JP7691807B2 - パウチ - Google Patents
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Description
さらに、特許文献1や特許文献2に開示される容器においては、発香孔や窓部から香成分が過剰に放出されると、内容物内の香成分の残量が足りなくなってしまうおそれがあるという問題もあった。
前記内容物が液体であり、
前記フィルムは、厚み方向に積層された複数層から構成され、
前記複数層は、ポリエチレン系樹脂を含む内面材から形成される、前記収容部に露出する最内層を少なくとも有し、
前記フィルムの外面側には、前記収容部に対応する位置に、香成分放出部が形成され、
前記香成分放出部は、前記フィルムの外面から前記最内層以外の層を厚み方向に貫通するように形成された溝状の材料除去部から構成され、
前記材料除去部のパウチ平面方向における総面積が30~400mm2であり、
前記材料除去部を含む香成分放出エリアにおける、前記材料除去部のパウチ平面方向における面積の割合が、2~60面積%であり、
前記材料除去部を含む香成分放出エリアにおける、前記材料除去部のパウチ平面方向における面積の割合は、縦30mm×横30mmの正方形の任意の仮想領域を、前記材料除去部を含むよう想定し、この仮想領域における材料除去部の面積の割合を算出した場合の最大値であり、
前記香成分放出部における前記最内層の厚みが40μm以上130μm以下、かつ、前記最内層を形成する内面材の密度が0.935g/cm3 以下であり、
前記パウチは、スタンディングパウチとして構成され、前記香成分放出部は、未開封状態の前記パウチを立脚させた状態で、前記内容物を構成する液体の液面を跨ぐ位置または液面よりも下の位置に形成されていることにより、前記課題を解決するものである。
このように、材料除去部41(またはスコア)をフィルム11に形成することにより、内容物の外部への漏出を阻止しつつも、内容物の香成分を、薄くなったフィルム11の一部分であるポリエチレン層11dを透過させて、パウチ10の外部に放出することができる。また、香成分放出部40が、フィルム11の外面からフィルム11の厚み方向の途中まで形成された溝状の材料除去部41(またはスコア)によって構成されていることにより、複雑な加工や工程を必要とすることなく、溝状の材料除去部41(またはスコア)を形成することが可能であるため、製造負担の増加を回避することができる。
ポリエチレン層11dの厚みは、好ましくは40μm以上130μm以下、より好ましくは100μm以上130μm以下である。ポリエチレン層11dの厚みが過小である場合は、パウチ自体の強度が低くなるおそれや、香成分の透過を抑制する保香性が過度に低くなり、経時的に意図した以上の過度の香成分の放出が生じて内容物内の香成分の残量が過度に減少する結果、内容物に初期の芳香性が長期間にわたっては得られないおそれや、外部雰囲気の収容部内への流入が促進されて内容物の品質劣化を防止することができないおそれがあり、一方、ポリエチレン層11dの厚みが過大である場合は、香成分放出部40に十分な香成分放出能が得られず、パウチを開封することなく内容物に含まれる香成分を十分に外部に放出させることができないおそれがある。
材料除去部41における最内層(ポリエチレン層11d)の厚みとは、材料除去部41におけるパウチ10の外部に露出する最底面41aと収容部30との距離tをいう。
ポリエチレン層11dを形成する内面材の密度は、好ましくは0.905g/cm3 以上0.925g/cm3 以下である。ポリエチレン層11dを形成する内面材の密度が過小である場合は、香成分の透過を抑制する保香性が過度に低くなり、意図した以上の過度の香成分の放出が生じて内容液内の香成分の残量が過度に減少する結果、内容物に所期の芳香性が長期間にわたっては得られないおそれや、外部雰囲気の収容部内への流入が促進されて内容液の品質劣化を防止することができないおそれがあり、一方、内面材の密度が過大である場合は、香成分放出部40に十分な香成分放出能が得られず、パウチを開封することなく内容液に含まれる香成分を十分に外部に放出させることができないおそれがある。
他の合成樹脂層よりもガラス転移点が高い合成樹脂からなる第1合成樹脂層に材料除去部41またはスコアの少なくとも一方が形成されていることにより、ガラス転移点が高く保香性が高い第1合成樹脂層に材料除去部またはスコアが形成されることとなり、香成分を安定して放出することができる。
香成分バリア層は、アルミ箔や金属の蒸着層、ポリエステルフィルムやポリアミドフィルムに無機蒸着層を設けた無機蒸着フィルムよりなるものとすることができる。無機蒸着層としては、酸化アルミニウム等の金属酸化物の蒸着層やケイ素酸化物等の無機酸化物の蒸着層を例示することができる。また、ポリカルボン酸系ポリマー、塩化ビニリデンからなるバリア性樹脂コーティング剤を含む塗膜層よりなるものであってもよい。また、エチレンビニルアルコール共重合体などからなるバリア性を有するフィルム層であってもよい。
フィルムを構成する複数層に香成分バリア層が含まれ、香成分バリア層を厚み方向に貫通する材料除去部41(またはスコア)が形成されていることにより、香成分の透過を抑制する保香性が高い香成分バリア層を厚み方向に貫通して材料除去部41(またはスコア)が形成されるので、内容液の保存性を確保しながら香成分を安定して放出することができる。また、香成分バリア層が無機酸化物または金属の蒸着層を含むものであることにより、確実に香成分の透過を抑制する保香性が高い香成分バリア層に材料除去部41(またはスコア)が形成されるので、内容物の保存性を確保しながら確実に香成分を放出することができる。
また、図3は、フィルム11の他の構成を示すものであり、外面側から順に、ナイロン層11c、アルミ箔層11e、ポリエチレン層11dから形成されている。この構成の場合には材料除去部41は、香成分バリア層(金属層)であるアルミ箔層11eに当該アルミ箔層11eを貫通するように形成される。
材料除去部41またはスコアが金属層(アルミ蒸着層11b)を厚み方向に貫通するように形成されていることにより、保香性が高い金属層に材料除去部41またはスコアが形成されることとなり、香成分を安定して放出することができる。
材料除去部41がレーザー照射により形成されると、レーザー光はポリエチレン系樹脂よりなる最内層(ポリエチレン層11d)をおおよそ透過するのでレーザー照射時に最内層(ポリエチレン層11d)に貫通孔が形成されることが回避されるが、多少はレーザー光を吸収するので、ポリエチレン系樹脂よりなる最内層(ポリエチレン層11d)の厚みは、レーザー照射を施さない部位よりも僅かに減少することがある。
フィルム11の外面に形成された溝状の材料除去部41の周縁に、周縁突出部42が形成されていることにより、周縁突出部42によって溝状の材料除去部41内に、外部の粉塵や水分等が入り込むことを抑制できるため、外部の粉塵や水分によって溝状の材料除去部41が詰まることを回避でき、香成分を安定して放出することができ、また、消費者がフィルム11の外面を触ることによって香成分放出部40の存在や位置を知覚することができる。また、レーザー照射によってフィルム11の外面に溝状の材料除去部41を形成することで、レーザー照射時の熱によって溝状の材料除去部41および周縁突出部42をまとめて形成することが可能であるため、製造負担の増加を回避することができる。
材料除去部41がレーザー照射によって形成された線状のものである場合、その線幅は例えば0.4mm以下である。
また、材料除去部41のパウチ平面方向における総面積(すなわち、パウチ10を平面視した場合の材料除去部41の総面積)は、30~400mm2で設定されている。
香成分放出部40がパウチを平面視した場合にパウチ平面方向に線状に延びる材料除去部41の集合から構成されていることにより、香成分放出部40のパウチ平面方向における総面積の増加を抑えつつも、広範囲に亘って香成分を分散して放出することができる。また、香成分放出部40を構成する材料除去部41のパウチ平面方向における総面積が30~400mm2で設定されていることにより、香成分を過剰に放出して内容物内の香成分の残量が足りなくなることを回避しつつ、内容物の香りをパウチ10の外部から確認可能な程度に、香成分を安定して放出することができる。
香成分放出エリアとは、香成分放出部40およびその近傍を含む領域を言う。
また、香成分放出エリアにおける材料除去部41のパウチ平面方向における面積の割合は、以下のように算出されるものである。すなわち、縦30mm×横30mmの正方形の任意の仮想領域を、香成分放出エリアにおいて材料除去部41を含むよう想定し、この仮想領域における材料除去部41の面積の割合を算出し、その最大値を香成分放出エリアにおける材料除去部41の密集度とする。
また、フィルム11には、エンボス加工が施されたエンボス加工部(図示しない)が形成されており、香成分放出部40は、当該エンボス加工部に対してパウチ平面方向に位置合わせして形成されている。フィルム11に形成されたエンボス加工部に対してパウチ平面方向に位置合わせして形成されていることにより、香成分放出部40の意匠性を高めることができると共に香成分放出部40の位置の視認性が向上され、また、最内層(ポリエチレン層11d)同士の貼り付きを抑制することができるので香成分放出部40からの香成分の放出が阻害されることが抑制されて確実に香成分を外部に放出することができる。
エンボス加工を液面よりも上の気層部に加工することで、加工部に内容物を溜めることができ、香り放出期間を持続することができる。
さらに前記スタンディングパウチとして構成した場合、香成分放出部40は、底材フィルムに形成してもよい。
上記以外のフィルム11の構成として、外面側から順に、PET層/アルミ箔層/ナイロン層/直鎖状低密度ポリエチレン層、PET層/ナイロン層/アルミ箔層/直鎖状低密度ポリエチレン層、ナイロン層/アルミ箔層/直鎖状低密度ポリエチレン層、PET層/アルミ蒸着PET層/直鎖状低密度ポリエチレン層、ナイロン層/アルミ蒸着PET層/直鎖状低密度ポリエチレン層、酸化アルミニウム蒸着PET層/直鎖状低密度ポリエチレン層、酸化硅素蒸着PET層/直鎖状低密度ポリエチレン層、酸化アルミニウム蒸着PET層/ナイロン層/直鎖状低密度ポリエチレン層、酸化硅素蒸着PET層/ナイロン層/直鎖状低密度ポリエチレン層、等が挙げられる。
また、上述した実施形態では、パウチ10の収容部30に収容される内容物が、シャンプー、リンス、コンディショナー、洗剤、柔軟剤等の液体であるものとして説明したが、パウチ10の内容物の具体的態様は、上記に限定されず、例えば、固体および液体が混ざった流動体や、固体であってもよい。また、パウチ10の収容部30に収容される内容物は、上述のような非食品に限定されず、コーヒー豆、紅茶の茶葉、カレーなどの食品などであってもよい。さらに、パウチ10の収容部30に収容される内容物は、液体コーヒー等の飲料であってもよい。
また、上述した実施形態では、パウチ10は、スタンディングパウチタイプであるものとして説明したが、パウチ10の具体的態様としては、ピロータイプのパウチ、ガセットタイプのパウチ、サシェを含む平パウチ、角底パウチ、ジッパー付きパウチ等、様々な形態を採用することができる。
また、上述した実施形態では、表裏のフィルム11のうち一方のみに香成分放出部40が形成されているものとして説明したが、表裏のフィルム11の両方に香成分放出部40を形成してもよい。
また、上述した実施形態では、香成分放出部40が、フィルム11の一部を除去して成る材料除去部41から構成されているものとして説明したが、フィルム11の一部を除去しない切り込み状のスリットから香成分放出部40を構成してもよく、また、材料除去部41およびスリットから香成分放出部40を構成してもよい。
また、上述した実施形態では、香成分放出部40が未開封状態のパウチ10を立脚させた状態で、内容物の液面Lを跨ぐ位置に形成されているものとして説明したが、香成分放出部40の全体を内容物の液面Lよりも上の位置に形成してもよく、また、香成分放出部40の全体を内容物の液面Lよりも下の位置に形成してもよい。特に、消費者からの視認性を高める観点から、パウチ10を立脚させた状態の最上部の位置に形成してもよい。また、パウチが上面を有する形態のパウチである場合には、パウチの上面に形成してもよい。
また、上述した実施形態では、香成分放出部40の全体が、収容部30に対応する位置に形成されているものとして説明したが、香成分放出部40の一部を外周シール部20に対応する位置に形成してもよい。
また、上述した実施形態では、材料除去部41の加工方法として、レーザー照射を用いるものとして説明したが、材料除去部41やスコアの加工方法は上記に限定されず、例えば、刃物等の治具を利用したハーフカット加工、切削加工や研削加工等によって、材料除去部41やスコアを形成してもよい。また、パウチ10における材料除去部41やスコアの加工方法は、フィルム11が複数層より構成される場合には、フィルム11に対してレーザー加工(レーザー照射)等を行う方法に限定されず、フィルム11となるよう各層が貼り合わされる前の、香成分バリア層のみまたは香成分バリア層を含む材料層に対してレーザー照射によるレーザー加工や刃物によるカット加工を行い、その後、所定の材料層(例えば最内層)を貼り合わせることにより、フィルム11を形成し、これにより、材料除去部41やスコアを形成してもよい。
また、内容物の香りの強さに応じて、香成分放出部40を構成する材料除去部41やスコアの、加工の形状、加工位置、面積を変えて香りの出方を調整できる。
表1に示される密度を有する直鎖状低密度ポリエチレンから形成されるフィルム(サイズ116mm×116mmの正方形、厚み70μm)を2枚、積層し、三辺をヒートシールし、香成分を含有するボディソープ80gを充填した後、残る一辺をヒートシールして液封し、未シール部が100m×100mmの正方形の平パウチを作製した。各密度のフィルムを用いたパウチ5種を、それぞれパウチ〔a1〕~〔a5〕とする。
〔香りの識別試験〕
20人の試験者が、パウチと鼻との距離が50mmの状態において下記の評価基準に従って香りを感じる度合いについて点数化し、その算術平均値(平均点)が2.5点以上である場合を「◎」、2.0点以上2.5点未満である場合を「○」、1.3点以上2.0点未満である場合を「△」、1.3点未満である場合を「×」として評価した。
-評価基準-
3点:十分に香りを感じる
2点:香りを感じる
1点:僅かに香りを感じる
0点:香りを感じない
表2に示される厚みを有する直鎖状低密度ポリエチレンから形成されるフィルム(サイズ116mm×116mmの正方形、密度d=0.920g/cm3 )を2枚、積層し、三辺をヒートシールし、香成分を含有するボディソープ100gを充填した後、残る一辺をヒートシールして液封し、未シール部が100m×100mmの正方形の平パウチを作製した。各厚みのフィルムを用いたパウチ7種を、それぞれパウチ〔b1〕~〔b7〕とする。
11 ・・・ フィルム
11a ・・・ PET層(第1合成樹脂層)
11b ・・・ アルミ蒸着層(金属層)
11c ・・・ ナイロン層
11d ・・・ ポリエチレン層
20 ・・・ 外周シール部
30 ・・・ 収容部
40 ・・・ 香成分放出部
41 ・・・ 材料除去部
41a ・・・ 最底面
42 ・・・ 周縁突出部
Claims (1)
- フィルムを熱接着した外周シール部を形成することにより袋状に形成され、前記外周シール部よりも内側の収容部に内容物を収容したパウチであって、
前記内容物が液体であり、
前記フィルムは、厚み方向に積層された複数層から構成され、
前記複数層は、ポリエチレン系樹脂を含む内面材から形成される、前記収容部に露出する最内層を少なくとも有し、
前記フィルムの外面側には、前記収容部に対応する位置に、香成分放出部が形成され、
前記香成分放出部は、前記フィルムの外面から前記最内層以外の層を厚み方向に貫通するように形成された溝状の材料除去部から構成され、
前記材料除去部のパウチ平面方向における総面積が30~400mm2であり、
前記材料除去部を含む香成分放出エリアにおける、前記材料除去部のパウチ平面方向における面積の割合が、2~60面積%であり、
前記材料除去部を含む香成分放出エリアにおける、前記材料除去部のパウチ平面方向における面積の割合は、縦30mm×横30mmの正方形の任意の仮想領域を、前記材料除去部を含むよう想定し、この仮想領域における材料除去部の面積の割合を算出した場合の最大値であり、
前記香成分放出部における前記最内層の厚みが40μm以上130μm以下、かつ、前記最内層を形成する内面材の密度が0.935g/cm3 以下であり、
前記パウチは、スタンディングパウチとして構成され、前記香成分放出部は、未開封状態の前記パウチを立脚させた状態で、前記内容物を構成する液体の液面を跨ぐ位置または液面よりも下の位置に形成されていることを特徴とするパウチ。
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