JP7617835B2 - ブラシ成形体および歯ブラシ - Google Patents
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Description
ハンドル体10は、図3に示すように、棒状のハンドル部11と、ハンドル部11の長さ方向先端側に突出する嵌合突部12とを備えている。歯ブラシ1では、ハンドル体10の嵌合突部12を後述のブラシ成形体20内に差し込むことで、嵌合突部12にブラシ成形体20を被せて取り付けるようになっている。
ハンドル部11の寸法は、特に限定されず、適宜設定できる。例えば、ハンドル部11の長さは、100mm以上とすることができる。例えば、ハンドル部11の長さは、200mm以下とすることができる。
図5は、第1実施形態に係るブラシ成形体20の正面図である。図6は、図5におけるA-A断面図である。図7は、図5におけるB-B断面図である。
図5から図7に示されるように、ブラシ成形体20は、正面視形状が略矩形状のヘッド基台部21と、ヘッド基台部21の正面に設けられた複数のフィラメント23とを備えている。
ポリウレタンは、スチレン系やポリステル系などの他のエラストマーに比べて、引張強度が高い傾向にあるため、軟質樹脂にポリウレタンを用いることで、薄肉にしても機械的な強度が確保でき、ハンドル体10と嵌合孔22との嵌合時および歯ブラシ1の使用時の破損を抑制することができる。
ポリウレタンの硬度がショア90Aよりも軟らかい場合、薄肉で形成されたときに変形しやすくなることから、嵌合が弱くなって歯ブラシ1の使用時にブラシ成形体20が脱落しやすくなってしまう。ポリウレタンの硬度がショア70Dよりも硬い場合、ヘッド基台部21の背面が傾斜した場合に先端が口腔組織に当たった時に痛みが生じる可能性がある。ポリウレタンの硬度をショア90A以上、70D以下とすることにより、歯ブラシ1の使用時にブラシ成形体20が脱落したり、ヘッド基台部21の先端が当たった時に痛みが生じることを抑制できる。
フィラメント23の最大長さを7mm以上とすることにより、口腔内の清掃性を確保することができる。フィラメント23の最大長さを15mm以下とすることにより、成形時の離型性を確保することができる。
フィラメント23の最大長さを7mm以上、15mm以下とすることにより、口腔内の清掃性および成形時の離型性を確保することができる。
フィラメント23の基端の総断面積の割合が10%未満の場合、口腔内の清掃性が低下する可能性がある。フィラメント23の基端の総断面積の割合が50%を超えた場合、ブラシ成形体20を射出成形により成形する際の離型性が低下してしまう。
フィラメント23の基端の総断面積の割合を50%以下とすることにより、成形時の離型性を確保することができる。
フィラメント23の基端の総断面積の割合を10%以上、50%以下とすることにより、口腔内の清掃性および成形時の離型性を確保することができる。
嵌合孔22は、差し込み方向に延びて後端側(一方側)の端面21bにおいて開口する。図8は、図7におけるC-C断面図である。図8に示すように、嵌合孔22は、端面21bに開口する第1部分33と、第1部分33よりも奥側に位置する第2部分34とを有している。図6に示すように、第1部分33と第2部分34とは、ヘッド基台部21の支持面21aおよび背面21cとそれぞれ離間して配置されている。
フィラメント23の基端と背面21cとの距離が小さいほど口腔内操作性は向上する。一方、フィラメント23の基端と背面21cとの距離が大きい場合、操作性が低下する。
金型MDは、開閉方向(図9中、上下方向)に相対移動する第1金型MD1と第2金型MD2とを備えている。第1金型MD1と第2金型MD2とは、支持面21aと面一なパーティング面PLを接合面として型締される。
図10に示すように、コア部22Mは、第1部分33を成形する第1コア部33Mと、第2部分34を成形する第2コア部34Mと、突起35を成形する第3コア部35Mと、構造体31を成形する貫通溝31Mとを有している。貫通溝31Mは、コア部22Mを金型MDの開閉方向に貫通している。貫通溝31Mは、差し込み方向の先端において開口している。
図11に示すように、成形されたブラシ成形体20における嵌合孔22には、コア部22Mが嵌合しているため、ヘッド基台部21のうち、コア部22Mが正面側に接する底壁26と、底壁26に連結された側壁25および先端壁27は、第2金型MD2におけるコア部22Mに保持される。
図12に示すように、支持面21aと保持面24aとの厚さ方向の距離(基台24の厚さ)をt1(mm)とし、ヘッド基台部21の最大幅をW1(mm)とし、嵌合孔22の最大幅をW2(mm)とし、構造体31の幅方向の最大距離(構造体31の幅寸法)をVとし、ヘッド基台部21において幅方向で構造体31と側壁25との間に位置し嵌合孔22の臨む幅をW3(mm)とする。離型抵抗に起因する引張力が側壁25に両端支持された基台24に等分布荷重Pとして作用するとし、ヘッド基台部21のヤング率をE、断面二次モーメントをIとする。
δ1=(5×P×W24)/(384×E×I) …(1)。
δ2=(5×P×W34)/(384×E×I) …(2)。
従って、構造体31を有さないヘッド基台部21における最大撓みδ1に対する、構造体31を有するヘッド基台部21における最大撓みδ2の比は、式(1)、(2)を用いて以下の式(3)で示される。
δ2/δ1=(W3/W2)4 …(3)
嵌合孔22の最大厚さt2(すなわち、構造体31の最大高さt4)(mm)は、1.0mm以上であることが好ましい。最大厚さt2(mm)は、2.5mm以下であることが好ましい。
底壁26の最大厚さt3(mm)は、0.5mm以上であることが好ましい。底壁26の最大厚さt3(mm)は、2.0mm以下であることが好ましい。
距離t1が、0.4mm未満の場合、樹脂の流動性が低下して、未充填等のフィラメント23における成形不良が生じる可能性がある。距離t1が、2.0mmを超えた場合、ヘッド基台部21が大型化して口腔内操作性が低下する。
距離t1を0.4mm以上とすることによって、フィラメント23における成形不良を抑えることができる。距離t1を2.0mm以下とすることによって、良好な口腔内操作性を確保することができる。
距離t1を0.4mm以上、2.0mm以下とすることによって、フィラメント23における成形不良を抑えつつ、良好な口腔内操作性を確保することができる。
続いて、ブラシ成形体20の第2実施形態について、図13および図14を参照して説明する。
これらの図において、図1~図12に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
図13に示すように、本実施形態のブラシ成形体20は、構造体31Aを有している。
構造体31Aは、基台24の保持面24aから背面側に向けて突出する。構造体31Aは、一定の幅寸法で背面側に向けて突出する。構造体31Aは、幅方向の中央に位置し、一定の幅寸法で長さ方向に延びている。構造体31Aにおける背面側の端部は、底壁26と離れている。コアブロックSL2のコア部22Mにおいては、差し込み方向に延び正面側から背面側に窪む溝部が構造体31Aを成形するために設けられている。
他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
図14に示すように、例えば、基台24における基台24の距離t1を0.4mmとし、最大幅W2を8.4mmとし、構造体31Aの幅寸法Vを3.0mmとし、構造体31Aの高さ(保持面24aから背面側への突出量)t4を0.3mmとし、基台24における断面二次モーメントをI1とし、基台24および構造体31Aにおける断面二次モーメントをI2とする。この場合、断面矩形状の断面二次モーメントI1は約0.0448となり、断面T字状の断面二次モーメントをI2は約0.1385となる。従って、構造体31を有さないヘッド基台部21における断面二次モーメントI1に対する、構造体31を有するヘッド基台部21における断面二次モーメントI2の比(I2/I1)は、およそ3.1となる。すなわち、ヘッド基台部21は、構造体31Aを有することによって、離型抵抗に起因する変形をおよそ1/3に低減することができる。
(S1/S2)×100(%)で表される値を10%以上とすることによって、基台24の変形を抑える力を十分に確保できる。(S1/S2)×100(%)で表される値を40%以下とすることによって、成形不良を抑えることが可能になる。
(S1/S2)×100(%)で表される値を10%以上、40%以下とすることによって、基台24の変形を抑える力を十分に確保しつつ、成形不良を抑えることが可能になる。
保持面24aの面積S2としては、60mm2以上であることが好ましい。保持面24aの面積S2としては、200mm2以下であることが好ましい。また、支持面21aの面積をS5(mm2)とすると、(S1/S5)×100(%)で表される値は、5%以上であることが好ましい。(S1/S5)×100(%)で表される値は、30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、15%以下であることがさらに好ましい。
ただし、構造体31Aが長さ方向において、幅方向にテーパーがかかって先端側に先細る場合、構造体31Aの長さ方向の全長80%以上の領域において、(S3/S4)×100(%)で表される値が上記の範囲であれば良い、とする。
(S3/S4)×100(%)で表される値を5%以上とすることによって、基台24の変形を抑える力を十分に確保できる。(S3/S4)×100(%)で表される値を30%以下とすることによって、コア部22Mを形成する鋼材強度を十分に確保しつつ、成形不良を抑えることが可能になる。
(S3/S4)×100(%)で表される値を5%以上、30%以下とすることによって、基台24の変形を抑える力およびコア部22Mを形成する鋼材強度を十分に確保しつつ、成形不良を抑えることが可能になる。
嵌合孔22の断面積S4としては、8mm2以上であることが好ましい。嵌合孔22の断面積S4としては、24mm2以下であることが好ましい。
構造体31Aの高さとしては0.5mm以上であることが好ましい。構造体31Aの高さとしては2.5mm以下であることが好ましい。
この構成を採る場合には、構造体31、31Aを成形するためのスライドコアSLにおけるコア部22Mの溝部が、スライドコアSLの摺動方向に対して抜き勾配として傾くため、スライドコアSLの摺動性が向上する。
続いて、ブラシ成形体20の第3実施形態について、図15を参照して説明する。
この図において、図1~図12に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
図15に示すように、ヘッド基台部21は、嵌合孔22よりも幅方向の外側に位置する幅寸法が、後端側から先端側に向けて漸次大きくなる。
他の構成は、上記第1実施形態と同様の構成である。
続いて、ブラシ成形体20の第4実施形態について、図16を参照して説明する。
この図において、図1~図12に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
他の構成は、上記第1実施形態と同様の構成である。
続いて、ブラシ成形体20の第5実施形態について、図17を参照して説明する。
この図において、図1~図12に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
続いて、ブラシ成形体20の第6実施形態について、図18を参照して説明する。
この図において、図1~図12に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
続いて、ブラシ成形体20の第7実施形態について、図19を参照して説明する。
この図において、図1~図12に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
図20に示すように、コア部22Mは、構造体31Bを成形する貫通溝31BMとを有している。
コアブロックSL2のコア部22Mにおいては、差し込み方向に延び正面側から背面側に窪む溝部31BMが構造体31Bを成形するために設けられている。コア部22Mは、溝部31BMに臨む傾斜面30Mを幅方向の両側に有する。傾斜面30Mは、傾斜面30を成形する。傾斜面30Mは、背面側に向かうにつれて幅方向の外側に向かう方向に延びる。
例えば、図21に示すように、背面側の端部が、底壁26と繋がる構造体31Eであってもよい。
この構成では、構造体31Eにおける背面側の端部においても底壁26を介してコア部22Mによって、離型抵抗に起因する引張力で正面側へ移動することを規制できる。
この構成においても、図21で示した構造体31Eと同様の作用・効果が得られる。
この構成では、構造体31Gに加わる、離型抵抗に起因する引張力が作用する向きに対して、第2領域31Dの湾曲面における垂直抗力の向きが、より反対側に近くなるため、より強固に構造体31Gの厚さ方向の位置を保持できる。
[表1]に示す仕様に従って、ブラシ成形体を有する歯ブラシのサンプルを作製した。表1の断面形状項目に示すように、図21に示した第7実施形態の構造体を有する歯ブラシを実施例1のサンプルとした。図7に示した第1実施形態の構造体を有する歯ブラシを実施例2、4~6のサンプルとした。図13に示した第2実施形態の構造体を有する歯ブラシを実施例3のサンプルとした。構造体を有しない歯ブラシを比較例1のサンプルとした。各サンプルにおいて、ヘッド基台部の最大長さ寸法は20.3mmとし、嵌合孔の最大長さ寸法は18.3mmとした。各サンプルを構成する樹脂のうち、ブラシ成形体の樹脂は熱可塑性ポリウレタン(TPU)とし、ハンドル部はポリアセタール樹脂(POM)とした。
実施例1~6、比較例1の各サンプルについては、「離型抵抗によるフィラメントの変形」、「口腔内操作性」のそれぞれで評価した。
同条件により成形した10個のブラシ成形体を以下の基準で目視により評価した。
5点:外観の不良が全く認められない。
4点:フィラメント先端から0.5~3mmの範囲で変形している。
3点:フィラメント全体が変形しているが、基台の変形は見られない。
2点:フィラメント全体と基台が変形している。
1点:ブラシ部全体と基台が大きく変形し、一部のフィラメントが基端で破断している。
そして、10個の評価点の平均値を求め、以下の4段階による評価を行った。
◎(double circle mark):4.5以上、5.0点以下。
○(circle mark):3.5以上、4.5点未満。
△(triangle mark):2.5以上、3.5点未満。
×(cross mark):2.5点未満。
10人の専門パネラーによる官能評価を行い、刷掃時の口腔内全体の磨きやすさ(特に、奥歯の磨きやすさを重視)を以下の基準で評価した。
5点:非常に磨きやすい。
4点:やや磨きやすい。
3点:どちらでもない。
2点:やや磨きにくい。
1点:非常に磨きにくい。
そして、10人の専門パネラーによる評価点の平均値を求め、以下の4段階による評価を行った。
◎:4.5以上、5.0点以下。
○:3.5以上、4.5点未満。
△:2.5以上、3.5点未満。
×:2.5点未満。
Claims (11)
- 軟質樹脂で形成されたヘッド基台部と、
前記ヘッド基台部の厚さ方向の正面側に位置する支持面から前記正面側に延びる複数のフィラメントと、
を有し、
前記ヘッド基台部は、
前記厚さ方向と直交する長さ方向に延び当該長さ方向の一方側に開口する嵌合孔と、
前記嵌合孔の前記正面側に位置し前記嵌合孔に臨む保持面と前記支持面とを有する基台と、
前記嵌合孔の前記厚さ方向で前記正面側と逆側の背面側に位置する底壁と、
前記基台の前記保持面から前記背面側に向けて突出し、前記基台と前記底壁に繋がった一つ以上の構造体を有し、
前記構造体は、前記厚さ方向と前記長さ方向の両方に直交する幅方向の中央に位置することを特徴とするブラシ成形体。 - 前記保持面と同一面における前記構造体の面積をS1とし、
前記保持面の面積をS2とすると、
(S1/S2)×100(%)で表される値は、10%以上、40%以下である、
請求項1に記載のブラシ成形体。 - 前記長さ方向と直交する前記構造体の断面積をS3とし、
前記長さ方向と直交する前記嵌合孔の断面積をS4とすると、
(S3/S4)×100(%)で表される値は、5%以上、30%以下である、
請求項1または2に記載のブラシ成形体。 - 前記フィラメントの基端から前記保持面までの距離は、0.4mm以上、2.0mm以下である、
請求項1から3のいずれか一項に記載のブラシ成形体。 - 前記構造体は、
前記厚さ方向と直交する前記構造体の断面積に関して、第1の断面積を有する第1領域と、
前記第1領域よりも前記背面側に位置し、前記第1の断面積よりも大きな第2の断面積を有する第2領域と、
を有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のブラシ成形体。 - 前記嵌合孔よりも、前記厚さ方向と前記長さ方向とに直交する幅方向の外側に位置する前記ヘッド基台部の幅寸法は、前記長さ方向の前記一方側から他方側に向けて漸次大きくなる、
請求項1から5のいずれか一項に記載のブラシ成形体。 - 前記基台の前記厚さ方向の厚さ寸法は、前記長さ方向の他方側から前記一方側に向けて漸次大きくなる、
請求項1から6のいずれか一項に記載のブラシ成形体。 - 複数の前記フィラメントよりも前記長さ方向の前記一方側に配置され、前記支持面から前記正面側に突出する第2構造体を有する、
請求項1から7のいずれか一項に記載のブラシ成形体。 - 前記嵌合孔に臨む前記保持面は、前記構造体から前記厚さ方向と前記長さ方向とに直交する幅方向の外側に向かうに従って、漸次背面側に向かう方向に延びる、
請求項1から8のいずれか一項に記載のブラシ成形体。 - 請求項1から9のいずれか一項に記載のブラシ成形体と、
硬質樹脂で形成され、前記ブラシ成形体の前記嵌合孔に着脱自在な嵌合突部を有するハンドル体とを備えることを特徴とする歯ブラシ。 - 請求項1から9のいずれか一項に記載のブラシ成形体と、
前記ブラシ成形体の前記嵌合孔に嵌合する嵌合突部を有するハンドル体とを備え、
前記ブラシ成形体と前記ハンドル体とは、一体的に成形された成形体であることを特徴とする歯ブラシ。
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