JP7812066B2 - 茶樹への蒸気防除構造 - Google Patents
茶樹への蒸気防除構造Info
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Description
このような茶樹及び茶葉に加熱ミストを噴射する防除方法は、薬剤の使用を好ましく思わない消費者の要求に応えるものであり、製品茶葉の商品価値を高める上で非常に有効なものである。
しかしながら、茶園が広大な場合には作業効率を上げるために乗用管理機等を用いた防除方法も考える必要が生じるが、上記特許文献1にはそこまでの具体的な技術開示はなされていない。
茶葉の温度が所定温度内となるように、加熱ミストを茶葉乃至茶樹に接触させるための加熱ミスト噴出装置が、移動体に搭載されることにより、茶畝の茶株面から一定間隔あけて茶株面の上方に位置することができるように構成されている茶樹への蒸気防除構造であって、
前記加熱ミスト噴出装置は、加熱ミスト生成装置で生成された加熱ミストを保管するものであり、且つ加熱ミスト噴出装置の下面全域には加熱ミストを噴出させる開口である複数のノズルが設けられ、
更に加熱ミスト噴出装置は、このものと茶株面との間が被覆部材で覆われ、その内側が保温ミスト空間とされていることを特徴として成るものである。
前記所定温度内とは45℃~55℃の範囲であることを特徴として成るものである。
前記加熱ミスト噴出装置は、ノズルと、茶畝の茶株面との間隔が調整可能な方向に移動可能であることを特徴として成るものである。
前記加熱ミストは、インバータ制御される送風機を用いて温度調節されていることを特徴として成るものである。
前記噴出装置へ蒸気を供給するための加熱ミスト生成装置を、左右の走行装置を接続する門型フレームの上部に搭載することを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の要件を手段として前記課題の解決が図られる。
特に、加熱ミスト噴出装置は、加熱ミストを保管する作用を有し、加熱ミストを好適な温度に維持することができる。加えて、加熱ミスト噴出装置は、その下面全域に開口状の複数のノズルが設けられているから、加熱ミストは茶株面に向かって自然な噴出がされる。
更に、加熱ミスト噴出装置と茶株面との間が、被覆部材で覆われて、その内側が保温ミスト空間とされることから、ここに噴出してきた加熱ミストは、外気との接触、混合が充分回避され、適温を維持した状態で茶株面に作用する。
本発明の茶樹への蒸気防除構造1(以下、蒸気防除構造1と称する。)は、茶葉Lの表面温度が所定温度になるように、加熱ミストMを茶葉L乃至茶樹Tに接触させるための加熱ミスト噴出装置4が、移動体に搭載されることにより、茶畝の茶株面(茶樹Tの上面)から所定間隔あけて茶株面の上方に位置することができるように構成された装置である。
また本発明の蒸気防除構造1が対象とする茶葉L乃至茶樹Tとしては、摘採した茶葉Lもしくは茶葉Lの加工物に含まれる成分を液体に抽出し、その液体を飲用することを目的として栽培されるものである。また摘採した茶葉Lを食用することを目的として栽培される茶葉L乃至茶樹Tであってもよく、具体的には、例えば煎茶、碾茶、玉露、烏龍茶、紅茶、その他飲料用の茶として栽培される茶葉L乃至茶樹Tある。
また本発明の蒸気防除構造1が防除対象とし得る病害としては、例えば炭そ病、輪斑病、赤葉枯病、網もち病、白星病などを挙げることができる。また本発明の蒸気防除構造1が防除対象とし得る虫害の虫種としては、例えばチャノミドリヒメヨコバイ(以下、ウンカと示す)、カンザワハダニ、クワシロカイガラムシ、チャノキイロアザミウマ、チャノコカクモンハマキ、チャノホソガなどを挙げることができる。但し、これらに限定するものではない。
加熱ミストを生成するための水は、水道水、井戸水など比較的清浄な水であればよいが、溜池、池沼等の水は不純物が多く含まれているため、後述する加熱ミスト生成装置3、加熱ミスト噴出装置4におけるノズル43の目詰まり等を考慮すると好ましくない。但し適宜のろ過手段を用いることができる場合にはこの限りではない。
また、必要に応じて、この水に薬剤を添加することもできる。
前記加熱ミストは、少なくとも茶樹T及び茶葉Lのうち、葉層表面部分(茶畝の茶株面)の茶葉Lに接触させるのが好ましく、更には摘採対象となる芽部分の茶葉Lに接触させるのも好ましい。
葉層表面部分の茶葉Lに加熱ミストを接触させることで、芽の周囲に存在しその成長や品質に影響を与える病気の分生子や害虫を防除することができる。また、摘採対象となる芽部分の茶葉Lに加熱ミストを接触させることで、直接的に芽の防除を行うことができる。
特に加熱ミストを茎の切断面にも接触させるのが好ましく、毛茸が存在する若い葉にも加熱ミストを接触させるのが好ましい。また、一般的に「親葉」と称される摘採面より下にある硬化が進んだ茶葉Lにも加熱ミストを接触させるのが好ましく、更に枝に加熱ミストを接触させるのが好ましく、更には幹にも加熱ミストを接触させるのが好ましい。
加熱ミストを茎の切断面に接触させることで輪斑病の防除を効果的に行うことができ、毛茸が存在する若い茶葉Lにも加熱ミストを接触させることで炭そ病の防除を効果的に行うことができる。また、加熱ミストを親葉や枝、幹にも接触させることで、それらに付着している分生子や害虫を防除することができる。
茶葉の表面温度が45℃以上であれば、病気及び害虫の防除に有効である一方、55℃以下であれば熱傷害の発生を防止することができる。
かかる観点から、加熱ミストを茶葉L乃至茶樹Tに接触させた際の茶葉Lの表面温度が45℃~55℃になるようにするのが好ましく、更には46℃~53℃になるようにするのがより好ましく、更には50℃~52℃になるようにするのがよりいっそう好ましい。
この際、茶葉Lの表面温度は、加熱ミストの温度と接触時間によって調整することができる。
また炭そ病や輪斑病などを効果的に防除する観点から、上記処理すなわち加熱された霧状の水を茶葉Lに接触させる処理は、茶葉Lの摘採若しくは整枝を行った時から2週間以内、中でも1週間以内、その中でも1日以内に実施するのが好ましい。
また、上記茶葉Lの整枝とは、茶葉Lを摘採した後に行う摘採面の刈込作業を意味する。中でも一番茶摘採後の整枝又は二番茶摘採後の整枝であるのが好ましい。
但し、一番茶の摘採前に行ってもよいし、また、二番茶の摘採後に行ってもよい。その中でも、一番茶の摘採当日~14日の間に実施するのが好ましく、その中でも摘採当日~7日の間、その中でも摘採当日~3日以下の間に実施するのがより一層好ましい。
また摘採することによって茶樹Tには傷がつくため、その傷口から輪斑病の分生子などが入り込むことがある。そのため、茶摘採後すぐに防除するのが好ましく、萌芽前の炭そ病の分生子の低減、ウンカの低減も行うことができる。
なお請求項1で定義した移動体としては、一例として走行体11及び飛行体100が挙げられ、この実施例では移動体として走行体11を採用した形態について説明し、後ほど他の実施例において移動体として飛行体100を採用した形態について説明する。
茶園防除装置10(走行体11)は、エンジン13又は電気モータで駆動されるクローラベルト等の走行装置12を、進行方向に向かって左右に備えている。
更に生成された加熱ミストMは伸縮管Pを通じて、加熱ミスト噴出装置4にて保管される。この加熱ミスト噴出装置4の下面全域には加熱ミストMを噴出するノズル43が複数設けられており、且つ加熱ミスト噴出装置4は門型フレーム21の下部と茶株面との間に配置されるため、茶株面から至近距離で加熱ミストMを茶葉L乃至茶樹Tに噴出し、噴出された加熱ミストMの温度を低下させずに茶葉L乃至茶樹Lに作用させることが可能である。
即ち、本発明においては、加熱ミスト噴出装置4と茶畝の茶株面間で保温ミスト空間60を形成することで、加熱ミストMの発散が抑制でき、一定温度に保温された加熱ミストMを茶葉L乃至茶樹Tに噴出させることができる。
なお図4に示すように加熱ミスト噴出装置4の左右には給水タンク14が位置するため、茶樹Tの左右面は、これら給水タンク14によって実質的に閉鎖された状態とされる。
尚、前述のとおり茶葉L乃至茶樹Tに接触する際の加熱ミストMの温度は45℃~55℃に調整するのが好ましいため、加熱ミスト噴出装置4内の加熱ミストMの温度については、茶園防除装置10の進行速度や茶葉Lの密集具合に応じて、保温ミスト空間60内で温度が下がり、加熱ミストMによって加熱される茶葉Lの温度に幅が生じてしまうことも考慮すると、前記温度と同等又は若干高い温度にて設定し、茶葉Lへの接触時間も加味しながら温度管理するのが望ましい。
なお加熱ミスト生成装置3についても加熱ミスト噴出装置4と同じく門型フレーム21の下部に設けることも可能であるが、保温ミスト空間60の確保という観点からは好ましくはない。保温ミスト空間60を大きく確保した方が、より防除作用の効率化を図ることが可能であるため、加熱ミスト生成装置3を門型フレーム21の上部に配置し、加熱ミスト噴出装置4のみを門型フレーム21の下部に配置する方が防除作用の効率化の面からはより望ましい。
上記実施例は、移動体としてクローラベルトなどの走行装置12を装備した走行体11を示した例であったが、以下、移動体として飛行体100を採用した形態について説明する。この飛行体100は、例えば、図5に示したようないわゆるドローンと呼ばれるプロペラ107を有する飛行体100を採用することができる。
10 茶園防除装置
11 走行体
12 走行装置
13 エンジン
14 給水タンク
15 燃料タンク
21 門型フレーム
22 リンク
3 加熱ミスト生成装置
31 バーナ
4 加熱ミスト噴出装置
41 ローラフレーム
42 ローラ
43 ノズル
5 送風機
6 被覆部材
60 保温ミスト空間
100 飛行体
101 飛行体本体
103 加熱ミスト生成装置
104 加熱ミスト噴出装置
105 送風機
106 被覆部材
107 プロペラ
114 給水タンク
141 ローラフレーム
142 ローラ
A 大気
F 燃料
L 茶葉
M 加熱ミスト
P 伸縮管
S 蒸気
T 茶樹(茶畝の茶株)
W 水
Claims (5)
- 茶葉の温度が所定温度内となるように、加熱ミストを茶葉乃至茶樹に接触させるための加熱ミスト噴出装置が、移動体に搭載されることにより、茶畝の茶株面から一定間隔あけて茶株面の上方に位置することができるように構成されている茶樹への蒸気防除構造であって、
前記加熱ミスト噴出装置は、加熱ミスト生成装置で生成された加熱ミストを保管するものであり、且つ加熱ミスト噴出装置の下面全域には加熱ミストを噴出させる開口である複数のノズルが設けられ、
更に加熱ミスト噴出装置は、このものと茶株面との間が被覆部材で覆われ、その内側が保温ミスト空間とされていることを特徴とする茶樹への蒸気防除構造。
- 前記所定温度内とは45℃~55℃の範囲であることを特徴とする請求項1記載の茶樹への蒸気防除構造。
- 前記加熱ミスト噴出装置は、ノズルと、茶畝の茶株面との間隔が調整可能な方向に移動可能であることを特徴とする請求項1または2記載の茶樹への蒸気防除構造。
- 前記加熱ミストは、インバータ制御される送風機を用いて温度調節されていることを特徴とする請求項1、2または3いずれか記載の茶樹への蒸気防除構造。
- 前記噴出装置へ蒸気を供給するための加熱ミスト生成装置を、左右の走行装置を接続する門型フレームの上部に搭載することを特徴とする請求項1、2、3または4記載の茶樹への蒸気防除構造。
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