JP7622685B2 - エンジン装置 - Google Patents
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Description
本発明は、エンジン装置に関し、詳しくは、エンジンの点火時期を通常の負荷運転時に比して遅角して排気系に取り付けられた浄化装置の触媒を暖機する触媒暖機制御を実行するエンジン装置に関する。
従来、この種のエンジン装置としては、排気系に取り付けられた浄化装置の触媒を急速触媒暖機する際には、吸気行程で1回~3回の燃料噴射を行ない、最終の燃料噴射を膨張行程で行なうと共に膨張行程における燃料噴射と同期して点火する膨張行程噴射暖機により行なわれるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このエンジン装置では、できる限り点火時期を遅角した膨張行程噴射暖機を行なうことにより、より迅速に触媒の暖機を行なっている。
しかしながら、急速触媒暖機を実行中に燃料カットが行なわれると、燃料カットからの復帰時にトルク変動が生じる場合がある。燃料カット中の点火時期は、復帰後に直ちに負荷運転を行なうことができるように負荷運転時の点火時期より進角側で予め定められた点火時期に設定されている場合が多い。このため、燃料カットから急速触媒暖機に復帰しようとすると、燃料カット中の点火時期から急速触媒暖機の点火時期まで点火時期を序変による遅角が行なわれ、予期しない点火時期からの序変による遅角によりトルク変動が生じたりする。
本発明のエンジン装置は、急速触媒暖機を実行中の燃料カットからの復帰時に生じ得る不都合を抑制することを主目的とする。
本発明のエンジン装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のエンジン装置は、
排気を浄化する触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられたエンジンと、
前記エンジンの点火時期を通常の負荷運転時に比して遅角して前記浄化装置の触媒を暖機する触媒暖機制御を実行する制御装置と、
を備えるエンジン装置であって、
前記制御装置は、前記触媒暖機制御を実行中に燃料カットが実行された後に燃料カットから復帰するときには、所定期間だけ前記エンジンを負荷運転した後に前記触媒暖機制御に移行する、
ことを特徴とする。
排気を浄化する触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられたエンジンと、
前記エンジンの点火時期を通常の負荷運転時に比して遅角して前記浄化装置の触媒を暖機する触媒暖機制御を実行する制御装置と、
を備えるエンジン装置であって、
前記制御装置は、前記触媒暖機制御を実行中に燃料カットが実行された後に燃料カットから復帰するときには、所定期間だけ前記エンジンを負荷運転した後に前記触媒暖機制御に移行する、
ことを特徴とする。
この本発明のエンジン装置では、触媒暖機制御を実行中に燃料カットが実行された後に燃料カットから復帰するときには、所定期間だけエンジンを負荷運転した後に触媒暖機制御に移行する。燃料カットからエンジンを負荷運転に復帰する際には、直ちに負荷運転用の点火時期とされ、所定期間のうちにエンジンの負荷運転が安定する。ここで、所定期間としては1回点火するのに要する期間や2回点火するのに要する期間或いは3回点火するのに要する期間などを用いることができる。負荷運転しているエンジンに対して点火時期の序変による遅角と伴って触媒暖機制御に移行するのは、通常行なわれる制御であるから、迅速に且つトルク変動を生じさせないように行なうことができる。この結果、急速触媒暖機を実行中の燃料カットからの復帰時に生じ得るトルク変動などの不都合を抑制することができる。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド車20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、エンジン22の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド車20は、図1に示すように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、バッテリ50と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリンや軽油などの燃料を用いて吸気、圧縮、膨張(爆発燃焼)、排気の4行程により動力を出力する6気筒の内燃機関として構成されている。図2に示すように、エンジン22は、吸気ポートに燃料供給装置150から低圧供給管153を介して供給される燃料を噴射するポート噴射弁126と、筒内に燃料供給装置150から高圧供給管158を介して供給される燃料を噴射する筒内噴射弁127とを有する。筒内噴射弁127は燃焼室129の頂部の略中央に配置されており、燃料をスプレー状に噴射する。点火プラグ130は、筒内噴射弁127からスプレー状に噴霧される燃料に点火できるように筒内噴射弁127の近傍に配置されている。エンジン22は、ポート噴射弁126と筒内噴射弁127とを有することにより、ポート噴射モードと筒内噴射モードと共用噴射モードとのうちの何れかで運転可能となっている。ポート噴射モードでは、エアクリーナ122により清浄された空気を吸気管123に吸入してスロットルバルブ124やサージタンク125を通過させると共に、吸気管123のサージタンク125よりも下流側のポート噴射弁126から燃料を噴射し、空気と燃料とを混合する。そして、この混合気を吸気バルブ128を介して燃焼室129に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、シリンダボア内でそのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト23の回転運動に変換する。筒内噴射モードでは、ポート噴射モードと同様に空気を燃焼室129に吸入し、吸気行程や圧縮行程において筒内噴射弁127から燃料を噴射し、点火プラグ130による電気火花により爆発燃焼させてクランクシャフト23の回転運動を得る。共用噴射モードでは、空気を燃焼室129に吸入する際にポート噴射弁126から燃料を噴射すると共に吸気行程や圧縮行程において筒内噴射弁127から燃料を噴射し、点火プラグ130による電気火花により爆発燃焼させてクランクシャフト23の回転運動を得る。これらの噴射モードは、エンジン22の運転状態に基づいて切り替えられる。燃焼室129から排気バルブ133を介して排気管134に排出される排気は、浄化装置135を介して外気に排出される。浄化装置135は、排気中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)135aを有する。
燃料供給装置150は、燃料タンク151内の燃料をエンジン22のポート噴射弁126や筒内噴射弁127に供給する装置として構成されている。燃料供給装置150は、燃料タンク151と、フィードポンプ152と、低圧供給管153と、逆止弁154と、リリーフ管155と、リリーフバルブ156と、高圧ポンプ157と、高圧供給管158とを備える。
フィードポンプ152は、図示しないバッテリからの電力の供給を受けて作動する電動ポンプとして構成されており、燃料タンク151内に配置されている。このフィードポンプ152は、燃料タンク151内の燃料を低圧供給管153に供給する。低圧供給管153は、ポート噴射弁126に接続されている。逆止弁154は、低圧供給管153に設けられており、フィードポンプ152側からポート噴射弁126側の方向の燃料の流れを許容すると共に逆方向の燃料の流れを規制する。
リリーフ管155は、低圧供給管153と燃料タンク151とに接続されている。リリーフバルブ156は、リリーフ管155に設けられ、低圧供給管153内の燃圧が閾値Pflolim未満のときには閉弁すると共に低圧供給管153内の燃圧が閾値Pflolim以上のときには開弁する。リリーフバルブ156が開弁すると、低圧供給管153内の燃料の一部がリリーフ管155を介して燃料タンク151に戻される。このようにして、低圧供給管153内の燃圧が過剰になるのを抑制する。
高圧ポンプ157は、エンジン22からの動力(実施例では、吸気バルブ128を開閉するインテークカムシャフトの回転)により駆動されると共に低圧供給管153の燃料を加圧して高圧供給管158に供給するポンプとして構成されている。高圧ポンプ157は、その吸入口に接続されて燃料を加圧する際に開閉する電磁バルブ157aと、その吐出口に接続されて燃料の逆流を規制すると共に高圧供給管158内の燃圧を保持するチェックバルブ157bと、エンジン22の回転(インテークカムシャフトの回転)により作動する(図1における上下方向に移動する)プランジャ157cとを有する。この高圧ポンプ157は、エンジン22の運転中に、電磁バルブ157aが開弁されたときに、低圧供給管153の燃料を吸入し、電磁バルブ157aが閉弁されたときに、プランジャ157cによって圧縮した燃料をチェックバルブ157bを介して高圧供給管158に断続的に送り込むことにより、高圧供給管158に供給する燃料を加圧する。
エンジン22は、エンジンECU24により運転制御されている。エンジンECU24は、図示しないが、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを有するマイクロコンピュータを備える。
エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。エンジンECU24に入力される信号としては、例えば、エンジン22のクランクシャフト23の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランク角θcrや、エンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温Twを挙げることができる。吸気バルブ128を開閉するインテークカムシャフトの回転位置や排気バルブ133を開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカム角θci,θcoも挙げることができる。スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ124aからのスロットル開度THや、吸気管123のスロットルバルブ124よりも上流側に取り付けられたエアフローメータ123aからの吸入空気量Qa、吸気管123のスロットルバルブ124よりも上流側に取り付けられた温度センサ123tからの吸気温Ta、サージタンク125に取り付けられた圧力センサ125aからのサージ圧Psも挙げることができる。排気管134の浄化装置135よりも上流側に取り付けられたフロント空燃比センサ137からのフロント空燃比AF1や、排気管134の浄化装置135とPMフィルタ136との間に取り付けられたリヤ空燃比センサ138からのリヤ空燃比AF2も挙げることができる。燃料タンク151に取り付けられた燃温センサ151tからの燃温Tftnkや、フィードポンプ152に取り付けられた回転数センサ152aからのフィードポンプ152の回転数Np、低圧供給管153のポート噴射弁126付近(例えば、低圧デリバリパイプ)に取り付けられた燃圧センサ153pからの低圧燃圧(ポート噴射弁126に供給する燃料の圧力)PL、高圧供給管158の筒内噴射弁127付近(例えば、高圧デリバリパイプ)に取り付けられた燃圧センサ158pからの高圧燃圧(筒内噴射弁127に供給する燃料の圧力)PHも挙げることができる。
エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24から出力される信号としては、例えば、スロットルバルブ124への制御信号や、ポート噴射弁126への制御信号、筒内噴射弁127への制御信号、点火プラグ130への制御信号を挙げることができる。燃料供給装置150のフィードポンプ152への制御信号や、高圧ポンプ157の電磁バルブ157aへの制御信号も挙げることができる。
エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのエンジン22のクランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Neを演算している。また、エンジンECU24は、エアフローメータ123aからの吸入空気量Qaとエンジン22の回転数Neとに基づいて負荷率(エンジン22の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の比)KLを演算している。
図1に示すように、プラネタリギヤ30は、シングルピニオンタイプの遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、駆動輪39a,39bにデファレンシャルギヤ38を介して連結された駆動軸36が接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、エンジン22のクランクシャフト23が接続されている。
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。インバータ41,42は、モータMG1,MG2の駆動に用いられると共に電力ライン54を介してバッテリ50に接続されている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU40は、図示しないが、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを有するマイクロコンピュータを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。モータECU40に入力される信号としては、例えば、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する図示しない回転位置センサからの回転位置θm1,θm2や、モータMG1,MG2の各相に流れる相電流を検出する図示しない電流センサからの相電流Iu1,Iv1,Iu2,Iv2を挙げることができる。モータECU40からは、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。モータECU40は、回転位置センサからのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の電気角θe1,θe2や回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、上述したように、電力ライン54を介してインバータ41,42に接続されている。このバッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52により管理されている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを有するマイクロコンピュータを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。バッテリECU52に入力される信号としては、例えば、バッテリ50の端子間に取り付けられた図示しない電圧センサからのバッテリ50の電圧Vbや、バッテリ50の出力端子に取り付けられた図示しない電流センサからのバッテリ50の電流Ib、バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからのバッテリ50の温度Tbを挙げることができる。バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。バッテリECU52は、電流センサからのバッテリ50の電流Ibの積算値に基づいてバッテリ50の蓄電割合SOCを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力量の割合である。
HVECU70は、図示しないが、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを有するマイクロコンピュータを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、例えば、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPを挙げることができる。また、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ87からの車速Vも挙げることができる。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52と通信ポートを介して接続されている。
こうして構成された実施例のハイブリッド車20では、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40との協調制御により、基本的には、エンジン22の運転を伴って走行するハイブリッド走行モード(HV走行モード)と、エンジン22の運転を伴わずに走行する電動走行モード(EV走行モード)と、を切り替えてエンジン22を間欠運転しながら走行する。
HV走行モードでは、基本的には、HVECU70は、まず、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される(駆動軸36に要求される)走行用トルクTd*を設定し、設定した走行用トルクTd*に駆動軸36の回転数Nd(モータMG2の回転数Nm2)を乗じて走行に要求される走行用パワーPd*を演算する。続いて、走行用パワーPd*とバッテリ50の蓄電割合SOCとに基づいてエンジン22の目標パワーPe*を設定し、エンジン22から目標パワーPe*が出力されると共に走行用トルクTd*が駆動軸36に出力されるようにエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する。設定した目標回転数Ne*や目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共にトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。
エンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいて運転されるように、エンジン22の運転制御、例えば、吸入空気量制御や燃料噴射制御、点火制御、開閉タイミング制御などを行なう。吸入空気量制御は、スロットルバルブ124の開度を制御することにより行なわれる。燃料噴射制御は、ポート噴射モードや筒内噴射モード、共用噴射モードでポート噴射弁126や筒内噴射弁127からの燃料噴射量を制御することにより行なわれる。点火制御は、点火プラグ130の点火時期を制御することにより行なわれる。モータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようにインバータ41,42の複数のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
EV走行モードでは、HVECU70は、HV走行モードと同様に走行用トルクTd*を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共に走行用トルクTd*が駆動軸36に出力されるようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。モータECU40によるインバータ41,42の制御については上述した。
HV走行モードでは、目標パワーPe*がパワー閾値Peref未満に至ったときなどに、エンジン22の停止条件が成立したと判定して、エンジン22を運転停止してEV走行モードに移行する。EV走行モードでは、HV走行モードと同様に演算した目標パワーPe*がパワー閾値(Peref+α)以上に至ったときなどに、エンジン22の始動条件が成立したと判定して、エンジン22を始動してHV走行モードに移行する。
実施例のハイブリッド車20が搭載するエンジン装置としては、エンジン22と、エンジンECU24とが該当する。
実施例のハイブリッド車20が搭載するエンジン装置では、エンジン22の排気管134に取り付けられた浄化装置135の浄化触媒(三元触媒)135aに対して急速触媒暖機を行なう。浄化装置135の急速触媒暖機は、触媒温度Tcが活性化する温度未満の所定温度以下の条件やアクセルオフの条件が成立しているときに行なわれる。急速触媒暖機は、吸気行程や圧縮行程で1回~3回の燃料噴射を行ない、最終の燃料噴射を膨張行程で行なうと共にこの膨張行程における燃料噴射と同期して点火する膨張行程噴射により行なわれる。
こうした急速触媒暖機では、エンジン22の回転数Neを所定回転数(例えば1300rpmなど)Nesetとして、できる限り点火時期Tpを遅角するように制御される。点火時期Tpを遅角すると、燃焼効率が低下するため、吸入空気量を増やすことによってエンジン22の回転数Neを維持する。この結果として、燃焼ガス量が増え、エミッション成分の絶対量も増えるが、触媒暖機は促進される。点火時期Tpの遅角は、点火毎に所定角度ずつ急速触媒暖機用の基本点火時期Tpbaseに近づくように序変により行なわれる。なお、エンジン22の回転数Neは、エンジン22の回転数Neに基づくフィードバック制御による補正値により点火時期Tpや吸入空気量Qaを補正することにより所定回転数Nesetとなるように制御されている。
次に、実施例のハイブリッド車20に搭載されたエンジン装置の動作、特に急速触媒暖機を実行している最中に燃料カットが行なわれ、その後の燃料カットからの復帰の際の動作について説明する。図3は、エンジンECU24により実行される急速触媒暖機中燃料カット復帰時処理の一例を示すフローチャートである。
急速触媒暖機中燃料カット復帰時処理が実行されると、エンジンECU24は、まず、急速触媒暖機中の燃料カットからの復帰か否かを判定する(ステップS100)。急速触媒暖機中の燃料カットからの復帰ではないと判定したときには、本処理の対象外であるため、本処理を終了する。
ステップS100で急速触媒暖機中の燃料カットからの復帰であると判定したときには、エンジン22を負荷運転とし(ステップS110)、所定回数だけ点火するのを待つ(ステップS120)。エンジン22の負荷運転としては、その後の急速触媒暖機制御への移行を考えると、エンジン22を所定回転数Nesetで自律運転(アイドル運転)する状態とするのが好ましい。所定回数としては、エンジン22の負荷運転が安定するまでに要する点火回数とするのが好ましく、1回や2回或いは3回などを用いることができる。燃料カット中の点火時期Tpcutは、燃料カットからの復帰後に直ちにエンジン22を負荷運転することができるように負荷運転時の点火時期より進角側で予め定められた時期(例えばBTDC20など)とされている。このため、エンジン22を負荷運転として燃料カットから復帰することにより、直ちに点火時期Tpを負荷運転時の時期とすることができる。
ステップS120でエンジン22を負荷運転として所定回数だけ点火したと判定したときには、急速触媒暖機に移行し(ステップS130)、本処理を終了する。負荷運転から急速触媒暖機への移行は、点火時期Tpを急速触媒暖機用の基本点火時期Tpbaseまで序変により遅角することにより行なわれる。こうした負荷運転しているエンジン22に対して点火時期Tpの序変による遅角を伴う急速触媒暖機への移行は通常行なわれる制御であるから、迅速に且つトルク変動を生じさせないように行なうことができる。
以上説明した実施例のハイブリッド車20が搭載するエンジン装置では、点火時期Tpを大幅に遅角して浄化装置135の触媒135を急速に暖機する急速触媒暖機中に燃料カットが行なわれ、その後、燃料カットから復帰するときには、エンジン22を負荷運転として所定回数だけ点火するのを待って急速触媒暖機に移行する。燃料カット中の点火時期Tpcutは燃料カットからの復帰後に直ちにエンジン22を負荷運転することができるように負荷運転時の点火時期より進角側で予め定められた時期(例えばBTDC20など)とされているから、エンジン22を負荷運転として燃料カットから復帰することにより、直ちに点火時期Tpを負荷運転時の時期とすることができる。負荷運転から急速触媒暖機への移行は、点火時期Tpを急速触媒暖機用の基本点火時期Tpbaseまで序変により遅角することにより行なわれるが、こうした負荷運転から急速触媒暖機への移行は通常行なわれる制御であるから、迅速に且つトルク変動を生じさせないように行なうことができる。これらの結果、急速触媒暖機を実行中の燃料カットからの復帰時に生じ得る不都合を抑制することができる。
実施例のハイブリッド車20が搭載するエンジン装置では、急速触媒暖機として、エンジン22の回転数Neを所定回転数Nesetとし、吸気行程や圧縮行程で1回~3回の燃料噴射を行ない、最終の燃料噴射を膨張行程で行なうと共にこの膨張行程における燃料噴射と同期して点火する膨張行程噴射により行なうものとした。しかし、急速触媒暖機としては、エンジン22の回転数Neを所定回転数Nesetとして点火時期を遅角することにより触媒135aを暖機するものであれば、燃焼噴射については如何なるタイミングで噴射するものとしても構わない。
実施例のハイブリッド車20が搭載するエンジン装置では、筒内噴射弁127を燃焼室129の頂部の略中央に配置すると共に点火プラグ130を筒内噴射弁127の近傍に配置するものとした。しかし、筒内噴射弁127を燃焼室129の側部に配置すると共に点火プラグ130を燃焼室129の頂部中央に配置するものとしても構わない。
実施例では、エンジン22とモータMG1とモータMG2とプラネタリギヤ30とを有するハイブリッド車20が搭載するエンジン装置に本発明を適用するものとしたが、エンジンと制御装置とを有するものであれば如何なる構成のハイブリッド車に搭載されるエンジン装置に本発明を適用するものとしてよいし、モータを有しない通常のエンジンにより駆動する自動車に搭載されるエンジン装置に本発明を適用するものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、浄化装置135が「浄化装置」に相当し、エンジンECU24が「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド車の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド車、22 エンジン、23 クランクシャフト、24 エンジンECU、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータECU、41,42 インバータ、50 バッテリ、52 バッテリECU、54 電力ライン、70 HVECU、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、87 車速センサ、122 エアクリーナ、123 吸気管、123a エアフローメータ、123t 温度センサ、124 スロットルバルブ、124a スロットルバルブポジションセンサ、125 サージタンク、125a 圧力センサ、126 ポート噴射弁、127 筒内噴射弁、128 吸気バルブ、129 燃焼室、130 点火プラグ、132 ピストン、133 排気バルブ、134 排気管、135 浄化装置、135a 浄化触媒、136 PMフィルタ、136a 差圧センサ、137 フロント空燃比センサ、138 リヤ空燃比センサ、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、150 燃料供給装置、151 燃料タンク、151t 燃温センサ、152 フィードポンプ、152a 回転数センサ、153 低圧供給管、153p 燃圧センサ、154 逆止弁、155 リリーフ管、156 リリーフバルブ、157 高圧ポンプ、157a 電磁バルブ、157b チェックバルブ、157c プランジャ、158 高圧供給管、158p 燃圧センサ、MG1,MG2 モータ。
Claims (1)
- 排気を浄化する触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられたエンジンと、
前記エンジンの点火時期を通常の負荷運転時に比して遅角して前記浄化装置の触媒を暖機する触媒暖機制御を実行する制御装置と、
を備えるエンジン装置であって、
前記制御装置は、前記触媒暖機制御を実行中に燃料カットが実行された後に燃料カットから復帰するときには、所定期間だけ前記エンジンを負荷運転した後に前記触媒暖機制御に移行する、
ことを特徴とするエンジン装置。
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