以下、図面に基づき本発明の第1実施形態から第5実施形態について説明する。本実施形態では、建設機械としてクローラ式の油圧ショベル1(以下、「油圧ショベル1」という。)を例に挙げて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1の全体構成を示す側面図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベルの機械室を示す平面図である。図3は、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1の機械室40を示す背面図であり、第1空気流が生成されるときの空気の流れを概略的に示すものである。図4は、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1の機械室40の内部を示す背面図であり、第2空気流が生成されるときの空気の流れを概略的に示すものである。図5は、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1の機械室40の内部を示す背面図であり、第1空気流が生成されるときの空気の流れと機械室40に収容された機器との関係を概略的に示すものである。図6は、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1の機械室40の内部を示す背面図であり、第2空気流が生成されるときの空気の流れと機械室40に収容された機器との関係を概略的に示すものである。図7は、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1の機械室40の内部を示す平面図であり、図5に示す最上段のルーバー75のみを示すものである。図8は、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1の機械室40の内部を示す側面図であり、図5に示す複数のルーバー75の全体を示すものである。なお、図1では左方通気口44cが省略されており、図2~図4ではルーバー75及びバッテリ70が省略されている。
以下、説明の便宜上、図1に示す油圧ショベル1において、運転室31のオペレータから見て「前」、「後」、「左」、「右」をそれぞれ定義し、重力を基準に「上」、「下」を定義する。即ち、各図に示される矢印「前」及び「後」は油圧ショベル1の前後方向を示し、矢印「左」及び「右」は油圧ショベル1の左右(幅)方向を示し、矢印「上」及び「下」は油圧ショベル1の上下方向を示している。
図1に示すように、油圧ショベル1は、機体10と作業装置20とを備えている。機体10は、下部走行体15と、下部走行体15に配置される上部旋回体30とを含んで構成されている。
作業装置20は、上部旋回体30に回動可能に取付けられ、土砂の掘削作業等を行うものである。具体的には、図1に示すように、作業装置20は、上部旋回体30に上下方向で回動可能に取り付けられたブーム22と、ブーム22の先端に上下方向で回動可能に取り付けられたアーム24と、アーム24の先端に上下方向で回動可能に取り付けられ、作業を行うバケット26とを有している。作業装置20は、更に、ブーム22を回動させるように構成されたブームシリンダ22aと、アーム24を回動させるように構成されたアームシリンダ24aと、バケット26を回動させるように構成されたバケットシリンダ26aとを含む。ブームシリンダ22aは、一端が上部旋回体30に取付けられ、他端がブーム22に取付けられている。アームシリンダ24aは、一端がブーム22に取付けられ、他端がアーム24に取付けられている。バケットシリンダ26aは、一端がアーム24に取付けられ、他端がバケット26に取付けられている。後述する油圧ポンプ60より吐出されたオイルの一部は、ブームシリンダ22a、アームシリンダ24a、バケットシリンダ26aへも供給される。これにより、油圧ポンプ60によって供給されるオイルの圧力に応じてブーム22、アーム24、バケット26が夫々回動される。
図1に示すように、下部走行体15は、油圧ショベル1が走行可能となるように上部旋回体30を支持する所謂クローラ型の走行装置である。上部旋回体30には、前側且つ左側に、オペレータが油圧ショベル1を運転操作するための運転室31が設けられている。運転室31は、下部走行体15の駆動や作業装置20の操作等、油圧ショベル1の操作をオペレータが搭乗して行う操縦室である。運転室31には、座席(図示せず)に着座したオペレータが操作可能な位置に、後述するエンジン55の駆動スイッチ(図示せず)及び後述するファン装置50の操作スイッチ(図示せず)が設けられている。エンジン55の駆動スイッチは、オペレータがエンジン55を始動するときにONとされ、エンジン55を停止するときにOFFとされるスイッチであり、その動作に応じたエンジン駆動信号を後述するコントローラ90に送信する。エンジン55の駆動スイッチはエンジン55と共にファン装置50も連動させるよう構成されており、エンジン55の駆動スイッチがONとされるとファン装置50も始動させられ、エンジン55の駆動スイッチがOFFとされるとファン装置50も停止させられる。ファン装置50の操作スイッチは、ファン装置50の回転方向(正回転方向及び逆回転方向)を手動で変更することのできるスイッチであり、その動作に応じたファン装置駆動信号を後述するコントローラ90に送信する。なお、ここではエンジン55の駆動スイッチでファン装置50を連動させるようにしているが、ファン装置50の操作スイッチをONまたはOFFに操作することで、エンジン55とは別にファン装置50の始動と停止を行うようにしてもよい。また、上部旋回体30の後側には、重量バランスを確保するカウンタウェイト33が設けられている。上部旋回体30において、運転室31とカウンタウェイト33との間には機械室40が設けられている。
図2~図6に示すように、機械室40は、その外殻を複数の壁部材により構成された箱状の部分である。具体的には、機械室40は、前方に面する板状の前方壁部42aと、当該前方壁部42aに対向して配置されて後方に面する板状の後方壁部42bと、前方壁部42aの左側端及び後方壁部42bの左側端を接続して左方に面する板状の左方壁部42cと、前方壁部42aの右側端及び後方壁部42bの右側端を接続して右方に面する板状の右方壁部42dと、前方壁部42aの上側端、後方壁部42bの上側端、左方壁部42cの上側端及び右方壁部42dの上側端を接続して上方に面する板状の上方壁部42eと、前方壁部42aの下側端、後方壁部42bの下側端、左方壁部42cの下側端及び右方壁部42dの下側端を接続して下方に面する板状の下方壁部42fと、を含んで構成されている。機械室40の内部は、前方壁部42a、後方壁部42b、左方壁部42c、右方壁部42d、上方壁部42e及び下方壁部42fによって包囲された空間となっており、機械室40の内部には、エンジン55、油圧ポンプ60、マフラ65、熱交換器45、ファン装置50、バッテリ(電装部品)70、ルーバー75等の機器が収容されている。上述したように、図2~図4ではルーバー75及びバッテリ70が省略されている。
また、図2~図6に示すように、機械室40は、上方壁部42eを上下方向に貫通する上方通気口44a、44eと、下方壁部42fを上下方向に貫通する下方通気口44bと、左方壁部42cを左右方向に貫通する左方通気口44cと、右方壁部42dを左右方向に貫通する右方通気口44dと、を含んで構成されている。図3に示すように、上方通気口44a及び右方通気口44dは、マフラ65の近傍に1つずつ形成されている。また、下方通気口44bは、エンジン55の下側に1つ形成されている。図5に示すように、左方通気口44cは、バッテリ70の左側に形成されており、上下方向において最下段に位置する左方下段通気口44c1と、上下方向において最上段に位置する左方上段通気口44c3と、上下方向において左方下段通気口44c1及び左方上段通気口44c3の間に位置する左方中段通気口44c2と、を含んで構成されている。また、図5に示すように、上方通気口44eは、上方壁部42eの左側端に1つ形成されている。なお、上方通気口44a、下方通気口44b、左方通気口44c、右方通気口44d、及び上方通気口44eの位置及び数はこれに限定されるものではなく、機械室40の外部と内部とで空気を循環させることができるものであれば任意に選択可能である。
また、図2~図6に示すように、機械室40は、前方壁部42a、後方壁部42b、上方壁部42e及び下方壁部42fの内面に設けられた第1支持壁46aを備え、当該第1支持壁46aには熱交換器45が取付けられている。また、機械室40は、第1支持壁46aに接続された第2支持壁部46bを備え、当該第2支持壁部46bにはファン装置50が取付けられている。図5及び図6に示すように、機械室40の下方壁部42fには、熱交換器45の左側において上方向に延在する板状部材である第1仕切り壁47が取付けられている。第1仕切り壁47は、前後方向及び上下方向に延びる平板状の部材である。
エンジン55は、機械室40に収容され、機体10及び作業装置20の駆動源となるものである。エンジン55は、オイルを圧送する油圧ポンプ60を駆動するための駆動源として機能する。当該油圧ポンプ60より吐出されたオイルは、下部走行体15に設けられた走行モータや上部旋回体30に設けられた旋回モータ(ともに図示せず)へ供給される。これにより、下部走行体15による油圧ショベル1の自走が可能となり、上部旋回体30が作業装置20とともに旋回軸周りで旋回可能となる。エンジン55は、例えばディーゼルエンジンであり、排気通路にはマフラ65が接続されている。また、排気通路におけるマフラ65よりも排気上流側には、NOx(窒素酸化物)を含めた排ガス成分の浄化を行うための排気後処理装置(図示せず)が設けられている。油圧ショベル1では、排気通路は上方に延びており、排気後処理装置及びマフラ65はエンジン55の上方に設けられている。
図2~図6に示すように、熱交換器45は、エンジン55よりも左側において第1支持壁46aに固定されている。熱交換器45は、例えばエンジン55の冷却水を冷却するラジエータ、ターボ過給機によってエンジン55に供給される吸気を冷却するインタークーラ、エアコンの冷媒を冷却するコンデンサ、作動油を冷却するオイルクーラ等を含んで構成されている。熱交換器45は、ラジエータ、インタークーラ、コンデンサ、オイルクーラ等で生じた熱を例えば左方通気口44cから吸い込まれた冷却風に放出することにより、エンジン冷却水、ターボ過給機を通過した吸気、エアコンの冷媒、作動油タンクに戻る作動油等を冷却する。熱交換器45は、ラジエータ、インタークーラ、コンデンサ、オイルクーラ等を左右方向に直列(縦並び)に配置して構成されてもよいし、インタークーラだけを左側に配置して構成されてもよいし、ラジエータ、インタークーラ、コンデンサ、オイルクーラ等を前後方向に並列(横並び)に配置して構成されてもよい。なお、熱交換器45の配列は、これに限定されるものではなく、任意の配列を採用することができる。
図5及び図6に示すように、ファン装置50は、機械室40の内部においてエンジン55と熱交換器45との間に配設され、機械室40の外部から熱交換器45へ向かう第1空気流F1を生成し、且つ機械室40の内部から熱交換器45を経由して機械室40の外部へ向かう第2空気流F2を生成するように構成されている。具体的には、ファン装置50は、第1空気流F1の流れ方向において、熱交換器45の下流側(図5における右側)且つエンジン55の上流側(左側)に配置され、第2空気流F2の流れ方向において、熱交換器45の上流側(右側)且つエンジン55の下流側(左側)に配置されている。図3に示すように、熱交換器45へ向かう第1空気流F1は、熱交換器45を通過した後、上方通気口44a、下方通気口44b、及び右方通気口44dを通じて機械室40の外部へ排出される。また、図4に示すように、第2空気流F2が生成されたとき、上方通気口44a、下方通気口44b、及び右方通気口44dを通じて機械室40の内部へ空気が導入され、これにより機械室40の内部の空気が機械室40の外部へ排出される。
ファン装置50は、モータ部50bと、当該モータ部50bに連結されたファンボス50cと、ファンボス50cから放射状に径方向外側へ延びる複数枚のファンブレード50aとを有している。ファン装置50は一般的な電動の軸流式送風機である。詳細には図5に示すように、ファン装置50のモータ部50bは電動モータであり、コントローラ90からの制御信号に従って作動する。例えば、モータ部50bの回転数及び回転方向がコントローラ90により制御され、ファン装置50のファンブレード50aは、モータ部50bの回転数に応じた回転数で、モータ部50bの回転方向と同じ方向に回転する。ファン装置50による送風方向は、ファン装置50が軸流式ファンであるので、ファンブレード50aの回転方向に応じて反転する。例えば、ファン装置50は、コントローラ90の指示に基づいてモータ部50bが正回転することで、ファンブレード50aも正回転して第1空気流F1を生成する。他方、ファン装置50は、コントローラ90の指示に基づいてモータ部50bが逆回転することで、ファンブレード50aが逆回転して第2空気流F2を生成する。
なお、ここではファン装置50が電動の送風機である場合について説明したが、ファン装置50はエンジン55の駆動力で作動するものであってもよく、例えばエンジン55により油圧ポンプを作動させて生じる圧油で駆動するいわゆる油圧ファンであってもよい。この場合、ファン装置50のファンブレード50aは、モータ部50bとしての油圧モータ(図示せず)の回転数に応じた回転数で、当該油圧モータの回転方向と同じ方向に回転する。また、ファン装置50は、ファンボス50cに正回転方向及び逆回転方向を切り換えることのできるギアボックス(図示せず)を有していてもよい。この場合、モータ部50bの正回転を維持したまま(即ちモータ部50bの回転方向を切り換えることなく)、ギアボックスを用いてファンブレード50aの回転方向(正回転方向及び逆回転方向)を切り換えることが可能になる。また、ファン装置50は、いわゆる可変翼ファンであってもよい。この場合、ファン装置50は、ファンブレード50aの根元を回転させることで、当該ファンブレード50aの傾斜角を変更することができるように構成されている。これにより、ファンブレード50aの正回転を支持したまま(即ち、ファンブレード50aの回転方向(正回転方向及び逆回転方向)を切り換えることなく)、第1空気流F1及び第2空気流F2を切り換えることができる。
図5及び図6に示すように、バッテリ70は、機械室40の内部において、熱交換器45を挟んでファン装置50の反対側に配設されている。具体的には、バッテリ70は、熱交換器45よりも左側であって、機械室40に形成された左方通気口44cの近傍に配置されている。バッテリ70は、例えばファン装置50のモータ部50bや後述するルーバー75を駆動する電動モータ80等に電力を供給するためのものである。バッテリ70の構成自体は公知であるため、その詳細な説明を省略する。
図5及び図6に示すように、複数のルーバー75は、機械室40の内部において熱交換器45とバッテリ70との間に配設されている。見易さの観点から、図5及び図6では最下段のルーバー75にのみ符号を付している。なお、ここでは5枚のルーバー75が示されているが、ルーバー75の数は5枚に限定されるものではなく、適宜変更可能なものである。図7に示すように、ルーバー75は、平板状の本体部75aと、当該本体部75aの左側端に一体に設けられた棒状の軸部75bとを含んで構成されている。なお、図7では、見易さの観点から1つのルーバー75のみを示している。ルーバー75の本体部75a及び軸部75bはともに、前後方向に延在する部材である。図7及び図8に示すように、ルーバー75は、前方壁部42a及び後方壁部42bのそれぞれに取付けられた一対のL字ブラケット75cに回動自在に取付けられている。具体的には、一対のL字ブラケットは、それぞれの一端側において前方壁部42a及び後方壁部42bに固定されており、それぞれの他端側に、ルーバー75の軸部75bが回動自在に取付けられている。
図5及び図6に示すように、複数のルーバー75のうち最上段のルーバー75は、その軸部75bが左方壁部42cの部分に、具体的には左方中段通気口44c2の上側を画成する左方壁部42cの部分に接するように配設される。また、図6に示すように、複数のルーバー75のうち最下段のルーバー75は、その本体部75aが第1仕切り壁47の上側端に接するように配設されている。複数のルーバー75は、互いにリンク75dによって接続されており、これにより複数のルーバー75が全て同じ角度で作動する。図8に示すように、複数のルーバー75のうち最下段のルーバー75には、電動モータ80が取付けられている。具体的には、電動モータ80は、一対のL字ブラケット75cの他端側に固定されて、ルーバー75の軸部75bに回転力を加えるように構成されている。図5に示すように、電動モータ80はコントローラ90と電気的に接続されており、コントローラ90の指示に基づき電動モータ80が回転すると、これに応じてルーバー75は軸部75bを中心に回動する(図5及び図6参照)。なお、電動モータ80は、複数のルーバー75のうち最下段のルーバー75以外のルーバー75に回転力を加えるように配設されてもよい。また、ルーバー75の駆動手段は電動モータ80に限定されるものではなく、例えば油圧モータであってもよい。
図5に示すように、ルーバー75は、ファン装置50によって第1空気流F1が生成されるときに熱交換器45へ向かう空気の流れを許容するように角度を変える。具体的には、図5及び図8に示すように、ファン装置50が正回転して第1空気流F1が生成されると、コントローラ90からの指示に基づいて電動モータ80がルーバー75に回転力を加え、ルーバー75の角度が水平又は略水平に変更される(以下、ルーバーの「開位置」ともいう)。これにより、ルーバー75の間に所定の間隙が生じ、この間隙を通じて、機械室40の外部から熱交換器45へ向かう空気の流れが許容される。なお、第1空気流F1が生成されるときのルーバー75の角度は水平又は略水平に限定されるものではなく、熱交換器45へ空気を導入することができる角度であれば任意に設定可能である。
また、図6に示すように、ルーバー75は、ファン装置50によって第2空気流F2が生成されるときにバッテリ70へ向かう空気の流れ方向を変更するように角度を変える。具体的には、ルーバー75は、第2空気流F2が生成されるときにバッテリ70を覆うように角度を変え、これによりバッテリ70が配設された空間を熱交換器45が配設された空間から完全に仕切るように構成されている。より詳細には、ファン装置50が逆回転して第2空気流F2が生成されるとき、コントローラ90からの指示に基づいて電動モータ80がルーバー75に回転力を加え、最下段のルーバー75の本体部75aが第1仕切り壁47の上側端に接するようにルーバー75の角度が変更される(以下、ルーバーの「閉位置」ともいう)。これにより、図6に示すように、最上段のルーバー75の軸部75bから最下段のルーバー75の本体部75aにかけてバッテリ70を覆うように壁が形成され、第2空気流F2を左方上段通気口44c3及び上方通気口44eへ導くことができる。なお、コントローラ90を中心としたルーバー75の開閉制御については後述する。
図5及び図6に示すように、機械室40の内部には、温度センサ85が配設されている。温度センサ85は、エンジン55の近傍(例えばマフラ65の近傍)に配設され、その雰囲気温度を検出してコントローラ90に出力するように構成されている。なお、温度センサ85は、エンジン55を停止した後に温度が上昇しやすい位置を想定してマフラ65近傍のセンサ類の雰囲気温度を測定できるように配置されているが、温度センサ85の設置位置はこれに限定されるものではない。例えば、温度センサ85は、機械室40の内部が高温になることにより生じる熱害が懸念される部品の設置場所に応じて、適宜、その設置場所を変更してもよい。
図5及び図6に示すように、油圧ショベル1にはコントローラ90が設けられている。コントローラ90は、エンジン55の運転制御等の総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)等を含んで構成されている。このため、コントローラ90は、エンジン55及び油圧ポンプ60の運転制御に加え、例えばファン装置50の回転方向の制御及びルーバー75の開閉制御等、種々様々な制御を行うように構成されている。
図5及び図6に示すように、コントローラ90は、温度センサ85からの温度信号、エンジン55の駆動スイッチ(図示せず)からのエンジン駆動信号、及びファン装置50の操作スイッチ(図示せず)からのファン装置駆動信号を受信するように構成されている。また、コントローラ90には、タイマ機能が内蔵されており、第2空気流F2の送風を行うファン装置50の逆回転実施時間が予め実験的に設定されている。また、コントローラ90には、温度センサ85から受信した温度信号と比較する閾値温度tが記憶されている。温度センサ85がエンジン55の近傍(例えばマフラ65の近傍)に配設されている場合、閾値温度tは例えば120℃~130℃であってよい。この閾値温度tは一例であり、これに限定されるものではない。なお、閾値温度tは、温度センサ85による温度検出の対象となる部品の耐熱性等に基づいて、予め実験により求めた温度である。閾値温度tは、特定の部品に対する温度でなくてもよく、例えば機械室40全体の温度を設定してもよい。また、コントローラ90には、第1空気流F1を生成するときのルーバー75の角度、及び、第2空気流F2を生成するときのルーバー75の角度が、予め実験により算出されて記憶されている。
次いで、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1のコントローラ90が備える種々様々な制御のうちルーバー75の開閉制御(第1制御態様から第5制御態様)について説明する。
<第1制御態様>
図9は、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1に設けられたルーバー75の開閉制御における第1制御態様を説明するフローチャートである。ファン装置50が作動しているとき、コントローラ90は、第1制御態様に係る処理を油圧ショベル1の運転中に所定周期で実行する(S100)。まず、コントローラ90は、オペレータが操作したファン装置50の操作スイッチからファン装置駆動信号を受信し、ファン装置50のファンブレード50aを手動で逆回転させるか否かの判断を行う(S110)。その結果、コントローラ90によってファン装置50を逆回転させると判断された場合(S110のYes)、コントローラ90は、ルーバー75を閉位置に変更するべく、ルーバー75に取付けられた電動モータ80に対して閉位置信号を送信する。コントローラ90から送信された閉位置信号に基づき、電動モータ80はルーバー75の角度を閉位置に変更する(S120)。次いで、コントローラ90は、ファン装置50のモータ部50bに逆回転信号を送信し、当該逆回転信号に基づいて、モータ部50bはファンボス50cに回転力を加えてファンブレード50aを逆回転させる(S130)。コントローラ90は、自身に記憶された逆回転実施時間(例えば3~5分)の経過後、速やかにファン装置50のモータ部50bに逆回転停止信号を送信し、当該逆回転停止信号に基づいて、モータ部50bは回転を停止する(S130)。次いで、コントローラ90は、ルーバー75を開位置に変更するべく、ルーバー75に取付けられた電動モータ80に対して開位置信号を送信する。コントローラ90から送信された開位置信号に基づき、電動モータ80はルーバー75の角度を開位置に変更する(S140)。その後、本処理はS110に戻る。
コントローラ90によってファン装置50を手動で逆回転させないと判断された場合(S110のNo)、コントローラ90は、エンジン55の駆動スイッチから受信したエンジン駆動信号に基づいて、即ちエンジンキーがOFFとされたことに基づいてエンジン55を停止する操作が行われたか否かの判断を行う(S150)。その結果、エンジンキーがOFFにされていないと判断された場合(S150のNo)、本処理はS110に戻る。
エンジンキーがOFFにされたと判断された場合(S150のYes)、ここではファン装置50は一般的な電動の軸流式送風機であるので、エンジン55についてはエンジンキーがOFFされるとすぐに停止するようコントローラ90によって制御される。一方、例えばファン装置50がエンジン55の駆動力で作動するものである場合には、エンジン55は、エンジンキーがOFFされても、すぐには停止せず、当該フローチャートの一連の処理の終了(S220)を待って停止するようにコントローラ90によって制御される。そして、エンジンキーがOFFにされたと判断された場合(S150のYes)、コントローラ90は、温度センサ85から受信した温度信号(測定温度T)と自身に記憶された閾値温度tとを比較し、当該測定温度Tが閾値温度tより大きいか否かの判断を行う(S160)。その結果、測定温度Tが閾値温度tより大きくない、即ち測定温度Tが閾値温度t以下であると判断された場合(S160のNo)、本処理は終了する(S220)。例えばファン装置50がエンジン55の駆動力で作動するものである場合には、終了(S220)をもってエンジン55を停止させる。
測定温度Tが閾値温度tより大きいと判断された場合(S160のYes)、コントローラ90は、ルーバー75を閉位置に変更するべく、ルーバー75に取付けられた電動モータ80に対して閉位置信号を送信する。コントローラ90から送信された閉位置信号に基づき、電動モータ80はルーバー75の角度を閉位置に変更する(S170)。次いで、コントローラ90は、ファン装置50のモータ部50bに逆回転信号を送信し、当該逆回転信号に基づいて、モータ部50bはファンボス50cに回転力を加えてファンブレード50aを逆回転させる(S180)。次いで、コントローラ90は再度、温度センサ85から受信した温度信号(測定温度T)と自身に記憶された閾値温度tとを比較し、当該測定温度Tが閾値温度tより大きいか否かの判断を行う(S190)。その結果、測定温度Tが閾値温度tより大きいと判断された場合(S190のYes)、本処理はS180に戻り、ファン装置50の逆回転が継続される。
測定温度Tが閾値温度tより大きくない、即ち測定温度Tが閾値温度t以下であると判断された場合(S190のNo)、コントローラ90は、ファン装置50のモータ部50bに逆回転停止信号を送信し、当該逆回転停止信号に基づいて、モータ部50bは回転を停止する(S200)。次いで、コントローラ90は、ルーバー75を開位置に変更するべく、ルーバー75に取付けられた電動モータ80に対して開位置信号を送信する。コントローラ90から送信された開位置信号に基づき、電動モータ80はルーバー75の角度を開位置に変更する(S210)。その後、本処理は終了する(S220)。例えばファン装置50がエンジン55の駆動力で作動するものである場合には、一連の処理の終了(S220)をもってエンジン55を停止させる。
<第2制御態様>
図10は、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1に設けられたルーバー75の開閉制御における第2制御態様を説明するフローチャートである。なお、第2制御態様に係る処理に関し、上述した第1制御態様に係る処理と同一の処理については、同一の符号を付してその説明を省略し、第1制御態様に係る処理と異なる部分についてのみ説明する。
S170においてルーバー75の角度が閉位置に変更された後、コントローラ90は、ファン装置50のモータ部50bに逆回転信号を送信し、当該逆回転信号に基づいて、モータ部50bはファンボス50cに回転力を加えてファンブレード50aを逆回転させる(S300)。コントローラ90は、自身に記憶された逆回転実施時間(例えば3~5分)の経過後、速やかにファン装置50のモータ部50bに逆回転停止信号を送信し、当該逆回転停止信号に基づいて、モータ部50bは回転を停止する(S300)。なお、コントローラ90は、温度センサ85から受信した温度信号(測定温度T)に応じて逆回転実施時間を変更するように構成されてもよい。この場合、例えば測定温度Tが閾値温度tよりも50℃以上高い場合には逆回転実施時間を10分とし、測定温度Tが閾値温度tに対し20℃から50℃の間にある場合には逆回転実施時間を5分とし、測定温度Tが閾値温度tに対し20℃以内にある場合には逆回転実施時間を2分とする等、測定温度T及び閾値温度tの差に応じた逆回転実施時間を予め実験により求めておいてもよい。
<第3制御態様>
図11は、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1に設けられたルーバー75の開閉制御における第3制御態様を説明するフローチャートである。なお、第3制御態様に係る処理に関し、上述した第1制御態様に係る処理と同一の処理については、同一の符号を付してその説明を省略し、第1制御態様に係る処理と異なる部分についてのみ説明する。
第3制御態様に係る処理では、ファン装置50のファンブレード50aを手動で逆回転させるか否かの判断を行う処理(第1制御態様に係る処理におけるS110に対応する処理)が実施されない。つまり、コントローラ90により第3制御態様に係る処理が開始された後(S100)、コントローラ90は、エンジン55の駆動スイッチから受信したエンジン駆動信号に基づいて、即ちエンジンキーがOFFとされたことに基づいてエンジン55を停止する操作が行われたか否かの判断を行う(S150)。
<第4制御態様>
図12は、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1に設けられたルーバー75の開閉制御における第4制御態様を説明するフローチャートである。なお、第4制御態様に係る処理に関し、上述した第2制御態様に係る処理と同一の処理については、同一の符号を付してその説明を省略し、第2制御態様に係る処理と異なる部分についてのみ説明する。
第4制御態様に係る処理では、ファン装置50のファンブレード50aを手動で逆回転させるか否かの判断を行う処理(第2制御態様に係る処理におけるS110に対応する処理)が実施されない。つまり、コントローラ90により第4制御態様に係る処理が開始された後(S100)、コントローラ90は、エンジン55の駆動スイッチから受信したエンジン駆動信号に基づいて、即ちエンジンキーがOFFとされたことに基づいてエンジン55を停止する操作が行われたか否かの判断を行う(S150)。
<第5制御態様>
図13は、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1に設けられたルーバー75の開閉制御における第5制御態様を説明するフローチャートである。なお、第5制御態様に係る処理に関し、上述した第1制御態様に係る処理と同一の処理については、同一の符号を付してその説明を省略し、第1制御態様に係る処理と異なる部分についてのみ説明する。
第5制御態様に係る処理では、ファン装置50のファンブレード50aを手動で逆回転させるか否かの判断を行う処理(第1制御態様に係る処理におけるS110に対応する処理)が実施されない。つまり、コントローラ90により第5制御態様に係る処理が開始された後(S100)、コントローラ90は、エンジン55の駆動スイッチから受信したエンジン駆動信号に基づいて、即ちエンジンキーがOFFとされたことに基づいてエンジン55を停止する操作が行われたか否かの判断を行う(S150)。
エンジンキーがOFFにされたと判断された場合(S150のYes)、コントローラ90は、ルーバー75を閉位置に変更するべく、ルーバー75に取付けられた電動モータ80に対して閉位置信号を送信する。コントローラ90から送信された閉位置信号に基づき、電動モータ80はルーバー75の角度を閉位置に変更する(S170)。S170においてルーバー75の角度が閉位置に変更された後、コントローラ90は、ファン装置50のモータ部50bに逆回転信号を送信し、当該逆回転信号に基づいて、モータ部50bはファンボス50cに回転力を加えてファンブレード50aを逆回転させる(S400)。コントローラ90は、自身に記憶された逆回転実施時間(例えば3~5分)の経過後、速やかにファン装置50のモータ部50bに逆回転停止信号を送信し、当該逆回転停止信号に基づいて、モータ部50bは回転を停止する(S400)。
次いで、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1の作用、効果について説明する。
本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1によれば、ルーバー75は、ファン装置50によって第1空気流F1が生成されるときに熱交換器45へ向かう空気の流れを許容するように角度を変え、且つ、ファン装置50によって第2空気流F2が生成されるときにバッテリ70へ向かう空気の流れ方向を変更するように角度を変える。具体的には、ルーバー75は、第2空気流F2が生成されるときにバッテリ70を覆うように角度を変え、これによりバッテリ70が配設された空間を熱交換器45が配設された空間から完全に仕切るように構成されている。このように、ファン装置50によって第1空気流F1から第2空気流F2に空気の流れを切り換えることにより、機械室40の内部の高温の空気や熱交換器45に堆積した塵埃等を外部へ排出することができる。そして、このときにルーバー75がバッテリ70へ向かう空気の流れ方向を変更するように角度を変える、具体的にはルーバー75がバッテリ70を覆うように角度を変えることで、バッテリ70が配設された空間が熱交換器45が配設された空間から完全に仕切られる。このため、熱風や塵埃等がバッテリ70に衝突することを回避しつつ、機械室40の内部の換気、熱交換器45の清掃を実施することができる。よって、機械室40内の風向きを変えた場合であっても、熱風や塵埃等からのバッテリ70の保護を図ることのできる建設機械を提供することができる。
<第2実施形態>
次いで、本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態は、ルーバー76の構成の点で、第1実施形態のルーバー75とは異なる。以下、第1実施形態の構成要素と同じ又は類似する機能を有する構成については、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
図14は、本発明の第2実施形態に係る油圧ショベル1の機械室の内部を示す背面図であり、第1空気流F1が生成されるときの空気の流れと機械室40に収容された機器との関係を概略的に示すものである。図15は、本発明の第2実施形態に係る油圧ショベル1の機械室40の内部を示す背面図であり、第2空気流F2が生成されるときの空気の流れと機械室40に収容された機器との関係を概略的に示すものである。
図14に示すように、複数のルーバー76のうち少なくとも二つのルーバーは、個別に角度可変に構成されている。具体的には、図14及び図15に示すように、複数のルーバー76は、最下段のルーバー76から中央のルーバー76までを第1リンク77dで接続した下側ルーバー群77と、最上段のルーバー76及びこれに隣接するルーバー76を第2リンク78dで接続した上側ルーバー群78とに区分けされている。下側ルーバー群77の最下段のルーバー76には第1電動モータ80aが取付けられ、上側ルーバー群78のうち下側に位置するルーバー76には第2電動モータ80bが取付けられてる。第1電動モータ80a及び第2電動モータ80bはそれぞれ、対応するルーバー76の軸部77b、78bに回転力を加えるように構成されている。第1電動モータ80a及び第2電動モータ80bはそれぞれコントローラ90と電気的に接続されており、コントローラ90の指示に基づき第1電動モータ80a及び第2電動モータ80bが回転すると、対応するルーバー76(下側ルーバー群77及び上側ルーバー群78)は上下方向で回転する(図14及び図15参照)。このようにして、第1電動モータ80aが取付けられたルーバー76(下側ルーバー群77)及び第2電動モータ80bが取付けられたルーバー76(上側ルーバー群78)の角度を個別に変更できるようになっている。なお、第1電動モータ80a及び第2電動モータ80bの配置はこれに限定されるものではなく適宜変更されもよい。また、全てのルーバー76に対し電動モータを取り付けてもよい。
図14に示すように、ファン装置50が正回転して第1空気流F1が生成されると、コントローラ90からの指示に基づいて、第1電動モータ80aが対応するルーバー76(下側ルーバー群77)に回転力を加え、下側ルーバー群77の角度が水平又は略水平に変更される(以下、ルーバーの「第1開位置」ともいう)。また、コントローラ90からの指示に基づいて、第2電動モータ80bが対応するルーバー76(上側ルーバー群78)に回転力を加え、上側ルーバー群78の角度が第1開位置よりも上方に傾いた角度に変更される(以下、ルーバーの「第2開位置」ともいう)。これにより、ルーバー76の間に所定の間隙が生じ、この間隙を通じて、機械室40の外部から熱交換器45へ向かう空気の流れが許容される。具体的には、下側ルーバー群77を通過する空気は水平又は略水平に熱交換器45へ向かって進み、上側ルーバー群78を通過する空気は、ルーバー76において上方へ向きを変えて熱交換器45へ進む。
また、図15に示すように、ファン装置50が逆回転して第2空気流F2が生成されると、コントローラ90からの指示に基づいて、第1電動モータ80a及び第2電動モータ80bがそれぞれ対応するルーバー76(下側ルーバー群77及び上側ルーバー群78)に回転力を加え、最下段のルーバー76の本体部77aが第1仕切り壁47の上側端に接するようにルーバー76の角度が変更される(以下、ルーバーの「閉位置」ともいう)。これにより、図15に示すように、最上段のルーバー76の軸部78bから最下段のルーバー76の本体部77aにかけてバッテリ70を覆うように壁が形成され、第2空気流F2を左方上段通気口44c3及び上方通気口44eへ導くことができる。なお、図面の見易さの観点から、第1電動モータ80a及び第2電動モータ80bが取付けられているルーバー76にのみ符号を付しており、それ以外のルーバーには符号を付していない。
次いで、本発明の第2実施形態に係る油圧ショベル1のコントローラ90によるルーバー76の開閉制御について説明する(図9から図13参照)。第2実施形態におけるルーバー76の開閉制御は、第1実施形態におけるルーバー75の開閉制御に対し、2つの電動モータ(第1電動モータ80a及び第2電動モータ80b)によりルーバー76の開閉制御を行う点で異なる。以下、第2実施形態に係るルーバー76の開閉制御に関し、上述した第1実施形態に係るルーバー75の開閉制御と同一の処理については、その説明を省略し、第1実施形態に係るルーバー75の開閉制御と異なる部分についてのみ説明する。
図9に示す第1制御態様の処理において、S110においてファン装置50を逆回転させると判断された場合(S110のYes)、コントローラ90は、ルーバー76(下側ルーバー群77及び上側ルーバー群78)を閉位置に変更するべく、ルーバー76に取付けられた第1電動モータ80a及び第2電動モータ80bに対して閉位置信号を送信する。コントローラ90から送信された閉位置信号に基づき、第1電動モータ80a及び第2電動モータ80bはルーバー76の角度を閉位置に変更する(S120)。なお、第1制御態様に係る処理のS170は、S120と同じ処理を実施するため、その詳細な説明を省略する。
また、S130においてモータ部50bが回転を停止した後、コントローラ90は、ルーバー76を開位置に即ち下側ルーバー群77を第1開位置に且つ上側ルーバー群78を第2開位置に変更するべく、ルーバー76に取付けられた第1電動モータ80a及び第2電動モータ80bの夫々に対して開位置信号を送信する。コントローラ90から送信された各々の開位置信号に基づき、第1電動モータ80a及び第2電動モータ80bは対応するルーバー76(下側ルーバー群77及び上側ルーバー群78)の角度を開位置(第1開位置及び第2開位置)に変更する(S140)。なお、第1制御態様に係る処理のS210は、S140と同じ処理を実施するため、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態における第1制御態様に係るその他の処理は、第1実施形態で説明した第1制御態様に係る処理と同様であるため、その詳細な説明を省略する。更に、第2実施形態における第2制御態様から第5制御態様に係る処理は、第1実施形態における対応する制御態様と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
次いで、本発明の第2実施形態に係る油圧ショベル1の作用、効果について説明する。本発明の第2実施形態に係る油圧ショベル1によれば、複数のルーバー76のうち少なくとも二つのルーバーは、個別に角度可変に構成されている。具体的には、下側ルーバー群77及び上側ルーバー群78はそれぞれ、第1電動モータ80a及び第2電動モータ80bにより、個別に角度を変更できるようになっている。これにより、ファン装置50により第1空気流F1が生成されるとき、下側ルーバー群77の角度を第1開位置に変更し、上側ルーバー群78の角度を第2開位置に変更することができる。よって、熱交換器45へ向かう第1空気流F1の流れ方向を別々に調整することができ、熱交換器45及び左方通気口44cの位置関係、熱交換器45及び上方通気口44eの位置関係に関わらず、熱交換器45の全体に均等に第1空気流F1を導入することができる。したがって、熱交換器45における冷却効率を向上させることができる。
<第3実施形態>
次いで、本発明の第3実施形態について説明する。本発明の第3実施形態は、ルーバー79の構成の点で、第1実施形態のルーバー75とは異なる。以下、第1実施形態の構成要素と同じ又は類似する機能を有する構成については、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
図16は、本発明の第3実施形態に係る油圧ショベル1の機械室40の内部を示す背面図であり、第1空気流F1が生成されるときの空気の流れと機械室40に収容された機器との関係を概略的に示すものである。図17は、本発明の第3実施形態に係る油圧ショベル1の機械室40の内部を示す背面図であり、第2空気流F2が生成されるときの空気の流れと機械室40に収容された機器との関係を概略的に示すものである。
図16及び図17では、見易さの観点から最下段のルーバー79にのみ符号を付している。図16に示すように、第3実施形態では、3枚のルーバー79が示されている。3枚のルーバー79のうち最上段のルーバー79は、その軸部79bがバッテリ70の上方に位置するように配設される。また、3枚のルーバー79のうち最下段のルーバー79は、その本体部79aが第1仕切り壁47の上側端に接するように配設されている。3枚のルーバー79は、互いにリンク79dによって接続されており、これにより、3枚のルーバー79が全て同じ角度で作動する。
図16に示すように、ルーバー79は、ファン装置50によって第1空気流F1が生成されるときに熱交換器45へ向かう空気の流れを許容するように角度を変える。具体的には、図16に示すように、ファン装置50が正回転して第1空気流F1が生成されるとき、コントローラ90からの指示に基づいて電動モータ80がルーバー79に回転力を加え、ルーバー79の角度が水平又は略水平に変更される(以下、ルーバーの「開位置」という)。これにより、ルーバー79の間に所定の間隙が生じ、この間隙を通じて、機械室40の外部から熱交換器45へ向かう空気の流れが許容される。なお、第1空気流F1が生成されるときのルーバー79の角度は水平又は略水平に限定されるものではなく、熱交換器45へ空気を導入することができる角度であればよい。
また、図17に示すように、ルーバー79は、第2空気流F2が生成されるときにバッテリ70を覆うように角度を変え、これによりバッテリ70が配設された空間を熱交換器45が配設された空間から部分的に仕切るように構成されている。より詳細には、ファン装置50が逆回転して第2空気流F2が生成されるとき、コントローラ90からの指示に基づいて電動モータ80がルーバー79に回転力を加え、最下段のルーバー79の本体部79aが第1仕切り壁47の上側端に接するようにルーバー79の角度が変更される(以下、ルーバーの「閉位置」ともいう)。これにより、図17に示すように、最上段のルーバー79の軸部79bから最下段のルーバー79の本体部79aにかけてバッテリ70を部分的に覆うように壁が形成され、第2空気流F2を左方中段通気口44c2、左方上段通気口44c3及び上方通気口44eへ導くことができる。
第3実施形態におけるルーバー79の開閉制御(第1制御態様から第5制御態様)に係る処理は、第1実施形態におけるルーバー75の開閉制御(第1制御態様から第5制御態様)と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
次いで、本発明の第3実施形態に係る油圧ショベル1の作用、効果について説明する。本発明の第3実施形態に係る油圧ショベル1によれば、ルーバー79は、第2空気流F2が生成されるときにバッテリ70を覆うように角度を変え、これによりバッテリ70が配設された空間を熱交換器45が配設された空間から部分的に仕切るように構成されている。このように、ファン装置50によって第1空気流F1から第2空気流F2に空気の流れが切り換えられたときに、3枚のルーバー79は、バッテリ70が配設された空間を熱交換器45が配設された空間から部分的に仕切るように角度を変える。つまり、ルーバー79の数を減少させた場合であっても、第2空気流F2が通過しない空間を形成しつつ熱風や塵埃等を機械室40の外部へ排出することができる。このため、熱風や塵埃等がバッテリ70に衝突することを回避しつつ、機械室40の内部の換気、熱交換器45の清掃をより低コストで実施することができる。
<第4実施形態>
次いで、本発明の第4実施形態について説明する。本発明の第4実施形態は、機械室40aの構成の点で、第1実施形態の機械室40とは異なる。以下、第1実施形態の構成要素と同じ又は類似する機能を有する構成については、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
図18は、本発明の第4実施形態に係る油圧ショベル1の機械室40aの内部を示す背面図であり、第1空気流F1が生成されるときの空気の流れと機械室40aに収容された機器との関係を概略的に示すものである。図19は、本発明の第4実施形態に係る油圧ショベル1の機械室40aの内部を示す背面図であり、第2空気流F2が生成されるときの空気の流れと機械室40aに収容された機器との関係を概略的に示すものである。
図18に示すように、機械室40aは、熱交換器45と対向し機体10の左方(側方)へ開口する複数の左方通気口44c(側方通気口)を有し、且つ、上方を閉塞して構成されている。そして、図19に示すように、ルーバー75は、第2空気流F2が生成されるときにバッテリ70を覆うように角度を変え、これにより第2空気流F2が複数の左方通気口44cのうち上側に位置する少なくとも一つの側方通気口としての左方上段通気口44c3へ向かうように構成されている。より詳細には、ファン装置50が逆回転して第2空気流F2が生成されるとき、コントローラ90からの指示に基づいて電動モータ80がルーバー75に回転力を加え、最下段のルーバー75の本体部75aが第1仕切り壁47の上側端に接するようにルーバー75の角度が変更される。これにより、図19に示すように、最上段のルーバー75の軸部75bから最下段のルーバー75の本体部75aにかけてバッテリ70を覆うように壁が形成され、第2空気流F2を左方上段通気口44c3へ導くことができる。
第4実施形態におけるルーバー75の開閉制御(第1制御態様から第5制御態様)に係る処理は、第1実施形態におけるルーバー75の開閉制御(第1制御態様から第5制御態様)と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
次いで、本発明の第4実施形態に係る油圧ショベル1の作用、効果について説明する。本発明の第4実施形態に係る油圧ショベル1によれば、ルーバー75は、第2空気流F2が生成されるときにバッテリ70を覆うように角度を変え、これにより第2空気流F2が複数の左方通気口44cのうち上側に位置する左方上段通気口44c3へ向かうように構成されている。これにより、第2空気流F2が生成されるとき、機械室40aの真横(例えば左側)に作業者等がいた場合であっても、機械室40aの内部の熱風や熱交換器45に堆積した塵埃等が当該作業者等に衝突することを回避することができる。更に、熱風や塵埃等がバッテリ70に衝突することを回避しつつ、機械室40の内部の換気、熱交換器45の清掃を実施することができる。
<第5実施形態>
次いで、本発明の第5実施形態について説明する。本発明の第5実施形態は、機械室40bの構成の点で、第1実施形態の機械室40とは異なる。以下、第1実施形態の構成要素と同じ又は類似する機能を有する構成については、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
図20は、本発明の第5実施形態に係る油圧ショベル1の機械室40bの内部を示す背面図であり、第1空気流F1が生成されるときの空気の流れと機械室40bに収容された機器との関係を概略的に示すものである。図21は、本発明の第5実施形態に係る油圧ショベル1の機械室40bの内部を示す背面図であり、第2空気流F2が生成されるときの空気の流れと機械室40bに収容された機器との関係を概略的に示すものである。
図20及び図21に示すように、機械室40bは、熱交換器45と対向し機体10の左方(側方)へ開口する複数の左方通気口44c(側方通気口)と、機体10の上方へ開口する上方通気口44eとを含んで構成されている。また、機械室40bは、上方通気口44eの左側を画成する上方壁部42eの部分に固定された第2仕切り壁48を備える。第2仕切り壁48は、上方壁部42eの内面に固定され、右方且つ下方に斜めに延在する板状部材である。第2仕切り壁48は、ルーバー75の軸部75bに沿って前後方向に延在している。図20及び図21に示すように、複数のルーバー75のうち最上段のルーバー75は、その軸部75bが第2仕切り壁48の先端部分に接するように配設される。また、図21に示すように、複数のルーバー75のうち最下段のルーバー75は、その本体部75aが第1仕切り壁47の上側端に接するように配設されている。
図21に示すように、ルーバー75は、第2空気流F2が生成されるときにバッテリ70を覆うように角度を変え、これにより第2空気流F2が上方通気口44eのみへ向かうように構成されている。具体的には、ファン装置50が逆回転して第2空気流F2が生成されるとき、コントローラ90からの指示に基づいて電動モータ80がルーバー75に回転力を加え、最下段のルーバー75の本体部75aが第1仕切り壁47の上側端に接するようにルーバー75の角度が変更される。これにより、図21に示すように、最上段のルーバー75の軸部75bから最下段のルーバー75の本体部75aにかけてバッテリ70を覆うように壁が形成され、第2空気流F2を上方通気口44eのみへ導くことができる。
第5実施形態におけるルーバー75の開閉制御(第1制御態様から第5制御態様)に係る処理は、第1実施形態におけるルーバー75の開閉制御(第1制御態様から第5制御態様)と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
次いで、本発明の第5実施形態に係る油圧ショベル1の作用、効果について説明する。本発明の第5実施形態に係る油圧ショベル1によれば、ルーバー75は、第2空気流F2が生成されるときにバッテリ70を覆うように角度を変え、これにより第2空気流F2が上方通気口44eのみへ向かうように構成されている。これにより、第2空気流F2が生成されるとき、機械室40bの真横(即ち左側)に作業者等がいた場合であっても、機械室40bの内部の熱風や熱交換器45に堆積した塵埃等が当該作業者等に衝突することを回避することができる。更に、熱風や塵埃等がバッテリ70に衝突することを回避しつつ、機械室40の内部の換気、熱交換器45の清掃を実施することができる。
以上、本発明に係る油圧ショベル1の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に係る油圧ショベル1に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせても良い。例えば、上記実施形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的態様によって適宜変更され得る。例えば、上記実施形態では、建設機械としてクローラ式の油圧ショベルを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、本発明を、ホイール式の油圧ショベル等の建設機械にも広く適用することが可能である。