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JP7507028B2 - ダイヤフラムバルブ - Google Patents
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JP7507028B2 - ダイヤフラムバルブ - Google Patents

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Description

本発明は、ダイヤフラムバルブに関し、特に、主に半導体や液晶関連製造設備で用いられ、耐熱性や耐薬品性が要求される場合に適したダイヤフラムバルブに関する。
例えば、半導体や液晶関連製造設備では、腐食性の強い高温の高純度薬品が使用されることがあり、これに対応するためにフッ素樹脂等の耐熱性及び耐薬品性に優れた樹脂製のダイヤフラムバルブが多く用いられる。このバルブは、通常、流路を備えた弁箱、ダイヤフラム弁体がそれぞれフッ素樹脂等の樹脂により設けられ、これらの上部に樹脂製のボデーを備えた駆動部が設けられる。これらの弁箱、ダイヤフラム弁体、駆動部は、内部にその他の部品が組み込まれた状態で、組立用ボルトの締付けにより一体に固定される。
この種の樹脂バルブでは、流体温度及び雰囲気温度の変化により樹脂製の部品が熱膨張収縮を反復してクリープを生じ、このクリープによる寸法変化で外部シール性能を確保できなくなることがある。これに対し、対策を施したものが一般に知られている。
例えば、特許文献1の薬液制御弁では、ダイヤフラム弁体に形成した周縁突出部がフッ素樹脂製ボデーのシール溝に嵌め込みにより取り付けられ、ダイヤフラム弁体の周縁突出部とシリンダの挟着面との間にはOリングが挟着されている。これにより、流体温度や雰囲気温度が変化したときにボデーやダイヤフラム弁体が収縮し、ボデーとシリンダとによるダイヤフラム弁体の挟持力が弱まったときには、Oリングの弾性力で補うようになっている。
一方、特許文献2のダイヤフラム弁は、樹脂製のダイヤフラム弁体、弁本体(ボデー)、及びシリンダチューブ、カバー、プレートが、内部に部品が組み込まれた状態で上下に重ねられ、これらが組立用ボルトで一体に結合された構造に設けられ、ダイヤフラム弁体の上部にはダイヤフラム押えが配置され、このダイヤフラム押えとシリンダチューブ下部との間に、耐熱性、耐薬品性を備えた材料による皿ばねが介在されている。このバルブは、流体温度や雰囲気温度の変化によってダイヤフラム弁体やボデーにクリープが生じたときに、皿ばねの弾性力によりダイヤフラム弁体をボデー側に常時押圧してこれらを互いに密接させ、クリープによる部品間の隙間を防いでシール性を確保しようとしている。
他方、特許文献3における樹脂製バルブでは、ダイヤフラムの外周縁の挟持部が、樹脂製の弁室側バルブボデーと作動側バルブボデーとの間に挟まれ、これら弁室側バルブボデーと作動側バルブボデーとの接合面を貫通する組立用ボルトとナットとの螺合により一体化されている。このバルブでは、弁室側バルブボデーと作動側バルブボデーとの接合面近くで組立用ボルト・ナットを螺合し、ボデーの熱膨張収縮によるダイヤフラムのシール性の低下を防ごうとするものである。
特許第3867995号公報 特開平1-93674号公報 特許第3527303号公報
上述した組立用ボルトにより、樹脂製の弁箱側、ダイヤフラム弁体、駆動部側を一体化する構造のダイヤフラム弁の場合、組立用ボルトが金属材料で設けられていると、この金属製組立用ボルトと、ダイヤフラム弁体、弁箱などの樹脂製部品とでは線膨張率(線膨張係数)が異なり、樹脂製部品のほうが高熱に対してより変形量が大きくなる。このような熱膨張差がある場合には、樹脂製部品が、組立用ボルトで固定部分が位置決めされた状態で、流体温度や雰囲気温度の変化によって熱膨張収縮を繰り返しやすくなる。
これにより、樹脂製部品には過剰推力が繰り返し働いてクリープ変形しやすくなり、特に、接液部分であるダイヤフラム弁体、弁箱が塑性変形すると、これらをシールする部位の挟圧力が低下し、流体の外部漏れを生じることがある。しかも、接液部分は、PFA、PTFEなどのフッ素樹脂で形成されることが多く、これらの樹脂は温度変化により塑性変形しやすい。
これに対して、特許文献1の薬液制御弁においては、ダイヤフラムとシリンダとの間にOリングを装着し、一方、特許文献2では、ダイヤフラム押えとシリンダチューブとの間に皿ばねを設けて樹脂製部品の塑性変形に対応しているが、これらの場合、部品点数や組立工数、重量の増加につながるという問題がある。
しかも、これらのバルブでは、何れも上述した樹脂製部品と金属製組立用ボルトとの線膨張率の差による塑性変形量の違いが考慮されておらず、樹脂製部品と組立用ボルトとの線膨張率の差が大きい場合には、ダイヤフラムの挟圧部位付近のクリープにより生じる変位を吸収しきれずに外部漏れを生じる可能性がある。
すなわち、特許文献1の場合には、Oリングの弾性力を利用して変位を吸収する構成であるため、樹脂製部品の収縮が大きくなるとOリングの弾性変形が不足し、ダイヤフラム弁体と弁箱との間に隙間が生じて外部漏れすることがある。また、特許文献2では、皿ばねの弾発付勢力が弱いと、ダイヤフラム弁体の挟圧部位付近の変形を吸収しきれないことがある。さらに、特許文献1の場合には、Oリングが過大な負荷によって損傷したり劣化することによっても外部漏れを生じる可能性もある。
特許文献3の場合には、金属製組立用ボルトの長さを短くしてその熱伸縮量を小さくし、組立用ボルトと樹脂製バルブボデーとの線膨張率の差による樹脂製バルブボデー同士の変位を抑えようとしているが、依然として組立用ボルトと樹脂製バルブボデーとの熱収縮量の差による影響が残るため、樹脂製バルブボデー同士に生じる隙間を吸収しきれない可能性がある。この対策として、ダイヤフラム挟持部の背面側に、ゴム等からなる弾性吸収部材が設けられてはいるものの、特許文献1のOリングの場合と同様に、別体に設けた弾性体の弾性力を利用した構成であるため、同文献1と同様の問題が生じて外部漏れするおそれがある。
本発明は、従来の課題を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、耐熱性及び耐薬品性に優れたダイヤフラムバルブであり、流体温度や雰囲気温度の変化による熱膨張差によって生じるダイヤフラムの挟持部位付近の変位を吸収し、ダイヤフラムの外部シール部近傍の密着力を保持して流体の外部漏れを防止するダイヤフラムバルブを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、流入路と流出路を連通させた弁室を有するボデーと、弁室に設けた弁座に接離して開閉するダイヤフラムと、ダイヤフラムの外周部を挟持させるためにボデーに設けた挟持部と、挟持部にダイヤフラムの外周部を挟圧させるために作動機構側に設けた樹脂材料よりなる押圧体と、ボデー側と作動機構側とを締結する締結部材と、締結部材でボデー側と作動機構側とを締結した状態で挟持部とダイヤフラムの外周とで構成された外部シール部と、を備え、押圧体の挟持部位には、ダイヤフラムの軸方向と交差する方向に推力発生用の環状のスリット部が形成されているダイヤフラムバルブである。
請求項2に係る発明は、ボデー側と作動機構側との組立時に、押圧体のスリット部の隙間幅の溝幅を縮めて反力を付与した状態で、押圧体を組み込んで構成したダイヤフラムバルブである。
請求項3に係る発明は、押圧体は、樹脂製のボンネットであるダイヤフラムバルブである。
請求項4に係る発明は、押圧体は、作動機構側に設けた樹脂製のシリンダケースであるダイヤフラムバルブである。
請求項5に係る発明は、締結部材は、金属製の止めねじ或はボルト・ナットであるダイヤフラムバルブである。
請求項6に係る発明は、外部シール部の前記挟持部には、環状突部を形成したダイヤフラムバルブである。
請求項7に係る発明は、スリット部の隙間幅と深さは、樹脂材料強度、密着所要推力並びに使用温度範囲に基づいて推力を発生させるようにしたダイヤフラムバルブである。
請求項1に係る発明によると、耐熱性及び耐薬品性に優れ、樹脂製の押圧体の挟持部位に形成した推力発生用の環状のスリット部の反力により、外部シール部にシール方向の推力を発生させた状態で組立てできる。これにより、ボデー側と作動機構側とを樹脂材料、締結部材を金属材料で形成したときに、流体温度及び雰囲気温度の変化が生じた場合にも、熱膨張差によって生じるダイヤフラムの挟圧部付近の変位をスリット部で吸収しつつ、このスリット部によるシール方向の推力でダイヤフラムの外部シール部近傍の密着力を保持して流体の外部漏れを確実に防止する。このように熱膨張差により変位を吸収することで、ボデー側及び作動機構側の塑性変形を抑制可能になる。
請求項2に係る発明によると、組立時に押圧体のスリット部の隙間幅の溝幅を縮めて反力を付与した状態で押圧体を組み込むことにより、常時において押圧体の挟持部位に推力を発生し、この推力を維持することで樹脂部品の塑性変形の有無にかかわらず外部シール部からの流体の外部漏れを阻止できる。
請求項3又は4に係る発明によると、押圧体を、樹脂製ボンネット或は樹脂製シリンダケースとすることができ、何れを押圧体とした場合にも、挟持部位にスリット部を設けて推力を発生させ、外部漏れを抑制する構成に設けることができる。
請求項5に係る発明によると、一般的な金属製止めねじ或はボルト・ナットを締結部材として使用して全体を一体化でき、ボデー側、作動機構側を樹脂製としたときにも、熱収縮差を吸収した状態で締結部材により締結して密着性を向上させて強固に一体化でき、外部シール部からの流体の外部漏れを確実に防止できる。
請求項6に係る発明によると、環状突部がダイヤフラム外周部に圧接し、押圧体側からの推力が外部シール部に集中して働くため、ボデーの挟持部とダイヤフラム外周部との押圧力を高めて弁室からの外部漏れを防ぐことができる。さらに、環状突部によってダイヤフラムを芯出し状態で位置決め保持できることで、ダイヤフラムによるバルブ封止性能が向上する。
請求項7に係る発明によると、樹脂材料強度、密着所要推力、使用温度範囲に応じてスリット部の隙間幅と深さを任意に設定して所定の推力を発生できることで、樹脂材料の種類やバルブ口径、流体温度や雰囲気温度が異なる場合であっても、これらに対応して確実に外部漏れを抑制できる。
本発明のダイヤフラムバルブの実施形態を示す縦断面図である。 図1の一部切欠き左側面図である。 図1の要部拡大断面図である。 (a)は、ダイヤフラムバルブの一部切欠き正面図である。(b)は、(a)の平面図である。 本発明のダイヤフラムバルブの他の実施形態を示す要部拡大断面図である。 外部シール部付近を示す概略模式図である。
以下に、本発明におけるダイヤフラムバルブの実施形態を図面に基づいて説明する。図1においては、本発明のダイヤフラムバルブの実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の一部切欠き左側面図、図4(a)は、ダイヤフラムバルブの一部切欠き正面図を示している。
図において、本発明におけるダイヤフラムバルブは、ボデー1と、作動機構2と、締結部材7とを備え、作動機構2は、ダイヤフラム3、作動体4、シリンダケース5、押圧体6、スプリング22を備え、主に耐熱性や耐薬品性が求められる半導体や液晶関連製造設備などに用いられる。本例において、押圧体6は、ボンネットからなっている。
ボデー1は、例えばPTFEなどのフッ素樹脂により形成され、その底部側には流入口10と流出口11が形成され、ボデー1内部には流入口10と流出口11とを連通させた弁室12が形成される。弁室12の内周側には環状段部13が形成され、この環状段部13の上面にはダイヤフラム3の外周部3aを挟持するための挟持部14が設けられる。
挟持部14には、適宜の高さ及び幅により環状突部15が形成され、この環状突部15は、ダイヤフラム3の後述するスリット部16の位置に対応するように、鉛直方向(軸方向)において図3のスリット部16の深さDの範囲内に所定の径寸法により設けられる。弁室12の流入口10との境界付近には環状の弁座17が形成されている。
ダイヤフラム3は、ボデー1と同様にPTFE等のフッ素樹脂で形成され、中央の円筒部20と、この円筒部20の外周に設けられた環状部21とを備えた形状をなし、環状部21の最外径側には前述した外周部3aが肉厚状に形成される。ダイヤフラム外周部3aは、径方向において挟持部14と略同じ幅の大きさに設けられる。ダイヤフラム3は、円筒部20の上部に作動体4が接続され、外周部3aが挟持部14に載置された状態で弁室12に装着される。円筒部20の底面側には、弁体シール面20aが形成され、作動体4の昇降動により円筒部20が上下移動したときに、弁体シール面20aが弁座17に接離して流路が開閉可能に設けられる。
作動体4はピストンからなり、例えば、ポリアミド等の樹脂材料により形成されて、シリンダケース5内に芯出しされた状態で往復動自在に収容される。作動体4とシリンダケース5との間には、コイルスプリングよりなるスプリング22が弾発付勢状態で装着され、このスプリング22により作動体4がダイヤフラム3を押圧する方向に弾発付勢されている。
シリンダケース5は、ポリアミド等の樹脂材料により直方体状に形成され、その内部にはピストン収容部23が設けられる。ピストン収容部23において、作動体4と押圧体6との間の位置には給気口24が形成され、この給気口24から駆動用の圧縮エアがこれら作動体4と押圧体6との間に供給可能に設けられる。一方、ピストン収容部23の作動体4の背面側には、排気口25が形成されている。
圧縮エアを給気口24から供給したときには、その圧力により作動体4がスプリング22の弾発付勢力に抗して上昇して弁開状態となり、このとき、ピストン収容部23のスプリング22側の空気が排気口25より排気される。一方、給気口24からの圧縮エアの供給を停止すると、スプリング22によって作動体4が下降して弁閉状態となる。図1~図3においては、ダイヤフラムバルブの弁閉状態を示している。
図3において、押圧体6は、前述したようにボンネットからなり、このボンネット6は、PEEK等の樹脂材料により筒状に形成され、ボデー1からダイヤフラム3を挟んで作動機構2側に設けられる。ボンネット6の外周には、ボデー1やシリンダケース5の外形と略同形の矩形状の鍔部30が形成され、ボンネット6は、鍔部30がボデー1とシリンダケース5との間に挟まれた状態で組み込まれる。ボンネット6のダイヤフラム円筒部20とシリンダケース5との各接触面には、それぞれOリング31、32が取り付けられ、これらOリング31、32によりそれぞれの接触面がシールされる。
本実施形態では、ボンネット6が、挟持部14にダイヤフラム3の外周部3aを挟圧し、その下部にはダイヤフラム外周部3aを挟圧する挟持部位33が設けられる。この挟持部位33のダイヤフラム3の軸方向と交差する方向には、推力発生用の環状のスリット部16が形成され、このスリット部16により、挟持部位33に、後述する外部シール部35をボデー1側に押圧する推力が発生するようになっている。
スリット部16は、ボンネット6下部の外周側に所定の隙間幅W及び深さDにより形成され、これら所定幅Wと深さDは、樹脂部品の樹脂材料強度、密着所要推力並びに使用温度範囲に基づいて適切な推力を発生するような大きさに設けられ、このスリット部16の大きさによって挟持部位33による推力が設定される。図の鉛直方向において、スリット部16は、軸方向において少なくとも挟持部14の環状突部15と重なる範囲に形成される。
前述したボデー1、シリンダケース5、ボンネット6は、内部にスプリング22、作動体4、ダイヤフラム3、Oリング31、32が組み込まれた状態で、上下に重ね合わされて締結部材7により固定される。
図4において、締結部材7は、SUS等の金属製の止めねじからなり、この止めねじ7は、シリンダケース5、ボンネット6にそれぞれ形成された挿通孔5a、6aに挿入された後にボデー1に形成された雌螺子1aに螺着される。これによって、シリンダケース5、ボンネット6、ボデー1が一体に固着される。
ボデー1側と、作動機構2側との組立時には、図3のスリット部16の隙間幅Wの溝幅を縮めて反力を付与した状態でボンネット6をシリンダケース5とボデー1との間に組み込んだ構成とし、この状態でボデー1側と作動機構2側とを止めねじ7で締結する。この構成により、スリット部16を通して挟持部位33からダイヤフラム外周部3a側に推力が働き、この推力でダイヤフラム外周部3aが挟持部14方向に押圧され、挟持部14とダイヤフラム外周部3aとによる外部シール部35が確実に構成される。このとき、外部シール部35の位置には、前述した環状突部15が配置される。
具体的には、スリット部16の隙間幅Wの溝幅が、例えば約半分となる程度までたわませてボンネット6に反力を付与するとよく、この場合、挟持部位33からダイヤフラム外周部3a方向の反力が常時生じることとなり、この反力によってダイヤフラム外周部3aを挟持部14の方向に押圧する推力が常に発生する。
なお、上記実施形態では、押圧体を樹脂製ボンネット6とし、このボンネット6にスリット部16を形成しているが、ボンネット6を省略し、樹脂製シリンダケース5を押圧体としてこのシリンダケース5にスリット部16を形成してもよい。さらに、何れの場合にも、スリット部16を挟持部位の内周側から形成してもよく、または、外部シール部35に推力を加えることが可能であれば、ボンネット6やシリンダケース5のあらゆる位置にスリット部16を設けることもできる。その際、ダイヤフラム外周部3aが、環状突部15を中心とした挟持部14に、鉛直方向から推力が働く位置にスリット部16が形成されていることが望ましい。
締結部材7は、金属製の止めねじに限ることはなく、例えば、金属製のボルト・ナットを用いるようにしてもよい。この場合、図示しないが、ボデー1の底面側に基台となるベースを装着し、このベースと、シリンダケース5、ボンネット6、ボデー1とにボルト挿通孔を形成し、このボルト挿通孔を通してボルト・ナットを締結すれば、ベース、シリンダケース5、ボンネット6、ボデー1を一体に固着できる。また、締結部材は、必ずしも別体である必要もなく、例えば、シリンダケース5側(ボンネット6側)、ボデー1側に、雄螺子と雌螺子との組み合わせによる螺合部を設け、この螺合部の螺着により締結して一体化する構造としてもよい。
スプリング22と圧縮エアとを用いた自動操作により作動体4を動作させて弁開閉操作しているが、図示しない手動ハンドルを取付け、この手動ハンドルにより手動操作で作動体4を昇降動させて弁開閉操作することもできる。
ボデー1、ダイヤフラム3、シリンダケース5、ボンネット6は、フッ素樹脂以外の各種の樹脂材料により設けることもでき、この場合、半導体製造等の耐薬品性が要求されるときには、少なくとも接液部であるボデー1、ダイヤフラム3は、PTFE等のフッ素樹脂により形成することが望ましい。
続いて、本発明のダイヤフラムバルブの上記実施形態における作用を説明する。
ダイヤフラムバルブを半導体・液晶製造設備等で使用する場合、例えば、薬品などの超高純度流体の流体温度が5℃~100℃、周囲の雰囲気温度が0℃~60℃程度になることがある。この場合、流体温度や雰囲気温度が変化すると、樹脂部品であるボデー1、ダイヤフラム3、シリンダケース5、ボンネット6と、締結部材である金属製の止めねじ7とでは線膨張率が異なり、樹脂部品の線膨張率がより大きいことから、止めねじ7の締付けに対して樹脂部品に過剰推力が加わり、塑性変形が生じやすくなる。特に、接液部分であるボデー1、ダイヤフラム3は、PTFEで形成されていることから、温度変化による影響を受けやすい。
これに対して、ボデー1に設けた挟持部14とダイヤフラム外周部3aとで外部シール部35を構成し、この外部シール部35において、ボンネット6でダイヤフラム外周部3aを挟持部14に挟圧し、ボンネット6の挟持部位33には、推力発生用の環状のスリット部16を形成した構成としている。これにより、ボデー1側と作動機構2側との組立後には、ボンネット6からダイヤフラム外周部3aにスリット部16を通して推力が加わり、温度変化による止めねじ7と樹脂部品(ボデー1、ダイヤフラム3、シリンダケース5、ボンネット6)との熱膨張収縮をスリット部16により吸収しつつ、挟持部位33がたわむように変形することにより、樹脂部品の塑性変形を抑制できる。
そのため、バルブ内部に、高温(例えば100℃)から低温(例えば5℃)までの温度差のある流体が繰り返し流れ、その流体温度や雰囲気温度の変化によって樹脂部品が止めねじ7に対して熱膨張収縮を繰り返したとしても、樹脂部品の変位を吸収してクリープ変形を阻止することができる。
このように、樹脂部品のクリープ変形を抑制することで、ボンネット6から外部シール部35に加わる推力が維持され、この推力により外部シール部35の密着力の低下を防止し、外部シール部35近傍からの流体の外部漏れを阻止できる。特に、接液部分であるボデー1、ダイヤフラム3をPFA、PTFEなどのフッ素樹脂で形成して耐薬品性を高めた場合にも、これらの樹脂の塑性変形に起因する外部シール部35の密着力の低下を抑制できる。
しかも、挟持部14に環状突部15を形成しているので、この環状突部15がダイヤフラム外周部3aの底面に当接することで接触面圧が高まり、これらの密着力を向上できる。このとき、環状突部15が、軸方向においてスリット部16の隙間幅Wの範囲内に設けられていることから、スリット部16によるボンネット6からの推力が、ダイヤフラム外周部3aの底面側と挟持部とを確実に密着させるように働き、さらに、この推力が略鉛直方向に加わるように設けていることでシール性能が高まっている。
ボデー1側と作動機構2側との組立時に、スリット部16の隙間幅Wの溝幅を縮めて反力を付与した状態でボンネット6を組み込んでいるので、ダイヤフラム外周部3aを挟持部14側に押圧する推力が常に発生している。これによって、組み込み直後の流体が流れていない状態、または、ボデー1側、作動機構2側の樹脂部品が流体温度や雰囲気温度の変化により膨張又は収縮変形した何れの場合であっても、外部シール部35の発生応力を減少しつつ、ボンネット6による推力を確実に維持して外部シール部35の密着シール性を確保する。
スリット部16の隙間幅Wと深さDを、樹脂材料強度、密着所要推力並びに使用温度範囲に基づいて推力を発生可能に設定しているので、これら隙間幅Wと深さDとを適宜の寸法に設定することにより、ダイヤフラムバルブの仕様が異なる場合にも対応でき、部品の追加や重量が増加することなく外部漏れを防止できる。
図5においては、本発明のダイヤフラムバルブの他の実施形態を示している。なお、この実施形態において、上記実施形態と同一部分は同一符号によって表し、その説明を省略する。
この実施形態のダイヤフラムバルブにおける作動機構40は、ダイヤフラム3、作動体4、シリンダケース41を備え、押圧体をシリンダケース41としたものであり、この場合には、シリンダケース41の挟持部位42にスリット部43が形成される。
このように、押圧体をシリンダケース41とした場合にも、前記実施形態のボンネット6を押圧体とした場合と同様に、スリット部43により推力を発生し、この推力により流体温度や雰囲気温度の変化による樹脂部品の熱膨張収縮を吸収し、ボデー1の挟持部14とダイヤフラム外周部3aとで構成された外部シール部35近傍の密着力を保持して外部漏れを確実に抑制することができる。
次に、スリット部の有無による外部シール部の性能の差異を確認するために、常温時、昇温後のボンネットの応力解析をおこなった。図6においては、外部シール部35付近の概略模式図を示している。
図6(a)において、スリット部16を形成した場合には、組立後の常温時では、外部シール部35付近の変位が約0.2mm、外部シール部35の発生応力が約31MPaとなり、また、昇温させた後には、外部シール部35付近の変位が約0.4mm、外部シール部35の発生応力が約52MPaとなった。
一方、比較用として、図6(b)に示すように、スリット部が無い場合には、組立後の常温時では、外部シール部35付近の変位が約0.2mm、外部シール部35の発生応力が約47MPaとなり、また、昇温させた後には、外部シール部35付近の変位が約0.4mm、外部シール部35の発生応力が約82MPaとなった。
以上の応力解析結果より、外部シール部近傍の変位は、常温時、昇温後においてスリット部16の有無で変化は見られなかったが、外部シール部35の発生応力は、スリット部無しのほうがスリット部有りに比べて、常温時、昇温時の何れの場合にも極めて大きくなったことが確認された。
このことから、スリット部が無い場合には、スリット部有りの場合に比較して、外部シール部35の寸法変化が無い状態で、常温時と昇温時ともに発生応力が上昇するため、特に、外部シール部35付近に歪みが生じやすくなり、外部漏れが生じやすくなるといえる。
一方、本発明のようにスリット部16を設けた場合には、外部シール部35の発生応力を低く抑えることができるため、歪みの発生を抑制してダイヤフラム外周部3aと挟持部14との密着シール性を保持し、外部漏れを抑えることが可能であるといえる。
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は、前記実施の形態記載に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の変更ができるものである。
1 ボデー
2 作動機構
3 ダイヤフラム
3a ダイヤフラム外周部
4 作動体
5 シリンダケース
6 ボンネット(押圧体)
7 止めねじ(締結部材)
10 流入路
11 流出路
12 弁室
14 挟持部
15 環状突部
16 スリット部
17 弁座
33 挟持部位
35 外部シール部
D スリット部の深さ
W スリット部の隙間幅

Claims (7)

  1. 流入路と流出路を連通させた弁室を有するボデーと、前記弁室に設けた弁座に接離して開閉するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの外周部を挟持させるために前記ボデーに設けた挟持部と、前記挟持部に前記ダイヤフラムの外周部を挟圧させるために作動機構側に設けた樹脂材料よりなる押圧体と、前記ボデー側と前記作動機構側とを締結する締結部材と、前記締結部材で前記ボデー側と前記作動機構側とを締結した状態で前記挟持部と前記ダイヤフラムの外周とで構成された外部シール部と、を備え、前記押圧体の挟持部位には、前記ダイヤフラムの軸方向と交差する方向に推力発生用の環状のスリット部が形成されていることを特徴とするダイヤフラムバルブ。
  2. 前記ボデー側と前記作動機構側との組立時に、前記押圧体の前記スリット部の隙間幅の溝幅を縮めて反力を付与した状態で、前記押圧体を組み込んで構成した請求項1に記載のダイヤフラムバルブ。
  3. 前記押圧体は、樹脂製のボンネットである請求項1又は2に記載のダイヤフラムバルブ。
  4. 前記押圧体は、前記作動機構側に設けた樹脂製のシリンダケースである請求項1又は2に記載のダイヤフラムバルブ。
  5. 前記締結部材は、金属製の止めねじ或はボルト・ナットである請求項1乃至4の何れか1項に記載のダイヤフラムバルブ。
  6. 前記外部シール部の前記挟持部には、環状突部を形成した請求項1乃至5の何れか1項に記載のダイヤフラムバルブ。
  7. 前記スリット部の隙間幅と深さは、樹脂材料強度、密着所要推力並びに使用温度範囲に基づいて推力を発生させるようにした請求項1乃至6の何れか1項に記載のダイヤフラムバルブ。
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