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JP7714892B2 - R-t-b系焼結磁石の製造方法 - Google Patents
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JP7714892B2 - R-t-b系焼結磁石の製造方法 - Google Patents

R-t-b系焼結磁石の製造方法

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Description

本発明はR-T-B系焼結磁石の製造方法に関する。
近年、希土類系焼結磁石は、高い需要を示しており、その中でも、R-T-B系焼結磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも1種であり、NdおよびPrの少なくとも1種を含む。Tは主にFeであり、Bは硼素である)は、最も高性能な磁石として知られており、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)、電気自動車用(EV、HV、PHVなど)モータ、産業機器用モータなどの各種モータや家電製品などに使用されている。R-T-B系焼結磁石は、各種モータ等の小型、軽量化を通じて、省エネルギー、環境負荷低減に貢献している。
このようなR-T-B系焼結磁石は、例えば、R-T-B系合金粉末を準備する工程、前記R-T-B系合金粉末を成形することによって成形体を作製する工程、前記成形体を焼結する工程を経て製造される。前記成形体を焼結する場合には、例えばモリブデン等の高融点金属材料で形成された支持板上に前記成形体が載置された焼結容器を1000℃~1100℃程度の温度に加熱して焼結処理を施す。この時、例えば焼結容器の直接的影響の他、酸素や炭素等の影響によって、焼結体の変形を引き起こす場合がある。
特許文献1には、焼結雰囲気中の酸素を除去するために焼結ケースにゲッタ材を配置しこれにより焼結後の希土類焼結磁石における焼結体の変形を抑制することが提案されている。
特開2002-25842号公報
特許文献1に記載の方法により酸素や炭素の影響を低下させることが可能になるものの、焼結体の変形防止には不十分な場合があった。
本開示の実施形態は、焼結後の希土類焼結磁石における焼結体の変形を抑制するR-T-B系焼結磁石の製造方法を提供する。
本開示のR-T-B系焼結磁石の製造方法は、例示的な実施形態において、R-T-B系(Rは希土類元素であり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含み、Tは遷移金属元素のうち少なくとも1種であり、Feを必ず含む)合金粉末を準備する工程と、前記R-T-B系合金粉末を成形することによって直方体状の成形体を作製する工程と、前記成形体の少なくとも1つの面の辺端部を面取りする工程と、
前記辺端部を面取りした面と支持板とが接触するように面取り後の成形体を前記支持板上に載置する工程と、前記支持板上に載置された成形体を焼結する工程と、を含む。
ある実施形態において、前記直方体状の成形体の最も短い辺を厚さとするとき、前記辺部を面取りした面は前記厚さ方向に垂直な面である。
ある実施形態において、前記厚さは7mm以下である。
本開示の実施形態によれば、焼結後の希土類焼結磁石における焼結体の変形を抑制するR-T-B系焼結磁石の製造方法を提供することができる。
本開示における直方体状の成形体の例を示す説明図である。 面取り前における、直方体状の成形体の例を示す説明図である。 面取り後における、直方体状の成形体の例を示す説明図である。 辺端部を面取りした面と支持板とが接触するように成形体を支持板上に載置した状態を示す説明図である。
本発明者は、直方体状の成形体を焼結する場合において、焼結時の酸化の影響を詳細に検討した所、成形体の端部の方が中央部の方よりも酸化しやすいために、辺端部の厚みが中央部の厚みよりも大きくなることが分かった。そのため、焼結時に成形体を載置する支持板と接触する成形体の面の辺端部(支持板と接触する成形体の面の周囲にあるすべての辺)を支点として成形体中央部が持ちあげられ、焼結中に中央部が自重で垂れ下がることにより、得られた焼結体に変形(反り)が発生することが分かった。また、これらの傾向は厚さの薄く(7mm以下)扁平な直方体状のときに特に顕著にみられることが分かった。これらの知見をもとに更に検討した結果、成形体の少なくとも1つの面の辺端部に対して面取りを行い、面取りを行った面と支持板とが接触するように成形体を支持板上に載置することにより、厚さの薄い(7mm以下)の扁平な直方体状の成形体であっても変形を抑制することができることを見出した。これは、支持板と接触する成形体の面の辺端部を面取りすることにより、成形体中央部に持ちあげる支点をなくすことが出来るからだと考えられる。
(R-T-B系焼結磁石)
本開示のR-T-B系焼結磁石は、例えば以下の組成を有する。
R:27~35mass%、
B:0.80~1.20mass%、
Ga:0~1.0mass%、
Cu:0~0.5mass%、
T:60mass%以上を含有する。
(R:27~35mass%)
Rは希土類元素であり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含む。Rが27mass%未満では焼結過程で液相が十分に生成せず、焼結体を充分に緻密化することが困難になる可能性がある。一方、Rが35mass%を超えると焼結時に粒成長が起こり、HcJが低下する可能性がある。Rの含有量は、好ましくは29.5~33.0mass%である。Rがこのような範囲であれば、より高いBを得ることができる。
(B:0.80~1.20mass%)
Bが0.80mass%未満であると、Bが低下する可能性がある。一方、Bが1.20mass%を超えるとHcJが低下する可能性がある。Bの含有量は、好ましくは0.88~0.90mass%である。Bがこのような範囲であれば、より高いHcJが得られる。
(Ga:0~1.0mass%)
Gaの含有量は、0~1.0mass%が好ましく、より好ましくは、0.2~0.7mass%である。Gaがこのような範囲であれば、より高いHcJが得られる。
(Cu:0~0.50mass%)
Cuの含有量は、0~0.50mass%が好ましく、より好ましくは0.05~0.30mass%である。Cuがこのような範囲であれば、より高いHcJが得られる。
(T:60mass%以上)
Tは遷移金属元素のうち少なくとも1種であり、Feを必ず含む。
焼結磁石中のTの含有量が60mass%未満であると、磁気特性が大幅に低下する可能性がある。Tの含有量は61.5~69.5mass%が好ましい。また、Tの全量を100mass%としたとき、その10mass%以下をCoで置換できる。例えば、Tの全量の90mass%がFeであり、10mass%がCoであり得る。また、Tの全量(100mass%)をFeにしてもよい。Coを含有することにより耐食性を向上させることができるが、Coの置換量がFeの10mass%を超えると、高いBが得られない可能性がある。
本発明の焼結磁石は、任意のその他の元素を更に含んでよい。
以下、R-T-B系焼結磁石の製造方法について説明する。
(1)R-T-B系合金粉末を準備する工程
目標組成となるようにそれぞれの元素の金属または合金を準備し、これらをストリップキャスティング法等を用いてフレーク状の合金を製造する。
得られたフレーク状の合金を水素粉砕し、粗粉砕粉のサイズを例えば1.0mm以下とする。次に、粗粉砕粉をジェットミル等により微粉砕することで、例えばメジアン径d50(気流分散法によるレーザー回折法で得られた値)が2.5μm≦d50≦4.5μmの微粉砕粉(合金粉末)を得る。なお、ジェットミル粉砕前の粗粉砕粉、ジェットミル粉砕中およびジェットミル粉砕後の合金粉末に、助剤として公知の潤滑剤を使用してもよい。d50は、気流分散式レーザー回折法(JIS Z 8825:2013年改訂版に準拠する)により測定することができる。すなわち、本開示において、d50は、小粒径側からの積算粒度分布(体積基準)が50%となる粒径(メジアン径)を意味する。
なお本開示におけるd50は、Sympatec社製の粒度分布測定装置「HELOS&RODOS」において
分散圧:4bar
測定レンジ:R2
計算モード:HRLD
の条件にて測定されたd50を示す。
(2)直方体状の成形体を作製する工程
得られた合金粉末を用いて磁界中成形を行い、成形体を得る。磁界中成形は、金型のキャビティー内に乾燥した合金粉末を挿入し、磁界を印加しながら成形する乾式成形法、金型のキャビティー内に該合金粉末を分散させたスラリーを注入し、スラリーの分散媒を排出しながら成形する湿式成形法を含む既知の任意の磁界中成形方法を用いてよい。本開示における直方体状の成形体の例を図1に示す。本開示における成形体の少なくとも1つの面の辺端部とは、例えば図1では、成形体100における面1の周囲にあるすべての辺2を辺端部という。また、本開示における厚さとは、直方体の最も短い辺であり、例えば図1では辺3が厚さとなる。直方体状の成形体の寸法は、例えば長さ20mm×幅10mm×厚さ5mmであり得る。本開示では、厚さの薄い扁平な直方体状の成形体に対しても変形を抑制することができるため、成形体の厚さは7mm以下が好ましく、さらに好ましくは5mm以下である。
(3)成形体の少なくとも1つの面の辺端部を面取りする工程
得られた成形体の少なくとも1つの面の辺端部に面取りを行う。図2Aは面取り前における、直方体状の成形体の例を示す説明図であり、図2Bは、面取り後における、直方体状の成形体の例を示す説明図である。図2Aおよび図2Bに示すように、図2Aの成形体200における面4の辺端部(面4の周囲にあるすべての辺5)に面取りを行うことで図2Bに示すように成形体200の面4の辺端部が面取りされた状態となる。面取りは、辺端部における角の先端から0.5mm~2mmの深さ(C0.5~C2mm)で切削加工することが好ましい。面取り方法は特に問わない。公知の方法で行えばよい。例えば、ヘラやナイフなどで削ぎ落してもよい。
(4)成形体を支持板上に載置する工程
前記(3)の工程にて、少なくとも1つの面を面取りした成形体を支持板上に載置する。図3は、辺端部を面取りした面と支持板とが接触するように面取り後の成形体を支持板上に載置した状態を示す説明図である。図3に示すように本開示では、面取りされた辺端部を有する面4を支持板6に接触するように成形体200を支持板6上に載置する。これにより、焼結時に成形体中央部が持ちあげることを抑制することができるため、得られた焼結後の希土類焼結磁石における焼結体の変形を抑制することができる。好ましくは、図3に示すように辺端部を面取りした面は厚さ方向に垂直な面である。もっとも短い辺である厚さの方向に垂直な面がより変形しやすいため、この面を面取りすることで得られた焼結体の変形をより確実に抑制することができる。また、支持板の材料としては、モリブデンおよびステンレス鋼などがあげられる。
(5)焼結する工程
支持板上に載置された成形体を焼結する。焼結は公知の方法で行えばよい。例えば、支持板上の載置された成形体を焼結容器にいれて、1000℃~1100℃に加熱して焼結する。焼結時の雰囲気による酸化を防止するために、焼結は、真空雰囲気中または雰囲気ガス中で行うことが好ましい。雰囲気ガスは、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスを用いることが好ましい。
(6)熱処理をする工程
本開示の実施形態によって得られた焼結磁石に対して、更に磁気特性を向上させることを目的として熱処理を行ってもよい。例えば、焼結温度よりも低い温度(400℃以上600℃以下)で一段熱処理を行ってもよい。あるいは、相対的に高い温度(700℃以上焼結温度以下)で第一熱処理を行った後、相対的に低い温度(400℃以上600℃以下)で第二熱処理を行ってもよい(二段熱処理)。二段熱処理の具体例は、750℃以上850℃以下の温度で5分から500分程度の第一熱処理、および、440℃以上550℃以下の温度で5分から500分程度の第二熱処理を含み得る。第一熱処理と第二熱処理との間において、室温まで冷却したり、または、440℃以上550℃以下の温度まで冷却してもよい。
最終的な製品形状にするなどの目的で、得られた焼結磁石に研削などの機械加工を施してもよい。その場合、熱処理は機械加工前でも機械加工後でもよい。さらに、得られた焼結磁石に、表面処理を施してもよい。表面処理は、既知の表面処理であってもよく、例えばAl蒸着や電気Niめっきや樹脂塗料などの表面処理を行うことができる。
実施例によりさらに詳細に説明するが、本開示はそれらに限定されるものではない。
実施例1
Nd:24.5mass%、Pr:5.5mass%、B:0.93mass%、Cu:0.3mass%、Ga:0.5mass%、Co:0.45mass%、Al:0.12mass%、Zr:0.05mass%、残部Feの組成を有するR-T-B系合金粉末を準備した。粉末の粒径d50は、3.2μmであった。これらの粉末を用いて湿式プレス装置で成形体を作製した。得られた成形体の寸法は、長さ82.3mm×幅49.0mm×厚さ5.3mmの直方体状であった。得られた成形体の密度は、4.3Mg/m程度であった。得られた成形体の長さ82.3mm×幅49.0mmの面(厚さ方向に垂直な面)の辺端部に面取りを行った。面取りは、辺端部における角の先端から1.0mmの深さ(C1.0mm)をヘラで削ることにより行った。そして、辺端部を面取りした面と支持板とが接触するように面取り後の成形体をモリブデン製の支持板上に載置した。そして、支持板上に載置された成形体を焼結(焼結による緻密化が十分起こる温度を選定)して本発明例である焼結体A(R-T-B系焼結磁石)を作製した。また、比較例として成形体に面取りを施さない以外は同様な方法で焼結体B(R-T-B系焼結磁石)を作製した。
得られたR-T-B系焼結磁石の変形量を調べた。変形量は三次元測定機(Nikon製NEXIV)によって測定した。測定したところ、成形体に面取りをおこなった本発明例の焼結体Aの変形量は、0.2mmであったのに対し、成形体に面取りを行わなかった比較例の焼結体Bの変形量は、0.6mmであった。このため、本発明例(焼結体A)の方が比較例(焼結体B)と比べて大幅に焼結体の変形が抑制されている。
1、4 面
2、3、5 辺
6 支持板
100、200 成形体

Claims (2)

  1. R-T-B系(Rは希土類元素であり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択された少なくとも1つを必ず含み、Tは遷移金属元素のうち少なくとも1種であり、Feを必ず含む)合金粉末を準備する工程と、
    前記R-T-B系合金粉末を磁界を印加しながら成形することによって厚さ5mm以上7mm以下の扁平な直方体状の成形体を作製する工程と、
    前記成形体の厚さ方向に垂直な少なくとも1つの面と厚さ方向に平行な面とが交わる角の全てを、角の先端から0.5mm~2mmの深さで面取りする工程と、
    前記全ての角を面取りした厚さ方向に垂直な面と支持板とが接触するように前記成形体を前記支持板上に載置する工程と、
    前記支持板上に載置された前記成形体を焼結する工程と、
    を含む、R-T-B系焼結磁石の製造方法。
  2. 前記面取りがC面取りである請求項1に記載のR-T-B系焼結磁石の製造方法。
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