以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。各図において、同一の機能を有する部分には同一の符号を付して繰り返し説明を省略する場合がある。本実施形態では、建設機械の一例として、油圧ショベルを例示して説明するが、物体検出装置を備えたものであれば、油圧ショベル以外の建設機械全般に適用可能であることは勿論である。
[第一の実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係わる油圧ショベルを示す側面図である。なお、図1(および以下の図2)に示す油圧ショベルの基本構成は、本第一の実施形態と後述する第二の実施形態で共通する。
図1において、油圧ショベル301は、左右一対の履帯302a、302bを備えた下部走行体303と、下部走行体303の上部に旋回可能に設けた上部旋回体304と、一端が上部旋回体304に連結された多関節型のフロント機構300とを備えている。
下部走行体303には、履帯302a、302bを駆動させる走行油圧モータ318a、318bが搭載されている。上部旋回体304を下部走行体303の上で旋回させる旋回油圧モータ319が搭載されており、上部旋回体304と下部走行体303の相対角度(換言すれば、下部走行体303に対する上部旋回体304の旋回角度)を検出する相対角度検出装置である角度センサ202(図3)が設置されている。上部旋回体304の後方にはエンジン1が搭載されている。上部旋回体304の前方左側には運転室305が設置されている。上部旋回体304の前方中央部にはフロント機構300が取り付けられている。
フロント機構300は、上部旋回体304の前方中央部に設けられたブームフート(図示せず)に上下揺動自在に取り付けられたブーム310と、ブーム310の先端に前後方向に揺動自在に取り付けられたアーム312と、アーム312の先端に上下回動自在に取り付けられた作業具(アタッチメント)であるバケット314とを備えている。
また、フロント機構300は、ブームフートとブーム310とに連結され、ブーム310を上下方向に揺動させる油圧アクチュエータのブームシリンダ311と、ブーム310とアーム312とに連結され、アーム312を上下方向に揺動させる油圧アクチュエータのアームシリンダ313と、アーム312とバケット314とに連結され、バケット314を上下方向に回動させる油圧アクチュエータのバケットシリンダ315とを有している。
運転室305には、運転者が油圧ショベル301を動かす操作を行う操作装置である旋回操作レバー装置7および走行操作レバー装置8(以下、旋回操作レバー装置7および走行操作レバー装置8をまとめて操作レバー装置と称する場合がある)、運転者が旋回操作レバー装置7および走行操作レバー装置8の有効状態と無効状態を切り替え可能な切替装置であるゲートロックレバー102、運転者に対して画像と文字情報を表示可能なモニタ装置203、運転者に対して音声あるいはブザー音を出力可能なスピーカー204等が設置されている(図3)。なお、図示は省略するが、運転室305には、運転者が油圧ショベル301のフロント機構300(ブームシリンダ311、アームシリンダ313、バケットシリンダ315)を動かす操作を行う操作レバー装置も設置されている。
上部旋回体304の後端付近上面には、油圧ショベル301周囲の物体を検出する物体検出装置であるカメラ201が取り付けられている。本例のカメラ201は、油圧ショベル301(の上部旋回体304)の後方を撮影するバックカメラ201B、左側方を撮影する左サイドカメラ201L、右側方を撮影する右サイドカメラ201Rで構成されている。
図2は、本発明の実施形態に係わる油圧ショベルを示す上面図である。
図2において、カメラ201は、上部旋回体304の後端中央に取り付けられたバックカメラ201B、左端に取り付けられた左サイドカメラ201L、右端に取り付けられた右サイドカメラ201Rで構成されている。
カメラ201(バックカメラ201B、左サイドカメラ201L、右サイドカメラ201R)は、油圧ショベル301の周囲の破線で囲われた領域DRを撮影する。つまり、領域DRは、カメラ201により物体を検出可能な検出領域である。カメラ201で撮影された画像は、運転室305に設置されたコントローラ101において画像処理が施され、領域(検出領域)DRにおける所定領域内に存在する物体の検出に用いられる。検出の対象とする物体は、人、車両、他の建設機械、柵や塀のような構造物を含み、これらの一部だけを検出するようにしても良い。
領域DRにおける所定領域は、油圧ショベル301後方の領域TB、油圧ショベル301左側方の領域SL、油圧ショベル301右側方の領域SRに分割されており、それぞれ走行後進、右旋回、左旋回の操作が行われた際に、油圧ショベル301が進むと予想される領域に対応している。
なお、本例では、物体検出装置であるカメラ201で油圧ショベル301の周囲の領域(検出領域)DRを撮影し、領域(検出領域)DRにおける所定領域(TB、SL、SR)内に存在する物体を検出する構成としているが、物体検出装置としては、油圧ショベル301の周囲を検出(撮影)し、油圧ショベル301の周囲の所定領域内に存在する物体を検出可能であれば、その装置構成や検出領域(撮影領域)等は上記の例に限られない。物体検出装置は、LIDAR、超音波センサ、ミリ波センサ、レーザレーダセンサ、赤外線センサ等であってもよい。また、物体(人、車両、他の建設機械等)が有する通信装置の出力を利用して物体の存在を検出する構成でもよい。
<制御システム>
次に、図3を用いて本発明の第一の実施形態に係わる制御システムの構成について説明する。図3において、制御システムは、主に、メインポンプ2、パイロットポンプ3、コントロールバルブ4、旋回操作レバー装置7および走行操作レバー装置8、制御装置であるコントローラ101、ゲートロックレバー102、ゲートロックスイッチ103、パイロット圧センサ104~107、ゲートロックリレー108、ゲートロック弁109等を備えている。
メインポンプ2は、エンジン1によって駆動される可変容量型油圧ポンプであり、コントロールバルブ4を介して圧油を油圧アクチュエータに供給する。
パイロットポンプ3は、エンジン1によって駆動される固定容量型油圧ポンプであり、旋回操作レバー装置7および走行操作レバー装置8にパイロット1次圧を供給する。
コントロールバルブ4は、旋回スプール5および走行スプール6を有し、油圧アクチュエータである旋回油圧モータ319および走行油圧モータ318a、318bに供給される圧油の流量ならびに方向をパイロット圧に応じてそれぞれ制御する。
旋回操作レバー装置7および走行操作レバー装置8は、運転者が油圧アクチュエータである旋回油圧モータ319および走行油圧モータ318a、318bの操作のために用いる油圧式の装置である。旋回操作レバー装置7および走行操作レバー装置8は、減圧弁で構成されるパイロット圧生成部7A、7Bおよび8A、8Bをそれぞれ有し、旋回操作レバー装置7または走行操作レバー装置8が操作されると、パイロット圧生成部7A、7Bまたは8A、8Bはパイロット1次圧を減圧し、操作量に応じたパイロット圧をコントロールバルブ4の旋回スプール5または走行スプール6にそれぞれ出力する。
パイロット圧センサ104~107は、パイロット圧生成部7A、7B、8A、8Bにおいて生成されたパイロット圧を検出している。
ゲートロックレバー102は、旋回操作レバー装置7および走行操作レバー装置8の有効状態と無効状態を切り替える。ゲートロックレバー102が上げ側に操作されると、旋回操作レバー装置7および走行操作レバー装置8は無効状態に切り替えられ、ゲートロックレバー102が下げ側に操作されると、旋回操作レバー装置7および走行操作レバー装置8は有効状態に切り替えられる。
ゲートロックスイッチ103は、ゲートロックレバー102の切り替え状態に応じてゲートロックリレー108へ操作レバー装置有効状態もしくは操作レバー装置無効状態の電気信号を出力する。
ゲートロックリレー108は、操作レバー装置有効状態の電気信号がゲートロックスイッチ103から出力されると、ゲートロック弁109を駆動して旋回操作レバー装置7および走行操作レバー装置8を有効状態に切り替える。
ゲートロック弁109は電磁弁で構成されており、中立位置では旋回操作レバー装置7および走行操作レバー装置8のパイロット1次側をタンク110と接続し(換言すれば、ゲートロック弁109によってパイロット1次圧を遮断し)、無効状態とする。切り替え位置(駆動位置)では旋回操作レバー装置7および走行操作レバー装置8のパイロット1次側をパイロットポンプ3と接続し、有効状態とする。
コントローラ101は、油圧ショベル301を制御する制御装置である。コントローラ101は、図示は省略するが、各種演算を行うCPU(Central Processing Unit)、CPUによる演算を実行するためのプログラムを格納するROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置、CPUがプログラムを実行する際の作業領域となるRAM(Random Access Memory)などを含むコンピュータとして構成されている。コントローラ101の各機能は、CPUが、記憶装置に格納された各種プログラムをRAMにロードして実行することにより、実現される。
本例において、コントローラ101は、前述のゲートロックレバー(切替装置)102とは別に、旋回操作レバー装置7および走行操作レバー装置8の有効状態と無効状態を(自動で)切り替えることができる。コントローラ101には、カメラ201(バックカメラ201B、左サイドカメラ201L、右サイドカメラ201R)で撮影された画像情報、角度センサ202で検出した上部旋回体304と下部走行体303の相対角度情報、パイロット圧センサ104~107で検出したパイロット圧情報、ゲートロックスイッチ103で検出したゲートロックレバー102の位置情報(切り替え状態に対応)が入力される。コントローラ101は、これらの入力情報に基づいて後述の演算処理を実施し、ゲートロックリレー108、モニタ装置203、スピーカー204に対して制御信号(指示信号)を出力(送信)してそれらを制御する。
<コントローラ101>
次に、図4および図5を用いて制御装置であるコントローラ101の機能を説明する。図4は、本発明の第一の実施形態に係わるコントローラ101の機能ブロック図であり、図5は、本発明の第一の実施形態に係わるコントローラ101の制御フロー図である。
図4に示すように、コントローラ101は、物体検出部101Aと、操作判定部101Bと、制御演算部101Cと、出力処理部101Dとを備えている。
物体検出部101Aは、カメラ201(バックカメラ201B、左サイドカメラ201L、右サイドカメラ201R)で撮影された画像に画像処理を施し、領域DRにおける所定領域(TB、SL、SR)内に物体が存在するか否かを検出(判定)する。
また、物体検出部101Aは、領域DRにおける所定領域(TB、SL、SR)のうち後方の領域TBについて、角度センサ202で検出した上部旋回体304と下部走行体303の相対角度だけ回転させることができる(詳細は、図6~図9を用いて後で説明)。
操作判定部101Bは、パイロット圧センサ104、105、106、107で検出したパイロット圧を監視し、旋回操作レバー装置7および走行操作レバー装置8の操作状態(非操作状態(待機状態)、左旋回操作、右旋回操作、前進操作、後進操作)を判定する。
制御演算部101Cは、物体検出部101Aの検出結果、操作判定部101Bの判定結果、およびゲートロックスイッチ103で検出したゲートロックレバー102の位置情報(切り替え状態に対応)に基づき、モニタ装置203、スピーカー204、およびゲートロックリレー108に対する制御信号を演算する(後で説明)。
出力処理部101Dは、制御演算部101Cから入力される制御信号をモニタ装置203、スピーカー204、およびゲートロックリレー108に出力する。出力処理部101Dから制御信号を受信したモニタ装置203は、運転者に対して画像と文字情報を表示することができる。出力処理部101Dから制御信号を受信したスピーカー204は、運転者に対して音声あるいはブザー音を出力することができる。出力処理部101Dから制御信号を受信したゲートロックリレー108は、操作レバー装置有効状態もしくは操作レバー装置無効状態の電気信号を出力し、ゲートロック弁109の位置を(切り替え位置もしくは中立位置に)切り替えることにより、旋回操作レバー装置7および走行操作レバー装置8を有効状態もしくは無効状態にすることができる。
図5を用いてコントローラ101(の制御演算部101C)の制御フローを説明する。
まず、S501において、ゲートロックスイッチ103で検出したゲートロックレバー102の位置情報に基づき、ゲートロックレバー102が下げ側に操作されているか否かを判定する。ゲートロックレバー102が下げ側に操作されていれば(つまり、有効状態)、S502へ進み、ゲートロックレバー102が下げ側に操作されていなければ(つまり、無効状態)、処理を終了する。
次に、S502において、物体検出部101Aの検出結果から、領域DRにおける所定領域(TB、SL、SR)のうち後方の領域TBに物体が存在するか否かを判定する。領域TBに物体が存在する場合、S503へ進み、領域TBに物体が存在しない場合、S504へ進む。
S503においては、操作判定部101Bの判定結果から、走行操作レバー装置8が後進方向(後進側)に非操作状態、すなわち待機状態にあるか否かを判定する。走行操作レバー装置8が後進方向に非操作状態であれば、S508へ進み、走行操作レバー装置8が後進方向に非操作状態でなければ(換言すれば、操作状態であれば)、S509へ進む。
S504においては、物体検出部101Aの検出結果から、領域DRにおける所定領域(TB、SL、SR)のうち左側方の領域SLに物体が存在するか否かを判定する。領域SLに物体が存在する場合、S505へ進み、領域SLに物体が存在しない場合、S506へ進む。
S505においては、操作判定部101Bの判定結果から、旋回操作レバー装置7が右旋回方向(右旋回側)に非操作状態、すなわち待機状態にあるか否かを判定する。旋回操作レバー装置7が右旋回方向に非操作状態であれば、S508へ進み、旋回操作レバー装置7が右旋回方向に非操作状態でなければ(換言すれば、操作状態であれば)、S509へ進む。
S506においては、物体検出部101Aの検出結果から、領域DRにおける所定領域(TB、SL、SR)のうち右側方の領域SRに物体が存在するか否かを判定する。領域SRに物体が存在する場合、S507へ進み、領域SRに物体が存在しない場合、領域DRにおける所定領域(TB、SL、SR)内に物体が存在しないため、処理を終了する。
S507においては、操作判定部101Bの判定結果から、旋回操作レバー装置7が左旋回方向(左旋回側)に非操作状態、すなわち待機状態にあるか否かを判定する。旋回操作レバー装置7が左旋回方向に非操作状態であれば、S508へ進み、旋回操作レバー装置7が左旋回方向に非操作状態でなければ(換言すれば、操作状態であれば)、S509へ進む。
S508においては、すなわち、領域TBに物体が存在し、かつ走行操作レバー装置8が後進方向(後進側)に非操作状態、または、領域SLに物体が存在し、かつ旋回操作レバー装置7が右旋回方向(右旋回側)に非操作状態、または、領域SRに物体が存在し、かつ旋回操作レバー装置7が左旋回方向(左旋回側)に非操作状態である場合、現状では油圧ショベル301が物体に接触する可能性はないが以降の油圧ショベル301が物体に接触する可能性を抑制するため、出力処理部101Dに対してモニタ装置203に上面図の画像と文字情報を表示し、スピーカー204から音声あるいはブザー音を出力するように指示する制御信号(指示信号)を出力する。この状況では、ゲートロックリレー108に対して制御信号(指示信号)を出力しない。
出力処理部101Dからの出力により、モニタ装置203は、図2のような油圧ショベル301の上面図の画像を表示することで、運転者に物体の存在方向を通知すると共に、例えば「ショベル左側方に物体を検出しました。右旋回操作を行った場合、操作レバーがロックされます」といった文字情報を表示し、運転者が物体の存在方向へ油圧ショベル301が進む(油圧ショベル301を動かす)操作を行った場合に操作レバー装置が無効状態に切り替えられることを通知(予告)する。スピーカー204も、音声あるいはブザー音を出力することで、運転者に一層の注意を促す。
ただし、この場合、運転者は物体の存在方向へ油圧ショベル301を動かす操作を行わない限り(言い換えれば、物体の存在しない方向へ油圧ショベル301を動かす操作については)作業を継続できるため、作業効率低下が抑止される。
一方、S509においては、すなわち、領域TBに物体が存在し、かつ走行操作レバー装置8が後進方向(後進側)に操作状態、または、領域SLに物体が存在し、かつ旋回操作レバー装置7が右旋回方向(右旋回側)に操作状態、または、領域SRに物体が存在し、かつ旋回操作レバー装置7が左旋回方向(左旋回側)に操作状態である場合、現状で油圧ショベル301が物体に接触する可能性が高いため、出力処理部101Dに対してモニタ装置203に上面図の画像と文字情報を表示し、スピーカー204から音声あるいはブザー音を出力するのに加えて、ゲートロックリレー108に対して操作レバー装置無効状態の電気信号を出力するように指示する制御信号(指示信号)を出力する。
出力処理部101Dからの出力によって、ゲートロックリレー108がゲートロック弁109を中立位置に切り替える。この結果、旋回操作レバー装置7および走行操作レバー装置8は無効状態に切り替わり、油圧ショベル301の動作が抑止される。また、モニタ装置203は、図2のような油圧ショベル301の上面図の画像を表示することで、運転者に物体の存在方向を通知すると共に、例えば「右旋回操作が行なわれたため、操作レバーをロックしました」といった文字情報を表示し、運転者が物体の存在方向へ油圧ショベル301が進む(油圧ショベル301を動かす)操作を行ったことを通知する。スピーカー204も、音声あるいはブザー音を出力することで、運転者に一層の注意を促す。
この場合、油圧ショベル301の動作が抑止され、運転者は作業を継続できないが、油圧ショベル301が物体に接触してしまうことを防止できる。
S509に続いて、S510においては、ゲートロックスイッチ103で検出したゲートロックレバー102の位置情報に基づき、ゲートロックレバー102が下げ側に操作されているか否かを判定する。ゲートロックレバー102が下げ側に操作されている間は、S509の処理を継続し、ゲートロックレバー102が下げ側に操作されていなければ(つまり、ゲートロックレバー102が上げ側に操作されると)、処理を終了する。
<コントローラ101の動作例1>
油圧ショベル301が待機状態において、図2のように上部旋回体304の左側方の領域SL内に物体OB1が存在する場合について、コントローラ101の機能を説明する。
コントローラ101は、図5に示す演算処理を制御演算部101Cにおいて行う。ゲートロックスイッチ103の出力からゲートロックレバー102が下げ側、すなわち操作レバー装置有効状態側に切り替えられていると判定され(S501)、カメラ201(201B、201L、201R)で撮影された画像を物体検出部101Aで画像処理を行った結果、領域SLに物体OB1が存在すると判定され(S502→S504)、パイロット圧センサ104、105、106、107で検出されたパイロット圧から操作判定部101Bにおいて旋回操作レバー装置7が右旋回方向(右旋回側)に非操作状態、すなわち待機状態にあると判定される場合(S505)、出力処理部101Dに対してモニタ装置203に上面図の画像と文字情報を表示し、スピーカー204から音声あるいはブザー音を出力するように指示する制御信号(指示信号)を出力する(S508)。
出力処理部101Dからの出力により、モニタ装置203は、図2のような油圧ショベル301の上面図の画像を表示することで、運転者に物体OB1の存在方向を通知すると共に、例えば「ショベル左側方に物体を検出しました。右旋回操作を行った場合、操作レバーがロックされます」といった文字情報を表示し、運転者が物体OB1の存在方向へ油圧ショベル301が進む(油圧ショベル301を動かす)操作を行った場合に操作レバー装置が無効状態に切り替えられることを通知(予告)する。スピーカー204も、音声あるいはブザー音を出力することで、運転者に一層の注意を促す。
この状態から、運転者が旋回操作レバー装置7を右旋回方向(右旋回側)へ操作する(右方向へ倒す)と、パイロット圧生成部7Aにおいて生成されたパイロット圧がパイロット圧センサ104で検出され、パイロット圧が閾値を上回ると、操作判定部101Bにおいて右旋回操作が行われたと判定される(S505)。このとき、制御演算部101Cは、出力処理部101Dに対してモニタ装置203に上面図の画像と文字情報を表示し、スピーカー204から音声あるいはブザー音を出力するのに加えて、ゲートロックリレー108に対して操作レバー装置無効状態の電気信号を出力するように指示する制御信号(指示信号)を出力する(S509)。
出力処理部101Dからの出力によって、ゲートロックリレー108がゲートロック弁109を中立位置に切り替える。この結果、旋回操作レバー装置7は無効状態に切り替わり、右方向への旋回が抑止される。また、モニタ装置203は、図2のような油圧ショベル301の上面図の画像を表示することで、運転者に物体OB1の存在方向を通知すると共に、例えば「右旋回操作が行なわれたため、操作レバーをロックしました」といった文字情報を表示し、運転者が物体OB1の存在方向へ油圧ショベル301が進む(油圧ショベル301を動かす)操作を行ったことを通知する。スピーカー204も、音声あるいはブザー音を出力することで、運転者に一層の注意を促す。
前記のように、操作判定部101Bにおいて右旋回操作が行われたと判定するパイロット圧(操作装置である旋回操作レバー装置7が右旋回方向へ操作されていると判定する操作量に対応)の閾値は、コントロールバルブ4の旋回スプール5に設けられた油路が開口し始めるパイロット圧(換言すれば、コントロールバルブ4の旋回スプール5開口が開始する操作量)よりも低く設定することで、旋回油圧モータ319が動き出す前に旋回操作レバー装置7が操作されたか否かを判定できる。
油圧ショベル301が待機状態のまま物体OB1が領域SLを退出した場合(すなわち、領域SLに物体OB1が存在しなくなったと判定された場合)、コントローラ101の制御演算部101Cは、モニタ装置203での画像と文字情報の表示やスピーカー204からの音声あるいはブザー音の出力を直ちに終了する制御信号を出力する。
右旋回操作を抑止中(旋回操作レバー装置7の無効状態)に物体OB1が領域SLを退出した場合(すなわち、領域SLに物体OB1が存在しなくなったと判定された場合)、コントローラ101の制御演算部101Cは、ゲートロックレバー102が上げ側、すなわち操作レバー装置無効状態側に切り替えられるまで、右旋回操作の抑止とモニタ装置203での画像と文字情報の表示やスピーカー204からの音声あるいはブザー音の出力を継続する(S509、S510)。これは、物体OB1が領域SLを退出後直ちに右旋回操作の抑止を終了(すなわち、旋回操作レバー装置7の無効状態を解除)した場合、運転者が旋回操作レバー装置7を右旋回方向へ保持したままである時に旋回油圧モータ319が予期せず動き出すことを防ぐためである。
<コントローラ101の動作例2>
油圧ショベル301が待機状態において、図2のように上部旋回体304の後方の領域TB内に物体OB2が存在する場合について、コントローラ101の機能を説明する。
図5において、ゲートロックスイッチ103の出力からゲートロックレバー102が下げ側、すなわち操作レバー装置有効状態側に切り替えられていると判定され(S501)、カメラ201(201B、201L、201R)で撮影された画像を物体検出部101Aで画像処理を行った結果、領域TBに物体OB2が存在すると判定され(S502)、パイロット圧センサ104、105、106、107で検出されたパイロット圧から操作判定部101Bにおいて走行操作レバー装置8が後進方向(後進側)に非操作状態、すなわち待機状態にあると判定される場合(S503)、出力処理部101Dに対して油圧ショベル301の上面図の画像をモニタ装置203に表示して運転者に物体OB2の存在方向を通知すると共に、文字情報や音声、ブザー音で運転者が物体OB2の存在方向へ油圧ショベル301が進む(油圧ショベル301を動かす)操作を行った場合に操作レバー装置が無効状態に切り替えられることを通知(予告)するように指示する制御信号(指示信号)を出力するのは(S508)、先述した領域SL内に物体OB1が存在する場合と同様である。
この状態から、運転者が走行操作レバー装置8を後進方向(後進側)へ操作する(左方向へ倒す)と、パイロット圧生成部8Bにおいて生成されたパイロット圧がパイロット圧センサ107で検出され、パイロット圧が閾値を上回ると、操作判定部101Bにおいて後進操作が行われたと判定される(S503)。このとき、制御演算部101Cは、出力処理部101Dに対してモニタ装置203に上面図の画像と文字情報を表示し、スピーカー204から音声あるいはブザー音を出力するのに加えて、ゲートロックリレー108に対して操作レバー装置無効状態の電気信号を出力するように指示する制御信号(指示信号)を出力する(S509)。
出力処理部101Dからの出力によって、ゲートロックリレー108がゲートロック弁109を中立位置に切り替える。この結果、走行操作レバー装置8は無効状態に切り替わり、後方への走行が抑止される。また、モニタ装置203は、図2のような油圧ショベル301の上面図の画像を表示することで、運転者に物体OB2の存在方向を通知すると共に、例えば「後進操作が行なわれたため、操作レバーをロックしました」といった文字情報を表示し、運転者が物体OB2の存在方向へ油圧ショベル301が進む(油圧ショベル301を動かす)操作を行ったことを通知する。スピーカー204も、音声あるいはブザー音を出力することで、運転者に一層の注意を促す。これらの処理も、領域SL内に物体OB1が存在する場合と同様である。
油圧ショベル301が待機状態もしくは後進操作を抑止中(走行操作レバー装置8の無効状態)に物体OB2が領域TBを退出した場合(すなわち、領域TBに物体OB2が存在しなくなったと判定された場合)の処理についても、領域SL内に物体OB1が存在する場合と同様である。
<効果>
以上で説明したように、本実施形態の建設機械(301)は、運転者が建設機械(301)のアクチュエータを動かす操作を行うための操作装置(7、8)と、前記建設機械(301)の周囲の物体を検出する物体検出装置(201)と、(運転者が)前記操作装置の有効状態と無効状態とを切り替え可能な切替装置(102)と、前記切替装置(102)とは別に、前記物体検出装置(201)と前記操作装置(7、8)との出力に基づいて前記操作装置(7、8)の有効状態と無効状態とを(自動で)切り替え可能な制御装置(101)と、を備え、前記制御装置(101)は、前記建設機械(301)の待機状態において、前記切替装置(102)によって前記操作装置(7、8)が有効状態に切り替えられている場合であって、前記物体検出装置(201)の出力に基づいて、前記建設機械(301)周囲の所定領域内に物体が存在していると判定した場合に、前記運転者に物体が存在する方向と、その方向に前記建設機械(301)を動かす操作を行った場合に前記操作装置(7、8)を無効状態に切り替えることを通知し、前記物体検出装置(201)と前記操作装置(7、8)との出力に基づいて、前記運転者が物体が存在する方向へ前記建設機械(301)を動かす操作をしていると判定した場合に、前記操作装置(7、8)を無効状態に切り替えると共に、前記運転者に物体が存在する方向と、その方向に前記建設機械(301)を動かす操作を行ったことを通知することを特徴とする。
また、前記制御装置(101)は、前記操作装置(7、8)を無効状態に切り替えた後、(例えば前記所定領域内から物体が退出したと判定した場合であっても)前記切替装置(102)によって前記操作装置(7、8)が無効状態に切り替えられるまで、前記制御装置(101)による前記操作装置(7、8)の無効状態を継続(維持)する。
上述のように建設機械(油圧ショベル)301の制御装置(コントローラ)101を構成することにより、操作装置を有効状態にした後、周囲の物体の存在に気づかずに物体が存在する方向へ油圧ショベル301の操作を行い、物体に接触してしまうことを効果的に防止できるとともに、作業効率の低下を抑えることができる。
また、前記建設機械(301)の運転室305内のモニタ装置203に表示される画像もしくは文字情報、音声、ブザー音のいずれか一つ以上によって、前記運転者に物体が存在する方向と、その方向に前記建設機械(301)を動かす操作を行ったことを通知する。
これにより、運転者への通知を効果的に行うことができる。
また、前記操作装置(7、8)が操作されているか否かを判定する操作量の閾値は、前記建設機械(301)を動かす前記アクチュエータに圧油を供給するコントロールバルブ4のスプール開口が開始する操作量未満である。
これにより、建設機械(301)のアクチュエータが動き出す前に操作装置(7、8)が操作されているか否かを判定できる。
<第一の実施形態の他例>
図2を用いて上部旋回体304が下部走行体303に対して旋回を行っていない、すなわち両者の相対角度が0度の場合について、制御装置であるコントローラ101の機能を説明したが、両者の相対角度が0度以外の場合についても、図6および図7を用いて説明する。
図6は、上部旋回体304を下部走行体303に対して相対角度θだけ右方向に旋回させた状態を示す上面図である。下部走行体303に対する物体OB2の位置は図2と同じであるが、上部旋回体304に対する物体OB2の位置(方向)は変化する。物体検出装置であるカメラ201が上部旋回体304に取り付けられており、物体を検出する各領域SL、SR、TBも上部旋回体304に合わせて相対角度θだけ回転するため、領域TBにおいて物体OB2を検出することができない。この結果、下部走行体303を物体OB2の方向へ後進させる操作を行うと、油圧ショベル301は物体OB2に接触してしまう。
解決手段として、本実施形態に係わるコントローラ101は、上部旋回体304と下部走行体303の相対角度θを検出する相対角度検出装置である角度センサ202を備える(図3、図4)。角度センサ202として、例えば上部旋回体304の旋回中心に配置されるセンタジョイント(スイベルジョイント)にロータリエンコーダを設けることができる。
物体検出部101Aでは、図7に示すように角度センサ202で検出された相対角度θだけ領域TBを回転(詳しくは、上部旋回体304の旋回中心周りで旋回方向とは逆方向に回転)させ、下部走行体303の後進操作が行なわれた場合に下部走行体303が進むと予想される領域に合わせる処理を行う。
領域TBを回転させる処理の詳細を図8および図9を用いて説明する。なお、側方の領域SLおよび領域SRについても同様に扱うことができることは勿論である。
図8は、相対角度θが0度の状態を示す上面図である。上部旋回体304の旋回中心を原点とし、後方方向をX軸、横方向をY軸とする。この座標系において領域DRおよび領域TBの各頂点の座標は図8の通り定義される。
図9は、上部旋回体304を下部走行体303に対して相対角度θだけ右方向に旋回させた状態を示す上面図である。このとき、コントローラ101(の物体検出部101A)は、領域TBを領域DRに対して相対角度θだけ(上部旋回体304の旋回中心周りで旋回方向とは逆方向に)回転させた場合の各頂点であるA、C、F、Hの座標を演算する。頂点CおよびFは、カメラ201が撮影可能な領域DRの外にあるため、コントローラ101(の物体検出部101A)は、回転後の領域TBと領域DRが重なる領域の各頂点であるB、D、E、Gの座標を演算し、座標A、B、D、E、G、Hを結ぶ直線で囲まれた領域を回転後の領域TBとする。
この処理の結果、回転後の領域TB(詳しくは、回転後の領域TBならびに領域DRにおける領域SL、SR)において物体OB2を検出できるようになり、下部走行体303を物体OB2の方向へ後進させる操作が行なわれた場合でも、上述したように、油圧ショベル301が物体OB2に接触してしまうことを防ぐことができる。
以上で説明したように、前記建設機械(301)は、下部走行体303と、前記下部走行体303に旋回可能に設けられた上部旋回体304と、前記上部旋回体304と前記下部走行体303の相対角度(旋回角度)を検出する相対角度検出装置(202)とを備え、前記制御装置(101)は、前記相対角度検出装置(202)で検出された相対角度と、前記物体検出装置(201)で検出された物体が前記上部旋回体304に対して存在する方向と、前記操作装置(7、8)の操作方向とに基づき、前記運転者が物体が存在する方向へ前記建設機械(301)を動かす操作をしているか否かを判定する。
また、前記物体検出装置(201)は、前記上部旋回体304に取り付けられており、前記制御装置(101)は、前記相対角度検出装置(202)で検出された相対角度だけ前記建設機械(301)周囲の所定領域を前記上部旋回体304の旋回中心周りで回転させ、回転後の前記建設機械(301)周囲の所定領域と前記上部旋回体304に取り付けられた前記物体検出装置(201)が物体を検出可能な検出領域(領域DR)とが重なる領域において物体が存在しているか否かを判定し、前記運転者が物体が存在する方向へ前記建設機械(301)を動かす操作をしているか否かを判定する。
また、前記建設機械(301)周囲の所定領域は、前記物体検出装置(201)が物体を検出可能な検出領域(領域DR)において、前記上部旋回体304の後方領域(領域TB)および側方領域(領域SL、SR)を含み、前記制御装置(101)は、前記相対角度検出装置(202)で検出された相対角度だけ前記上部旋回体304の後方領域(領域TB)を前記上部旋回体304の旋回中心周りで回転させ、回転後の前記上部旋回体304の後方領域(領域TB)と前記上部旋回体304に取り付けられた前記物体検出装置(201)が物体を検出可能な検出領域(領域DR)とが重なる領域ならびに前記上部旋回体304の側方領域(領域SL、SR)において物体が存在しているか否かを判定し、前記運転者が物体が存在する方向へ前記建設機械(301)を動かす操作をしているか否かを判定する。
これにより、上部旋回体304と下部走行体303を備える建設機械(301)において、上部旋回体304と下部走行体303の相対角度によらず、物体が存在する方向に油圧ショベル301の旋回操作または走行操作を行い、物体に接触してしまうことを防止できる。
[第二の実施形態]
<制御システム>
次に、図10を用いて本発明の第二の実施形態に係わる制御システムの構成について説明する。第一の実施形態と同符号の要素については説明を省略する。
図10において、本第二の実施形態の制御システムは、第一の実施形態(図3)との違いとして、旋回操作レバー装置11および走行操作レバー装置12、制御装置であるコントローラ101a、電磁弁13A、13B、14A、14Bを備えている。
旋回操作レバー装置11および走行操作レバー装置12は、運転者が油圧アクチュエータである旋回油圧モータ319および走行油圧モータ318a、318bの操作のために用いる電気式の装置である。旋回操作レバー装置11および走行操作レバー装置12は、ポテンショメータで構成される電気信号生成部11Aおよび12Aをそれぞれ有し、旋回操作レバー装置11または走行操作レバー装置12が操作されると、操作量に比例した電圧が電気信号生成部11Aまたは12Aから出力される。
コントローラ101aは、電気信号生成部11Aまたは12Aから出力された電圧に応じて電磁弁13A、13B、14A、14Bに駆動電流(パイロット圧力に対応)を供給する。
電磁弁13A、13B、14A、14Bは、パイロットポンプ3から供給されるパイロット1次圧をコントローラ101aから供給される駆動電流に応じたパイロット圧力に減圧し、コントロールバルブ4の旋回スプール5または走行スプール6を切り替える。
本例において、コントローラ101aには、カメラ201(バックカメラ201B、左サイドカメラ201L、右サイドカメラ201R)で撮影された画像情報、角度センサ202で検出した上部旋回体304と下部走行体303の相対角度情報、電気信号生成部11Aおよび12Aにおいて生成された電圧情報、ゲートロックスイッチ103で検出したゲートロックレバー102の位置情報(切り替え状態に対応)が入力される。コントローラ101は、これらの入力情報に基づいて後述の演算処理を実施し、モニタ装置203、スピーカー204に対して制御信号(指示信号)を出力(送信)すると共に電磁弁13A、13B、14A、14Bへ供給される駆動電流を制御してそれらを制御する。
<コントローラ101a>
次に、図11および図12を用いて制御装置であるコントローラ101aの機能を説明する。図11は、本発明の第二の実施形態に係わるコントローラ101aの機能ブロック図であり、図12は、本発明の第二の実施形態に係わるコントローラ101aの制御フロー図である。
図11に示すように、コントローラ101aは、物体検出部101Aaと、操作判定部101Baと、制御演算部101Caと、出力処理部101Da、目標パイロット圧演算部101Eaとを備えている。
物体検出部101Aaの機能は、第一の実施形態の物体検出部101A(図4)の機能と同様である。
操作判定部101Baは、電気信号生成部11Aおよび12Aにおいて生成された電圧を監視し、旋回操作レバー装置11および走行操作レバー装置12の操作状態(非操作状態(待機状態)、左旋回操作、右旋回操作、前進操作、後進操作)を判定する。
制御演算部101Caは、物体検出部101Aaの検出結果、操作判定部101Baの判定結果、およびゲートロックスイッチ103で検出したゲートロックレバー102の位置情報(切り替え状態に対応)に基づき、モニタ装置203、スピーカー204、および電磁弁13A、13B、14A、14Bに対する制御信号を演算する(後で説明)。
出力処理部101Daは、制御演算部101Caから入力される制御信号をモニタ装置203、およびスピーカー204に出力すると共に、制御演算部101Caから入力される制御信号に応じて電磁弁13A、13B、14A、14Bへの駆動電流の供給を制御する。出力処理部101Daから制御信号を受信したモニタ装置203は、運転者に対して画像と文字情報を表示することができる。出力処理部101Daから制御信号を受信したスピーカー204は、運転者に対して音声あるいはブザー音を出力することができる。また、電磁弁13A、13B、14A、14Bへの駆動電流の供給・遮断を切り替えることにより、旋回操作レバー装置11および走行操作レバー装置12を有効状態もしくは無効状態にすることができる。
目標パイロット圧演算部101Eaは、電気信号生成部11Aおよび12Aにおいて生成された電圧を目標パイロット圧に変換する。出力処理部101Daにおいて、変換後の目標パイロット圧を駆動電流に変換することで、電磁弁13A、13B、14A、14Bへの駆動電流を演算することができる。
図12を用いてコントローラ101a(の制御演算部101Ca)の制御フローを説明する。
図12において、S1201~S1207、S1210の処理は、第一の実施形態のS501~S507、S510(図5)の処理と基本的に同様である。
S1208においては、現状では油圧ショベル301が物体に接触する可能性はないが以降の油圧ショベル301が物体に接触する可能性を抑制するため、出力処理部101Daに対して油圧ショベル301の上面図の画像をモニタ装置203に表示して運転者に物体の存在方向を通知すると共に、文字情報や音声、ブザー音で運転者が物体の存在方向へ油圧ショベル301が進む(油圧ショベル301を動かす)操作を行った場合に操作レバー装置が無効状態に切り替えられることを通知(予告)するように指示する制御信号(指示信号)を出力するのは、第一の実施形態のS508と同様である。
一方、S1209においては、現状で油圧ショベル301が物体に接触する可能性が高いため、出力処理部101Daに対してモニタ装置203に上面図の画像と文字情報を表示し、スピーカー204から音声あるいはブザー音を出力するのに加えて、電磁弁13A、13B、14A、14Bへの駆動電流の供給を遮断するように指示する制御信号(指示信号)を出力する。
電磁弁13A、13B、14A、14Bへの駆動電流の供給を遮断することにより、旋回操作レバー装置11および走行操作レバー装置12は無効状態に切り替わり、油圧ショベル301の動作が抑止される。また、モニタ装置203は、図2のような油圧ショベル301の上面図の画像を表示することで、運転者に物体の存在方向を通知すると共に、例えば「右旋回操作が行なわれたため、操作レバーをロックしました」といった文字情報を表示し、運転者が物体の存在方向へ油圧ショベル301が進む(油圧ショベル301を動かす)操作を行ったことを通知する。スピーカー204も、音声あるいはブザー音を出力することで、運転者に一層の注意を促す。
<コントローラ101aの動作例>
油圧ショベル301が待機状態において、図2のように上部旋回体304の左側方の領域SL内に物体OB1が存在する場合について、コントローラ101aの機能を説明する。
図12において、ゲートロックスイッチ103の出力からゲートロックレバー102が下げ側、すなわち操作レバー装置有効状態側に切り替えられていると判定され(S1201)、カメラ201(201B、201L、201R)で撮影された画像を物体検出部101Aaで画像処理を行った結果、領域SLに物体OB1が存在すると判定され(S1202→S1204)、電気信号生成部11Aおよび12Aにおいて生成された電圧から操作判定部101Baにおいて旋回操作レバー装置11が右旋回方向(右旋回側)に非操作状態、すなわち待機状態にあると判定される場合(S1205)、出力処理部101Daに対して油圧ショベル301の上面図の画像をモニタ装置203に表示して運転者に物体OB1の存在方向を通知すると共に、文字情報や音声、ブザー音で運転者が物体OB1の存在方向へ油圧ショベル301が進む(油圧ショベル301を動かす)操作を行った場合に操作レバー装置が無効状態に切り替えられることを通知(予告)するように指示する制御信号(指示信号)を出力するのは(S1208)、第一の実施形態と同様である。
この状態から、運転者が旋回操作レバー装置11を右旋回方向(右旋回側)へ操作する(右方向へ倒す)と、電気信号生成部11Aにおいて生成された電圧が操作判定部101Baに出力される。電圧が閾値を上回ると、操作判定部101Baにおいて右旋回操作が行われたと判定される(S1205)。このとき、制御演算部101Caは、出力処理部101Daに対してモニタ装置203に上面図の画像と文字情報を表示し、スピーカー204から音声あるいはブザー音を出力するのに加えて、電磁弁13Aへの駆動電流の供給を遮断するように指示する制御信号(指示信号)を出力する(S1209)。電磁弁13Aへの駆動電流は、目標パイロット圧演算部101Eaにおいて電圧を目標パイロット圧に変換し、さらに出力処理部101Daにおいて駆動電流に変換することで演算される。
電磁弁13Aへの駆動電流の供給を遮断することにより、旋回操作レバー装置11は無効状態に切り替わり、右方向への旋回が抑止される。また、モニタ装置203は、図2のような油圧ショベル301の上面図の画像を表示することで、運転者に物体OB1の存在方向を通知すると共に、例えば「右旋回操作が行なわれたため、操作レバーをロックしました」といった文字情報を表示し、運転者が物体OB1の存在方向へ油圧ショベル301が進む(油圧ショベル301を動かす)操作を行ったことを通知する。スピーカー204も、音声あるいはブザー音を出力することで、運転者に一層の注意を促す。
右方向への旋回を抑止する手段は、出力処理部101Daからゲートロックリレー108に対して操作レバー装置無効状態の電気信号を出力してゲートロック弁109を中立位置に切り替えることにより、電磁弁13Aのパイロット1次圧側をタンク110と接続しても良い。
前記のように、操作判定部101Baにおいて右旋回操作が行われたと判定する電圧(操作装置である旋回操作レバー装置11が右旋回方向へ操作されていると判定する操作量に対応)の閾値は、コントロールバルブ4の旋回スプール5に設けられた油路が開口し始める電圧(換言すれば、コントロールバルブ4の旋回スプール5開口が開始する操作量)よりも低く設定することで、旋回油圧モータ319が動き出す前に旋回操作レバー装置11が操作されたか否かを判定できる。
上述以外の制御機能は、第一の実施形態における制御機能と同様である。
<効果>
以上で説明したように、第一の実施形態の建設機械(油圧ショベル)301において、操作装置は油圧式であり、無効状態への切り替えは、ゲートロック弁109によってパイロット1次圧を遮断することによって行われる。一方、第二の実施形態の建設機械(油圧ショベル)301において、操作装置は電気式であり、無効状態への切り替えは、コントロールバルブ4のスプールを切り替える電磁弁13A、13B、14A、14Bへの駆動電流の供給を遮断することによって行われる。
以上のように構成することで、第一の実施形態と同様の効果が得られると共に、油圧式または電気式の操作装置を備える建設機械(油圧ショベル)301において、無効状態への切り替え手段を最低限の構成で実現でき、操作装置が油圧式、電気式いずれの場合でも制御システムないし制御装置であるコントローラを構成することができる。
なお、上記実施形態では、走行後進、右旋回、左旋回の操作が行われた際に、油圧ショベル301が進むと予想される領域に着目し、油圧ショベル301を動かす操作を行うための操作装置として、油圧ショベル301の旋回を操作する旋回操作レバー装置7および油圧ショベル301の走行を操作する走行操作レバー装置8の有効状態と無効状態とを切り替える形態について説明したが、油圧ショベル301のフロント機構300(ブーム310、アーム312、バケット314)の操作が行われた際に、油圧ショベル301が進むと予想される領域に着目し、フロント機構300(ブーム310、アーム312、バケット314)のアクチュエータ(ブームシリンダ311、アームシリンダ313、バケットシリンダ315)の動作を操作する操作装置の有効状態と無効状態とを切り替えるものについても、同様に適用可能であることは勿論である。
なお、本発明は上記した実施形態に限られるものではなく、様々な変形形態が含まれる。上記した実施形態は本発明をわかり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、上記した実施形態のコントローラの各機能は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計することによりハードウェアで実現してもよい。また、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、コントローラ内の記憶装置の他に、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。