以下、図1~図8を参照して本発明の一実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る車両乗換提案装置は、車両貸出サービスを提供する車両貸出システムに適用することができる。以下では特に、定額料金で一定期間(例えば、1か月)、複数の車両の中からユーザにより選択された車両を利用できるサービス、いわゆるサブスクリプションサービスを提供する車両貸出システムに、車両乗換提案装置を適用する例を説明する。
車両のサブスクリプションサービスでは、自動車離れが指摘されている若者層や運転する機会が減少するシニア層等を含む、より多くの人に車両を運転する楽しさを気軽に体験してもらうために、利用料金を低額に設定することが好ましい。しかし、サブスクリプションサービスでは、メンテナンス料等を含む定額の利用料金が設定されるため、このサービスに用いられる車両の利用マナー(例えば運転マナー)が低下しやすい。そのため、修理費等のメンテナンス料の増加を招きやすく、事業体の負担が増加しやすい。そこで、本実施形態では、ユーザによる車両の利用マナーの向上を図れるよう、以下のように車両乗換提案装置を構成する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両貸出システム100のシステム構成の一例を示す図である。図1に示すように、車両貸出システム100は、サブスクリプションサービスを提供する事業体(以下単に、事業体ともいう。)が有するサーバ装置1および車両2と、サブスクリプションサービスを利用するユーザが有するユーザ端末(携帯端末)3とを備える。本実施形態に係る車両乗換提案装置は、主にサーバ装置1により構成される。
車両2には車載端末20が搭載され、サーバ装置1と、車載端末20と、ユーザ端末3とは、無線通信網、インターネット網、電話回線網などの通信ネットワーク4に接続される。車両2には、事業体で販売される登録済みの車両(車両番号のついている車両であり、以下単に、中古車ともいう。)が含まれ、中古車には、事業体を最初の所有者として登録した車両、いわゆる新古車も含まれる。なお、車両2は、事業体が有する中古車の中からサブスクリプションサービスを提供するために事業体により予め選択されたものでもよく、ユーザにより自由に選択されるものであってもよい。
図1には、便宜上、ユーザが所有する単一のユーザ端末3と、ユーザにより選択された単一の車両2および車載端末20とが示されるが、複数のユーザそれぞれが複数の車両の中から任意の車両を選択できるように、複数のユーザ端末3と、複数の車両2および車載端末20とを含んで構成されてもよい。また、図1では単一のサーバ装置1が示されるが、サーバ装置1が複数のサーバ装置から構成されてもよい。
車載端末20は、例えば、車載ナビゲーション装置を含んで構成される。図2は、図1の車載端末20の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、車載端末20は、サブスクリプションサービスの提供に関連する構成として、通信部21と、入出力部22と、記憶部23と、演算部24と、を有する。車載端末20には、車両2に搭載された各種のセンサ群25と、アクチュエータ26とが接続される。
通信部21は、通信ネットワーク4を介してサーバ装置1と無線通信可能に構成される。通信部11は、車両2を識別する車両IDとともに、センサ群25により検出される信号の一部を、所定時間毎にサーバ装置1に送信する。
入出力部22は、ユーザが操作可能な各種スイッチやボタン、マイク、スピーカ、モニタ等を有する。ユーザが操作可能な各種スイッチやボタンには、タッチパネル式のディスプレイも含まれる。この他、入出力部22は、サブスクリプションサービスの利用に供されるカードリーダ221を有する。カードリーダ221は、ユーザが所有する認証カードからユーザ情報を読み取る装置であり、認証カードには、例えば集積回路(IC)が組み込まれてユーザの個人情報が格納された運転免許証を用いることができる。
記憶部23は、図示しない揮発性メモリまたは不揮発性メモリを有する。記憶部23には、演算部24が実行する各種のプログラムや、各種のデータが記憶される。記憶部23には、一例として、センサ群25による検出データが一時的に記憶される。
演算部24はCPUを有し、入出力部22を介して入力された信号、センサ群25により検出された信号、通信部21を介して車載端末20の外部から受信した信号、および記憶部23に記憶されたプログラムやデータ等に基づいて所定の処理を実行し、入出力部22、記憶部23およびアクチュエータ26に制御信号を出力する。
演算部24は、さらに通信部21に制御信号を出力し、車載端末20とサーバ装置1との間の信号の送受信を制御する。例えば演算部24は、センサ群25により検出された信号の一部が所定時間毎にサーバ装置1に送信されるように、通信部21に制御信号を出力する。演算部24は、車両2の利用開始時にユーザがカードリーダ221に認証カードを近づけたとき、カードリーダ221により読み取られたユーザ情報がサーバ装置1に送信されるように、通信部21に制御信号を出力する。このときサーバ装置1は、受信したユーザ情報に対応する予約情報の有無を判定し、対応する予約情報があれば車載端末20に解錠指令信号を送信する。一方、対応する予約情報がなければ施錠指令信号を送信する。演算部24は、通信部21がサーバ装置1から解錠指令信号を受信すると解錠信号を、施錠指令信号を受信すると施錠信号を、それぞれ車両2のアクチュエータ26に出力する。
センサ群25は、運転時の車両2の状態を表す運転状態情報を含む車両情報を検出する各種センサを有する。センサ群25は、運転状態情報を検出するセンサの一例として、GPS衛星からの信号を受信して車両2の位置を検出するGPSセンサ251と、車速を検出する車速センサ252と、車両2に作用する加速度を検出する加速度センサ253と、を有する。
アクチュエータ26は、車載端末20(演算部24)からの指令により車両2に搭載された各種機器を駆動する。アクチュエータ26は、一例として、車両2のドアを施錠または解錠するロックアクチュエータ261を有する。ロックアクチュエータ261は、演算部24から解錠信号が出力されるとドアを解錠し、施錠信号が出力されるとドアを施錠する。
図3は、図1のユーザ端末3の概略構成を示すブロック図である。ユーザ端末3は、ユーザが個人で所有するスマートフォンやタブレット端末等により構成される。図3に示すように、ユーザ端末3は、サブスクリプションサービスの利用に関連する構成として、通信部31と、入出力部32と、記憶部33と、演算部34と、を有する。
通信部31は、通信ネットワーク4を介してサーバ装置1と無線通信可能に構成される。通信部31は、ユーザを識別するユーザIDとともに、車両2の予約やキャンセル等を指令する信号をサーバ装置1に送信する。
入出力部32は、タッチパネル式のディスプレイを有する。ユーザは、タッチパネル(入出力部32)を介して、自身の住所、氏名、連絡先および免許証番号等の個人情報と、決済に必要な情報(例えばクレジット番号)および車両2の予約情報等のサブスクリプションサービスの利用に関連した利用情報とを入力することができる。またユーザは、ディスプレイ(入出力部32)を介して、車両2の貸出期間等の予約情報や貸出情報を確認することができる。
記憶部33は、図示しない揮発性メモリまたは不揮発性メモリを有する。記憶部33には、演算部34が実行する各種のプログラムや、各種のデータが記憶される。記憶部33には、一例として、タッチパネル(入出力部32)を介して入力された個人情報や利用情報が記憶される。
演算部34はCPUを有し、タッチパネル(入出力部32)を介して入力された信号、通信部31を介してユーザ端末3の外部から受信した信号および記憶部33に記憶されたデータ等に基づいて所定の処理を実行し、ディスプレイ(入出力部32)および記憶部33に制御信号を出力する。演算部34は、さらに通信部31に制御信号を出力し、ユーザ端末3とサーバ装置1との間の信号の送受信を制御する。演算部34は、一例として、タッチパネルを介してユーザにより入力されて記憶部33に記憶された個人情報や利用情報がサーバ装置1に送信されるように、通信部31に制御信号を出力する。
図4は、図1のサーバ装置1の概略構成を示すブロック図である。サーバ装置1は、例えば、車両2のサブスクリプションサービスを提供する事業体が有するサーバ装置として構成される。クラウド上で仮想サーバ機能を利用して、サーバ装置1を構成することもできる。図4に示すように、サーバ装置1は、通信部11と、入出力部12と、記憶部13と、演算部14と、を有する。
通信部11は、通信ネットワーク4を介して車載端末20およびユーザ端末3と無線通信可能に構成される。通信部11は、車両2を識別する車両IDとともに、車両2のドアを施錠または解錠するための解錠指令信号または施錠指令信号を車載端末20に送信する。
入出力部12は、例えばキーボード、マウス、モニタ、タッチパネル等を有する。入出力部12は、省略することもでき、例えば、サーバ装置1に接続される別の情報端末(不図示)で構成することもできる。
記憶部13は、図示しない揮発性メモリまたは不揮発性メモリを有する。記憶部13には、演算部14が実行する各種のプログラムや各種のデータが記憶される。記憶部13には、一例として、サブスクリプションサービスに供される車両の車両IDおよびサブスクリプションサービスを利用するユーザのユーザIDが記憶される。記憶部13は、メモリが担う機能的構成、特にサブスクリプションサービスを利用するユーザへの車両2の乗換え提案に関連する構成として、車両データベース131と、ユーザデータベース132と、を有する。
車両データベース131は、事業体が所有し、サブスクリプションサービスに供される複数の車両2のデータベースであり、車両IDに対応付けられた各車両2の車両情報、利用料金および利用計画等を記憶する。車両情報には、各車両2の車種、車体番号、車両番号、年式、積算走行距離、車名、マイナーチェンジ情報、グレード、色、装備されたオプション等が含まれる。車両情報には、各車両2の車載端末20に接続されたセンサ群25により検出されたセンサ情報も含まれる。センサ情報には、GPSセンサ251により検出された位置情報、車速センサ252により検出された車速情報、加速度センサ253により検出された加速度情報、および走行距離センサ254により検出された走行距離情報が含まれる。
車両データベース131に記憶された各車両2は、車両情報に基づいてランク付けされ(ランクが設定され)、ランク付けされた車両2ごとにサブスクリプションサービスの利用料金が設定される。ランクとは、車両2の価値を表す指標であり、上位ランクほど車両の価値が高くなり、利用料金が高くなる。車両2のランクを設定する車両情報には、車両2の年式、グレードおよびオプション等が存在する。
車両2の年式は、車両2の製造年に相当し、年式が新しいほど上位ランクに設定され、利用料金が相対的に高くなる。車両2のグレードは、予め装備された装置や部品に基づいて車両製造メーカによって設定された階級に相当し、グレードが高いほど上位ランクに設定され、利用料金が相対的に高くなる。オプションは、ユーザ等の選択により装着された装置や部品等に相当し、オプションが多いほど上位ランクに設定され、利用料金が相対的に高くなる。車両2のランクは、年式、グレードおよびオプションを総合的に勘案して設定される。なお、車両2のランクは、年式、グレードおよびオプションのいずれかに重み付けをして設定することもできる。
図5は、ランク付けされた車両2a~2dのサブスクリプションサービスの料金体系の一例を示す図である。なお、図5に示す車両2a~2dは、それぞれ同一の車名を有する車両である。年式は、03y>02y>01yの関係を有し、03yがより新しい年式(高年式)となる。利用料金は、Pa>Pb>Pc>Pdの関係を有し、Paが相対的に高額となる。すなわち図5では、高年式の方が上位ランクに位置し、年式が同じ場合には、上位グレードまたは装着されたオプションが多いほうが上位ランクに位置し、上位ランクに位置するに従い、利用料金が高くなる。
図5の例では、車両2aは、年式03yの上位グレードに属し、すべてのオプションが選択されて装着されている。この条件の車両2aは、例えば、Sランクにランク付けされ、利用料金Paが設定される。車両2bは、年式03yの中級グレードに属し、オプションとしてナビゲーション装置が装着されている。この条件の車両2bは、例えば、Aランクにランク付けされ、利用料金Pbが設定される。車両2cは、年式02yの中級グレードに属し、オプションとしてナビゲーション装置が装着されている。この条件の車両2cは、例えば、Bランクにランク付けされ、利用料金Pcが設定される。車両2dは、年式01yの中級グレードに属し、オプションとしてナビゲーション装置が装着されている。この条件の車両2dは、例えば、Cランクにランク付けされ、利用料金Pdが設定される。
車両データベース131に記憶される利用計画には、各車両2の現在までの利用情報および予約情報が含まれる。利用計画には、各車両2の現在までのメンテナンス履歴およびメンテナンス計画も含まれる。
ユーザデータベース132は、サブスクリプションサービスを利用するユーザのデータベースであり、ユーザIDに対応付けられた各ユーザの個人情報および利用情報を記憶する。個人情報には、ユーザ端末3により入力された各ユーザの住所、氏名、連絡先および免許証番号等が含まれる。利用情報には、各ユーザのサブスクリプションサービスの契約情報および利用履歴が含まれる。契約情報には、貸出期間、利用料金および貸し出される車両2の車両IDが含まれ、利用履歴情報には、サービスの利用回数および過去に使用した車両の車両ID等が含まれる。
演算部14はCPUを有し、入出力部12を介して入力された信号、通信部11を介してサーバ装置1の外部から受信した信号、および記憶部13に記憶されたデータに基づいて所定の処理を実行し、入出力部12や記憶部13に制御信号を出力する。演算部14は、さらに通信部11に制御信号を出力し、サーバ装置1と、車載端末20およびユーザ端末3との間の信号の送受信を制御する。演算部14は、一例として、車両2のドアを施錠させる施錠指令信号または解錠させる解錠指令信号が車載端末20に送信されるように、通信部11に制御信号を出力する。
演算部14は、プロセッサが担う機能的構成、特にサブスクリプションサービスを利用するユーザに車両2の乗換えを提案する乗換え提案に関連する構成として、予約管理部141と、車両情報取得部142と、乗換提案作成部143と、出力部144と、を備える。
予約管理部141は、通信部11を介してユーザ端末3から送信された車両2の予約情報を取得するように構成される。例えば予約管理部141は、ユーザにより選択された車両2およびこの車両2の貸出期間等、ユーザ端末3を介してユーザにより入力された車両2の予約情報を通信部11を介して取得し、記憶部13に記憶された利用計画に基づいて車両2の予約の可否を判定する。予約管理部141は、対応する貸出期間に車両2の予約がなければ通信部11を介してユーザ端末3に承認信号および利用料金を送信し、対応する貸出期間に別の予約があれば否認信号を送信する。ユーザ端末(演算部34)3は、予約の承認信号を受信すると、ディスプレイ(入出力部32)に車両2の予約承認を表示し、否認信号を受信すると、ディスプレイに車両の予約が否認された旨を表示する。予約管理部141は、ユーザ端末3に承認信号および利用料金を送信することで車両2がユーザに予約されたものとみなす。
予約管理部141は、予約とみなされた車両2の利用計画を更新し、更新した利用計画を車両データベース131に登録する。利用計画には、予約された車両2の利用開始日および利用終了日と、定期的に実行されるメンテナンスの計画等が含まれる。
車両情報取得部142は、通信ネットワーク4を介して、車両2のセンサ群25により検出される検出データを、車両IDとともに取得するように構成される。すなわち、車両情報取得部142は、車両2の運転時の状態を示す運転状態情報を含む車両情報を、車両IDとともに取得する。より詳細には、車両情報取得部142は、GPSセンサ251により検出される車両2の位置情報、車速センサ252により検出される車両2の車速の情報、および加速度センサ253により検出される車両2の加速度の情報を、車両IDとともに取得する。
乗換提案作成部143は、車両情報取得部142により取得された運転状態情報に基づいて、貸し出された車両2をランクアップさせた別の車両(より上位ランクに位置する別の車両)への乗り換えをユーザに提案するための乗換え提案に関する情報(以下、乗換え提案情報ともいう)を作成する。例えば、乗換提案作成部143は、車両情報取得部142により取得された運転状態情報に基づいて、ユーザによる車両2の運転マナーの程度を判定し、これに基づいて乗換え提案情報を作成する。
乗換え提案情報には、車両2をランクアップさせた提案車両、すなわち、車両2よりも上位ランクに位置する提案車両が含まれる。乗換え提案情報は、車両2の利用料金を変更せずに作成される。なお、利用料金が割増しされる場合には、乗換え提案情報には、割増利用料金が含まれる。すなわち、乗換提案作成部143は、乗換え提案情報として、提案車両と、割増しの利用料金がある場合の割増利用料金と、を含む情報を作成する。
より詳細には、乗換提案作成部143は、車両情報取得部142により取得された車両2の位置情報、車速の情報および加速度の情報に基づいて、交通違反、急加速および急減速の回数(以下、マナー違反回数ともいう)をカウントする。交通違反には、速度制限違反および一時停止違反が含まれ、急加速は、事業体によって任意に設定された第1加速度以上の加速度とすることができ、急減速は、事業体によって任意に設定された、第1加速度よりも小さい第2加速度以下の加速度とすることができる。なお、ユーザの運転により車両2に傷をつけることもある。その場合は、事故情報や損害保険の活用情報を外部のデータベースから取り込んでマナー違反回数を増加させてもよい。
そして、カウントしたマナー違反回数に基づいて、乗換提案作成部143は、ユーザによる車両2の運転マナーの程度を判定する。図6は、マナー違反回数と運転マナーの程度との関係を示す図である。図6に示すように、乗換提案作成部143は、マナー違反回数が少ないほど運転マナーが良い(運転マナーの程度が高い)と判定し、反対に、マナー違反回数が多いほど運転マナーが悪い(運転マナーの程度が低い)と判定する。
乗換提案作成部143は、予めユーザに付与された所定の持ち点に対して、マナー違反回数に対応する点数を減点する減点法を用い、良い、普通、悪いに分類する。より詳細には、乗換提案作成部143は、所定期間の上記持ち点が、第1持ち点以上の場合は「良い」と判定し、第2持ち点以下の場合は「悪い」と判定し、第1持ち点よりも低く第2持ち点よりも高い場合は「普通」と判断する。乗換提案作成部143は、マナー違反回数に対応する点数を加点する加点法を用い、良い、普通、悪いに分類してもよい。より詳細には、乗換提案作成部143は、所定期間の点数が、第1点数以下の場合は「良い」と判定し、第2点数以上の場合は「悪い」と判定し、第1点数よりも高く第2点数よりも低い場合は「普通」と判定してもよい。マナー違反回数は、急加速および急減速の回数に重み付けをして、例えば、急加速および急減速の回数が、交通違反を含む回数に対して相対的に多いときには、「悪い」と判定してもよい。
なお、運転マナーの判定に用いる所定期間は、車両2の貸出期間よりも短い期間である。例えば、数か月のサブスクリプションサービスを利用する場合には、月単位の期間とすることができる。貸出期間が3か月の場合、1か月目の月末および2か月目の月末にそれぞれ判定を行うことができる。貸出期間が1か月の場合、週単位の期間(1週目や2週目の週末等)で判定を行ってもよい。なお、所定期間は、事業体によって任意に設定することができる。
乗換提案作成部143は、所定期間の経過後に、ユーザによる車両2の運転マナーの程度を「良」と判定すると、乗換え提案情報を作成する。より詳細には、乗換提案作成部143は、車両データベース131に記憶された車両の中から、ユーザに貸し出された車両2よりも上位ランクの別の車両を選択し、この車両を提案車両として設定する。例えば乗換提案作成部143は、ユーザに貸し出された車両2と同じ車名で、かつこの車両2よりも高年式の別の車両を選択し、これを提案車両として設定する。このとき、ユーザに貸し出された車両2と同じ車名かつ同年式または高年式の車両がモデルチェンジを行い、モデルチェンジ前の車両およびモデルチェンジ後の車両を事業体が有する場合には、乗換提案作成部143は、モデルチェンジ後の車両を提案車両として設定することができる。
なお、乗換提案作成部143が設定する提案車両は、ユーザに貸し出された車両2と同じ車名かつ車両2よりも高年式の車両に限定されず、例えば、年式に代えて、車両のグレードや装着されたオプションの数等に基づいて設定してもよい。例えば、ユーザに貸し出された車両2と同じ車名かつ同年式の車両であっても、車両2よりも上位グレードであったり、車両2よりも装着されたオプションの数の多い車両を、ランクアップした提案車両として設定してもよい。
出力部144は、乗換提案作成部143により作成された乗換え提案情報を通信部11に出力する。これにより、乗換え提案情報が通信部11を介してユーザ端末3等に送信される。出力部144は、乗換提案作成部143が乗換え提案情報を作成したときに、通信部11に乗換え提案情報を出力してもよく、乗換提案作成部143が乗換え提案情報を作成したときに、所定時間毎に複数回にわたって乗換え提案情報を出力してもよい。例えば出力部144は、乗換提案作成部143が乗換え提案情報を作成したときに、5分毎に3回にわたって乗換え提案情報を出力してもよい。
また出力部144は、乗換提案作成部143が乗換え提案情報を作成した後、ユーザが車両2のイグニッションをオフしたときに、乗換え提案情報を通信部11に出力してもよく、ユーザが車両2のドアを施錠したときに、乗換え提案情報を通信部11に出力してもよい。ユーザがイグニッションをオフしたときや車両2を施錠したときに乗換え提案情報が通信部11を介してユーザ端末3に送信されることで、ユーザが乗換え提案情報を確認しやすくなる。その結果、ユーザがランクアップした提案車両への乗換えを検討しやすくなる。
図7は、図1のサーバ装置1により実行される処理の一例、特にサブスクリプションサービスを利用するユーザに対する車両の乗換え提案に係る処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、例えば、サブスクリプションサービスの利用を開始(車両の貸出し)してから、サブスクリプションサービスの利用が終了(車両の返却)するまで、所定周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS1で、通信ネットワーク4を介して、車載端末20から車両2の運転状態情報を取得する。次いでステップS2で、ステップS1で取得した運転状態情報に基づいて、交通違反、急加速および急減速の回数(マナー違反回数)をカウントする。具体的には、車両情報取得部142により取得された車両2の位置情報、車速の情報および加速度の情報に基づいて、マナー違反回数をカウントする。次いでステップS3で所定期間が経過したか否かを判定する。ステップS3で否定されるとステップS1に戻り、所定期間が経過するまでステップS1,S2を繰り返す。一方、ステップS3で肯定されるとステップS4に進み、ステップS3でカウントしたマナー違反回数に基づいて、ユーザによる車両2の運転マナーが良か否かを判定する。
ステップS4で否定されて運転マナーが悪いと判定されると、処理を終了する。一方、ステップS4で肯定されるとステップS5に進んで、ユーザに貸し出された車両2をランクアップさせた提案車両を設定する。次いでステップS6で利用料金の割り増しがあるか否かを判定する。ステップS6で肯定されるとステップS7に進んで割増利用料金を設定する。一方、ステップS6で否定されると、ステップS8で、ステップS5で設定された提案車両をユーザ端末3に送信する。次いでステップS9で、ステップS4で判定した運転マナーの程度をリセットする。
本実施形態の動作をまとめると以下のようになる。図8は、本実施形態に係るサーバ装置1による車両2の貸出し動作の一例を示す図である。図8では、ユーザA,Bが、図5に示す車両2dを3か月間借りるサブスクリプションサービスを利用し、1か月毎に合計2回、運転マナーの程度が判定された例を示す。図8のf1(実線)は、ユーザAに貸し出された車両の変化を示し、f2(点線)は、ユーザBに貸し出された車両の変化を示す。
ユーザAが自己の所有するユーザ端末3でサブスクリプションサービスのウェブサイトにログインして好みの車両2dを選択し、3か月間のサブスクリプションサービスの利用を開始すると、ユーザのマナー違反回数がカウントされる(ステップS2)。1か月が経過し(ステップS3)、カウントされたマナー違反回数に基づいて1か月目の運転マナーの程度が良と判定されると(ステップS4)、車両2dよりも年式の新しい車両2cを提案車両とした乗換え提案情報が作成される(ステップS5)。
このとき、例えば、ユーザのサブスクリプションサービスの利用回数が所定回数以上の場合、さらに1ランク高い車両、すなわち2ランク高い車両を提案車両としてもよい。このように、ユーザの利用履歴等に基づいて、通常の提案車両(例えば車両2c)よりもランクの高い車両(例えば車両2b)を提案車両とした乗換え提案情報を作成することもできる。2ランク高い車両2bを提案する場合、通常提案する車両2cの利用料金Pcと、2ランク高い車両2bの利用料金Pbとの差額(Pb-Pc)に基づいて、利用料金の割り増し分を設定することができる(ステップS7)。この場合、車両2cの利用料金Pcと、車両2bの利用料金Pbとの差額(Pb-Pc)よりも低い金額を設定することができる。すなわち、割り増し分を低く設定することができる。
また例えば、車両2dよりも1ランク高い車両2cを事業体が有しない場合、車両2cよりもさらにランクの高い車両2bを選択することができる。この場合においても、乗換提案作成部143は、利用料金の割り増し分を設定することができる(ステップS7)。乗換え提案情報が作成されると、ユーザAが所有するユーザ端末3のディスプレイ(入出力部32)に、車両(提案車両)2cへの乗換えを提案する乗換え提案情報が表示される(ステップS8)。このときユーザ端末3のディスプレイ(入出力部32)に、割増利用料金の情報が表示されない場合には、このサービスの利用料金は据え置きである。また、ユーザ端末3に1か月目の乗換え提案情報が出力されると、1か月目の判定はリセットされる(ステップS9)。
そして、ユーザAが乗換え提案情報に従って車両2dから車両2cに乗換えて2か月目のサービスが始まると、2か月目の判定のためのマナー違反回数のカウントが開始される(ステップS2)。マナー違反回数に基づいて、2か月目の運転マナーの程度も良と判定されると(ステップS4)、再び、車両2cよりも年式の新しい車両2bを提案車両とした乗換え提案情報が作成され(ステップS5)、1か月目と同様に、ユーザ端末3のディスプレイ(入出力部32)に、車両2bへの乗換えを提案する乗換え提案情報が表示される(ステップS8)。
一方、ユーザBのように、1か月目および2か月目の判定のそれぞれにおいて、運転マナーの程度が悪いと判定されると(ステップS4)、車両2dのランクアップはなく、3か月の貸出期間において車両2dが継続して使用される。なお、図示は省略するが、2か月目の判定で、運転マナーが良と判定されると、ユーザBに対して車両2cへの乗換え提案がなされる。
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態に係るサーバ装置1は、サブスクリプションサービスを利用するユーザに、サブスクリプションサービスに用いられる車両2の乗り換えを提案する装置である。サーバ装置1は、車両2の車載端末20(図2)およびユーザにより利用されるユーザ端末3(図3)と通信する通信部11と、通信部11を介して、車両2の運転時の状態を表す運転状態情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部142と、車両情報取得部142により取得された運転状態情報に基づいて、貸し出された車両2をランクアップさせた別の車両への乗換えをユーザに提案するための乗換え提案情報を作成する乗換提案作成部143と、乗換提案作成部143により作成された乗換え提案情報を、通信部11を介してユーザ端末3または車両2の車載端末20に送信する出力部144と、を備える(図4)。
この構成により、車両2の運転状態情報に基づいてランクアップされた車両が提案されるので、ユーザは安全運転や丁寧な運転を心掛けるようになり、ユーザの運転マナーの向上を図ることができる。そのため、事業体は車両2のメンテナンス費用等を抑えることができ、メンテナンス費用等を含む定額の利用料金の値上げを抑えることができる。これにより、ユーザは、気軽にサブスクリプションサービスを利用できるとともに、貸し出された車両がランクアップされる楽しさを得ることができる。その結果、ユーザにとって満足度の高いサブスクリプションサービスを提供することができる。
(2)乗換提案作成部143により作成される乗換え提案情報は、ユーザに貸し出された車両2よりも年式の新しい別の車両への乗換えを含む。これにより、ユーザは、貸し出された車両よりも新しい車両に乗ることができるので、安全運転や丁寧な運転をより心掛けるようになり、利用マナーの向上を一層促進させることができる。
(3)乗換提案作成部143により作成される乗換え提案情報は、ユーザに貸し出された車両2がモデルチェンジをしている場合には、モデルチェンジ後の車両への乗換えを含む。これにより、ユーザは、貸し出された車両よりも新型の車両に乗ることができるので、安全運転や丁寧な運転をより一層心掛けるようになり、利用マナーの向上をより一層促進させることができる。
(4)サブスクリプションサービスに用いられる車両2は、該車両2を所有する事業体で販売される登録済みの車両、すなわち中古車を含む。サブスクリプションサービスに用いられる車両2に中古車を使用することで、利用料金を安価に設定することができ、ユーザは、このサービスの利用を手軽に始めることができる。また、1か月等の短期間で車両の貸出が可能なので、サービスの利用を手軽にやめることもできる。その結果、特に若年層やシニア層が購入する車両に最適となる。
上記実施形態では、車両貸出サービスとしてサブスクリプションサービスを用いて説明したが、一定期間、定額での車両の貸出しが可能な他の車両貸出サービスに適用することもできる。
上記実施形態では、出力部144は、乗換提案作成部143が作成した乗換え提案情報を、通信部11を介してユーザ端末3に送信したが、車載端末20に送信してもよく、ユーザ端末3および車載端末20に送信してもよい。車載端末20に送信されることで、ユーザが車両2に乗車中に提案に気付きやすくなり、ユーザ端末3および車載端末20に送信されることで、乗車中に提案に気付いた後、ユーザ端末3にて確認しやすくなる。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能であり、変形例同士を組み合わせることも可能である。