一般に、襟付きシャツは、襟及び前立て周辺によって商品の美観が評価されやすいので、襟及び/又は前立て周辺の見栄えを向上させることが望まれる。
本発明は、襟及び/又は前立て周辺の見栄えが向上された襟付きシャツを提供することを課題とする。
本発明の一態様は、身頃と、襟先を下方に向けた通常状態において、表側に位置する第1面を構成する帯状の襟本体と、前記襟本体に連続して設けられると共に、前記襟本体に折り返され、前記通常状態において、裏側に位置する第2面を構成する3つの折り返し片とを有し、前記身頃に縫い付けられる襟とを備え、前記襟本体は、前記身頃に縫い付けられる第1長辺部と、前記第1長辺部に対向する第2長辺部と、前記第1長辺部と前記第2長辺部とを接続する一対の短辺部とを有し、前記3つの折り返し片は、前記第2長辺部と前記一対の短辺部に設けられ、前記3つの折り返し片には、前記第2長辺部に連続する主折り返し片と、前記一対の短辺部にそれぞれ連続する一対の副折り返し片とが含まれており、前記主折り返し片は、前記主折り返し片が折り返される前記第2長辺部からなる第1主長辺部と、前記第1主長辺部に平行な第2主長辺部と、前記第1主長辺部と前記第2主長辺部とを接続する一対の主短辺部とを有し、前記一対の副折り返し片はそれぞれ、前記副折り返し片が折り返される前記一対の短辺部からなる第1副辺部と、折り返し時に、前記主短辺部に相補的に傾斜する第2副辺部と、前記第1長辺部に沿って延びる第3副辺部とを有する襟付きシャツを提供する。
一般に、2枚の襟用生地を準備し、当該2枚の襟用生地を接着剤により接合して形成された襟が知られている。2枚の襟用生地を貼り合わせると、襟の周縁部には、互いに張り合わされた2枚の生地を裁断した際の断面が露出する場合がある。このようにして襟が形成される場合、互いに貼り合わされた襟用生地の周縁部からはがれが生じたり、接着剤の劣化等によって周縁部の断面が黄変したりするおそれがある。
本発明によれば、少なくとも2枚の襟用生地を重ね合わせて形成された襟において、3つの折り返し片を折り返して、3つの折り返し片が襟本体に重ね合わされると、襟の周縁部は、身頃に縫い付けられる第1長辺部を除いて、第2長辺部及び一対の短辺部からなる折り返し線に沿って、折り返し片と襟本体とによって襟の端部が袋状に形成される。そのため、襟の周縁部にパーツの切り離し端部の断面が現れることがなく、襟の周縁部におけるほつれを抑制でき、例えば、襟を接着剤により接合した場合でも、襟の周縁部のはがれ及び黄変を抑制できる。その結果、襟付きシャツの襟周辺の見栄えを向上させることができる。
本構成によれば、主折り返し片の一対の主短辺部と、各副折り返し片の第2副辺部とが相補的に形成されているので、折り返し時に、一対の主短辺部と各第2副辺部とが重複することによって、襟に厚みの差(凹凸)が生じることが抑制でき、美観に優れた襟を形成することができる。
また、襟の周縁部は、第2長辺部及び一対の短辺部からなる各折り返し線によって襟の端部が袋状に形成されるので、襟の周縁部からのほつれや、はがれ及び黄変を抑制できる。特に、襟が身頃に縫着された後の襟先部の頂部が、第2長辺部と各短辺部との交点によって形成される場合においても、襟先部の頂部のけるほつれや、はがれ及び黄変を抑制できる。
前記襟は、前記襟本体と、前記3つの折り返し片との間を接着することで形成されてもよい。
本構成によれば、3つの折り返し片を折り返して、3つの折り返し片が襟本体に重ね合わされると、襟の周縁部は、身頃に縫い付けられる第1長辺部を除いて、折り返し片と襟本体とによって形成されて折り返し線に沿った袋状となる。そのため、襟の周縁部にパーツの切り離し端部の断面が現れることがない。したがって、襟本体と襟本体から切り離された重ね合わせ片とを接着した場合のように、襟の周縁部のはがれや黄変を抑制できる。また、襟本体と3つの折り返し片とが縫着される場合に比べて、襟本体と折り返し片とが離間することによる襟先部の膨らみを防止でき、美観に優れた襟を形成できる。
前記襟は、前記襟本体と、前記3つの折り返し片との間が接着されておらず、互いに離間可能であると共に、前記3つの折り返し片は、前記襟本体に縫合されていてもよい。
本構成によれば、3つの折り返し片を折り返して、3つの折り返し片が襟本体に重ね合わされると、襟の周縁部は、身頃に縫い付けられる長辺部を除いて、折り返し片と襟本体とによって形成されて折り返し線に沿った袋状となる。そのため、襟の周縁部にパーツの切り離し端部の断面が現れることがない。したがって、襟の周縁部のほつれを抑制できる。
前記襟は、前記主折り返し片の前記一対の主短辺部と、前記一対の副折り返し片の前記第2副辺部とが突き合わせられた状態で接着される突合せ部分と、前記突合せ部分に沿って延びるように設けられた補強テープと、を備えてもよい。
本構成によれば、一対の主短辺部と一対の第2副辺部とが突き合わされている部分である突合せ部分は、襟が身頃に縫着された後の襟先部の頂部から襟本体の身頃に縫い付けられる第1長辺部に向かって延びている。これにより、この突合せ部分に沿って設けられた補強テープは、襟の先端が反り返るなどの型崩れを防止するための所謂カラーキーパーとして機能するので、カラーキーパー用の別部材を設けることなく、襟の型崩れを抑制できる。
前記襟本体と前記3つの折り返し片との間に芯材を備えてもよい。
本構成によれば、芯材によって、襟の型崩れが抑制されて、襟の形を整えることができる。
本発明の他の態様は、身幅の右側に位置する前身頃右部と、身幅の左側に位置する前身頃左部とを有する前身頃を備え、前記前身頃右部および前記前身頃左部はそれぞれ、身幅方向中央側において前記前身頃の裏側に折り返される折り返し部を有し、前記折り返し部の身幅方向の内縁部に隣接し、前記前身頃の身丈方向に沿って延びる前立て部材をさらに備え、前記前立て部材は、前記前身頃の表側に位置する表前立て部と、前記表前立て部の身幅方向の内端部に連続して前記表前立て部の裏側に位置すると共に、幅方向外側に向かって延びる裏前立て部とを有し、前記折り返し部の身幅方向外側の折り返し端部に対して、前記表前立て部の身幅方向外側の表前立て端部と、前記裏前立て部の身幅方向外側の裏前立て端部とのうち少なくとも一方は、身幅方向位置をずらして配置されてもよい。
一般に、ポロシャツの前立て部材は、前身頃が折り返されて形成される折り返し部の身幅方向の外側の端部である折り返し端部と、前立て部材のうち前身頃に縫着される表前立て部の身幅方向の外側の端部である表前立て端部と、表前立て部の身幅方向の内端部から連続する共に表前立て部の裏側に配置される裏前立て部の身幅方向の外側の端部である裏前立て端部との身幅方向の位置が一致するように構成されている。
この場合、前身頃の前立て周りに複数の生地の端部が集中することによって、前立ての端部の集中が表側に意図しない凹凸として現れて美観が損なわれたり、シャツの端部が着用者に当接することで不快感を与えたりする虞がある。より詳しくは、複数の生地(例えば、前身頃、折り返し部、表前立て部および裏前立て部の4枚)が重ね合わさって構成される前立て部と、前身頃(1枚)との間で生地の厚さが異なり、前立て部の端部(折り返し部、表前立て部および裏前立て部の身幅方向における端部)において段差が生じる。この段差がシャツの表側に現れて、美観が損なわれたり、着用者に段差部が当接して擦れが生じたりする場合がある。
これに対して、本発明によれば、前立て部周りの生地の端部の位置をずらすことで、折り返し端部と、表前立て端部と、裏前立て端部の身幅方向の位置が一致する場合に比べて、前身頃に対する前立て部周りの段差が低減される。これにより、前身頃の前立て周りに複数の生地の端部が集中することによって表側に意図しない凹凸が生じたり、着用者に不快感を与えたりすることが低減できる。より詳しくは、複数の生地が重ね合わさって構成される前立て部と、前身頃との間で生地の厚さが異なり、前立て部の端部において段差が生じ、この段差が表側に現れて美観が損なわれたり、着用者に段差部が当接して擦れが生じたりすることを抑制できる。その結果、段部が表側に意図しない凹凸として現れて美観が損なわれることが抑制され、襟付きシャツの襟周辺の見栄えを向上させることができる。さらに、段部が着用者に当接することによる不快感を抑制できる。
前記内縁部から前記裏前立て端部までの幅は、前記折り返し部の幅よりも大きく設定されていてもよい。
裏前立て端部は、折り返し端部よりも身幅方向外側に位置するので、ポロシャツの内側(着用者側)において、折り返し端部が、裏前立て部に覆われて、内側からの美観に優れる。
前記内縁部から前記表前立て端部までの幅は、前記折り返し部の幅よりも小さく設定されていてもよい。
表前立て端部は、折り返し端部よりも身幅方向内側に位置するので、折り返し端部及び表前立て端部が裏前立て端部よりも身幅方向内側に位置する。これにより、裏前立て部によって、折り返し端部及び表前立て端部が覆われ、内側からの美観がより優れる。また、前記内縁部から前記表前立て端部までの幅が、前記折り返し部の幅よりも大きく設定される場合に比べて、前立て部において段差が大きくなる生地が重複した部分の面積を小さくできる。
前記表前立て部と前記裏前立て部との間には、前記前立て部に沿って身丈方向に延びる帯状の芯地が挟持され、前記芯地の身幅方向外側の芯地端部は、前記折り返し端部と、前記表前立て端部と、前記裏前立て端部と、身幅方向位置をずらして配置されてもよい。
本構成によれば、前立て部に芯地が挟持される場合においても、芯地の端部と、折り返し端部と、表前立て端部と、裏前立て端部の身幅方向の位置をずらすことで、前身頃に対する前立て周りの段差が低減される。
前記内縁部から前記芯地端部までの幅は、前記内縁部から前記表前立て端部までの幅以下に設定されていてもよい。
前記内縁部から前記芯地端部までの幅は、前記内縁部から前記表前立て端部までの幅よりも大きく設定される場合に比べて、前立て部において段差が大きくなる生地が重複した部分の面積を小さくできる。
前記裏前立て部は、下方から上方に向かって幅が広がっていてもよい。
身丈方向の下方に位置する胸元側から上方の襟元側に向かって、裏前立て部の幅が広くなるので、裏前立て部の外端部が直線部の幅で身丈方向に延びる場合に比べて、外端部を身幅方向中央に位置する着用者の鎖骨部分よりも身幅方向外側に位置させやすい。外端部が鎖骨部分に当接することによる違和感を抑制しやすい。
前記裏前立て端部は、下方に位置する直線部と、前記直線部に連続して上方に向かって身幅方向外側に湾曲する湾曲部とを有してもよい。
裏前立て端部の幅が、湾曲部によって滑らかに拡幅されるので、直線部から湾曲部に変化する部分が着用者に当接することによる違和感を抑制できる。具体的には、湾曲部が直線部に連続すると共に、上方に向かって身幅方向外側に傾斜する直線で構成される場合に比べて、直線部と湾曲部と角部が生じにくく、角部が着用者に当接することによる違和感を抑制できる。
本発明の襟付きシャツでは、襟及び/又は前立て周辺の見栄えを向上することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る襟付きシャツとしてのポロシャツの正面図である。以下、ポロシャツ1についてポロシャツ1を着用した着用者が直立した状態を基準にポロシャツ1の上下、左右、及び前後を定める。また、生地の厚み方向の外表面から内部に向かう方向を内側、その逆を外側とし、身幅方向の外側に向かう方向を外側、身幅方向の中央側に向かう方向を内側する。図1を参照すると、ポロシャツ1は、例えば布帛ないしニット生地で、前身頃21及び後ろ身頃25を備えた身頃2と、左右一対の袖4と、襟5と、前立て部材6とを有する。
図1及び図2に示すように、身頃2は、前身頃21と後ろ身頃25を有する。前身頃21と後ろ身頃25とは、左右の袖を縫合する部分を除いて、身幅方向の両端部21a,25aで縫着されている。前身頃21と後ろ身頃25とは、襟5を接続する部分を除いて、身丈方向の上縁部21b,25bで縫合されている。左右の袖4は、両端部21a,25aと上縁部21b,25bとの間の側縁部21c,25cに縫合されている。なお、前身頃21、後ろ身頃25、袖4、襟5等の各パーツは縫製に代えて、ボンディング接着、超音波接着等によって接合されていてもよい。また、各身頃同士や身頃と袖など、パーツ同士を接合する場合も、縫製、接着のいずれでも可能である。
図3~図5及び図9を参照しながら、襟5について説明する。図3は襟5を襟先が下を向いた通常状態を、図9は襟を立てた状態をそれぞれ示す。図4には、身頃2に縫合する前の襟5が示されている。図5には、襟5が生地から裁断されて、後述の折り返し片52,53,54が折り返される前の状態が示されている。以下、襟5について、通常状態で表側に位置する面を第1面とし、通常状態で裏側に位置する面を第2面とする。
図3を参照すると、襟5は、前身頃21及び後ろ身頃25の上端部に跨って取り付けられ、着用時に着用者の首の周囲を囲むように配置されている。襟5は、首の周方向に沿って首の外側に折り返される。
図4を参照すると、本実施形態において、襟5は、綿、麻、ポリエステル等からなり、矩形状かつ帯状を有する。襟5は、対向する一対の長辺部5a,5bと、対向する一対の短辺部5c,5dとを有する。本実施形態において、各長辺部5a,5bの長さは、例えば、首周り縁部の周長L3と概ね一致する。各短辺部5c,5dの長さは、襟の高さのデザインにしたがって所定の高さH1に設定される。
本実施形態において、長辺部5a,5bと短辺部5c,5dとで形成される角部5eの角度a1は、略90度である。角部5eの角度a1は、90度に限られるものではなく、襟のデザインによっては、鋭角であってもよいし鈍角であってもよい。
図5を参照すると、襟5は、帯状の襟本体51と、襟本体51に連続して設けられた3つの折り返し片52,53,54とを有する。襟5は、3つの折り返し片52,53,54を襟本体51に重なるように折り返された状態で、身頃2に縫い付けられる。襟5は、通常状態において、襟本体51が外側に位置する第1面を構成し、折り返し片52,53,54が内側に位置する第2面を構成するように身頃2に縫い付けられる。言い換えると、襟本体51の全体が襟5の第1面を構成し、折り返し片52,53,54の全体が襟5の第2面を構成する。
襟本体51は、身頃2に縫い付けられる第1長辺部51aと、第1長辺部51aに対向する第2長辺部51bと、第1長辺部51aと第2長辺部51bとを接続する一対の短辺部51c,51dとを有する。第1長辺部51a及び第2長辺部51bの長さは、襟5の長辺部5a,5bと一致する。一対の短辺部51c,51dの高さH1は、襟5の高さよりも縫い代分高くなるように設定されている。襟本体51の第1長辺部51aと、第2長辺部51bと、一対の短辺部51c,51dとによって、仕上がり状態の襟の外形、すなわち、一対の長辺部5a,5bと一対の短辺部5c,5dが形成される。
3つの折り返し片52,53,54は、第2長辺部51bと一対の短辺部51c,51dに連続して設けられている。より詳しくは、3つ折り返し片52,53,54は、第2長辺部51bに連続する主折り返し片52と、一対の短辺部51c,51dにそれぞれ連続する一対の副折り返し片53,54とを有する。
図5に二点鎖線の矢印で示されるように、3つの折り返し片52,53,54は、それぞれ、第2長辺部51bと一対の短辺部51c,51dで折り返されて、3つの折り返し片52,53,54が襟本体51に重ね合わされる。
主折り返し片52は、主折り返し片52が折り返される第2長辺部51bからなる第1主長辺部52aと、第1主長辺部52aに対向する第2主長辺部52bと、第1主長辺部52aと第2主長辺部52bとを接続する第1及び第2主短辺部52c,52dとを有する、台形状である。襟5のデザインによっては、主折り返し片52は、矩形状であってもよい。
本実施形態において、第1主長辺部52aの長さは、第2長辺部51bの長さL3と一致し、第2主長辺部52bの長さL4は、第1主長辺部52aよりも短い。第1主長辺部52aと第2主長辺部52bとは、長さ方向の中心が一致するように形成されているので、第1主長辺部52aと第2主長辺部52bとの両端部をそれぞれ接続する第1及び第2主短辺部52c,52dは、第1主長辺部52aから第2主長辺部52bに向かって、互いに近づく方向に傾斜する。襟5は、襟5の長辺部5aの中心を通って身丈方向に延びる中心線Cを挟んで線対称である。
主折り返し片52の高さは、襟本体51の短辺部51c,51dの高さH1と一致する。すなわち、折り返された状態で、第2主長辺部52bは、襟本体51の第1長辺部51aに重複すると共に、第1長辺部51aに沿って首の周方向に延びる。
一対の副折り返し片53,54はそれぞれ、各副折り返し片53,54が折り返される各短辺部51c,51dからなる第1副辺部53a,54aと、折り返した状態(図3参照)で、第3及び第4主短辺部52c,52dと相補的に形成された第2副辺部53bと、第1長辺部51aに沿って延びる第3副辺部53cとを有する。相補的とは、主短辺部52c,52dと第2副辺部53b,54bとが必ずしも突き合わされることに限定するものではなく、襟のパターンの裁断による誤差や、各折り返し片を折り返すとき等の誤差によって、主短辺部52c,52dと第2副辺部53b,54bとが重複したり、離間している場合も含む。また、主短辺部52c,52dと第2副辺部53b,54bとが離間している場合は、対向部分を後述の補強テープ56(図3及び図4参照)によって覆うことで、各折り返し片の剥がれが抑制されるようになっていてもよい。
図4に拡大して示されているように、第1主長辺部52aと第1及び第2主短辺部52c,53cとのなす角度a2と、第1及び第2短辺部52c,52dと第2及び第3副辺部53b,54bとのなす角度a3との和は、角部5eの角度a1となる。角度a2と角度a3との差が小さい方が好ましく、より好ましくは、角度α2と角度α3とは概ね一致することが好ましい。
図3及び図4を参照すると、3つの折り返し片52,53,54が襟本体51に重ね合わされると、襟5の周縁部5a,5b,5c,5bは、身頃に縫い付けられる第1長辺部51aを除いて、折り返し線に沿って、折り返し片52,53,54と襟本体51とによって襟5の端部が袋状に形成される。言い換えると、襟5の周縁部5a,5b,5c,5bに襟5のパーツの切り離し端部の断面が出現することがない。
図5に示すように、本実施形態では、角部5eの角度a1が90度で、折り返し前の状態で、第1主長辺部52aに対する第1及び第2主短辺部52c,52dの角度a4と、第1長辺部51aに対する第2副辺部53b,54bの角度a5とが一致する。これにより、第1及び第2主短辺部52c,52dと第2副辺部53b,54bとがそれぞれ、連続する1本の直線となるので、素材(裁断前の生地)に対する襟のパターンの配置ないし裁断の効率、及び、歩留まりが向上されやすい。
図4を参照すると、襟5は、主折り返し片52の第1及び第2主短辺部52c,52dと、一対の副折り返し片53,54の第2副辺部53b,54bとがそれぞれ、突き合わせられた状態で接着される突合せ部分55を有する。より詳しくは、第1及び第2主短辺部52c,52dと第2副辺部53b,54bとはそれぞれ、互いに突き合わせられた突合せ部分55で接着される。突合せ部分55は、例えば、生地を裁断しながら接着するスーパーソニック(超音波接着)によって接着される。突合せ部分55は、接着に代えて、縫合されていてもよい。
図3、図4及び図9に示されるように、突合せ部分55は、襟5が身頃2に縫着された後の襟先部の頂部5fから襟本体51の身頃2に縫い付けられる第1長辺部51aに向かって延びている。言い換えると、図4に示すように、身頃に縫着される前の状態では、突合せ部分55は、頂部5fから第1長辺部51aに向かって襟5の幅方向内側に傾斜している。
図5に示すように、襟本体51の内側の面(第1面と反対側の面)には、例えば、シート状の熱可塑性樹脂組成物からなる接着テープ(例えば、スチレン系エラストマー樹脂テープ等)57が貼り付けられている。接着テープ57は、加熱溶融状態で圧着した後に冷却することで固化して接着する特性(いわゆる、ホットメルト接着性)を有する。接着テープ57は、熱可塑性樹脂組成物に限定するものではなく、例えば、ポリウレタン系ホットメルト樹脂、ポリアミド系ホットメルト樹脂、EVA系ホットメルト樹脂、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂、スチレン系ホットメルト樹脂等であってもよい。
接着テープ57は、シート状の他にメッシュ状であってもよい。接着テープ57がシート状である場合、襟本体51の概ね前面に貼り付けられるため、通気性がなく、ハリのある(パリッとした)襟が形成できる。一方、接着テープ57が、例えば格子状のメッシュ状である場合、シート状の接着テープ57を貼り付ける場合に比べて、通気性のある柔らかい襟を形成することができる。
襟本体51と、3つの折り返し片52,53,54とは、3つの折り返し片52,53,54を襟本体51の接着テープ57が貼り付けられている面に対して折り返された状態で、加熱しながら圧着されることで、接着テープ57を介して互いに接着される。
このようにして製造された襟5は、図6に示すように、襟本体51と、接着テープ57からなるホットメルト層と、各折り返し片52,53,54の3層構造を有する。
図3及び図4を参照すると、襟5は、突合せ部分55に沿って延びるように設けられた補強テープ56を有する。補強テープ56は、例えば、熱可塑性ポリウレタンからなる。熱可塑性ポリウレタンとしては、例えば、幅4mmの熱可塑性ポリウレタンを使用できる。突合せ部分55に補強テープ56を設けることで、突合せ部分55の接着が補強され、剥がれが抑制される。
図6に示すように、本実施形態において、補強テープ56が貼り付けられている部分の襟5の厚さT1は、1.03mm~1.16mmである。補強テープ56が貼り付けられていない部分の襟の厚さT2は、0.86mm~0.93mmである。補強テープ56が貼り付けられている部分の曲げ剛性は、補強テープ56が貼り付けられていない部分に比べて高められている。
図7には、前立て部材6及び襟5が縫着される前の前身頃21の身幅方向の中央部の拡大図が示されている。図8には、図7における前身頃21の折り返し部22a,23aが折り返された状態の拡大図が示されている。図7を参照すると、前身頃21には、身幅方向のほぼ中央部で、身丈方向の上縁に位置する上縁部21bから略胸元部分に達する長さを有する逆Y字状のスリットSが設けられている。スリットSは、身丈方向に延びる直線状の上下方向部S1と、上下方向部S1の下端から身幅方向外側に向かって下方に傾斜する左右一対の傾斜部S2とを備える。左右一対の傾斜部S2は、上下方向部S1に対して線対称となるように設けられている。
前身頃21は、上下方向部S1を挟んで右側に位置する前身頃右部22および前身頃左部23を有する。前身頃右部22および前身頃左部23はそれぞれ、身幅方向中央側において身頃2の裏側に折り返される左右一対の折り返し部22a,23aと、身幅方向の中央部で下方かつ身頃2の裏側に折り返される下折り返し部23dとを有する。
左右一対の折り返し部22a,23aは、上下方向部S1と、傾斜部S2と、傾斜部S2の下端から上下方向部S1に平行で身丈方向に延びる折り返し線22b,23bと、前身頃右部22及び前身頃左部23それぞれの上縁部21bとによってそれぞれ区画される部分である。折り返し線22b,23は、図8のように折り返し部22a,23aが折り返された際に、折り返し部22a,23aの身幅方向の内縁に位置する内縁部22b,23bとなる。折り返し部22a,23aの身幅方向の幅W1は、左右一対の傾斜部S2の下端部間の幅W2の半分となる。
下折り返し部23dは、左右一対の傾斜部S2と、傾斜部S2の下端部間で身幅方向に延び折り返し線23eとによって区画される三角形状の部分である。折り返し線23eは、図8のように下折り返し部23dが折り返された際に、下折り返し部23dの身丈方向の上縁に位置する上縁部23eとなる。
図8に示すように、折り返し部22a,23aが折り返されると、前身頃21には、前身頃21の上縁部から下方に向かって身丈方向に延びる矩形状の開口部24が形成される。開口部24の幅は、傾斜部S2の下端部間の幅W2に一致する。
図9を参照すると、前身頃21は、折り返し部22a,23aの身幅方向の内縁部22b,23bの身幅方向内側に隣接し、身頃2の身丈方向に沿って延びる前立て部材6をさらに備える。前立て部材6は、前身頃右部22と前身頃左部23にそれぞれ設けられた左右一対の前立て部材61,62を備える。左右一対の前立て部材61,62は、折り返し部22a,23aに沿って身幅方向のほぼ中央部において、身丈方向の上端部分から略胸元部分に達する長さで開閉可能に重ね合わされている。
前立て部材61は、内側に位置し、重ね合わせを維持するためのボタン6aが取り付けられる内側部材である。前立て部材62は、外側に位置し、ボタン6aが挿通されるボタンホール6bが設けられる外側部材62である。左右一対の前立て部材61,62が重ね合わせられた前立て閉状態では、前身頃21の開口部24は、左右一対の前立て部材61,62によって表側から覆われる。
図10は、図9におけるX-X線に沿った断面斜視図である。図10では、前立て部材6の構造を分かりやすくするために、生地片の厚みを強調して記載している。図10を参照すると、内側部材61及び外側部材62はそれぞれ、身頃2の表側に位置する表前立て部61a,62aと、表前立て部61a,62aの身幅方向の内側端部に位置する内端部61b,62bに連続して表前立て部61aの裏側に位置すると共に、身幅方向の外側に向かって延びる裏前立て部61c,62cと、によって袋状に形成されている。内側部材61及び外側部材62は、左右方向(身幅方向内外)が反対となるが、概ね同じ構成を有しているため、内側部材61についてのみ説明する。
表前立て部61aは、開口部24に配置される本体部61dと、折り返し部23aの内縁部23bに縫い付けられる縫い代部61eとを備える。表前立て部61aは、本体部61dと縫い代部61eとの間で、前身頃21の折り返し部23aの内縁部23bに縫い付けられている。
本体部61dは、開口部24に対応した矩形状で、折り返し部23aの内縁部23bから身幅方向の内側に向かって、前身頃右部22の折り返し部23aの内縁部22b近傍まで延びている。本体部61dの身幅方向の幅は、開口部24の幅W2と概ね一致する。前身頃21の身幅方向中央における表前立て部61aの身丈方向の長さL1は、開口部24の長さL2よりも長く設定されている(図9参照)。
縫い代部61eは、本体部61dの身幅方向の外側に連続し、折り返し部23aの内縁部23bから身幅方向の外側に延びる。縫い代部61eの身幅方向の幅(折り返し部23aの内縁部23bから縫い代部61eの身幅方向の外端部61fまでの寸法)W3は、折り返し部22aの幅(折り返し部23aの内縁部23bから折り返し部23aの身幅方向外側の端部23cまでの寸法)W1よりも小さくなるように設定されている。例えば、縫い代部61eの身幅方向の幅W3は、折り返し部23aの幅W1の0.4以下に設定されることが好ましい。あるいは、折り返し部23aの幅W1は、縫い代部61eの身幅方向の幅W3よりも5mm以上に設定されることが好ましい。言い換えると、折り返し部23aの端部23cと、縫い代部61eの外端部61fとは、身幅方向において5mm以上離間していることが好ましい。本実施形態において、縫い代部61eの身幅方向の幅W3は、6mm、折り返し部23aの幅W1は、15mmに設定されている。
図9に示すように、裏前立て部61cは、表前立て部61aの内端部61bから身幅方向の外側に向かって、折り返し部23aの外端部23cよりも外側まで延びている。裏前立て部61cの内端部61bは、開口部24に沿って身丈方向に延びる直線で形成されている。
図10に示すように、裏前立て部61cの外端部61gは、身丈方向の下方側で開口部24に沿って身丈方向に延びる直線部61hと、直線部61hの上端からさらに上方に向かって前身頃21の上縁部21bまで延びる湾曲部61eとを備える。湾曲部61eは、身丈方向の上方に向かって身幅方向外側に湾曲している。裏前立て部61cの外端部61gは、身丈方向の下方から上方に向かって身幅方向の寸法が広がっている。したがって、裏前立て部61cの外端部61gは、直線部61fよりも湾曲部61iの方が身幅方向外側に位置し、裏前立て部61cの外端部61gは、下方から上方に向かって折り返し部23aの外端部23cから離間する。言い換えると、身丈方向の下方に位置する胸元から上方の襟元に向かって、裏前立て部61cの幅が広くなるので、裏前立て部61cの外端部61gが直線部61hの幅で身丈方向に延びる場合に比べて、外端部61gを身幅方向中央に位置する着用者の鎖骨部分よりも身幅方向外側に位置させやすい。外端部61gが鎖骨部分に当接することによる違和感を抑制しやすい。
裏前立て部61cの折り返し部23aの内縁部23bから身幅方向の外端部61gまでの身幅方向の幅W4は、折り返し部23aの幅W1よりも大きくなるように設定されている。例えば、幅W4は、折り返し部23aの幅W1の1.3倍以上に設定されることが好ましい。あるいは、幅W4は、幅W1よりも5mm以上大きく設定されることが好ましい。言い換えると、折り返し部23aの端部23cと、裏前立て部61cの折り返し部23aの内縁部23bから身幅方向の外端部61gは、身幅方向において5mm以上離間していることが好ましい。本実施形態において、幅W4は、20mm以上35mm以下に設定されている。
裏前立て部61cの外端部61gは、折り返し部23aの外端部23c及び縫い代部61eの外端部61fよりも身幅方向外側に位置する。ポロシャツ1の内側(着用者側)において、折り返し部23aの外端部23c及び表前立て部61aの外端部61fは、裏前立て部61cに覆われているので、内側からの美観に優れる。
図9及び図10を参照すると、本実施形態において、表前立て部61aと裏前立て部61cとの間には、前立て部材6に沿って身丈方向に延びる帯状の芯地63が挟持されている。芯地63は、表前立て部61aに接着される接着芯地であって、生地はニット、ポリエステル100%、接着樹脂はポリアミド樹脂、あるいはポリウレタン樹脂等で構成されている。本実施形態では、芯地63は、裏前立て部61cに対して接着せずに浮かしておく、いわゆるふらし状態となっている。芯地63は、表前立て部61aの内端部61bから折り返し部23aの内縁部23bよりも身幅方向の外側まで延びている。芯地63は、内側部材61と同じ身丈方向寸法L1で、身幅方向の幅は、開口部24の幅W2よりも大きい。言い換えると、芯地63の外端部63aは、折り返し部23aの内縁部23bよりも身幅方向の外側で、表前立て部61aの外端部61fよりも身幅方向の内側に位置する。
芯地63は、表前立て部61aと同様に、前身頃21の折り返し部23aの内縁部23bに縫い付けられている。本実施形態では、芯地63が表前立て部61aに接着された状態で、前身頃21に縫い付けられる。折り返し部23aの内縁部23bから芯地63の外端部63aまでの幅W5は、縫い代部61eの幅W3よりも小さくなるように設定されている。例えば、幅W5は、折り返し部23aの幅W1の1/3以下に設定されることが好ましく、本実施形態において、幅W5は、5mmに設定されている。幅W3は、幅W5と一致していてもよい。
内側部材61及び芯地63は、前身頃左部23の表側の面に重ねられた状態で、折り返し部23aの内縁部23bに沿って、一体的に縫い付けられている。前身頃左部23に内側部材61及び芯地63が縫い付けられた状態で、折り返し部23aが内縁部23bに沿って折り返されると、前身頃左部23の裏側には、折り返し部23a、表前立て部61a及び縫い代部61e、芯地63、及び、裏前立て部61cがこの順で表側から裏側に向かって重ね合わされた状態となる。
図10に示すように、折り返し部23aの身幅方向外側の折り返し端部23cと、表前立て部61aの身幅方向外側(縫い代部61e)の外端部(表前立て端部)61fと、裏前立て部61cの身幅方向外側の外端部(裏前立て端部)61gと、芯地63の身幅方向外側の外端部(芯地端部)63aとは、身幅方向の位置をずらして配置されている。
このように構成したポロシャツ1は、以下の特徴を有する。
本発明によれば、3つの折り返し片52,53,54を折り返して、3つの折り返し片52,53,54が襟本体51に重ね合わされると、襟5の周縁部5a,5b,5c,5dは、身頃2に縫い付けられる第1長辺部51aを除いて、折り返し線に沿って、折り返し片52,53,54と襟本体51とによって端部が袋状に形成される。そのため、襟5の周縁部5a,5b,5c,5dにパーツの切り離し端部の断面が現れることがなく、襟5の周縁部における襟5の周縁部5a,5b,5c,5dのはがれ及び黄変を抑制できる。また、襟本体51と3つの折り返し片52,53,54とが縫着される場合に比べて、襟本体51と折り返し片52,53,54とが離間することによる襟先部の膨らみを防止でき、美観に優れた襟5を形成できる。
主折り返し片52の一対の主短辺部52c,52dと、各副折り返し片53,54の第2副辺部53b,54bとが相補的に形成されているので、折り返し時に、一対の主短辺部52c,52dと各第2副辺部53b,54bとが重複することによって、襟5に厚みの差(凹凸)が生じることが抑制でき、美観に優れた襟を形成することができる。
襟5の周縁部5a,5b,5c,5dは、第2長辺部51b及び一対の短辺部51c,51dからなる各折り返し線によって、襟5の端部が袋状に形成されるので、襟5の周縁部5a,5b,5c,5dからのほつれや、はがれ及び黄変を抑制できる。特に、襟5が身頃に縫着された後の襟先部の頂部5fが、第2長辺部51bと各短辺部51c,51dとの交点によって形成されるので、襟先部の頂部5fにおけるほつれや、はがれ及び黄変を抑制できる。
一対の主短辺部52c,52dと一対の第2副辺部53b,54bとが突き合わされている部分である突合せ部分55は、襟5が身頃に縫着された後の襟先部の頂部5fから襟本体51の身頃に縫い付けられる第1長辺部51aに向かって延びている。これにより、この突合せ部分55に沿って設けられた補強テープ56は、襟5の先端が反り返るなどの型崩れを防止するための所謂カラーキーパーとして機能するので、カラーキーパー用の別部材を設けることなく、襟5の型崩れを抑制できる。
一般に、ポロシャツの前立て部材は、前身頃が折り返されて形成される折り返し部の身幅方向の外側の端部である折り返し外端部と、前立て部材のうち前身頃に縫着される表前立て部の身幅方向外側の端部である表前立て端部と、表前立て部の身幅方向の内端部から連続する共に表前立て部の裏側に配置される裏前立て部の身幅方向の外側の端部である裏前立て端部との身幅方向の位置が一致するように形成されている。
この場合、前身頃の前立て周りに複数の生地の端部が集中することによって、前立ての端部の集中が表側に意図しない凹凸として現れて美観が損なわれたり、前立ての端部が着用者に当接することで不快感を与えたりするおそれがある。より詳しくは、複数の生地(例えば、前身頃、折り返し部、表前立て部および裏前立て部の4枚)が重ね合わさって構成される前立て部材と、前身頃(1枚)との間で生地の厚さが異なり、前立て部材の端部(折り返し部、表前立て部および裏前立て部の身幅方向における端部)において段差が生じる。この段差が表側に現れて、美観が損なわれたり、着用者に段差部が当接して擦れが生じたりする場合がある。
これに対して、本実施形態におけるポロシャツ1は、折り返し端部23cと、表前立て端部61eと、裏前立て端部61fの身幅方向の位置がずれているので、折り返し端部23c、表前立て端部61e、及び、裏前立て端部61fの身幅方向の位置が一致する場合に比べて、前立て部の段差を少なくすることができ、前身頃の前立て周りに複数の生地の端部が集中することによって着用者が感じる不快感を低減できる。より詳しくは、前立て部周りの生地の端部の位置をずらすことで、前身頃に対する前立て部周りの段差が、折り返し部、表前立て部および裏前立て部の3枚から裏前立て部のみの1枚に低減される。さらに、本実施形態のように、芯地を備える場合にも、芯地端部63aの身幅方向の位置が、折り返し端部23c、表前立て端部61e、及び、裏前立て端部61fそれぞれの端部と位置がずれているので、前記段差が、折り返し部、表前立て部、裏前立て部、芯地の4枚から裏前立て部のみの1枚に低減される。その結果、段部が表側に意図しない凹凸として現れて美観が損なわれることが抑制され、襟付きシャツの襟周辺の見栄えを向上させることができる。さらに、段部が着用者に当接することによる不快感を抑制できる。
裏前立て端部61gは、折り返し端部23cよりも身幅方向外側に位置するので、ポロシャツ1の内側(着用者側)において、折り返し端部23cが、裏前立て部61cに覆われて、内側からの美観に優れる。
表前立て端部61fは、折り返し端部23cよりも身幅方向内側に位置するので、折り返し端部23c及び表前立て端部61fが裏前立て端部61gよりも身幅方向内側に位置する。これにより、裏前立て部61cによって、折り返し端部23c及び表前立て端部61fが覆われ、内側からの美観がより優れる。また、前記内縁部23bから前記表前立て端部61fまでの幅W3が、前記折り返し部23aの幅W1よりも大きく設定される場合に比べて、前立て部において段差が大きくなる生地が重複した部分の面積を小さくできる。
前記内縁部23bから前記芯地端部63aまでの幅W5は、前記内縁部23bから前記表前立て端部61fまでの幅W3よりも大きく設定される場合に比べて、前立て部において段差が大きくなる生地が重複した部分の面積を小さくできる。
身丈方向の下方に位置する胸元側から上方の襟元側に向かって、裏前立て部61cの幅が広くなるので、裏前立て部61cの外端部61gが直線部61hの幅で身丈方向に延びる場合に比べて、外端部61gを身幅方向中央に位置する着用者の鎖骨部分よりも身幅方向外側に位置させやすい。外端部61gが鎖骨部分に当接することによる違和感を抑制しやすい。
裏前立て端部61gの幅が、湾曲部61iによって滑らかに拡幅されるので、直線部61hから湾曲部61iに変化する部分が着用者に当接することによる違和感を抑制できる。具体的には、湾曲部61iが直線部61hに連続すると共に、上方に向かって身幅方向外側に傾斜する直線で構成される場合に比べて、直線部61hと湾曲部61iと角部が生じにくく、角部が着用者に当接することによる違和感を抑制できる。
上述の実施形態において、襟5は、接着によって形成される構成について説明したが、これに限られるものではない。襟5は、襟本体51と、3つの折り返し片52,53,54との間が接着されておらず、互いに離間可能であってもよい。この構成により、接着によって形成される場合と同様に、3つの折り返し片52,53,54を折り返して、3つの折り返し片52,53,54が襟本体51に重ね合わされると、襟5の周縁部5a,5b,5c,5dは、身頃に縫い付けられる長辺部5bを除いて、各折り返し片52,53,54と襟本体51とによって形成されて折り返し線に沿った袋状となる。そのため、襟5の周縁部にパーツの切り離し端部の断面が現れることがない。したがって、襟の周縁部のほつれが抑制される。
上述の実施形態において、襟5は、襟本体51と接着層57と折り返し片52,53,54からなる3層構造であることを説明したが、これに限られるものではない。図11に示すように、襟本体51と3つの折り返し片52,53,54との間には、襟本体51に対応する帯状の芯材58が挟持されていてもよい。言い換えると、襟5は、5層構造であってもよい。芯材58は、襟本体51に接着される接着芯材であって、生地はニット、ポリエステル100%、接着樹脂はポリアミド樹脂、あるいはポリウレタン樹脂等で構成されている。によって形成されている。この場合、芯材58の厚さ方向の両面に接着テープ57を貼り付けることで、芯材58を介して、襟本体51と各折り返し片52,53,54とを接着できる。襟本体51と3つの折り返し片52,53,54との間に芯材58を配置することによって、襟5の型崩れが抑制されて、襟5の形を整えることができる。
上述の実施形態において、角部5eの角度aが90度である構成について説明したが、これに限られるものではなく、図12(a)に示すように、襟のデザインによっては、角部105eの角度a11が90度を超過する鈍角であってもよい。この場合、襟本体151は、身頃2に縫い付けられる第1長辺部151bが、第2長辺部151aよりも短く、短辺部151c,151dが傾斜する台形状となる。図12(b)、身頃2に縫着された状態では、前立て6を挟んで対向する一対の短辺部151c,151dの間の角度が広がった、いわゆるワイド襟を作ることができる。
また、図13(a)に示すように、角部205eの角度a21が90度未満の鋭角であってもよい。この場合、襟本体251は、身頃2に縫い付けられる第1長辺部251bが、第2長辺部251aよりも長く、短辺部251c,251dが、頂部205fから第1長辺部251bに向かって幅方向内側に傾斜する台形状となる。図13(b)に示すように、身頃2に縫着された状態では、前立て6を挟んで対向する一対の短辺部251c,251dが長い角部205eの長い襟205を作ったり、二点鎖線で示すように、一対の短辺部251c,251dの間の角度を狭くすることもできる。
また、図3の右側の襟5に二点鎖線で示すように、角部305eは、円弧状であってもよい。この場合、身頃2に縫着された状態では、いわゆるラウンド襟を作ることができる。また、図3の左側の襟5に二点鎖線で示すように、角部405eは、ピン角が落とされた、面取りされた形状であってもよい。
上述の実施形態において、前立て部材6の表前立て部61a,62aと裏前立て部61c,62cとの間には芯地63が配置される構成について説明したが、芯地63を備えていなくてもよい。
上述の実施形態において、前立て部材6は、折り返し端部23c、表前立て端部61e、及び、裏前立て端部61fそれぞれの端部と位置がずれている構成について説明したが、少なくとも表前立て端部61eと裏前立て端部61fとのうち一方が折り返し端部23cに対してずれていてもよい。
上述の実施形態において、襟付きシャツは、ポロシャツ1である構成について説明したが、これに限られるものではなく、襟付きシャツは、カッターシャツ、ドレスシャツ等であってもよい。
なお、本発明のポロシャツ(襟付きシャツ)1は、上述の実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。