以下に、実施の形態にかかる空気清浄機を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
(空気清浄機の全体構成)
図1は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の外観を示す図であり、空気清浄機1を下方から見た斜視図である。図2は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の外観を示す図であり、空気清浄機1を上方から見た斜視図である。図3は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の構成の概略を示す構成図であり、図1におけるIII-III線に沿った断面に対応する図である。なお、図3においては、理解の容易のために一部のハッチングを省略している。
空気清浄機1は、壁面500および天井面に据え付け可能であり、室内空気の汚染を除去して室内の空気環境を清浄化する空気清浄機である。空気清浄機1は、空気清浄機1の外郭を構成する筐体10を有する。筐体10は、筐体本体11と、前面パネル12とにより構成されて直方体形状を有する。筐体10は、樹脂により構成され、奥行き方向の寸法が幅方向の寸法および高さ方向の寸法よりも小さい直方体形状を有する。
空気清浄機1の幅方向は、筐体10の幅方向に対応し、図1から図3におけるX軸方向に対応する。空気清浄機1の幅方向は、左右方向と換言できる。空気清浄機1の奥行き方向は、筐体10の奥行き方向に対応し、図1から図3におけるY軸方向に対応する。空気清浄機1の奥行き方向は、空気清浄機1の厚さ方向または筐体10の厚さ方向と換言できる。空気清浄機1の高さ方向は、筐体10の高さ方向に対応し、図1から図3におけるZ軸方向に対応する。空気清浄機1が壁面500に据え付けられる場合、空気清浄機1の高さ方向は、上下方向であり、鉛直方向に平行な方向である。空気清浄機1が天井面に据え付けられる場合、空気清浄機1の高さ方向は、水平方向に平行な方向に対応する。また、空気清浄機1では、奥行き方向において前面パネル12が位置する側が前面側であり、奥行き方向において前面パネル12が位置する側と反対側が背面側である。左右方向は、空気清浄機1を前面側から見た場合の左右方向とする。
筐体本体11は、一面が開口された直方体形状を有する、筐体10を構成する第1の部品である。図1および図2に示すように、筐体10は、上面10a、下面10b、第1側面10c、第2側面10d、前面10e、および背面10fを有する。第1側面10cは、前面側から見て左側の側面である。第2側面10dは、前面側から見て右側の側面である。第1側面10cと第2側面10dとは、筐体10の幅方向において対向する一対の側面である。前面10eは、前面パネル12によって構成されている。筐体本体11は、前面側の一面、すなわち筐体10における前面10eに対応する側の面が開口されている。なお、上面10a、下面10b、第1側面10c、第2側面10dおよび背面10fのそれぞれは、筐体本体11の上面、筐体本体11の下面、筐体本体11の第1側面、筐体本体11の第2側面および筐体本体11の背面ととらえることもできる。
空気清浄機1は、背面10fが壁面500に対向した状態で、壁面500に据え付けられる。具体的に、空気清浄機1は、上面10aが鉛直方向上側を向き、下面10bが鉛直方向下側を向き、前面10eおよび背面10fが鉛直方向に平行であり、背面10fが壁面500に対向した状態で、壁面500に据え付けられる。したがって、空気清浄機1が壁面500に設置される場合に、筐体10における前面パネル12と対向する背面10fが、壁面500と対向する対向面とされる。
筐体10は、筐体10の内部に室内の空気を取り込むための開口部である吸込口13が第1側面10cに形成されている。すなわち、筐体本体11は、開口された一面に左側に隣り合う側面である筐体本体11の第1側面に吸込口13が形成されている。また、筐体10は、筐体10の内部の空気を筐体10の外部に吹き出すための開口部である吹出口14が下面10bに形成されている。すなわち、筐体本体11は、壁面500に据え付けられ状態で鉛直方向下側に向かって開口された吹出口14が形成されている。
前面パネル12は、筐体本体11における開口された一面を覆う蓋であり、筐体10を構成する第2の部品である。すなわち、空気清浄機1の前面および筐体10の前面10eは、前面パネル12により構成されている。空気清浄機1は、前面パネル12が前面側に開くことにより、筐体10の内部に収納された各構成部にアクセス可能とされている。
空気清浄機1は、壁面500に後述する据付金具400を介して据え付けられる。壁面500への空気清浄機1の据え付けに据付金具400が必要な理由は、以下の理由が挙げられる。第1の理由は、空気清浄機1と壁面500との固定範囲を幅広くすることにより、空気清浄機1と壁面500とのねじ固定を強固にすることである。第2の理由は、空気清浄機1を傾きなく適正な姿勢で壁面500に据え付けるためには精度良く空気清浄機1をねじ固定する必要があるが、据え付け作業時に空気清浄機1の質量を支えながらねじ固定位置を定めることが困難なため、軽量な部品で精度良く空気清浄機1の固定位置を定めることである。すなわち、壁面500への空気清浄機1の据え付けに据付金具400が必要な理由は、ガタつきまたは外れなどの不安なく、据え付け位置のずれおよび据え付け角度のずれが無い、安全で精度良い空気清浄機1の設置が容易にできるようにするためである。
空気清浄機1は、筐体10の内部に、集塵部100と、送風機200と、回路部300と、を備える。集塵部100と送風機200と回路部300とは、筐体10の幅方向において、吸込口13が形成された第1側面10c側からこの順で収納されている。すなわち、集塵部100と送風機200と回路部300とは、第1側面10cから第2側面10dに向かう方向において、この順で収納されている。
空気清浄機1は、筐体10の内部に、表示発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)、操作スイッチ、リモコン受光部、センサ、電気集塵機電源といった複数の電気部品を備える。上記の電気部品のそれぞれは、後述する回路部300の弱電回路基板332または操作スイッチ回路基板333と、電気配線によって接続されている。
表示LEDは、空気清浄機1の運転風量の表示、および室内空気の汚染度の状態の表示など、空気清浄機1の運転に関わる各種情報を表示する表示部として機能する。操作スイッチは、空気清浄機1の電源のオンあるいはオフ、空気清浄機1の運転風量、および空気清浄機1の自動運転モードと手動運転モードとの切替などの操作を行うための操作部である。センサは、室内空気中の塵埃、室内空気中の臭気および室内空気の二酸化炭素(CO2)の汚染度といった、室内空気の空気質を検知する検出部である。電気集塵機電源は、集塵部100の後述する電気集塵機120に放電するための高圧電源を供給する電源部である。
集塵部100は、筐体10の内部において、筐体10の幅方向における第1側面10c側に配置されている。すなわち、集塵部100は、筐体10の内部において、筐体10の幅方向における吸込口13側に収納されている。集塵部100は、メッシュフィルタ110と、電気集塵機120と、脱臭フィルタ130と、を備える。メッシュフィルタ110と電気集塵機120と脱臭フィルタ130とは、筐体10の幅方向において、吸込口13が形成された第1側面10c側からこの順で収納されている。すなわち、メッシュフィルタ110と電気集塵機120と脱臭フィルタ130とは、第1側面10cから第2側面10dに向かう方向において、この順で収納されている。そして、メッシュフィルタ110と電気集塵機120と脱臭フィルタ130とは、空気清浄機1の内部に吸い込まれる気流の風上側からこの順で収納されているといえる。
メッシュフィルタ110は、空気清浄機1の内部に吸い込まれる空気内の塵埃またはほこりなどの不純物を取り除き、空気清浄機1の内部に吸い込まれる空気を濾過して清浄化する。メッシュフィルタ110は、メッシュフィルタ110の圧力損失を考慮した場合にはメッシュが粗い素材が用いられることが好ましい。一方、メッシュフィルタ110は、後段の電気集塵機120の定期メンテナンスを考慮すると、電気集塵機120の異極電極間での塵埃による橋渡しに起因した電気的な短絡を防ぐために、目開き寸法は0.5mm程度が好ましい。
電気集塵機120は、空気清浄機1の内部に吸い込まれる空気内の塵埃またはほこりなどの不純物を取り除き、空気清浄機1の内部に吸い込まれる空気を清浄化する。電気集塵機120は、空気清浄機1の内部に吸い込まれる空気の中に含まれる各種の微粒子に電荷を与え、集塵極に引き寄せることで微粒子を捕集する。
電気集塵機120は、放電極である放電部正極121と、集塵極である放電部負極122と、後述する図5に示す電気集塵機電源部123と、を有する。電気集塵機120では、放電部正極121と放電部負極122との間に高電圧がかけられると、コロナ放電によってプラス(+)の電荷を持つイオンが発生する。このプラス(+)の電荷を持つイオンと結合してプラス(+)の電荷を持つようになった周囲に漂う微粒子がマイナス(-)の電荷を持った放電部負極122へ引き寄せられて付着および堆積することで、空気が清浄化される。
脱臭フィルタ130は、空気清浄機1の内部に吸い込まれる空気の臭いの吸着および分解を行い、空気中に含まれる臭い成分の濃度低減、および空気中に含まれる臭い成分の低臭気物質への化学変化により、脱臭を行う。
送風機200は、吸込口13から筐体10の内部に吸い込まれて、集塵部100を通って吹出口14から筐体10の外部に吹き出される気流を生成する。送風機200には、遠心送風機が用いられる。送風機200は、ファンケーシング201の内部に、ファン202とモータ203とが収納されている。送風機200は、ファンケーシング201においてファン202側に設けられた吸込口から空気が吸い込まれる。ファンケーシング201における前面パネル12に対向する面には、送風機200の吸込口を構成し、集塵部100を通って送風機200のファン202に向かう気流を案内するベルマウス204が設けられている。そして、集塵部100における送風機200側には、集塵部100側からベルマウス204に向かう気流を案内する風路壁150が、ファンケーシング201における集塵部100側の面に接続して設けられている。ベルマウス204は、吸込口13から吸い込まれて集塵部100を通って流れてくる気流の送風機200への吸込みを案内する導風路といえる。
図4は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の送風機200における風の流れを説明する斜視図である。図4では、空気清浄機1から前面パネル12が取り外された状態を示している。送風機200のファン202がモータ203によって駆動されることで、図3中および図4中に矢印で向きを示す作動流体流れのように、吸込口13から筐体10の内部に空気が流入する。筐体10の内部に流入した空気は、送風機200の吸込口からファン202に吸い込まれ、吹出口14に向かって吹き出される。
図5は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の回路部300の構成を説明する斜視図である。図6は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の回路部300の構成を説明する斜視図であり、図5で示した状態から弱電回路基板用樹脂ケース342が取り外された状態を示す斜視図である。図7は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の斜視図であり、図6で示した状態から送風機200およびにおいセンサ334のカバー344が取り外された状態を示す斜視図である。図7では、操作スイッチ回路用配線351と、モータ用配線352と、電気集塵機電源部用配線353と、においセンサ用配線354と、が併せて示されている。
図8は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の回路部300の構成を説明する斜視図であり、図7で示した状態から弱電回路基板332と操作スイッチ回路基板333と強電回路基板用樹脂ケース341とが取り外された状態を示す斜視図である。図9は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の回路部300の構成を説明する斜視図であり、図8で示した状態から板金ケース343が取り外された状態を示す斜視図である。図10は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の回路部300の構成の概略を示す模式断面図であり、図5におけるIX-IX線に沿った断面図である。なお、図10では、前面パネル12およびパネル回転軸15を併せて示している。図11は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の板金ケース343を示す斜視図である。図8および図9では、操作スイッチ回路用配線351と、モータ用配線352と、電気集塵機電源部用配線353と、においセンサ用配線354とは記載していない。図5から図9では、空気清浄機1から前面パネル12が取り外された状態を示している。
回路部300は、空気清浄機1の動作を制御するための構成部である。回路部300は、筐体10の内部において、筐体10の幅方向における第2側面10d側に配置されている。すなわち、回路部300は、筐体10の内部において、筐体10の幅方向における送風機200を挟んで吸込口13と反対側に収納されている。回路部300は、空気清浄機1に実装された電気部品の動作を制御する。回路部300は、電源接続部310と、制御回路部320と、を有する。
電源接続部310は、空気清浄機1の不図示の外部電源から空気清浄機1の電源を取り込むための空気清浄機1の電源コードである電源ケーブル511が接続される接続部である。電源接続部310は、ビニル絶縁ビニルシース(Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type:VVF)ケーブルなどのケーブルを用いて外部電源と接続される。
制御回路部320は、空気清浄機1の動作を制御する制御回路、すなわち空気清浄機1に実装された電気部品である、送風機200のモータ203および後述する他の電気部品を制御するための制御回路を備える。制御回路部320は、強電回路基板331と、弱電回路基板332と、操作スイッチ回路基板333と、強電回路基板用樹脂ケース341と、弱電回路基板用樹脂ケース342と、板金ケース343と、を有する。
強電回路基板331は、強電回路が実装された基板である。実施の形態1にかかる強電回路基板331は、電源接続部310に接続され、外部電源から電源が供給される。強電回路基板331は、空気清浄機1に実装された電気部品のうち駆動電流の電流値が相対的に大きい送風機200のモータ203を駆動するための駆動電源を、外部電源から供給される電源を用いて生成する電源生成装置としての機能を有する。強電回路基板331は、生成した駆動電源をモータ203に供給する。
弱電回路基板332は、弱電回路が実装された基板である。実施の形態1にかかる弱電回路基板332は、不図示のトランスを介して電源接続部310に接続され、外部電源から電源が供給される。弱電回路基板332は、空気清浄機1に実装された電気部品のうち駆動電流の電流値が相対的に小さい、表示LED、操作スイッチ、センサ、電気集塵機120といった電気部品を駆動するための駆動電源を、外部電源から供給される電源を用いて生成する電源生成装置としての機能を有する。すなわち、弱電回路基板332は、モータ203よりも駆動電流が小さい電気部品を駆動するための駆動電源を、外部電源から供給される電源を用いて生成する電源生成装置として機能を有する。弱電回路基板332は、生成した駆動電源を、表示LED、操作スイッチ、センサ、電気集塵機120といった電子部品に供給する。
強電回路とは、国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission:IEC)のIEC-60335規格において定められている、42.4Vを超える電圧の回路のことである。弱電回路は、IEC-60335規格において定められている、42.4V以下の電圧の回路のことである。
操作スイッチ回路基板333は、空気清浄機1の動作などの情報を表示する表示部として機能するLEDおよび空気清浄機1の動作などを操作するための操作スイッチを備え、当該表示LEDおよび操作スイッチを制御する基板である。操作スイッチ回路基板333は、弱電回路が実装された弱電回路基板である。
強電回路基板用樹脂ケース341は、樹脂により構成され、強電回路基板331の前面側および側面側を、板金ケース343の上から覆うことで、強電回路基板331を外部から絶縁して保護する。
弱電回路基板用樹脂ケース342は、樹脂により構成され、弱電回路基板332と操作スイッチ回路基板333とを前面側および側面側から覆うことで、弱電回路基板332と操作スイッチ回路基板333とを外部から絶縁して保護する。
板金ケース343は、金属板により構成され、強電回路基板331の前面側および側面側を覆い、強電回路基板331を保護する。板金ケース343は、接地線512が接続されることで接地されている。なお、板金ケース343を前面側、背面側および側面側から覆うことも可能である。
操作スイッチ回路用配線351は、操作スイッチ回路基板333と弱電回路基板332とを個別に接続する配線である。モータ用配線352は、送風機200のモータ203と弱電回路基板332とを個別に接続する配線である。電気集塵機電源部用配線353は、電気集塵機120の電気集塵機電源部123と弱電回路基板332とを個別に接続する配線である。においセンサ用配線354は、においセンサ334と弱電回路基板332とを個別に接続する配線である。
つぎに、上記のように構成される実施の形態1にかかる空気清浄機1の特徴について説明する。
(風路構成)
まず、空気清浄機1における風路構成について説明する。上述したように、空気清浄機1においては、吸込口13が第1側面10cに形成され、集塵部100と送風機200と回路部300とが、筐体10の幅方向において第1側面10c側からこの順で収納されている。すなわち、空気清浄機1では、筐体10の幅方向において、吸込口13が筐体10の側方に配置され、送風機200が中央に配置され、集塵部100が吸込口13と送風機200との間に配置され、回路部300が送風機200を挟んで集塵部100と反対側に配置されている。
このため、空気清浄機1では、前面側から見た場合に、前面パネル12の面内方向において、集塵部100と送風機200と回路部300とのそれぞれが互いに重なることが無い。これにより、空気清浄機1では、筐体10の奥行き方向における寸法を小さくすることができ、筐体10の奥行き方向における厚さ寸法を薄くすることが可能であり、空気清浄機1が設置される設置面である壁面500からの張り出し寸法の小型化が可能である。したがって、空気清浄機1では、室内の壁面500に据え付けられた状態における壁面500からの張り出し量を少なくすることができ、室内の在室者に圧迫感を与えることがなく、設置面からの張り出し寸法の小型化が可能である。すなわち、空気清浄機1では、空気清浄機1が設置される設置面からの張り出し寸法が小さく、室内の在室者に圧迫感を与えることがない空気清浄機1が実現できる。
例えば、空気清浄機1とは異なり、送風機200と集塵部100とが壁面500の面内方向において重なるように配置されている一般的な空気清浄機を想定する。この場合は、上述した空気清浄機1の構成に比べて、筐体10の奥行き方向における厚さ寸法が大きくなる。
すなわち、当該一般的な空気清浄機では、送風機200と集塵部100とを筐体10の奥行き方向に積み重ねた配置で収納可能な筐体10が必要となる。そして、筐体10の奥行き寸法は、少なくとも送風機200と集塵部100とを筐体10の奥行き方向に積み重ねた寸法に筐体10の前面パネル12の板厚と背面10fとの板厚とが加わった寸法となる。このため、当該一般的な空気清浄機が室内の壁面500に据え付けられた場合には、空気清浄機1に比べて壁面500からの張り出し量を少なくすることができず、室内の在室者に圧迫感を与えることになり、設置面からの張り出し寸法の小型化ができない。
一方、空気清浄機1では、筐体10の奥行き方向における、送風機200の寸法と、送風機手前の風路寸法と、筐体10の前面パネル12の板厚と、背面10fとの板厚とが加わった寸法のみとなる。このため、空気清浄機1では、一般的な空気清浄機の寸法よりも奥行き方向における寸法を小さくすることができる。
筐体10の奥行き方向における送風機手前の風路寸法は、筐体10の奥行き方向における風路境界開口部31aの寸法である。風路境界開口部31aは、吸込口13から送風機200のベルマウス204までの風路である吸込風路31における、吸込口13から送風機200へ向かう風の流れ方向における、集塵部100と送風機200との境界である。また、筐体10の奥行き方向における送風機手前の風路寸法は、送風機200のファンケーシング201の上面201uと前面パネル12の内面12aとの間の寸法と換言できる。
空気清浄機1では、送風機200の奥行寸法と送風機手前の風路寸法との合計の寸法が、送風機200が配置された領域の奥行寸法に決定される。また、空気清浄機1の集塵部100は、集塵性能に必要な風速から必要面積が算出され、縦方向の寸法、すなわち高さ方向の寸法が決定される。集塵部100の集塵性能は、一般的に風速に依存し、空気清浄機の適用空間から集塵性能と風量の値とが決まってくる。このため、集塵部100は、上記の計算方法によって、縦方向の寸法、すなわち高さ方向の寸法が決定されることになる。実際の筐体10の奥行き寸法は、上述した一般的な空気清浄機が例えば180mm必要となる場合、空気清浄機1では130mmとすることができる。
したがって、空気清浄機1は、筐体10の奥行き寸法を薄くすることにより、室内において空気清浄機1が占めるスペースを少なくし、また、室内の在室者に圧迫感を与えることなく、室内の空気清浄を行うことができるため、快適な空気環境空間の提供が可能になる。
また、筐体の下面に室内空気の吸込口がある空気清浄機を想定する。室内においては、壁面500に据え付けられた空気清浄機の下方に、カーペット等の繊維材料を使用している床の敷物が配置されている場合が有り得る。壁面500に据え付けられた空気清浄機の下方に室内空気の吸込口がある場合には、空気清浄機が室内空気と共に敷物の繊維を吸い込むことにより、集塵部の余計な定期メンテナンスが必要になる。床の敷物からは大量の繊維材が発生する。このため、筐体の下面に室内空気の吸込口がある空気清浄機は、多くの繊維材を吸い込むことになり、本来の集塵の対象である空気中の塵埃量よりもはるかに多くの繊維材で集塵部の目詰まり等が引き起こされ、余計な定期メンテナンスが必要になる。
一方、空気清浄機1では、筐体10の側方に吸込口13が配置されており、具体的に筐体10の第1側面10cに吸込口13が配置されている。このような構成を有する空気清浄機1では、筐体の下面に室内空気の吸込口がある空気清浄機と比較して、吸込口13から敷物の繊維を吸込み難くなるため、敷物の繊維の吸込みに起因した集塵部100の余計な定期メンテナンスが不要になる。
上記のように構成される空気清浄機1の効果は、特に壁面500に設置される場合には、設置の床スペースを必要とせず、また空気清浄機1の厚み寸法が薄いことにより壁面500からの突出寸法が小さいため、室内の在室者に与える圧迫感の減少効果も高い。また、壁面500に設置された空気清浄機1は、床の敷物からも距離が離隔されるため、敷物の繊維材に起因した集塵部100の目詰まり防止効果が大きい。
(構成部の配置)
つぎに、空気清浄機1における構成部の配置について説明する。上述したように、空気清浄機1は、回路部300が送風機200を挟んで吸込口13と反対側の第2側面10d側に配置されているため、流れる電流の電流値が大きい電源接続部310と制御回路部320とを空気清浄機1における風路から離隔することができ、高い安全性が得られる。
電気製品における発煙あるいは発火は、電気製品に流れる電流が直接発熱量に関係するため、電気製品に流れる電流の電流値が大きいほど発生しやすい。また、電気製品において電気部品が風路内にあると、送風される空気中に含まれる埃、イオン化物質および水分のうち少なくとも1種が電気部品に付着し、トラッキングと呼ばれる異極間での絶縁低下が徐々に起こり、やがて発熱に至る可能性がある。空気清浄機1では、大きな電流が流れる電気部品は、電源接続部310と制御回路部320と送風機200のモータ203となる。
空気清浄機1では、適切な安全対策が施され、また電源接続部310と制御回路部320とを含む回路部300が送風機200を挟んで吸込口13と反対側の第2側面10d側に配置されているため、大きな電流の流れる電気部品を、吸込口13より始まる風路から離隔することができる。送風機200のモータ203は、ファンケーシング201の内部の収納されており、吸込口13から送風機200までの風路である吸込風路31の外側に位置するため、風路から離隔されている。以上のことより、空気清浄機1では、大きな電流が流れる電気部品が風路から離隔されるため、高い安全性を得ることができる。
(集塵部)
つぎに、空気清浄機1における集塵部100について説明する。上述したように、空気清浄機1は、集塵部100として電気集塵機120を備える。空気清浄機1は、集塵部100に電気集塵機120を用いることにより、消費電力および騒音が小さい、運転特性の良い空気清浄機1を実現できる。電気集塵機120は、電気のクーロン力を集塵の原理とする。
一般的に空気清浄機に使用される不織布フィルタは、圧力損失が大きい。このため、不織布フィルタを用いる空気清浄機は、必要風量を得るために、不織布フィルタを通過する空気の通過風速を下げて低圧損化する必要、すなわち不織布フィルタを大きなサイズとする必要がある。不織布フィルタを用いる空気清浄機では、必要風量を得るために、不織布フィルタのプリーツ形状化または不織布フィルタの材料に帯電材料を使用することが行われる場合もあるが、大幅な改善効果が得られた空気清浄機は現時点で得られていない。
不織布フィルタのサイズが、必要風量が得られるサイズよりも小さいサイズである空気清浄機では、風量確保のために、送風機のモータを高速で回転する必要があり、消費電力または騒音が大きくなる。これは、不織布フィルタが塵埃との慣性衝突を原理に集塵を行うことによるものである。
一方、電気集塵機120は、電気のクーロン力を集塵の原理として集塵を行うため、不織布フィルタと比較して、圧力損失が小さく、小サイズで消費電力および騒音が小さい、運転特性の良い空気清浄機1を実現できる。これにより、空気清浄機1では、集塵部100として電気集塵機120を用いることにより、不織布フィルタと比較して、圧力損失が小さく、小サイズで消費電力および騒音が小さい、運転特性の良い空気清浄機1が実現されている。
また、空気清浄機1では、集塵部100として、空気の臭いの吸着および分解によって空気中に含まれる臭い成分を除去する脱臭フィルタ130を付加しているため、脱臭の機能を持たせることも可能になる。
また、塵埃との慣性衝突を集塵の原理とする集塵フィルタであるメッシュフィルタ110では、目詰まりによる圧力損失上昇が、定期メンテナンスが必要な理由となる。電気のクーロン力を集塵の原理とする電気集塵機120では、異極電極間である放電部正極121と放電部負極122との間での塵埃による橋渡しに起因した電気的な短絡、または放電電極を絶縁物質が覆うことによる電気的な絶縁が、定期メンテナンスが必要な理由となる。脱臭フィルタ130では、前述のメッシュフィルタ110と同様な目詰まりによる圧力損失上昇と、臭気の吸着用の細かな空隙が埋め尽くされることとが、定期メンテナンスが必要な理由となる。
集塵を目的とするメッシュフィルタ110および電気集塵機120と、気体の臭いの除去を目的とする脱臭フィルタ130とは、集塵部100に流れる気流の風上側から、メッシュフィルタ110、電気集塵機120、脱臭フィルタ130の順で配置される。このような配置とすることにより、メッシュフィルタ110において塵埃が集塵された空気が電気集塵機120に流れる。電気集塵機120では、メッシュフィルタ110で集塵できなかった細やかな塵埃が、集塵される。そして、メッシュフィルタ110と電気集塵機120とにおいて塵埃が集塵された空気が、脱臭フィルタ130に流れる。
これにより、脱臭フィルタ130における塵埃による目詰まりに起因した圧力損失上昇を抑制することができ、脱臭フィルタ130における脱臭機能の低下を抑制することができる。これにより、空気清浄機1では、脱臭フィルタ130における塵埃による目詰まりに起因した脱臭フィルタ130のメンテナンスの発生を抑制できるため、脱臭フィルタ130の定期メンテナンスの実施間隔を長期化でき、集塵部100の定期メンテナンスの実施間隔を長期化できる。
塵埃は、空気中に浮遊している粒状物であり、煙、生物の皮膚、生物の毛、PM(Particulate Matter)2.5に代表される微小粒子状物質、花粉、ダニ、カビ、ウイルス、菌とこれらの破砕物または噴出物等の粒子状の物質を含む。
また、メッシュフィルタ110は、相対的に大きな粒子を集塵する特性を有する大粒子メッシュフィルタと、相対的に小さな粒子を集塵する特性を有する小粒子メッシュフィルタと、を備える。この場合、集塵部100に流れる気流の風上側から、大粒子メッシュフィルタ、小粒子メッシュフィルタの順で配置されることにより、相対的に小さな粒子を集塵する特性を有する小粒子メッシュフィルタにおける、本来の集塵対象ではない相対的に大きな粒子による目詰まりに起因した圧力損失上昇を防止することができる。これにより、空気清浄機1では、メッシュフィルタ110における相対的に大きな粒子による目詰まりに起因したメンテナンスの発生を防止できるため、メッシュフィルタ110の定期メンテナンスの実施間隔を長期化できる。
上述したメッシュフィルタ110と電気集塵機120と脱臭フィルタ130との配置の形態は、集塵性能と製品サイズとを実用的な空気清浄機1の値とした際に定期メンテナンスの実施間隔の長期化に適した配置形態の1つである。
さらに、脱臭フィルタ130を酸化触媒系のフィルタとすることにより、電気集塵機120の後段に脱臭フィルタ130を配置する利点が得られる。電気集塵機120の異極電極間では、コロナ放電が空気中の酸素に作用してオゾンが発生するが、オゾンは風の流れに沿って後段の脱臭フィルタ130に到達する。
電気集塵機120の後段に脱臭フィルタ130を配置する利点の1つは、電気集塵機120から発生するオゾンの酸化作用を利用して脱臭フィルタ130の脱臭性能を維持し、脱臭フィルタ130の定期メンテナンスの実施間隔を長期化することである。電気集塵機120の後段に脱臭フィルタ130を配置する他の利点は、電気集塵機120から発生するオゾンは人体に有毒でもあるが、空気清浄機1からのオゾンの吹出し濃度を低減して、空気清浄機1からの吹出し空気の人体に対する安全性を確保することである。
脱臭フィルタ130では、臭いの吸着および分解を行い、空気中に含まれる臭い成分の濃度低減、および空気中に含まれる臭い成分の低臭気物質への化学変化により、脱臭を行う。空気中に含まれる臭い成分の低臭気物質への化学変化については、空気中の酸素による酸化が一般的である。酸化触媒系の脱臭フィルタでは、酸化を補助する触媒成分を脱臭フィルタの表面に有し、空気中に含まれる臭い成分の酸化の化学変化を促す。
ここで、空気中に含まれる臭い成分の分解の化学変化の例として、空気中に含まれる代表的な臭い成分であるアンモニアの酸化について説明する。アンモニアは、空気中の酸素によって「4NH3+3O2→2N2+6H2O」の化学式に示されるように窒素と水とに分解される。また、アンモニアは、オゾンによっても同様に、「2NH3+O3→N2+3H2O」の化学式に示されるように窒素と水とに分解される。したがって、空気清浄機1では、電気集塵機120の後段に脱臭フィルタ130を配置することにより、電気集塵機120から発生するオゾンの酸化作用を利用して脱臭フィルタ130の脱臭性能を維持することができ、脱臭フィルタ130の定期メンテナンスの実施間隔を長期化することができる。
一方、オゾンは濃度が高くなると人体に悪影響を及ぼすことがある。しかしながら、酸化触媒系の脱臭フィルタ130では、「2O3→3O2」の化学式に示されるようにオゾンの酸素への分解も急速に行われるため、空気清浄機1からのオゾンの吹出し濃度を低減し、人体に対する安全性を確保することができる。
(前面パネル)
つぎに、空気清浄機1における前面パネル12について説明する。上述したように、空気清浄機1の筐体10は、前面パネル12を有する。筐体10には、図10に示すように、軸受16に支持されたパネル回転軸15が上部に設けられており、パネル回転軸15を中心として前面パネル12の下部が前面側上方に回転開口可能とされている。空気清浄機1は、前面パネル12が前面側に開くことにより、筐体本体11の一面が開口され、作業者が筐体10の内部に収納された各構成部にアクセス可能とされている。
そして、前面パネル12は、前面パネル12を開いたとき前面パネル12を保持する保持機構17を有することで、作業者のメンテナンス作業が容易とされている。保持機構17は、前面パネル12が開かれたときに、前面パネル12を筐体10の上部の位置で保持する。保持機構17は、ヒンジロック機構が例示される。
集塵部100は、空気中に含まれる塵埃を取り除く機能を有するため、定期的な清掃といったメンテナンスが必要である。また、制御回路部320およびモータ203などの電気部品においては、故障および消耗は必ず発生するため、サービスメンテナンスが必要である。これらのメンテナンスが必要な部品について、ユーザまたはサービスマンが容易にアクセスできると使い勝手およびサービス性の良い空気清浄機1が実現できる。これらのメンテナンスが必要な部品へアクセスする方法として、各部品に筐体10の外部から直接アクセスできることが最も好ましい。しかしながら、この場合は、筐体10の外郭に取手またはねじ頭が露出することになり製品外観が悪化する。
これらのメンテナンスが必要な部品に対して次にアクセスが良い方法としては、1つの部品の開口で部品にアクセス可能とすることである。開口部品を複数設けると、部品点数が多くなり、部品コストが高くなったり、外郭に部品の分離線が発生するため、空気清浄機1の外観の悪化または部品の清掃性の悪化が発生する。このため、開口する部品は1部品とすることにより、低コストで外観が良い空気清浄機1が実現できる。
メンテナンスが必要な部品には、ユーザが定期的にメンテナンスを行う集塵部100と、サービスマンが故障時に修理または交換を行う送風機200、回路部300および電気部品とがある。開口する部品を前面側の前面パネル12とすることにより、ユーザおよびサービスマンの双方が容易に所望の部品へアクセスすることができる。このとき、安全上の観点からユーザが触れるべきでない部品またはユーザが触れると故障につながる部品については、さらに保護する必要があるが、これらの部品の保護は、前面パネルでなく別途行われる。
また、空気清浄機1は、前面パネル12が上部に設けられたパネル回転軸15を中心として下部が前面側上方に回転開口可能とされ、また保持機構17が設けられることで、前面パネル12を開いたときに前面パネル12が筐体10の上部の位置で保持されるため、ユーザおよびサービスマンの双方のメンテナンス作業が容易になる。前面パネル12の開口時に保持機構17で前面パネル12を開口した状態で保持することにより、前面パネル12が自重で垂れさがって閉じてしまうことを防止でき、ユーザまたはサービスマンが前面パネル12を支持する必要が無くなる。
前面パネル12の下部にパネル回転軸15が設けられる場合には、前面パネル12の開口後に、ユーザまたはサービスマンと筐体10との間に前面パネル12が下方から手前側に突き出た状態となる。このため、ユーザまたはサービスマンの作業スペースが制限される。また、前面パネル12の上部にパネル回転軸15が設けられる場合でも、前面パネル12の開口時に保持機構17が無いと、前面パネル12が自重で垂れさがって閉じてしまうため、ユーザまたはサービスマンが前面パネル12を支持する必要が生じる。
特に、空気清浄機1が壁面500に設置される場合、室内の人の活動領域スペースから遠い、天井近くの壁面500に空気清浄機1が設置されることが多い。このような壁設置の場合、上記のように前面パネル12の開口時に前面パネル12が筐体10の上部の位置で保持されることで、空気清浄機1が床に設置される場合と比較して、メンテナンス作業を格段に容易化することができる。
(吹出口)
つぎに、空気清浄機1における吹出口14の位置について説明する。上述したように、筐体10においては、筐体10の内部の空気を筐体10の外部に吹き出すための開口部である吹出口14が下面10bに形成されている。空気清浄機1は、吹出口14が鉛直方向下側に向けて開口されていることにより、筐体10から吹き出される吹出し風で天井面を汚すことなく、在室者の活動空間に清浄空気を吹き出すことができる。また、空気清浄機1は、吹出口14が鉛直方向下側に向けて開口されていることにより、空気清浄機1の運転停止時に空気清浄機1の上方から沈降してくる埃等の異物が筐体10の内部に流入することが無い、清潔な空気清浄機1を実現できる。
空気清浄機1からの吹出し風は、清浄されているが、吹き出し後に周囲の空気を巻き込むため、長期間にわたって吹出し風が壁面500または天井に当たり続けると、壁面500または天井を汚すことがある。空気清浄機1は、吹出口14が下面10bに形成されて、吹出し風が筐体10から下方に向けて吹き出す構成とされていることによって、吹出し風が壁面500または天井に当たることがなく、在室者の活動空間に清浄空気を吹き出すことができる。
また、吹出口14が筐体10の上面10aに形成されている場合は、空気清浄機1の運転停止時に空気清浄機1の上方から沈降してくる埃等の異物が筐体10の内部に流入して筐体10の内部、すなわち空気清浄機1の内部が汚染されることがある。このような異物の筐体10の内部への流入を防ぐために上面10aに開閉式の蓋などを設けると、製造コストが高くなったり、ユーザが蓋を開閉するという手間が発生し、また空気清浄機1の形状が複雑となるため清掃に手間がかかる。
一方、空気清浄機1は、吹出口14が鉛直方向下側に向けて開口されていることにより、空気清浄機1の運転停止時に空気清浄機1の上方から沈降してくる埃等の異物が筐体10の内部に流入することが無い。空気清浄機1の上方から沈降した異物は、筐体10の上面10aに蓄積する。空気清浄機1は、筐体10の上面10aが平坦なフラット形状とされているため、容易に上面10aのふき取り清掃ができる。
また、特に、空気清浄機1が壁設置される場合には、吹出口14が鉛直方向下側に向けて吹き出される吹出し風は、在室者の活動領域スペースに吹き出されるため、清浄された吹出し風が在室者の活動領域を直接的に清浄することができる。また、空気清浄機1が壁設置される場合には、空気清浄機1が床面からも離隔されるため、吹出し風が床面に当たることが無くなり、周囲の汚染空気を巻き込んで床面を汚染することも無く、床面の塵埃を舞上げることも無い。
また、空気清浄機1においては、吹出口14が、空気清浄機1の幅方向における中央部、すなわち筐体10の幅方向における下面10bの中央部に形成されている。空気清浄機1は、吹出口14が筐体10の幅方向における下面10bにおける中央部に形成されていることにより、吹出し風による空気清浄機1の側方の壁面の汚れを防止することができる。
筐体10から吹き出された吹出し風は、吹き出し後に周囲の空気を巻き込んで流れる。空気清浄機1の側面が壁面500に近い状態で空気清浄機1が壁設置される場合、吹出口14が筐体10の側面まで伸びていると、長時間にわたって吹出し風が壁面500に当たり続けることで、空気清浄機1の側方の壁面500が汚れることがある。すなわち、吹出口14が筐体10の側面である第1側面10cまたは第2側面10dまで伸びている場合、空気清浄機1の側方の壁面500に吹出し風が届く位置に空気清浄機1が壁設置されていると、長期間にわたって吹出し風が空気清浄機1の側方の壁面500に当たり続けることにより、空気清浄機1の側方の壁面500が汚れることがある。
一方、空気清浄機1は、吹出口14が下面10bにおける中央部に形成されていることにより、空気清浄機1の側方の壁面500に吹出し風が届かなくされており、空気清浄機1の側方の壁面500に吹出し風が当たり続けることに起因した空気清浄機1の側方の壁面500の汚れを防止することができる。吹出口14が下面10bにおける中央部にあれば、空気清浄機1の左右のどちらの側方の壁面500に対しても壁汚れを防止することが可能である。さらに、空気清浄機1が壁設置される場合、吹出し風の吹出方向を下方手前側へ傾けることによって、空気清浄機1が設置された壁面500に吹出し風が当たることを避けられるため、空気清浄機1が設置された壁面500の汚れを防止することができる。
(送風機)
つぎに、空気清浄機1における送風機200について説明する。上述したように、空気清浄機1の送風機200には、遠心送風機が用いられる。遠心送風機では、空気の吹出方向が、空気の吸込方向に対して90度の角度をなす方向とされている。すなわち、遠心送風機からなる送風機200は、空気清浄機1の側方から吸い込まれた空気を、下面10b側に吹き出すことができる。
このため、空気清浄機1では、送風機200から吹き出された空気を下面10b側に誘導するための、吹出し方向変更用の風路を設ける必要が無い。これにより、空気清浄機1では、吹出し方向変更用の曲がり路に起因した騒音の発生が無く、また吹出し方向変更用の曲がり風路に起因した吹出し風の圧力損失が発生しないため、運転音が小さく、消費電力が小さい、壁設置形の空気清浄機1を実現できる。
軸流送風機では、空気の吹出方向が、空気の吸込方向と同じ方向とされており、空気の吹出方向と空気の吸込方向との間で空気の流れの方向の変化は無い。このため、送風機200に軸流送風機が用いられる場合には、軸流送風機から吹き出された空気を下面10b側に誘導するための、吹出し方向変更用の曲がり風路を設ける必要が生じる。曲がり風路では少なからず圧力損失が発生する。このため、送風機200に軸流送風機を使用し、吹出し方向変更用の曲がり風路を設ける場合には、吹出し方向変更用の曲がり風路に起因した騒音の発生、および吹出し方向変更用の曲がり風路に起因した消費電力の増加といったことが生じ、空気清浄機1の送風性能が悪化してしまう。
一方、空気清浄機1は、送風機200に遠心送風機を使用し、送風機200の回転軸200Cの方向を前面パネル12の面内方向と交差する方向とし、ファンケーシング201の吹出口の方向を下面10b側、すなわち壁設置時における鉛直方向下側とすることにより、第1側面10c側から送風機200に吸い込まれた空気を、下面10b側に吹き出すことができる。したがって、空気清浄機1では、吹出し方向変更用の風路に起因した余分な圧力損失が発生せず、吹出し方向変更用の風路に起因した騒音または消費電力の増加の無い、送風特性の良い壁設置形の空気清浄機1を実現できる。実施の形態1では、送風機200の回転軸200Cの方向を前面パネル12の面内方向と直交する方向としている。
(送風機手前の風路面積)
つぎに、空気清浄機1における送風機手前の風路31bの面積について説明する。空気清浄機1においては、送風機手前の風路31bの面積である送風機手前の風路面積をベルマウス開口面積の0.2倍以上、1倍以下とすることが好ましい。これにより、送風機手前の風路寸法を必要最小限とすることができ、空気清浄機1の送風性能と空気清浄機1の厚さ寸法の低減とを両立させた空気清浄機1を実現できる。空気清浄機1の厚さ寸法は、空気清浄機1の奥行き方向の寸法であり、筐体10の厚さ寸法、すなわち筐体10の奥行き方向の寸法と同意である。
送風機手前の風路は、吸込口13から送風機200のベルマウス204までの風路である吸込風路31における集塵部100と送風機200との間の風路である。送風機手前の風路は、吸込口13から送風機200へ向かう風の流れ方向における集塵部100と送風機200との境界である風路境界開口部31aの風路と換言できる。
送風機手前の風路面積は、吸込口13から送風機200のベルマウス204までの風路である吸込風路31における集塵部100と送風機200との間の風路の断面積である。送風機手前の風路面積は、吸込口13から送風機200のベルマウス204までの風路である吸込風路31における、吸込口13から送風機200へ向かう風の流れ方向における集塵部100と送風機200との境界である風路境界開口部31aの風路面積と換言できる。送風機手前の風路面積は、「筐体10の奥行き方向における送風機手前の風路寸法 × 筐体10の高さ方向における送風機手前の風路の寸法」の計算式で算出される。
筐体10の奥行き方向における送風機手前の風路寸法は、筐体10の奥行き方向における風路境界開口部31aの寸法である。筐体10の高さ方向における送風機手前の風路の寸法は、筐体10の高さ方向における風路境界開口部31aの寸法である。
風は、一般的に、風路の面積が一定であると風速が一定でスムーズに流れ、風路の途中に風路の面積の拡大または風路の面積の縮小があり風路の面積が変化すると風速が変動してスムーズに流れにくくなり風路の圧力損失が生じる。空気清浄機1において風路の面積を規制するものとして送風機200のベルマウス204の開口面積がある。このため、送風機200に風をスムーズに流すためには、送風機手前の風路面積、すなわち風路境界開口部31aの風路面積において、ベルマウス204の開口面積と同等の風路面積を確保するということが1つの目安になる。ここでのベルマウス204の開口は、ベルマウスの小径部204aの開口である。ベルマウス204の開口面積は、ベルマウスの小径部204aの開口面積である。
しかしながら、空気清浄機1では、筐体10の幅方向において、ベルマウス204の片側の側方の吸込口13から風が流れてくるため、ベルマウス204の開口の全ての領域を均一の風速で風が流れていることは予想しにくい。例えば、ベルマウス204の開口において、吸込口13側の半分の領域に風が流れているとすると、風路面積はベルマウス204の開口面積の半分となる。
発明者らは、空気清浄機1の実用性の観点で、どのくらいの風路面積まで縮小できるかについて実際に試験を行って確認した結果、ベルマウス開口面積の0.2倍までは送風機手前の風路面積を縮小可能であることが確認できた。空気清浄機1の実用性の観点は、送風機200に風をスムーズに流せないために生じる、吸込風路31における圧力損失、騒音の増大、および送風機200の消費電力の観点である。
例えば、ベルマウス204の開口が直径145mmである場合、ベルマウス204の開口面積は16,513mm2である。この場合、送風機手前の風路面積は、ベルマウス204の開口面積の0.2倍である3,303mm2まで縮小可能である。空気清浄機1の全高を300mmとし、吸込口13から送風機200までの風路である吸込風路31の高さ方向の寸法を227mm確保できる場合には、送風機手前の風路寸法は、最大はベルマウス204の開口面積と同等の16,513/227=72.7mmであり、最小は3,303/227=14.5mmまで縮小可能である。したがって、送風機手前の風路寸法は、14.5mm以上、72.7mm以下の間で、騒音および消費電力等の送風性能を優先するか、空気清浄機1の設置面からの張り出しによる在室者への圧迫感を減少させるために空気清浄機1の厚さを薄くすることを優先するか、で決定されればよい。
このように空気清浄機1では、空気清浄機1の送風性能の実用性を確保することができる範囲で送風機手前の風路面積を縮小することにより、空気清浄機1の厚さ寸法の低減が可能である。したがって、空気清浄機1では、空気清浄機1の送風性能の実用性を確保することができる範囲で送風機手前の風路面積を縮小することにより、空気清浄機1の送風性能と空気清浄機1の厚さ寸法の低減とを両立させた空気清浄機1を実現できる。
(吸込風路の風路壁)
つぎに、空気清浄機1における吸込口13から送風機200のベルマウス204までの風路である吸込風路31の風路壁32について説明する。図12は、実施の形態1にかかる空気清浄機1における風路壁32のケーシングリブ34を示す図である。図12では、前面パネル12が取り外された状態の空気清浄機1を上方から見た斜視図を示している。図13は、実施の形態1にかかる空気清浄機1における風路壁32のパネルリブ33を示す図である。図13では、前面パネル12の内面12a側を上方から見た斜視図を示している。前面パネル12の内面は、前面パネル12において筐体10の内部を向く側の面である。なお、図12および図13では記載を省略しているが、図10に示すように筐体10の上部、すなわち筐体本体11および前面パネル12の上部にはパネル回転軸15が設けられる。
図14は、実施の形態1にかかる空気清浄機1における風路壁32のパネルリブ33とケーシングリブ34との位置関係の概念を説明する第1の図である。図15は、実施の形態1にかかる空気清浄機1における風路壁32のパネルリブ33とケーシングリブ34との位置関係の概念を説明する第2の図である。図16は、実施の形態1にかかる空気清浄機1における風路壁32のパネルリブ33とケーシングリブ34との位置関係の概念を説明する第3の図である。図17は、実施の形態1にかかる空気清浄機1における風路壁32が分割されない場合のパネルリブ33とケーシングリブ34との位置関係の概念を説明する図である。
図18は、実施の形態1にかかる空気清浄機1における風路壁32のパネルリブ33とケーシングリブ34との位置関係の例を示す第1の図である。図19は、実施の形態1にかかる空気清浄機1における風路壁32のパネルリブ33とケーシングリブ34との位置関係の例を示す第2の図である。図20は、実施の形態1にかかる空気清浄機1における風路壁32のパネルリブ33とケーシングリブ34との位置関係の例を示す第3の図である。図21は、実施の形態1にかかる空気清浄機1における風路壁32のパネルリブ33とケーシングリブ34との位置関係の例を示す第4の図である。
図22は、実施の形態1にかかる空気清浄機1におけるパネルリブ33の重複領域35を拡大して示す図である。
図3、図14、図18から図21に示すように、空気清浄機1においては、吸込口13から送風機200のベルマウス204までの風路である吸込風路31の前面パネル12の面内方向における外縁を規定する風路壁32が、ケーシングリブ34とパネルリブ33との2重層で構成されている。吸込口13から送風機200のベルマウス204までの吸込風路31の前面パネル12の面内方向における外縁を規定する風路壁32をケーシングリブ34とパネルリブ33との2重層で構成することにより、パッキンなどの弾性部品を使用することなく低コストで密閉度が高く、使い勝手およびサービス性の良い空気清浄機1を実現できる。
パネルリブ33は、前面パネル12に固定されて、吸込風路31の前面パネル12の面内方向における外縁を規定する風路壁32を構成する第1風路壁である。具体的に、パネルリブ33は、図3に示すように筐体10の内部において前面パネル12の内面12aから送風機200側に突出して、すなわち筐体10の背面10f側に突出して設けられている。すなわち、前面パネル12は、前面パネル12における内面12aに、筐体10の内部側に突出するパネルリブ33を備える。パネルリブ33は、吸込風路31の前面パネル12の面内方向における外縁を規定する形状に形成されている。
パネルリブ33の高さおよび厚さは、ケーシングリブ34とともに風路壁32を適切に構成することができ、ケーシングリブ34およびパネルリブ33によって囲まれた吸込風路31の内部領域から吸込風路31の外部領域への風漏れを抑制または抑制できる高さおよび厚さであれば、限定されない。
例えば、筐体本体11、前面パネル12またはファンケーシング201の製造時の寸法誤差の発生の観点からは、パネルリブ33は、筐体10の内部において送風機200のファンケーシング201の上面201uとの間に隙間を有する高さとされることが好ましい。これにより、筐体本体11、前面パネル12またはファンケーシング201の製造時の寸法誤差に起因してパネルリブ33がファンケーシング201の上面201uを押圧することにより筐体本体11と前面パネル12とが適切な位置関係で組み立てられなくなることが無い。
ケーシングリブ34は、筐体10の内部に固定されて、吸込風路31の前面パネル12の面内方向における外縁を規定する風路壁32を構成する第2風路壁である。具体的に、ケーシングリブ34は、図3に示すように、筐体10の内部において送風機200のファンケーシング201の上面201uから前面パネル12側に突出して設けられている。すなわち、送風機200のファンケーシング201は、前面パネル12側に突出するケーシングリブ34を上面201uに備える。ケーシングリブ34は、吸込風路31の前面パネル12の面内方向における外縁を規定する形状に形成されている。
ケーシングリブ34の高さおよび厚さは、パネルリブ33とともに風路壁32を適切に構成することができ、ケーシングリブ34およびパネルリブ33によって囲まれた吸込風路31の内部領域から吸込風路31の外部領域への風漏れを抑制または抑制できる高さおよび厚さであれば、限定されない。
例えば、筐体本体11、前面パネル12またはファンケーシング201の製造時の寸法誤差の発生の観点からは、ケーシングリブ34は、筐体10の内部において前面パネル12の内面12aとの間に隙間を有する高さとされることが好ましい。これにより、筐体本体11、前面パネル12またはファンケーシング201の製造時の寸法誤差に起因してケーシングリブ34が前面パネル12の内面12aを押圧することにより筐体本体11と前面パネル12とが適切な位置関係で組み立てられなくなることが無い。
前述のように前面パネル12の開閉を行うことにより定期メンテナンスおよびサービスメンテナンスの実施が容易になる。しかしながら、前面パネル12を開閉するためには、クリアランスを風路壁部にも設ける必要があり、密閉度の低下により筐体10の内部から筐体10の外部に漏れる空気の漏れ風量が多くなる場合がある。また、筐体10の密閉度の向上のためにパッキンなどの弾性部品を前面パネル12と筐体本体11との当たり面に使用するため、製造コストが高くなる。
一方、空気清浄機1では、前面パネル12にパネルリブ33が風路壁32となる形状に形成され、筐体本体11にケーシングリブ34が風路壁32となる形状に形成されている。また、パネルリブ33とケーシングリブ34とは、前面パネル12の面内方向において、他方の形状を拡大あるいは縮小した形状に形成されている。また、パネルリブ33とケーシングリブ34とは、前面パネル12の面内方向において互いに接触して干渉しないように、予め決められたクリアランスを有した状態で平行に筐体10の内部に配置されて、2重層の風路壁32を構成している。
これにより、吸込口13から送風機200のベルマウス204までの吸込風路31の内部から、当該吸込風路31の外部に空気が漏れる漏れ風路は複雑な経路となる。このため、空気清浄機1では、1層の風路壁のみが設けられている場合と比較して、吸込風路31の外部に漏れる空気の漏れ風量が少なくなり、吸込風路31のおよび筐体10の密閉度が向上し、パッキンなどの弾性部品が不要になる。なお、パッキンなどの弾性部品を前面パネル12と筐体本体11との当たり面に使用すれば、吸込風路31の外部に漏れる空気の漏れ風量がさらに少なくなるため、必要に応じてパッキンなどの弾性部品を用いてもよい。したがって、空気清浄機1では、開閉可能な前面パネル12を有し、パッキンなどの個別の部品の部品点数を増やすことなく簡単な構造で密閉度の高い空気清浄機1が実現できる。
(リブの分割構造)
上述したパネルリブ33およびケーシングリブ34のうちの少なくともどちらか一方のリブは、図14、図18から図21に示すように2つの分割リブに2分割されている。そして、一方のリブの2つの分割リブのそれぞれは、前面パネル12の面内方向において、パネルリブ33およびケーシングリブ34のうちの他方のリブに対して、パネル回転軸15に近い側の配置位置および他方のリブに対してパネル回転軸15から遠い側の配置位置のうちのどちらか一方の配置位置のみに配置される。
パネルリブ33およびケーシングリブ34がこのような構成とされることにより、前面パネル12が回転して開閉してもケーシングリブ34とパネルリブ33とが干渉することがないため、前面パネル12の面内方向におけるケーシングリブ34とパネルリブ33との間のクリアランスを小さくでき、吸込風路31の内部から吸込風路31の外部に漏れる空気の漏れ風量を極少なくすることができる。これにより、吸込風路31の内部から吸込風路31の外部に漏れる空気に起因した騒音または消費電力の増加を抑制して、消費電力または騒音が小さい、運転特性の良い空気清浄機1を実現できる。
前述のようにケーシングリブ34とパネルリブ33との2重層で風路壁32を構成すると、パネル回転軸15を中心として前面パネル12を回転させた際のパネルリブ33とケーシングリブ34との干渉を避けるためには、前面パネル12の面内方向において、ケーシングリブ34とパネルリブ33との間にある程度のクリアランスが必要になる。
前面パネル12の面内方向におけるケーシングリブ34とパネルリブ33との間のクリアランスが必要になる理由は、以下のとおりである。前面パネル12の面内方向において、前面パネル12の高さ方向において他方のリブに対してパネル回転軸15に近い側の位置にある一方のリブは、前面パネル12を回転開口させた際に、パネル回転軸15に近い側に回避する必要、すなわち上向きに回避する必要がある。前面パネル12の面内方向において、高さ方向において他方のリブに対してパネル回転軸15から遠い側の位置にあるリブは、前面パネル12を回転開口させた際に、パネル回転軸15から遠い側に回避する必要、すなわち下向きに回避する必要がある。一方のリブがパネルリブ33である場合の他方のリブは、ケーシングリブ34である。一方のリブがケーシングリブ34である場合の他方のリブは、パネルリブ33である。
したがって、前面パネル12の面内方向において、高さ方向において他方のリブに対してパネル回転軸15に近い側の位置にあるリブと、高さ方向において他方のリブに対してパネル回転軸15から遠い側の位置にあるリブとでは、前面パネル12を回転開口させた際に、干渉を避けるために回避する必要がある方向が異なり、回避ができないためである。
図15に示すように、パネルリブ33が第1パネルリブ33aと第2パネルリブ33bとに分割されて、前面パネル12が筐体本体11に取り付けられて筐体10が構成されている状態を考える。このとき、パネル回転軸15は、筐体10の上部に配置されている。前面パネル12の面内方向において、第1パネルリブ33aと第2パネルリブ33bとは、ケーシングリブ34に対して、パネル回転軸15に近い側の配置位置に配置されている。この状態で、パネル回転軸15を回転軸として前面パネル12を開く場合、第1パネルリブ33aと第2パネルリブ33bとは、図16に示すようにパネル回転軸15が軸受16の内部において上向きに移動することで、パネル回転軸15に近い側、すなわち上向きに回避できる。
一方、パネルリブ33が第1パネルリブ33aと第2パネルリブ33bとに分割されていない場合は、図17に示すようにパネル回転軸15を回転軸として前面パネル12を開く場合、パネルリブ33の上端部は、パネル回転軸15に近い側に回避する必要、すなわち上向きに回避する必要がある。また、パネルリブ33の下端部は、パネル回転軸15から遠い側に回避する必要、すなわち下向きに回避する必要がある。このように、パネルリブ33の上端部とパネルリブ33の下端部とでは、前面パネル12を回転開口させた際に干渉を避けるために回避する必要がある方向が異なり、干渉を回避ができない。
そこで、実施の形態1では、パネルリブ33およびケーシングリブ34の少なくともどちらか一方が2分割される。そして、2分割された一方のリブの2つの分割リブのそれぞれは、前面パネル12の面内方向において、パネルリブ33およびケーシングリブ34のうちの他方のリブに対して、パネル回転軸15に近い側の配置位置および他方のリブに対してパネル回転軸15から遠い側の配置位置のうちのどちらか一方の位置にのみ存在するように配置される。すなわち、2分割された2つのリブは、前面パネル12の高さ方向において、2つともが他方のリブに対してパネル回転軸15に近い側の位置に配置されるか、または2つともが他方のリブに対してパネル回転軸15から遠い側の位置に配置される。
これにより、前面パネル12を回転開口させた際に、干渉を避けるために回避する必要がある方向が互いに同じ方向になり、他方のリブとの干渉の回避が可能になる。パネルリブ33およびケーシングリブ34のうち2分割するリブは、パネルリブ33およびケーシングリブ34のどちらでもよい。
つぎに、パネルリブ33あるいはケーシングリブ34の分割について具体的に説明する。図18では、第1パネルリブ33aおよび第2パネルリブ33bと、ケーシングリブ34との位置関係の第1の例を示している。図19では、第1パネルリブ33aおよび第2パネルリブ33bと、ケーシングリブ34との位置関係の第2の例を示している。図20では、第1ケーシングリブ34aおよび第2ケーシングリブ34bと、パネルリブ33との位置関係の第1の例を示している。図21では、第1ケーシングリブ34aおよび第2ケーシングリブ34bと、パネルリブ33との位置関係の第2の例を示している。
パネルリブ33は、第1パネルリブ33aと第2パネルリブ33bとに分割される。ケーシングリブ34は、第1ケーシングリブ34aと第2ケーシングリブ34bとに分割される。
図18では、第1パネルリブ33aと第2パネルリブ33bとが、前面パネル12の面内方向において、前面パネル12の高さ方向においてケーシングリブ34に対してパネル回転軸15に近い側の位置に配置されている。これにより、前面パネル12を回転開口させた際に、第1パネルリブ33aと第2パネルリブ33bとは、回避する必要がある方向が互いに同じになり、第1パネルリブ33aおよび第2パネルリブ33bと、ケーシングリブ34との干渉の回避が可能になる。
図18に示すリブの配置構成は、前面パネル12の面内方向において、風路壁32によって前面パネル12の面内方向における外縁が規定された吸込風路31の中心側から吸込風路31の外側に向かって、第2パネルリブ33b、ケーシングリブ34、第1パネルリブ33aの順に配置された構成といえる。
図19では、第1パネルリブ33aと第2パネルリブ33bとが、前面パネル12の面内方向において、前面パネル12の高さ方向においてケーシングリブ34に対してパネル回転軸15から遠い側の位置に配置されている。これにより、前面パネル12を回転開口させた際に、第1パネルリブ33aと第2パネルリブ33bとは、回避する必要がある方向が互いに同じになり、第1パネルリブ33aおよび第2パネルリブ33bと、ケーシングリブ34との干渉の回避が可能になる。
図19に示すリブの配置構成は、前面パネル12の面内方向において、吸込風路31の中心側から吸込風路31の外側に向かって、第1パネルリブ33a、ケーシングリブ34、第2パネルリブ33bの順に配置された構成といえる。
図20では、第1ケーシングリブ34aと第2ケーシングリブ34bとが、前面パネル12の面内方向において、前面パネル12の高さ方向においてパネルリブ33に対してパネル回転軸15に近い側の位置に配置されている。これにより、前面パネル12を回転開口させた際に、第1ケーシングリブ34aと第2ケーシングリブ34bとは、回避する必要がある方向が互いに同じになり、第1ケーシングリブ34aおよび第2ケーシングリブ34bと、パネルリブ33との干渉の回避が可能になる。
図20に示すリブの配置構成は、前面パネル12の面内方向において、吸込風路31の中心側から吸込風路31の外側に向かって、第2ケーシングリブ34b、パネルリブ33、第1ケーシングリブ34aの順に配置された構成といえる。
図21では、第1ケーシングリブ34aと第2ケーシングリブ34bとが、前面パネル12の面内方向において、前面パネル12の高さ方向においてパネルリブ33に対してパネル回転軸15から遠い側の位置に配置されている。これにより、前面パネル12を回転開口させた際に、第1ケーシングリブ34aと第2ケーシングリブ34bとは、回避する必要がある方向が互いに同じになり、第1ケーシングリブ34aおよび第2ケーシングリブ34bと、パネルリブ33との干渉の回避が可能になる。
図21に示すリブの配置構成は、前面パネル12の面内方向において、吸込風路31の中心側から吸込風路31の外側に向かって、第1ケーシングリブ34aパネルリブ33、第2ケーシングリブ34b、の順に配置された構成といえる。
(リブの重複領域)
上述したパネルリブ33およびケーシングリブ34のうち2分割されたほうのリブは、2分割された2つの分割リブが前面パネル12の内面12aの面内方向におけるそれぞれの分割リブの分割部の延在方向において重複した重複領域35を有するように配置されている。重複領域35は、2分割された2つの分割リブのそれぞれにおける吸込口13と反対側の端部側の領域が2つの分割リブのうちの他方における吸込口13と反対側の端部側の領域と重複する領域である。図22では、第1パネルリブ33aと第2パネルリブ33bとの重複領域35について示している。
上述したパネルリブ33およびケーシングリブ34のうち2分割されたほうのリブがこのような構成とされることにより、リブが分割された分割部からの、吸込風路31の内部から吸込風路31の外部への風漏れを抑制することができる。これにより、吸込風路31の内部から吸込風路31の外部に漏れる空気に起因した騒音または消費電力の増加を抑制して、消費電力または騒音が小さい、運転特性の良い空気清浄機1を実現できる。
前述のようにリブを2分割すると、リブが分割された分割部は、吸込風路31の内部から吸込風路31の外部への風漏れが発生しやすい箇所となる。そこで、分割部の風路壁32に、前面パネル12の内面12aの面内方向におけるそれぞれの分割リブの分割部の延在方向において互いに重複する重複領域35を設けることにより、吸込風路31の内部から吸込風路31の外部に風が漏れる風漏れ経路が、複雑な経路となる。これにより、空気清浄機1では、リブが分割された分割部からの、吸込風路31の内部から吸込風路31の外部への風漏れを抑制することができる。
具体的に、分割部から風が漏れる際の風漏れ経路は、風路壁32に囲まれた吸込風路31の内部側から吸込風路31の外部に向かってS形状を有する経路となる。これにより、2分割された2つの分割リブが重複領域35を有していない場合と比較して、風路壁32に囲まれた吸込風路31の内部から吸込風路31の外部への風漏れが抑制される。
(リブの引掛け構造)
上述したパネルリブ33とケーシングリブ34とには、リブの引掛け構造が形成されている。空気清浄機1は、天井へ据え付けることも可能とされている。空気清浄機1は、空気清浄機1が天井へ据え付けられる天井据付が行われた場合においても、パネルリブ33とケーシングリブ34とが引掛け構造を有することにより、前面パネル12が鉛直方向下側に垂れ下がることに起因した筐体本体11と前面パネル12との間に隙間が発生することを防止できる。これにより、吸込風路31の内部から吸込風路31の外部に漏れる空気に起因した騒音または消費電力の増加を抑制して、消費電力または騒音が小さい、運転特性の良い、天井設置が可能な空気清浄機1が実現される。
図23は、実施の形態1にかかる空気清浄機1におけるパネルリブ33に形成されたパネルリブ側引掛け構造部である引掛け孔36aの周辺を拡大して示す図である。図24は、実施の形態1にかかる空気清浄機1におけるケーシングリブ34に形成されたケーシングリブ側引掛け構造部である引掛けツメ部36bの周辺を拡大して示す図である。図25は、実施の形態1にかかる空気清浄機1におけるパネルリブ33の引掛け孔36aとケーシングリブ34の引掛けツメ部36bとの引掛け構造を概念的に示す図である。
図25に示すように、前面パネル12が鉛直方向下側を向くように空気清浄機1が天井面に据え付けられる場合には、前面パネル12にかかる重力が、前面パネル12が鉛直方向下側に垂れ下がる方向に発生する。この場合、空気清浄機1が壁面500に設置される場合と比べて、送風機200のファンケーシング201の上面201uとパネルリブ33との間の隙間が広がるため、ケーシングリブ34およびパネルリブ33によって囲まれた吸込風路31の内部から吸込風路31の外部への風漏れ量が増える。また、この場合、空気清浄機1が壁面500に設置される場合と比べて、前面パネル12と筐体本体11との当たり面の隙間が大きくなる。この結果、空気清浄機1が天井面に据え付けられる場合には、空気清浄機1が壁面500に設置される場合と比べて、空気清浄機1から外部への漏れ風量が大きくなる。
図23に示すように、空気清浄機1では、パネルリブ側引掛け構造部である引掛け孔36aがパネルリブ33に形成されている。また、図24に示すように、空気清浄機1では、ケーシングリブ側引掛け構造部である凸型の引掛けツメ部36bがケーシングリブ34に形成されている。そして、前面パネル12を閉じた際にパネルリブ33の引掛け孔36aにケーシングリブ34の引掛けツメ部36bが入り込むことで引掛けツメ部36bが引掛け孔36aに引掛り、前面パネル12が筐体本体11に保持される。これにより、空気清浄機1は、前面パネル12に対して鉛直方向下側の方向に重力が発生しても、パネルリブ33とケーシングリブ34とに設けられた引掛け構造によって前面パネル12が保持されるため、前面パネル12が鉛直方向下側に垂れ下がることが無い。
このため、空気清浄機1は、前面パネル12に対して鉛直方向下側の方向に重力が発生しても、空気清浄機1が壁面500に設置される場合と比べて、送風機200のファンケーシング201の上面201uとパネルリブ33との間の隙間が広がることが無い。また、空気清浄機1は、前面パネル12に対して鉛直方向下側の方向に重力が発生しても、空気清浄機1が壁面500に設置される場合と比べて、前面パネル12と筐体本体11との当たり面の隙間が大きくなることが無い。これにより、空気清浄機1は、前面パネル12が鉛直方向下側を向くように空気清浄機1が天井面に据え付けられる場合でも、空気清浄機1から外部への漏れ風量の増加を抑制できる。
なお、ケーシングリブ34の凸型の引掛けツメ部36bは、テーパ形状となっており、人による前面パネル12の開閉力が加われば、前面パネル12を開く際にはパネルリブ33の引掛け孔36aから抜けやすく、前面パネル12を閉じる際にはパネルリブ33の引掛け孔36aに入りやすい形状とされている。
(脱臭フィルタの構造)
つぎに、脱臭フィルタ130の構造について説明する。空気清浄機に用いられる脱臭フィルタの形状は、汎用性がある直方体形状が一般的である。また、ユーザによる脱臭フィルタの定期清掃あるいは脱臭フィルタの交換が必要であるが、脱臭フィルタの本体の材料は、セラミックといった脆い材料が使用される。このため、脱臭フィルタの本体は、ツマミなどの複雑な形状を持たせるために、また衝突時の破損を防止するために、脱臭フィルタの本体よりも機械的強度が高い樹脂などの保護ケースに収納されて使用される。
図26は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の脱臭フィルタ130を示す第1の斜視図である。図27は、実施の形態1にかかる空気清浄機1において筐体10に組み込まれた脱臭フィルタ130を拡大して示す斜視図である。図28は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の脱臭フィルタ130の保護ケース132におけるツマミ形状部、ツメ部および引掛け部を説明する図である。図29は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の脱臭フィルタ130の保護ケース132を示す斜視図である。図30は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の脱臭フィルタ130の保護ケース132を示す背面図である。図31は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の脱臭フィルタ130と筐体10との引掛け構造を示す第1の図である。図32は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の脱臭フィルタ130と筐体10との引掛け構造を示す第2の図である。なお、図26および図30における上下方向を、脱臭フィルタ130の上下方向とする。
図26および図28に示すように、脱臭フィルタ130は、直方体形状を呈するフィルタ本体131と、長方形状の枠形状を呈してフィルタ本体131を保持する保護ケース132とを有する。保護ケース132は、引掛け構造を有する同一形状の2つの部品により構成されている。
保護ケース132は、分割された2つの分割保護ケース133を組み合わせることにより構成されている。すなわち、保護ケース132は、分割保護ケース133である第1保護ケース1331と、分割保護ケース133である第2保護ケース1332と、を組み合わせることにより構成されている。
第1保護ケース1331は、フィルタ本体131をフィルタ本体131の第1面131a側から保持する。第2保護ケース1332は、フィルタ本体131をフィルタ本体131の第1面131aと対向する第2面131b側から保持する。第1保護ケース1331と第2保護ケース1332とは、同一の形状を有する同一の2部品である。すなわち、第1保護ケース1331と第2保護ケース1332とは、2つの同じ分割保護ケース133が向きを反転させて用いられている。
分割保護ケース133は、長方形状の対向する一対の長辺における第1辺133aの中心C1から対称の位置に、引掛け構造である第1ツメ部133cと第1引掛け部133dとを有する。また、分割保護ケース133は、長方形状の対向する一対の長辺のうち第1辺133aに対向する第2辺133bの中心C2から対称の位置に、引掛け構造である第2ツメ部133eと第2引掛け部133fとを有する。第1辺133aの中心C1と第2辺133bの中心C2とを結ぶ線は、分割保護ケース133の長方形状の対向する一対の短辺と平行である。第1ツメ部133cおよび第2ツメ部133eは、分割保護ケース133の引掛け構造におけるツメ部である。第1引掛け部133dおよび第2引掛け部133fは、分割保護ケース133の引掛け構造における引掛け部である。
第1ツメ部133cおよび第1引掛け部133dと、第2ツメ部133eおよび第2引掛け部133fとは、脱臭フィルタ130が構成された状態で、フィルタ本体131の第1面131aの面内における中心のまわりに回転対称の位置に配置され、フィルタ本体131の第2面131bの面内における中心のまわりに回転対称の位置に配置されている。すなわち、第1ツメ部133cおよび第1引掛け部133dと、第2ツメ部133eおよび第2引掛け部133fとは、第1面131aの面内および第2面131bの面内に垂直な、第1面131aの面内および第2面131bの面内の中心を通る中心軸のまわりに回転対称の位置に配置されている。
第1保護ケース1331と第2保護ケース1332とは、表裏を反転して第1辺133a同士を対向させて配置され、対向する第1保護ケース1331のツメ部と第2保護ケース1332の引掛け部とが固定され、対向する第1保護ケース1331の引掛け部と第2保護ケース1332のツメ部とが固定されることによりフィルタ本体131を保持する。
具体的に、第1保護ケース1331の第1ツメ部133cと第2保護ケース1332の第1引掛け部133dとが固定され、第1保護ケース1331の第1引掛け部133dと第2保護ケース1332の第1ツメ部133cとが固定され、第1保護ケース1331の第2ツメ部133eと第2保護ケース1332の第2引掛け部133fとが固定され、第1保護ケース1331の第2引掛け部133fと第2保護ケース1332の第2ツメ部133eとが固定されることにより、保護ケース132が構成される。保護ケース132は、第1保護ケース1331と第2保護ケース1332との間にフィルタ本体131を挟んだ状態でフィルタ本体131を保持する。これにより、脱臭フィルタ130が構成される。
上記のように、脱臭フィルタ130の保護ケース132は、引掛け構造を有する同一形状の2つの部品により構成されることにより、同一形状の2つの部品で保護ケース132を構成することができる。これにより、保護ケース132の形成に用いられる金型の数量削減されるため、保護ケース132のコストを抑制することができる。また、左右対称形状で左右方向の誤取付が生じない、低コストで使い勝手の良い空気清浄機1を実現できる。すなわち、空気清浄機1では、製造が容易であり、取り付けが容易な空気清浄機1が実現できる。
保護ケース132は、定期メンテナンスの際に取り出すためにつまめる部分が必要である。また、空気清浄機1が天井に取り付けられた際に脱臭フィルタ130が筐体本体11から落下しないように筐体本体11への固定部が必要である。分割保護ケース133は、上面133jの中央部にツマミ部133hを有し、下面133kの中央部に引掛け部133iを有する。ツマミ部133hと引掛け部133iとは、同じ形状であるツマミ形状を有するツマミ形状部である。したがって、分割保護ケース133は、上下対称形状を有する。このため、脱臭フィルタ130も上下対称形状を有する。ツマミ形状は、脱臭フィルタ130のメンテナンス作業を行う作業者が指でつまむことができる形状である。
空気清浄機1では、脱臭フィルタ130が上下対称形状を有することにより、脱臭フィルタ130を筐体本体11に取り付ける際に脱臭フィルタ130の取り付けの方向性がなくなるため、脱臭フィルタ130の誤挿入が無くなり、使い勝手の良い空気清浄機1が実現されている。工場での空気清浄機1の組立およびユーザによる脱臭フィルタ130の定期メンテナンスの際に脱臭フィルタ130の取付方向を考慮しなくてよいため、脱臭フィルタ130の組立時間の短縮およびメンテナンス時間が短縮される。
また、保護ケース132および分割保護ケース133は、脱臭フィルタ130に通風させるという機能の実現のため中空形状、すなわち枠形状とされる。このため、分割保護ケース133には、脱臭フィルタ130を保護ケース132内に留めておくためのストッパー133gが設けられている。ストッパー133gは、できるだけ小さいほうが脱臭フィルタ130の通風の邪魔とならない。また、保護ケース132における通風風路の端の位置のほうが保護ケース132を通る風の風速が小さい。このため、ストッパー133gは、保護ケース132での圧力損失を小さくするために、脱臭フィルタ130を保護ケース132内に留めておける最小の大きさで分割保護ケース133の4隅に設けられている。
また、保護ケース132および分割保護ケース133は、脱臭フィルタ130を筐体本体11から取り出す場合にツマミ部133hをつまんで取り出す際の引っ張る力に耐える必要がある。ツマミ部133hを引っ張る力に耐えるための形状として、ツマミ位置と同一の位置に引張方向に保護ケース132内を繋ぐ棒形状の補強部133lを備える。これにより、ツマミ部133hをつまんで取り出す際の引っ張る力が保護ケース132のツマミ部133hが形成された上面133j側から下面133k側に伝わるため、保護ケース132の変形を防ぐことができる。
図31および図32に示すように、筐体本体11には、筐体10の内部で脱臭フィルタ130を保持して脱臭フィルタ130の移動を規制するフィルタ保護ガイド18が設けられている。図31では、筐体10に収納された脱臭フィルタ130を脱臭フィルタ130の上面133j側から見た状態を模式的に示している。脱臭フィルタ130の上面133jは、脱臭フィルタ130におけるツマミ部133hが設けられている側の面である。図32では、筐体10に収納された脱臭フィルタ130を脱臭フィルタ130の側方から見た状態を模式的に示している。脱臭フィルタ130は、フィルタ保護ガイド18に囲まれた状態で、筐体10の内部に収納される。
また、筐体本体11には、分割保護ケース133の引掛け部133iに引っかかる引掛けツメ部36bが設けられている。脱臭フィルタ130が筐体10に収納された際に引掛けツメ部36bが分割保護ケース133の引掛け部133iに引っかかることにより、分割保護ケース133が筐体本体11に固定され、脱臭フィルタ130が筐体本体11に固定される。すなわち、分割保護ケース133に設けられたケース側引掛け構造部である引掛け部133iと、筐体本体11に設けられた筐体側引掛け構造部である引掛けツメ部36bとにより、脱臭フィルタ130の引掛け構造が構成されている。
上述したように、ツマミ部133hと引掛け部133iとは、ツマミ形状を有する同じ形状に形成されている。したがって、引掛けツメ部36bがツマミ部133hに対して引っかかることによっても、分割保護ケース133を筐体本体11に固定可能である。これにより、脱臭フィルタ130が上下反転した状態で筐体本体11に取り付け可能とされている。
引掛け部133iの例として、側面に凹形状が設けられた構成が挙げられる。引掛けツメ部36bの例として、引掛け部133iの側方から引掛け部133iの側面に向かって凸形状とされたツメ部が挙げられる。そして、これらの構成により、スナップフィットで分割保護ケース133を筐体本体11に固定することができる。
(据付金具)
据付金具400を使用する理由は前述の通りであるが、通常、空気清浄機側の据え付け用の取り付け部は筐体の背面に存在する。このため、壁面への空気清浄機の据付時に据付作業性が悪い場合が生じる。すなわち、空気清浄機の据付時に空気清浄機側の取り付け部が壁面との間に挟まれるため、据付作業者は、空気清浄機側の取り付け部を目視確認することができず、空気清浄機側の取り付け部の位置合わせを当該取り付け部の位置を推測することにより行う他なく、据付作業性が悪い場合もある。
図33は、実施の形態1にかかる据付金具400の構造を示す第1の図である。図34は、実施の形態1にかかる据付金具400の構造を示す第2の図である。図35は、図33に示す据付金具400の筐体引掛け部402の形状を示す正面図である。図36は、図33に示す据付金具400の筐体引掛け部402の形状を示す断面図である。図37は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の筐体10に設けられた筐体表面目印リブ10hを示す空気清浄機1の斜視図である。図38は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の筐体10に設けられた筐体裏面目印リブ10iを示す空気清浄機1の斜視図である。図39は、図38に示された筐体裏面目印リブ10iを拡大して示す図である。なお、図37では、筐体10の背面10fに設けられている締め付け孔10jを破線で示している。
空気清浄機1は、据付金具400を介して壁面500に据付される。この場合、空気清浄機1と据付金具400とを含めて広義の意味で空気清浄機ととらえることができる。
据付金具400は、図33および図34に示すように板形状を有し、筐体10の背面10fの外形形状よりも小さい長方形状を有する金属製の板状部品である。空気清浄機1が据付金具400を介して壁面500に据付された状態において、据付金具400における幅方向、奥行き方向、高さ方向、前面側および背面側は、空気清浄機1における幅方向、奥行き方向、高さ方向、前面側および背面側の方向に対応している。
据付金具400は、壁面500への取り付け部となる平面部401と、平面部401に設けられた複数の筐体引掛け部402と、を備える。また、平面部401の上端部における幅方向の両端部には、ねじ固定孔404が中央に形成されたねじ固定部403が設けられている。
筐体引掛け部402は、空気清浄機1が据付金具400を介して壁面500に据付された状態において、空気清浄機1の筐体10の後述する引掛け孔19に引っ掛けられる引掛け部である。筐体引掛け部402は、図33および図34に示すように、平面部401の上部に設けられた第1筐体引掛け部402aと、平面部401の下部に設けられた第2筐体引掛け部402bと、を有する。図35に示すように、筐体引掛け部402は、平面部401に接続された根元側から先端側に向かってすぼむ台形形状のテーパ形状とされ、台形形状の上底面の角部に丸み加工が施されている。これにより、筐体引掛け部402は、筐体10の引掛け孔19に挿入しやすくされている。
ねじ固定孔404は、空気清浄機1が据付金具400を介して壁面500にねじ固定されて据付される際に、空気清浄機1の筐体10と据付金具400とが後述するねじ411によって共締めされる際に用いられる貫通孔である。
据付金具400の平面部401の面内には、複数の壁固定用孔405が形成されている。壁固定用孔405は、据付金具400を壁面500にねじ固定するために用いられる貫通孔である。複数の壁固定用孔405が据付金具400の面内に形成されることにより、壁の内部の間柱501の位置に合う壁固定用孔405を用いて、間柱501に据付金具400のねじ打ち固定を行うことができる。これにより、壁材が薄く壁の機械的強度が弱い場合でも、間柱501に据付金具400をねじ打ち固定することで、壁に対して据付金具400を強固に固定することができる。
一方、図38に示すように、筐体10の背面10f、すなわち筐体本体11の背面には引掛け孔19が設けられている。引掛け孔19は、空気清浄機1が据付金具400を介して壁面500に据付された状態において、据付金具400の筐体引掛け部402がはめ込まれて引掛けられる引掛け孔である。引掛け孔19は、図38に示すように、筐体10の背面10fの上部に設けられた第1引掛け孔19aと、筐体10の背面10fの下部に設けられた第2引掛け孔19bと、を有する。
ここで、図33に示すように、据付金具400においては、高さ方向における、据付金具400の下端部である金具下端部406と筐体引掛け部402との間の距離は、距離L1とされている。具体的に、据付金具400において、高さ方向における、金具下端部406と第1筐体引掛け部402aとの間の距離は、距離L1である距離L1aとされている。金具下端部406と第2筐体引掛け部402bとの間の距離は、距離L1である距離L1bとされている。
一方、図38に示すように、空気清浄機1の筐体10においては、高さ方向における、筐体10の下端辺10gと引掛け孔19との間の距離も、距離L1とされている。具体的に、空気清浄機1の筐体10において、高さ方向における、筐体10の下端辺10gと第1引掛け孔19aとの間の距離も、距離L1である距離L1aとされている。筐体10の下端辺10gと第2引掛け孔19bとの間の距離も、距離L1である距離L1bとされている。
このように、高さ方向において、据付金具400における金具下端部406と筐体引掛け部402との間の距離と、空気清浄機1の筐体10における下端辺10gと引掛け孔19との間の距離とは、共に同じ寸法である距離L1とされている。すなわち、高さ方向において、据付金具400における金具下端部406と第1筐体引掛け部402aとの間の距離と、空気清浄機1の筐体10における筐体10の下端辺10gと第1引掛け孔19aとの間の距離は、共に同じ寸法である距離L1aとされている。また、高さ方向において、据付金具400における金具下端部406と第2筐体引掛け部402bとの間の距離と、空気清浄機1の筐体10における筐体10の下端辺10gと第2引掛け孔19bとの間の距離は、共に同じ寸法である距離L1bとされている。
また、上記のような寸法条件は、高さ方向において、据付金具400における金具下端部406と筐体引掛け部402との間の距離と、空気清浄機1の筐体10における下端辺10gと引掛け孔19との間の距離とは、同垂直距離にあると換言できる。また、上記のような寸法条件は、高さ方向において、据付金具400における下端から筐体引掛け部402までの距離と、空気清浄機1の筐体10における背面である内側壁の下端から引掛け孔19までの距離とが、同じ距離であると換言できる。
据付金具400の筐体引掛け部402と、筐体10の引掛け孔19とが上記のような寸法条件で構成されることにより、据付金具400の金具下端部406に空気清浄機1の筐体10における下端辺10gを突き当て、筐体10の背面10fを壁面500に近づけるように回転させると、据付金具400の筐体引掛け部402と筐体10の引掛け孔19との位置が一致する。これは、上記のように、金具下端部406と筐体引掛け部402との間の距離と、下端辺10gと引掛け孔19との間の距離とが同垂直距離にあることによるものである。
これにより、据付作業者が据付金具400の筐体引掛け部402と筐体10の引掛け孔19との位置を目視で確認できなくても、高さ方向において筐体引掛け部402と引掛け孔19との位置を一致させて、推測に頼ること無く、筐体引掛け部402を引掛け孔19に引掛けて、筐体10を据付金具400に引っ掛けることができる。これにより、据付作業性が良く、短時間で据付可能な空気清浄機を提供することができる。
空気清浄機1の筐体10を据付金具400に引掛けた後は、据付作業者は筐体10から手を離すことができるので、筐体10および据付金具400へのねじ411のねじ締め作業が容易となる。据付金具400へのねじ締めを行うのは、地震などで筐体10の据付金具400への引掛けが外れるような外力が働いても落下しないようにするためである。
この場合、空気清浄機1の筐体10を適切な位置で据付金具400に引掛けた際に筐体10と据付金具400とのねじ締め位置が合致するようにしておくことは必須である。すなわち、空気清浄機1の筐体10を適切な位置で据付金具400に引掛けた際に、据付金具400のねじ固定部403に設けられたねじ固定孔404と、筐体10の背面10fに設けられた締め付け孔10jとの位置が合致するようにしておくことは必須である。締め付け孔10jは、空気清浄機1と据付金具400とをねじ411により共締めして壁面500に固定するために用いられる貫通孔である。
一方、据付金具400への筐体10の位置合わせ時のずれを吸収して筐体引掛け部402を引掛け孔19に引っ掛けるためには、筐体引掛け部402と引掛け孔19との間においてクリアランスが必要である。筐体10の締め付け孔10jを大きめのサイズまたは幅方向に幅広の長円形状とすることにより、筐体引掛け部402が筐体引掛け部402と引掛け孔19との間のクリアランス分だけずれて引掛け孔19に引掛かっても、据付金具400のねじ固定孔404を締め付け孔10jから覗ける。これにより、ねじ固定孔404と締め付け孔10jとの位置合わせができれば、据付金具400に対する筐体10との位置は適正な位置となるため、筐体引掛け部402を引掛け孔19に引掛けた後の筐体10の位置調整が不要となる。
空気清浄機1の据え付け作業において、空気清浄機1および据付金具400の高さ方向における、すなわち鉛直方向における筐体10の引掛け孔19と据付金具400の筐体引掛け部402との位置は、上述したようにして合わせることができる。一方で、空気清浄機1および据付金具400の幅方向、すなわち水平方向においても、筐体10の引掛け孔19と据付金具400の筐体引掛け部402との位置を合わせることができると、さらに空気清浄機1の据付作業性が向上する。この場合、水平方向における据付金具400と筐体10との幅寸法を合わせることが考えられる。しかしながら、据付金具400の幅方向の寸法が大きくなると、据付金具400および空気清浄機全体の材料コストが高くなり、また据付金具400の質量が大きくなるため据付金具400および空気清浄機全体の輸送および運搬の作業性が悪化する。
以下、空気清浄機1および据付金具400の幅方向、すなわち水平方向において、筐体10の引掛け孔19と据付金具400の筐体引掛け部402との位置合わせを容易にする構造について説明する。
図37に示すように、空気清浄機1の筐体10の下面10bにおける背面側には、2つの筐体表面目印リブ10hが設けられている。また、図38および図39に示すように、空気清浄機1の筐体10の背面10fの下側には、2つの筐体裏面目印リブ10iが設けられている。
筐体表面目印リブ10hは、空気清浄機1および据付金具400の幅方向における筐体10の引掛け孔19と据付金具400の筐体引掛け部402との位置合わせに用いられる、筐体10の表面側に設けられた第1目印である。すなわち、筐体表面目印リブ10hは、空気清浄機1の筐体10と据付金具400との水平方向における位置合わせに用いられる、空気清浄機1が据え付けられた状態でも視認される空気清浄機1の表面側に設けられた目印である。
筐体裏面目印リブ10iは、空気清浄機1および据付金具400の幅方向における筐体10の引掛け孔19と据付金具400の筐体引掛け部402との位置合わせに用いられる、筐体10の裏面側に設けられた第2目印である。すなわち、筐体裏面目印リブ10iは、空気清浄機1の筐体10と据付金具400との水平方向における位置合わせに用いられる、空気清浄機1が据え付けられた状態で視認されない空気清浄機1の裏面側に設けられた目印である。
そして、筐体表面目印リブ10hと筐体裏面目印リブ10iとは、幅方向において対応する位置に配置されている。
ここで、図34に示すように、据付金具400においては、幅方向における、据付金具400の側面とねじ固定部403のねじ固定孔404との間の距離は、距離L11とされている。具体的に、据付金具400において、幅方向における、据付金具400の左側の側面である左側面401aと、左側のねじ固定部403である左ねじ固定部403aのねじ固定孔404の中心との間の距離は、距離L11とされている。据付金具400の右側の側面である右側面401bと、右側のねじ固定部403である右ねじ固定部403bのねじ固定孔404の中心との間の距離は、距離L11とされている。
一方、図37に示すように、空気清浄機1の筐体10においては、幅方向における、筐体表面目印リブ10hと、締め付け孔10jとの間の距離も、距離L11とされている。具体的に、空気清浄機1の筐体10において、幅方向における、左側の筐体表面目印リブ10hである左筐体表面目印リブ10haと、左側の締め付け孔10jである左締め付け孔10jaの中心との間の距離も、距離L11とされている。同様に、右側の筐体表面目印リブ10hである右筐体表面目印リブ10hbと、右側の締め付け孔10jである右締め付け孔10jbの中心との間の距離も、距離L11とされている。
同様に、空気清浄機1の筐体10においては、幅方向における、筐体裏面目印リブ10iと、締め付け孔10jとの間の距離も、距離L11とされている。具体的に、空気清浄機1の筐体10において、幅方向における、左側の筐体裏面目印リブ10iである左筐体裏面目印リブ10iaと、左側の締め付け孔10jである左締め付け孔10jaの中心との間の距離も、距離L11とされている。右側の筐体裏面目印リブ10iである右筐体裏面目印リブ10ibと、右側の締め付け孔10jである右締め付け孔10jbの中心との間の距離も、距離L11とされている。
また、図34に示すように、据付金具400においては、幅方向における、据付金具400の側面と筐体引掛け部402の中央との間の距離は、距離L12とされている。具体的に、据付金具400において、幅方向における、据付金具400の左側の側面である左側面401aと、第1筐体引掛け部402aの中央との間の距離は、距離L12とされている。据付金具400の右側の側面である右側面401bと、第1筐体引掛け部402aの中央との間の距離は、距離L12とされている。据付金具400の左側の側面である左側面401aと、第2筐体引掛け部402bの中央との間の距離は、距離L12とされている。据付金具400の右側の側面である右側面401bと、第2筐体引掛け部402bの中央との間の距離は、距離L12とされている。
幅方向において、第1筐体引掛け部402aの中央の位置および第2筐体引掛け部402b中央心の位置は、左側面401aと右側面401bとの間の中央の位置である。
一方、図37に示すように、空気清浄機1の筐体10においては、幅方向における、1つの筐体表面目印リブ10hと、2つの筐体表面目印リブ10hの間の中央HCとの間の距離も、距離L12とされている。具体的に、空気清浄機1の筐体10において、幅方向における、左側の筐体表面目印リブ10hである左筐体表面目印リブ10haと、2つの筐体表面目印リブ10hの間の中央HCとの間の距離も、距離L12とされている。同様に、右側の筐体表面目印リブ10hである右筐体表面目印リブ10hbと、2つの筐体表面目印リブ10hの間の中央HCとの間の距離も、距離L12とされている。
同様に、空気清浄機1の筐体10において、幅方向における、1つの筐体裏面目印リブ10iと、2つの筐体裏面目印リブ10iの間の中央との間の距離も、距離L12とされている。具体的に、空気清浄機1の筐体10において、幅方向における、左側の筐体裏面目印リブ10iである左筐体裏面目印リブ10iaと、2つの筐体裏面目印リブ10iの間の中央との間の距離も、距離L12とされている。同様に、右側の筐体裏面目印リブ10iである右筐体裏面目印リブ10ibと、2つの筐体裏面目印リブ10iの間の中央との間の距離も、距離L12とされている。
また、据付金具400における左側面401aと右側面401bとの間の距離は、距離L13とされている。左側面401aと右側面401bとの間の距離は、据付金具400の幅方向の寸法と換言できる。空気清浄機1では、据付金具400の幅方向の寸法を壁面500と据付金具400との固定を強固にするための最低限の幅寸法とする。
一方、空気清浄機1の筐体10においては、幅方向における、2つの筐体裏面目印リブ10iの間の距離および2つの筐体表面目印リブ10hの間の距離も、距離L13とされている。
このように、幅方向において、据付金具400における側面とねじ固定部403のねじ固定孔404との間の距離と、空気清浄機1の筐体10における筐体表面目印リブ10hと締め付け孔10jとの間の距離と、空気清浄機1の筐体10における筐体裏面目印リブ10iと締め付け孔10jとの間の距離とは、共に同じ寸法である距離L11とされている。
また、幅方向において、据付金具400にける側面と筐体引掛け部402の中央との間の距離と、空気清浄機1の筐体10における1つの筐体表面目印リブ10hと2つの筐体表面目印リブ10hの間の中央HCとの間の距離と、空気清浄機1の筐体10における1つの筐体裏面目印リブ10iと2つの筐体裏面目印リブ10iの間の中央との間の距離とは、共に同じ寸法である距離L12とされている。
また、幅方向における、据付金具400の幅と、空気清浄機1の筐体10における2つの筐体裏面目印リブ10iの間の距離および2つの筐体表面目印リブ10hの間の距離とは、共に同じ寸法である距離L13とされている。
また、上記のような寸法条件は、幅方向において、据付金具400の側面から据付金具400のねじ固定部403までの距離と、筐体表面目印リブ10hから締め付け孔10jまでの距離と、筐体裏面目印リブ10iから締め付け孔10jまでの距離とは、同水平距離にあると換言できる。また、上記のような寸法条件は、据付金具400の側面と目印が、空気清浄機1の幅方向において、据付金具400の側面から筐体引掛け部402の中央までの距離と、目印から引掛け孔19の中央までの距離とが同じ距離である位置に配置されている、と換言できる。
据付金具400のねじ固定部403と、筐体10の締め付け孔10jとが上記のような寸法条件で構成されることにより、据付金具400の両側面に筐体10の筐体表面目印リブ10hあるいは筐体裏面目印リブ10iをあわせると、幅方向におけるねじ固定部403と締め付け孔10jとの位置が一致する。これは、上記のように、距離L11と距離L13とを規定したことによるものである。また、据付金具400の両側面に筐体10の筐体表面目印リブ10hあるいは筐体裏面目印リブ10iをあわせると、幅方向における据付金具400の筐体引掛け部402と筐体10の引掛け孔19との位置が一致する。これは、上記のように、距離L12と距離L13とを規定したことによるものである。
その後は、前述のように据付金具400の金具下端部406に空気清浄機1の筐体10における下端辺10gを突き当て、筐体10の背面10fを壁面500に近づけるように回転させると、据付金具400の筐体引掛け部402と筐体10の引掛け孔19との位置が一致する。
これにより、据付作業者が据付金具400の筐体引掛け部402と筐体10の引掛け孔19との位置を目視で確認できなくても、高さ方向および幅方向において筐体引掛け部402と引掛け孔19との位置が一致するので、筐体10の位置調整が不要で筐体10を据付金具400に引っ掛けることができる。これにより、据え付け作業者の推測に頼ること無く、筐体引掛け部402を引掛け孔19に引掛けて、筐体10を据付金具400に引っ掛けることができる。これにより、据付作業性が良く、短時間で据付可能な空気清浄機を提供することができる。
また、筐体10の据付高さまたは据付作業者の身長の違いにより、据付作業者の目線の位置が据付金具400と筐体10との突き当て位置より高い場合と低い場合とがある。空気清浄機1および据付金具400の幅方向における筐体10の引掛け孔19と据付金具400の筐体引掛け部402との位置合わせに用いられる目印を筐体10の表面と裏面との両面に設けることにより、据付作業者の目線の位置が据付金具400と筐体10との突き当て位置よりも高い場合と低い場合とのどちらの場合においても、目視確認しやすくなる。
当該目印である筐体表面目印リブ10hは、筐体10の表面に設けるため目立ちにくいような細い線上でもよく、敢えて目立つような鋭角形状のデザインの一部としてもよい。また、筐体10の表面に設ける筐体表面目印リブ10hは、筐体10の据付け後は取り外し可能な仮固定部品、例えばテープとすれば、筐体10の据付け後に剥がすことにより筐体10の据付け後には筐体10の表面の意匠部を完全にフラットにすることも可能である。
つぎに、空気清浄機1の据付方法ついて具体的に説明する。図40は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の据付方法を示す第1の模式図である。図41は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の据付方法を示す第2の模式図である。図42は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の据付方法を示す第3の模式図である。
まず、図40に示すように、空気清浄機1の据付作業時の据付作業者520の目の位置が据付金具400の金具下端部406よりも高い場合における空気清浄機1の据付方法について説明する。図43は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の据付方法の手順を示す第1のフローチャートである。図43では、空気清浄機1の据付作業時の据付作業者520の目の位置が据付金具400の下端辺よりも高い場合の空気清浄機1の据付方法について示している。
まず、ステップS110において、図40に示すように、据付作業者520が、据付金具400の下端部である金具下端部406と空気清浄機1の筐体10の外郭の内側壁とを合わせ、水平方向において据付金具400の側面と筐体裏面目印リブ10iとを合わせる。具体的に、据付作業者520は、金具下端部406と空気清浄機1の筐体10の背面10fの下端部とを合わせ、水平方向における、据付金具400の側面である平面部401の側面の位置と筐体裏面目印リブ10iの位置とを合わせる。
つぎに、ステップS120において、据付作業者520が、据付金具400の下端辺を回転軸として、筐体10の背面10fを壁面500に近づけるように、図40に示す矢印の方向に筐体10を回転させる。これにより、据付作業者520が据付金具400の筐体引掛け部402と筐体10の引掛け孔19との位置を目視で確認しなくても、筐体引掛け部402と引掛け孔19との位置が一致し、筐体引掛け部402を引掛け孔19に引掛けて、筐体10を据付金具400に引っ掛けることができる。
つぎに、ステップS130において、図42に示すように、据付作業者520が、筐体10と据付金具400とをねじ411を用いて共締めすることにより、筐体10を壁面500にねじ固定する。この時、据付作業者520は筐体10から手を離すことができるので、ねじ411のねじ締め作業が容易となる。
以上の手順を実施することにより、据付作業者520が据付金具400の筐体引掛け部402と筐体10の引掛け孔19との位置を目視で確認することなく、鉛直方向および水平方向において筐体引掛け部402と引掛け孔19との位置を一致させて、筐体引掛け部402を引掛け孔19に引掛けて、筐体10を据付金具400に引っ掛けることができる。
つぎに、図41に示すように、空気清浄機1の据付作業時の据付作業者520の目の位置が据付金具400の下端辺よりも低い場合における空気清浄機1の据付方法について説明する。図44は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の据付方法の手順を示す第2のフローチャートである。図44では、空気清浄機1の据付作業時の据付作業者520の目の位置が据付金具400の下端辺よりも低い場合の空気清浄機1の据付方法について示している。
まず、ステップS210において、図41に示すように、据付作業者520が、据付金具400の下端部である金具下端部406と空気清浄機1の筐体10の外郭の内側壁とを合わせ、水平方向において据付金具400の側面と筐体表面目印リブ10hとを合わせる。具体的に、据付作業者520は、金具下端部406と空気清浄機1の筐体10の背面10fの下端部とを合わせ、水平方向における、据付金具400の側面である平面部401の側面の位置と筐体表面目印リブ10hの位置とを合わせる。
つぎに、ステップS220において、据付作業者520が、据付金具400の下端辺を回転軸として、筐体10の背面10fを壁面500に近づけるように、図41に示す矢印の方向に筐体10を回転させる。これにより、据付作業者520が据付金具400の筐体引掛け部402と筐体10の引掛け孔19との位置を目視で確認しなくても、筐体引掛け部402と引掛け孔19との位置が一致し、筐体引掛け部402を引掛け孔19に引掛けて、筐体10を据付金具400に引っ掛けることができる。
つぎに、ステップS230において、図42に示すように、据付作業者520が、筐体10と据付金具400とをねじ411を用いて共締めすることにより、筐体10を壁面500にねじ固定する。この時、据付作業者520は筐体10から手を離すことができるので、ねじ411のねじ締め作業が容易となる。
以上の手順を実施することにより、据付作業者520が据付金具400の筐体引掛け部402と筐体10の引掛け孔19との位置を目視で確認することなく、鉛直方向および水平方向において筐体引掛け部402と引掛け孔19との位置を一致させて、筐体引掛け部402を引掛け孔19に引掛けて、筐体10を据付金具400に引っ掛けることができる。
なお、筐体10の背面10f側は、据付金具400に対応する領域が前面パネル12側に少し凹んでおり、空気清浄機1が据付金具400に取り付けられた際に、据付金具400を収納できるようになっていてもよい。これにより、据付金具400が露出することが無く、据付金具400が露出して見えることによる外観の悪化が生じない。
(ワイヤ吊り部)
また、空気清浄機1の筐体10と据付金具400との双方にワイヤ吊り部を設け、筐体10の高さ方向における筐体10のワイヤ吊り部を筐体10の高さ方向における筐体10の重心位置Gよりも下方の位置に配置することにより、筐体10が落下しないように筐体10を支える支えを必要とせずに、筐体10の背面10f側での電源接続作業を行うことができる。
前述のように電源接続部310は、外部電源から空気清浄機1の電源を取り込む電源ケーブル511が接続されるが、電源ケーブル511は建物のブレーカ等から天井裏および壁の内部を這いまわしたのち、空気清浄機1が設置される壁面500に形成された壁面開口部502より室内に引き出される。
したがって、電源接続部310が壁面開口部502に対面する筐体10の背面10fに配置されることにより、電源接続部310と電源ケーブル511との接続作業がしやすくなる。また、電源接続部310が筐体10の背面10fに配置されることにより、空気清浄機1の設置後に壁面開口部502を含む電源ケーブル511を筐体10で覆うことができ、壁面開口部502および電源ケーブル511が露出せず、空気清浄機1の外観が良くなる。
ただし、筐体10の背面10fに設けられた電源接続部310に電源ケーブル511が接続されるタイミングは、据付金具400への筐体10の引掛けの直前であり、筐体10が未だ据付金具400に固定されていない状態である。したがって、電源接続部310への電源ケーブル511の接続作業は、筐体10を支える人が必要になったり、床面で作業するためには電源ケーブル511を長く壁面開口部502より引っ張り出し、接続作業後に再度、電源ケーブル511を壁面開口部502に入れ戻す作業が必要であり、作業人数および手間のかかる作業となる。
図45は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の据付において筐体10に電源ケーブル511を接続する電源接続作業の状態を示す図である。実施の形態1では、空気清浄機1の筐体10の背面10fに、筐体10のワイヤ吊り部である筐体吊り部10kが設けられている。また、据付金具400の平面部401に、据付金具400のワイヤ吊り部である金具吊り部407が設けられている。筐体10のワイヤ吊り部である筐体吊り部10kは、筐体10の高さ方向において、筐体10の重心位置Gよりも下方の位置に配置されている。
筐体吊り部10kと金具吊り部407とは、電源接続部310と電源ケーブル511との接続作業を行う際に、吊りワイヤ420で結ばれる。これにより、筐体10が据付金具400に仮固定される。このため、据付作業者520は、筐体10が落下しないように筐体10を支える人または支え治具を使用することなく、筐体10の背面側での電源接続作業を行うことができる。また、筐体吊り部10kを筐体10の高さ方向において筐体10の重心位置Gよりも下方の位置に配置することにより、筐体10を安定した状態で据付金具400に仮固定することができる。
筐体10が据付金具400に仮固定された際、筐体10のワイヤ吊り部である筐体吊り部10kが筐体10の重心位置Gよりも下方に位置するため、筐体10の10a上面が下方に下がる方向にトルクが働く。これにより、筐体10の筐体吊り部10kと据付金具400の金具吊り部407とを接続する吊りワイヤ420によって、筐体10を据付金具400に安定して仮固定することができる。すなわち、筐体10の下面10bには上方に上がる方向にトルクが働くが、筐体10の下端が据付金具400と突き合わせられているために、筐体10は回転せず停止することになる。
また、吊りワイヤ420のワイヤ長さは、据付金具400の下端と筐体10の下端の内側壁とが外れないようにするために、筐体10の背面10fと壁面500とのなす角度αが90度よりも大きくならない長さ、すなわち筐体10の背面10fと壁面500とのなす角度αが90度以下となる長さとされている。すなわち、吊りワイヤ420は、筐体10における背面10fの下端が据付金具400の下端に押し当てられた状態で筐体10の上部が前方に開かれたときに、筐体10の背面10fと壁面500とのなす角度αが90度以下である状態で筐体10を保持可能な長さを有する。
また、電源接続部310は、筐体10の背面10fにおいて、筐体10の高さ方向における上部の位置に設けられることが好ましい。電源接続部310が、筐体10の背面10fにおける、筐体10の高さ方向における上部の位置に設けられる場合、据付金具400の金具吊り部407と筐体10の筐体吊り部10kとを吊りワイヤ420でワイヤ固定した仮固定の状態では、電源接続部310が背面10fの手前側に位置することになる。この場合には、電源接続部310が、据付作業者の近くに位置することになり、壁面500からも離隔されるため、作業スペースが広くなり、電源接続部310への電源ケーブル511の接続作業が容易となる。
つぎに、空気清浄機1の据付において筐体10に電源ケーブル511を接続する電源接続作業の手順について具体的に説明する。図46は、実施の形態1にかかる空気清浄機1の据付において筐体10に電源ケーブル511を接続する電源接続作業の手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS310において、据付作業者520が、据付金具400を壁に取り付ける。具体的に、据付作業者520は、壁固定用孔405を用いて据付金具400を壁面500にねじ固定する。
つぎに、ステップS320において、据付作業者520が、据付金具400と空気清浄機1の筐体10とのワイヤ吊り部同士を吊りワイヤで結んで筐体10を仮固定する。具体的に、据付作業者520が、据付金具400のワイヤ吊り部である金具吊り部407と、筐体10のワイヤ吊り部である筐体吊り部10kとを吊りワイヤ420で接続して、筐体10を据付金具400にワイヤ固定することにより、筐体10を据付金具400に仮固定する。
つぎに、ステップS330において、据付作業者520が、筐体10の下端の内壁面を据付金具400の下端部に押し当てた状態で筐体10の上部を前方に開く。具体的に、据付作業者520が、据付金具400に仮固定された筐体10の下端の内壁面を据付金具400の下端部に押し当て、据付金具400の下端辺を回転軸として、筐体10の背面10fを壁面から遠ざけるように、筐体10の上部を前方に開く。据付金具400に仮固定された筐体10の下端の内壁面は、筐体10における背面の下端と換言できる。
つぎに、ステップS340において、据付作業者520が、電源ケーブル511を電源接続部310に接続する。具体的に、据付作業者520が、壁面500に形成された壁面開口部502より室内に引き出された空気清浄機1の電源コードである電源ケーブル511を、筐体10の背面10fに配置された電源接続部310に、筐体10の背面側から接続する。
つぎに、ステップS350において、据付作業者520が、筐体10を回転させて据付金具400に筐体10を引っ掛ける。具体的に、据付作業者520が、据付金具400の下端辺を回転軸として、筐体10の背面10fを壁面500に近づけるように、筐体10を回転させて、筐体10の引掛け孔19を、据付金具400の筐体引掛け部402に引っ掛ける。
つぎに、ステップS360において、据付作業者520が、筐体10と据付金具400とをねじ固定する。具体的に、据付作業者520が、筐体10と据付金具400とをねじ411を用いて共締めすることにより、筐体10を壁面500にねじ固定する。
上述したように、実施の形態1では、空気清浄機1の筐体10の背面10fにおける筐体10の高さ方向において筐体10の重心位置Gよりも下方の位置に筐体吊り部10kが設けられ、据付金具400の平面部401に金具吊り部407が設けられる。そして、据付金具400の下端に筐体10の下端を突き当て、筐体10の筐体吊り部10kと据付金具400の金具吊り部407とを吊りワイヤ420により接続することにより、筐体10が据付金具400に仮固定される。
これにより、据付作業者520は、筐体10が落下しないように筐体10を支える人または支え治具を使用することなく、筐体10の背面側での電源接続作業を行うことができる。また、電源ケーブル511を電源接続部310に接続する作業を床面で行うために電源ケーブル511を長く壁面開口部502から引っ張りだす必要が無い。このため、据付作業者520は、容易に電源接続部310への電源ケーブル511の接続作業をすることが可能である。すなわち、空気清浄機1では、据付作業性が良く、短時間で据え付けが可能な空気清浄機1が実現できる。
(制御回路部)
つぎに、制御回路部320について説明する。上述したように、制御回路部320は、強電回路基板331と、板金ケース343と、弱電回路基板332と、を備える。
強電回路基板331は、電源接続部310を介して外部電源に接続され、送風機200のモータ203に電源を供給するため、流れる電流の電流値が相対的に大きい配線である大電流配線が接続されている。空気清浄機1における大電流配線は、モータ用配線352が該当する。強電回路基板331は、空気清浄機1に用いられる電気部品のうち相対的に電流値が大きい電流を必要とする電気部品に電源を供給する第1の電源回路基板としての機能を有するといえる。
弱電回路基板332は、不図示のトランスおよび電源接続部310を介して外部電源に接続され、表示LED、操作スイッチ、センサ、電気集塵機120に電源を供給するため、流れる電流の電流値が相対的に小さい配線である小電流配線が接続されている。空気清浄機1における小電流配線は、操作スイッチ回路用配線351、電気集塵機電源部用配線353およびにおいセンサ用配線354が該当する。弱電回路基板332は、空気清浄機1に用いられる電気部品のうち相対的に電流値が小さい電流を必要とする電気部品に電源を供給する第2の電源回路基板としての機能を有するといえる。
制御回路部320では、強電回路基板331が板金ケース343によって覆われている。これにより、制御回路部320では、強電回路基板331に接続されるとともに流れる電流の電流値が相対的に大きい大電流配線と、弱電回路基板332に接続されるとともに流れる電流の電流値が相対的に小さい小電流配線とが、強電回路基板331を覆う板金ケース343によって分離されて配置されている。すなわち、制御回路部320では、大電流配線と小電流配線と交ざりあって配置されることが無く、互いに隔離された状態で配置されている。これにより、空気清浄機1では、大電流配線に流れる電流に起因して発生するノイズによる、表示LED、操作スイッチ、センサ、電気集塵機120などの電気部品の誤動作の発生を抑制することができ、信頼性が高い空気清浄機1が実現されている。
また、空気清浄機1では、図3よび図10に示すように、万が一の場合に発煙または発火の可能性が考えられる、流れる電流の電流値が大きい強電回路基板331のみが板金ケース343で覆われている。このため、空気清浄機1は、全ての回路基板を板金ケース343で覆うことなく、空気清浄機1の重量の増大を抑制しつつ、低コストで安全性が高い空気清浄機1が実現されている。また、空気清浄機1は、発煙または発火の可能性が極めて低い、流れる電流の電流値が小さい弱電回路基板332は板金ケース343で覆われていないため、弱電回路基板332についてのサービスメンテナンスの作業時の作業性が良い空気清浄機1が実現されている。すなわち、空気清浄機1では、実装される回路基板に接続された配線間のノイズを抑制しつつ、メンテナンス作業時の作業性が良い空気清浄機1が実現できる。
一般的な空気清浄機では、送風機200のモータ203等に接続されて流れる電流の電流値が相対的に大きい大電流配線と、表示LED、操作スイッチ、センサおよび電気集塵機120等に接続されて流れる電流の電流値が相対的に小さい小電流配線とが交じり合って配置される。この場合、大電流配線から発生する電磁波を小電流配線がノイズとして受けることにより、小電流配線に接続された電気部品の誤作動が発生するという問題がある。また、安全性を高めるために回路基板から発煙または発火した際の延焼を防ぐための板金ケースで回路基板の全体を覆う場合には、板金ケースは高コストであるため空気清浄機のコストが増加し、また回路基板が故障した際のサービスメンテナンス作業も煩わしくなるという問題がある。
一方、空気清浄機1では、制御回路部320の制御回路は、流れる電流の電流値が相対的に大きい強電回路基板331と、流れる電流の電流値が相対的に小さい弱電回路基板332と、からなる。そして、空気清浄機1では、流れる電流の電流値が相対的に大きい強電回路基板331のみが板金ケース343で覆われる。このため、空気清浄機1では、低コストで安全性が高く、サービスメンテナンスの作業性がよい空気清浄機1が実現されている。
(板金ケースの露出部)
図3に示すように、強電回路基板331は、接地線512が接続されることで接地された板金ケース343で覆われている。また、弱電回路基板332は、板金ケース343との間に強電回路基板用樹脂ケース341を介して強電回路基板331に積層した状態で配置されている。そして、強電回路基板用樹脂ケース341の一部には、開口部341aが形成されている。これにより、図6に示すように、板金ケース343には、強電回路基板用樹脂ケース341が配置された状態で前面側から見た場合に、板金ケース343の一部が開口部341aから前面側に露出された露出部343aが形成されている。すなわち、空気清浄機1の使用時および前面パネル12が取り外された状態において、前面側から見た場合に、強電回路基板用樹脂ケース341から露出部343aが露出している。
空気清浄機1では、露出部343aが設けられていることにより、サービスメンテナンスを実施する際にサービスマンが露出部343aに触れることにより除電することができるため、サービスマンの帯電により制御回路部320の制御回路が故障することがない、信頼性が高い空気清浄機1が実現されている。
強電回路基板331は、流れる電流の電流値が大きく不慮の事故により発煙または発火の可能性があるため、板金ケース343で覆うことにより万が一の強電回路基板331の発火時に延焼防止することができるように安全策が施されている。また、同様に、板金ケース343は、接地線512が接続されて接地されることにより、万が一の漏電時に板金ケース343からの感電を防止することができるように安全策が施されている。
また、回路基板の故障時にサービスマンが回路基板を修理する際に、特に冬季など空気が乾燥した環境下ではサービスマンが帯電する可能性があり、サービスマンが回路基板に触れた際に放電して回路基板が故障する可能性がある。
空気清浄機1では、接地された板金ケース343を露出させた露出部343aを設けているため、サービスマンが回路基板を修理する際に事前に露出部343aに触れることによりサービスマンを除電し、サービスマンの帯電に起因した回路基板の故障を防ぐことができる。
サービスマンが帯電した状態で回路基板に触れることによる回路基板の故障は、強電回路基板331と弱電回路基板332とも共通して発生し得る。このため、サービスマンは、サービスメンテナンスを行う際に、強電回路基板331と弱電回路基板332とのどちらの回路基板をメンテナンスする際にも、露出部343aに触れて除電を行ったほうがよい。このため、弱電回路基板332は、強電回路基板331の板金ケース343の近くに配置されることが好ましい。ただし、板金ケース343の直上に弱電回路基板332が配置されると、弱電回路基板332と板金ケース343とが電気的に短絡してしまう。
このため、空気清浄機1では、弱電回路基板332と板金ケース343との間に強電回路基板用樹脂ケース341を配置することにより、強電回路基板用樹脂ケース341を介して弱電回路基板332と板金ケース343との間が電気絶縁されている。また、空気清浄機1では、弱電回路基板332の面内方向において弱電回路基板332とは離隔した位置の強電回路基板用樹脂ケース341の一部に開口部341aを設けることにより、サービスマンがアクセスしやすい位置に、板金ケース343の一部を露出させた露出部343aが形成されている。
また、板金ケース343において露出部343aが構成される部分が平面部であると、板金ケース343の一部を露出させて露出部343aを形成しても、万が一の強電回路基板331の発火時における露出部343aからの延焼または露出部343aによる怪我の発生を生じない安全な空気清浄機1を実現できる。
空気清浄機1では、板金ケース343において露出部343aが構成される一面である上面343bが平坦面とされており、板金ケース343の平面部に露出部343aが構成されている。これにより、空気清浄機1では、万が一の強電回路基板331の発火時における露出部343aからの延焼または露出部343aによる怪我の発生が生じない、安全な空気清浄機1が実現されている。
図11に示すように、板金ケース343の側面には、大電流配線を通すための切欠部343cが形成されている。切欠部343cには、板金ケース343の製造加工時に切断面に発生する金属の出っ張りであるカエリが存在する。また、板金の曲げ合わせ部343dにも、板金ケース343の製造加工時に切断面に発生する金属の出っ張りであるカエリが存在する。また、板金の曲げ合わせ部343dは、万が一の強電回路基板331の発火時に炎が隙間から漏れやすい。
板金ケース343が用いられる目的は、万が一の強電回路基板331の発火時の延焼防止である。露出部343aが構成される板金ケース343の平面部である上面343bは、板金ケース343の端面と比較して万が一の強電回路基板331の発火時に炎が漏れにくく、また製造時に発生し触れると切傷の原因となるカエリの発生も無い。このため、板金ケース343の平面部である上面343bは、サービスマンが除電用に触れる箇所として露出していても、万が一の強電回路基板331の発火時に炎が漏れにくく安全な箇所であり、サービスマンが触れても切傷しない安全な箇所である。したがって、空気清浄機1では、サービスマンは、露出部343aに触れることにより除電して、サービスマンの帯電に起因した回路基板の故障を防ぐことができる。
(強電回路基板用樹脂ケースの刻印)
空気清浄機1では、図6に示すように、強電回路基板用樹脂ケース341における上面、すなわち強電回路基板用樹脂ケース341における前面パネル12側の面に、サービスマンに対してサービスメンテナンス作業前に露出部343aに触るように促す旨のメッセージである「お願い」の文字の刻印341bが設けられている。これにより、サービスマンは、サービスメンテナンス作業前に確実に除電することができる。
空気清浄機1では、サービスマンがサービスメンテナンス作業を行う際に前面パネル12が取り外された状態で視認される強電回路基板用樹脂ケース341の一部にサービスマンに対してサービスメンテナンス作業前に露出部343aに触るように促す旨の「お願い」の文字の刻印341bが刻印してある。このため、サービスマンは、前面パネル12を取り外した際に、忘れずに露出部343aに触って確実に除電作業を行うことができる。また、刻印341bは、強電回路基板用樹脂ケース341に直接形成されているため、シールのように空気清浄機1の内部の清掃時に剥がれることが無く、新たな部品を追加する必要も無いので、長期的に信頼性があり低コストでサービスマンへの注意を促すことができる。
上述したように、実施の形態1によれば、空気清浄機1が設置される設置面からの張り出し寸法が小さく、室内の在室者に圧迫感を与えることがない空気清浄機1を得ることができる、という効果を奏する。
また、実施の形態1によれば、開閉可能な前面パネル12を有し、密閉度を向上させるためのパッキンなどの個別の部品の部品点数を増やすことなく、簡単な構造で密閉度の向上が可能な空気清浄機1が得られる、という効果を奏する。
また、実施の形態1によれば、製造が容易であり、取り付けが容易な空気清浄機1が得られる、という効果を奏する。
また、実施の形態1によれば、据付作業性が良く、短時間で据え付けが可能な空気清浄機1が得られる、という効果を奏する。
また、実施の形態1によれば、実装される回路基板に接続された配線間のノイズを抑制しつつ、メンテナンス作業時の作業性が良い空気清浄機1が得られる、という効果を奏する。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。