以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一の構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための基材を例示するものであって、本発明を以下に示す実施形態に限定するものではない。以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。
[第1実施形態]
実施形態に係る基材は、パターンを構成する所定の形状が、少なくとも一部の領域に形成された基材である。基材は物体の素材部分を意味する。物体には、例えば収容器が挙げられる。また収容器には、PET等の樹脂を含んで構成され、飲料を収容するPETボトル等が挙げられる。但し、物体に特段の制限はなく、如何なる物であってもよい。収容器も、形状及び材質に制限はなく、如何なる形状の如何なる材質の収容器であってもよい。
基材における「少なくとも一部の領域」には、基材の表面の領域が含まれる。基材の表面は、素材における外部の空気等に触れる面を意味する。実施形態では、基材の内部と対称になる用語として基材の表面という用語を用いるため、例えば板状の基材の場合には、基材の表側の面と裏側の面は何れも基材の表面に該当する。また筒状の基材の場合には、基材の外側の面と内側の面は何れも基材の表面に該当する。
パターンは、文字や、バーコード等のコード、図形、画像等を含み、例えば、収容器、又は収容器に収容される飲料等の被収容物の、名称や識別番号、製造業者、製造日時等の被収容物に関する情報を表示するものである。
PETボトル等の収容器では、これらの情報が記録された記録媒体を収容器の表面に貼り付けることで、これらの情報を表示する場合があるが、実施形態では、収容器を構成する基材の表面に、これらの情報を示すパターンを形成することで、記録媒体を用いずにこれらの情報を表示する。
ここで、図1は、本実施形態に係る基材に形成された所定の形状の一例を説明する図である。図1は、パターン11が表面に形成された収容器1を構成する基材1aの一部を示している。収容器1は、一例として可視光に対して透過性を有するPET樹脂を素材とする基材1aにより構成されている。なお、可視光は、下界の波長が約360nmから約400nmで、上界の波長が約760nmから約830nmの光である。
パターン11は、「ラベルレス」という文字列を構成している。領域Aは、パターン11における文字「ス」の中の一部の領域である。斜視図Bは、パターン11の構成の詳細を説明するために、領域Aを拡大して模式的に示した図である。
斜視図Bに示すように、領域Aには複数のドット部110が含まれている。このドット部110は、基材の少なくとも一部の領域に形成され、パターンを構成する所定の形状の一例である。なお、所定の形状には、基材の表面に形成された形状と、基材の表面に形成された形状の表面下にある空隙部等の内部形状とが含まれる。
ドット部110は、凹部111と、凸部112とを含んでいる。凹部111は、収容器1を構成する基材1aの表面に対して窪んだ部分であり、所定の凹部の一例である。凸部112は、収容器1を構成する基材1aの表面に対して突起した部分であり、所定の凸部の一例である。凸部112は、凹部111の囲むように凹部111の周囲に形成されている。
複数のドット部110は、収容器1を構成する基材1aに集合体として形成されることで、パターン11における「ラベルレス」という文字列を構成している。ここで、集合体とは、個々のものが集合してでき上がったものをいい、パターン11は、複数のドット部110の集合体により構成されている。
基材1aにおいて、複数のドット部110によりパターン11が形成されたパターン領域13は、第1の領域に対応する。また基材1aにおける第1の領域以外の非パターン領域12は、第2の領域に対応する。
パターン領域13には複数のドット部110が形成されているため、収容器1に入射する光の反射方向や光拡散性が非パターン領域12とは異なる。これにより、パターン領域13と非パターン領域12では、収容器1に入射する光に対する光透過率、又は光反射率の少なくとも一方が異なっている。光透過率、又は光反射率の少なくとも一方が異なることで、収容器1を視る者は、収容器1に形成されたパターン11を視認することが可能になる。
また、複数のドット部110のそれぞれの全体幅(ドット幅)、及び複数のドット部110同士の間隔(ドット間隔)は、パターン11に対して小さい。これにより、収容器1を視る者は、ドット部110そのものについては視認せずに、パターン11の「ラベルレス」という文字を視認可能になる。
ドット部110そのものが視認されないためのドットとドットの隙間は、収容器1を視る者の視力や、目と収容器1との間の距離等によって異なるが、100μm以下であることが好ましい。また、ドット幅に関しても小さいほどよいが、ドット部自体の形を判別ができなくなるサイズとして、100um程度より小さいことが好ましい。この点について、さらに詳しく説明する。
視力1.5程度の者(人)が、収容器1を30cm程度離して視た際には、一般に50μmの白黒の点(ドット)を識別可能である。白黒のコントラストが低いとこの限界値も大きくなるが、大方50μm程度である。但し、ドットの存在だけであれば30μmのドットでも視認でき、またコントラストが高いドットであれば10μmのドットでも視認できる場合もある。
またドット部110が隣接して2つある場合には、2つのドット部110が視認できるかは人の目の分解能等によって決まる。なお、分解能とは、2点を分離した2点として認識できる最小距離をいう。
人の目の分解能は、視力にもよるが、一般に30cm離れたところで100μmである。30cmとは、飲料水等を収容したPETボトルを手に取って、PETボトルに表示されるラベル等の情報を視認する際の距離に対応する。つまり、軽くひじを曲げた状態でPETボトルを手に取ると、人の目とペットボトルの間隔は30cm程度となる。人の体格を考慮すると、この距離は30cm乃至50cm程度の範囲で変化する。分解能は、30cm離れたところで100μm、50cm離れたところで160μm程度である。
また、別の指標では、解像度の境界として200dpi(dot per inch)を保証する場合には、隣接するドット間の隙間が130μm以下であれば、ドットが一つ一つ分解されずに1つの塊として視認される。
以上より、ドットとドットの隙間は、好ましくは160μm以下、より好ましくは100μm以下にすることで、ドット部110が一つ一つ分かれていると視認されずに連続体として視認され、パターン11の「ラベルレス」という文字等のパターンを視認可能になる。また、ドットの大きさも100μmより大きくなると、ドット自体の形状変化が視認される場合も生じてくる。そのため、ドットも好ましくは160μm以下、より好ましくは100μm以下にすることで、ドット内の形状変化があったとしても均一な模様としてドットを知覚可能になり、その集合体である文字等のパターンを粒状感のない均一なパターンとして視認可能になる。
ドット部110を形成するためには、レーザ加工、放電加工、エッチング加工、切削加工、又は金型を用いた成形加工等の様々な加工方法を適用できる。但し、これらのうちのレーザ加工法は、基材に対して非接触で加工でき、またレーザ光の走査や、光源のアレイ化、またパターン露光等により高速加工ができるため、好適である。
レーザ加工では、照射するレーザ光(レーザビーム)の光エネルギー、レーザビームのサイズ、照射時間等を調整することで、ドット部110の大きさ、形、深さ等を変化させることができる。また、レーザビームの断面強度分布は一般にガウシアン分布であるが、アレイ光源のレーザビームを組み合わせて強度分布を調整したり、照射光学系の設計により中央の強度分布が平らなトップハット状の強度分布を生成したりすることもできる。
ドット部110における凹部111は、レーザ光の照射位置で基材1aの一部が溶融、焼失、気化又は変形することで形成される。凸部112は、凹部111から離散した基材1aの一部が焼失又は気化せずに凹部111の周囲に付着して固化することで形成される。主に熱エネルギーを利用した加工であるため、基材1aの素材には熱伝導率が比較的低い樹脂等が好適であるが、ガラス等の他の素材にも適用可能である。
また、熱伝導率を制御することで、ドット部110等の様々な所定の形状を形成することもできる。熱伝導率の制御には、例えば、基材1aそのものを熱伝導性の高いものにしたり、或いは熱伝導性の高い他の部材を基材1aに密着させて、レーザ光の照射による基材1aの発熱を急激に逃がしたりすること等が考えられる。熱伝導性の高い他の部材は、冷却液や金属等が挙げられる。
また、レーザ加工における溶融、蒸発、結晶化又は発泡等の現象は、照射領域内で不規則に発生するため、パターン領域13の表面が荒れて非パターン領域12と比較して表面粗さが大きくなりやすい。表面粗さが大きいことで、パターン領域13では、収容器1に入射する光に対する光拡散性が非パターン領域12に対して高くなる。その結果、パターン11のコントラストが上がり、視認性がより向上する。この点においてもレーザ加工の適用がより好適である。
また、本実施形態では、凹部111と、凸部112の少なくとも一方を含む複数のドット部110の集合体でパターンを構成しているため、凹部111と凸部112の形状に沿って表面積が大きくなることで、塊としての溝や窪みでパターンを構成する場合と比較して、表面粗さが大きい領域がさらに大きくなる。また複数のドット部110の集合体でパターンを構成するため、複数のドット部110の形状に沿って表面積がさらに大きくなる。これにより、光拡散性がさらに高くなり、コントラストが上がることで、視認性がさらに向上する。
なお、斜視図Bで示した例では、ドット部110は正方格子状に規則的に配列して形成されているが、これに限定されるものではない。三角格子状やハニカム状に配列して形成されてもよいし、規則的に配列せずに配置間隔が相互に異なるようにして不規則に形成されてもよい。
また「ラベルレス」という文字列を含むパターン11を例示したが、これに限定されるものではない。任意の文字列や、図形又は写真、バーコード又はQRコード等の記号又はコード、並びにこれらの組み合わせによってパターン11を構成することもできる。パターン11は、換言すると画像であり、ドット部110等の所定の形状により、画像を形成することができる。
<ドット部110の構成例>
次に、図2及び図3を参照して、ドット部110の構成の詳細について説明する。図2は、ドット部110の構成の一例を説明する図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のC-C矢視断面図である。また図3は、ドット部110の走査型電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microscope)写真であり、(a)は上面方向から視た斜視図、(b)は(a)のD-D矢視断面方向から視た斜視図である。図3は、パターン領域13内の一部を拡大観察したSEM写真である。図3(a)では、複数のドット部110のうちの2つの全体が観察され、またY軸正方向側に2つのドット部110の一部が僅かに観察され、Y軸負方向側に2つのドット部110の一部が僅かに観察されている。また、ドット幅は約100um程度で形成されている。
図2及び図3に示すように、ドット部110は、凹部111と、凸部112とを含んで構成されている。凹部111は、第1の傾斜面1111(斜線ハッチング部分)と、底部1112(黒塗り潰し部分)とを含み、椀状の形状に形成されている。凹部幅Dcは凹部111の幅を表し、深さdpは、非パターン領域12の表面に対する底部1112の高さ(Z軸方向の長さ)を表している。
また、凸部112は、頂部1121(縦線ハッチング部分)と、第2の傾斜面1122(梨地ハッチング部分)とを含み、円環面状に形成されている。なお、円環面とは円周を回転して得られる回転面をいう。円環幅Drは、凸部112の円環面部分の半径方向の幅を表し、高さhは、非パターン領域12の表面に対する頂部1121の高さ(Z軸方向の長さ)を表している。
ドット幅Wは、ドット部110全体の幅を表している。第1の傾斜面1111と第2の傾斜面1122は連続した面である。連続した面は、同じ材質で段差がなく繋がった面を意味する。
また、図3に示すように、凹部111及び凸部112のそれぞれを構成する面には、微小な凹凸部113が形成され、表面が荒れている。この凹凸部113は、所定の形状より小さい凹部及び凸部からなる凹凸部の一例である。凹凸部113はドット部110のドット幅Wより小さい幅の凹部と凸部からなり、典型的には1μm乃至10μm程度の幅の凹部と凸部からなる。
また図3(a)に示すように、各ドット部110間の領域にも、ドット部110を加工した際の加工片が飛散しており、これらによっても面が荒れている。パターン領域13では、凹凸部113や加工片による表面の荒れにより、非パターン領域と比較して表面粗さが大きくなる。
ドット部110は、例えば、基材1aに対してレーザ光を照射し、基材1aの表面を変性させることで形成できる。1つのドット部110は、レーザ光を基材1a上の1点に集光させることで形成される。また、このレーザ光を2次元走査することで、複数のドット部110が形成される。或いは、アレイ化した複数のレーザ光源のそれぞれから射出された複数のレーザ光によっても形成できる。さらに各ドット部110の位置に対応した複数の光透過開口を有するマスク部材に、拡大したレーザ光を照射し、マスク部材の各光透過開口を透過した複数の透過レーザ光群のそれぞれにより、複数のドット部110を1回の露光で並行して形成することもできる。
レーザ光を照射するレーザ光源としては、各種のレーザ光源を使用可能である。ピコ秒からナノ秒等のパルス発振可能なものが好ましい。固体レーザとしては、YAGレーザ、チタンサファイアレーザ等がある。気体レーザとしては、アルゴンレーザ、ヘリウムネオンレーザ、炭酸ガスレーザ等がある。半導体レーザも小型で好ましい。また、増幅媒質に光ファイバーを使った固体レーザの一種であるファイバーレーザは、そのピークエネルギーの高さと小型化可能な面で最も適した光源である。
<収容器1へ入射する光の振る舞いの一例>
次に、図4を参照して、収容器1へ入射する光の振る舞いについて説明する。図4は、収容器1へ入射する光の振る舞いの一例を説明する図であり、ドット部110の断面図である。
図4において実線の矢印で示した入射光線Ni1は、ドット部110が形成された基材1aのパターン領域13に入射する可視光線を表している。
パターン領域13に入射する入射光線Ni1は、一部はドット部110の表面で正反射し、一部はドット部110の表面で拡散反射及び/又は拡散透過し、また一部はドット部110が形成された基材1aの内部へ透過する。
二点鎖線の矢印で示した反射光線Nr1は、ドット部110の表面での正反射光を表し、一点鎖線の矢印で示した拡散光線Nsは、ドット部110の表面での拡散反射光及び拡散透過光を表している。また実線の矢印で示した透過光線Nt1は、基材1aの内部への透過光を示している。
一方、破線の矢印で示した入射光線Ni2は、基材1aの非パターン領域12に入射する可視光線を表している。また破線の矢印で示した反射光線Nr2は、非パターン領域12における基材1a表面での正反射光を表し、破線の矢印で示した透過光線Nt2は、基材1a内部への透過光を表している。
パターン領域13では、非パターン領域12の表面に対して、ドット部110の表面粗さが大きいため、入射する光線に対する光拡散性が高く、拡散光が多く発生する。またドット部110は凹部111と、凸部112とを含んで構成されており、凹部111と凸部112の形状に沿って表面積が大きくなっている分、より拡散光が多くなる。さらに凸部112の第2の傾斜面1122で正反射した反射光線Nr1が、凹部111の第1の傾斜面1111で拡散反射する等の多重反射によって、さらに拡散光が発生する。
ドット部110が形成されたパターン領域13では、このように拡散光が多く発生する分、非パターン領域12と比較して、光透過率、又は光反射率の少なくとも一方が異なる。ここで、光透過率とは、入射光に対する透過光の比率をいい、光反射率とは、入射光に対する反射光の比率をいう。
光透過率と光反射率は、基材1aを構成する素材自体によっても異なるが、例えば、基材1aを構成する素材の光透過率が大きい場合等には、パターン領域13における光透過率は、非パターン領域12と比較して小さくなり、パターン領域13における光反射率は、非パターン領域12と同等以上となる。また、基材1aを構成する素材の光反射率が大きい場合等には、パターン領域13における光反射率は、非パターン領域12と比較して小さくなり、パターン領域13における光透過率は、非パターン領域12と同等以上となる。さらに、パターン領域13における光反射率及び光透過率とも、非パターン領域12と比較して小さくなる場合もある。
<光透過率の測定構成例>
ここで、図5は、光透過率の測定構成の一例を説明する図であり、(a)はパターン領域13での光透過率の測定構成の一例を示す図、(b)は非パターン領域12の光透過率の測定構成の一例を示す図である。
図5の構成では、光源から射出された基準光200が基材1aに入射し、基材1aを透過した光のうち、開口202を通過した光が光検出器203で受光される。
基準光200には、例えば、HeNeレーザ光源から射出された波長が約633nmのレーザ光等を用いることができる。但し、基準光に特に制限はなく、半導体レーザやLED(Light Emitting Diode)光源、又はハロゲンランプ等の他の光源も使用可能である。
開口202は透過光の面積を規定するための部材である。所定の開口面積を有する金属製のピンホール又は矩形スリット、或いはガラス基板に蒸着した金属薄膜の一部を開口として除去したマスク部材等を用いることができる。但し、開口として機能するものであれば特に制限はなく、他の部材を用いてもよい。
光検出器203は、受光した光の光強度を電気信号に変換して出力する機器である。例えば、日置電機製、アドバンテスト製、オフィール製等の光パワーメータ等を使用できる。但し、これに限定されるものではなく、光強度を検出可能であれば、光パワーメータ以外の光電子増倍管等の光検出器も使用可能である。
光透過率の測定では、始めに、基材1aを設けない状態で、光検出器203で基準光200の光強度It0を測定して記録しておく。
パターン領域13の光透過率を測定する場合には、図5(a)に示すように、基準光200がパターン領域13を透過するように基材1aを配置した状態で、パターン領域13を透過後の基準光200の光強度It1を測定する。It1/It0がパターン領域13の光透過率Tr1になる。
非パターン領域12の光透過率を測定する場合には、図5(b)に示すように、基準光200が非パターン領域12を透過するように基材1aを配置した状態で、非パターン領域12を透過後の基準光200の光強度It2を測定する。It2/It0が非パターン領域12の光透過率Tr2になる。
このようにして、パターン領域13の光透過率Tr1、及び非パターン領域12の光透過率Tr2を測定できる。
<光反射率の測定構成例>
次に、図6は、光反射率の測定構成の一例を説明する図であり、(a)はパターン領域13での光反射率の測定構成の一例を示す図、(b)は非パターン領域12の光反射率の測定構成の一例を示す図である。
図6の構成では、光源から射出された基準光200が基材1aに入射し、基材1aの表面で反射された光のうち、開口202を通過した光が光検出器203で受光される。
基準光200、開口202及び光検出器203については、図5で説明したものと同様であるため、重複する説明を省略する。
始めに、基材1aに代えて基準反射面を設けた状態で、光検出器203で基準光200の光強度Ir0を測定して記録しておく。基準反射面は、パターン領域13の光反射率測定と、非パターン領域12の光反射率測定で同じものを使うのであれば、平面ミラー等の任意の反射面を使用できる。
パターン領域13の光反射率を測定する場合には、図6(a)に示すように、基準光200がパターン領域13で反射するように基材1aを配置した状態で、パターン領域13で反射後の基準光200の光強度Ir1を測定する。Ir1/I0がパターン領域13の光反射率Re1になる。
非パターン領域12の光反射率を測定する場合には、図6(b)に示すように、基準光200が非パターン領域12で反射されるように基材1aを配置した状態で、非パターン領域12で反射後の基準光200の光強度Ir2を測定する。Ir2/I0が非パターン領域12の光反射率Re2になる。
このようにして、パターン領域13の光反射率Re1、及び非パターン領域12の光反射率Re2を測定できる。
<所定の形状の各種変形例>
ここで、本実施形態に係る所定の形状は、上述したドット部110に限定されるものではなく、凹部又は凸部の形状、或いはそれらの組み合わせにより、さまざまな変形が可能である。以下では、この各種形状について説明する。なお、既に説明したものと同様の構成部には、同一の部品番号又は部品記号を付し、重複する説明を適宜省略する。
<第1変形例>
まず、図7は、第1変形例に係るドット部110aの構成の一例を説明する図であり、ドット部110aの断面図である。図7に示すように、ドット部110aは、第1の傾斜面1111に設けられた粒体部114を含む。粒体部114は、粒体(粒子)の一部が第1の傾斜面1111に埋没するようにして形成された部分である。粒体部114は、ドット部110bのドット幅Wより小さい幅の粒体を含み、典型的には1μm乃至10μm程度の幅の粒体を含む。
粒体部114は、凹部111の基材の一部がレーザ光の照射等で溶解して、基材上で再固化する際に粒体化(粒子化)し、第1の傾斜面1111に再付着すること等により形成される。粒体部114により、ドット部110aの表面粗さがさらに大きくなることで、光拡散性をさらに向上させて、ドット部110aが構成するパターンのコントラストを上げることができる。
なお、図7に示したドット部110aでは、第1の傾斜面1111に粒体部114が設けられた例を示したが、これに限定されるものではない。粒体部114は、ドット部110aの表面であれば、底部1112や第2の傾斜面1122、頂部1121等の他の部分にも形成可能である。
<第2変形例>
次に、図8は、第2変形例に係るドット部110bの構成の一例を説明する図であり、ドット部110bの断面図である。図8に示すように、ドット部110bは、凹部111の表面下に設けられた空隙部115を含む。
空隙部115は、ドット部110bのドット幅Wより小さい幅の空隙を含み、典型的には1μm乃至10μm程度の幅の空隙を含む。空隙部115の空隙内には空気等の気体が充填されている。
空隙部115を形成するためには、窒素(N2)ガス や二酸化炭素(CO2)ガス等の難溶性ガスのガス環境下で、ポリプロピレン(Polypropylene)や高密度ポリプロピレン(High-density polyethylene;HDPE)等の結晶性高分子を、レーザ光の照射等により溶融させ、溶融状態から冷却及び減圧する。結晶性高分子が結晶化に伴って発泡することで、ドット部110bの表面下に空隙部115を形成できる。
或いは、特に基材が透明であった場合、主波長が可視光領域であるレーザ光を照射しても基材に吸収されにくいため大きなパワーが必要となるが、一般にプラスチック基材などは可視光以外の領域、たとえば紫外域に吸収があるので、その紫外域に主波長をもつレーザ光を用いたりするとよい。
また、基材の表面に照射波長に応じた光吸収によって熱を放出する光吸収性材料を含有する部材によってパターンを形成し(例えばインクジェットによる印字等)し、そのパターン上に上記波長を含むレーザ光を照射し、光吸収剤の発熱作用を用いてアブレーションや熱加工により、凹部、あるいは凸部、あるいはその両方を生成してもよい。
また、レーザ照射を受けた吸収剤の発熱により、その熱を受けた部分が変性を生じ、微細な発泡構造の発泡体を基材内部に生じさせてもよい。つまり、上記熱吸収剤が存在することにより、非常に短時間に照射することにより材質の熱分解温度以上に瞬時に到達させることで気化させ、熱分解でCO2等を発生させ発泡させることができる。例えばPETなら、基材上に集光された極一部の領域を400℃以上に温度を上げるとよい。
また、熱分解温度までには達しないが、基材の溶融温度を超える程度に照射パワーを調整することにより基材の溶融を引き起こすことで凹部や凸形状、あるいは凹部や凸部の表面にドット幅より小さな凹凸部を生成すことができる。例えばPCTの融点260℃近傍より高い温度に上げればよい。
また、溶融温度以上になった後に徐冷することにより、基材を結晶化させることもできる。
これらは、例えばペットボトル等の透明性が高い樹脂基材などで大きな効果を発する。また、レーザ光の一部あるいは大部分を透過する基材であっても、所望のドット部を形成できるようになる。また、高出力のレーザ照射を必ずしも必要としないので、装置自体の簡素化や省エネルギー、あるいは、ドット形成をより高速に生成するなどの高速化にも寄与する。
空隙部115に入射する光は、ドット部110bの表面散乱でなく、一旦基材内部に入射して空隙で内部散乱する。これにより表面散乱と比較して光散乱がより大きくなり、光拡散性がさらに向上することで、ドット部110bが構成するパターンのコントラストをさらに上げることができる。
なお、図8に示したドット部110bでは、凹部111の表面下に空隙部115が形成された例を示したが、これに限定されるものではない。空隙部115は、凸部112の表面下等にも形成可能である。
<第3変形例>
次に、図9は、第3変形例に係るドット部110cの構成の一例を説明する図であり、ドット部110cの断面図である。図9に示すように、ドット部110cは凹部111のみを含み、凸部を含まない構成である。ドット部110cのドット幅Wは、凹部111の幅と等しい。またドット幅Wを深さdpより大きくすると、加工が容易になるため、より好適である。ドット部110cは、レーザ光の照射等により基材の一部を気化させること等で形成できる。
<第4変形例>
次に、図10は、第4変形例に係るドット部110dの構成の一例を説明する図であり、ドット部110dの断面図である。図10に示すように、ドット部110dは凹部111を含み、凹部111の底部1112は平坦に形成されている。ここで、平坦とは、基材1aの非パターン領域12の面に沿って、底部1112が平らであることを意味する。但し、高い平坦度を要求するものではなく、表面粗さと認められる程度の微小な凹凸が含まれてもよいし、P-P(Peak to Peak)値が表面粗さRaと同等程度の面のうねりが含まれてもよい。
底部1112を平坦にすることで、底部1112での拡散光の強度分布を均一化し、拡散光により視認されるパターンの均一性を向上させることができる。
この平坦な形状は、基材に照射するレーザ光の強度分布を、非球面を有する照射光学系によりトップハット状にすること等で形成できる。なお、図10では、ドット部110dが凹部111のみを含む構成を例示するが、凹部111の周囲に凸部を含む構成にしてもよい。また、ドット部110eのドット幅Wを深さdpと比較して大きくし、凹部111を浅くすると、パターンの均一性が向上するため、より好適である。
<第5変形例>
次に、図11は、第5変形例に係るドット部110eの構成の一例を説明する図であり、ドット部110eの断面図である。図11に示すように、ドット部110eは凹部111を含み、凹部111の底部1112は平坦に形成されている。また底部1112の表面下には、空隙部115が設けられている。
底部1112を平坦にすることで、底部1112での拡散光の強度分布を均一化し、拡散光により視認されるパターンの均一性を向上させることができる。また空隙部115を設けて光拡散性を向上させることで、ドット部110eが構成するパターンのコントラストを上げることができる。
なお、図11では、ドット部110eが凹部111のみを含む構成を例示したが、凹部111の周囲に凸部を含む構成にしてもよい。また、ドット部110eのドット幅Wを深さdpと比較して大きくし、凹部111を浅くすると、パターンの均一性が向上するため、より好適である。
<第6変形例>
次に、図12は、第6変形例に係るドット部110fの構成の一例を説明する図であり、ドット部110fの断面図である。図12に示すように、ドット部110fは凹部111を含み、凹部111の底部1112は平坦に形成されている。また底部1112の表面には、凹凸部113が設けられている。
底部1112を平坦にすることで、底部1112での拡散光の強度分布を均一化し、拡散光により視認されるパターンの均一性を向上させることができる。また凹凸部113を設けて光拡散性を向上させることで、ドット部110fが構成するパターンのコントラストを上げることができる。
なお、図12では、ドット部110fが凹部111のみを含む構成を例示したが、凹部111の周囲に凸部を含む構成にしてもよい。また、ドット部110fのドット幅Wを深さdpと比較して大きくし、凹部111を浅くすると、パターンの均一性が向上するため、より好適である。
<第7変形例>
次に、図13は、第7変形例に係るドット部110gの構成の一例を説明する図であり、ドット部110gの断面図である。図13に示すように、ドット部110gは凹部111と、凸部112とを含み、凹部111の深さdpは、凸部112の高さhと略同等又は高さh以下である。換言すると、凹部111における底部1112と非パターン領域12の高さの差は、凸部112における頂部1121と非パターン領域12の高さの差より大きい。基材に照射するレーザ光の照射時間を調整すること等で、凹部111の深さdpと凸部112の高さhとを制御し、このような形状を形成できる。
この構成により、凹部111のアスペクト比を高くしなくてもよいため、ドット部110gをより容易に形成することができる。
<第8変形例>
次に、図14は、第8変形例に係るドット部110hの構成の一例を説明する図であり、ドット部110hの断面図である。図14に示すように、ドット部110hは凸部112を含み、凹部を含まない構成である。凸部112は円環状に形成されている。ドット部110hの凸部112は、基材における凸部112に対応する部分にレーザ光を照射し、基材内部における発泡で基材の表面が持ち上がることで形成できる。
ドット部110hの構成により、所定の形状の種類を増やことができ、所定の形状で構成されるパターンの表現を、より多様化することができる。
<第9変形例>
次に、図15は、第9変形例に係るドット部110iの構成の一例を説明する図であり、ドット部110iの上面図である。図15に示すように、ドット部110iは凹部111と、凸部112とを含み、凹部111は、上面視が略楕円状の形状を有する。ドット部110iは、レーザビームの断面形状を略楕円状に整形したレーザ光を基材に照射する等により形成できる。
なお、図15における凹部幅Dcxは、X軸方向における凹部111の幅を示し、凹部幅Dcyは、Y軸方向における凹部111の幅を示す。またドット幅Wxは、X軸方向におけるドット部110の幅を示し、ドット幅Wyは、Y軸方向におけるドット部110の幅を示す。
ドット部110iの構成により、所定の形状の種類を増やすことができ、所定の形状で構成されるパターンの表現を、より多様化することができる。
<第10変形例>
次に、図16は、第10変形例に係るドット部110jの構成の一例を説明する図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のE-E矢視断面図である。図16に示すように、ドット部110jは凹部111と、凸部112とを含み、凹部111は、略偏心曲面形状を有する。凹部111の偏心曲面形状は、ドット部110jの中心位置に対して中心位置が偏心した椀状の形状である。
図16に示す例では、凹部111の中心に対応する底部1112の位置が、ドット部110jの中心位置に対して、X軸負方向側にずれることで椀状の形状が偏心している。ドット部110jは、基材に対して傾けてレーザ光を照射すること等で形成できる。
なお、図16における幅D1は、ドット部110jの中心位置からX軸負方向側のドット部110jの端部までの幅を示し、幅D2は、ドット部110jの中心位置からX軸正方向側におけるドット部110jの端部までの幅を示す。
ドット部110jの構成により、所定の形状の種類を増やすことができ、所定の形状で構成されるパターンの表現を、より多様化することができる。
<第11変形例>
次に、図17は、第11変形例に係るドット部110kの構成の一例を説明する図であり、ドット部110kの上面図である。図17に示すように、ドット部110kは凹部111と、凸部112とを含み、凹部111は、上面視が略方形状の形状を有する。ドット部110kは、断面形状が略方形状に整形されたレーザ光を基材に照射すること等により形成できる。略方形状にする整形は、方形開口を有するマスク部材等を用いて行うことができる。
ドット部110kの構成により、所定の形状の種類を増やすことができ、所定の形状で構成されるパターンの表現を、より多様化することができる。
<第12変形例>
次に、図18は、第12変形例に係るドット部110mの構成の一例を説明する図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のF-F矢視断面図である。図18に示すように、ドット部110mは凹部111mと、凸部112mとを含む。凹部111mは、円環状の凹面を有し、凸部112mは、椀状の凸面を有する。ドット部110mは、断面形状を円環状に整形したレーザ光を基材に照射することにより形成できる。
なお、図18における幅Drmは、凹部111mにおける円環面の幅を示し、幅Dcmは凸部112mにおける椀状の面の幅を示す。
ドット部110mの構成により、所定の形状の種類を増やすことができ、所定の形状で構成されるパターンの表現を、より多様化することができる。
<第13変形例>
次に、図19は、第13変形例に係るドット部110nの構成の一例を説明する図であり、ドット部110nの上面図である。図19に示すように、ドット部110nは凸部112nを含み、凸部112nは、一部が欠落した円環状の凸面を有する。ドット部110nは、星形のマスク部材等を用いて断面形状が整形されたレーザ光を、基材に照射し、且つ照射時間を調整すること等により形成できる。
ドット部110nの構成により、所定の形状の種類を増やすことができ、所定の形状で構成されるパターンの表現を、より多様化することができる。
<第14変形例>
次に、図20は、第14変形例に係るドット部110pの構成の一例を説明する図であり、ドット部110pの上面図である。図20に示すように、ドット部110pは凸部112pを含み、凸部112pは、半円環状の凸面を有する。ドット部110pは、半円環状のマスク部材等を用いて断面形状が整形されたレーザ光を、基材に照射し、且つ照射角度及び照射時間を調整すること等により形成できる。
ドット部110pの構成により、所定の形状の種類を増やすことができ、所定の形状で構成されるパターンの表現を、より多様化することができる。
<第15変形例>
次に、図21は、第15変形例に係るドット部110qの構成の一例を説明する図であり、(a)はドット部110qの上面図、(b)は(a)のG-G断面図である。図21に示すように、ドット部110qは凹部111qを含み、凹部111qは、2つの凹面形状を有する。ドット部110qは、2つのレーザビームが得らえるマスク部材等を用いて断面形状が整形されたレーザ光を、基材に照射すること等により形成できる。
ドット部110qの構成により、所定の形状の種類を増やすことができ、所定の形状で構成されるパターンの表現を、より多様化することができる。
<基材1aの作用効果>
PETボトル等の収容器は、飲料等の流通及び販売における保存性等、様々な利点があるため広く利用されている。市場で流通する収容器には、その管理や販売促進のために商品名、成分表示、賞味期限、バーコード、QRコード、リサイクルマーク及びロゴマーク等を表示するラベルが貼付されることが多い。ラベルにより、消費者にとって有用な情報を提供することができる。また消費者に訴求するためのデザインをラベルで表示することで、商品の個性発揮や競争力アップを図ることができる。
一方で昨今、海洋プラスチックごみの問題等が取り沙汰され、世界的にプラスチックごみによる環境汚染をなくしていく動きが活発化している。これはPETボトル等の収容器においても例外でなく、環境に配慮したリデュースの観点で、プラスチックごみ削減のための対策が進められている。
そんな中で、収容器の循環型リサイクルへの要求が高まっている。ここで、収容器の循環型リサイクルとは、分別回収された使用済みの収容器をリサイクル業者が収容器の原料となるフレークに変え、再度収容器を製造することをいう。
このような循環型リサイクルを円滑に進めるには、PETボトル等の収容器本体、ラベル、又はキャップ等の材質が異なる基材を、リサイクルの過程で分別回収を徹底することが好ましい。分別回収のためには、消費者は1つ1つの収容器からキャップとラベルを分離する必要があり、特にラベルを剥がす作業は手作業になるため、一般消費者及び自治体の資源回収業者にとっては手間となる。そのため、収容器からラベルを剥がす作業は、分別回収を徹底させるための制約の1つになっている。
これに対し、ラベルを無くした収容器を提供する技術の検討が行われている。例えば、インクジェット方式で情報を表示するパターンを収容器本体に印刷することで、ラベルを無くす方法が検討されている。
しかし、印刷により付与されたインクがボトル回収後のリサイクル過程で残留することで不純物が増えるため、好ましくない場合がある。また不純物を削減するためにリサイクルの過程でインクを収容器本体から除去すると、管理情報が欠落してしまい、好ましくない場合がある。
また他の方法として、CO2レーザ(炭酸ガスレーザ)を用いて収容器本体に情報を表示するパターンを形成することも検討されている。
しかし、CO2レーザ等のレーザ光源の波長は長いため、ビームスポット径が大きくなることで収容器本体へのパターン形成の解像度が低くなる。その結果、画像等の情報量が多いパターンを収容器に形成すると、パターンのコントラストが低下して、視認性が低くなる場合がある。
本実施形態に係る基材は、パターンを構成する所定の形状が、少なくとも一部の領域に形成された基材であって、所定の形状は、所定の凹部、又は所定の凸部の少なくとも一方を含み、基材における所定の形状が形成された第1の領域と、基材における第1の領域以外の第2の領域とでは、光透過率、又は光反射率の少なくとも一方が異なる。
所定の凹部、又は所定の凸部の少なくとも一方を含むため、パターンの光拡散性が高くなる。これにより良好なコントラストで視認性が高いパターンが形成された基材を提供できる。
また、本実施形態では、レーザ加工法等で所定の形状を形成することで、第1の領域の表面粗さは、第2の領域の表面粗さとは異なる。例えば第1の領域の表面粗さは、第2の領域の表面粗さより大きい。これにより第1の領域の光拡散性が上がることで、パターンの視認性をより向上させることができる。
また、本実施形態では、複数の所定の形状の集合体によりパターンを構成することで、第1の領域の光拡散性をさらに上げ、パターンの視認性をさらに向上させることができる。また所定の形状は、凹部と凸部を含むため、塊としての溝や窪みでパターンを構成する場合と比較して、表面粗さが大きい領域がさらに大きい(表面積が広い)。これにより第1の領域の光拡散性がさらに上がり、パターンの視認性をさらに向上させることができる。
また、本実施形態では、所定の形状は、所定の凹部と、所定の凸部とを含み、所定の凸部は、所定の凹部の周囲に形成されている。この構成により、基材へのレーザ光の照射等で所定の凹部と所定の凸部を一度に形成できるため、所定の形状の形成がより容易になる。所定の凹部を所定の凸部の周囲に形成する場合においても同様である。
また、本実施形態では、所定の凹部は、第2の領域の表面に対して傾斜する第1の傾斜面を含み、所定の凸部は、第2の領域の表面に対して傾斜する第2の傾斜面を含み、第1の傾斜面と第2の傾斜面は連続した面である。この構成によっても、基材へのレーザ光の照射等で所定の凹部と所定の凸部を一度に形成できるため、所定の形状の形成がより容易になる。
また、基材の素材として、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリブチレンアジペート/テレフタレート(PBAT)、ポリエチレンテレフタレートサクシネート、ポリエチレン(PE)、ポリプロビレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、エポキシ、バイオポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ乳酸ブレンド(PBAT)、スターチブレンドポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフタレートサクシネート、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシプチレート/ヒドロキシヘキサノエート(PHBH)、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)、バイオPET30、バイオポリアミド(PA)610,410,510、バイオPA1012,10T、バイオPA11T,MXD10、バイオポリカーポネート、バイオポリウレタン、バイオPE、バイオPET100、バイオPA11、バイオPA1010等を用いると好適である。また これらのうち、ポリビニルアルコール、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリエチレンテレフタレートサクシネート等の生分解樹脂を用いると、環境負荷を低減できるため好適である。生分解樹脂が100%であることが望ましいが、一部でも良い。例えば5%や10%、30%程度の生分解樹脂とそれ以外の割合の通常樹脂との組み合せでも環境負荷低減が期待できる。
また、本実施形態は、光拡散性を上げることでパターンの視認性を向上させるため、可視光に対して透過性を有する素材への適用が特に好適である。但し、可視光を吸収する素材や着色した素材においても、本実施形態を適用可能である。
なお、第1乃至15の変形例に係るドット部ごとの作用効果は、各変形例の説明において既に述べたため、ここでは重複する説明を省略する。
また、本実施形態で説明した光透過率及び光反射率の測定構成は、第1乃至第15変形例に係るドット部を含む基材にも適用可能である。
なお、ガウス分布でないレーザ光を用いて、レーザ光照射又はレーザ加工を行う場合には、ビーム整形のためにビームシェイパーを使用できる。ビームシェイパーは、ガウシアンビームをトップハットビームやドーナツビーム、リングビーム、矩形ビーム等の様々なビームプロファイルに整形する光学部品である。
ビームシェイパーには、DOE(Diffractive Optical Element)やホモジナイザ、フィールドマッピング等の種類があり、これらを用いることで、所望のビームプロファイルを得て、レーザ光照射又はレーザ加工に利用できる。
[第2実施形態]
本実施形態では、第1実施形態に係る基材により構成される収容器の製造装置及び製造方法について説明する。
<製造装置100の構成例>
収容器1の製造装置100の構成について説明する。図22は製造装置100の構成の一例を示す図である。製造装置100は、収容器1を構成する基材の性状を変化させることで、基材の表面に、所定の形状の集合体により構成されるパターンを形成するための装置である。ここで基材の性状とは、基材の性質又は状態をいう。
図22に示すように、製造装置100は、レーザ照射部2と、被加工物である収容器1を回転させる回転機構3と、保持部31と、移動機構4と、集塵部5と、制御部6とを備えている。製造装置100は、円筒状の容器である収容器1を、保持部31を介して収容器1の円筒軸10回りに回転可能に保持する。そして、レーザ照射部2から収容器1にレーザ光を照射して、収容器1を構成する基材の性状を変化させることで、収容器1の表面にパターンを形成する。
レーザ照射部2は、レーザ光源から射出されるレーザ光を図22のY方向に走査し、Z軸正方向に配置されている収容器1に向けて、加工レーザビーム20を照射する。なお、このレーザ照射部2については、図23を用いて詳述する。
回転機構3は、保持部31を介して収容器1を保持している。保持部31は回転機構3の備える駆動部としてのモータ(図示を省略)のモータ軸に接続されるカップリング部材であり、一端を収容器1の口部に挿し込んで収容器1を保持する。モータ軸の回転により、保持部31を回転させることで、保持部31に保持された収容器1を円筒軸10回りに回転させる。
移動機構4は、テーブルを備える直動ステージであり、移動機構4のテーブル上には回転機構3が載置されている。移動機構4は、テーブルをY方向に進退させることで、回転機構3、保持部31及び収容器1を一体にしてY方向に進退させる。
集塵部5は、収容器1における加工レーザビーム20が照射される部分の近傍に配置されたエアー吸引装置である。加工レーザビーム20の照射により第1パターンを形成する際に生じるプルームや粉塵をエアーの吸引により収集することで、プルームや粉塵による製造装置100、収容器1及び周辺の汚れを防止する。
制御部6は、レーザ光源21、走査部23、回転機構3、移動機構4及び集塵部5のそれぞれにケーブル等を介して電気的に接続されており、制御信号を出力することでそれぞれの動作を制御する。
製造装置100は、制御部6による制御下で、回転機構3により収容器1を回転させながら、Y軸方向に走査される加工レーザビーム20をレーザ照射部2により収容器1に照射する。そして、収容器1における基材の表面にパターンを2次元的に形成する。
ここで、レーザ照射部2による加工レーザビーム20のY軸方向への走査領域は、範囲が制限される場合がある。そのため、走査領域より広い範囲にパターンを形成する場合には、製造装置100は移動機構4で収容器1をY軸方向に移動させることで、収容器1における加工レーザビーム20の照射位置をY方向にずらす。その後、再び回転機構3により収容器1を回転させながら、レーザ照射部2で加工レーザビーム20をY軸方向に走査することで、収容器1における基材の表面にパターンを形成する。これにより、収容器1のより広い領域(ボトルの口部から底面部にいたる任意の領域)にパターンを形成できる。
<レーザ照射部2の構成例>
次に、レーザ照射部2の構成について説明する。図23は、レーザ照射部2の構成の一例を示す図である。図23に示すように、レーザ照射部2は、レーザ光源21と、ビームエキスパンダ22と、走査部23と、走査レンズ24と、同期検知部25とを備える。
レーザ光源21は例えばレーザ光を射出するパルスレーザである。レーザ光源21は、レーザ光が照射された収容器1における基材の表面の性状を変化させるために好適な出力(光強度)のレーザ光を射出する。
レーザ光源21は、レーザ光の射出のオン又はオフの制御、射出周波数の制御、及び光強度制御等が可能になっている。レーザ光源21の一例として、波長が532nmで、レーザ光のパルス幅が16ピコ秒、平均出力4.9Wのレーザ光源を用いることができる。収容器1における基材の性状を変化させる領域でのレーザ光の直径は1μm以上で200μm以下であることが好ましい。
また、レーザ光源21は、1つのレーザ光源で構成されてもよいし、複数のレーザ光源で構成されてもよい。複数のレーザ光源を用いる場合、レーザ光源毎にオン又はオフの制御、射出周波数の制御及び光強度制御等を独立に行えるようにしてもよいし、共通にしてもよい。
レーザ光源21から射出された平行光のレーザ光は、ビームエキスパンダ22により直径が拡大され、走査部23に入射する。
走査部23は、モータ等の駆動部により反射角度を変化させる走査ミラーを備える。走査ミラーによる反射角度を変化させることで、入射するレーザ光をY軸方向に走査する。この走査ミラーには、ガルバノミラーやポリゴンミラー、MEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラー等を用いることができる。
なお、実施形態では走査部23がレーザ光をY軸方向に1次元走査する例を示すが、これに限定されるものではない。走査部23は、直交する2方向に反射角度を変化させる走査ミラーを用いてレーザ光をXY方向に2次元走査してもよい。
但し、円筒状の収容器1の表面にレーザ光を照射する場合は、X軸及びY軸方向に2次元走査すると、X軸方向への走査に応じて収容器1の表面上でのビームスポット径が変化するため、このような場合は1次元走査のほうが好ましい。
走査部23により走査されるレーザ光は、加工レーザビーム20として収容器1における基材の表面に照射される。
走査レンズ24は、走査部23により走査される加工レーザビーム20の走査速度を一定にするとともに、収容器1における基材の表面の所定位置に、加工レーザビーム20を収束させるfθレンズである。収容器1における基材の性状を変化させる領域で、加工レーザビーム20のビームスポット径が最小になるように走査レンズ24と収容器1が配置されることが好ましい。なお、走査レンズ24は複数のレンズの組み合わせにより構成されてもよい。
同期検知部25は、加工レーザビーム20の走査と回転機構3による収容器1の回転とを同期させるために用いられる同期検知信号を出力する。同期検知部25は、受光した光強度に応じた電気信号を出力するフォトダイオードを備え、フォトダイオードによる電気信号を同期検知信号として制御部6に出力する。
図23では、加工レーザビームを走査する例を示したが、加工レーザビームを例えば印字幅の範囲に多数設けて加工レーザビームアレイとし、収容器1を回転させることで、収容器1上を多数のレーザビームで1方向に走査する構成とすることも可能である。図24はその一例を示す図であり、収容器1に並列の複数のレーザビームからなる加工レーザビームアレイを示している。
<制御部6のハードウェア構成例>
次に、製造装置100の備える制御部6のハードウェア構成について説明する。図25は、制御部6のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。制御部6はコンピュータにより構築されている。
図25に示すように、制御部6は、CPU(Central Processing Unit)501と、ROM(Read Only Memory)502と、RAM(Random Access Memory)503と、HD(Hard Disk)504と、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505と、ディスプレイ506とを備えている。また制御部6は、外部機器接続I/F(Interface)508と、ネットワークI/F509と、データバス510と、キーボード511と、ポインティングデバイス512と、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514と、メディアI/F516とを備えている。
これらのうち、CPU501はプロセッサであり、制御部6全体の動作を制御する。ROM502は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶するメモリである。
RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用されるメモリである。HD504は、プログラム等の各種データを記憶するメモリである。HDDコントローラ505は、CPU501の制御に従ってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字又は画像等の各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、レーザ光源21、走査部23、同期検知部25、回転機構3、移動機構4及び集塵部5等である。但し、他にUSB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等を接続することもできる。
ネットワークI/F509は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図25に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
キーボード511は、文字、数値、各種指示等を入力するための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う入力手段の一種である。
DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
<制御部6の機能構成例>
次に、制御部6の機能構成について説明する。図26は制御部6の機能構成の一例を示すブロック図である。
図26に示すように、制御部6は、パターンデータ入力部61と、ドットパラメータ指定部62と、格納部63と、加工データ生成部64と、レーザ照射制御部65と、レーザ走査制御部66と、収容器回転制御部67と、収容器移動制御部68と、集塵制御部69とを備えている。被加工材料の材料データには、樹脂等の材料に応じた加工パラメータ情報を格納している。
これらのうち、パターンデータ入力部61、ドットパラメータ指定部62、加工データ生成部64、レーザ照射制御部65、レーザ走査制御部66、収容器回転制御部67、収容器移動制御部68及び集塵制御部69のそれぞれの機能は、何れも図25のCPU501が所定のプログラムを実行し、外部機器接続I/F508を介して制御信号を出力すること等により実現される。但し、制御部6のハードウェア構成にASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の電子回路又は電気回路を追加し、上記の各構成部の機能の一部又は全部を電子回路又は電気回路で実現してもよい。格納部63の機能は、HD504等により実現される。
パターンデータ入力部61は、収容器1における基材の表面に形成するパターンデータをPC(Personal Computer)やスキャナ等の外部装置から入力する。パターンデータは、バーコード、QRコード等のコードや文字、図形、写真等のパターンを示す情報と、パターンの種類を示す情報とを含む電子データである。
但し、パターンデータは、外部装置から入力されるものに限定はされない。製造装置100のユーザが制御部6のキーボード511やポインティングデバイス512を用いて生成したパターンデータを入力することもできる。
パターンデータ入力部61は、入力したパターンデータを加工データ生成部64及びドットパラメータ指定部62のそれぞれに出力する。
ドットパラメータ指定部62は、ドット部110(図1参照)等の所定の形状を形成するための加工パラメータを指定する。
ドット部の加工パラメータは、ドット部の形状、種類等を指定する情報である。或いはドット部の大きさ、加工深さ、或いは隣接するドット部同士の間隔又は配置、密度等を指定する情報である。
線の種類は直線や曲線等を示す情報である。点の種類は、円や楕円、矩形、菱形等の点の形状を示す情報である。ドット部は周期性を有するように構成されてもよいし、非周期に構成されてもよい。但し、周期性を有するように構成すると、パラメータの指定をより簡略化できるため好適である。
文字、コード、図形又は写真等のパターンの種類に対応して、視認性を向上させるために適したドット部の加工パラメータは、予め実験やシミュレーションにより定められている。格納部63は、このようなパターンの種類と加工パラメータとの対応関係を示すテーブルを格納する。パターンの外枠は加工しても加工しなくてもよい。加工すれば、輪郭が明確になる。加工しない場合は描画効率が向上する。
ドットパラメータ指定部62は、パターンデータ入力部61から入力したパターンの種類を示す情報に基づき、格納部63を参照してドット部の加工パラメータを取得して指定することができる。
但し、ドットパラメータ指定部62による指定方法は上述したものに限定されるものではない。ドットパラメータ指定部62は、制御部6のキーボード511やポインティングデバイス512を介してユーザの指示を受け付け、この指示に基づき格納部63を参照してドット部の加工パラメータを取得してもよい。
また、ドットパラメータ指定部62は、製造装置100のユーザが制御部6のキーボード511やポインティングデバイス512を用いて生成したドット部の加工パラメータを取得してもよい。
加工データ生成部64は、パターンデータと、加工パラメータとに基づいて、ドット部の集合体により構成されるパターンを形成するための加工データを生成する。
加工データは、回転機構3が収容器1を回転させるための回転条件データと、レーザ照射部2が加工レーザビーム20を走査するための走査条件データと、レーザ照射部2が収容器1の回転に同期して加工レーザビーム20を照射するための照射条件データとを含む。また、移動機構4が収容器1をY方向に移動させるための移動条件データと、集塵部5が集塵動作を行うための集塵条件データとを含む。
加工データ生成部64は、レーザ照射制御部65、レーザ走査制御部66、収容器回転制御部67、収容器移動制御部68及び集塵制御部69のそれぞれに対し、生成した加工データを出力する。
レーザ照射制御部65は、光強度制御部651と、パルス制御部652とを備え、照射条件データに基づき、レーザ光源21による収容器1への加工レーザビーム20の照射を制御する。またレーザ照射制御部65は、同期検知部25からの同期検知信号に基づき、回転機構3による収容器1の回転に同期して加工レーザビーム20を収容器1への照射タイミングを制御する。
レーザ光源21が複数のレーザ光源で構成される場合は、レーザ照射制御部65は複数のレーザ光源毎に独立して上記の制御を行う。
光強度制御部651は加工レーザビーム20の光強度を制御し、パルス制御部652は加工レーザビーム20のパルス幅及び照射タイミングを制御する。
レーザ走査制御部66は、走査条件データに基づき、走査部23による加工レーザビーム20の走査を制御する。具体的には走査ミラーの駆動のオン又はオフの制御、駆動周波数の制御等を行う。
収容器回転制御部67は、回転条件データに基づき、回転機構3による収容器1の回転駆動のオン又はオフ、回転角度、回転方向及び回転速度等を制御する。なお、収容器回転制御部67は、収容器1を所定の回転方向に連続して回転させてもよいし、回転方向を切り替えながら±90度等の所定の角度範囲内で収容器1を往復回動(搖動)させてもよい。
収容器移動制御部68は、移動条件データに基づき、移動機構4による収容器1の移動駆動のオン又はオフ、移動方向、移動量及び移動速度等を制御する。
集塵制御部69は、集塵条件データに基づき、集塵部5による集塵のオン又はオフの制御、吸引するエアー流量又は流速等を制御する。なお、集塵部5を移動させるための機構部を設け、加工レーザビーム20が照射される位置の近傍に集塵部5が配置されるように、機構部による集塵部5の移動を制御してもよい。
<製造装置100による製造方法例>
次に、製造装置100による製造方法について説明する。図27は、製造装置100による製造方法の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS51において、パターンデータ入力部61は、パターンデータをPCやスキャナ等の外部装置から入力する。パターンデータ入力部61は、入力したパターンデータを加工データ生成部64及びドットパラメータ指定部62のそれぞれに出力する。
続いて、ステップS52において、ドットパラメータ指定部62は、ドット部を形成するための加工パラメータを指定する。ドットパラメータ指定部62は、パターンの種類を示す情報に基づき、格納部63を参照してドット部の加工パラメータを取得して指定する。
なお、ステップS51とステップS52の動作は適宜順序を入れ替えてもよく、またこれらのステップが並行して実行されてもよい。
続いて、ステップS53において、加工データ生成部64は、パターンデータと、加工パラメータとに基づいて、ドット部の集合体により構成されるパターンを形成するための加工データを生成する。そして、レーザ照射制御部65、レーザ走査制御部66、収容器回転制御部67、収容器移動制御部68及び集塵制御部69のそれぞれに対して、生成した加工データを出力する。
続いて、ステップS54において、レーザ走査制御部66は、走査条件データに基づき、走査部23に加工レーザビーム20のY方向への走査を開始させる。実施形態では、この走査開始に応答して、走査部23は加工レーザビーム20のY方向への走査を停止の指示が出るまで継続して行う。
続いて、ステップS55において、収容器回転制御部67は、回転条件データに基づき、回転機構3に収容器1の回転駆動を開始させる。実施形態では、この回転駆動開始に応答して、回転機構3は収容器1の回転を停止の指示が出るまで継続して行う。
続いて、ステップS56において、収容器移動制御部68は、移動条件データに基づき、収容器1の所定の位置に加工レーザビーム20が照射されるように、移動機構4により収容器1をY方向の初期位置に移動させる。収容器1の初期位置までの移動が完了後に、収容器移動制御部68は移動機構4を停止させる。
なお、ステップS54~ステップS56の動作は適宜順序を入れ替えてもよく、またこれらのステップが並行して実行されてもよい。
続いて、ステップS57において、レーザ照射制御部65は、収容器1に対する加工レーザビーム20の照射制御を開始する。
具体的には、レーザ照射部2はY方向に沿う1ライン分を走査して収容器1に加工レーザビーム20を照射する。その後、回転機構3は収容器1の円筒軸10回りに所定角度回転する。所定角度回転後に、レーザ照射部2は次の1ライン分を走査して収容器1に加工レーザビーム20を照射する。その後、回転機構3は収容器1の円筒軸10回りに所定角度回転する。このような動作を繰り返し行うことで、収容器1における基材の表面に、パターンが順次形成される。
続いて、ステップS58において、レーザ照射制御部65は、Y方向における収容器1の所定領域に対し、パターンの形成が終了したか否かを判定する。
ステップS58で終了していないと判定された場合は(ステップS58、No)、ステップS56以降の処理が再度繰り返される。
一方、ステップS58で終了したと判定された場合は(ステップS58、Yes)、ステップS59において、回転機構3は、収容器回転制御部67による停止の指示に応答して収容器1の回転駆動を停止する。
続いて、ステップS60において、走査部23は、レーザ走査制御部66による停止の指示に応答して加工レーザビーム20の走査を停止する。レーザ光源21は、レーザ照射制御部65による停止の指示に応答して加工レーザビーム20の照射を停止する。
なお、ステップS59とステップS60の動作は適宜順序の変更が可能であり、これらのステップが並行して行われてもよい。
このようにして、製造装置100は、収容器1における基材の表面に、ドット部の集合体により構成されるパターンを形成することができる。
<各種データ例>
次に、収容器1の製造で用いられる各種データの一例を説明する。
(パターンデータ例)
図28は、パターンデータ入力部61が入力するパターンデータの一例を示す図である。
図28に示すように、パターンデータ611は、「ラベルレス」という文字データ612を含み、文字データ612はパターンとして収容器1に形成される対象となる。「ラベルレス」の5文字を構成する複数の線の集合がパターンのためのデータに対応する。パターンデータ611における文字データ612以外のデータは、収容器1への形成の対象外である。
パターンデータ611は、一例としてビットマップ等の画像ファイルとして提供される。またパターンデータ611を提供する画像ファイルのヘッダ情報には、パターンの種類を示す情報が含まれている。この例では、パターンの種類は「文字」である。
パターンデータ入力部61は、「文字」を示す情報を含むパターンデータ611を、ドットパラメータ指定部62及び加工データ生成部64のそれぞれに出力する。
(パターンの種類と加工パラメータとの対応テーブル例)
図29は、格納部63に収納される対応テーブルの一例を示している。図29に示す対応テーブル631は、文字、コード、図形又は写真等のパターンの種類と、パターンの視認性を向上させるために適したドット部の加工パラメータとの対応関係を示している。この対応関係は、予め実験やシミュレーションにより定められている。
対応テーブル631の「識別情報」列に示された数値は、パターンの種類を示す情報を示し、「種類」列に示された情報は、パターンの種類を示している。また「パラメータ」列に示された情報は、パターンの種類に対応した加工パラメータが記録されたファイル名を示している。
ドットパラメータ指定部62は、対応テーブル631を参照して、パターンの種類を示す情報に対応するファイルを読み込み、加工パラメータを取得する。例えば、図28に示した例では、パターンの種類は「文字」であるため、ドットパラメータ指定部62は、「文字」を示す識別情報「1」に対応するファイル「para1」を読み出して加工パラメータを取得し、加工データ生成部64に出力する。
(加工パラメータ例)
図30は、ドットパラメータ指定部62が取得した加工パラメータの一例を示す図である。加工パラメータ621の「項目」列の項目に応じて、「パラメータ」列にパラメータが示されている。
<加工レーザビーム20の一例>
次に、図31は、収容器1に対する加工レーザビーム20の照射の例を示す図であり、3通りの照射の例を示している。
また図31は、収容器1の表面上での加工レーザビーム20のビームスポット201を示し、また加工レーザビーム20の走査方向(Y方向)と直交する方向に配列する3つのビームスポット201がY方向に走査された状態を示している。
このような3つのビームスポット201は、レーザ光源21をY方向と直交する方向に3つのレーザ光源21を並置し、3つのレーザ光源21のそれぞれが加工レーザビーム20を照射することで得ることができる。
図31(a)、(b)は、1つめの例であり、Y方向と直交する方向でビームスポット201間に隙間がある場合である。図31(a)はY方向と直交する方向でビームスポット201間に隙間がある状態を示し、図31(b)は図31(a)のビームスポット201をY方向に高速走査させた状態を示している。高速走査させることで、3つのビームスポット201により3つの走査ラインが形成されており、Y方向における走査ライン間には隙間がある。図31(a)、(b)の配置でビームスポット201を照射すると、パターンの形成効率を上げることができる。
図31(c)、(d)は、2つめの例であり、ビームスポット201同士がY方向と直交する方向で重なる場合である。図31(c)はビームスポット201同士がY方向と直交する方向で重なっている状態を示し、図31(d)は図31(c)のビームスポット201をY方向に高速走査させた状態を示している。高速走査させることでビームスポット201による3つの走査ラインが形成されており、Y方向における走査ライン同士は重なっている。図31(c)、(d)の配置でビームスポット201を照射することで、パターンのコントラストを上げることができる。
図31(e)、(f)は3つめの例であり、ビームスポット201同士がY方向と直交する方向で接する場合である。図31(e)はビームスポット201同士がY方向と直交する方向で接している状態を示し、図31(f)は図31(e)のビームスポット201をY方向に高速走査させた状態を示している。高速走査させることでビームスポット201による3つの走査ラインが形成され、Y方向における走査ライン同士は接している。図31(e)、(f)の配置でビームスポット201を照射することで、パターンの形成効率とコントラストのバランスを取ることができる。
このような3通りの加工レーザビーム20の照射例を組み合わせて、収容器1に第2パターンの集合体により構成される第1パターンを形成できる。なお、加工レーザビーム20の数は3つに限定されるものではなく、1つであってもよいし、さらに数を増やしてもよい。加工レーザビーム20の数を増やすほど、パターン形成にかかる時間を短縮できる。
ビームスポット201の直径は、一例として42.6μmであり、図31(a)、(b)におけるY方向と直交する方向でのビームスポット201間の隙間は、一例として23.6μmである。
また、図31では、加工レーザビームを周期的に配置させる実施例を示したが、これに限定されるものではなく、非周期的な配置とすることも可能である。
<基材の性状の変化例>
次に、加工レーザビーム20の照射による収容器1の基材の性状変化について説明する。図32は、加工レーザビーム20の照射による収容器1の基材の性状変化の一例を示す図である。
図32(a)は、収容器1の表面の基材を蒸散させて形成した凹部形状を示し、図32(b)は、収容器1の表面の基材を溶融させて形成した凹部形状を示している。図32(b)の場合、図32(a)に対して凹部の周縁部が盛り上がった形状になる。
また、図32(c)は、収容器1の基材表面の結晶化状態の変化を示し、図32(d)は、収容器1の基材表面下の発泡状態の変化を示している。
このように、収容器1の表面の形状を変化させたり、基材表面の結晶化状態、又は基材表面下の発泡状態等の性質を変化させたりすることで、収容器1の表面にドット部の集合体により構成されるパターンを形成できる。
収容器1の表面の基材を蒸散させて凹部形状を形成する方法として、例えば、波長が355nm~1064nm、パルス幅が10fsから500nm以下のパルスレーザを照射する。これによりレーザビームが照射された部分の基材が蒸散し、表面に微小な凹部が形成できる。
また、波長が355nm~1064nmのCW(Continuous Wave)レーザを照射することで、機材を溶融させて凹部を形成することも可能である。また、基材が溶融した後も、レーザを照射し続けると、基材の表面又は表面下が発泡し、白濁化させることができる。
結晶化状態を変化させるためには、例えば基材をPETとし、波長が355nm~1064nmのCWレーザを照射して、基材の温度を一気に上げ、その後、パワーを弱くしていく等により徐冷していくことで、基材のPETを結晶化状態にすることができ、白濁化させることができる。なお、温度を上げたあと、レーザビームを消灯する等により急冷すると、PETは非晶質状態になり、透明になる。
また、収容器1の基材性状の変化は、図32に示したものに限定されるものではない。樹脂材料で構成された基材の黄変や酸化反応、表面改質等により基材の性状を変化させてもよい。
また、照射されたレーザ光を吸収して光エネルギーを熱エネルギーに変換する吸収剤(変換材)を事前に基材に塗布し、吸収剤により変換された熱エネルギーにより、基材に凹部又は凸部を形成する加熱制御を行うこともできる。
<収容器1の一例>
次に、収容器1を説明する。図33は、収容器1の一例を示す図である。収容器1は、可視光に対して透過性を有する樹脂(透明な樹脂)を基材とする円筒状のボトルである。図33は背景としての黒いスクリーンの前に置かれた収容器1を示している。透明な収容器1を通して背景の黒いスクリーンが見えている。或いは収容器1内に黒色の液体が入っており、透明な収容器1を通して収容器1内の黒色の液体が見えているとみなしてもよい。
収容器1の表面には「ラベルレス」というパターン11が形成されている。背景の黒色又は収容器1内の液体の黒色に対し、パターン11での周辺光の拡散により、パターン11が白濁化されて視認される。「ラベルレス」の5文字を構成する複数のドット部の集合体がパターン11を構成している。また収容器1におけるパターン11が形成された領域はパターン領域13に対応し、パターン領域13以外の領域は非パターン領域12に対応する。
また、実施形態は、収容器1と、収容器1に収容されている被収容物とを含んで構成される収容体も含む。図34は、このような収容体7の一例を示す図である。収容体7は、収容器1と、キャップ等の封止部材8と、収容器1に収容された液体飲料等の被収容物9とを含んで構成されている。収容器1の表面にはラベルレスという文字列を含むパターン11が形成されている。
被収容物9は、黒、茶色、又は黄色等の色を有していることが多い。収容体7の口部には、封止部材8と螺合し固定するためのねじ部が設けられている。また、封止部材8の内側には、収容体7の口部に設けられたねじ部と螺合するためのねじ部が設けられている。
収容体7の製造方法としては、次の3態様がある。
態様1:収容器1にパターンを形成後、被収容物9を収容し、その後、封止部材8で封止する収容体7の製造方法。
態様2:被収容物9を収容し、その後、封止部材8で封止し、収容器1にパターンを形成する収容体7の製造方法。
態様3:被収容物9を収容しながら収容器1にパターンを形成し、その後、封止部材8で封止する収容体7の製造方法。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る収容器1bについて説明する。
本実施形態では、口部と、口部に連結された肩部と、肩部に連結された胴部と、胴部に連結された底面部とを備える収容器1bの肩部にパターンを形成することで、収容器1bを口部側から見た場合にパターンを視認しやすくする。
ここで、図35は本実施形態に係る収容器1bの一例を説明する図である。図35に示すように、収容器1bは、円筒状のボトルであり、口部101と、肩部102と、胴部103と、底面部104とを含んで構成されている。
口部101は、飲料等の被収容物を収容器1b内に導入するための導入口の部分である。収容器1b内に収容された被収容物がこぼれないように、収容器1bに栓をするためのキャップが設けられてもよい。
肩部102は、口部101と連結し、口部101側を頂角とした円錐状の部分である。胴部103は、肩部102と連結し、図35に矢印で示すY軸方向に沿う軸を円筒軸とする円筒状の部分である。肩部102は、胴部103の円筒面に対して傾斜している。
底面部104は、胴部103に連結する収容器1bの底面部分である。なお、底面部104は、平面に限定されるものではなく、湾曲面や、凹凸を含む面であってもよい。
収容器1bの肩部102には、「ラベルレス」の文字16と、バーコード17が形成されている。文字16及びバーコード17は、ドット部の集合体により構成されている。
図36は、収容器1bを口部101側から見た図である。換言すると、図36のY軸負方向からY軸正方向に向かって収容器1bを見た図である。図36に示すように、肩部102に文字16及びバーコード17を形成すると、肩部102は胴部103に対して傾斜しているため、収容器1bのユーザ(消費者)が収容器1bを口部101側から見た際に、文字16及びバーコード17がユーザに向いた状態になる。そのため、文字16及びバーコード17を胴部103に形成した場合と比較して、ユーザは文字16及びバーコード17を視認しやすくなる。
次に、図37は収容器1bを製造するための製造装置100bの構成の一例を示す図である。製造装置100bは、収容器1bの円筒軸10がZ方向に沿うように収容器1bを保持する。またレーザ照射部2は、収容器1bの肩部102に対向して加工レーザビーム20を照射するように配置されている。
製造装置100bの構成により、肩部102に対向して加工レーザビーム20を走査させることができ、ドット部の集合体により構成されるパターンを形成しやすくなる。
図38は収容器1bの他の例を示す図である。収容器1bの肩部102には、文字が重ねて形成されたパターンである文字18が形成されている。
以上説明したように、本実施形態では、口部101と、口部101に連結された肩部102と、肩部102に連結された胴部103と、胴部103に連結された底面部104とを備える収容器1bの肩部102にパターンを形成する。これにより、収容器1bを口部101側から見た場合にパターンが視認しやすくなる。
その結果、例えば、収容器1bを収納ケース等に底面部104を下側に向けて収納した場合でも、収納ケースから収容器1bを取り出すことなく、パターンが表示する情報を視認しやすくなり、収容器1b又は収容器1bの被収容物の管理を効率的に行うことができる。収容器1bを箱等に底面部104を下側に向けて収納する場合としては、例えば収容器1bが飲料用のPETボトルであり、複数のPETボトルを収納ケースに収納する場合等が挙げられる。
また、収納ケースの底面部が透明であったり、底面部に貫通孔が設けられていたりして収納ケースに収納された収容器1bを収納ケースの底側から視認できる場合は、収容器1bの底面部104にパターンを形成してもよい。
ここで図39は、パターンを収容器1bの底面部104に形成した例を示す図である。図39に示すように、底面部104には「ラベルレス」という文字19がパターンの一例として形成されている。
底面部104にパターンを形成することで、収納ケースから収容器1bを取り出すことなく、パターンが表示する情報を収納ケースの底側から視認しやすくなり、収容器1b又は収容器1bの被収容物の管理を効率的に行うことができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。図40は、本実施形態に係る収容器1cの一例を示す図である。収容器1cにはパターンの一例としてのバーコードが形成されている。
ここで、収容器の肩部が口部側を頂角にした円錐状に構成されていると、肩部に形成したパターンを口部側から見た場合に、口部から遠ざかるにつれてパターンの幅が広がって視認される場合がある。
図40(a)は、収容器1cの肩部102に形成した比較例に係るパターンとしてのバーコード171'を口側から見た図を示している。図40(a)に示すように、矩形状のバーコード171'が口部101から遠ざかるにつれて広がって視認される。これにより、口部101側からバーコード171'を適切に読み取れない場合がある。
そのため、本実施形態では、口部101から遠ざかるにつれて幅が狭くなるバーコード171を肩部102に形成する。図40(b)はこのようなバーコード171の一例を示している。図40(b)における負のY方向側が口部101側に対応し、バーコード171は、口部101から遠ざかるにつれ、幅が狭くなっている。
図40(c)は、収容器1cの肩部102に形成したバーコード171を、口部101側から見た図を示している。バーコード171は口部101から遠ざかるにつれ、幅が狭くなるパターンであるため、バーコード171を口部101側から見た場合に、口部101から遠ざかるにつれてバーコード171の幅の広がりが相殺され、矩形状のバーコードとして正しく視認される。バーコード171の幅は、肩部102の胴部103に対する傾斜角度に対応させて適正化しておくことが好ましい。
このように、本実施形態では、口部101から遠ざかるにつれて幅が狭くなるバーコード171を肩部102に形成する。これにより、バーコード171が口部101から遠ざかるにつれて広がって視認されることを防ぎ、口部101側からバーコード171やQRコード等のコードを適切に読み取ることができる。なお、このようなコードの読み取りには、ユーザがコードを視認して読み取るものだけでなく、バーコードリーダ又はQRコードリーダ等の読取機器による読み取りも含まれる。
なお、製造装置100における移動機構4(図22参照)はコンベアなどの継続的に移動するものでもよく、収容器1の保持は収容器1と被収容物自身の重みによるものとし、置いているのみでもよい。
[第5実施形態]
図41は、第5実施形態に係る収容器の製造装置100dの構成の一例を示す図である。製造装置100dは、収容器1の円筒軸10がZ軸方向に沿うように収容器1を保持する。またレーザ照射部2は、収容器1の胴部103に対向して加工レーザビーム20を照射するように配置されている。
[第6実施形態]
図42は、第6実施形態に係る製造装置100eの構成の一例を示す図である。製造装置100eは、収容器1の円筒軸10がZ軸方向に沿うように収容器1を支持する。また収容器1を挟んでY軸正方向側とY軸負方向側に1つずつレーザ照射部2が収容器1の胴部103に対向して配置されている。2つのレーザ照射部2は、Y軸正方向側とY軸負方向側の両側から収容器1の胴部103に加工レーザビーム20を照射する。
製造装置100eにより、収容器1の胴部103のY軸正方向側とY軸負方向側の両側にパターンを形成できる。そのため、収容器1を円筒軸回りに回転させる回転機構が構成から省略されている。但し、回転機構を構成に加えてもよい。
移動機構4はコンベア等の継続的に移動するものでもよく、収容器1の保持は収容器1と被収容物自身の重みによるものとし、置いているのみでも良い。レーザ照射部は2つに限らず3つ以上で構成しても良い。
[第7実施形態]
また、上述した実施形態では、樹脂により構成されたPETボトル等のボトルを収容器の一例として示したが、収容器はこれに限定されるものではない。ガラスにより構成されたコップ等であってもよい。図43は、第7実施形態に係る収容器としてのコップ1fの一例を示す図である。図43に示すように、コップ1fの円筒面には第2パターンの集合体により構成されるパターン210が形成されている。
以上、実施形態を説明したが、本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
なお、上述した実施形態では、収容器1は、可視光に対して透過性を有する基材により構成され、この収容器1を背景としての黒いスクリーン等の前に配置した例を示した。
これ以外の例として、図44(a)では、収容器1は、可視光に対して透過性を有する樹脂又はガラス(透明な樹脂又は透明なガラス)により構成され、背景としての白いスクリーンの前に配置されている。透明な収容器1を通して背景の白いスクリーンが見えている。或いは透明な収容器1内に白色の液体が入っており、透明な収容器1を通して収容器1内の白色の液体が見えているとみなしてもよい。
図44(a)における収容器1の表面には、文字22aが形成されている。文字22aは、加工レーザビームの照射により、収容器1における基材の表面を炭化等で黒色化させることで形成されたものである。背景の白色又は収容器1内の液体の白色に対して、黒色化された文字22aが黒く視認されている。このように、収容器1の基材を黒色化させることでパターンを視認させることもできる。
また、さらに他の例として、図44(b)では、収容器1は透明な樹脂又は透明なガラスにより構成され、背景としての黒いスクリーンの前に配置されている。透明な収容器1を通して背景の黒いスクリーンが見えている。或いは透明な収容器1内に黒色の液体が入っており、透明な収容器1を通して収容器1内の黒色の液体が見えているとみなしてもよい。
図44(b)における収容器1の表面には、文字22b以外の領域に加工レーザビームを照射して、収容器1の基材の性状を変化させたパターンが形成されている。この文字22b以外の領域はパターンに対応する。
文字22a以外の領域で周辺光の拡散性が向上し、文字22a以外の領域が白濁化されて視認されている。文字22bの領域では背景のスクリーンの黒色、又は収容器1内の液体の黒色が視認されている。このようにして文字22b等のパターンを視認させることもできる。
また、実施形態では、収容器が円筒状である例を示したが、収容器はこれに限定されるものではなく、箱状の収容器や錐体状の収容器等であってもよい。
また、収容器1に収容されている被収容物についても、可視光に対して透過性を有する収容器に収容された被収容物の色に対して、パターンのコントラストを上げることで、良好な視認性で情報量が多いパターンが形成されたものを提供できる。例えば被収容物が黒色の場合は、収容器に白濁化されたパターンを形成すると、パターンを視認しやすくなり、被収容物が白色の場合は、収容器に黒色化されたパターンを形成すると、パターンを視認しやすくなる。
また、収容器の形状は、肩部及び傾斜部の無い円柱状、四角柱等の如何なる物でもよい。また収容器の内容物は、任意の色であってよいし、また冷たいもの又はあたたかいもの、炭酸、コロイド(ヨーグルトなど)状のもの等、収容器に入るものであれば何でもよい。内容物は、例えばコーヒー、お茶、ビール、水、ジュース、炭酸、ミルク等であるが、これに限定されず、収容器に入るものであれば如何なる物でもよい。
また、収容器の内容物に応じて、加工状態を変えることもできる。例えば収容器の内容物に応じて、白色化・白濁化をレーザの強度等を調整して加工状態を変更し、濃淡を制御することができる。
またペットボトルのエンボス加工の形状に合わせて、ドット部を形成してもよい。さらに上述した傾斜加工も併用して、凹凸の輪郭や内部、外周を加工するようにしてもよい。