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JP7764802B2 - ボード部材及びボード部材の製造方法 - Google Patents
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JP7764802B2 - ボード部材及びボード部材の製造方法 - Google Patents

ボード部材及びボード部材の製造方法

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Description

本発明は、ボード部材及びボード部材の製造方法に関する。更に詳しくは、植物繊維を用いたボード部材及びボード部材の製造方法に関する。
ボード部材として、植物繊維同士を熱可塑性樹脂(結着樹脂)で結着した構造を有し、高剛性化と軽量化を達成したものが知られている。こうしたボード部材は、通常、特許文献1に記載があるように、植物繊維を含むボード基材と、表皮材とを備え、表皮材がボード基材の一方の面を覆うことで、その表皮材により意匠を付与されている。
また、特許文献2には、ボード部材として天然木調化粧繊維強化セメント板に、インクジェットプリンターによる印刷で木目模様の意匠を付与することが記載されている。
特開2014-83742号公報 特開2018-52761号公報
植物繊維を用いたボード部材については、その植物繊維が有する天然素材独自の素材感を新たなデザインとし、意匠を付与することが検討されているが、天然素材である故に、植物繊維は、個々の色のばらつきが大きく、こうした色のばらつきがボード部材の美観を損ねてしまう場合がある。
そこで、ボード部材を任意の色に塗装又は着色することが検討された。しかし、塗装については、植物繊維の素材感が塗料によって塗り潰されてうしなわれる、製造が非常に煩雑となってコストの高騰を招く等の問題が生じた。着色については、植物繊維の色のばらつきが十分に抑えられず、却って色むらが生じてしまうことが分かった。
さらに、ボード部材において、植物繊維の素材感により意匠を付与するには、ボード部材の表面に植物繊維を露出等させる必要があるが、その場合、紫外線等によって植物繊維が変色や退色等してしまうため、これを抑える必要があることが分かった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、植物繊維の素材感による意匠を好適に付与することができるボード部材及びボード部材の製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は以下に示す通りである。
[1]本発明のボード部材は、植物繊維が結着されてなる基材と、
前記基材の表面を被覆する表皮と、を備えるボード部材であって、
前記表皮は、前記基材側から第1層、第2層及び第3層の順に備え、
前記第1層は、白色系に着色され、
前記第3層は、有彩色に着色され、
前記表皮は、光透過性を有していることを要旨とする。
[2]本発明のボード部材では、前記第2層は、無色透明であるものとすることができる。
[3]本発明のボード部材では、前記第1層及び前記第3層は、ポリオレフィンを用いて形成され、
前記第2層は、ポリアミドを用いて形成されているものとすることができる。
[4]本発明のボード部材では、前記第3層は、顔料を用いて着色されているものとすることができる。
[5]本発明のボード部材の製造方法は、植物繊維が結着されてなる基材と、
前記基材の表面を被覆する表皮と、を備え、
前記表皮が光透過性を有しているボード部材の製造方法であって、
前記表皮となる原表皮の一面と、前記基材となる原基材の一面と、を接触させた状態で加熱加圧する熱圧工程を備え、
前記原表皮が、前記原表皮の前記一面側から、第1層、第2層及び第3層をこの順に備え、
第1層が、白色系に着色され、
第3層が、有彩色に着色さていることを要旨とする。
[6]本発明のボード部材の製造方法では、前記第2層は、無色透明であるものとすることができる。
[7]本発明のボード部材の製造方法では、前記第1層及び前記第3層は、ポリオレフィンを用いて形成され、
前記第2層は、ポリアミドを用いて形成されているものとすることができる。
[8]本発明のボード部材の製造方法では、前記第3層は、顔料を用いて着色されているものとすることができる。
本発明のボード部材及びボード部材の製造方法によれば、植物繊維の素材感による意匠を好適に付与することができる。
ボード部材を説明する断面図である。
以下、本発明を、図を参照しながら説明する。ここで示す事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要で、ある程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
[1]ボード部材
本発明のボード部材10は、植物繊維111が結着されてなる基材11と、基材11の表面を被覆する表皮12と、を備え、
表皮12は、基材11側から第1層21、第2層22及び第3層23の順に備え、
第1層21は、白色系に着色され、
第3層23は、有彩色に着色され、
表皮12は、光透過性を有していることを特徴とする(図1参照)。
ボード部材10は、用途について、特に限定されないが、例えば、車両用内装材を挙げることができ、特に、車室内から視認される意匠性を有する車両用内装材が有用である。
こうした車両用内装材としては、ドアトリム、インストルメントパネル、パッケージトレー、ピラーガーニッシュ、スイッチベース、クオーターパネル、アームレスト、シート、シートバックボード、天井材、コンソールボックス、ダッシュボード、デッキトリム等が挙げられる。ボード部材10は、これらのうちの1種のみに用いてもよく、2種以上に用いてもよい。
(1)基材
基材11は、植物繊維111が結着されてなる層である。より詳しくは、基材11は、植物繊維111と、植物繊維111同士を結着するバインダ樹脂112と、を含む層とすることができる。
基材11の厚さ、目付等は、特に限定されず、ボード部材10の用途や所望する剛性等に応じて適宜設定することができる。
基材11の厚さは、例えば、0.5mm以上とすることができ、好ましくは0.5mm以上200mm以下、より好ましくは1.0mm以上80mm以下、更に好ましくは1.5mm以上40mm以下とすることができる。
基材11の目付は、例えば、0.1kg/m以上とすることができ、0.2kg/m以上3kg/m以下が好ましく、400~2500g/mがより好ましく、600~1800g/mが更に好ましい。
植物繊維111は、基材11の主構造を担う材料であり、植物に由来する繊維である。
植物繊維111を得るのに用いる植物種は、特に限定されず、ケナフ、ジュート麻、マニラ麻、サイザル麻、雁皮、三椏、楮、バナナ、パイナップル、ココヤシ、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤシ、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、麦、稲、竹、針葉樹(杉、檜等)、広葉樹、綿花等を例示することができる。これら植物種は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これら植物種のなかでは、ケナフ及び/又はジュート麻が好ましい。
尚、ケナフは、木質茎を有し、アオイ科に分類される植物である。このケナフには、学名におけるhibiscus cannabinus及びhibiscus sabdariffa等が含まれ、通称名における紅麻、キューバケナフ、洋麻、タイケナフ、メスタ、ビムリ、アンバリ麻及びボンベイ麻等が含まれる。
また、ジュート麻には、黄麻(コウマ、Corchorus capsularis L.)、及び、綱麻(ツナソ)、シマツナソ並びにモロヘイヤ、を含む麻及びシナノキ科の植物が含まれる。
植物繊維を得るのに用いる植物体の部位は、特に限定されず、木質部、非木質部、葉部、茎部及び根部等のいずれも用いることができる。更に、植物繊維は、特定部位のみから得られた繊維であってもよく、複数の異なる部位からそれぞれ得られた繊維を混合した混合繊維であってもよい。
植物から得られた繊維は、未加工のまま植物繊維としてもよく、各種加工を施したうえで植物繊維としてもよい。各種加工としては、レッティング(微生物を利用したレッティング、酵素を利用したレッティング等を含む)、ボイル、蒸煮、加熱、乾燥、裁断、叩打、洗浄、薬品処理等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
植物繊維111の繊維長及び繊維径は、特に限定されないが、例えば、繊維長と繊維径との比を10~15000にすることができる。
繊維長は、好ましくは10mm以上とすることができる。さらに繊維長は、より好ましくは10mm以上150mm以下、更に好ましくは20mm以上100mm以下、特に好ましくは30mm以上80mm以下とすることができる。
繊維径は、好ましくは1mm以下とすることができる。さらに繊維径は、より好ましくは0.01mm以上1mm以下、更に好ましくは0.02mm以上0.7mm以下、特に好ましくは0.03mm以上0.5mm以下とすることができる。
繊維長及び繊維径が上述の各範囲の場合、得られる基材11(ボード部材10)は、高い強度(曲げ強さ及び曲げ弾性率等、以下同様)を得ることができる。
なお、植物繊維は、繊維長及び繊維径が上述の各範囲を外れるものを含むことを妨げられないが、その含有量は、植物繊維全体を100質量%として、その植物繊維全体に対して好ましくは10質量%、より好ましくは3質量%以下である。
また、植物繊維111の繊維長及び繊維径は、通常、その製造過程において、実質的に変化されない。従って、ボード部材10の基材11に含まれる植物繊維111、基材11となるウェブや積層ウェブに含まれる植物繊維は、実質的に、同じ繊維長及び同じ繊維径を有する。
上述の繊維長は、平均繊維長を意味し(以下同様)、JIS L1015に準拠して、直接法にて無作為に単繊維を1本ずつ取り出し、置尺上で繊維長を測定し、合計200本について測定した平均値である。
上述の繊維径は、平均繊維径を意味し(以下同様)、無作為に単繊維を1本ずつ取り出し、繊維の長さ方向の中央における繊維径を、光学顕微鏡を用いて実測し、合計200本について測定した平均値である。
基材11に含まれる植物繊維111の割合は、特に限定されないが、植物繊維111とバインダ樹脂112との合計を100質量%とした場合に、30質量%以上95質量%以下が好ましく、32質量%以上85質量%以下がより好ましく、33質量%以上75質量%以下が更に好ましく、35質量%以上70質量%以下が特に好ましい。
更に、基材11全体を100質量%とした場合に、基材11に含まれる植物繊維111及びバインダ樹脂112の割合は、植物繊維111とバインダ樹脂112の合計で、70質量%以上が好ましく、80質量%以上100質量%以下がより好ましく、90質量%以上100質量%以下が更に好ましい。
尚、基材11は、植物繊維111以外の他の補強繊維を含むことができる。他の補強繊維としては、金属繊維、炭素繊維、ガラス繊維、樹脂繊維(後述するバインダ樹脂以外の樹脂により構成される樹脂繊維、例えば、ポリアミド樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維など)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
他の補強繊維を含む場合、植物繊維111と他の補強繊維との合計を100質量%として、他の補強繊維の割合は、通常、50質量%以下であり、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
バインダ樹脂112は、植物繊維111同士を結着する樹脂である。
バインダ樹脂112の樹脂種は、特に限定されず、非変性のポリオレフィン樹脂のみを含むものとすることができ、あるいは、非変性のポリオレフィン樹脂と酸変性ポリオレフィン樹脂とを含むものとすることができる。酸変性ポリオレフィン樹脂を含む場合、植物繊維111の結着性を向上させることができ、得られるボード部材10の機械特性を向上させることができる。
バインダ樹脂112は、非変性のポリオレフィン樹脂や酸変性ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂のみを含むものとすることが好ましいが、熱可塑性樹脂に加えて、さらに熱硬化性樹脂を含むものとすることもできる。熱硬化性樹脂を含む場合、バインダ樹脂112全体を100質量%として、その全体のうちの20質量%以下であることが好ましい。
バインダ樹脂112に含まれる酸変性ポリオレフィンは、骨格樹脂であるポリオレフィン(オレフィン樹脂)に酸変性基が導入された樹脂である。酸変性基以外の他の変性基の有無は問わない。酸変性ポリオレフィンは、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
骨格樹脂であるポリオレフィンには、1種のオレフィンによる単独重合体、2種以上のオレフィンによる共重合体(二元共重合体、三元共重合体など)が含まれる。
また、ポリオレフィンを構成するオレフィン単量体としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
例えば、オレフィン単量体としてプロピレンを用いるポリプロピレンには、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体等が含まれる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。ポリプロピレンは、通常、全構成単位数のうちの50%以上がプロピレン単量体に由来する。
また、オレフィン単量体としてエチレンを用いるポリエチレンには、エチレン単独重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-へキセン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体等が含まれる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。ポリエチレンは、通常、全構成単位数のうちの50%以上がエチレン単量体に由来する。
これらのポリプロピレンやポリエチレン等の各種オレフィン樹脂は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
酸変性ポリオレフィンが有する酸変性基の種類は限定されず、例えば、無水カルボン酸基(-CO-O-OC-)及びカルボン酸基(-COOH)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、酸変性基は、どのような化合物を用いて導入されてもよく、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸等を用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、無水マレイン酸及び無水イタコン酸が好ましく、無水マレイン酸が特に好ましい。
酸変性ポリオレフィンの分子量は限定されず、例えば、重量平均分子量(GPC法による)は、10000以上200000以下とすることができ、15000以上100000以下が好ましく、20000以上60000以下がより好ましく、25000以上45000以下が更に好ましい。
また、酸価(JIS K0070による)は、2以上(通常、120以下)とすることができ、10~80が好ましく、15~70がより好ましく、20~60が更に好ましく、23~30が特に好ましい。
一方、バインダ樹脂112に含まれる非酸変性ポリオレフィンは、酸変性されていないポリオレフィンである。非酸変性ポリオレフィンの変性の有無は限定されず、非変性ポリオレフィンでもよく、酸変性基以外の変性基により変性された変性ポリオレフィンでもよく、これらの混合物であってもよい。
上述のうち、非変性ポリオレフィンとしては、前述した酸変性ポリオレフィンを構成する骨格樹脂の記載を適用できる。即ち、非変性ポリオレフィンとしては、ホモポリオレフィン(ホモポリプロピレン、ホモポリエチレン等)、オレフィン共重合体(ブロックポリオレフィン等)などが挙げられ、更には、オレフィン共重合体として、プロピレン・エチレン共重合体(ブロックポリプロピレン)、エチレン・プロピレン共重合体等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、非酸変性ポリオレフィンが、酸変性基以外の変性基により変性される場合としては、アクリル変性(アクリロイル基による変性)、エポキシ変性(エポキシ基による変性)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
バインダ樹脂112に含まれる非酸変性ポリオレフィンの分子量は限定されず、例えば、重量平均分子量(GPC法による)は、10000以上200000以下とすることができ、15000以上100000以下が好ましく、20000以上60000以下がより好ましく、25000以上45000以下が更に好ましい。
バインダ樹脂112に含まれる酸変性ポリオレフィンと、非酸変性ポリオレフィンと、の割合は限定されず、酸変性ポリオレフィン及び非酸変性ポリオレフィンの合計を100質量%とした場合に、酸変性ポリオレフィンの割合は、50質量%以下(通常、0.1質量%以上)にすることが好ましく、0.5質量%以上40質量%以下がより好ましく、1質量%以上30質量%以下が更に好ましく、2質量%以上20質量%以下が特に好ましく、3質量%以上10質量%以下がとりわけ好ましい。
尚、バインダ樹脂112は、ポリオレフィン以外の他の熱可塑性樹脂を含有してもよいが、バインダ樹脂112の全体を100質量%とした場合、ポリオレフィン以外の他の熱可塑性樹脂の割合は10質量%以下(含有されるとすれば、例えば、0.01質量以上)であることが好ましい。
(2)表皮
表皮12は、基材11の表面を被覆する層である。詳しくは、表皮12は、基材11の表面を被覆することにより、基材11(特には、基材11に含まれる植物繊維111)を、水分や紫外線等から保護することができる。
さらに、表皮12は、被覆した基材11の表面を着色することにより、基材11に含まれる植物繊維111の素材感による意匠、具体的には、植物繊維111が醸し出す質感、模様、色合い等を意匠として、ボード部材10に付与することにより、美観の向上を図ることができる。
この表皮12による美観の向上に関して、より詳細には、天然素材である植物繊維111は、特に色合いについて、個々のばらつきが大きく、こうした色のばらつきが、ボード部材10に色むらを生じさせて、美観を損ねてしまう。表皮12は、着色による、植物繊維111の色のばらつきを抑制する機能と、植物繊維111の色調を整える機能とを有することができ、これら機能を奏することにより、美観の向上を図ることができる。
表皮12は、第1層21、第2層22及び第3層23の3つの層を備えている。これら第1層21、第2層22及び第3層23を備えることにより、表皮12は、基材11を水分や紫外線等から保護することができ、さらに植物繊維111の色のばらつきを抑制する機能と、植物繊維111の色調を整える機能とを奏することにより、美観を向上させることができる。
表皮12は、基材11側から第1層21、第2層22及び第3層23の順番になるように、基材11の表面に配置されている。表皮12は、こうした配置で第1層21、第2層22及び第3層23を備えることにより、上述の機能等を好適に発揮することができる。
(2-1)第1層
第1層21は、第1樹脂を用いて形成されている。第1樹脂は、特に限定されないが、基材11との接着性、特には基材11に用いられたバインダ樹脂112との接着性が良好な樹脂を用いることができ、具体例として、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンを挙げることができる。
第1層21は、白色系に着色されている。第1層21は、ボード部材10を着色する表皮12において、着色のための下地層とすることができる。
第1層21を白色系に着色する方法は、特に限定されないが、例えば、第1樹脂が本来有する色(乳白色)をそのまま利用する、第1樹脂に、例えば酸化チタン、亜鉛華、リトポン、鉛白等の白色顔料を添加する等を挙げることができる。通常は、第1樹脂に白色顔料を添加することにより、第1層21は、白色系に着色することができる。
白色系は、色が有する三属性として、色味の違い(例えば、「赤」、「青」、「黄」、「緑」など)を示す色相、色の鮮やかさの違いを示す彩度、及び、色の明暗の違いを示す明度のうち、色相と彩度をほぼ有さずに、明度を有する色である。
白色系には、ホワイト色(純白色)と、例えば、アイボリー色、クリーム色、オフホワイト色、ライトグレー色、ベージュ色などが含まれる。
具体的に、白色系は、JIS Z8721-1993に規定される明度(V)が7.0以上10以下、彩度(C)が3以下、色相(H)が特に限定されない色ということができる。
白色系について、明度(V)は、好ましくは7.5以上10以下、より好ましくは8.0以上10以下、さらに好ましくは8.5以上10以下である。また、白色系について、彩度(C)は、好ましくは2以下、より好ましくは1以下、さらに好ましくは0(N;ニュートラル)である。
第1層21は、白色系に着色されており、この第1層21に対し、基材11に含まれる植物繊維111は、白色よりも濃い色(色相と彩度と明度とを有する有彩色であり、通常は亜麻色)を有している。このため、基材11に含まれる植物繊維111は、その色を、第1層21を透かして外部から視認することができる。そして、植物繊維111の色が第1層21を透かして外部から視認できる場合、その色を視認できることに伴って、外部から植物繊維111の外形を把握し、視認することができる。
つまり、白色系に着色された第1層21は、白色よりも濃い色の植物繊維111に対する透過性を有することができる。
第1層21を透過して、外部から視認される植物繊維111の色は、第1層21が呈する白色系の色により、明度に影響を及ぼされる。具体的に、第1層21を透過して、外部から視認される植物繊維111の色は、第1層21の白色系の色によってぼけた状態となることにより、個々の明度の差による色のばらつきが抑えられたものとなる。つまり、第1層21は、白色系に着色されることにより、植物繊維111の色のばらつきを抑制する機能を有することができる。
また、第1層21は、白色系の色を呈することにより、紫外線をはじめとした光に対する優れた反射力を有することができる。このため、第1層21は、紫外線等による植物繊維111の変色や退色を抑制する耐光性を、表皮12(ボード部材10)に付与することができる。
第1層21は、通常、第1樹脂を材料に用いて得られた樹脂フィルムや樹脂シート等から形成することができる。
第1層21の厚さは、特に限定されないが、5μm以上200μm以下とすることができる。厚さは、好ましくは10μm以上150μm以下、より好ましくは15μm以上80μm以下、さらに好ましくは20μm以上60μm以下とすることができる。
厚さを上述の範囲とした場合、第1層21は、植物繊維111に対する好適な透過性を有するものとすることができる。
なお、上述の厚さは、平均厚さを意味し(以下同様)、例えば、第1層21等を形成する樹脂フィルムや樹脂シート上の複数箇所で厚さを測定した場合の平均値である。
(2-2)第2層
第2層22は、第2樹脂を用いて形成されている。第2層22は、ボード部材10を被覆する表皮12において、第1層21と第3層23を支える基材層とすることができる。
第2樹脂は、特に限定されないが、第1層21に用いられた第1樹脂よりも高融点の樹脂であることが好ましく、第1層21や第3層23との接着性が良好な樹脂がより好ましい。
第2樹脂の具体例として、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルなどを挙げることができる。これらの中でも、ポリアミドは、優れた吸水率を有しており、吸湿等による植物繊維111の変質を防止するための防水性を第2層22に付与することができる。
第2層22は、第1層21及び第3層23とともに表皮12を構成するものとして、光透過性を有している。
第2層22に光透過性を付与する方法は、特に限定されず、例えば、第1層21と同様に白色系に着色する、第2層22を透明又は半透明にする等が挙げられる。
通常、第2層22は、透明又は半透明とすることにより、光透過性を付与されている。この場合、透明又は半透明である第2層22を介して、表皮12(ボード部材10)の外部から植物繊維111を好適に視認することができる。
第2層22は、透明又は半透明とする場合、その色合いについて、特に限定されず、無色又は有色の何れとすることもできるが、これらの中でも無色は、植物繊維111の色への影響を抑えることができる。
第2層22は、通常、第2樹脂を材料に用いて得られた樹脂フィルムや樹脂シート等から形成することができる。
第2層22の厚さは、特に限定されないが、5μm以上50μm以下とすることができる。厚さは、好ましくは7μm以上40μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下とすることができる。
第2層22の厚さを上述の範囲とした場合、表皮12は、好適な柔軟性と、基材11の表面の形状に対する適度な追従性を有するものとすることができる。
(2-3)第3層
第3層23は、第3樹脂を用いて形成されている。
第3樹脂は、特に限定されないが、第2層22との接着性が良好な樹脂を用いることができ、具体例として、第1樹脂の樹脂分と同じ樹脂分であるポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンを挙げることができる。
第3層23は、有彩色に着色されている。この第3層23は、ボード部材10を着色する表皮12において、着色のための着色層とすることができる。
第3層23を有彩色に着色する方法は、特に限定されないが、例えば、第3樹脂に着色樹脂を用いる、顔料を用いる等を挙げることができる。通常、第3層23は、顔料を用いることにより、有彩色に着色することができる。
有彩色は、色が有する三属性として、色味の違いを示す色相、色の鮮やかさの違いを示す彩度、及び、色の明暗の違いを示す明度の全てを有する色である。
有彩色には、茶色、黄色、赤色、青色、緑色などが含まれる。
具体的に、有彩色は、JIS Z8721-1993に規定される明度(V)が2.0以上9.0未満、彩度(C)が2を超え14以下、色相(H)が色相環の中から選択される何れか、である色ということができる。
第3層23は、第1層21及び第2層22とともに表皮12を構成するものとして、光透過性を有している。第3層23に光透過性を付与する方法は、特に限定されないが、通常、第3層23は、透明又は半透明とすることにより、光透過性を付与されている。
第3層23は、有彩色に着色されることにより、その有彩色に応じた色を呈するように色づけすることができる。色づけされた第3層23は、第1層21が白系色を呈することに相俟って、その色を好適に発色させることができる。
色づけされた第3層23を透過して、外部から視認される植物繊維111の色は、第3層23が呈する色に影響を及ぼされる。具体的に、第3層23を透過して、外部から視認される植物繊維111の色は、第3層23の色に影響されて変調された状態となり、個々の色彩による色のばらつきが抑えられたものとなる。
つまり、第3層23は、有彩色に着色されることにより、植物繊維111の色を変調させることができ、植物繊維111の色調を整える機能を有することができる。
第3層23に着色された有彩色による植物繊維111の色の変調について、その変調は、植物繊維111の色に関し、彩度及び色相のうち少なくとも何れか一方に影響を及ぼすことができる。
第3樹脂に着色される有彩色は、植物繊維111の色の彩度を変調させる場合、植物繊維111の色と近い色、つまり植物繊維111の色と同系色とすることが好ましい。同系色は、色にばらつきを有する植物繊維111の個々の色彩を調和させることができ、色の統一感を生み出すことができる。植物繊維111の色が亜麻色の場合、同系色としては、茶色、橙色等を例示することができる。
第3樹脂に着色される有彩色は、植物繊維111の色の色相を変調させる場合、植物繊維111の色と色相環で正反対に位置する関係の色、つまり植物繊維111の色と補色とすることが好ましい。補色は、植物繊維111の個々の色と互いに引き立て合う相乗効果により、色にばらつきを有する植物繊維111の個々の色彩を調和させる(これを「補色調和」ともいう)ことができ、色の統一感を生み出すことができる。植物繊維111の色が亜麻色の場合、補色としては、薄青色、灰紫色等を例示することができる。
第3層23は、通常、第3樹脂を材料に用いて得られた樹脂フィルムや樹脂シート等から形成することができる。
第3層23の厚さは、特に限定されないが、5μm以上200μm以下とすることができる。厚さは、好ましくは10μm以上150μm以下、より好ましくは15μm以上80μm以下、さらに好ましくは20μm以上60μm以下とすることができる。
厚さを上述の範囲とした場合、第1層21は、植物繊維111に対する好適な透過性を有するものとすることができる。
(2-4)光透過性
上述の第1層21、第2層22及び第3層23を備えた表皮12は、光透過性を有している。
ボード部材10は、表皮12が光透過性を有することにより、外部から表皮12を介して基材11の植物繊維111を視認することができる。
このように外部から植物繊維111を視認することができるため、ボード部材10には、植物繊維111が有する天然素材独自の素材感を新たなデザインとする意匠を付与することができる。
表皮12は、例えば、白色を呈する第1層21に、透明な第2層22と、透明な第3層23とを積層することにより、光透過性を有するものとすることができる。
光透過性は、第1層21、第2層22及び第3層23を備えた表皮12に関し、JIS K7361に準拠して測定した全光線透過率によって規定することができる。
具体的に、全光線透過率は、20%以上とすることができる。全光線透過率は、好ましくは30%以上95%以下、より好ましくは40%以上90%以下とすることができる。
全光線透過率が上述の範囲の場合、表皮12を介して基材11の植物繊維111を明確に視認することができる。
[2]ボード部材の製造方法
本発明のボード部材の製造方法は、
植物繊維111が結着されてなる基材11と、
基材11の表面を被覆する表皮12と、を備え、
表皮12が光透過性を有しているボード部材10の製造方法であって、
表皮12となる原表皮の一面と、基材11となる原基材の一面と、を接触させた状態で加熱加圧する熱圧工程を備え、
原表皮が、原表皮の前記一面側から、第1層21、第2層22及び第3層23をこの順に備え、
第1層21が、白系の無彩色に着色された第1樹脂からなり、
第2層22が、前記第1樹脂より高融点の第2樹脂からなり、
第3層23が、有彩色に着色された第3樹脂からなることを特徴とする。
基材11となる原基材は、バインダ樹脂112となる樹脂繊維と植物性繊維とを混綿して、マット体を得た後、そのマット体を加熱プレスで板状に成形することにより、製造することができる。
原表皮は、第1層21、第2層22及び第3層23となる複数の樹脂フィルムを積層し、相互に加熱融着する等して接着することにより、製造することができる。
熱圧工程は、原表皮の一面、具体的に第1層21側の面を、基材11の表面となる原基材の一面に接触させた状態で、加熱加圧することにより、実行される。
熱圧工程における加熱温度は、第2層22に用いられた第2樹脂の融点より低い温度で、かつ第1層21に用いられた第1樹脂の融点より高い温度とすることができる。これにより、第1樹脂が溶融することで、原基材と原表皮とが接着される。具体的に、第1樹脂がポリプロピレン(融点;160℃-170℃)、第2樹脂がポリアミド(融点;176℃-265℃)である場合、加熱温度は、例えば、170℃-220℃とすることができる。
熱圧工程における加圧力は、特に限定されず、所望するボード部材10の厚さに応じて適宜設定することができる。
ボード部材10は、熱圧工程により、原基材と原表皮とが接着され、かつ所望の厚さとされて、製造される。この熱圧工程において、ボード部材10の表皮12は、原基材に原表皮を接着するのみで形成することができ、塗装により複数工程を経て表皮を形成することに比べ、容易である。
なお、熱圧工程は、成形型を用いて実行することができ、この場合、ボード部材10を成形型に応じた所望の形状に形成することができる。
10;ボード部材、
11;基材、111;植物繊維、112;バインダ樹脂、
12;表皮、21;第1層、22;第2層、23;第3層。

Claims (8)

  1. 植物繊維が結着されてなる基材と、
    前記基材の表面を被覆する表皮と、を備えるボード部材であって、
    前記表皮は、前記基材側から第1層、第2層及び第3層の順に備え、
    前記第1層は、白色系に着色され、
    前記第3層は、有彩色に着色され、
    前記表皮は、光透過性を有しており、
    前記植物繊維が、ケナフ、ジュート麻、マニラ麻、サイザル麻、雁皮、三椏、楮、バナナ、パイナップル、ココヤシ、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤシ、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、麦、稲、竹、針葉樹、広葉樹、及び綿花から選択される1種又は2種以上から得られたものであることを特徴とするボード部材。
  2. 前記第2層は、無色透明である請求項1に記載のボード部材。
  3. 前記第1層及び前記第3層は、ポリオレフィンを用いて形成され、
    前記第2層は、ポリアミドを用いて形成されている請求項1に記載のボード部材。
  4. 前記第3層は、顔料を用いて着色されている請求項1に記載のボード部材。
  5. 植物繊維が結着されてなる基材と、
    前記基材の表面を被覆する表皮と、を備え、
    前記表皮が光透過性を有しているボード部材の製造方法であって、
    前記表皮となる原表皮の一面と、前記基材となる原基材の一面と、を接触させた状態で加熱加圧する熱圧工程を備え、
    前記原表皮が、前記原表皮の前記一面側から、第1層、第2層及び第3層をこの順に備え、
    第1層が、白色系に着色され、
    第3層が、有彩色に着色されており、
    前記植物繊維が、ケナフ、ジュート麻、マニラ麻、サイザル麻、雁皮、三椏、楮、バナナ、パイナップル、ココヤシ、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤシ、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、麦、稲、竹、針葉樹、広葉樹、及び綿花から選択される1種又は2種以上から得られたものであることを特徴とするボード部材の製造方法。
  6. 前記第2層は、無色透明である請求項5に記載のボード部材の製造方法。
  7. 前記第1層及び前記第3層は、ポリオレフィンを用いて形成され、
    前記第2層は、ポリアミドを用いて形成されている請求項5に記載のボード部材の製造方法。
  8. 前記第3層は、顔料を用いて着色されている請求項5に記載のボード部材の製造方法。
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