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JP7570911B2 - リスク情報提供システムおよびリスク情報提供方法 - Google Patents
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JP7570911B2 - リスク情報提供システムおよびリスク情報提供方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、災害の予測に関する情報を提供するためのリスク情報提供システムおよびリスク情報提供方法に関する。
近年、気候変動の影響による災害現象の極端化、想定外の災害による被害規模の拡大が叫ばれて久しい。災害情報の提供は社会の安心・安全に重要な役割を果たしている。
従来、時間や場所を少しずつ変えながら進行する災害現象を、その位置情報や時系列情報に応じて情報提供していく手法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方で、災害に繋がる警報情報を公共のマスメディア等を用いて広く伝えたとしても、被災者自身に隈なく届けられていないという指摘も絶えない。
被災者となり得る人々が災害情報を必ずしも自分事と捉えていないこと(行動経済学や社会学的には正常性バイアスや現状維持バイアスと呼ばれる)もその要因の1つと考えられている。
そこで、災害対応時の各種情報の受け手側の立場に沿った情報の整理手法や避難支援情報の提供方法等も提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照。)。
特開2015-032886号公報 特開2015-210681号公報 特開2016-224755号公報
従来の提案では、災害の発生あるいは災害による被害の発生が確からしい情報を早期に周知することが目的とされてきた。しかし、気象現象の極端化など、避難の為のリードタイムを確保することが困難である事例が増加しており、差し迫った危機が訪れてから情報を周知させても、避難中の被災事例や逃げ遅れ問題は避けがたいと指摘されている。
このため、防災関係機関においては災害警戒情報を“空振りを恐れず”発令する方針への切り換えが開始され、社会的にも受け入れられつつある。
しかしながら、警戒情報の“空振り”は情報の受け手側からみれば、慣れや油断を生む恐れがあるというジレンマを抱えている。また、2020年には、新型コロナウイルスの流行により、避難所の運営における密集・密接・密閉に関する課題も表出し、避難の早期化・分散化の必要性が高まっている。
本発明はこのような状況に鑑みなされたもので、災害予測情報の受け手に対し、“命を守る避難行動”に先行して経済的な原則に則った“財産を守る行動”を誘発することにより、避難の早期化・分散化を図ることが可能になるリスク情報提供システムおよびリスク情報提供方法を提供することを目的とする。
実施形態のリスク情報提供システムは、ユーザ端末との通信機能を有するサーバを備え、
前記サーバは、
ユーザの財産の位置情報を取得する財産位置情報取得手段と、
ユーザの財産に損害が及ばないようにするために当該ユーザが行なう対策へのユーザの負担感の度合いをコスト値として取得するコスト値取得手段と、
前記対策を行なわずに前記財産に損害が及ぶことまたはそれに係る不利益をユーザが被ることへのユーザの損失感の度合いをロス値として取得するロス値取得手段と、
災害予測情報の確率を取得する災害予測確率取得手段と、
前記財産位置情報取得手段により取得された前記財産の位置情報に対応する位置が、前記災害予測情報に関係して前記財産に損害が及んだり、それに関連する不利益をユーザが被ったりする可能性がある場合であって、前記災害予測確率取得手段により取得された災害予測情報の確率が、前記コスト値取得手段により取得されたコスト値と前記ロス値取得手段により取得されたロス値とのコストロス比を上回った場合に、前記ユーザ端末へ前記財産に損害が及ぶ可能性を知らせるリスク情報を送信する第1リスク情報送信手段と、
前記ユーザのリスク選好値を取得するリスク選好値取得手段と、
前記財産位置情報取得手段により取得された前記財産の位置情報に対応する位置が、前記災害予測情報に関係して前記財産に災害が及んだり、それに関連する不利益をユーザが被ったりする可能性がある場合であって、前記災害予測確率取得手段により取得された災害予測情報の確率が、前記リスク選好値取得手段により取得された前記ユーザのリスク選好値以上である場合に、前記ユーザ端末へ前記財産に損害が及ぶ可能性を知らせるリスク情報を送信する第2リスク情報送信手段と、
を備える。
実施形態のリスク情報提供システムRISの全体的な機能構成を示すブロック図。 リスク情報提供システムRISに含まれる災害予測情報提供サーバ10と、商業施設サーバシステム20内の防災用サーバ21、SNS用サーバ22、サービスサーバ23と、SNS-ChatBotサーバ30と、にそれぞれ共通するハードウエアの構成を示すブロック図。 コスト/ロス・モデルの一般的な考え方を示す図。 リスク情報提供システムRISの情報提供の対象となるユーザへの商業施設における導入例を示す図。 ユーザに対し車両を移動させるのはどの程度面倒であるかの負担感の度合いをコスト値(C)として5段階で回答してもらうためのユーザ端末40に表示させるアンケート画面EGを示す図。 車両を移動させるのはどの程度面倒であるかのユーザの負担感の度合いに対応するコスト値(C)の例をコスト表TCとして示す図。 雨に濡れるのがどの程度気になるかのユーザの損失感の度合いに対応するロス値(L)の例をロス表TLとして示す図。 ユーザへのアンケートにより取得したコスト値(C)とロス値(L)とそのコストロス比(C/L)とを反映したユーザ管理情報(ユーザ管理情報DB24c)の例を示す図。 リスク情報提供システムRISの駐車位置通知処理を示すフローチャート。 リスク情報提供システムRISの降雨リスク情報提供処理を示すフローチャート。 リスク情報提供システムRISの浸水リスク情報提供処理を示すフローチャート。
以下、実施形態のリスク情報提供システムおよびリスク情報提供方法について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、実施形態のリスク情報提供システムRISの全体的な機能構成を示すブロック図である。
実施形態では、商業施設に自動車(車両)で訪れた顧客を情報提供の対象とし、顧客それぞれの災害に関する価値観やリスクの許容度に応じて、各顧客の自発的な避難行動を誘発し、避難の早期化・分散化を図る場合を仮定する。
リスク情報提供システムRISは、例えば自治体や各種の水文情報の収集・提供を行なう企業などにより設けられた災害予測情報提供サーバ10と、商業施設の設置者などにより設けられた商業施設サーバシステム20と、商業施設を利用する顧客のユーザ端末40との間でメッセージをやり取りするSNS(social networking site)-ChatBotサーバ30とを備える。
災害予測情報提供サーバ10と商業施設サーバシステム20、商業施設サーバシステム20とSNS-ChatBotサーバ30、SNS-ChatBotサーバ30とユーザ端末40は、それぞれ何れもインターネットなどの通信ネットワークNWを介して随時通信接続される。
災害予測情報提供サーバ10は、Web API(application programming interface)11と、Push API12と、水文情報DB(data base)13a、AI学習モデルDB13b、ユーザ管理情報DB13cを含む。
水文情報DB13aは、通信ネットワークNWまたは専用通信回線を介して収集される河川水位、下水道等の水位、降雨量などの各種の水文情報の観測データを記憶すると共に、降水確率、河川・下水道等の内水・外水氾濫確率などの災害に関わる予測データを記憶する。
AI学習モデルDB13bは、例えば、水文情報DB13aに記憶された過去の時系列の観測データおよび予測データに基づき、当該観測データに対応する予測データの確率分布を算出し、現在の観測データに対してより精度(信頼性)の高い予測データを得るための学習モデルを記憶する。
なお、ユーザ管理情報DB13cについては、第2実施形態において後述する。
Web API11は、例えば、通信ネットワークNWを介して外部の通信機器(サーバ含む)とメッセージ(観測データや予測データを含む)の送受信を行なうもので、API処理部11a、メッセージ送受信部11b、メッセージ解析部11c、メッセージ作成部11dを含む。
Web API11において、API処理部11aは、商業施設サーバシステム20の防災用サーバ21との通信接続処理を行なう。また、外部の水文に関する監視制御装置や気象情報提供サーバとの通信接続処理を行なう。
また、メッセージ送受信部11bは、API処理部11aにより通信接続された商業施設サーバシステム20の防災用サーバ21または外部の監視制御装置や気象情報提供サーバとの間でメッセージの送受信を行なう。
また、メッセージ解析部11cは、メッセージ送受信部11bにより受信されたメッセージの内容を解析する。
また、メッセージ作成部11dは、メッセージ解析部11cにより解析された、商業施設サーバシステム20からのメッセージの内容または外部の監視制御装置や気象情報提供サーバからのメッセージの内容に基づき、例えば応答メッセージを作成し、メッセージ送受信部11bに与える。
Push API12は、例えば、予め設定された時間間隔(可変)毎に予め設定された種類の観測データや予測データをメッセージとして商業施設サーバシステム20の防災用サーバ21へ送信するもので、API処理部12a、メッセージ送信部12b、トリガタイマ12c、メッセージ作成部12dを含む。
Push API12において、API処理部12aは、商業施設サーバシステム20の防災用サーバ21との通信接続処理を行なう。
また、トリガタイマ12cは、例えば、商業施設サーバシステム20の防災用サーバ21に対して、予め設定された時間間隔(可変)毎に予め設定された種類の観測データや予測データを送信するための当該時間間隔(可変)を計時する。
また、メッセージ作成部12dは、トリガタイマ12cにより計時される時間間隔(可変)毎に、防災用サーバ21への送信対象となる観測データや予測データを水文情報DB13aから取得し、取得した観測データや予測データのメッセージを作成する。
また、メッセージ送信部12bは、メッセージ作成部12dにより作成されたメッセージを、API処理部12aを介して商業施設サーバシステム20の防災用サーバ21へ送信する。
商業施設サーバシステム20は、防災用サーバ21、SNS用サーバ22、サービスサーバ23、店舗情報DB24a、駐車場管理情報DB24b、ユーザ管理情報DB24c、メッセージ管理DB24d、災害予測情報DB24eを含む。
店舗情報DB24aは、例えば、商業施設サーバシステム20を設けた商業施設の店舗、駐車場を含む全体の地図情報を記憶する。
駐車場管理情報DB24bは、商業施設にある駐車場の駐車位置番号(1台ごと)に対応付けて、当該駐車場が屋外か屋内かの情報(屋外/屋内情報)、当該駐車場の配置階(地階~屋上)を含む配置情報、当該駐車場の空満情報を記憶する。
ユーザ管理情報DB24c(図8参照)は、商業施設を利用する顧客であるユーザのユーザID(ユーザ識別情報)に対応付けて、当該ユーザが来店したか否(退店)かを示す来店フラグ、最終来店日時、駐車位置番号を記憶する。また、詳細は後述するが、例えばユーザへのアンケート(図5~図7参照)に基づき取得されるユーザそれぞれの災害に関する価値観に応じたコスト値(C:災害対策のために行なう行動への負担感を示す)、ロス値(L:対策しない場合に受ける損失感を示す)、そのコストロス比(C/L)、および例えばユーザそれぞれの購買動向に基づき取得されるリスクの許容度を示すリスク選好値(RS)を記憶する。
メッセージ管理DB24dは、ユーザの来店に伴いユーザ端末40により撮影された駐車位置番号を含む駐車場コード(2次元コード)QRが、ユーザ端末40からユーザアカウントと共に商業施設サーバシステム20に受信されるのに応じて、受信された駐車場コードQRをユーザIDに対応付けて記憶する。
災害予測情報DB24eは、災害予測情報提供サーバ10から受信された水文情報に関する各種の観測データや予測データを記憶する。
防災用サーバ21は、災害予測情報提供サーバ10との間で観測データや予測データを含む防災に関するメッセージの送受信を行なうもので、API処理部21a、メッセージ送受信部21bを含む。
防災用サーバ21において、API処理部21aは、災害予測情報提供サーバ10のWeb API11およびPush API12との通信接続処理を行なう。
また、メッセージ送受信部21bは、API処理部21aにより通信接続された災害予測情報提供サーバ10と商業施設サーバシステム20内のサービスサーバ23との間でメッセージの送受信を行なう。
SNS用サーバ22は、SNS-ChatBotサーバ30を介して、ユーザ管理情報DB24cに記憶(登録)されているユーザIDに対応したユーザアカウントを持つユーザ端末40との間で駐車場コードQRや防災予測情報を含む各種のメッセージの送受信を行なうもので、SNS API処理部22a、メッセージ送受信部22bを含む。
SNS用サーバ22において、SNS API処理部22aは、SNS-ChatBotサーバ30との通信接続処理を行なう。
また、メッセージ送受信部22bは、API処理部22aにより通信接続されたSNS-ChatBotサーバ30を介して、ユーザ端末40と商業施設サーバシステム20内のサービスサーバ23との間でメッセージの送受信を行なう。
サービスサーバ23は、ユーザ端末40から受信された駐車場コードQRを、ユーザIDを対応付けてメッセージ管理DB24dに記憶させる。
また、サービスサーバ23は、ユーザ端末40から受信された駐車場コードQRに基づいて、ユーザIDに、来店フラグ、最終来店日時、駐車位置番号を対応付けたユーザ管理情報を生成し、ユーザ管理情報DB24cに記憶させる。また、サービスサーバ23は、例えば、ユーザ端末40から受信されたユーザへのアンケート結果に基づき得られるユーザそれぞれの災害に関する価値観に応じたコスト値(C)、ロス値(L)、そのコストロス比(C/L)、および例えばユーザそれぞれの購買動向に基づき得られるリスク選好値(RS)を、ユーザ管理情報DB24cのユーザ管理情報に加えて記憶させる。
また、サービスサーバ23は、ユーザ端末40から退店情報(含む現在位置)を受信した際に、当該ユーザの現在位置と、ユーザ管理情報DB24cに記憶されている当該ユーザの駐車位置番号と、店舗情報DB24aに記憶されている商業施設の地図情報とに基づき、当該ユーザの現在位置から駐車場までの経路案内を生成し、ユーザ端末40へ送信する。
また、サービスサーバ23は、災害予測情報提供サーバ10から受信される災害予測情報(降水確率、氾濫確率を含む)と、ユーザ管理情報DB24cに記憶されている来店中のユーザの駐車位置番号(駐車位置情報)と、当該ユーザのコストロス比(C/L)またはリスク選好値(RS)とに基づき、降雨、浸水を含むリスク情報を提供すべきユーザを決定し、降雨リスク情報あるいは浸水リスク情報と共に、降雨被害の無い屋根付き駐車場あるいは浸水被害の無い上階駐車場の駐車場空満情報を生成し、該当するユーザ端末40へ送信する。
サービスサーバ23は、メッセージ送受信部23a、メッセージ解析部23b、災害予測情報受信部23c、メッセージ作成部23dを含む。
サービスサーバ23において、メッセージ送受信部23aは、商業施設サーバシステム20内のSNS用サーバ22との間でメッセージの送受信を行なう。
また、メッセージ解析部23bは、メッセージ送受信部23aにより受信されたメッセージの内容を解析する。
また、災害予測情報受信部23cは、災害予測情報提供サーバ10から商業施設サーバシステム20内の防災用サーバ21に受信された災害予測情報(降水確率、氾濫確率を含む)を受信する。
また、メッセージ作成部23dは、メッセージ解析部23bにより解析されたユーザ端末40からのメッセージの内容と、災害予測情報受信部23cにより受信された災害予測情報提供サーバ10からの災害予測情報(降水確率、氾濫確率を含む)と、店舗情報DB24aに記憶されている商業施設の地図情報と、駐車場管理情報DB24bに記憶されている駐車場の屋内/屋外、配置階を含む配置情報および空満情報と、ユーザ管理情報DB24cに記憶されているユーザ管理情報とに基づいて、ユーザの退店に伴う当該ユーザの現在位置から駐車場までの経路案内のメッセージ、あるいは降雨リスク情報と降雨被害の無い屋根付き駐車場の駐車場空満情報を含むメッセージ、あるいは浸水リスク情報と浸水被害の無い上階駐車場の駐車場空満情報を含むメッセージを作成し、メッセージ送受信部23aに与える。
図2は、リスク情報提供システムRISに含まれる災害予測情報提供サーバ10と、商業施設サーバシステム20内の防災用サーバ21、SNS用サーバ22、サービスサーバ23と、SNS-ChatBotサーバ30と、にそれぞれ共通するハードウエアの構成を示すブロック図である。
サーバ1(10、20(21,22,23)、30)は、プロセッサ(CPU:central processing unit)1Aを備える。プロセッサ1Aは、プログラムメモリ1Bに記憶されたプログラムに従い、データメモリ1C、入出力インターフェース1D、通信インターフェース1Eの動作を制御し、データメモリ1Cに記憶されたデータを読み出し、データメモリ1Cにデータを記憶させ、当該プログラムに応じたサーバ1の機能を実行する。
入出力インターフェース1Dは、外部に接続されるキー入力デバイスやポインティングデバイスなどの入力デバイス2からの信号を入力してプロセッサ1Aへ出力し、また、プロセッサ1Aにより生成された画像信号や音声信号を外部に接続されるディスプレイやスピーカなどの出力デバイス3へ出力する。
通信インターフェース1Eは、プロセッサ1Aをインターネットなどの通信ネットワークNWと通信接続する。
なお、サーバ10、20(21,22,23)、30それぞれのプロセッサ1A、プログラムメモリ1B、データメモリ1C、入出力インターフェース1D、通信インターフェース1Eの性能、仕様等は異なってよい。
ユーザ端末40のハードウエアの構成もサーバ1と同様に、プロセッサ1A、プログラムメモリ1B、データメモリ1C、通信インターフェース1Eを備えるが、例えば、タッチパネル式ディスプレイなどの入力デバイス2および出力デバイス3は内蔵する。またユーザ端末40は、現在位置を取得するGPS(global positioning system)受信部を備えてよい。
このように構成された各サーバ10、20(21,22,23)、30およびユーザ端末40は、何れも、プロセッサ1Aがプログラム(1B)に記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、後述の動作説明で述べるような各種の機能を実現する。
ここで、前述のユーザ管理情報DB24c(図8参照)に記憶するユーザそれぞれの災害に関する価値観に応じたコスト値(C:災害対策のために行なう行動への負担感を示す)、ロス値(L:対策しない場合に受ける損失感を示す)、そのコストロス比(C/L)の関係について説明する。
図3は、コスト/ロス・モデルの一般的な考え方を示す図である。
コスト(C)は、災害の事象を防ぐために対策を施した場合に掛かる費用で、ロス(L)は、何も対策を施さなかった場合に出る損失である。
例えば、対策を施した場合の費用(コスト)が50万円、何も対策を施さずに事象が発生した場合の損失(ロス)が100万円、事象が発生する確率P(x)が50%と仮定する。
対策を施さない場合に、事象が発生する可能性のある状況の10回のうち5回で損失が発生すると、その損失の合計は500万円となる。一方で事象が発生する可能性のある状況の10回すべてにおいて50万円掛かる対策を施すと、500万円掛けて損失を“0”にすることができる。
従って、この仮定においては、事象が発生する確率P(x)が、コストロス比(C/L=0.5)を上回る場合には、損失よりも費用の方が安くなるので、対策を施すべきと考える。
実施形態では、商業施設に自動車(車両)で来店したユーザを対象に、(1)ユーザ(ないし車両)が雨に濡れること、(2)ユーザの車両が浸水すること、をそれぞれ災害の事象としてとらえる。また、事象(1:ユーザないし車両が雨に濡れる)については「降水確率」、事象(2:ユーザの車両が浸水する)については「氾濫確率」、をそれぞれ事象が発生する確率としてとらえる。
そして、(1)ユーザないし車両が雨に濡れること、(2)ユーザの車両が浸水すること、への対策であるユーザが車両を移動させる行動へのユーザの負担感の度合いを、コストロス比(C/L)のコスト値(C)としてとらえ、対策しない場合にユーザが受ける雨に濡れること、あるいは車両が浸水すること、へのユーザの損失感の度合いを、コストロス比(C/L)のロス値(L)としてとらえる。
従って、実施形態では、「降水確率」あるいは「氾濫確率」が、ユーザのコストロス比(C/L)を上回る場合には、ユーザが「降雨」あるいは「浸水」という災害を受ける損失感よりも、ユーザが対策のために行動することへの負担感が低くなるので、当該ユーザを対象に降雨リスク情報あるいは浸水リスク情報を提供すべきと考える。
ユーザが車両を移動させる行動へのユーザの負担感の度合い(コスト値C)は、例えば、ユーザに対し車両を移動させるのはどの程度面倒であるかを5段階で回答してもらうアンケートの結果によって取得する(図5、図6参照)。また、ユーザが受ける災害へのユーザの損失感の度合い(ロス値L)は、例えば、ユーザに対し雨に濡れるのがどの程度気になるかを5段階で回答してもらうアンケートの結果によって取得する(図7参照)。
図4は、リスク情報提供システムRISの情報提供の対象となるユーザへの商業施設における導入例を示す図である。
リスク情報提供システムRISの情報提供の機能は、車両Mで来店したユーザPに対して商業施設が提供する駐車位置の案内サービスと連携して実行され、ユーザPが来店した際にユーザ端末40により撮影した駐車場コードQRが、ユーザアカウント共に、SNS-ChatBotサーバ30を介して商業施設サーバシステム20に受信されることに応じてその処理を開始し、ユーザ端末40からユーザの退店情報が現在位置と共に受信されることに応じて駐車位置までの経路案内をユーザ端末40へ送信することでその処理を終了する。
図5は、ユーザに対し車両を移動させるのはどの程度面倒であるかの負担感の度合いをコスト値(C)として5段階で回答してもらうためのユーザ端末40に表示させるアンケート画面EGを示す図である。
アンケート画面EGは、商業施設サーバシステム20のサービスサーバ23により、SNS用サーバ22およびSNS-ChatBotサーバ30を介して、例えば、ユーザ端末40にユーザアカウントを設定する初期設定のタイミングでユーザ端末40に表示させてユーザPの回答(すなわちコスト値C)を取得してよいし、サービスサーバ23によりユーザ端末40に随時表示させる各種のマーケティング情報に含めて表示させ、ユーザPの回答(すなわちコスト値C)を取得してもよい。
なお、ユーザに対し雨に濡れるのがどの程度気になるかの損失感の度合いをロス値(L)として5段階で回答してもらうためのアンケートも、アンケート画面EGと同様にユーザ端末40に表示させて、ユーザPの回答(すなわちロス値L)を取得してよい。
図6は、車両を移動させるのはどの程度面倒であるかのユーザの負担感の度合いに対応するコスト値(C)の例をコスト表TCとして示す図である。
車両を移動させるのはどの程度面倒であるかのユーザの負担感の度合い、すなわちコスト値(C)は、「車両を移動させるのは面倒ですか?」のアンケートの質問に対し、「かなり面倒だと思う」と回答するユーザで最高値の“5”、「全く気にならない」と回答するユーザで最低値の“1”とする。
図7は、雨に濡れるのがどの程度気になるかのユーザの損失感の度合いに対応するロス値(L)の例をロス表TLとして示す図である。
雨に濡れるのがどの程度気になるかのユーザの損失感の度合い、すなわちロス値(L)は、「雨の日は屋根のある駐車場に停めたいですか?」のアンケートの質問に対し、「絶対に屋根があるところが良い」と回答するユーザで最高値の“5”、「別に気にしない」と回答するユーザで最低値の“1”とする。
図8は、ユーザへのアンケートにより取得したコスト値(C)とロス値(L)とそのコストロス比(C/L)とを反映したユーザ管理情報(ユーザ管理情報DB24c)の例を示す図である。
図8に示すユーザ管理情報において、ユーザのリスク選好値(RS)は、ユーザのリスクの許容度を示し、例えば、不確実性のある物事に対する許容度で測れる。不確実性のある物事を許し易いユーザはリスクの許容度が高く、不確実性のある物事を許し難いユーザはリスクの許容度が低いことになる。
ユーザのリスクの許容度は、例えば、商業施設においてユーザが同種の品目を購入する際に、同じ商品名の商品を購入することが多ければ、不確実性のある物事を許し易いとしてリスクの許容度が低いと判定でき、同種の品目でも、異なる商品名の商品を購入することが多ければ、不確実性のある物事を許し難いとしてリスクの許容度が高いと判定できる。
従って、ユーザのリスクの許容度、すなわちリスク選好値(RS)は、例えば、商業施設サーバシステム20のサービスサーバ23において、商業施設のPOSシステム(point of sales system)から収集可能なユーザそれぞれの購買動向を分析することで取得してよい。
実施形態のリスク情報提供システムRISでは、前述したコストロス比(C/L)を用いること以外に、リスク選好値(RS)を用いることで、リスク選好値(RS)が“1”に近くリスクの許容度が高い(例えば雨にぬれても気にしない)ユーザに対しては、当該リスク選好値(RS)に対応して降水確率あるいは氾濫確率の高い段階になってから降雨リスク情報あるいは浸水リスク情報を提供し、また、リスク選好値(RS)が“0”に近くリスクの許容度が低いユーザに対しては、当該リスク選好値(RS)に対応して降水確率あるいは氾濫確率の低い段階から降雨リスク情報あるいは浸水リスク情報を提供する。
これにより、ユーザのそれぞれに応じて、災害対策のための自発的な行動を誘発できると考える。
次に、実施形態のリスク情報提供システムRISの動作について説明する。
図9は、リスク情報提供システムRISの駐車位置通知処理を示すフローチャートである。
商業施設サーバシステム20のサービスサーバ23は、毎日AM0:00になると、ユーザ管理情報DB24c(図8参照)に記憶されている全てのユーザIDに対応付けられた来店フラグをリセット“×”する(ステップS1)。
商業施設にユーザPが来店し、図4で示したように、ユーザ端末40により、ユーザPが車両Mを駐車したところの駐車場コードQRが撮影されると、撮影された駐車場コードQRとユーザアカウントのデータは、SNS-ChatBotサーバ30を介して、商業施設サーバシステム20のSNS用サーバ22へ送信される(ステップP1)。
商業施設サーバシステム20のサービスサーバ23において、ユーザ端末40から送信された駐車場コードQRとユーザアカウントのデータ(メッセージ)が、SNS用サーバ22を介して来店情報として受信されると(ステップS2(Yes))、受信されたメッセージがメッセージ解析部23bにより解析され、解析されたユーザアカウントに対応するユーザ管理情報DB24c(図8参照)のユーザIDに対応付けて、解析された駐車位置番号が記憶され、来店フラグがセット“○”される(ステップS3)。
サービスサーバ23は、例えば、商業施設内の各店舗のサーバ(図示せず)と接続し、ユーザPに関する来店情報を展開することで、当該各店舗のサーバからユーザ端末40へ、例えば売出し商品の販売などの各種マーケティング情報を送信させる(ステップS4)。
ユーザ端末40は、商業施設サーバシステム20のSNS用サーバ22を介して送信された、商業施設内の各店舗のサーバからの各種マーケティング情報を受信して表示あるいは音声として出力し、ユーザPに提供する(ステップP2)。
この際、商業施設サーバシステム20のサービスサーバ23は、ユーザ端末40に対して送信する各種マーケティング情報に、図5~図7で示したように、前述したユーザの負担感の度合いに対応するコスト値(C)とユーザの損失感の度合いに対応するロス値(L)とを取得するためのアンケートを含めてよい。
この後、ユーザPが商業施設から退店する場合に、ユーザ端末40により退店の操作を行なうと、ユーザ端末40からSNS-ChatBotサーバ30を介して、商業施設サーバシステム20のSNS用サーバ22へ、ユーザアカウントと退店情報と現在位置情報が送信される(ステップP3)。
サービスサーバ23において、ユーザ端末40から送信されたユーザアカウントと退店情報と現在位置情報のデータ(メッセージ)が、SNS用サーバ22を介して受信されると(ステップS5(Yes))、受信されたメッセージがメッセージ解析部23bにより解析され、解析されたユーザアカウントに対応するユーザ管理情報DB24c(図8参照)のユーザIDに対応付けられた駐車位置番号と、現在位置情報と、店舗情報DB24aに記憶されている地図情報とに基づいて、ユーザPの現在位置から駐車位置までの経路案内を生成し、生成した経路案内を駐車位置番号と共にユーザ端末40へ送信する(ステップS6)。
また、サービスサーバ23は、ユーザ管理情報DB24cのユーザIDに対応付けられた来店フラグをリセット“×”する(ステップS6)。
ユーザ端末40は、商業施設サーバシステム20のサービスサーバ23からSNS用サーバ22を介して送信された駐車位置番号と駐車位置までの経路案内とを受信して表示する(ステップP4)。
商業施設サーバシステム20は、商業施設の営業時間において、ユーザPの来店に伴いユーザ端末40から送信された駐車場コードQRとユーザアカウントのデータが受信される毎に、当該来店したユーザPを対象とするステップS2~S6の処理を実行する(ステップS7(Yes)→S2)。
これにより、リスク情報提供システムRISの商業施設サーバシステム20では、車両Mで来店したユーザPに対して、当該ユーザPが車両Mを駐車した駐車位置を案内するサービスを提供し、これに伴い、災害予測情報提供サーバ10と連携して、以下に説明する降雨リスク情報を提供するサービス(図10参照)と浸水リスク情報を提供するサービス(図11参照)とを実施する。
図10は、リスク情報提供システムRISの降雨リスク情報提供処理を示すフローチャートである。
図10に示す降雨リスク情報提供処理において、図9で示した駐車位置通知処理に含まれる処理と同一の処理については、同一の符号を付してその説明を省略する。
災害予測情報提供サーバ10のPush API12は、トリガタイマ12cにより計時される時間間隔毎に、水文情報DB13aおよびAI学習モデルDB13bに基づき取得される「降水確率」の予測データを、商業施設サーバシステム20の防災用サーバ21へ送信する(ステップR1)。
商業施設サーバシステム20の防災用サーバ21において、災害予測情報提供サーバ10のPush API12から送信された「降水確率」の予測データが受信されると、受信された「降水確率」の予測データをサービスサーバ23に送信し、サービスサーバ23は、災害予測情報受信部23cに受信された「降水確率」の予測データを災害予測情報DB24eに記憶させる(ステップS41(Yes))。
サービスサーバ23は、ユーザ管理情報DB24cに記憶されている来店フラグがセット“○”されたユーザP(ユーザID)に対応する駐車位置番号と、駐車場管理情報DB24bに記憶されている駐車場の屋内/屋外を含む配置情報および空満情報とに基づいて、降雨リスク(雨に濡れるリスク)の対象となるユーザIDを抽出する。
また、抽出した降雨リスクの対象となるユーザP(ユーザID)の中で、ステップS41にて災害予測情報提供サーバ10から受信された「降水確率」が、ユーザ管理情報DB24cに記憶されている該当するユーザIDのコストロス比を上回るユーザID(またはリスク選好値RS以上となるユーザID)を、降雨リスク情報を提供すべきユーザP(ユーザID)として決定する(ステップS51)。
そして、サービスサーバ23は、降雨リスク情報(例えば「降水確率N%で雨に濡れる可能性が有ります。車両の駐車位置の変更をお勧めします」)を作成し、作成した降雨リスク情報と、駐車場管理情報DB24bに記憶されている屋内の駐車場の駐車位置番号を含む駐車場空満情報を、SNS用サーバ22からSNS-ChatBotサーバ30を介して、ステップS51にて決定された降雨リスク情報を提供すべきユーザP(ユーザID)のユーザ端末40へ送信する(ステップS61)。
ユーザ端末40は、商業施設サーバシステム20のサービスサーバ23からSNS用サーバ22を介して送信された降雨リスク情報と屋内の駐車場の駐車位置番号を含む駐車場空満情報とを受信して表示する(ステップP41)。
これにより、リスク情報提供システムRISでは、車両Mで来店したユーザPに対して、災害予測情報提供サーバ10から得られた「降水確率」が、ユーザPのコストロス比(C/L)を上回る場合には、ユーザPが「降雨」災害を受ける損失感よりも、ユーザPが対策のために行動することへの負担感が低くなると判定し、当該ユーザPを対象に適切な降雨リスク情報とその回避行動のための情報を提供できる。
また、リスク選好値(RS)を用いた場合でも、車両Mで来店したユーザPに対して、災害予測情報提供サーバ10から得られた「降水確率」が、例えばユーザが雨に濡れる許容度以上になることを判定して、当該ユーザPを対象に適切な降雨リスク情報とその回避行動のための情報を提供できる。
なお、災害予測情報提供サーバ10のWeb API11は、例えば官公庁、自治体から、各種の水文情報に関わる警報・注意報が発令された場合(ステップR2(Yes))、当該警報・注意報の情報を、商業施設サーバシステム20の防災用サーバ21へ送信する(ステップR3)。
商業施設サーバシステム20の防災用サーバ21に、災害予測情報提供サーバ10から警報・注意報の情報が受信された場合、サービスサーバ23は、前述した一連の降雨リスク情報提供処理を停止する。
図11は、リスク情報提供システムRISの浸水リスク情報提供処理を示すフローチャートである。
図11に示す浸水リスク情報提供処理において、図9で示した駐車位置通知処理および図10で示した降水リスク情報提供処理に含まれる処理と同一になる処理については、同一の符号を付してその説明を省略する。
災害予測情報提供サーバ10のPush API12は、トリガタイマ12cにより計時される時間間隔毎に、水文情報DB13aおよびAI学習モデルDB13bに基づき取得される「氾濫確率」の予測データを、商業施設サーバシステム20の防災用サーバ21へ送信する(ステップR11)。
商業施設サーバシステム20の防災用サーバ21において、災害予測情報提供サーバ10のPush API12から送信された「氾濫確率」の予測データが受信されると、受信された「氾濫確率」の予測データをサービスサーバ23へ送信し、サービスサーバ23は、災害予測情報受信部23cに受信された「氾濫確率」の予測データを災害予測情報DB24eに記憶させる(ステップS42(Yes))。
サービスサーバ23は、ユーザ管理情報DB24cに記憶されている来店フラグがセット“○”されたユーザP(ユーザID)に対応する駐車位置番号と、駐車場管理情報DB24bに記憶されている駐車場の配置階を含む配置情報および空満情報とに基づいて、浸水リスク(車両が浸水するリスク)の対象となるユーザIDを抽出する。
車両が浸水するリスクの対象となる駐車場の配置階は、例えば自治体により提供される浸水ハザードマップに基づいて、地階~1階などとして設定してよい。
また、抽出した浸水リスクの対象となるユーザP(ユーザID)の中で、ステップS42にて災害予測情報提供サーバ10から受信された「氾濫確率」が、ユーザ管理情報DB24cに記憶されている該当するユーザIDのコストロス比を上回るユーザID(またはリスク選好値RS以上となるユーザID)を、浸水リスク情報を提供すべきユーザP(ユーザID)として決定する(ステップS52)。
そして、サービスサーバ23は、浸水リスク情報(例えば「氾濫確率N%で車両が浸水する可能性が有ります。車両の駐車位置の変更をお勧めします」)を作成し、作成した浸水リスク情報と、駐車場管理情報DB24bに記憶されている車両が浸水するリスクの対象とならない駐車場の駐車位置番号を含む駐車場空満情報を、SNS用サーバ22からSNS-ChatBotサーバ30を介して、ステップS52にて決定された浸水リスク情報を提供すべきユーザP(ユーザID)のユーザ端末40へ送信する(ステップS62)。
ユーザ端末40は、商業施設サーバシステム20のサービスサーバ23からSNS用サーバ22を介して送信された浸水リスク情報と車両が浸水するリスクの対象とならない駐車場の駐車位置番号を含む駐車場空満情報とを受信して表示する(ステップP42)。
これにより、リスク情報提供システムRISでは、車両Mで来店したユーザPに対して、災害予測情報提供サーバ10から得られた「氾濫確率」が、ユーザPのコストロス比(C/L)を上回る場合には、ユーザPが「車両の浸水」災害を受ける損失感よりも、ユーザPが対策のために行動することへの負担感が低くなると判定し、当該ユーザPを対象に適切な浸水リスク情報とその回避行動のための情報を提供できる。
また、リスク選好値(RS)を用いた場合でも、車両Mで来店したユーザPに対して、災害予測情報提供サーバ10から得られた「氾濫確率」が、例えば車両Mが浸水する許容度以上になることを判定して、当該ユーザPを対象に適切な浸水リスク情報とその回避行動のための情報を提供できる。
これにより、ユーザそれぞれの災害に関する価値観あるいは許容度に応じて、適切に災害対策のための自発的な行動を誘発できるようになる。
(第2実施形態)
前述した第1実施形態のリスク情報提供システムRISでは、商業施設サーバシステム20のユーザ管理情報DB24cに、商業施設を利用する顧客であるユーザPのユーザIDに対応付けて、来店フラグ、最終来店日時、駐車位置番号、コスト値(C)、ロス値(L)、コストロス比(C/L)、およびリスク選好値(RS)を記憶させ、災害予測情報提供サーバ10から予め設定された時間間隔毎に「降水確率」あるいは「氾濫確率」を含む災害予測情報が受信された際に、当該「降水確率」あるいは「氾濫確率」に応じて降雨リスク情報あるいは浸水リスク情報を提供すべき適切なユーザP(ユーザID)を決定し、決定したユーザIDのユーザ端末40へ降雨リスク情報あるいは浸水リスク情報を提供する構成とした。
これに限らず、災害予測情報提供サーバ10のユーザ管理情報DB13cに、商業施設を利用する顧客であるユーザPのユーザIDに対応付けて、商業施設サーバシステム20から取得した来店フラグ、最終来店日時、駐車位置番号(含む配置情報)、コスト値(C)、ロス値(L)、コストロス比(C/L)、およびリスク選好値(RS)を記憶させる。そして、災害予測情報提供サーバ10自身にて取得される「降水確率」あるいは「氾濫確率」に応じて、第1実施形態と同様に、降雨リスク情報あるいは浸水リスク情報を提供すべき適切なユーザP(ユーザID)を決定し、決定したユーザIDのユーザ端末40へ、商業施設サーバシステム20を介して、降雨リスク情報あるいは浸水リスク情報を提供する構成としてもよい。
(実施形態のまとめ)
実施形態のリスク情報提供システムRISによれば、車両Mで来店したユーザPに対して、災害予測情報提供サーバ10から得られた「降水確率」が、ユーザPのコストロス比(C/L)を上回る場合には、ユーザPが「降雨」災害を受ける損失感よりも、ユーザPが対策のために行動することへの負担感が低くなると判定し、当該ユーザPを対象に適切な降雨リスク情報とその回避行動のための情報を提供できる。また、車両Mで来店したユーザPに対して、災害予測情報提供サーバ10から得られた「氾濫確率」が、ユーザPのコストロス比(C/L)を上回る場合には、ユーザPが「車両の浸水」災害を受ける損失感よりも、ユーザPが対策のために行動することへの負担感が低くなると判定し、当該ユーザPを対象に適切な浸水リスク情報とその回避行動のための情報を提供できる。
よって、災害予測情報の受け手に対し、“命を守る避難行動”に先行して経済的な原則に則った“財産を守る行動”を誘発することにより、避難の早期化・分散化を図ることが可能になる。
なお、第1実施形態および第2実施形態のリスク情報提供システムRISでは、災害予測情報が「降水確率」あるいは「氾濫確率」である場合を仮定し、ユーザPが車両Mを駐車した駐車場の配置情報を含む駐車位置情報に基づき、雨に濡れる可能性のあるユーザPには「降雨リスク情報」を、車両Mが浸水する可能性のあるユーザPには「浸水リスク情報」を提供する構成としたが、災害予測情報が「降水確率」あるいは「氾濫確率」に限らず、リスク情報が「降雨リスク情報」あるいは「浸水リスク情報」に限らないのは勿論である。
また、第1実施形態および第2実施形態のリスク情報提供システムRISでは、ユーザPのコストロス比(C/L)またはリスク選好値(RS)に基づいて、ユーザそれぞれの災害に関する価値観または許容度に応じて適切にリスク情報を提供する構成としたが、これに限らず、コストロス比(C/L)とリスク選好値(RS)とを組み合わせ、例えば、災害予測情報の確率がコストロス比(C/L)またはリスク選好値(RS)の何れかの値を超えた場合に、該当するユーザにリスク情報を提供する構成としてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
RIS…リスク情報提供システム、10…災害予測情報提供サーバ、13a…水文情報DB、13b…AI学習モデルDB、20…商業施設サーバシステム、21…防災用サーバ、22…SNS用サーバ、23…サービスサーバ、24a…店舗情報DB、24b…駐車場管理情報DB、24c…ユーザ管理情報DB、24d…メッセージ管理DB、24e…災害予測情報DB、30…SNS-ChatBotサーバ、40…ユーザ端末。

Claims (7)

  1. ユーザ端末との通信機能を有するサーバを備え、
    前記サーバは、
    ユーザの財産の位置情報を取得する財産位置情報取得手段と、
    ユーザの財産に損害が及ばないようにするために当該ユーザが行なう対策へのユーザの負担感の度合いをコスト値として取得するコスト値取得手段と、
    前記対策を行なわずに前記財産に損害が及ぶことまたはそれに係る不利益をユーザが被ることへのユーザの損失感の度合いをロス値として取得するロス値取得手段と、
    災害予測情報の確率を取得する災害予測確率取得手段と、
    前記財産位置情報取得手段により取得された前記財産の位置情報に対応する位置が、前記災害予測情報に関係して前記財産に損害が及んだり、それに関連する不利益をユーザが被ったりする可能性がある場合であって、前記災害予測確率取得手段により取得された災害予測情報の確率が、前記コスト値取得手段により取得されたコスト値と前記ロス値取得手段により取得されたロス値とのコストロス比を上回った場合に、前記ユーザ端末へ前記財産に損害が及ぶ可能性を知らせるリスク情報を送信する第1リスク情報送信手段と、
    前記ユーザのリスク選好値を取得するリスク選好値取得手段と、
    前記財産位置情報取得手段により取得された前記財産の位置情報に対応する位置が、前記災害予測情報に関係して前記財産に災害が及んだり、それに関連する不利益をユーザが被ったりする可能性がある場合であって、前記災害予測確率取得手段により取得された災害予測情報の確率が、前記リスク選好値取得手段により取得された前記ユーザのリスク選好値以上である場合に、前記ユーザ端末へ前記財産に損害が及ぶ可能性を知らせるリスク情報を送信する第2リスク情報送信手段と、
    を備えたリスク情報提供システム。
  2. 前記コスト値取得手段により取得するコスト値と前記ロス値取得手段により取得するロス値とは、前記ユーザ端末に表示させるアンケートに基づいて当該ユーザ端末から取得する、
    請求項1に記載のリスク情報提供システム。
  3. 前記リスク選好値取得手段により取得する前記ユーザのリスク選好値は、商業施設サーバシステムにおける前記ユーザの購買動向の分析に基づき取得する、
    請求項1または請求項2に記載のリスク情報提供システム。
  4. 前記財産位置情報取得手段は、ユーザの車両の位置情報を取得する車両位置情報取得手段であり、
    前記コスト値取得手段は、前記ユーザの車両に降雨または浸水が及ばないようにするための対策として当該車両をユーザが移動することへのユーザの負担感の度合いをコスト値として取得し、
    前記ロス値取得手段は、前記対策を行なわずに前記車両に降雨または浸水が及ぶことまたはそれに係る不利益をユーザが被ることへのユーザの損失感の度合いをロス値として取得し、
    前記災害予測確率取得手段は、降水確率または氾濫確率を取得し、
    前記第1リスク情報送信手段は、前記車両位置情報取得手段により取得された前記車両の位置情報に対応する位置が、前記車両に降雨または浸水が及んだり、それに関連する不利益をユーザが被ったりする可能性がある場合であって、前記災害予測確率取得手段により取得された降水確率または氾濫確率が、前記コスト値取得手段により取得されたコスト値と前記ロス値取得手段により取得されたロス値とのコストロス比を上回った場合に、前記ユーザ端末へ前記車両に降雨または浸水が及ぶ可能性を知らせる降雨リスク情報または浸水リスク情報をその回避行動のための情報と共に送信する、
    請求項1ないし請求項の何れか一項に記載のリスク情報提供システム。
  5. 前記サーバは、相互に通信機能を有する第1サーバと第2サーバとを含み、
    前記第1サーバは、前記災害予測確率取得手段を備え、
    前記第2サーバは、前記財産位置情報取得手段と、前記コスト値取得手段と、前記ロス値取得手段と、前記第1リスク情報送信手段とを備える、
    請求項1ないし請求項の何れか一項に記載のリスク情報提供システム。
  6. 前記サーバは、相互に通信機能を有する第1サーバと第2サーバとを含み、
    前記第1サーバは、前記コスト値取得手段と、前記ロス値取得手段と、前記災害予測確率取得手段と、前記第1リスク情報送信手段とを備え、
    前記第2サーバは、前記財産位置情報取得手段を備える、
    請求項1ないし請求項の何れか一項に記載のリスク情報提供システム。
  7. ユーザ端末との通信機能を有するサーバにより、
    ユーザの財産の位置情報を取得し、
    ユーザの財産に損害が及ばないようにするために当該ユーザが行なう対策へのユーザの負担感の度合いをコスト値として取得し、
    前記対策を行なわずに前記財産に損害が及ぶことまたはそれに係る不利益をユーザが被ることへのユーザの損失感の度合いをロス値として取得し、
    災害予測情報の確率を取得し、
    前記財産の位置情報に対応する位置が、前記災害予測情報に関係して前記財産に損害が及んだり、それに関連する不利益をユーザが被ったりする可能性がある場合であって、前記災害予測情報の確率が、前記コスト値と前記ロス値とのコストロス比を上回った場合に、前記ユーザ端末へ前記財産に損害が及ぶ可能性を知らせるリスク情報を送信
    前記ユーザのリスク選好値を取得し、
    前記財産の位置情報に対応する位置が、前記災害予測情報に関係して前記財産に災害が及んだり、それに関連する不利益をユーザが被ったりする可能性がある場合であって、前記災害予測情報の確率が、前記取得された前記ユーザのリスク選好値以上である場合に、前記ユーザ端末へ前記財産に損害が及ぶ可能性を知らせるリスク情報を送信する、
    ようにしたリスク情報提供方法。
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