JP7633978B2 - 蓄電デバイスの製造方法及び蓄電デバイス - Google Patents
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Description
しかしながら、このように蓋部材の周縁部近傍に凹溝を設けると、レーザ光の照射で形成される溶融金属部をなす溶融金属の一部が、この凹溝に流れ込むことがある。すると、溶融金属部が、凹溝に流れ込まない場合とは異なる形状となる。具体的には、溶融金属の一部が凹溝に流れ込むことで、凹溝側に向かうほど低くなる斜面を有する形状となることがある。そして、この斜面に照射されたレーザ光の高強度の散乱光が、蓋部材と端子部材との間を絶縁する樹脂部材に照射されて、樹脂部材に焦げ部が生じることが判ってきた。
更に上述の蓄電デバイスの製造方法では、蓋部材の外側面に、周縁部側内面が蓋厚み方向の外側面側ほど周縁部から遠ざかる形態の外側凹溝を設けている。このため、溶融金属部から外側凹溝の開口までの距離を長くして、溶融金属の外側凹溝への流れ込みを防止しつつ、周縁部側内面が蓋厚み方向に延びる外側凹溝を設ける場合よりも、外側凹溝の内部空間をレーザ光の照射部位に近い位置(周縁部に近い位置)に設けることができる。これにより、レーザ光の照射部位から挿通孔周囲部に向かう熱移動をより効果的に抑制することができ、溶接性を向上させることができる。
「蓄電デバイス」としては、例えば、リチウムイオン二次電池等の二次電池や、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタ、全固体電池などが挙げられる
これに対し、上述の蓄電デバイスの製造方法では、蓋部材に設ける凹溝は、長辺周縁部と挿通孔周囲部との間に位置して長辺周縁部に沿って延びる長辺凹溝を含んでいる。このため、樹脂部材のうち、特に焦げ部が生じ易い、長辺周縁部に近接する周縁近接部位で、焦げ部が生じるのを抑制することができる。
更に上述の蓄電デバイスでは、上述の外側凹溝を含む凹溝により、樹脂部材における焦げ部の発生が抑制されているので、樹脂部材の本来の外観を保つことができる上、発生した焦げ部を経由して蓋部材と端子部材との間の絶縁抵抗が低下するのを抑制することができる。
以下、第1の参考形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に本参考形態1に係る電池(蓄電デバイス)1の斜視図を、図2に電池1の全体の断面図を、図3に電池1のうち本体部材20の開口部21及び蓋部材30の周縁部31近傍の部分拡大断面図を示す。なお、以下では、電池1の電池高さ方向AH、電池幅方向BH及び電池厚み方向CHを、図1~図3に示す方向と定めて説明する。この電池1は、ハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー、電気自動車等の車両などに搭載される角型(直方体状)で密閉型のリチウムイオン二次電池である。
また蓋部材30のうち、電池幅方向BHの一方側BH1の端部近傍及び他方側BH2の端部近傍には、それぞれ蓋厚み方向DHに貫通する矩形状の挿通孔33h,34hが設けられている。一方の挿通孔33h内には、アルミニウムからなる正極の端子部材50が挿通されており、樹脂部材70を介して蓋部材30と絶縁された状態で蓋部材30に固設されている。また他方の挿通孔34h内には、銅からなる負極の端子部材60が挿通されており、樹脂部材80を介して蓋部材30と絶縁された状態で蓋部材30に固設されている。
そして、このような凹溝35により、後述するように、レーザ光LBの照射部位Pから挿通孔周囲部33,34に向かう熱移動が抑制されており、かつ、樹脂部材70,80における焦げ部BP(図12(b)参照)の発生が防止されている。
その際、蓋部材30のうち、周縁部31と挿通孔周囲部33,34との間には、熱絶縁用の凹溝35が設けられているため、レーザ光LBの照射部位Pから挿通孔周囲部33,34に向かう熱移動を凹溝35により抑制し、蓋部材30の周縁部31を溶け易くして溶接性を向上させることができる。
次に「初充電・エージング工程S6」において、この電池1に充電装置(不図示)を接続して、電池1に初充電を行う。その後、初充電した電池1を所定時間にわたり静置して、電池1をエージングする。かくして、電池1が完成する。
更に本参考形態1では、凹溝35は、長辺周縁部31bと挿通孔周囲部33,34との間に位置して長辺周縁部31bに沿って延びる長辺凹溝36を含んでいる。このため、樹脂部材70,80のうち、特に焦げ部BPが生じ易い、長辺周縁部31bに近接する周縁近接部位70e,80eで、焦げ部BPが生じるのを抑制することができる。
次いで、第2の参考形態について説明する。なお、参考形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。参考形態1の電池1では、蓋部材30の外側面30mに凹溝(外側凹溝)35を設けた。これに対し、本参考形態2の電池100では、図3及び図7に破線で示すように、凹溝(外側凹溝)35に代えて、蓋部材30の内側面30nに凹溝(内側凹溝)135を設けている。
特に本参考形態2では、凹溝135は、蓋部材30の内側面30nに設けた内側凹溝であるため、外側凹溝のように溶融金属MLが流れ込むおそれがない。このため、外側凹溝を設ける場合よりも、レーザ光LBの照射部位Pに近い位置(周縁部31に近い位置)に凹溝135を設けることができるので、レーザ光LBの照射部位Pからの熱移動をより効果的に抑制し、溶接性を向上させることができる。その他、参考形態1と同様な部分は、参考形態1と同様な作用効果を奏する。
次いで、本発明の実施形態について説明する。なお、参考形態1または2と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。参考形態1の電池1では、蓋部材30の外側面30mに設けた凹溝(外側凹溝)35を、周縁部側内面35a及び孔周囲部側内面35bが蓋厚み方向DHに互いに平行で延びる、断面がU字状の形態とした(図3及び図7参照)。これに対し本実施形態の電池200では、蓋部材30の外側面30mに設ける凹溝(外側凹溝)235を、参考形態1の凹溝35とは異なる形態としている(図8(a)(b)参照)。
例えば参考形態1,2及び実施形態では、ケース10内に収容する電極体として、積層型の電極体40を例示したが、電極体は扁平状捲回型の電極体でもよい。また複数の電極体をケース内に収容してもよい。
7 蓋アセンブリ
10 ケース
18 溶融固化部
18Z 溶融金属部
20 本体部材
21 開口部
21b 長辺開口部
21c 短辺開口部
30 蓋部材
31 周縁部
31b 長辺周縁部
31c 短辺周縁部
33,34 挿通孔周囲部
33h,34h 挿通孔
33e,34e 長辺周囲部
33f,34f 短辺周囲部
35,235 凹溝(外側凹溝)
135 凹溝(内側凹溝)
35a,135a,235a 周縁部側内面
35b,135b,235b 孔周囲部側内面
35c,135c,235c 底面
36,136,236 長辺凹溝
37,137,237 短辺凹溝
40 電極体
50,60 端子部材
70,80 樹脂部材
70e,80e (樹脂部材のうち蓋部材の長辺周縁部に近接する)周縁近接部位
DH 蓋厚み方向
DH1 (蓋厚み方向の)外側
DH2 (蓋厚み方向の)内側
LB レーザ光
LC 散乱光
P 照射部位
ML 溶融金属
BP 焦げ部
S1 蓋形成工程
S2 蓋アセンブリ形成工程
S3 閉塞工程
S4 溶接工程
S5 注液・封止工程
S6 初充電・エージング工程
Claims (4)
- 開口部を有する有底筒状の本体部材、及び、上記開口部を閉塞する形態で上記本体部材に全周にわたりレーザ溶接された蓋部材を有するケースと、
上記蓋部材を蓋厚み方向に貫通する挿通孔内に挿通された端子部材と、
上記蓋部材の上記挿通孔を囲む挿通孔周囲部と上記端子部材との間を絶縁しつつ、上記蓋部材の上記挿通孔周囲部及び上記端子部材にそれぞれ接合した樹脂部材と、を備える
蓄電デバイスの製造方法であって、
上記蓋部材に上記樹脂部材を介して上記端子部材を一体化した蓋アセンブリのうち上記蓋部材で、上記本体部材の上記開口部を塞ぐ閉塞工程と、
上記蓋部材の上記蓋厚み方向の外側からレーザ光を照射し、上記本体部材の上記開口部及び上記蓋部材の周縁部を溶融させ混合し溶融金属部を形成した後に固化させて溶融固化部を形成するレーザ溶接を全周にわたり行って、上記ケースを形成する溶接工程と、を備え、
上記蓋部材は、
上記周縁部と上記挿通孔周囲部との間で、かつ、上記溶融金属部から離間する位置に設けられ、上記蓋厚み方向に凹み、上記レーザ光の照射部位から上記挿通孔周囲部に向かう熱移動を抑制する凹溝を有し、
上記凹溝は、
上記蓋部材の外側面に設けられ、上記周縁部側に位置する周縁部側内面と、上記挿通孔周囲部側に位置する孔周囲部側内面とを有する外側凹溝を含み、
上記外側凹溝の上記周縁部側内面は、
上記蓋厚み方向の上記外側面側ほど上記周縁部から遠ざかる形態を有する
蓄電デバイスの製造方法。 - 請求項1に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、
前記本体部材の前記開口部は、
一対の長辺開口部と一対の短辺開口部とを有する矩形環状であり、
前記蓋部材の前記周縁部は、
一対の長辺周縁部と一対の短辺周縁部とを有する矩形環状であり、
前記閉塞工程は、
上記蓋部材の上記一対の長辺周縁部を上記本体部材の上記一対の長辺開口部に、上記蓋部材の上記一対の短辺周縁部を上記本体部材の上記一対の短辺開口部にそれぞれ対向させて、上記蓋部材で上記本体部材の上記開口部を塞ぎ、
前記凹溝は、
上記蓋部材のうち、上記一対の長辺周縁部と前記挿通孔周囲部との間にそれぞれ位置し、上記長辺周縁部に沿って延びる一対の長辺凹溝を含む
蓄電デバイスの製造方法。 - 開口部を有する有底筒状の本体部材、及び、上記開口部を閉塞する形態で上記本体部材に全周にわたりレーザ溶接された蓋部材を有するケースと、
上記蓋部材を蓋厚み方向に貫通する挿通孔内に挿通された端子部材と、
上記蓋部材の上記挿通孔を囲む挿通孔周囲部と上記端子部材との間を絶縁しつつ、上記蓋部材の上記挿通孔周囲部及び上記端子部材にそれぞれ接合した樹脂部材と、を備える
蓄電デバイスであって、
上記蓋部材は、
上記蓋部材の周縁部と上記挿通孔周囲部との間で、かつ、レーザ光の照射で形成される溶融金属部から離間する位置に設けられ、上記蓋厚み方向に凹み、上記レーザ光の照射部位から上記挿通孔周囲部に向かう熱移動を抑制する凹溝を有し、
上記凹溝は、
上記蓋部材の外側面に設けられ、上記周縁部側に位置する周縁部側内面と、上記挿通孔周囲部側に位置する孔周囲部側内面とを有する外側凹溝を含み、
上記外側凹溝の上記周縁部側内面は、
上記蓋厚み方向の上記外側面側ほど上記周縁部から遠ざかる形態を有し、
上記樹脂部材は、
上記蓋部材の上記凹溝により、焦げ部の発生が抑制された
蓄電デバイス。 - 請求項3に記載の蓄電デバイスであって、
前記本体部材の前記開口部は、
一対の長辺開口部と一対の短辺開口部とを有する矩形環状であり、
前記蓋部材の前記周縁部は、
一対の長辺周縁部と一対の短辺周縁部とを有する矩形環状であり、
前記凹溝は、
上記蓋部材のうち、上記一対の長辺周縁部と前記挿通孔周囲部との間にそれぞれ位置し、上記長辺周縁部に沿って延びる一対の長辺凹溝を含み、
前記樹脂部材は、
上記蓋部材の上記長辺凹溝により、上記樹脂部材のうち上記長辺周縁部に近接する周縁近接部位で、焦げ部の発生が抑制された
蓄電デバイス。
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