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JP7703038B2 - ロッドの製造方法およびアノード装置 - Google Patents
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JP7703038B2 - ロッドの製造方法およびアノード装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ロッドの製造方法およびアノード装置に関する。
本願は、2021年10月19日に、日本国に出願された特願2021-170813号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
導電性を有する外筒部と、外筒部の内面に接するように溶接された白金製の内筒部とを有するアノードがある(例えば、特許文献1参照)。
日本国特開2015-1005号公報
ロッドにめっきを施すロッドの製造方法において、使用する装置の耐久性を向上させることが要望されている。
したがって、本発明は、使用する装置の耐久性を向上させることができるロッドの製造方法およびアノード装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の態様を採用した。
すなわち、本発明の一態様に係るロッドの製造方法は、ロッドにめっきを施すロッドの製造方法であって、複数の棒状部材を環状に配置して形成される第1筒体内に、前記ロッドを配置する工程と、前記第1筒体と前記ロッドとの間の第1流路にめっき液を一方向に流して前記ロッドにめっきを施す工程と、を有する。
また、本発明の一態様に係るアノード装置は、環状に配置されて第1筒体をなすことで前記第1筒体の内部に配置されたロッドとの間にめっき液が流動する空間を形成する、複数の棒状部材を有し、正電圧が印加される。
本発明の上記各態様によれば、使用する装置の耐久性を向上させることができる。
本発明に係る実施形態のロッドの製造方法で製造されるロッドを含むシリンダ装置を、その中心軸線CLを含む断面で見た正断面図である。 本発明に係る実施形態のアノード装置を含むロッド製造装置を、概略的に示す平面図である。 本発明に係る実施形態のアノード装置を含むロッド製造装置を、概略的に示す正断面図である。 本発明に係る実施形態のアノード本体およびロッドを示す平断面図である。 本発明に係る実施形態の棒状部材を示す斜視図である。 アノード本体が4~15角形状の場合および円筒状の場合の、めっき膜厚をシミュレーションした結果を示す図表である。 アノード本体が4~15角形状の場合および円筒状の場合のめっき膜厚をシミュレーションした結果を示すグラフ図である。
本発明に係る一実施形態を、図面を参照して以下に説明する。
まず、本実施形態の製造方法で製造されるロッド10を含むシリンダ装置11を、図1を参照して説明する。
図1に示すシリンダ装置11は、自動車や鉄道車両等の車両のサスペンション装置に用いられる緩衝器(Shock absorber)である。シリンダ装置11は、具体的には、自動車のサスペンション装置に用いられる緩衝器である。シリンダ装置11は、内筒15と外筒16とを有するシリンダ17を備えている。内筒15は、円筒状である。外筒16は、有底筒状である。外筒16は、内筒15の外周側に内筒15の外周部を覆うように設けられている。外筒16と内筒15との間は、リザーバ室18となっている。
外筒16は、胴部21と底部22と開口23とを有している。胴部21は、円筒状である。底部22は、胴部21の軸方向の一端部側を閉塞している。開口23は、胴部21の底部22とは反対側に設けられている。内筒15は、金属製の一部材からなる一体成形品である。シリンダ装置11は、バルブボディ25とロッドガイド26とを有している。バルブボディ25は、円環状であり、内筒15の軸方向の一端部に設けられている。バルブボディ25は、外筒16の底部22に載置されている。ロッドガイド26は、円環状であり、内筒15および外筒16の軸方向の、バルブボディ25とは反対側の他端部に設けられている。バルブボディ25は、ボデーバルブ30を構成する。
内筒15は、軸方向の一端部がバルブボディ25に嵌合している。内筒15は、このバルブボディ25を介して外筒16の底部22に係合している。また、内筒15は、軸方向の他端部が、ロッドガイド26に嵌合している。内筒15は、ロッドガイド26を介して外筒16の胴部21に係合している。この状態で、内筒15は、外筒16に対して径方向に位置決めされている。バルブボディ25には通路溝35が形成されている。バルブボディ25と底部22との間は、通路溝35を介して内筒15と外筒16との間に連通している。バルブボディ25と底部22との間は、内筒15と外筒16との間と同様、リザーバ室18を構成している。
シリンダ装置11は、シール部材41を有している。シール部材41は、円環状であり、ロッドガイド26よりも外筒16の開口23側に設けられている。シール部材41も、ロッドガイド26と同様に胴部21の内周部に嵌合されている。胴部21の開口23側の端部には、係止部43が形成されている。係止部43は、胴部21をカール加工等の加締め加工によって径方向内方に塑性変形させて形成されている。シール部材41は、この係止部43とロッドガイド26とに挟持されている。シール部材41は、外筒16の開口23を閉塞する。シール部材41は、具体的にはオイルシールである。なお、シール部材41をシールワッシャで構成しても良い。
シリンダ装置11は、ピストン45を有している。ピストン45は、内筒15内に摺動可能に嵌合されている。ピストン45は、内筒15内を、第1室48と第2室49との2室に区画している。第1室48は、内筒15内のピストン45とロッドガイド26との間の部分である。第2室49は、内筒15内のピストン45とバルブボディ25との間の部分である。第2室49は、バルブボディ25によって、リザーバ室18と画成されている。第1室48および第2室49には、作動流体としての油液Lが充填されている。リザーバ室18には、作動流体としてのガスGと油液Lとが充填されている。
シリンダ装置11は、ロッド10を有している。ロッド10は、一端がピストン45と接続されている。ロッド10は、他側がシリンダ17の外筒16から開口23を介して外部に延出している。ロッド10には、ピストン45がナット51によって連結されている。
ロッド10は、金属製であり、主軸部55と取付軸部56とネジ軸部57とを有している。主軸部55は、円柱状である。主軸部55は、その外周面が円筒面である。取付軸部56は、円柱状であり、外径が主軸部55の外径よりも小径である。取付軸部56には、その軸方向における主軸部55とは反対側の外周部にオネジ61が形成されている。ピストン45は、取付軸部56に嵌合している。ナット51は、取付軸部56のオネジ61に螺合されている。
ロッド10は、主軸部55においてロッドガイド26およびシール部材41を通って内筒15および外筒16から外部へと延出している。これにより、ロッド10は、その軸方向の一端側が外筒16および内筒15内に配置され、他端側が外筒16および内筒15の外部に配置されている。ロッド10は、主軸部55が外周面においてロッドガイド26に摺接する。ロッド10は、ロッドガイド26で案内されて、内筒15および外筒16に対して、ピストン45と一体に軸方向に移動する。ロッド10は、主軸部55が外周面においてシール部材41に摺接する。シール部材41は、外筒16とロッド10との間を閉塞する。シール部材41は、内筒15内の油液Lと、リザーバ室18内の油液LおよびガスGとが外部に漏出するのを規制する。ロッド10は、シリンダ17およびシール部材41から外側に突出する部分にネジ軸部57が設けられている。
ピストン45には、通路65および通路66が形成されている。通路65,66は、ピストン45をピストン45の軸方向に貫通している。通路65,66は、第1室48と第2室49とを連通可能である。シリンダ装置11は、ディスクバルブ67を有している。ディスクバルブ67は、ピストン45の軸方向における底部22とは反対側に設けられている。ディスクバルブ67は、円環状であり、ピストン45に当接することで通路65を閉塞する。シリンダ装置11はディスクバルブ68を有している。ディスクバルブ68は、ピストン45の軸方向における底部22側に設けられている。ディスクバルブ68は、円環状であり、ピストン45に当接することで通路66を閉塞する。
ロッド10が内筒15および外筒16内への進入量を増やす方向を、縮み側とする。ロッド10が縮み側に移動すると、ピストン45が第2室49を狭める方向に移動する。その結果、第2室49の圧力が第1室48の圧力よりも所定値以上高くなると、ディスクバルブ67が通路65を開いて第2室49の油液Lを第1室48に流すことになる。その際に、ディスクバルブ67は減衰力を発生させる。
ロッド10が内筒15および外筒16からの突出量を増やす方向を伸び側とする。ロッド10が伸び側に移動すると、ピストン45が第1室48を狭める方向に移動する。その結果、第1室48の圧力が第2室49の圧力よりも所定値以上高くなると、ディスクバルブ68が通路66を開いて第1室48の油液Lを第2室49に流すことになる。その際に、ディスクバルブ68は減衰力を発生させる。
ピストン45およびディスクバルブ67のうちの少なくとも一方には、図示略の固定オリフィスが形成されている。この固定オリフィスは、ディスクバルブ67が通路65を最も閉塞した状態でも、通路65を介して第1室48と第2室49とを連通させる。また、ピストン45およびディスクバルブ68のうちの少なくとも一方には、図示略の固定オリフィスが形成されている。この固定オリフィスは、ディスクバルブ68が通路66を最も閉塞した状態でも、通路66を介して第1室48と第2室49とを連通させる。
バルブボディ25には、液通路71および液通路72が形成されている。液通路71,72は、バルブボディ25をバルブボディ25の軸方向に貫通している。液通路71,72は、第2室49とリザーバ室18とを連通可能である。
ボデーバルブ30は、ディスクバルブ75を有している。ディスクバルブ75は、バルブボディ25の軸方向における底部22側に設けられている。ディスクバルブ75は、円環状であり、バルブボディ25に当接することで液通路71を閉塞する。
また、ボデーバルブ30は、ディスクバルブ76を有している。ディスクバルブ76は、バルブボディ25の軸方向における底部22とは反対側に設けられている。ディスクバルブ76は、円環状であり、バルブボディ25に当接することで液通路72を閉塞する。ボデーバルブ30は、ピン78を有している。このピン78によってディスクバルブ75,76がバルブボディ25に固定されている。ボデーバルブ30は、シリンダ17内を第2室49とリザーバ室18との2室に画成している。
ロッド10が縮み側に移動して、ピストン45が第2室49を狭める方向に移動する。その結果、第2室49の圧力がリザーバ室18の圧力よりも所定値以上高くなると、ボデーバルブ30は、ディスクバルブ75が液通路71を開いて、第2室49の油液Lをリザーバ室18に流すことになる。その際に、ディスクバルブ75は減衰力を発生させる。ロッド10が伸び側に移動して、ピストン45が第1室48側に移動する。その結果、第2室49の圧力がリザーバ室18の圧力より低下すると、ボデーバルブ30は、ディスクバルブ76が液通路72を開いて、リザーバ室18の油液Lを第2室49に流すことになる。ディスクバルブ76は、その際にリザーバ室18から第2室49内に実質的に減衰力を発生させずに油液Lを流す。ディスクバルブ76は、サクションバルブである。
シリンダ装置11は、例えばロッド10が車両の車体側に連結され、シリンダ17が車両の車輪側に連結されて、車輪の車体に対する移動に対して減衰力を発生させる。
次に、本実施形態のロッド10の製造方法およびロッド製造装置81について、以下に説明する。本実施形態のロッド10の製造方法では、ロッド10にめっきを施す。本実施形態のロッド10の製造方法は、具体的には、鋼鉄製のロッド10の表面にクロムめっきを施す。
本実施形態のロッド製造装置81は、図2および図3に示すように、処理槽91とアノード装置93とを有している。処理槽91は、内筒101(第2筒体)と外筒102とを有している。なお、各図中に示される符号CLは、各部品が共有する中心軸線を示す。
内筒101は、有底円筒状である。内筒101は、その中心軸線CLが鉛直方向に沿っている。内筒101の下端部には、内筒101内に開口する液導入口111が設けられている。液導入口111は、上方に開口する。液導入口111は、内筒101の中心軸線CL上に設けられている。
外筒102は、有底円筒状である。外筒102は、その中心軸線CLが鉛直に沿っている。外筒102は、その内径が、内筒101の外径よりも大径となっている。内筒101と外筒102とは、それぞれの中心軸線CLを一致させている。外筒102の下端部には、内筒101と外筒102との間に開口する液排出口112が設けられている。液排出口112は、上方に開口する。
本実施形態のロッド製造装置81は、図示略のワーク支持部を有している。ワーク支持部は、導電性材料からなっている。ワーク支持部には、めっきされるワークであるロッド10のネジ軸部57が螺合される。これにより、ロッド10がワーク支持部に支持される。ワーク支持部に支持されたロッド10は、内筒101内で鉛直方向に沿うように配置される。しかも、ロッド10は、内筒101と同軸状に配置される。
アノード装置93は、給電部120とアノード本体121(第1筒体)とを有している。
給電部120は、平板状であり、導電性材料からなっている。給電部120は、水平に配置されて、内筒101および外筒102の上端部に取り付けられている。アノード装置93は、給電部120に正電圧が印加される。
アノード本体121は、給電部120から鉛直下方に延出するように給電部120に取り付けられている。アノード本体121は、給電部120を介して内筒101および外筒102に位置決めされて支持されている。アノード本体121は、内筒101の内周側に設けられている。言い換えれば、アノード本体121の外周側に内筒101が配置され、内筒101の外周側に外筒102が配置されている。
アノード本体121は、図4に示す複数(具体的には8本)の棒状部材131を有している。これら棒状部材131は、給電部120を介して内筒101および外筒102に支持された状態で、図4に示すように環状に配置される。言い換えれば、アノード本体121は、複数の棒状部材131を環状に配置して形成されている。アノード本体121は、このように複数の棒状部材131が環状に配置されて形成されていることから、全体的には筒状をなす。図示略のワーク支持部を介して内筒101および外筒102に支持された状態のロッド10は、図3および図4に示すように、アノード本体121内に配置される。
アノード本体121を構成する複数の棒状部材131は、全て同形状で同様の構成の共通部品である。棒状部材131は、図5に示すように、直方体の形状である。棒状部材131は、基材141と白金層142とを有している。
本実施の形態の基材141は、直方体の形状である。基材141は、チタン等の導電性材料からなっている。基材141は、面部151と面部152と面部153と面部154と面部155と面部156とを有している。面部151および面部152は、いずれも平面であり、同じ長方形状である。面部151および面部152は、互いに平行であり、互いに反対方向を向いている。面部153および面部154は、いずれも平面である。基材141の平面は、長方形に限らず正方形であってもよい。面部153および面部154は、互いに平行であり、互いに反対方向を向いている。面部155および面部156は、いずれも平面であり、同じ長方形状である。面部155および面部156は、互いに平行であり、互いに反対方向を向いている。面部151,152は面部153,154よりも面積が大きく、面部155,156よりも面積が大きい。面部155,156は、基材141の長さ方向における端部にある。
白金層142は、白金箔からなっている。白金層142を構成する白金箔は、基材141の面部151に溶着されている。言い換えれば、棒状部材131は、基材141の表面である面部151に白金箔を溶着して白金層142を形成している。白金層142は、基材141の面部151の全体を覆うように形成されている。
棒状部材131は、2つの第1辺部161と、2つの第2辺部162と、4つの第3辺部163と、2つの第4辺部164と、2つの第5辺部165とを有している。
2つの第1辺部161は、同じ長さであり、いずれも白金層142に設けられている。第1辺部161は、棒状部材131において最も長い辺部である。
2つの第2辺部162は、同じ長さであり、白金層142に設けられている。第2辺部162は、第1辺部161よりも長さが短い。2つの第2辺部162のうちの一方の第2辺部162は、2つの第1辺部161の長さ方向同側の一端部同士を結んでいる。2つの第2辺部162のうちの他方の第2辺部162は、2つの第1辺部161の長さ方向における、これら一端部とは反対側の他端部同士を結んでいる。
2つの第1辺部161と2つの第2辺部162とで囲まれた部分が、第1面171となっている。第1面171は、白金層142に形成されている。言い換えれば、棒状部材131は、第1面171が白金からなっている。
4つの第3辺部163は、いずれも同長さであり、第1面171の四隅から第1面171に対して垂直に延出している。第3辺部163は、第1辺部161よりも短く、第2辺部162よりも短い。第3辺部163は、棒状部材131において最も長さが短い辺部である。
2つの第4辺部164は、いずれも第1辺部161と同長さであり、いずれも第1辺部161と平行である。
2つの第5辺部165は、いずれも第2辺部162と同長さであり、いずれも第2辺部162と平行である。
2つの第2辺部162のうちの一方の第2辺部162と、これに隣り合って連続する2つの第3辺部163と、これらに隣り合って連続する第5辺部165とで囲まれた部分が、第2面172となっている。2つの第2辺部162のうちの他方の第2辺部162と、これに隣り合って連続する2つの第3辺部163と、これらに隣り合って連続する第5辺部165とで囲まれた部分も、第2面172となっている。これらの第2面172は、互いに平行で、互いに反対方向を向いている。第2面172は、棒状部材131の長さ方向における両端に、それぞれ設けられている。
2つの第1辺部161のうちの一方の第1辺部161と、これに隣り合って連続する2つの第3辺部163と、これらに隣り合って連続する第4辺部164とで囲まれた部分が、第3面173となっている。2つの第1辺部161のうちの他方の第1辺部161と、これに隣り合って連続する2つの第3辺部163と、これらに隣り合って連続する第4辺部164で囲まれた部分も、第3面173となっている。これら2つの第3面173は、互いに平行で、互いに反対方向を向いている。
2つの第4辺部164と2つの第5辺部165とで囲まれた部分が、第4面174となっている。第4面174と第1面171とは、互いに平行で、互いに反対方向を向いている。第4面174は、基材141に形成されている。
給電部120を介して内筒101および外筒102に取り付けられた取付状態のアノード本体121は、図4に示すように、全ての棒状部材131が、白金層142からなる第1面171において同一の仮想円筒面Cに線接触するように、円環状に配置される。取付状態のアノード本体121は、この仮想円筒面Cの中心軸線CLが、図示略のワーク支持部に支持されたロッド10の中心軸線と一致するように配置される。取付状態のアノード本体121は、全ての棒状部材131が、この仮想円筒面Cに接する第1面171を、図示略のワーク支持部に支持されたロッド10に対向させる。全ての棒状部材131の仮想円筒面Cに接する第1面171は、図示略のワーク支持部に支持されたロッド10の径方向に対して直交して広がる。
取付状態のアノード本体121は、全ての棒状部材131が、図5に示す第1辺部161および第4辺部164を鉛直方向に沿わせ、第2辺部162、第3辺部163および第5辺部165を水平方向に沿わせている。取付状態のアノード本体121は、全ての棒状部材131が、第2辺部162を、上記した仮想円筒面Cの接線としている。
また、取付状態のアノード本体121は、全ての棒状部材131が、この仮想円筒面Cの軸方向において位置を合わせている。また、取付状態のアノード本体121は、全ての棒状部材131が、この仮想円筒面Cの円周方向において等間隔で配置されている。また、取付状態のアノード本体121は、全ての棒状部材131が、この仮想円筒面Cの円周方向において隣り合う棒状部材131との間に隙間181を形成して配置されている。取付状態のアノード本体121は、内筒101および外筒102と同軸状に配置される。
アノード本体121は、角棒からなる棒状部材131が複数、環状に配置されて形成されていることから、全体的には多角形(具体的には正8角形)の筒状をなし、概ね円筒状をなす。
上記した仮想円筒面Cの円周方向を、全体として概ね円筒状をなすアノード本体121の周方向とする。また、この仮想円筒面Cの軸方向を、アノード本体121の軸方向とする。また、この仮想円筒面Cの径方向を、アノード本体121の径方向とする。アノード本体121は、アノード本体121の軸方向に延びる複数の棒状部材131で構成されている。アノード本体121は、アノード本体121の周方向に等間隔で配置される複数の棒状部材131で構成されている。アノード本体121は、アノード本体121の周方向において隣り合う棒状部材131と棒状部材131との間に、隙間181を有する。この隙間181は、アノード本体121を、アノード本体121の径方向に貫通している。この隙間181は、アノード本体121の周方向における幅が、アノード本体121の径方向における外側よりも内側の方が狭くなっている。
図3に示す内筒101の上端部とアノード本体121の上端部との間は、図2に示す一対の蓋部185および給電部120で閉塞されている。
ロッド製造装置81は、図示略のワーク支持部に取り付けられた状態のロッド10が、図3に示すように、アノード本体121の径方向の内側に挿入される。言い換えれば、アノード本体121内にロッド10が配置される。この状態で、ロッド10は、アノード本体121と同軸状に配置される。この状態で、アノード本体121とロッド10との間が、第1流路201となる。第1流路201は、アノード本体121の内部に配置されたロッド10と、アノード本体121との間に形成された空間である。図2に示すように、第1流路201は、上端が給電部120の上面に開口している。
図3に示すように、アノード本体121と内筒101との間は、第2流路202となる。言い換えれば、アノード本体121の外周側に内筒101を配置してアノード本体121と内筒101との間に第2流路202を設けている。内筒101は、ロッド10およびアノード本体121の下端位置よりも下方まで延びている。これにより、第1流路201と第2流路202とは下部が連通している。この連通部分に、液導入口111が開口している。また、図4に示すように、第1流路201と第2流路202とは、隙間181を介して連通している。図3に示す内筒101の上端部とアノード本体121の上端部との間は、図2に示す一対の蓋部185および給電部120で閉塞されているため、図3に示す第2流路202は上端が開口していない。
内筒101と外筒102との間は、第3流路203となる。第3流路203は、上端が開口している。第3流路203の下端に液排出口112が開口している。
ロッド製造装置81は、処理槽91内にめっき液Fが注入されている。そして、図示略のポンプによってめっき液Fが液導入口111から処理槽91内に吐出される。それと共に、処理槽91内のめっき液Fが図示略のポンプによって液排出口112から排出される。すると、処理槽91内のめっき液Fに、図3に破線矢印f1で示すように第1流路201を鉛直方向に沿って下側から上側に流れる流れと、図3に破線矢印f2で示すように第2流路202を鉛直方向に沿って下側から上側に流れる流れとが生じる。言い換えれば、アノード本体121の複数の棒状部材131の図4に示す第1面171とロッド10との間に、めっき液Fが一方向に流れる。さらに言い換えれば、筒状のアノード本体121は、内部に配置されたロッド10との間に、めっき液Fが流動する空間を形成する。
ここで、破線矢印f1で示すように第1流路201を下から上に流れるめっき液Fは、図3に破線矢印f3で示すように、第1流路201の開口する上端から流出する。すると、第2流路202は上端が開口していないことから、第1流路201から流出しためっき液Fは、図2に示す給電部120および蓋部185を越えて、第3流路203内に第3流路203の上端から導入される。ここで、給電部120および外筒102の上面側には、めっき液Fが外筒102を径方向外方に越えないようにめっき液Fの流れを規制してめっき液Fを第3流路203に案内するシールリング等の円環状のガイド205が設けられている。なお、ガイド205は、少なくとも給電部120の上面に設けられていれば良い。また、第2流路202の上端が開口していないことから、第2流路202を流れるめっき液Fは、図4の破線矢印f4で示すように、隙間181を介して第1流路201に合流した後、第1流路201の上端から流出して、第3流路203内に第3流路203の上端から導入される。言い換えれば、第2流路202を流れるめっき液Fは、直接第3流路203内に導入されることはなく、第1流路201を介して第3流路203内に導入される。
第3流路203内に導入されためっき液Fには、図示略のポンプの吸引によって、図3に破線矢印f5で示すように、第3流路203を鉛直方向に沿って上側から下側に流れる流れが生じる。
そして、このようなめっき液Fの流れを処理槽91内に生じさせた状態で、アノード装置93の給電部120およびアノード本体121を陽極とし、図示略のワーク支持部およびロッド10を陰極として電圧を印加する。言い変えれば、アノード装置93の給電部120およびアノード本体121に、給電部120を介して正電圧を印加する。このとき、アノード装置93は、全ての棒状部材131の第1面171が通電面となる。このようにして第1流路201および第2流路202にめっき液Fを一方向に流して、ロッド10にめっきを施す。その際に、アノード本体121の複数の棒状部材131のロッド10に対向する第1面171と、ロッド10との間の第1流路201に、めっき液Fを流す。言い換えれば、棒状部材131を、その第1面171をロッド10に対向させた状態で、第1面171とロッド10との間にめっき液を流す。その際に、めっき液Fは、アノード本体121の周方向において隣り合う棒状部材131と棒状部材131との間の隙間181を介して、第2流路202と第1流路201との間で流出入される。言い換えれば、隣り合う棒状部材131間に隙間181を設け、アノード本体121の外周側に内筒101を配置してアノード本体121と内筒101との間に第2流路202を設け、アノード本体121とロッド10との間の第1流路201にめっき液Fを一方向に流しつつ複数の棒状部材131間の隙間181を介して、第1流路201と第2流路202との間でめっき液Fが流出入される。このようにして、金属製のロッド10の表面に、めっきが電着されて、めっき皮膜が形成される。
なお、実施形態では、ロッド10とアノード本体121とを鉛直方向に延びるように配置しているが、これに限らず、いずれの方向に延びるように配置しても良い。例えば、水平方向に延びるように、ロッド10とアノード本体121とを配置してもよい。
上記した特許文献1には、導電性を有する外筒部と、外筒部の内面に接するように溶接された白金製の内筒部とを有するアノードが記載されている。このアノードは、チタン製の平板材と白金製の平板材とを重ね合わせて溶接し、その後、これらを白金製の平板材が内側になるように筒状に曲げることによって形成されている。筒状に曲げる必要があると、アノードの厚みを確保することが困難になってしまう。これにより、通電面積が少なくなってしまうと共に、耐久性に課題が生じる。また、筒状に曲げるため、内部応力によって内外層間に剥離を生じ易く、この点でも耐久性に課題がある。
ここで、クロムめっき用のアノード装置は、導電性および耐クロム酸性の観点から、通電面に白金層を被覆したチタンを用いることが一般的である。白金層は、白金めっきによる電着および白金箔の溶着のどちらかで形成するのが一般的である。その際に、費用対効果の点から、被めっき物に相対する面のみを白金層で被覆するのが良い。なお、白金めっきと白金箔とでは、白金箔の方が緻密でピンホールなどの欠陥が少ない。このため、白金箔の方が、電解消耗や欠陥を介した界面剥離といった劣化が起こりにくく、白金めっきよりも耐久性に優れる。高速めっき用のアノード装置の形状としては、膜厚分布の均一化を目的として円筒形状が採用されているが、白金箔を円筒面に溶着することが非常に困難であるため、内面の白金層には白金めっき(厚さ3μm~5μm)を施すことになる。このため、白金層の寿命が短く、交換頻度が多いという課題があった。
これに対して、本実施形態のロッド製造装置81およびアノード装置93は、アノード本体121が、複数の棒状部材131を環状に配置して形成されている。そして、本実施形態のロッド10の製造方法は、アノード本体121内にロッド10を配置して、アノード本体121とロッド10との間の第1流路201に、めっき液Fを一方向に流してロッド10にめっきを施す。このように、アノード本体121が、複数の棒状部材131を環状に配置して形成されていることから、白金層142を白金箔で形成することが可能となる。したがって、アノード本体121の耐久性を大幅に向上させることができ、ひいてはロッド製造装置81の耐久性を大幅に向上させることができる。また、ロッド製造装置81およびアノード装置93は、アノード本体121が、複数の棒状部材131を環状に配置して形成されていることから、アノード本体121の径方向の厚さを確保することができる。これによっても、アノード本体121の耐久性を向上させることができる。また、ロッド製造装置81およびアノード装置93は、アノード本体121の径方向の厚さを確保できることから、アノード本体121の通電面積を増やすことができる。よって、通常めっきに対して10倍程度の大電流を流す高速めっきの場合であっても、耐久性を向上させることができる。また、ロッド製造装置81およびアノード装置93は、アノード本体121が複数の棒状部材131を環状に配置して形成されている。このため、棒状部材131に白金層142が剥がれる等の劣化が生じても、複数の棒状部材131のうち劣化した棒状部材131のみを交換すれば済む。よって、アノード本体121のランニングコストを下げることができる。
また、本実施形態のロッド製造装置81およびアノード装置93は、棒状部材131が、第1辺部161と第1辺部161よりも短い第2辺部162とで形成されると共に白金からなる第1面171と、第1辺部161よりも短い第3辺部163と第2辺部162とで形成される第2面172とを有する4角柱形状である。また、ロッド製造装置81は、棒状部材131の第1面171をロッド10に対向させている。そして、本実施形態のロッド10の製造方法は、棒状部材131の第1面171とロッド10との間にめっき液Fを流してロッド10にめっきを施す。棒状部材131が4角柱形状であるため、白金層142を白金箔で形成することが容易に可能となる。
また、本実施形態のロッド製造装置81およびアノード装置93は、アノード本体121が、隣り合う棒状部材131間に隙間181を設けている。そして、本実施形態のロッド10の製造方法は、アノード本体121とロッド10との間の第1流路201にめっき液Fを一方向に流しつつ、アノード本体121と内筒101との間の第2流路202と、第1流路201との間でめっき液Fが隙間181を介して流出入される。これにより、めっき液Fを撹拌する効果が得られ、めっき液Fの濃度ムラや温度ムラを抑制することができる。したがって、めっき品質を向上させることができる。
しかも、第2流路202は上端が開口していないことから、第2流路202を流れるめっき液Fは、最終的には隙間181を介して第1流路201に合流するように案内される。このようにして、第2流路202から行き場をなくしためっき液Fが隙間181を介して第1流路201に流れ込む。そのため、めっき液Fを撹拌する効果がさらに高く得られ、めっき液Fの濃度ムラや温度ムラをさらに抑制することができる。したがって、めっき品質を一層向上させることができる。
ここで、多角形の筒状をなすアノード本体を用いてロッド10にめっきを施す場合について、角数を異ならせてめっき皮膜生成のシミュレーションを行った。その結果を、図6および図7に示す。ここでは、上記仮想円筒面Cの内径をφ50(mm)とし、ロッド10の外径をφ22(mm)とした。図6および図7においては、アノード本体を角数が4~15の多角形状とした場合と、アノード本体を円筒状にした場合とのそれぞれについての、ロッド10の周方向の複数位置におけるめっき膜厚を示している。図6において、「max」はめっき膜厚の最大値を、「min」はめっき膜厚の最小値を、「σ」は標準偏差を、「Cp」は工程能力指数を、それぞれ示している。図7は、縦軸がめっき膜厚および標準偏差であり、横軸の左側から中間の範囲が角数であり、横軸の右端側が円筒の場合である。この結果から、アノード本体が7角形以上の多角形状であれば、めっき膜厚のバラつきを円筒と同等のバラつきに抑えられることがわかる。
なお、棒状部材131は、基材141の表面に白金めっきを施すことにより白金層142を形成することも可能である。この場合も、アノード本体121が、複数の棒状部材131を環状に配置して形成されることから、アノード本体121を白金めっき後に曲げる必要がない。よって、アノード本体121の内部応力の発生を抑制することができる。このため、白金層142の密着性低下の懸念が少なくなる。しかも、ショットブラスト等の前処理で基材141の表面を粗化させることで、白金層142の密着性を向上させることができる。したがって、アノード本体121の耐久性を向上させることができ、ひいてはロッド製造装置81の耐久性を向上させることができる。
この場合、棒状部材131の第1面171および第4面174に白金めっきを施すことが容易に可能となる。このように構成すれば、一の棒状部材131において第1面171の白金めっきが剥がれた場合、この棒状部材131を、第4面174をロッド10に対向させるように回転させる。このようにすることで、一の棒状部材131について2つの第1面171および第4面174を、交代でロッド10に対向するように配置して使用することができる。よって、アノード本体121のランニングコストを更に下げることができる。さらには、棒状部材131の第1面171、2つの第3面173および第4面174を同形状として、これらに白金めっきを施せば、アノード本体121のランニングコストを更に下げることができる。
本発明の上記各態様に係るロッドの製造方法およびアノード装置によれば、使用する装置の耐久性を向上させることができる。よって、産業上の利用可能性は大である。
10…ロッド、93…アノード装置、101…内筒(第2筒体)、121…アノード本体(第1筒体)、131…棒状部材、171…第1面、172…第2面、161…第1辺部、162…第2辺部、163…第3辺部、181…隙間、201…第1流路、202…第2流路。

Claims (4)

  1. ロッドにめっきを施すロッドの製造方法であって、
    複数の棒状部材を環状に配置して形成される第1筒体内に、前記ロッドを配置する工程と、
    前記第1筒体と前記ロッドとの間の第1流路にめっき液を一方向に流して前記ロッドにめっきを施す工程と、を有し、
    前記棒状部材が、前記ロッドに対向する第1面と、前記第1面と互いに平行且つ反対方向を向いている第2面と、前記第1面と前記第2面とを繋ぐ第3面および第4面と、を有する4角柱形状であり、
    前記第1面および少なくとも他の1つの面に白金層が被覆されており、
    前記第1面の白金層に劣化が生じた場合に、他の白金層が被覆された面と交代可能である、
    ロッドの製造方法。
  2. 前記棒状部材が、第1辺部と前記第1辺部よりも短い第2辺部とで形成されると共に白金層で被覆された前記第1面と、前記第1辺部よりも短い第3辺部と前記第2辺部とで形成される面とを有する4角柱形状であり、
    前記第1面を前記ロッドに対向させ、前記第1面と前記ロッドとの間に前記めっき液を流す、
    請求項1に記載のロッドの製造方法。
  3. 互いに隣り合う前記棒状部材間に隙間を設け、
    前記第1筒体の外周側に第2筒体を配置して前記第1筒体と前記第2筒体との間に第2流路を設け、
    前記第1筒体と前記ロッドとの間の前記第1流路に前記めっき液を一方向に流しつつ、前記隙間を介して前記第1流路と前記第2流路との間で前記めっき液が流出入される
    請求項1または2に記載のロッドの製造方法。
  4. 環状に配置されて第1筒体をなすことで前記第1筒体の内部に配置されたロッドとの間にめっき液が流動する空間を形成する、複数の棒状部材を有し、正電圧が印加されるアノード装置であって、
    前記棒状部材が、前記ロッドに対向する第1面と、前記第1面と互いに平行且つ反対方向を向いている第2面と、前記第1面と前記第2面とを繋ぐ第3面および第4面と、を有する4角柱形状であり、
    前記第1面および少なくとも他の1つの面に白金層が被覆されており、
    前記第1面の白金層に劣化が生じた場合に、他の白金層が被覆された面と交代可能である
    アノード装置。
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