数1~30のアルキル基またはアシル基を示し、R12は炭素数1~30のアルキル基もしくはアシル基、またはケイ素原子1~30のシロキサン基を示し、dは1~20の数を示し、eおよびfは0~200の数を示し、eおよびfが同時に0となることはない。gは10~2000の数を示し、hは1~1000の数を示す。好ましくは、一般式(4)において、dは1~10、eは1~50、fは1~50、gは10~1000、hは1~50の数である。)
成分(G2)のポリエーテル変性シリコーンとしては、例えば、PEG-3ジメチコン、PEG-10ジメチコン、PEG-11メチルエーテルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンが挙げられる。市販品としては、KF-6015、KF-6017、KF-6025、KF-6028、KF-6048(以上、信越化学工業社製)等が挙げられる。
成分(G2)うち、ポリグリセリン変性シリコーンとは、1価のポリグリセリル基を構造内に有するシリコーンをいい、例えば、ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン、ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンが挙げられる。市販品としては、KF-6100、KF-6104(以上、信越化学工業社製)が挙げられる。
これらの成分(G2)は、1種又は2種以上を用いることができる。
成分(G2)のうち、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、ジグリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられ、温度サイクル条件下での乳化組成物の保存安定性を向上させる観点から、ジグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、同様の観点から、好ましくは炭素数12~22の、より好ましくは14~20の脂肪酸由来であることが好ましく、飽和脂肪酸由来のポリグリセリン脂肪酸エステルであることがより好ましい。
成分(G2)としては、温度サイクル条件下での保存安定性、使用感の観点から、ポリエーテル変性シリコーン及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることがより好ましい。
これらの成分(G2)は1種又は2種以上を用いることができる。
成分(G2)の含有量は、温度サイクル条件下での保存安定性、使用感の観点から、乳化組成物の全体に対して0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、2.5質量%以上5質量%以下がより好ましく、3質量%以上4質量%以下がさらに好ましい。
成分(G1)及び成分(G2)の両者を併用する場合、成分(G1)と成分(G2)の含有質量比(G2/G1)は、温度サイクル条件下での保存安定性、使用感の観点から、0.1以上8以下が好ましく、1以上5以下がより好ましく、3以上4以下がさらに好ましい。
本発明の乳化組成物には、前記成分以外に、水、成分(B)以外の油性成分(H)、増粘剤又はゲル状物質、アミノ酸類、植物抽出物、保湿剤、抗炎症剤、防腐剤等を含有させることができる。
油性成分(H)としては、通常の化粧料に用いられるものが挙げられ、たとえば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、セレシン等の炭化水素油;セチルジメチルブチルエーテル(以下、単に「セチルジメチルブチル」ともいう。)、エチレングリコールジオクチルエーテル、グリセロールモノオレイルエーテル等のエーテル油;ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリオクタノイン、イソノナン酸イソトリデシル等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン油;パーフルオロアルキルエチルリン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンリン酸、パーフルオロポリエーテル、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系油などが挙げられる。エステル油等は植物等の天然由来の油を原料としてもよい。
これらの中で、きしみ感のない使用感を向上させる観点から、外層油相中に含まれる油性成分(H)としては、25℃にて液状の油を含むものが好ましく、該25℃にて液状の油としては、炭化水素油またはシリコーン油が好ましく、両方を含むことがより好ましい。
同様の観点から、シリコーン油に対する炭化水素油の質量割合(炭化水素油/シリコーン油)は、9/1~1/1が好ましく、7/1~1.5/1がより好ましく、5/1~2/1がさらに好ましい。
さらに外層油相中に含まれる油性成分(H)としてIOB値0.1以上の極性油を用いることもできるが、その含有量は、乳化安定性の観点から外層油相(O)全体に対して、40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、IOB値0.1以上の極性油を含まないのが最も好ましい。
また、アミノ酸類としては、グリシン、セリン、シスチン、アラニン、トレオニン、システイン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン、ロイシン、チロシン、プロリン、イソロイシン、トリプトファン、ヒドロキシプロリン等の中性アミノ酸;アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、グルタミン酸等の酸性アミノ酸;アルギニン、ヒスチジン、リジン等の塩基性アミノ酸;さらにベタインやアミノ酸誘導体として、アシルサルコシンおよびその塩、アシルグルタミン酸およびその塩、アシル-β-アラニンおよびその塩、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸およびその塩、グルタチン、カルノシン、グラムシギンS、チロシジンA、チロシジンB等のオリゴペプチド、特開平6-228023号公報記載のグアニジン誘導体およびその塩などが挙げられる。
これらのアミノ酸類を含有する場合には、その含有量は、乳化組成物全体に対して0.001~3質量%程度であるのが好ましい。
植物抽出物としては、たとえばアシタバ、アズキ、アボガド、アマチャ、アマチャツル、アルテカ、アルニカ、アルモンド、アロエ、アンズ、イラクサ、イリス、ウイキョウ、ウコン、エイジツ、オウゴン、オウバク、オウレン、オオムギ、オクラ、オトギリソウ、オドリコソウ、オノニス、オランダカラシ、カキ、カッコン、カノコソウ、カバノキ、ガマ、カミツレ、カモミラ、カラスムギ、カンゾウ、キイチゴ、キウイ、キューカンバー、キョウニン、ククイナッツ、クチナシ、クマザサ、クルミ、ケイヒ、クワ、グンジョウ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、ゴボウ、ゴマ、小麦、コメ、サザンカ、サフラン、サンザシ、サンショウ、シイタケ、ジオウ、シコン、シソ、シナノキ、シモツケソウ、シャクヤク、ショウキョウ、ショウブ、シラカバ、スイカヅラ、スギナ、ステビア、セイヨウキズタ、セイヨウサンザシ、セイヨウニワトコ、セイヨウネズ、セイヨウノコギリソウ、セイヨウハッカ、セージ、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、ダイズ、ダイソウ、ダイム、チャ、チョウジ、チンピ、月見草、ツバキ、ツボクサ、テウチグルミ、トウキ、トウキンセンカ、トウニン、トウヒ、トウモロコシ、ドクタミ、トマト、ニンジン、ニンニク、ノバラ、バクガ、パセリ、ハダカムギ、ハトムギ、ハッカ、パパイヤ、ハマメリス、バラ、ヒノキ、ヒマワリ、ビワ、フキタンポポ、ブドウ、プラセンタ、ヘーゼルナッツ、ヘチマ、ベニバナ、ボダイジュ、ボタン、ホップ、マカデミアナッツ、マツ、マロニエ、メリッサ、メリロート、モモ、モヤシ、ヤグルマギク、ヤシ、ユーカリ、ユキノシタ、ユリ、ヨクイニン、ヨモギ、ライムギ、ラッカセイ、ラベン8ダー、リンゴ、レイシ、レタス、レモン、レンゲソウ、ローズマリー、ローマカミツレ、キンミズヒキ、キササゲ、アスナロ、ホルトソウ、ヒキオコシ、キジツ、センキシ、ハコベ、浮き草、カワラヨモギ、イチョウ、キキョウ、キク、クマザサ、ムクロジ、レンギョウ等の植物から常法により得られる抽出物が挙げられる。これらのうち、ハマメリス、ボタン、キンミズヒキ、キササゲ、アスナロ、ホルトソウ、ヒキオコシまたはキジツから得られる抽出物が好ましい。
これらの植物抽出物を含有する場合には、その含有量は、乾燥固形分として、乳化組成物全体に対して0.0001~2質量%程度であるのが好ましい。
保湿剤としては、グリコール、グリセリン、グルコース、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、デンプン分解糖還元アルコール、ソルビトール等の保湿作用を有する多価アルコール類;エチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3-プロパンジオールなどが挙げられる。
また、メチルグルセス-10、メチルグルセス-20等のポリオキシエチレンメチルグルコシド、PPG-20 メチルグルコースエステル等のポリオキシプロピレンメチルグルコシドを用いてもよい。
これらの保湿剤を含有する場合には、その含有量は、乳化組成物全体に対して0.01~30質量%程度であるのが好ましい。
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸およびその塩、グリチルレチン酸およびその塩、イプシロンアミノカプロン酸およびその塩、アラントイン、塩化リゾチーム、グアイアズレン、サリチル酸メチル、γ-オリザノール等が挙げられ、これらのうち、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、イプシロンアミノカプロン酸からなる群から選択される一種以上がより好ましい。
これらの抗炎症剤を含有する場合には、その含有量は、乳化組成物全体に対して0.001~2質量%程度であるのが好ましい。
また、防腐剤として、たとえば、メチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル(パラベン)、デヒドロ酢酸およびその塩が挙げられる。
さらに、その他の成分として、ジステアリルジモニウムヘクトライト、パルミチン酸デキストリン等の増粘剤を用いてもよい。
本発明の乳化組成物は、皮膚に適用した場合に皮膚の保護感やなめらか感も良好にする観点から、W/O型乳化組成物の水相中に、成分(A)~(E)を含む内層油相O1を分散させたO1/W/O型乳化組成物であるのが好ましい。
本発明の効果を損じない範囲で、皮膚外用剤が成分(A)~(E)以外の成分を、たとえば公知の成分を内層油相O1に含むことができる。また、低温保存時のセラミド類の結晶化が抑制されてセラミド類が安定に配合される観点から、(A)~(E)以外の固体脂の含有量は、乳化組成物中、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、実質0質量%であることが好ましい。
また、O1/W/O型乳化組成物中の内層油相O1の割合は、乳化組成物の乳化安定性を向上させる観点から、乳化組成物全体に対して好ましくは0.1~15質量%であり、より好ましくは0.5~12質量%であり、さらに好ましくは1~10質量%であり、さらにより好ましくは2~8質量%であり、殊更好ましくは3.5~7質量%である。
次に、W/O型乳化組成物における水相について説明する。
乳化組成物中の水相Wの割合は、乳化組成物から外層油相O(O1/W/O型乳化組成物となる場合は、外層油相Oと内層油相O1との合計)を除いた残部であるが、乳化組成物の乳化安定性を向上させる観点から、乳化組成物全体に対して好ましくは30~90質量%であり、より好ましくは50~85質量%である。
水相Wは、具体的には主として水を含む。乳化組成物中の水の含有量は、乳化組成物全体に対して、好ましくは30~90質量%であり、より好ましくは45~85質量%である。また、乳化組成物中の水の含有量は、乳化組成物に含まれる水以外の成分を除いた残部とすることができる。
また、水相が水以外の成分、具体的には後述する任意成分またはその他の成分のうち、水溶性のものを含んでもよい。
次に、O1/W/O型乳化組成物における外層油相Oについて説明する。
乳化組成物中の外層油相の割合は、乳化組成物の乳化安定性を向上させる観点およびきしみのない使用感を向上させる観点から、好ましくは5~40質量%、より好ましくは10~38質量%であり、さらに好ましくは15~36質量%であり、さらにより好ましくは20~30質量%である。
また、本実施形態において、O1/W/O型乳化組成物中の外層油相の質量に対する内層油相と水相との合計質量の割合は、すなわち((O1+W)/Oで表される質量割合は、乳化組成物の乳化安定性を向上させる観点から、好ましくは1~19であり、より好ましくは1.5~10であり、さらに好ましくは2~5である。
また、本実施形態において、O1/W/O型乳化組成物中の内層油相と外層油相との合計の質量割合、すなわち乳化組成物全体に対する(O1+O)で表される質量割合は、乳化組成物の乳化安定性を向上させる観点から、好ましくは(O1+O)/(O1+W+O)=0.05~0.5であり、より好ましくは0.1~0.45であり、さらに好ましくは0.15~0.4である。
次に、本実施形態における乳化組成物の製造方法を説明する。
本実施形態におけるW/O型乳化組成物及びO1/W/O型乳化組成物の製造には、たとえば、公知の製造方法を用いることができる。O1/W/O型乳化組成物を製造する場合、中でも、二段階乳化法によるのが好ましく、外層油相の成分を溶解、膨潤または分散した油剤中に、あらかじめ常法により調製しておいた内相O1/W型乳化組成物を再乳化することにより、乳白色または透明~半透明のO1/W/O型乳化組成物を得ることができる。
本実施形態により得られる乳化組成物は、種々の形態、たとえば乳液、ヘアクリーム、ハンドクリーム等のクリーム、乳化ファンデーション、美容液等の化粧料とすることができる。
また、本実施形態の乳化組成物は、皮膚、中でも頭髪を除く皮膚、好ましくは顔、身体、手足等のいずれかに塗布することにより、使用することができる。また、本実施形態の乳化組成物を頭皮や髪に使用することもできる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
(実施例1~11および比較例1~6)
表1~表4に示す組成の乳化組成物を製造し、後述する方法で、高温安定性(60℃)および、使用感(しっとり感の持続、塗布時の厚み感、皮膚を保護する感じ、塗布時のきしみのなさ、肌がなめらかな感じ)について評価した。結果を表1~表4に併せて示す。
(製造方法)
以下の手順に従い、各例の乳化組成物を製造した。
(1)成分(A)~(E)及び多価アルコールを80℃で均一に混合溶解した。
(2)水およびほかの水相成分を80℃で均一に混合溶解した。
(3)(1)で得られた混合物に(2)で得られた混合物を添加し、転相乳化法によりO/W型乳化組成物を調製した後、室温(25℃)まで放冷した。
(4)外層油相成分を室温(25℃)で均一に混合した。
(5)(4)で得られた混合物に(3)で得られた乳化組成物を添加し、均一になるまで撹拌し乳化することにより、O/W/O型乳化組成物を得た。
(評価方法)
(高温安定性)
(乳化安定性(目視))
各乳化組成物40gをポリプロピレン製の容器に入れ、60℃で10日間保存した後の状態を目視により評価し、以下の基準で示した。
○:乳化状態が維持されている
△:ごくわずかに分離が認められるが全体として乳化状態が維持されている
×:分離が認められる
(粘度安定性)
各乳化組成物について、保存前及び60℃保存後の粘度をB8R粘度計(ローターNo. T-C、5rpm,60秒)にて測定し、保存前後の粘度比(保存後/保存前)から以下の基準で示した。
○:1.5倍未満
△:1.5倍以上3倍未満
×:3倍以上
(使用感)
各例で得られた乳化組成物からなる化粧料を前腕内側部位に適用したときの使用感として、しっとり感の持続、塗布時の厚み感、皮膚を保護する感じ、塗布時のきしみのなさ、および、肌がなめらかな感じについて評価した。各項目について、以下の基準で各自評価を行い、協議の上最終評価を決定した。
(しっとり感の持続)
基準を4段階に分け、しっとり感を非常に感じると判断した場合を4、しっとり感をまったく感じず実使用不可と判断した場合を1として評価した。
(塗布時の厚み感)
基準を4段階に分け、厚み感を非常に感じると判断した場合を4、厚み感をまったく感じず実使用不可と判断した場合を1として評価した。
(皮膚を保護する感じ)
基準4段階に分け、皮膚を保護する感じを非常に感じると判断した場合を4、皮膚を保護する感じをまったく感じず実使用不可と判断した場合を1として評価した。
(塗布時のきしみのなさ)
基準を4段階に分け、きしみをまったく感じないと判断した場合を4、非常にきしみを感じ、非常に不快感があり実使用不可と判断した場合を1として評価した。
(肌がなめらかな感じ)
基準を4段階に分け、非常に肌がなめらかな感じがすると判断した場合を4、まったく肌がなめらかな感じがなく実使用不可と判断した場合を1として評価した。
尚、表中用いた成分は以下の通りである。
*1:サンソフト NO.8100、太陽化学社製
*2:セチルアルコール NX、高級アルコール工業社製
*3:ソフケアSL-E、花王社製
*4:ニッコール SMT、日光ケミカルズ社製
*5:エマノーンCH-60、花王社製
*6:エマレックスHC-5、日本エマルジョン社製
*7:化粧品用濃グリセリン、花王社製
*8:パールリーム EX、日油社製
*9:KSG-210、信越化学工業社製(有効分24%)
*10:コスモール42V、日清オイリオグループ社製
*11:レオパールKL2、千葉製粉社製
*12:エマノーンCH-25、花王社製
*13:シリコーンKF-6017、信越化学工業社製
*14:エマルゲン1620G、花王社製
*15:エマノーン3199V、花王社製
*16:レオドール460V、花王社製
*17:レオドールTW-S320V、花王社製
*18:エマレックスHC-10、日本エマルジョン社製
*19:ユーカリエキスK、香栄興業社製
*20:アスナロリキッドK-B、一丸ファルコス社製
*21:シリコーン KF-96L-2CS、信越化学工業社製
Figure 0007186520000008
Figure 0007186520000009
Figure 0007186520000010
Figure 0007186520000011

Claims (7)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
    (A)炭素数12~26のグリセリンモノ脂肪酸エステル、
    (B)炭素数10~22の高級アルコール、
    (C)セラミド類、
    (D)アニオン性界面活性剤、
    (E)HLB8以上の非イオン性界面活性剤、
    (F)無機酸及び炭素数6以下の有機酸から選ばれる1種以上
    を含有するW/O型乳化組成物。
  2. 成分(E)と成分(F)の質量比(E/F)が0.3以上6.0以下である請求項1記載のW/O型乳化組成物。
  3. 成分(E)と成分(A)の質量比(E/A)が0.1以上1.5以下である請求項1又は2記載のW/O型乳化組成物。
  4. さらに(G1)架橋型ポリエーテル変性シリコーン及び架橋型ポリグリセリン変性シリコーンから選ばれる1種以上と、(G2)ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上とを含有する請求項1~3のいずれか1項に記載のW/O型乳化組成物。
  5. 水相中に、成分(A)~(F)を含む請求項1~4のいずれか1項記載のW/O型乳化組成物。
  6. 成分(E)がHLB10以上の非イオン性界面活性剤である請求項1~5のいずれか1項記載のW/O型乳化組成物。
  7. 成分(F)が無機酸並びに炭素数6以下の脂肪酸、ヒドロキシ酸及びジカルボン酸から選ばれる1種以上である請求項1~6のいずれか1項記載のW/O型乳化組成物。
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