本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductor又は単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有するトランジスタのチャネル形成領域を構成し得る場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)と呼称することができる。また、OSトランジスタと記載する場合においては、金属酸化物又は酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
また、本明細書等において、各実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて、本発明の一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、互いに構成例を適宜組み合わせることが可能である。
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)との少なくとも一つの内容に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことができる。
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)との少なくとも一つの図に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることができる。
本明細書に記載の実施の形態については、図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態の発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、斜視図などにおいて、図面の明確性を期すために、一部の構成要素の記載を省略している場合がある。
本明細書等において、複数の要素に同じ符号を用いる場合、特に、それらを区別する必要があるときには、符号に“_1”、“[n]”、“[m,n]”等の識別用の符号を付記して記載する場合がある。
また、本明細書の図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の記憶装置について説明する。
<記憶装置の構成例>
図2は、本発明の一態様の記憶装置の構成を示している。記憶装置MDVは、周辺回路PHL、及びメモリセルアレイMCAを有する。周辺回路PHLは、ローデコーダ2621、ワード線ドライバ回路2622、ビット線ドライバ回路2630、及び出力回路2640、コントロールロジック回路2660を有する。
ビット線ドライバ回路2630は、カラムデコーダ2631、プリチャージ回路2632、センスアンプ2633、及び書き込み回路2634を有する。プリチャージ回路2632は、後述するメモリセルMCに電気的に接続されている配線(図2に図示していない)を所定の電位にプリチャージする機能を有する。センスアンプ2633は、メモリセルMCから読み出された電位(又は電流)をデータ信号として取得して、当該データ信号を増幅する機能を有する。増幅されたデータ信号は、出力回路2640を介して、デジタルのデータ信号RDATAとして記憶装置MDVの外部に出力される。
また、記憶装置MDVには、外部から電源電圧として低電源電圧(VSS)、周辺回路PHL用の高電源電圧(VDD)、メモリセルアレイMCA用の電源電圧(VIL)が供給される。
また、記憶装置MDVには、制御信号(CE、WE、RE)、アドレス信号ADDR、データ信号WDATAが外部から入力される。アドレス信号ADDRは、ローデコーダ2621及びカラムデコーダ2631に入力され、データ信号WDATAは書き込み回路2634に入力される。
コントロールロジック回路2660は、外部からの入力信号(CE、WE、RE)を処理して、ローデコーダ2621、カラムデコーダ2631の制御信号を生成する。CEは、チップイネーブル信号であり、WEは、書き込みイネーブル信号であり、REは、読み出しイネーブル信号である。コントロールロジック回路2660が処理する信号は、これに限定されるものではなく、必要に応じて、他の制御信号を入力すればよい。
なお、上述の各回路あるいは各信号は、必要に応じて、適宜、取捨することができる。
なお、本実施の形態の構成例は、図2の構成に限定されない。例えば、周辺回路PHLの全部、若しくは一部をメモリセルアレイMCAの下層に設ける、などのように適宜構成を変更してもよい。
具体的には、例えば、図1Aに示すとおり、記憶装置MDVは、周辺回路PHLを下層に設け、メモリセルアレイMCAを周辺回路PHLの上方に設けた構成としてもよい。
図1Aの記憶装置MDVにおいて、メモリセルアレイMCAは、一例として、m×n個のメモリセルMCを有する。また、メモリセルアレイMCAにおいて、メモリセルMCは、m行n列のマトリクス状に配置されている。なお、図1Aでは、複数のメモリセルMCのうち、メモリセルMC[1,1]、メモリセルMC[m,1]、メモリセルMC[1,n]、メモリセルMC[m,n]を抜粋して示している。
また、図1Aの記憶装置MDVにおいて、周辺回路PHLは、回路WDと、回路BDと、回路SDと、回路CLCと、回路OPCと、を有する。なお、周辺回路PHLは、回路WDと、回路BDと、回路SDと、回路CLCと、回路OPCと、の全部を有する構成でなく、回路WDと、回路BDと、回路SDと、回路CLCと、回路OPCと、から選ばれた一以上の回路を有する構成としてもよい。
回路WDは、一例として、図2におけるワード線ドライバ回路2622に相当する回路とすることができる。また、回路WDは、一例として、配線WL[1]乃至配線WL[m]に電気的に接続されている。回路WDは、配線WL[1]乃至配線WL[m]を介して、メモリセルアレイMCAに含まれている複数のメモリセルMCに対して、選択信号を送信する機能する。
なお、図1Aでは、配線WL[1]乃至配線WL[m]を、メモリセルアレイMCAの各行に1本ずつ設けている例を示しているが、メモリセルアレイMCAの1行に対して複数本の配線を設けてもよい。
回路BDは、一例として、図2におけるビット線ドライバ回路2630に相当する回路とすることができる。また、回路BDは、一例として、配線BL[1]乃至配線BL[n]に電気的に接続されている。回路BDは、配線BL[1]乃至配線BL[n]を介して、メモリセルアレイMCAに含まれているメモリセルMCに対して、書き込み用の信号を送信するための回路として機能する。また、回路BDは、配線BL[1]乃至配線BL[n]を介して、メモリセルアレイMCAに含まれているメモリセルMCに対して、読み出し時に所定の電圧、又は電流を与える回路として機能する。
なお、図1Aでは、配線BL[1]乃至配線BL[n]を、メモリセルアレイMCAの各列に1本ずつ設けている例を示しているが、メモリセルアレイMCAの1列に対して複数本の配線を設けてもよい。例えば、メモリセルアレイMCAの1列に対して、書き込み用の信号を送信する配線と、読み出し用の信号を送信する配線と、を設けてもよい。
回路SDは、一例として、メモリセルアレイMCAの複数のメモリセルMCに所定の電圧を与えるための電圧生成回路とすることができる。また、回路SDは、一例として、配線SL[1]乃至配線SL[m]に電気的に接続されている。なお、記憶装置MDVは、図1Aにおいて、回路SDを設けず、図2に示しているメモリセルアレイMCA用の電源電圧(VIL)を直接入力する構成としてもよい。
なお、図1Aでは、配線SL[1]乃至配線SL[m]を、メモリセルアレイMCAの各列に1本ずつ設けている例を示しているが、メモリセルアレイMCAの1列に対して複数本の配線を設けてもよい。
回路CLCは、一例として、図2におけるコントロールロジック回路2660に相当する回路とすることができる。
回路OPCは、一例として、図2における出力回路2640に相当する回路とすることができる。
図1Aの記憶装置MDVの構成例において、周辺回路PHLは、例えば、半導体基板上に形成することができる。つまり、回路WDと、回路BDと、回路SDと、回路OPCと、回路CLCと、は、半導体基板上に形成することができる。また、半導体基板としては、例えば、シリコンを材料とした基板とすることで、当該基板上にシリコンをチャネル形成領域に含むトランジスタ(以後、Siトランジスタと呼称する。)を形成することができる。そのため、周辺回路PHLに含まれているトランジスタとして、Siトランジスタを適用することができる。
また、半導体基板としては、例えば、ゲルマニウムを材料とした基板としてもよい。また、周辺回路PHLは、化合物半導体基板上に形成してもよく、当該化合物半導体基板としては、炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムなどを材料とした基板が挙げられる。また、周辺回路PHLは、半導体基板内部に絶縁体領域を有する半導体基板、例えば、SOI(Silicon On Insulator)基板上に形成してもよい。
また、周辺回路PHLは、例えば、絶縁体基板上に形成することができる。当該絶縁体基板としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などが挙げられる。また、周辺回路PHLは、例えば、導電体基板上に形成することができる。当該導電体基板としては、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板などが挙げられる。但し、絶縁体基板及び導電体基板は、半導体基板と異なって基板自体にチャネル形成領域を形成することができないため、絶縁体基板及び導電体基板に直接トランジスタを形成することができない。そのため、絶縁体基板又は導電体基板にトランジスタを形成するには、絶縁体基板又は導電体基板の上方に別途半導体膜を設ける必要がある。
図1Aの記憶装置MDVの構成例において、メモリセルアレイMCAを周辺回路PHLの上方に設ける方法としては、例えば、半導体工程によって形成する方法が挙げられる。特に、OSトランジスタは、半導体工程によって形成することができるため、メモリセルアレイMCAに含まれているトランジスタとしてOSトランジスタを適用することによって、半導体基板、及び周辺回路PHLの上方にメモリセルアレイMCAを設けることができる。
また、図1Aでは、周辺回路PHLの上方にメモリセルアレイMCAが1個設けられた構成を示したが、本発明の一態様の記憶装置は、これに限定されない。例えば、本発明の一態様の記憶装置は、周辺回路PHLの上方には、積層された複数のメモリセルアレイMCAを設けてもよい。図1Bでは、周辺回路PHLの上方に、メモリセルアレイMCA[1]乃至メモリセルアレイMCA[p](pは2以上の整数とする。)が積層された記憶装置の構成を示している。
<<メモリセルの構成例1>>
図3Aは、記憶装置MDVに備えることができるメモリセルの一例を示している。なお、図3Aに示すメモリセルMCは、3端子メモリ素子であるSOT-MRAM(Spin Orbit Torque-Magnetoresistive Random Access Memory)の一例ということができる。
メモリセルMCは、例えば、トランジスタM1と、トランジスタM2と、抵抗変化デバイスMDと、を有する。
トランジスタM1、及びトランジスタM2としては、例えば、OSトランジスタを適用することができる。OSトランジスタのチャネル形成領域は、インジウム、ガリウム、亜鉛の少なくとも一を含む酸化物であることが好ましい。また、当該酸化物の代わりとしては、インジウム、元素M(元素Mとしては、例えば、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種などが挙げられる。)、亜鉛の少なくとも一を含む酸化物を用いてもよい。OSトランジスタは、特に実施の形態2で説明するトランジスタの構造であることが更に好ましい。
また、図3Aに図示しているトランジスタM1、及びトランジスタM2は、バックゲートを有しているが、本発明の一態様の記憶装置は、これに限定されない。例えば、図3Aに図示しているトランジスタM1、及びトランジスタM2は、バックゲートを有さない構成、つまり、シングルゲート構造のトランジスタとしてもよい。また、一部のトランジスタはバックゲートを有している構成であり、別の一部のトランジスタは、バックゲートを有さない構成であってもよい。
また、トランジスタM1、及びトランジスタM2のそれぞれのサイズ(例えば、チャネル長、チャネル幅、トランジスタの構成など)は互いに等しいことが好ましい。トランジスタのサイズを互いに等しくすることによって、それぞれのトランジスタの電気特性をほぼ等しくすることができる。そのため、トランジスタM1、及びトランジスタM2のサイズを等しくすることによって、トランジスタM1、及びトランジスタM2のそれぞれは、互いに同一の条件である場合において、ほぼ同じ動作を行うことができる。ここでの同一の条件とは、例えば、トランジスタM1及びトランジスタM2のそれぞれのソース、ドレイン、ゲートなどへの入力電位を指す。
なお、トランジスタM1、及びトランジスタM2のそれぞれは、特に断りの無い場合は、スイッチング素子として動作する場合を含むものとする。すなわち、上述したそれぞれのトランジスタのゲート電圧、ソース電圧、及びドレイン電圧は、スイッチング素子として動作する電圧範囲である場合を含むものとする。また、トランジスタM1、及びトランジスタM2のそれぞれは、オン状態時には、線形領域、又は飽和領域で動作してもよい。
なお、上記のトランジスタの構造、動作などに関する変更例は、トランジスタM1、及びトランジスタM2だけに限定されない。例えば、明細書の他の箇所に記載されているトランジスタ、又は他の図面に図示されているトランジスタの構造、動作などについても同様に変更を行ってもよい。
抵抗変化デバイスMDは、MTJ(磁気トンネル接合)素子MEを有する。また、抵抗変化デバイスMDは、端子IT1と、端子IT2と、端子OTと、を有する。なお、抵抗変化デバイスMDの詳細については後述する。
トランジスタM1の第1端子は、抵抗変化デバイスMDの端子IT1に電気的に接続され、トランジスタM1の第2端子は、配線BL1に電気的に接続され、トランジスタM1のゲートは、配線WLに電気的に接続されている。トランジスタM2の第1端子は、抵抗変化デバイスMDの端子IT2に電気的に接続され、トランジスタM2の第2端子は、配線BL2に電気的に接続され、トランジスタM2のゲートは、配線WLに電気的に接続されている。抵抗変化デバイスMDの端子OTは、配線RBLに電気的に接続されている。
配線BL1、及び配線BL2は、一例として、メモリセルMCに対する書き込みビット線、又は定電圧を与える配線として機能する。
配線WLは、一例として、メモリセルMCに対するワード線として機能する。
配線RBLは、一例として、メモリセルMCに対する読み出しビット線として機能する。
図3Aにおいて、トランジスタM1、及び/又はトランジスタM2には、バックゲートが図示され、当該バックゲートの接続構成については図示されていないが、当該バックゲートの電気的な接続先は、設計の段階で決めることができる。例えば、バックゲートを有するトランジスタにおいて、そのトランジスタのオン電流を高めるために、ゲートとバックゲートとを電気的に接続してもよい。つまり、例えば、トランジスタM1のゲートとバックゲートとを電気的に接続してもよいし、また、トランジスタM2のゲートとバックゲートとを電気的に接続してもよい。また、例えば、バックゲートを有するトランジスタにおいて、そのトランジスタのしきい値電圧を変動させるため、又は、そのトランジスタのオフ電流を小さくするために、そのトランジスタのバックゲートと外部回路などとを電気的に接続するための配線を設けて、当該外部回路などによってそのトランジスタのバックゲートに電位を与える構成としてもよい。具体的には、メモリセルMCは、図3Bに示す構成とすることができる。図3BのメモリセルMCは、図3AのメモリセルMCに含まれているトランジスタM1、及びトランジスタM2のそれぞれのバックゲートに配線BGEが電気的に接続された構成となっている。配線BGEに所定の電位を与えることによって、トランジスタM1、及びトランジスタM2のそれぞれのしきい値電圧を変動させることができる。
次に、抵抗変化デバイスMDについて、説明する。
図4は、抵抗変化デバイスMDの一例を示したブロック図である。図4の抵抗変化デバイスMDは、層RLと、層TISと、層FLと、層CAと、を有する。なお、層RLと、層TISと、層FLと、は、MTJ素子MEに含まれている。
層CAは、例えば、導電性を有する膜を有する。また、端子IT1と、端子IT2と、は当該膜を介して電気的に接続されている。そのため、端子IT1と端子IT2との間に電圧を印加することによって、端子IT1-端子IT2間に電流が流れる。また、層CAは、チャネル層と呼ばれる場合がある。
また、当該膜は、端子IT1-端子IT2間に電流を流すことによって、スピンホール効果が起きる材料とする。スピンホール効果とは、電流の流れる方向に対して略垂直方向にスピン流が発生する現象である。具体的には、例えば、薄膜などの2次元平面内に電流が流れる場合、スピン方向の異なる電子が薄膜の上面、及び下面のそれぞれに分極し、これによって、薄膜に略垂直方向にスピン流が発生する。このため、層CAは、端子IT1-端子IT2間に電流が流れることで、層CAの略垂直方向にスピン流を発生させることができる。
層CAとしては、スピンホール効果が起きる金属材料を有することが好ましい。具体的には、当該金属材料としては、スピン軌道相互作用が強い遷移金属を用いることが好ましい。当該遷移金属としては、例えば、タングステン、白金、タンタルなどが挙げられる。また、層CAとしては、金属材料でなく、スピンホール効果を起こすトポロジカル絶縁体を有してもよく、この場合、ビスマスとアンチモンの合金、ビスマスとセレンの合金などを用いてもよい。
層FLは、MTJ素子MEにおける自由層として機能する。層FLは、強磁性体を有し、当該強磁性体によって、後述する層RLの磁化方向と平行、又は反平行となるような磁気モーメントの状態をとることができる。
層FLに含まれる強磁性体としては、例えば、当該強磁性体の磁化が、小さいスピン流で反転する材料であることが好ましい。また、層FLに含まれる強磁性体材料としては、熱エネルギーで磁化反転が起こりにくい材料であることが好ましい。
当該強磁性体としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケルから選ばれた一種、又は二種以上の合金を用いることができる。例えば、コバルトと鉄とホウ素の合金を用いることができる。また、マンガンとガリウムの合金、マンガンとゲルマニウムの合金などが挙げられる。
層FLの磁気モーメントは、層CAで発生するスピン流によって、スピントルクを受ける。層FLの磁気モーメントは、例えば、当該スピントルクがしきい値を超えることで、向きが反転する。つまり、層CA(端子IT1-端子IT2間)に電流を流すことによって、層FLの磁化方向を変更することができる。この動作によって、MTJ素子MEに情報を記録することができる。
層TISは、MTJ素子MEにおけるトンネル絶縁体を有する層として機能する。層TISは、層FLと層RL(端子OT)との間に電圧が印加されることによって、トンネル磁気抵抗効果により、層TISにトンネル電流を流すことができる。このとき、層FLの磁気モーメントの向きによって、層TISの電気抵抗値が変化する。具体的には、層FLと層RLとのそれぞれの磁化方向が平行であるか、反平行であるかによって、層TISの電気抵抗値が変化する。
当該トンネル絶縁体としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等を用いることができる。特に、当該トンネル絶縁体としては、結晶の酸化マグネシウムを用いることが好ましい。
層RLは、MTJ素子MEにおける固定層として機能する。層RLは、強磁性体を有する。なお、層RLの強磁性体は、層FLの強磁性体と異なり、磁化方向が固定されているものとする。
層RLに含まれている強磁性体としては、例えば、層FLに含まれている強磁性体に適用できる材料を用いることができる。
なお、MTJ素子MEに含まれる強磁性体材料、トンネル絶縁体は、MTJ素子MEの磁気抵抗比(MR比)が大きくなるように、組み合わせることが好ましい。
ここで、図3AのメモリセルMCにおける、情報の書き込み方法の一例、及び読み出し方法の一例について説明する。
メモリセルMCに情報を書き込むとき、配線WLに高レベル電位を与えて、トランジスタM1と、トランジスタM2と、のそれぞれをオン状態にする。次に、配線BL1からトランジスタM1を介して端子IT1に第1電位を与え、かつ配線BL2からトランジスタM2を介して端子IT2に第2電位を与える。これにより、抵抗変化デバイスMDにおいて、端子IT1-端子IT2間に第1電位と第2電位の電位差に応じた電流が流れる。このため、MTJ素子MEの層CAに電流が流れて、層CAにスピン流が発生し、当該スピン流によって層FLの強磁性体の磁化方向が定まる。なお、第1電位は、第2電位よりも高くてもよく、低くてもよい。また、配線RBLが与える電位は、端子IT1-端子OT間、及び/又は端子IT2-端子OT間に電流が流れない範囲の電位であることが好ましい。
メモリセルMCから情報を読み出すとき、配線WLに高レベル電位を与えて、トランジスタM1と、トランジスタM2と、のそれぞれをオン状態にする。次に、端子IT1-端子OT間、及び/又は端子IT2-端子OT間に電流が流れるように、端子IT1、端子IT2、端子OTのそれぞれに所定の電圧を印加する。このとき、層RLと層FLのそれぞれの磁化方向が平行であるか、反平行であるかによって、MTJ素子MEの電気抵抗値が変化するため、MTJ素子MEの層TISに流れるトンネル電流の量も変化する。ここで、MTJ素子MEと端子OTとの間に流れる電流量を測定することで、MTJ素子MEに記録された情報を読み出すことができる。また、端子IT1と端子IT2とのそれぞれに所定の電位を与え、MTJ素子MEと端子OTとの間に定電流を流して、端子OTの電位を測定することでもMTJ素子MEに記録された情報を読み出すことができる。
[周辺回路の構成例1]
次に、図3AのメモリセルMCを、図1Aの記憶装置MDVに適用した構成例を図5Aに示す。なお、図5Aでは、見易くするために各構成要素を平面上に図示しているが、メモリセルアレイMCAは、図1Aの記憶装置MDVのとおり、周辺回路PHLの上方に設けられているものとする。
なお、図5Aの記憶装置MDVにおいて、図1Aの記憶装置MDVの内容と重複する箇所については、説明を省略する。
図5Aの記憶装置MDVにおいて、周辺回路PHLは、回路WDと、回路BDと、回路RBDと、を有する。回路WDと、回路BDと、については、図1Aの記憶装置MDVの説明を参酌する。
回路RBDは、一例として、配線RBL[1]乃至配線RBL[m]に電気的に接続されている。また、回路RBDは、配線RBL[1]乃至配線RBL[m]を介して、メモリセルアレイMCAに含まれているメモリセルMCから、読み出し情報を受け取るための回路として機能する。つまり、回路RBDは、例えば、図2の記憶装置MDVにおけるセンスアンプ2633に相当する回路とすることができる。そのため、回路RBDは、ビット線ドライバ回路2630に相当する回路BDに含まれている構成としてもよい。
また、回路BDは、図1Aの記憶装置MDVにおける配線BL[1]乃至配線BL[n]として、配線BL1[1]乃至配線BL1[n]、及び配線BL2[1]乃至配線BL2[n]に電気的に接続されている。つまり、メモリセルアレイMCAの1列ごとに、配線BL1、及び配線BL2が設けられている。
このとき、回路BDは、配線BL1、及び配線BL2に、メモリセルMCに情報を書き込む場合と、メモリセルMCから情報を読み出す場合と、のそれぞれにおいて、異なる電圧(又は電流)を入力する構成とすることが好ましい。
なお、図3AのメモリセルMCを、図1Aの記憶装置MDVに適用した構成例は、図5Aの記憶装置MDVの構成に限定されない。図5Aの記憶装置MDVは、状況に応じて、その回路構成を変更してもよい。
<<メモリセルの構成例2>>
図3Cは、図3Aと異なる、記憶装置MDVに備えることができるメモリセルの一例を示している。なお、図3Cに示すメモリセルMCも、SOT-MRAMの一例ということができる。
メモリセルMCは、例えば、トランジスタM3と、トランジスタM4と、抵抗変化デバイスMDと、を有する。
トランジスタM3、及びトランジスタM4としては、例えば、トランジスタM1、及びトランジスタM2と同様に、OSトランジスタを適用することができる。また、抵抗変化デバイスMDは、図3Aの抵抗変化デバイスMDと同様に図4のMTJ素子MEを有する。
トランジスタM3の第1端子は、抵抗変化デバイスMDの端子IT2に電気的に接続され、トランジスタM3の第2端子は、配線SLに電気的に接続され、トランジスタM3のゲートは、配線WLaに電気的に接続されている。トランジスタM4の第1端子は、抵抗変化デバイスMDの端子OTに電気的に接続され、トランジスタM4の第2端子は、配線SLに電気的に接続され、トランジスタM4のゲートは、配線WLbに電気的に接続されている。抵抗変化デバイスMDの端子IT1は、配線BLに電気的に接続されている。
配線BLは、一例として、メモリセルMCに対するビット線、又は定電圧を与える配線として機能する。
配線SLは、一例として、定電圧を与える配線として機能する。
配線WLaは、一例として、メモリセルMCに対する書き込みワード線、及び読み出しワード線として機能する。
配線WLbは、一例として、メモリセルMCに対する読み出しワード線として機能する。
次に、図3CのメモリセルMCにおける、情報の書き込み方法の一例、及び読み出し方法の一例について説明する。なお、配線SLには、一例として、低レベル電位が与えられているものとする。
メモリセルMCに情報を書き込むとき、配線WLaに高レベル電位を与えてトランジスタM3をオン状態にし、配線WLbに低レベル電位を与えてトランジスタM4をオフ状態にする。次に、配線BLから端子IT1に低レベル電位よりも高い第3電位を与える。これにより、抵抗変化デバイスMDにおいて、端子IT1-端子IT2間に第3電位と低レベル電位の電位差に応じた電流が流れる。このため、MTJ素子MEの層CAに電流が流れて、層CAにスピン流が発生し、当該スピン流によって層FLの強磁性体の磁化方向が定まる。
メモリセルMCから情報を読み出すとき、配線WLaに高レベル電位を与えてトランジスタM3をオン状態にし、配線WLbに高レベル電位を与えてトランジスタM4をオン状態にする。次に、配線BLから端子IT1に低レベル電位よりも高く、第3電位よりも低い第4電位を与えることで、端子IT1-端子IT2間、及び/又は端子IT1-端子OT間に電流が流れる。このとき、層RLと層FLのそれぞれの磁化方向が平行であるか、反平行であるかによって、MTJ素子MEの電気抵抗値が変化するため、MTJ素子MEの層TISに流れるトンネル電流の量も変化する。つまり、MTJ素子MEと端子IT1に流れる電流量を測定することで、MTJ素子MEに記録された情報を読み出すことができる。また、配線SLに所定の電位を与え、配線BLからMTJ素子MEの端子IT1に定電流を流して、端子IT1の電位を測定することでもMTJ素子MEに記録された情報を読み出すことができる。
また、図3CのメモリセルMCは、図3Bと同様に、トランジスタM3と、トランジスタM4と、のそれぞれのバックゲートを、配線BGEに電気的に接続した構成としてもよい。具体的には、メモリセルMCは、図3Dに示す構成とすることができる。配線BGEに所定の電位を与えることによって、トランジスタM3、及びトランジスタM4のそれぞれのしきい値電圧を変動させることができる。
[周辺回路の構成例2]
次に、図3CのメモリセルMCを、図1Aの記憶装置MDVに適用した構成例を図5Bに示す。なお、図5Bでは、見易くするために各構成要素を平面上に図示しているが、メモリセルアレイMCAは、図5Aと同様に、図1Aの記憶装置MDVのとおり、周辺回路PHLの上方に設けられているものとする。
なお、図5Bの記憶装置MDVにおいて、図1Aの記憶装置MDVの内容と重複する箇所については、説明を省略する。
図5Bの記憶装置MDVにおいて、周辺回路PHLは、回路WDと、回路BDと、回路SDと、を有する。また、回路WDと、回路BDと、回路SDと、については、図1Aの記憶装置MDVの説明を参酌する。
図5Bの記憶装置MDVにおいて、配線SL[1]乃至配線SL[n]は行方向ではなく、列方向に設けている点で図1Aの記憶装置MDVと異なっている。このように、記憶装置MDVにおいて、配線を延設する方向については特に限定されない。
また、回路WDは、図1Aの記憶装置MDVにおける配線WL[1]乃至配線WL[m]として、配線WLa[1]乃至配線WLa[m]、及び配線WLb[1]乃至配線WLb[m]に電気的に接続されている。つまり、メモリセルアレイMCAの1行ごとに、配線WLa、及び配線WLbが設けられている。
このとき、回路WDは、配線WLa、及び配線WLbに、メモリセルMCに情報を書き込む場合と、メモリセルMCから情報を読み出す場合と、のそれぞれにおいて、異なる電圧を入力する構成とすることが好ましい。
なお、図3CのメモリセルMCを、図1Aの記憶装置MDVに適用した構成例は、図5Bの記憶装置MDVの構成に限定されない。図5Bの記憶装置MDVは、状況に応じて、その回路構成を変更してもよい。
<<メモリセルの構成例3>>
図6Aは、記憶装置MDVに備えることができるメモリセルの一例を示している。なお、図6Aに示すメモリセルは、STT-MRAM(Spin Transfer Torque-Magnetoresistive Random Access Memory)の一例ということができる。
メモリセルMCは、トランジスタM10と、先述したMTJ素子MEと、を有する。
トランジスタM10としては、例えば、トランジスタM1、及びトランジスタM2と同様に、OSトランジスタを適用することができる。
MTJ素子MEは、図4に示したMTJ素子と同様に、自由層を有する層FLと、トンネル絶縁体を有する層TISと、固定層を有する層RLと、を有し、層TISを介して層FLと層RLとが重畳している。
トランジスタM10の第1端子は、MTJ素子MEの層RLに電気的に接続され、トランジスタM10の第2端子は、配線SLに電気的に接続され、トランジスタM10のゲートは配線WLに電気的に接続されている。MTJ素子MEの層FLは、配線BLに電気的に接続されている。
配線BLは、一例として、メモリセルMCに対する書き込みビット線、又は読み出しビット線として機能する。
配線WLは、一例として、メモリセルMCに対するワード線として機能する。
配線SLは、一例として、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、低レベル電位とすることができる。
ここで、図6AのメモリセルMCにおける、情報の書き込み方法の一例、及び読み出し方法の一例について説明する。
メモリセルMCに情報を書き込むとき、配線WLに高レベル電位を与えて、トランジスタM10をオン状態にする。これにより、層RLと配線SLとの間が導通状態となる。また、配線BLと配線SLとの間の電圧の条件によって、層TISにトンネル電流が発生するため、配線BLと配線SLとの間に電流が流れる。このとき、層FLにスピンが一定方向に揃った電子を大量に流すことによって、層FLの磁化方向を変化させることができる。これにより、MTJ素子MEに情報を記録することができる。
メモリセルMCから情報を読み出すとき、配線WLに高レベル電位を与えて、トランジスタM10をオン状態にする。これにより、層RLと配線SLとの間が導通状態となる。ここで、配線BLに定電圧を与えたとき、MTJ素子MEに流れる電流量は、層RLと層FLのそれぞれの磁化方向が平行であるか、反平行であるかによって決まる。具体的には、例えば、層RLと層FLのそれぞれの磁化方向が平行であるときの当該電流量は、層RLと層FLのそれぞれの磁化方向が反平行であるときの当該電流量よりも大きくなる。つまり、MTJ素子MEに流れる電流量を測定することで、MTJ素子MEに記録された情報を読み出すことができる。
図6AのメモリセルMCは、MTJ素子MEにスピンが一定方向に揃った電子を流して、層FLの磁化方向を変化させることで、情報を記録することができるが、本発明の一態様の記憶装置に設けられるメモリセルMCの構成はこれに限定されない。例えば、MTJ素子ME付近に、磁場を発生させる機能を有する配線を設けた構成としてもよい。当該構成では、当該配線から磁場を発生させて、MTJ素子MEの層FLの磁化方向を変化させることによって、MTJ素子MEに情報を書き込むことができる。
<<メモリセルの構成例4>>
図6Bは、記憶装置MDVに備えることができるメモリセルの一例を示している。なお、図6Bに示すメモリセルは、ReRAM(Resistive Random Access Memory)の一例ということができる。
メモリセルMCは、トランジスタM10と、抵抗変化素子RMと、を有する。
トランジスタM10としては、例えば、トランジスタM1、及びトランジスタM2と同様に、OSトランジスタを適用することができる。
図6Bに示す通り、図6BのメモリセルMCは、図6AのメモリセルMCのMTJ素子MEを抵抗変化素子RMに置き換えた構成となっている。なお、図6BのメモリセルMCでは、抵抗変化素子RMの第1端子は、トランジスタM10の第1端子に電気的に接続され、抵抗変化素子RMの第2端子は、配線BLに電気的に接続されているものとする。
配線BLは、一例として、メモリセルMCに対する書き込みビット線、又は読み出しビット線として機能する。
配線WLは、一例として、メモリセルMCに対するワード線として機能する。
配線SLは、一例として、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、基準電位とすることができる。
ここで、図6BのメモリセルMCにおける、情報の書き込み方法の一例、及び読み出し方法の一例について説明する。
メモリセルMCに情報を書き込むとき、配線WLに高レベル電位を与えて、トランジスタM10をオン状態にする。これにより、配線BLと配線SLとの間が導通状態となる。また、配線BLに基準電位より高いパルス電圧(正パルス電圧)、又は基準電位より低いパルス電圧(負パルス電圧)を与えることによって、当該パルス電圧が抵抗変化素子RMの第2端子に入力される。このとき、抵抗変化素子RMの第2端子に与えられた電圧が正パルス電圧か、又は負パルス電圧かによって、抵抗変化素子RMの電気抵抗が変化する。これにより、メモリセルMCの抵抗変化素子RMに情報を記録することができる。
メモリセルMCから情報を読み出すとき、配線WLに高レベル電位を与えて、トランジスタM10をオン状態にする。これにより、配線BLと配線SLとの間が導通状態となる。ここで、配線BLに負パルス電圧よりも大きく正パルス電圧よりも小さい定電圧を与えたとき、抵抗変化素子RMに流れる電流量は、抵抗変化素子RMの電気抵抗の値によって決まる。つまり、抵抗変化素子RMに流れる電流量を測定することで、抵抗変化素子RMに記録された情報を読み出すことができる。
<<メモリセルの構成例5>>
図6Cは、記憶装置MDVに備えることができるメモリセルの一例を示している。なお、図6Cに示すメモリセルは、相変化メモリ(PCM、PRAMなどと呼称する場合がある。)の一例ということができる。
メモリセルMCは、トランジスタM10と、相変化メモリPCM1と、を有する。
トランジスタM10としては、例えば、トランジスタM1、及びトランジスタM2と同様に、OSトランジスタを適用することができる。
相変化メモリPCM1は、一例として電極TEと、相変化層CHLと、電極BEと、を有し、電極TE、相変化層CHL、電極BEの順に電気的に接続されている。
また、相変化層CHLとしては、例えばカルコゲナイドガラスを適用することができる。なお、本実施の形態では、相変化層CHLは、カルコゲナイドガラスを適用したものとして説明する。
電極TEと、電極BEと、は互いに相変化層CHLと接触する面積が異なることが好ましい。例えば、図6Cでは、電極TEと相変化層CHLとの接触面積は、電極BEと相変化層CHLとの接触面積よりも大きく図示している。電極BEの相変化層CHLとの接触面積を小さくすることで、相変化層CHLに対して局所的に熱を与えることができるため、電極TE付近の相変化層CHLよりも電極BE付近の相変化層CHLでの相変化が起こりやすくなる。
図6Cに示す通り、図6CのメモリセルMCは、図6AのメモリセルMCのMTJ素子MEを相変化メモリPCM1に置き換えた構成となっている。なお、図6CのメモリセルMCでは、相変化メモリPCM1の電極BEは、トランジスタM10の第1端子に電気的に接続され、相変化メモリPCM1の電極TEは、配線BLに電気的に接続されているものとする。
配線BLは、一例として、メモリセルMCに対する書き込みビット線、又は読み出しビット線として機能する。
配線WLは、一例として、メモリセルMCに対するワード線として機能する。
配線SLは、一例として、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、低レベル電位とすることができる。
ここで、図6CのメモリセルMCにおける、情報の書き込み方法の一例、及び読み出し方法の一例について説明する。
メモリセルMCに情報を書き込むとき、配線WLに高レベル電位を与えて、トランジスタM10をオン状態にする。これにより、配線BLと配線SLとの間が導通状態となる。また、相変化層CHLのカルコゲナイドガラスが、例えば、アモルファス状態のときに、配線BLから高レベル電位を与えて(具体的には、電極TEと電極BEとの間に高電圧をかけて)、相変化メモリPCM1に流れる電流量を増やすことで、カルコゲナイドガラス内においてインパクトイオン化が起きてキャリアが増大して、カルコゲナイドガラスの電気抵抗が急激に低下する。これにより、カルコゲナイドガラスにはより大きな電流が流れるため、カルコゲナイドガラスにおいてジュール熱が発生して、カルコゲナイドガラスの温度が上昇する。これにより、カルコゲナイドガラスが溶融する。その後、配線BLからの電圧を制御して、カルコゲナイドライドガラスの温度を結晶化温度領域に保持することで、カルコゲナイドガラスは多結晶状態に遷移することができる。カルコゲナイドガラスを多結晶状態にした後に、配線BL、及び配線SLからの電圧供給を止めても、カルコゲナイドガラスは多結晶状態を維持することができる。
また、ジュール熱によってカルコゲナイドガラスの温度を上昇させて、カルコゲナイドガラスを溶融させた後に、配線BL、及び配線SLからの電圧供給を止めて、カルコゲナイドガラスを急激に冷やすことによって、カルコゲナイドガラスをアモルファス状態に遷移させることができる。
メモリセルMCは、相変化層CHLに含まれているカルコゲナイドガラスの相を変化させることで、相変化メモリPCM1に情報を記録することができる。
メモリセルMCから情報を読み出すとき、配線WLに高レベル電位を与えて、トランジスタM10をオン状態にする。これにより、配線BLと配線SLとの間が導通状態となる。ここで、配線BLに書き込み時よりも低い電圧を与えたとき、相変化メモリPCM1の電極TEと電極BEとの間に流れる電流量は、相変化層CHLのカルコゲナイドガラスがアモルファス状態か多結晶状態かによって決まる。具体的には、例えば、カルコゲナイドガラスがアモルファス状態のとき、当該電流量は小さくなり、カルコゲナイドガラスが多結晶状態のとき、当該電流量は大きくなる。つまり、相変化メモリPCM1に流れる電流量を測定することで、相変化メモリPCM1に記録された情報を読み出すことができる。
MTJ素子ME、抵抗変化素子RM、相変化メモリPCM1などのメモリ素子を有するメモリセルは、不揮発性メモリとして機能するため、データを保持するための電力を低くすることができる。このため、上述した構成を、記憶装置として適用することによって、消費電力が低い記憶装置を提供することができる。また、当該メモリセルのトランジスタとしてOSトランジスタなどを適用することによって、メモリセルアレイを半導体工程で作製することができるため、周辺回路の上方にメモリセルアレイを積層することができる。複数のメモリセルアレイを積層することにより、記憶容量が大きい記憶装置を提供することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した記憶装置の断面構造の一例について、説明する。
図7は、図1Bの記憶装置MDVの構成例を模式的に表した断面図である。具体的には、図7に示す記憶装置MDVは、層SILと、層SILの上方に設けられている層OSL[1]乃至層OSL[p](ここでのpは1以上の整数である。)と、を有する。なお、層SILは、例えば、実施の形態1で説明した周辺回路PHLを有する。また、層OSL[1]乃至層OSL[p]のそれぞれは、例えば、実施の形態1で説明したメモリセルアレイMCAを有する。
一例として、層SILは、トランジスタ300を有し、層OSL[1]乃至層OSL[p]のそれぞれは、トランジスタ500Aと、トランジスタ500Bと、メモリ素子400と、を有する。特に、本明細書等では、トランジスタ500A、及びトランジスタ500Bの一方、又は両方をトランジスタ500と呼称する場合がある。
また、図8Aには、トランジスタ500のチャネル長方向の断面図を示しており、図8Bには、トランジスタ500のチャネル幅方向の断面図を示しており、図8Cには、トランジスタ300のチャネル幅方向の断面図を示している。なお、図8A乃至図8Cのそれぞれに示すトランジスタは、説明のため、図7に示すトランジスタと一部形状が異なっている場合がある。
また、層OSL[1]乃至層OSL[p]のそれぞれは、メモリセル600を有し、メモリセル600には、トランジスタ500Aと、トランジスタ500Bと、メモリ素子400と、が含まれている。
また、メモリセル600の構成としては、一例として、図3AのメモリセルMCとしている。具体的には、トランジスタ500Aは、トランジスタM1又はトランジスタM2の一方に相当し、トランジスタ500Bは、トランジスタM1又はトランジスタM2の他方に相当し、メモリ素子400は、抵抗変化デバイスMDに相当する。このため、図7の記憶装置MDVにおいて、トランジスタ500Aの第1端子は、トランジスタ500Bの第1端子と、メモリ素子400の第1端子と、に電気的に接続されている。
なお、図3Aの配線BL1、又は配線BL2の一方は、例えば、トランジスタ500A、又はトランジスタ500Bの一方の第2端子に電気的に接続している、導電体450とすることができる。また、図3Aの配線BL1、又は配線BL2の他方は、例えば、トランジスタ500A、又はトランジスタ500Bの他方の第2端子に電気的に接続している、導電体450とすることができる。なお、導電体450については後述する。
また、図3Aの配線WLは、例えば、トランジスタ500A、及びトランジスタ500Bのそれぞれのゲートに相当する導電体560とすることができる。また、図3Aの配線RBLは、例えば、メモリ素子400の第2端子に電気的に接続されている、導電体460とすることができる。なお、導電体460については後述する。
トランジスタ500は、チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタ(OSトランジスタ)である。トランジスタ500は、オフ電流が小さく、また、高温でも電界効果移動度が変化しにくい特性を有する。トランジスタ500を、例えば、上記の記憶装置などに含まれるトランジスタに適用することにより、高温でも動作能力が低下しにくい記憶装置を実現できる。
層SILに含まれている周辺回路PHLは、一例として、図1Bの記憶装置MDVの構成のとおり、回路WD、回路BD、回路SD、回路CLC、回路OPCなどを有する。このため、トランジスタ300は、回路WD、回路BD、回路RBD、回路SD、回路CLC、回路OPCなどに含まれているトランジスタとすることができる。
トランジスタ300は、導電体316、素子分離層312、絶縁体315、基板310の一部からなる半導体領域313、ソース領域又はドレイン領域として機能する低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bを有する。
基板310としては、例えば、半導体基板を適用することができる。当該半導体基板としては、上述したとおり、シリコンを材料とした基板、ゲルマニウムを材料とした基板などが挙げられる。又は、基板310としては、例えば、化合物半導体基板を適用することができる。当該化合物半導体基板としては、上述したとおり、炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムなどを材料とした基板が挙げられる。
トランジスタ300は、図8Cに示すように、半導体領域313の上面及びチャネル幅方向の側面が絶縁体315を介して導電体316に覆われている。このように、トランジスタ300をFin型とすることにより、実効上のチャネル幅が増大することによりトランジスタ300のオン特性を向上させることができる。また、ゲート電極の電界の寄与を高くすることができるため、トランジスタ300のオフ特性を向上させることができる。
なお、トランジスタ300は、pチャネル型、あるいはnチャネル型のいずれでもよい。
半導体領域313のチャネルが形成される領域、その近傍の領域、ソース領域、又はドレイン領域となる低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bなどにおいて、シリコン系半導体などの半導体を含むことが好ましく、単結晶シリコンを含むことが好ましい。又は、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)、GaN(窒化ガリウム)などを有する材料で形成してもよい。結晶格子に応力を与え、格子間隔を変化させることで有効質量を制御したシリコンを用いた構成としてもよい。又はGaAsとGaAlAs等を用いることで、トランジスタ300をHEMT(High Electron Mobility Transistor)としてもよい。
低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bは、半導体領域313に適用される半導体材料に加え、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、又はホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含む。
ゲート電極として機能する導電体316は、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、もしくはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含むシリコンなどの半導体材料、金属材料、合金材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。
なお、導電体の材料によって仕事関数が決まるため、当該導電体の材料を選択することで、トランジスタのしきい値電圧を調整することができる。具体的には、導電体に窒化チタン、窒化タンタルなどの材料を用いることが好ましい。さらに導電性と埋め込み性を両立するために導電体にタングステン、アルミニウムなどの金属材料を積層として用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが耐熱性の点で好ましい。
素子分離層312は、基板310上に形成されている複数のトランジスタ同士を分離するために設けられている。素子分離層312は、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法、STI(Shallow Trench Isolation)法、メサ分離法などを用いて形成することができる。
なお、図7、及び図8Cに示すトランジスタ300は、一例であり、その構造に限定されず、回路構成、駆動方法などに応じて適切なトランジスタを用いればよい。例えば、図7、及び図8Cに示すトランジスタ300は、プレーナ型のトランジスタとしてもよい。
図7に示すトランジスタ300には、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、絶縁体326が、基板310側から順に積層して設けられている。
絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよい。
なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。また、本明細書中において、酸化窒化アルミニウムとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化アルミニウムとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
絶縁体322は、絶縁体320及び絶縁体322に覆われているトランジスタ300などによって生じる段差を平坦化する平坦化膜としての機能を有していてもよい。例えば、絶縁体322の上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP)法等を用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。
また、絶縁体324には、基板310、又はトランジスタ300などから、トランジスタ500が設けられる領域に、水、水素などの不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、例えば、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ500などの酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
水素の脱離量は、例えば、昇温脱離ガス分析法(TDS)などを用いて分析することができる。例えば、絶縁体324の水素の脱離量は、TDS分析において、膜の表面温度が50℃から500℃の範囲において、水素原子に換算した脱離量が、絶縁体324の面積当たりに換算して、10×1015atoms/cm2以下、好ましくは5×1015atoms/cm2以下であればよい。
なお、絶縁体326は、絶縁体324よりも誘電率が低いことが好ましい。例えば、絶縁体326の比誘電率は4未満が好ましく、3未満がより好ましい。また例えば、絶縁体326の比誘電率は、絶縁体324の比誘電率の0.7倍以下が好ましく、0.6倍以下がより好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
また、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326には、導電体328、及び導電体330等が埋め込まれている。なお、導電体328、及び導電体330は、プラグ又は配線としての機能を有する。また、プラグ又は配線としての機能を有する導電体は、複数の構造をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、及び導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
各プラグ、及び配線(導電体328、導電体330等)の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を、単層又は積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステン、モリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。又は、アルミニウム、銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
絶縁体326、及び導電体330上に、配線層を設けてもよい。例えば、図7において、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354が、絶縁体326上、及び導電体330上に順に積層して設けられている。また、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354には、導電体356が形成されている。導電体356は、一例として、トランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。なお、導電体356は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体350は、絶縁体324と同様に、水、水素などの不純物に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、絶縁体352、及び絶縁体354としては、絶縁体326と同様に、配線間に生じる寄生容量を低減するために、比誘電率が比較的低い絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体356は、水、水素などに対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体350が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
なお、水素に対するバリア性を有する導電体としては、例えば、窒化タンタル等を用いるとよい。また、窒化タンタルと導電性が高いタングステンを積層することで、配線としての導電性を保持したまま、トランジスタ300からの水素の拡散を抑制することができる。この場合、水素に対するバリア性を有する窒化タンタル層が、水素に対するバリア性を有する絶縁体350と接する構造であることが好ましい。
また、絶縁体354、及び導電体356上には、絶縁体360と、絶縁体362と、絶縁体364が順に積層されている。
絶縁体360は、絶縁体324などと同様に、水、水素などの不純物に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。そのため、絶縁体360としては、例えば、絶縁体324などに適用できる材料を用いることができる。
絶縁体362、及び絶縁体364は、層間絶縁膜、及び平坦化膜としての機能を有する。また、絶縁体362、及び絶縁体364は、絶縁体324と同様に、水、水素などの不純物に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。このため、絶縁体362、及び/又は絶縁体364としては、絶縁体324に適用できる材料を用いることができる。
また、絶縁体360、絶縁体362、及び絶縁体364のそれぞれの、一部の導電体356と重畳する領域に開口部が形成されて、当該開口部を埋めるように導電体366が設けられている。また、導電体366は、絶縁体362上にも形成されている。導電体366は、一例として、トランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。なお、導電体366は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
絶縁体364、及び導電体366上には絶縁体510、絶縁体512、絶縁体513、絶縁体514、及び絶縁体516が、順に積層して設けられている。絶縁体510、絶縁体512、絶縁体513、絶縁体514、及び絶縁体516のいずれかは、酸素、及び/又は水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。
例えば、絶縁体510、及び絶縁体514には、基板310などから、トランジスタ500を設ける領域に、水、水素などの不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。したがって、絶縁体324などと同様の材料を用いることができる。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ500等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と基板310との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
また、水素に対するバリア性を有する膜として、例えば、絶縁体510、及び絶縁体514には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、及びトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中及び作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ500への混入を防止することができる。また、トランジスタ500を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ500に対する保護膜として用いることに適している。
また、例えば、絶縁体513としては、絶縁体510、及び絶縁体514と同様に、水、水素などの不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。特に、図7では、絶縁体513は、後述する絶縁体576と共に、トランジスタ500を封止する膜として機能している。このため、絶縁体513は、絶縁体576に適用できる材料を用いることが好ましい。また、絶縁体513は、絶縁体510、又は絶縁体514に適用できる材料を用いてもよい。
また、例えば、絶縁体512、及び絶縁体516には、絶縁体320、又は絶縁体326と同様の材料を用いることができる。また、これらの絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を適用することで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体512、及び絶縁体516として、酸化シリコン、酸化窒化シリコンなどを用いることができる。
また、絶縁体510、絶縁体512、絶縁体513、絶縁体514、及び絶縁体516には、導電体518、及びトランジスタ500を構成する導電体(例えば、図8A、及び図8Bに示す導電体503)等が埋め込まれている。なお、導電体518は、後述する導電体450、導電体460、トランジスタ300などを接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体518は、例えば、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
特に、絶縁体510、及び絶縁体514と接する領域の導電体518は、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する導電体であることが好ましい。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する層で、分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体516の上方には、トランジスタ500が設けられている。
図8A、及び図8Bに示すように、トランジスタ500は、絶縁体514及び絶縁体516に埋め込まれるように配置された導電体503と、絶縁体516及び導電体503の上に配置された絶縁体520と、絶縁体520の上に配置された絶縁体522と、絶縁体522の上に配置された絶縁体524と、絶縁体524の上に配置された酸化物530aと、酸化物530aの上に配置された酸化物530bと、酸化物530b上に互いに離れて配置された導電体542a及び導電体542bと、導電体542a及び導電体542b上に配置され、導電体542aと導電体542bの間に重畳して開口が形成された絶縁体580と、開口の底面及び側面に配置された酸化物530cと、酸化物530cの形成面に配置された絶縁体550と、絶縁体550の形成面に配置された導電体560と、を有する。なお、本明細書等では、導電体542aと導電体542bとをまとめて、導電体542と記載する。
また、図8A、及び図8Bに示すように、酸化物530a、酸化物530b、導電体542a、及び導電体542bと、絶縁体580との間に絶縁体544が配置されることが好ましい。また、図8A、及び図8Bに示すように、導電体560は、絶縁体550の内側に設けられた導電体560aと、導電体560aの内側に埋め込まれるように設けられた導電体560bと、を有することが好ましい。また、図8A、及び図8Bに示すように、絶縁体580、導電体560、及び絶縁体550の上に絶縁体574が配置されることが好ましい。
なお、以下において、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cをまとめて酸化物530という場合がある。
なお、トランジスタ500では、チャネルが形成される領域と、その近傍において、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの3層を積層する構成について示しているが、本発明の一態様はこれに限られるものではない。例えば、酸化物530bの単層、酸化物530bと酸化物530aの2層構造、酸化物530bと酸化物530cの2層構造、又は4層以上の積層構造を設ける構成にしてもよい。また、トランジスタ500では、導電体560を2層の積層構造として示しているが、本発明の一態様はこれに限られるものではない。例えば、導電体560が、単層構造であってもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。また、図7、図8A、及び図8Bに示すトランジスタ500は一例であり、その構造に限定されず、回路構成、駆動方法などに応じて適切なトランジスタを用いればよい。
ここで、導電体560は、トランジスタのゲート電極として機能し、導電体542a及び導電体542bは、それぞれソース電極又はドレイン電極として機能する。上記のように、導電体560は、絶縁体580の開口、及び導電体542aと導電体542bに挟まれた領域に埋め込まれるように形成される。導電体560、導電体542a及び導電体542bの配置は、絶縁体580の開口に対して、自己整合的に選択される。つまり、トランジスタ500において、ゲート電極を、ソース電極とドレイン電極の間に、自己整合的に配置させることができる。よって、導電体560を位置合わせのマージンを設けることなく形成することができるので、トランジスタ500の占有面積の縮小を図ることができる。これにより、記憶装置の微細化、高集積化を図ることができる。
さらに、導電体560が、導電体542aと導電体542bの間の領域に自己整合的に形成されるので、導電体560は、導電体542a又は導電体542bと重畳する領域を有さない。これにより、導電体560と導電体542a及び導電体542bとの間に形成される寄生容量を低減することができる。よって、トランジスタ500のスイッチング速度を向上させ、高い周波数特性を有せしめることができる。
導電体560は、第1のゲート(トップゲートともいう)電極として機能する場合がある。また、導電体503は、第2のゲート(ボトムゲートともいう)電極として機能する場合がある。その場合、導電体503に印加する電位を、導電体560に印加する電位と、連動させず、独立して変化させることで、トランジスタ500のしきい値電圧を制御することができる。特に、導電体503に負の電位を印加することにより、トランジスタ500のしきい値電圧を大きくし、オフ電流を低減することが可能となる。したがって、導電体503に負の電位を印加したほうが、印加しない場合よりも、導電体560に印加する電位が0Vのときのドレイン電流を小さくすることができる。
導電体503は、酸化物530、及び導電体560と、重なるように配置する。これにより、導電体560、及び導電体503に電位を印加した場合、導電体560から生じる電界と、導電体503から生じる電界と、がつながり、酸化物530に形成されるチャネル形成領域を覆うことができる。本明細書等において、第1のゲート電極、及び第2のゲート電極の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(S-channel)構造とよぶ。
また、導電体503は、導電体518と同様の構成であり、絶縁体514及び絶縁体516の開口の内壁に接して導電体503aが形成され、さらに内側に導電体503bが形成されている。なお、トランジスタ500では、導電体503a及び導電体503bを積層する構成について示しているが、本発明の一態様はこれに限られるものではない。例えば、導電体503は、単層、又は3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
ここで、導電体503aは、水素原子、水素分子、水分子、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい。)導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい。)導電性材料を用いることが好ましい。なお、本明細書において、不純物、又は酸素の拡散を抑制する機能とは、上記不純物、又は上記酸素のいずれか一又は、すべての拡散を抑制する機能とする。
例えば、導電体503aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、導電体503bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。
また、導電体503が配線の機能を兼ねる場合、導電体503bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする、導電性が高い導電性材料を用いることが好ましい。また、当該配線の導電性を高く維持できる場合、導電体503aは、必ずしも設けなくともよい。なお、導電体503bを単層で図示したが、積層構造としてもよく、例えば、チタン、又は窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
絶縁体520、絶縁体522、及び絶縁体524は、第2のゲート絶縁膜としての機能を有する。
ここで、酸化物530と接する絶縁体524は、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁体を用いることが好ましい。つまり、絶縁体524には、過剰酸素領域が形成されていることが好ましい。このような過剰酸素を含む絶縁体を酸化物530に接して設けることにより、酸化物530中の酸素欠損を低減し、トランジスタ500の信頼性を向上させることができる。なお、本明細書等では、金属酸化物中の酸素欠損をVO(oxygen vacancy)と呼称する場合がある。
金属酸化物を用いたトランジスタは、金属酸化物中のチャネルが形成される領域に不純物または酸素欠損(VO)が存在すると、電気特性が変動しやすく、信頼性が悪くなる場合がある。また、酸素欠損(VO)近傍の水素が、酸素欠損(VO)に水素が入った欠陥(以下、VOHと呼称する場合がある。)を形成し、キャリアとなる電子を生成する場合がある。このため、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域に酸素欠損が含まれていると、トランジスタはノーマリーオン特性(ゲート電極に電圧を印加しなくてもチャネルが存在し、トランジスタに電流が流れる特性)となりやすい。したがって、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域では、不純物、酸素欠損、およびVOHはできる限り低減されていることが好ましい。言い換えると、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域は、キャリア濃度が低減され、i型(真性化)または実質的にi型であることが好ましい。
過剰酸素領域を有する絶縁体として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を用いることが好ましい。加熱により酸素を脱離する酸化物とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm3以上、好ましくは1.0×1019atoms/cm3以上、さらに好ましくは2.0×1019atoms/cm3以上、又は3.0×1020atoms/cm3以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、又は100℃以上400℃以下の範囲が好ましい。
また、上記過剰酸素領域を有する絶縁体と、酸化物530と、を接して加熱処理、マイクロ波処理、またはRF処理のいずれか一または複数の処理を行っても良い。当該処理を行うことで、酸化物530中の水、または水素を除去することができる。例えば、酸化物530において、VoHの結合が切断される反応が起きる、別言すると「VOH→VO+H」という反応が起きて、脱水素化することができる。このとき発生した水素の一部は、酸素と結合してH2Oとして、酸化物530、または酸化物530近傍の絶縁体から除去される場合がある。また、水素の一部は、導電体542a、及び導電体542bに拡散または捕獲(ゲッタリングともいう)される場合がある。
また、上記マイクロ波処理は、例えば、高密度プラズマを発生させる電源を有する装置、または、基板側にRFを印加する電源を有する装置を用いると好適である。例えば、酸素を含むガスを用い、且つ高密度プラズマを用いることより、高密度の酸素ラジカルを生成することができ、基板側にRFを印加することで、高密度プラズマによって生成された酸素ラジカルを、効率よく酸化物530、または酸化物530近傍の絶縁体中に導入することができる。また、上記マイクロ波処理は、圧力を133Pa以上、好ましくは200Pa以上、さらに好ましくは400Pa以上とすればよい。また、マイクロ波処理を行う装置内に導入するガスとしては、例えば、酸素と、アルゴンとを用い、酸素流量比(O2/(O2+Ar))が50%以下、好ましくは10%以上30%以下で行うとよい。
また、トランジスタ500の作製工程中において、酸化物530の表面が露出した状態で、加熱処理を行うと好適である。当該加熱処理は、例えば、100℃以上450℃以下、より好ましくは350℃以上400℃以下で行えばよい。なお、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気、または酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、もしくは10%以上含む雰囲気で行う。例えば、加熱処理は酸素雰囲気で行うことが好ましい。これにより、酸化物530に酸素を供給して、酸素欠損(VO)の低減を図ることができる。また、加熱処理は減圧状態で行ってもよい。または、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、または10%以上含む雰囲気で行ってもよい。または、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、または10%以上含む雰囲気で加熱処理した後に、連続して窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理を行ってもよい。
なお、酸化物530に加酸素化処理を行うことで、酸化物530中の酸素欠損を、供給された酸素により修復させる、別言すると「VO+O→null」という反応を促進させることができる。さらに、酸化物530中に残存した水素に供給された酸素が反応することで、当該水素をH2Oとして除去する(脱水化する)ことができる。これにより、酸化物530中に残存していた水素が酸素欠損に再結合してVOHが形成されるのを抑制することができる。
また、絶縁体524が、過剰酸素領域を有する場合、絶縁体522は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)ことが好ましい。
絶縁体522が、酸素、不純物などの拡散を抑制する機能を有することで、酸化物530が有する酸素は、絶縁体520側へ拡散することがなく、好ましい。また、導電体503が、絶縁体524、及び酸化物530が有する酸素と反応することを抑制することができる。
絶縁体522は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、又は(Ba,Sr)TiO3(BST)などのいわゆるhigh-k材料を含む絶縁体を単層又は積層で用いることが好ましい。トランジスタの微細化、及び高集積化が進むと、ゲート絶縁膜の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁膜として機能する絶縁体にhigh-k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。
特に、不純物、及び酸素などの拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)絶縁性材料であるアルミニウム、ハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体を用いるとよい。アルミニウム、ハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。このような材料を用いて絶縁体522を形成した場合、絶縁体522は、酸化物530からの酸素の放出、トランジスタ500の周辺部から酸化物530への水素等の不純物の混入などを抑制する層として機能する。
又は、これらの絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。又はこれらの絶縁体を窒化処理してもよい。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコン又は窒化シリコンを積層して用いてもよい。
また、絶縁体520は、熱的に安定していることが好ましい。例えば、酸化シリコン及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、好適である。また、high-k材料の絶縁体と、酸化シリコン又は酸化窒化シリコンと、を組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造の絶縁体520を得ることができる。
なお、図8A、及び図8Bのトランジスタ500では、3層の積層構造からなる第2のゲート絶縁膜として、絶縁体520、絶縁体522、及び絶縁体524が図示されているが、第2のゲート絶縁膜は、単層、2層、又は4層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。
トランジスタ500は、チャネル形成領域を含む酸化物530に、酸化物半導体として機能する金属酸化物を用いることが好ましい。例えば、酸化物530として、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。特に、酸化物530として適用できるIn-M-Zn酸化物は、CAAC-OS(C-Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、CAC-OS(Cloud-Aligned Composite Oxide Semiconductor)であることが好ましい。また、酸化物530として、In-Ga酸化物、In-Zn酸化物、In酸化物などを用いてもよい。
また、トランジスタ500には、キャリア濃度の低い金属酸化物を用いることが好ましい。金属酸化物のキャリア濃度を低くする場合においては、金属酸化物中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性という。なお、金属酸化物中の不純物としては、例えば、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
特に、金属酸化物に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、金属酸化物中に酸素欠損を形成する場合がある。また、酸化物530中の酸素欠損に水素が入った場合、酸素欠損と水素とが結合しVOHを形成する場合がある。VOHはドナーとして機能し、キャリアである電子が生成されることがある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成する場合がある。従って、水素が多く含まれている金属酸化物を用いたトランジスタは、ノーマリーオン特性となりやすい。また、金属酸化物中の水素は、熱、電界などのストレスによって動きやすいため、金属酸化物に多くの水素が含まれると、トランジスタの信頼性が悪化する恐れもある。本発明の一態様においては、酸化物530中のVOHをできる限り低減し、高純度真性または実質的に高純度真性にすることが好ましい。このように、VOHが十分低減された金属酸化物を得るには、金属酸化物中の水分、水素などの不純物を除去すること(脱水、脱水素化処理と記載する場合がある。)と、金属酸化物に酸素を供給して酸素欠損を補填すること(加酸素化処理と記載する場合がある。)が重要である。VOHなどの不純物が十分に低減された金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
酸素欠損に水素が入った欠陥は、金属酸化物のドナーとして機能しうる。しかしながら、当該欠陥を定量的に評価することは困難である。そこで、金属酸化物においては、ドナー濃度ではなく、キャリア濃度で評価される場合がある。よって、本明細書等では、金属酸化物のパラメータとして、ドナー濃度ではなく、電界が印加されない状態を想定したキャリア濃度を用いる場合がある。つまり、本明細書等に記載の「キャリア濃度」は、「ドナー濃度」と言い換えることができる場合がある。
よって、金属酸化物を酸化物530に用いる場合、金属酸化物中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、金属酸化物において、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。水素などの不純物が十分に低減された金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
また、酸化物530に金属酸化物を用いる場合、当該金属酸化物は、バンドギャップが大きく、真性(I型ともいう。)、又は実質的に真性である半導体であって、かつチャネル形成領域の金属酸化物のキャリア濃度は、1×1018cm-3未満であることが好ましく、1×1017cm-3未満であることがより好ましく、1×1016cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1013cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1012cm-3未満であることがさらに好ましい。なお、チャネル形成領域の金属酸化物のキャリア濃度の下限値については、特に限定は無いが、例えば、1×10-9cm-3とすることができる。
また、酸化物530に金属酸化物を用いる場合、導電体542a及び導電体542bと酸化物530とが接することで、酸化物530中の酸素が導電体542a及び導電体542bへ拡散し、導電体542a及び導電体542bが酸化する場合がある。導電体542a及び導電体542bが酸化することで、導電体542a及び導電体542bの導電率が低下する蓋然性が高い。なお、酸化物530中の酸素が導電体542a及び導電体542bへ拡散することを、導電体542a及び導電体542bが酸化物530中の酸素を吸収する、と言い換えることができる。
また、酸化物530中の酸素が導電体542a及び導電体542bへ拡散することで、導電体542aと酸化物530bとの間、および、導電体542bと酸化物530bとの間に異層が形成される場合がある。当該異層は、導電体542a及び導電体542bよりも酸素を多く含むため、当該異層は絶縁性を有すると推定される。このとき、導電体542a又は導電体542bと、当該異層と、酸化物530bとの3層構造は、金属-絶縁体-半導体からなる3層構造とみなすことができ、MIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造と呼称する、またはMIS構造を主としたダイオード接合構造と呼称する場合がある。
なお、上記異層は、導電体542a及び導電体542bと酸化物530bとの間に形成されることに限られず、例えば、異層が、導電体542a及び導電体542bと酸化物530cとの間に形成される場合がある。
酸化物530においてチャネル形成領域として機能する金属酸化物は、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
酸化物530は、酸化物530b下に酸化物530aを有することで、酸化物530aよりも下方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。また、酸化物530b上に酸化物530cを有することで、酸化物530cよりも上方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。
なお、酸化物530は、各金属原子の原子数比が異なる複数の酸化物層により、積層構造を有することが好ましい。具体的には、酸化物530aに用いる金属酸化物において、構成元素中の元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、構成元素中の元素Mの原子数比より、大きいことが好ましい。また、酸化物530aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物530aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530cは、酸化物530a又は酸化物530bに用いることができる金属酸化物を、用いることができる。
具体的には、酸化物530aとして、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:4、または1:1:0.5の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物530bとして、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3、または1:1:1の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物530cとして、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:4、またGaとZnの原子数比がGa:Zn=2:1、またはGa:Zn=2:5の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物530cを積層構造とする場合の具体例としては、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3と、In:Ga:Zn=1:3:4との積層構造、またGaとZnの原子数比がGa:Zn=2:1と、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3との積層構造、GaとZnの原子数比がGa:Zn=2:5と、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3との積層構造、酸化ガリウムと、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3との積層構造などが挙げられる。
また、例えば、酸化物530aに用いる金属酸化物における元素Mに対するInの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における元素Mに対するInの原子数比より小さい場合、酸化物530bとして、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=5:1:6またはその近傍、In:Ga:Zn=5:1:3またはその近傍、In:Ga:Zn=10:1:3またはその近傍などの組成であるIn-Ga-Zn酸化物を用いることができる。
また、上述した以外の組成としては、酸化物530bには、例えば、In:Zn=2:1の組成、In:Zn=5:1の組成、In:Zn=10:1の組成、これらのいずれか一の近傍の組成などを有する金属酸化物を用いることができる。
これらの酸化物530a、酸化物530b、酸化物530cを上記の原子数比の関係を満たして組み合わせることが好ましい。例えば、酸化物530a、および酸化物530cを、In:Ga:Zn=1:3:4の組成およびその近傍の組成を有する金属酸化物、酸化物530bを、In:Ga:Zn=4:2:3から4.1の組成およびその近傍の組成を有する金属酸化物とすることが好ましい。なお、上記組成は、基体上に形成された酸化物中の原子数比、またはスパッタターゲットにおける原子数比を示す。また、酸化物530bの組成として、Inの比率を高めることで、トランジスタのオン電流、または電界効果移動度などを高めることが出来るため好適である。
また、酸化物530a及び酸化物530cの伝導帯下端のエネルギーが、酸化物530bの伝導帯下端のエネルギーより高くなることが好ましい。また、言い換えると、酸化物530a及び酸化物530cの電子親和力が、酸化物530bの電子親和力より小さいことが好ましい。
ここで、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの接合部において、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの接合部における伝導帯下端のエネルギー準位は、連続的に変化又は連続接合するともいうことができる。このようにするためには、酸化物530aと酸化物530bとの界面、及び酸化物530bと酸化物530cとの界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、酸化物530aと酸化物530b、酸化物530bと酸化物530cが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物530bがIn-Ga-Zn酸化物の場合、酸化物530a及び酸化物530cとして、In-Ga-Zn酸化物、Ga-Zn酸化物、酸化ガリウムなどを用いるとよい。
このとき、キャリアの主たる経路は酸化物530bとなる。酸化物530a、酸化物530cを上述の構成とすることで、酸化物530aと酸化物530bとの界面、及び酸化物530bと酸化物530cとの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。そのため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さくなり、トランジスタ500は高いオン電流を得られる。
酸化物530b上には、ソース電極、及びドレイン電極として機能する導電体542a、及び導電体542bが設けられる。導電体542a、及び導電体542bとしては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウム、イリジウム、ストロンチウム、ランタンから選ばれた金属元素、又は上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いることが好ましい。例えば、窒化タンタル、窒化チタン、タングステン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物などを用いることが好ましい。また、窒化タンタル、窒化チタン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物は、酸化しにくい導電性材料、又は、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、好ましい。更に、窒化タンタルなどの金属窒化物膜は、水素又は酸素に対するバリア性があるため好ましい。
また、図8A、及び図8Bでは、導電体542a、及び導電体542bを単層構造として示したが、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、窒化タンタル膜とタングステン膜を積層するとよい。また、チタン膜とアルミニウム膜を積層してもよい。また、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅-マグネシウム-アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造としてもよい。
また、チタン膜又は窒化チタン膜と、そのチタン膜又は窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜又は窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜又は窒化モリブデン膜と、そのモリブデン膜又は窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜又は窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫又は酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよい。
また、図8Aに示すように、酸化物530の、導電体542a及び導電体542bとの界面とその近傍には、それぞれ、低抵抗領域として、領域543a、及び領域543bが形成される場合がある。このとき、領域543aはソース領域又はドレイン領域の一方として機能し、領域543bはソース領域又はドレイン領域の他方として機能する。また、領域543aと領域543bに挟まれる領域にチャネル形成領域が形成される。
酸化物530と接するように導電体542a(導電体542b)を設けることで、領域543a(領域543b)の酸素濃度が低減する場合がある。また、領域543a(領域543b)に導電体542a(導電体542b)に含まれる金属と、酸化物530の成分とを含む金属化合物層が形成される場合がある。このような場合、領域543a(領域543b)のキャリア濃度が増加し、領域543a(領域543b)は、低抵抗領域となる。
絶縁体544は、導電体542a、及び導電体542bを覆うように設けられ、導電体542a、及び導電体542bの酸化を抑制する。このとき、絶縁体544は、酸化物530及び絶縁体524のそれぞれの側面を覆い、絶縁体522と接するように設けられてもよい。
絶縁体544として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、ネオジム、ランタン又は、マグネシウムなどから選ばれた一種、又は二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。また、絶縁体544として、窒化酸化シリコン又は窒化シリコンなども用いることができる。
特に、絶縁体544として、アルミニウム、又はハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体である、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム、及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。特に、ハフニウムアルミネートは、酸化ハフニウム膜よりも、耐熱性が高い。そのため、後の工程での熱処理において、結晶化しにくいため好ましい。なお、導電体542a、及び導電体542bが耐酸化性を有する材料、又は、酸素を吸収しても著しく導電性が低下しない場合、絶縁体544は、必須の構成ではない。求めるトランジスタ特性により、適宜設計すればよい。
絶縁体544を有することで、絶縁体580に含まれる水、及び水素などの不純物が酸化物530bに拡散することを抑制することができる。また、絶縁体580が有する過剰酸素により、導電体560が酸化するのを抑制することができる。
絶縁体550は、第1のゲート絶縁膜として機能する。絶縁体550は、酸化物530cの内側(上面、及び側面)に接して配置することが好ましい。絶縁体550は、上述した絶縁体524と同様に、過剰に酸素を含み、かつ加熱により酸素が放出される絶縁体を用いて形成することが好ましい。
具体的には、過剰酸素を有する酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素、及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンを用いることができる。特に、酸化シリコン、及び酸化窒化シリコンは熱に対し安定であるため好ましい。
加熱により酸素が放出される絶縁体を、絶縁体550として、酸化物530cの上面に接して設けることにより、絶縁体550から、酸化物530cを通じて、酸化物530bのチャネル形成領域に効果的に酸素を供給することができる。また、絶縁体524と同様に、絶縁体550中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁体550の膜厚は、1nm以上20nm以下とすることが好ましい。
また、絶縁体550が有する過剰酸素を、効率的に酸化物530へ供給するために、絶縁体550と導電体560との間に金属酸化物を設けてもよい。当該金属酸化物は、絶縁体550から導電体560への酸素拡散を抑制することが好ましい。酸素の拡散を抑制する金属酸化物を設けることで、絶縁体550から導電体560への過剰酸素の拡散が抑制される。つまり、酸化物530へ供給する過剰酸素量の減少を抑制することができる。また、過剰酸素による導電体560の酸化を抑制することができる。当該金属酸化物としては、絶縁体544に用いることができる材料を用いればよい。
なお、絶縁体550は、第2のゲート絶縁膜と同様に、積層構造としてもよい。トランジスタの微細化、及び高集積化が進むと、ゲート絶縁膜の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合があるため、ゲート絶縁膜として機能する絶縁体を、high-k材料と、熱的に安定している材料との積層構造とすることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。また、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。
第1のゲート電極として機能する導電体560は、図8A、及び図8Bでは2層構造として示しているが、単層構造でもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。
導電体560aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2など)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。導電体560aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、絶縁体550に含まれる酸素により、導電体560bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、又は酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。また、導電体560aとして、酸化物530に適用できる酸化物半導体を用いることができる。その場合、導電体560bをスパッタリング法で成膜することで、導電体560aの電気抵抗値を低下させて導電体にすることができる。これをOC(Oxide Conductor)電極と呼称することができる。
また、導電体560bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電体560bは、配線としても機能するため、導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体560bは積層構造としてもよく、例えば、チタン、又は窒化チタンと上記導電性材料との積層構造としてもよい。
絶縁体580は、絶縁体544を介して、導電体542a、及び導電体542b上に設けられる。絶縁体580は、過剰酸素領域を有することが好ましい。例えば、絶縁体580として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素、及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコン、又は樹脂などを有することが好ましい。特に、酸化シリコン、及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため好ましい。特に、酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンは、後の工程で、容易に過剰酸素領域を形成することができるため好ましい。
絶縁体580は、過剰酸素領域を有することが好ましい。加熱により酸素が放出される絶縁体580を、酸化物530cと接して設けることで、絶縁体580中の酸素を、酸化物530cを通じて、酸化物530へと効率良く供給することができる。なお、絶縁体580中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
絶縁体580の開口は、導電体542aと導電体542bの間の領域に重畳して形成される。これにより、導電体560は、絶縁体580の開口、及び導電体542aと導電体542bに挟まれた領域に、埋め込まれるように形成される。
記憶装置を微細化するに当たり、ゲート長を短くすることが求められるが、導電体560の導電性が下がらないようにする必要がある。そのために導電体560の膜厚を大きくすると、導電体560はアスペクト比が高い形状となりうる。本実施の形態では、導電体560を絶縁体580の開口に埋め込むように設けるため、導電体560をアスペクト比の高い形状にしても、工程中に導電体560を倒壊させることなく、形成することができる。
絶縁体574は、絶縁体580の上面、導電体560の上面、及び絶縁体550の上面に接して設けられることが好ましい。絶縁体574をスパッタリング法で成膜することで、絶縁体550、及び絶縁体580へ過剰酸素領域を設けることができる。これにより、当該過剰酸素領域から、酸化物530中に酸素を供給することができる。
例えば、絶縁体574として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。
特に、酸化アルミニウムはバリア性が高く、0.5nm以上3.0nm以下の薄膜であっても、水素、及び窒素の拡散を抑制することができる。したがって、スパッタリング法で成膜した酸化アルミニウムは、酸素供給源であるとともに、水素などの不純物のバリア膜としての機能も有することができる。
トランジスタ500を囲むように、かつ絶縁体513が露出するように、絶縁体574、絶縁体580、絶縁体544、絶縁体522、絶縁体520、絶縁体516、及び絶縁体514の一部分を除去して開口を形成し、水素、または水に対するバリア性が高い絶縁体576を形成する。このため、絶縁体574、絶縁体580、絶縁体544、絶縁体522、絶縁体520、絶縁体516、及び絶縁体514のそれぞれの側面は、絶縁体576と接する。これにより、トランジスタ500に対して、外部から水分、および水素が侵入することを防止することができる。
絶縁体513及び絶縁体576は、上述したとおり、水素(例えば、水素原子、水素分子などの少なくとも一)又は水分子の拡散を抑制する機能が高いことが好ましい。例えば、絶縁体513及び絶縁体576として、水素バリア性が高い材料である、窒化シリコン又は窒化酸化シリコンを用いることが好ましい。これにより、酸化物530に水素等が拡散することを抑制することができるので、トランジスタ500の特性が低下することを抑制することができる。よって、本発明の一態様の記憶装置の信頼性を高めることができる。
また、絶縁体576の上に、層間膜、平坦化膜として機能する絶縁体581を設けることが好ましい。絶縁体581は、絶縁体524などと同様に、膜中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
また、絶縁体581、絶縁体576、絶縁体574、絶縁体580、及び絶縁体544に形成された開口の側面に、絶縁体552が設けられる。そして、絶縁体552の側面と当該開口の底面に接するように、導電体540a及び導電体540bが設けられる。なお、図8Aでは、導電体540a及び導電体540bは、導電体560を挟んで対向して設けられている。
絶縁体552は、例えば、絶縁体581、絶縁体576、絶縁体574、絶縁体580、及び絶縁体544に接して設けられる。絶縁体552は、水素又は水分子の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。たとえば、絶縁体552として、水素バリア性が高い材料である、窒化シリコン、酸化アルミニウム、又は窒化酸化シリコン等の絶縁体を用いることが好ましい。特に、窒化シリコンは水素バリア性が高い材料であるので、絶縁体552として用いると好適である。絶縁体552として水素バリア性が高い材料を用いることにより、水又は水素等の不純物が、絶縁体580等から導電体540a及び導電体540bを通じて酸化物530に拡散することを抑制することができる。また、絶縁体580に含まれる酸素が導電体540a及び導電体540bに吸収されることを抑制することができる。以上により、本発明の一態様の記憶装置の信頼性を高めることができる。
導電体540a、及び導電体540bとしては、例えば、導電体328、導電体330、導電体503などと同様の材料を用いて設けることができる。特に、導電体540a、及び導電体540bのそれぞれは、2層以上の積層構造として、絶縁体552に接する1層目には、水素原子、水素分子、水分子、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい。)導電性材料を形成し、2層目以降にはタングステン、銅、アルミニウムなどを主成分とする、導電性が高い導電性材料を形成することが好ましい。
図7において、絶縁体581上には、絶縁体582が設けられている。絶縁体582は、酸素、及び/又は水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。したがって、絶縁体582には、絶縁体514と同様の材料を用いることができる。例えば、絶縁体582には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、及びトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中及び作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ500への混入を防止することができる。また、トランジスタ500を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ500に対する保護膜として用いることに適している。
また、絶縁体582上には、絶縁体586が設けられている。絶縁体586は、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、これらの絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を適用することで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体586として、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、図7、及び図8Aに示す通り、絶縁体520、絶縁体522、絶縁体524、絶縁体544、絶縁体580、絶縁体574、絶縁体576、絶縁体581、絶縁体582、及び絶縁体586には、導電体540a、導電体540b、導電体546等が埋め込まれている。なお、導電体546としては、例えば、導電体540a、及び導電体540bに適用できる材料を用いることができる。
導電体540a、導電体540b、及び導電体546は、トランジスタ500、トランジスタ300、後述する導電体450、導電体460などを接続するプラグ、又は配線として機能する。また、導電体540a、及び導電体540bは、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。特に、図7では、導電体546は、導電体518と接触するように形成されている。
また、導電体540a、導電体540b、導電体546、絶縁体586上に、導電体450を設けてもよい。導電体450は、後述する導電体460、トランジスタ300、トランジスタ500などを接続する配線として機能する。特に、図7では、導電体450は、導電体540a、導電体540b、導電体546などと接触するように形成されている。
導電体450には、例えば、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素を含む金属膜、又は上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化タンタル膜、窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。又は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。
図7では、導電体450は単層構造を示したが、当該構成に限定されず、2層以上の積層構造でもよい。例えば、バリア性を有する導電体と導電性が高い導電体との間に、バリア性を有する導電体、及び導電性が高い導電体に対して密着性が高い導電体を形成してもよい。
次に、メモリ素子400の構成について説明する。なお、本構成例では、メモリ素子400は、図3A、図3BなどのメモリセルMCの抵抗変化デバイスMDに含まれているMTJ素子MEとする。
メモリ素子400は、導電体450上の一部の領域に設けられている。メモリ素子400は、導電体401と、絶縁体402と、導電体403と、導電体404と、を有し、導電体401、絶縁体402、導電体403、及び導電体404は、この順に当該領域に積層されている。
導電体401は、メモリ素子400における自由層であって、図4におけるMTJ素子MEの層FLに相当する。絶縁体402は、メモリ素子400におけるトンネル絶縁体であって、図4におけるMTJ素子MEの層TISに相当する。導電体403は、MTJ素子MEにおける固定層であって、図4におけるMTJ素子MEの層RLに相当する。そのため、導電体401、絶縁体402、及び導電体403のそれぞれに適用できる材料については、図4のMTJ素子MEの説明を参酌する。
導電体404は、導電体401と、絶縁体402と、導電体403と、を形成するためのハードマスクとして設けられたものである。そのため、導電体404は、例えば、導電体328、導電体330などに適用できる材料を用いることができる。
絶縁体452は、絶縁体586と、導電体450と、導電体401と、絶縁体402と、導電体403と、導電体404と、を覆うように設けられている。
絶縁体452としては、例えば、絶縁体324などと同様に、トランジスタ500が設けられる領域に、水、水素などの不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。つまり、絶縁体452としては、絶縁体324などに適用できる材料を用いることが好ましい。
絶縁体452上には、絶縁体454が設けられている。絶縁体454は、導電体450、メモリ素子400、絶縁体452などによって生じる段差を平坦化する平坦化膜として機能する。また、絶縁体454は、例えば、絶縁体454となる絶縁体が絶縁体452上に成膜された後に、化学機械研磨(CMP)法等を用いて、導電体404が露出するまで平坦化処理を行うことで、形成することができる。
絶縁体454、絶縁体452、及び導電体404上には、絶縁体456が設けられている。
絶縁体454、及び絶縁体456としては、例えば、絶縁体326と同様に、比誘電率が比較的低い絶縁体を用いることが好ましい。つまり、絶縁体454、及び絶縁体456としては、絶縁体326に適用できる材料を用いることが好ましい。
絶縁体456には、導電体457が埋め込まれている。また、絶縁体452、絶縁体454、及び絶縁体456には、導電体458が埋め込まれている。なお、導電体457、及び導電体458は、プラグ又は配線としての機能を有する。また、プラグ又は配線としての機能を有する導電体は、複数の構造をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、及び導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
絶縁体456、導電体457、及び導電体458上には、導電体460が設けられている。導電体460は、例えば、メモリ素子400に電気的に接続されている配線とすることができる。具体的には、図4のメモリセルMCに示している配線RBLとすることができる。
導電体460としては、例えば、導電体450に適用できる材料を用いることができる。
絶縁体456上には、絶縁体459が設けられている。また、場合によっては、導電体457、及び/又は導電体458上にも絶縁体459が設けられていてもよい。絶縁体459は、例えば、配線間を分離するための絶縁体として機能する。なお、図7の記憶装置MDVでは、絶縁体459は、化学機械研磨(CMP)法等などの平坦化処理によって、導電体460と同じ高さとなっている。
絶縁体459としては、例えば、例えば、絶縁体326と同様に、比誘電率が比較的低い絶縁体を用いることが好ましい。つまり、絶縁体459としては、絶縁体326に適用できる材料を用いることが好ましい。
また、導電体460、及び絶縁体459上には、絶縁体462が設けられている。
絶縁体462は、例えば、上層と下層のそれぞれの層OSL同士で、水、水素などの不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。そのため、絶縁体462としては、例えば、絶縁体324などと同様に、水、水素などの不純物に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。
また、絶縁体462の上方には、層OSL[2](図示しない。)乃至層OSL[p]が設けられており、層OSL[2]乃至層OSL[p]は、層OSL[1]と同様の工程で作製することができる。このため、絶縁体462は、絶縁体510と同様の材料として、形成してもよい。また、層OSL[2]乃至層OSL[p]を、層OSL[1]と同様の工程で作製することより、層OSL[1]に含まれているメモリセルアレイMCAの上方に、例えば、層OSL[2]乃至層OSL[p]のそれぞれのメモリセルアレイMCAを積層することができる。換言すると、層OSL[1]に含まれているメモリセル600の上方に、層OSL[2]乃至層OSL[p]のそれぞれのメモリセル600を積層することができる。なお、図7に示す記憶装置MDVの構成例は、図1Bの記憶装置MDVに適用することができる。
なお、図7では、メモリセル600を図3AのメモリセルMCとした記憶装置MDVの構成例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。
例えば、メモリセル600を図3CのメモリセルMCとして記憶装置MDVを構成してもよい。図9は、メモリセル600を図3CのメモリセルMCとした記憶装置MDVの構成を示している。
具体的には、図9の記憶装置MDVにおいて、トランジスタ500Aは、図3CのトランジスタM4に相当し、トランジスタ500Bは、トランジスタM3に相当し、メモリ素子400は、抵抗変化デバイスMDに相当する。
ところで、図9の記憶装置MDVにおいて、トランジスタ500Aとトランジスタ500Bは、絶縁体524と、酸化物530aと、酸化物530bと、導電体542a又は導電体542bの一方と、を互いに共有するように形成されている。そして、絶縁体580、及び導電体542には、酸化物530に達する開口部が2か所設けられており、それぞれの開口部に酸化物530cと、絶縁体550と、導電体560と、が設けられている。これにより、トランジスタ500Aの第1端子と、トランジスタ500Bの第1端子と、は導電体542a又は導電体542bの一方を互いに共有する構成として設けることができる。また、トランジスタ500Aとトランジスタ500Bとの形成されている面積を、トランジスタ500Aとトランジスタ500Bとを別々に形成した面積よりも小さくすることができる。これにより、メモリセル600を形成するための領域を小さくすることができるため、ビット密度として1ビット当たりの面積を小さくすることができる。
図9の記憶装置MDVにおいて、トランジスタ500Aの第1端子は、トランジスタ500Bの第1端子に電気的に接続され、トランジスタ500Bの第2端子は、メモリ素子400の第1端子に電気的に接続され、メモリ素子400の第2端子は、トランジスタ500Aの第2端子に電気的に接続されている。
なお、図3Cの配線SLは、例えば、トランジスタ500Aの第1端子と、トランジスタ500Bの第1端子と、に電気的に接続されている導電体450とすることができる。また、図3Cの配線BLは、例えば、トランジスタ500Bの第2端子とメモリ素子400との間に電気的に接続されている導電体450とすることができる。
また、図3Cの配線WLaは、例えば、トランジスタ500Bのゲートに相当する導電体560とすることができる。また、図3Cの配線WLbは、例えば、トランジスタ500Aのゲートに相当する導電体560とすることができる。
また、例えば、メモリセル600を図6A乃至図6CのメモリセルMCとして記憶装置MDVを構成してもよい。図10は、メモリセル600を図6A乃至図6CのメモリセルMCとした記憶装置MDVの構成を示している。
具体的には、図10の記憶装置MDVにおいて、トランジスタ500Aは、図6A乃至図6CのトランジスタM10に相当し、メモリ素子400は、図6AのMTJ素子、図6Bの抵抗変化素子RM、図6Cの相変化メモリPCM1などに相当する。このため、図10の記憶装置MDVにおいて、トランジスタ500Aの第1端子は、メモリ素子400の第1端子に電気的に接続されている。
なお、図6A乃至図6Cの配線SLは、例えば、トランジスタ500Aの第2端子に電気的に接続されている、導電体450とすることができる。また、図6A乃至図6Cの配線BLは、例えば、メモリ素子400の第2端子に電気的に接続されている、導電体460とすることができる。また、図6A乃至図6Cの配線WLは、例えば、トランジスタ500Aのゲートに電気的に接続されている、導電体560とすることができる。
なお、メモリ素子400の構成は、図6A乃至図6CのそれぞれのメモリセルMCごとに異なっている。そのため、図10の記憶装置MDVでは、メモリ素子400が形成されている箇所を縦縞のハッチングで示している。また、図10では、メモリ素子400の側面に絶縁体452が設けられているが、メモリ素子400の構成によっては、メモリ素子400の側面に絶縁体452が設けられていなくてもよい。
上記の構成を、記憶装置として適用することによって、消費電力が低い記憶装置を提供することができる。又は、記憶容量が大きい記憶装置を提供することができる。又は、新規な記憶装置を提供することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明したOSトランジスタに用いることができる金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう。)について説明する。
金属酸化物は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズなどが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウム、コバルトなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
<結晶構造の分類>
まず、酸化物半導体における、結晶構造の分類について、図11Aを用いて説明を行う。図11Aは、酸化物半導体、代表的にはIGZO(Inと、Gaと、Znと、を含む金属酸化物)の結晶構造の分類を説明する図である。
図11Aに示すように、酸化物半導体は、大きく分けて「Amorphous(無定形)」と、「Crystalline(結晶性)」と、「Crystal(結晶)」と、に分類される。また、「Amorphous」の中には、completely amorphousが含まれる。また、「Crystalline」の中には、CAAC(c-axis-aligned crystalline)、nc(nanocrystalline)、及びCAC(Cloud-Aligned Composite)が含まれる(excluding single crystal and poly crystal)。なお、「Crystalline」の分類には、single crystal、poly crystal、及びcompletely amorphousは除かれる。また、「Crystal」の中には、single crystal、及びpoly crystalが含まれる。
なお、図11Aに示す太枠内の構造は、「Amorphous(無定形)」と、「Crystal(結晶)」との間の中間状態であり、新しい境界領域(New crystalline phase)に属する構造である。すなわち、当該構造は、エネルギー的に不安定な「Amorphous(無定形)」、及び「Crystal(結晶)」とは全く異なる構造と言い換えることができる。
なお、膜または基板の結晶構造は、X線回折(XRD:X-Ray Diffraction)スペクトルを用いて評価することができる。ここで、「Crystalline」に分類されるCAAC-IGZO膜のGIXD(Grazing-Incidence XRD)測定で得られるXRDスペクトルを図11Bに示す(縦軸は強度(Intensity)を任意単位(a.u.)で表している)。なお、GIXD法は、薄膜法またはSeemann-Bohlin法ともいう。以降、図11Bに示すGIXD測定で得られるXRDスペクトルを、単にXRDスペクトルと記す場合がある。なお、図11Bに示すCAAC-IGZO膜の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]近傍である。また、図11Bに示すCAAC-IGZO膜の厚さは、500nmである。
図11Bに示すように、CAAC-IGZO膜のXRDスペクトルでは、明確な結晶性を示すピークが検出される。具体的には、CAAC-IGZO膜のXRDスペクトルでは、2θ=31°近傍に、c軸配向を示すピークが検出される。なお、図11Bに示すように、2θ=31°近傍のピークは、ピーク強度が検出された角度を軸に左右非対称である。
また、膜または基板の結晶構造は、極微電子線回折法(NBED:Nano Beam Electron Diffraction)によって観察される回折パターン(極微電子線回折パターンともいう。)にて評価することができる。CAAC-IGZO膜の回折パターンを、図11Cに示す。図11Cは、電子線を基板に対して平行に入射するNBEDによって観察される回折パターンである。なお、図11Cに示すCAAC-IGZO膜の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]近傍である。また、極微電子線回折法では、プローブ径を1nmとして電子線回折が行われる。
図11Cに示すように、CAAC-IGZO膜の回折パターンでは、c軸配向を示す複数のスポットが観察される。
<<酸化物半導体の構造>>
なお、酸化物半導体は、結晶構造に着目した場合、図11Aとは異なる分類となる場合がある。例えば、酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、上述のCAAC-OS、及びnc-OSがある。また、非単結晶酸化物半導体には、多結晶酸化物半導体、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、非晶質酸化物半導体、などが含まれる。
ここで、上述のCAAC-OS、nc-OS、及びa-like OSの詳細について、説明を行う。
[CAAC-OS]
CAAC-OSは、複数の結晶領域を有し、当該複数の結晶領域はc軸が特定の方向に配向している酸化物半導体である。なお、特定の方向とは、CAAC-OS膜の厚さ方向、CAAC-OS膜の被形成面の法線方向、またはCAAC-OS膜の表面の法線方向である。また、結晶領域とは、原子配列に周期性を有する領域である。なお、原子配列を格子配列とみなすと、結晶領域とは、格子配列の揃った領域でもある。さらに、CAAC-OSは、a-b面方向において複数の結晶領域が連結する領域を有し、当該領域は歪みを有する場合がある。なお、歪みとは、複数の結晶領域が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。つまり、CAAC-OSは、c軸配向し、a-b面方向には明らかな配向をしていない酸化物半導体である。
なお、上記複数の結晶領域のそれぞれは、1つまたは複数の微小な結晶(最大径が10nm未満である結晶)で構成される。結晶領域が1つの微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の最大径は10nm未満となる。また、結晶領域が多数の微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の大きさは、数十nm程度となる場合がある。
また、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズ、チタンなどから選ばれた一種、または複数種)において、CAAC-OSは、インジウム(In)、及び酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛(Zn)、及び酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能である。よって、(M,Zn)層にはインジウムが含まれる場合がある。また、In層には元素Mが含まれる場合がある。なお、In層にはZnが含まれる場合もある。当該層状構造は、例えば、高分解能TEM像において、格子像として観察される。
CAAC-OS膜に対し、例えば、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut-of-plane XRD測定では、c軸配向を示すピークが2θ=31°またはその近傍に検出される。なお、c軸配向を示すピークの位置(2θの値)は、CAAC-OSを構成する金属元素の種類、組成などにより変動する場合がある。
また、例えば、CAAC-OS膜の電子線回折パターンにおいて、複数の輝点(スポット)が観測される。なお、あるスポットと別のスポットとは、試料を透過した入射電子線のスポット(ダイレクトスポットともいう。)を対称中心として、点対称の位置に観測される。
上記特定の方向から結晶領域を観察した場合、当該結晶領域内の格子配列は、六方格子を基本とするが、単位格子は正六角形とは限らず、非正六角形である場合がある。また、上記歪みにおいて、五角形、七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリー)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないこと、金属原子が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
なお、明確な結晶粒界が確認される結晶構造は、いわゆる多結晶(polycrystal)と呼ばれる。結晶粒界は、再結合中心となり、キャリアが捕獲されトランジスタのオン電流の低下、電界効果移動度の低下などを引き起こす可能性が高い。よって、明確な結晶粒界が確認されないCAAC-OSは、トランジスタの半導体層に好適な結晶構造を有する結晶性の酸化物の一つである。なお、CAAC-OSを構成するには、Znを有する構成が好ましい。例えば、In-Zn酸化物、及びIn-Ga-Zn酸化物は、In酸化物よりも結晶粒界の発生を抑制できるため好適である。
CAAC-OSは、結晶性が高く、明確な結晶粒界が確認されない酸化物半導体である。よって、CAAC-OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、酸化物半導体の結晶性は不純物の混入、及び欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物、及び欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。従って、CAAC-OSを有する酸化物半導体は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する酸化物半導体は熱に強く、信頼性が高い。また、CAAC-OSは、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対しても安定である。したがって、OSトランジスタにCAAC-OSを用いると、製造工程の自由度を広げることが可能となる。
[nc-OS]
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。別言すると、nc-OSは、微小な結晶を有する。なお、当該微小な結晶の大きさは、例えば、1nm以上10nm以下、特に1nm以上3nm以下であることから、当該微小な結晶をナノ結晶ともいう。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OS、及び非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。例えば、nc-OS膜に対し、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut-of-plane XRD測定では、結晶性を示すピークが検出されない。また、nc-OS膜に対し、ナノ結晶よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折(制限視野電子線回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc-OS膜に対し、ナノ結晶の大きさと近いかナノ結晶より小さいプローブ径(例えば1nm以上30nm以下)の電子線を用いる電子線回折(ナノビーム電子線回折ともいう。)を行うと、ダイレクトスポットを中心とするリング状の領域内に複数のスポットが観測される電子線回折パターンが取得される場合がある。
[a-like OS]
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a-like OSは、鬆又は低密度領域を有する。即ち、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。また、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、膜中の水素濃度が高い。
<<酸化物半導体の構成>>
次に、上述のCAC-OSの詳細について、説明を行う。なお、CAC-OSは材料構成に関する。
[CAC-OS]
CAC-OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つまたは複数の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
さらに、CAC-OSとは、第1の領域と、第2の領域と、に材料が分離することでモザイク状となり、当該第1の領域が、膜中に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。つまり、CAC-OSは、当該第1の領域と、当該第2の領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。
ここで、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSを構成する金属元素に対するIn、Ga、およびZnの原子数比のそれぞれを、[In]、[Ga]、および[Zn]と表記する。例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSにおいて、第1の領域は、[In]が、CAC-OS膜の組成における[In]よりも大きい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、CAC-OS膜の組成における[Ga]よりも大きい領域である。または、例えば、第1の領域は、[In]が、第2の領域における[In]よりも大きく、且つ、[Ga]が、第2の領域における[Ga]よりも小さい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、第1の領域における[Ga]よりも大きく、且つ、[In]が、第1の領域における[In]よりも小さい領域である。
具体的には、上記第1の領域は、インジウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物などが主成分である領域である。また、上記第2の領域は、ガリウム酸化物、ガリウム亜鉛酸化物などが主成分である領域である。つまり、上記第1の領域を、Inを主成分とする領域と言い換えることができる。また、上記第2の領域を、Gaを主成分とする領域と言い換えることができる。
なお、上記第1の領域と、上記第2の領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、Inを主成分とする領域(第1の領域)と、Gaを主成分とする領域(第2の領域)とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC-OSをトランジスタに用いる場合、第1の領域に起因する導電性と、第2の領域に起因する絶縁性とが、相補的に作用することにより、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OSに付与することができる。つまり、CAC-OSとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。導電性の機能と絶縁性の機能とを分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。よって、CAC-OSをトランジスタに用いることで、高いオン電流(Ion)、高い電界効果移動度(μ)、および良好なスイッチング動作を実現することができる。
酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、CAC-OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
<酸化物半導体を有するトランジスタ>
続いて、上記酸化物半導体をトランジスタに用いる場合について説明する。
上記酸化物半導体をトランジスタに用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
トランジスタには、キャリア濃度の低い酸化物半導体を用いることが好ましい。例えば、酸化物半導体のキャリア濃度は1×1017cm-3以下、好ましくは1×1015cm-3以下、さらに好ましくは1×1013cm-3以下、より好ましくは1×1011cm-3以下、さらに好ましくは1×1010cm-3未満であり、1×10-9cm-3以上である。なお、酸化物半導体膜のキャリア濃度を低くする場合においては、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性又は実質的に高純度真性と言う。なお、キャリア濃度の低い酸化物半導体を、高純度真性又は実質的に高純度真性な酸化物半導体を呼称する場合がある。
また、高純度真性又は実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体にチャネル形成領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減することが有効である。また、酸化物半導体中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
<不純物>
ここで、酸化物半導体中における各不純物の影響について説明する。
酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコン、又は炭素が含まれると、酸化物半導体において欠陥準位が形成される。このため、酸化物半導体におけるシリコン、又は炭素の濃度と、酸化物半導体との界面近傍のシリコン、又は炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体にアルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア濃度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を半導体に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。または、酸化物半導体において、窒素が含まれると、トラップ準位が形成される場合がある。この結果、トランジスタの電気特性が不安定となる場合がある。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体中の窒素濃度を、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満にする。
不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態は、上記実施の形態に示す記憶装置などが形成された半導体ウェハ、及び当該記憶装置が組み込まれた電子部品の一例を示す。
<半導体ウェハ>
初めに、記憶装置などが形成された半導体ウェハの例を、図12Aを用いて説明する。
図12Aに示す半導体ウェハ4800は、ウェハ4801と、ウェハ4801の上面に設けられた複数の回路部4802と、を有する。なお、ウェハ4801の上面において、回路部4802の無い部分は、スペーシング4803であり、ダイシング用の領域である。
半導体ウェハ4800は、ウェハ4801の表面に対して、前工程によって複数の回路部4802を形成することで作製することができる。また、その後に、ウェハ4801の複数の回路部4802が形成された反対側の面を研削して、ウェハ4801を薄膜化してもよい。この工程により、ウェハ4801の反りなどを低減し、部品としての小型化を図ることができる。
次の工程としては、ダイシング工程が行われる。ダイシングは、一点鎖線で示したスクライブラインSCL1及びスクライブラインSCL2(ダイシングライン、又は切断ラインと呼ぶ場合がある)に沿って行われる。なお、スペーシング4803は、ダイシング工程を容易に行うために、複数のスクライブラインSCL1が平行になるように設け、複数のスクライブラインSCL2が平行になるように設け、スクライブラインSCL1とスクライブラインSCL2が垂直になるように設けるのが好ましい。
ダイシング工程を行うことにより、図12Bに示すようなチップ4800aを、半導体ウェハ4800から切り出すことができる。チップ4800aは、ウェハ4801aと、回路部4802と、スペーシング4803aと、を有する。なお、スペーシング4803aは、極力小さくなるようにするのが好ましい。この場合、隣り合う回路部4802の間のスペーシング4803の幅が、スクライブラインSCL1の切りしろと、又はスクライブラインSCL2の切りしろとほぼ同等の長さであればよい。
なお、本発明の一態様の素子基板の形状は、図12Aに図示した半導体ウェハ4800の形状に限定されない。例えば、矩形の形状の半導体ウェハあってもよい。素子基板の形状は、素子の作製工程、及び素子を作製するための装置に応じて、適宜変更することができる。
<電子部品>
図12Cに電子部品4700および電子部品4700が実装された基板(実装基板4704)の斜視図を示す。図12Cに示す電子部品4700は、モールド4711内にチップ4800aを有している。なお、図12Cに示すチップ4800aには、回路部4802が積層された構成を示している。つまり、回路部4802として、上記の実施の形態で説明した記憶装置を適用することができる。図12Cは、電子部品4700の内部を示すために、一部を省略している。電子部品4700は、モールド4711の外側にランド4712を有する。ランド4712は電極パッド4713と電気的に接続され、電極パッド4713はチップ4800aとワイヤ4714によって電気的に接続されている。電子部品4700は、例えばプリント基板4702に実装される。このような電子部品が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板4702上で電気的に接続されることで実装基板4704が完成する。
図12Dに電子部品4730の斜視図を示す。電子部品4730は、SiP(System in package)またはMCM(Multi Chip Module)の一例である。電子部品4730は、パッケージ基板4732(プリント基板)上にインターポーザ4731が設けられ、インターポーザ4731上に半導体装置4735、および複数の半導体装置4710が設けられている。
電子部品4730では、半導体装置4710を有する。半導体装置4710としては、例えば、上記実施の形態で説明した記憶装置、広帯域メモリ(HBM:High Bandwidth Memory)などとすることができる。また、半導体装置4735は、CPU、GPU、FPGA、記憶装置などの集積回路(半導体装置)を用いることができる。
パッケージ基板4732は、セラミック基板、プラスチック基板、またはガラスエポキシ基板などを用いることができる。インターポーザ4731は、シリコンインターポーザ、樹脂インターポーザなどを用いることができる。
インターポーザ4731は、複数の配線を有し、端子ピッチの異なる複数の集積回路を電気的に接続する機能を有する。複数の配線は、単層または多層で設けられる。また、インターポーザ4731は、インターポーザ4731上に設けられた集積回路をパッケージ基板4732に設けられた電極と電気的に接続する機能を有する。これらのことから、インターポーザを「再配線基板」または「中間基板」と呼ぶ場合がある。また、インターポーザ4731に貫通電極を設けて、当該貫通電極を用いて集積回路とパッケージ基板4732を電気的に接続する場合もある。また、シリコンインターポーザでは、貫通電極として、TSV(Through Silicon Via)を用いることも出来る。
インターポーザ4731としてシリコンインターポーザを用いることが好ましい。シリコンインターポーザでは能動素子を設ける必要が無いため、集積回路よりも低コストで作製することができる。一方で、シリコンインターポーザの配線形成は半導体プロセスで行なうことができるため、樹脂インターポーザでは難しい微細配線の形成が容易である。
HBMでは、広いメモリバンド幅を実現するために多くの配線を接続する必要がある。このため、HBMを実装するインターポーザには、微細かつ高密度の配線形成が求められる。よって、HBMを実装するインターポーザには、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
また、シリコンインターポーザを用いたSiP、MCMなどでは、集積回路とインターポーザ間の膨張係数の違いによる信頼性の低下が生じにくい。また、シリコンインターポーザは表面の平坦性が高いため、シリコンインターポーザ上に設ける集積回路とシリコンインターポーザ間の接続不良が生じにくい。特に、インターポーザ上に複数の集積回路を横に並べて配置する2.5Dパッケージ(2.5次元実装)では、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
また、電子部品4730と重ねてヒートシンク(放熱板)を設けてもよい。ヒートシンクを設ける場合は、インターポーザ4731上に設ける集積回路の高さを揃えることが好ましい。例えば、本実施の形態に示す電子部品4730では、半導体装置4710と半導体装置4735の高さを揃えることが好ましい。
電子部品4730を他の基板に実装するため、パッケージ基板4732の底部に電極4733を設けてもよい。図12Dでは、電極4733を半田ボールで形成する例を示している。パッケージ基板4732の底部に半田ボールをマトリクス状に設けることで、BGA(Ball Grid Array)実装を実現できる。また、電極4733を導電性のピンで形成してもよい。パッケージ基板4732の底部に導電性のピンをマトリクス状に設けることで、PGA(Pin Grid Array)実装を実現できる。
電子部品4730は、BGAおよびPGAに限らず様々な実装方法を用いて他の基板に実装することができる。例えば、SPGA(Staggered Pin Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、QFP(Quad Flat Package)、QFJ(Quad Flat J-leaded package)、またはQFN(Quad Flat Non-leaded package)などの実装方法を用いることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記の実施の形態の記憶装置を備えることができるCPUについて説明する。
図13は、上記の実施の形態で説明した記憶装置を一部に用いたCPUの一例の構成を示すブロック図である。
図13に示すCPUは、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arithmetic logic unit、演算回路)、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース1198(Bus I/F)、書き換え可能なROM1199、及びROMインターフェース1189(ROM I/F)を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。ROM1199及びROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよい。もちろん、図13に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。例えば、図13に示すCPUまたは演算回路を含む構成を一つのコアとし、当該コアを複数含み、それぞれのコアが並列で動作するような構成、つまりGPUのような構成としてもよい。また、CPUが内部演算回路、データバスなどで扱えるビット数は、例えば8ビット、16ビット、32ビット、64ビットなどとすることができる。
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクションデコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195に入力される。
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御するための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置、周辺回路などからの割り込み要求を、その優先度、マスク状態などから判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出し、書き込みを行なう。
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、及びレジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミングコントローラ1195は、基準クロック信号を元に、内部クロック信号を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号を上記各種回路に供給する。
図13に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レジスタ1196は、例えば、先の実施の形態に示した記憶装置などを有してもよい。
図13に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191からの指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。すなわち、レジスタ1196が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保持が選択されている場合、レジスタ1196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した記憶装置を有する電子機器の一例について説明する。なお、図14A乃至図14J、図15A乃至図15Eには、当該記憶装置を有する電子部品4700が各電子機器に含まれている様子を図示している。
[携帯電話]
図14Aに示す情報端末5500は、情報端末の一種である携帯電話(スマートフォン)である。情報端末5500は、筐体5510と、表示部5511と、を有しており、入力用インターフェースとして、タッチパネルが表示部5511に備えられ、ボタンが筐体5510に備えられている。
情報端末5500は、上記実施の形態で説明した記憶装置を適用することで、アプリケーションの実行時に生成される一時的なファイル(例えば、ウェブブラウザの使用時のキャッシュなど)を保持することができる。
[ウェアラブル端末]
また、図14Bには、ウェアラブル端末の一例である情報端末5900が図示されている。情報端末5900は、筐体5901、表示部5902、操作ボタン5903、操作子5904、バンド5905などを有する。
ウェアラブル端末は、先述した情報端末5500と同様に、上記実施の形態で説明した記憶装置を適用することで、アプリケーションの実行時に生成される一時的なファイルを保持することができる。
[情報端末]
また、図14Cには、デスクトップ型情報端末5300が図示されている。デスクトップ型情報端末5300は、情報端末の本体5301と、ディスプレイ5302と、キーボード5303と、を有する。
デスクトップ型情報端末5300は、先述した情報端末5500と同様に、上記実施の形態で説明した記憶装置を適用することで、アプリケーションの実行時に生成される一時的なファイルを保持することができる。
なお、上述では、電子機器としてスマートフォン、ウェアラブル端末、デスクトップ用情報端末を例として、それぞれ図14A乃至図14Cに図示したが、スマートフォン、ウェアラブル端末、デスクトップ用情報端末以外の情報端末を適用することができる。スマートフォン、ウェアラブル端末、デスクトップ用情報端末以外の情報端末としては、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型情報端末、ワークステーションなどが挙げられる。
[電化製品]
また、図14Dには、電化製品の一例として電気冷凍冷蔵庫5800が図示されている。電気冷凍冷蔵庫5800は、筐体5801、冷蔵室用扉5802、冷凍室用扉5803等を有する。
電気冷凍冷蔵庫5800に上記実施の形態で説明した記憶装置を適用することによって、電気冷凍冷蔵庫5800を、例えば、IoT(Internet of Things)として利用することができる。IoTを利用することによって、電気冷凍冷蔵庫5800は、電気冷凍冷蔵庫5800に保存されている食材、その食材の消費期限などの情報を、インターネットなどを通じて、上述したような情報端末などに送受信することができる。また、電気冷凍冷蔵庫5800は、当該情報を送信する際に、当該情報を一時ファイルとして、当該記憶装置に保持することができる。
本一例では、電化製品として電気冷凍冷蔵庫について説明したが、その他の電化製品としては、例えば、掃除機、電子レンジ、電気オーブン、炊飯器、湯沸かし器、IH調理器、ウォーターサーバ、エアーコンディショナーを含む冷暖房器具、洗濯機、乾燥機、オーディオビジュアル機器などが挙げられる。
[ゲーム機]
また、図14Eには、ゲーム機の一例である携帯ゲーム機5200が図示されている。携帯ゲーム機5200は、筐体5201、表示部5202、ボタン5203等を有する。
更に、図14Fには、ゲーム機の一例である据え置き型ゲーム機7500が図示されている。据え置き型ゲーム機7500は、本体7520と、コントローラ7522を有する。なお、本体7520には、無線または有線によってコントローラ7522を接続することができる。また、図14Fには示していないが、コントローラ7522は、ゲームの画像を表示する表示部、ボタン以外の入力インターフェースとなるタッチパネル、スティック、回転式つまみ、スライド式つまみなどを備えることができる。また、コントローラ7522は、図14Fに示す形状に限定されず、ゲームのジャンルに応じて、コントローラ7522の形状を様々に変更してもよい。例えば、FPS(First Person Shooter)などのシューティングゲームでは、トリガーをボタンとし、銃を模した形状のコントローラを用いることができる。また、例えば、音楽ゲームなどでは、楽器、音楽機器などを模した形状のコントローラを用いることができる。更に、据え置き型ゲーム機は、コントローラを使わず、代わりにカメラ、深度センサ、マイクロフォンなどを備えて、ゲームプレイヤーのジェスチャー、及び/又は音声によって操作する形式としてもよい。
また、上述したゲーム機の映像は、テレビジョン装置、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ、ゲーム用ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイなどの表示装置によって、出力することができる。
携帯ゲーム機5200、及び据え置き型ゲーム機7500に上記実施の形態で説明した記憶装置を適用することによって、低消費電力の携帯ゲーム機5200を実現することができる。また、低消費電力により、回路からの発熱を低減することができるため、発熱によるその回路自体、周辺回路、及びモジュールへの影響を少なくすることができる。
更に、携帯ゲーム機5200、及び据え置き型ゲーム機7500に上記実施の形態で説明した記憶装置を適用することによって、ゲームの実行中に発生する演算に必要な一時ファイルなどの保持をおこなうことができる。
図14E、及び図14Fでは、ゲーム機の一例として携帯ゲーム機、及び据え置き型ゲーム機を図示しているが、本発明の一態様の電子機器はこれに限定されない。本発明の一態様の電子機器としては、例えば、娯楽施設(ゲームセンター、遊園地など)に設置されるアーケードゲーム機、スポーツ施設に設置されるバッティング練習用の投球マシンなどが挙げられる。
[移動体]
上記実施の形態で説明した記憶装置は、移動体である自動車、及び自動車の運転席周辺に適用することができる。
図14Gには移動体の一例である自動車5700が図示されている。
自動車5700の運転席周辺には、スピードメーター、タコメーター、走行距離、燃料計、ギア状態、エアコンの設定などを表示することで、様々な情報を提供するインストゥルメントパネルが備えられている。また、運転席周辺には、それらの情報を示す表示装置が備えられていてもよい。
特に当該表示装置には、自動車5700に設けられた撮像装置(図示しない。)からの映像を映し出すことによって、ピラーなどで遮られた視界、運転席の死角などを補うことができ、安全性を高めることができる。
上記実施の形態で説明した記憶装置は、情報を一時的に保持することができるため、例えば、当該記憶装置を自動車5700の自動運転システム、当該記憶装置を道路案内、危険予測などを行うシステムなどにおける、必要な一時的な情報の保持に用いることができる。また、当該表示装置には、道路案内、危険予測などの一時的な情報を表示する構成としてもよい。また、自動車5700に備え付けられたドライビングレコーダの映像を保持する構成としてもよい。
なお、上述では、移動体の一例として自動車について説明しているが、移動体は自動車に限定されない。例えば、移動体としては、電車、モノレール、船、飛行体(ヘリコプター、無人航空機(ドローン)、飛行機、ロケット)なども挙げることができる。
[カメラ]
上記実施の形態で説明した記憶装置は、カメラに適用することができる。
図14Hには、撮像装置の一例であるデジタルカメラ6240が図示されている。デジタルカメラ6240は、筐体6241、表示部6242、操作ボタン6243、シャッターボタン6244等を有し、また、デジタルカメラ6240には、着脱可能なレンズ6246が取り付けられている。なお、ここではデジタルカメラ6240を、レンズ6246を筐体6241から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ6246と筐体6241とが一体となっていてもよい。また、デジタルカメラ6240は、ストロボ装置、ビューファインダー等を別途装着することができる構成としてもよい。
デジタルカメラ6240に上記実施の形態で説明した記憶装置を適用することによって、低消費電力のデジタルカメラ6240を実現することができる。また、低消費電力により、回路からの発熱を低減することができるため、発熱によるその回路自体、周辺回路、及びモジュールへの影響を少なくすることができる。
[ビデオカメラ]
上記実施の形態で説明した記憶装置は、ビデオカメラに適用することができる。
図14Iには、撮像装置の一例であるビデオカメラ6300が図示されている。ビデオカメラ6300は、第1筐体6301、第2筐体6302、表示部6303、操作キー6304、レンズ6305、接続部6306等を有する。操作キー6304及びレンズ6305は第1筐体6301に設けられており、表示部6303は第2筐体6302に設けられている。そして、第1筐体6301と第2筐体6302とは、接続部6306により接続されており、第1筐体6301と第2筐体6302の間の角度は、接続部6306により変更が可能である。表示部6303における映像を、接続部6306における第1筐体6301と第2筐体6302との間の角度に従って切り替える構成としてもよい。
ビデオカメラ6300で撮影した映像を記録する際、データの記録形式に応じたエンコードを行う必要がある。上述した記憶装置を利用することによって、ビデオカメラ6300は、エンコードの際に発生する一時的なファイルの保持を行うことができる。
[ICD]
上記実施の形態で説明した記憶装置は、植え込み型除細動器(ICD)に適用することができる。
図14(J)は、ICDの一例を示す断面模式図である。ICD本体5400は、バッテリー5401と、電子部品4700と、レギュレータと、制御回路と、アンテナ5404と、右心房へのワイヤ5402、右心室へのワイヤ5403とを少なくとも有している。
ICD本体5400は手術により体内に設置され、二本のワイヤは、人体の鎖骨下静脈5405及び上大静脈5406を通過させて一方のワイヤ先端が右心室、もう一方のワイヤ先端が右心房に設置されるようにする。
ICD本体5400は、ペースメーカのとしての機能を有し、心拍数が規定の範囲から外れた場合に心臓に対してペーシングを行う。また、ペーシングによって心拍数が改善しない場合(速い心室頻拍、心室細動など)、電気ショックによる治療が行われる。
ICD本体5400は、ペーシング及び電気ショックを適切に行うため、心拍数を常に監視する必要がある。そのため、ICD本体5400は、心拍数を検知するためのセンサを有する。また、ICD本体5400は、当該センサなどによって取得した心拍数のデータ、ペーシングによる治療を行った回数、時間などを電子部品4700に記憶することができる。
また、アンテナ5404で電力が受信でき、その電力はバッテリー5401に充電される。また、ICD本体5400は複数のバッテリーを有することにより、安全性を高くすることができる。具体的には、ICD本体5400の一部のバッテリーが使えなくなったとしても残りのバッテリーが機能させることができるため、補助電源としても機能する。
また、電力を受信できるアンテナ5404とは別に、生理信号を送信できるアンテナを有していてもよく、例えば、脈拍、呼吸数、心拍数、体温などの生理信号を外部のモニタ装置で確認できるような心臓活動を監視するシステムを構成してもよい。
[PC用の拡張デバイス]
上記実施の形態で説明した記憶装置は、PC(Personal Computer)などの計算機、情報端末用の拡張デバイスに適用することができる。
図15Aは、当該拡張デバイスの一例として、持ち運びのできる、情報の記憶が可能なチップが搭載された、PCに外付けする拡張デバイス6100を示している。拡張デバイス6100は、例えば、USB(Universal Serial Bus)などでPCに接続することで、当該チップによる情報の記憶を行うことができる。なお、図15Aは、持ち運びが可能な形態の拡張デバイス6100を図示しているが、本発明の一態様に係る拡張デバイスは、これに限定されず、例えば、冷却用ファンなどを搭載した比較的大きい形態の拡張デバイスとしてもよい。
拡張デバイス6100は、筐体6101、キャップ6102、USBコネクタ6103及び基板6104を有する。基板6104は、筐体6101に収納されている。基板6104には、上記実施の形態で説明した記憶装置などを駆動する回路が設けられている。例えば、基板6104には、電子部品4700、コントローラチップ6106が取り付けられている。USBコネクタ6103は、外部装置と接続するためのインターフェースとして機能する。
[SDカード]
上記実施の形態で説明した記憶装置は、情報端末、デジタルカメラなどの電子機器に取り付けが可能なSDカードに適用することができる。
図15BはSDカードの外観の模式図であり、図15Cは、SDカードの内部構造の模式図である。SDカード5110は、筐体5111、コネクタ5112及び基板5113を有する。コネクタ5112が外部装置と接続するためのインターフェースとして機能する。基板5113は筐体5111に収納されている。基板5113には、記憶装置及び記憶装置を駆動する回路が設けられている。例えば、基板5113には、電子部品4700、コントローラチップ5115が取り付けられている。なお、電子部品4700とコントローラチップ5115とのそれぞれの回路構成は、上述の記載に限定せず、状況に応じて、適宜回路構成を変更してもよい。例えば、電子部品に備えられている書き込み回路、ロードライバ、読み出し回路などは、電子部品4700でなく、コントローラチップ5115に組み込んだ構成としてもよい。
基板5113の裏面側にも電子部品4700を設けることで、SDカード5110の容量を増やすことができる。また、無線通信機能を備えた無線チップを基板5113に設けてもよい。これによって、外部装置とSDカード5110との間で無線通信を行うことができ、電子部品4700のデータの読み出し、書き込みが可能となる。
[SSD]
上記実施の形態で説明した記憶装置は、情報端末など電子機器に取り付けが可能なSSD(Solid State Drive)に適用することができる。
図15DはSSDの外観の模式図であり、図15Eは、SSDの内部構造の模式図である。SSD5150は、筐体5151、コネクタ5152及び基板5153を有する。コネクタ5152が外部装置と接続するためのインターフェースとして機能する。基板5153は筐体5151に収納されている。基板5153には、記憶装置及び記憶装置を駆動する回路が設けられている。例えば、基板5153には、電子部品4700、メモリチップ5155、コントローラチップ5156が取り付けられている。基板5153の裏面側にも電子部品4700を設けることで、SSD5150の容量を増やすことができる。メモリチップ5155にはワークメモリが組み込まれている。例えば、メモリチップ5155には、DRAMチップを用いればよい。コントローラチップ5156には、プロセッサ、ECC回路などが組み込まれている。なお、電子部品4700と、メモリチップ5155と、コントローラチップ5156と、のそれぞれの回路構成は、上述の記載に限定せず、状況に応じて、適宜回路構成を変更してもよい。例えば、コントローラチップ5156にも、ワークメモリとして機能するメモリを設けてもよい。
実施の形態1、又は実施の形態2の記憶装置を、上述した電子機器に含まれている記憶装置に適用することによって、新規の電子機器を提供することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。