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JP7825594B2 - 蓄電デバイス - Google Patents
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JP7825594B2 - 蓄電デバイス - Google Patents

蓄電デバイス

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Description

本開示は、蓄電デバイスに関する。
特開2010-33830号公報で開示される負極は、集電体および負極活物質を有している。負極活物質は、粒度分布の異なる少なくとも2種類の、単体ケイ素、ケイ素化合物および炭素を含有する活物質複合粒子を有しており、活物質複合粒子の比表面積が5m/g以上50m/g以下であることを特徴としている。同公報には、かかる構成によって、活物質複合粒子内に含有する炭素の存在により、活物質複合粒子の比表面積を向上させる(すなわち、活物質複合粒子に空孔を多く持たせる)ことができると記載されている。さらに、同公報には、このため、ケイ素系負極活物質が充電時に膨張しても、大粒径粒子の隙間に位置する小粒径粒子中に電解液が保持され、充放電サイクル特性の向上(特に、高温における充放電サイクル時の急激な容量低下の抑制、および、ハイレート特性の改善)を実現することができると記載されている。
特開2009-9727号公報で開示される負極は、粒度分布の異なる少なくとも2種類の、単体ケイ素およびケイ素化合物を含有する複合粒子からなる負極活物質を有することを特徴としている。同公報には、かかる構成によって、ケイ素系負極活物質の特徴である高容量を示しつつ、粒度分布の異なる少なくとも2種類の複合粒子を混合させることによって、電極密度を上昇させ、さらなる高容量化を図ることができると記載されている。
特開2010-33830号公報 特開2009-9727号公報
ところで、シリコンを含む負極活物質を用いることによって、蓄電デバイスの容量増大を図ることができる。一方で、蓄電デバイスの充放電を繰り返すと、シリコンを含む負極活物質は、膨張収縮の度合いが大きく、負極活物質層内の内部ストレスを増大させる傾向がある。かかる事情を鑑み、本発明者は、シリコンを含む負極活物質を含む負極活物質層を備える蓄電デバイスについて、充放電にともなう蓄電デバイスの厚みの増大を抑制したい、と考えている。
ここで開示される蓄電デバイスは、負極活物質を含む負極活物質層を備えている。負極活物質は、第1粒子と、第2粒子と、を含んでいる。第1粒子は、シリコンを含む粒子である。第2粒子は、シリコンを含む粒子である。ここで、第2粒子におけるシリコンの含有量C2は、第1粒子におけるシリコンの含有量C1よりも小さい。また、第2粒子の平均粒子径D2は、第1粒子の平均粒子径D1よりも大きい。かかる構成によると、シリコンを含む負極活物質を含む負極活物質層を備える蓄電デバイスについて、充放電にともなう蓄電デバイスの厚みの増大を抑制することができる。
図1は、蓄電デバイス100の断面図である。 図2は、電極体20の模式図である。 図3は、負極シート60の模式断面図である。
以下、ここで開示される技術の一実施形態を説明する。ここで説明される実施形態は、特にここで開示される技術を限定することを意図したものではない。ここで開示される技術は、特に言及されない限りにおいて、ここで説明される実施形態に限定されない。図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、数値範囲を示す「A~B」の表記は、特に言及されない限りにおいて「A以上B以下」を意味するとともに、「Aを上回り、かつ、Bを下回る」の意味をも包含する。
本明細書において、「蓄電デバイス」とは、電解質を介して一対の電極(正極および負極)の間で電荷担体が移動することによって充放電が生じるデバイスをいう。かかる蓄電デバイスは、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等の二次電池;リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ;を包含する。以下では、上述した蓄電デバイスの一例として、リチウムイオン二次電池を対象とした場合の実施形態について説明する。
図1は、蓄電デバイス100の断面図である。図1は、蓄電デバイス100における最も幅広な幅広面に沿う断面図である。図1に示されているように、蓄電デバイス100は、電極体20と、ケース30と、非水電解液80とを備えている。
図2は、電極体20の模式図である。図1および図2に示されているように、電極体20は、長尺なシート状の正極シート50と、長尺なシート状の負極シート60とが、長尺なシート状のセパレータ70を介在させつつ重ね合わせられてシート長手方向(以下、単に「長手方向」ともいう。)に捲回された捲回電極体である。電極体20では、正極シート50における露出領域52aと負極シート60における露出領域62aとが、長手方向に直交する短手方向の両端からそれぞれ外方にはみ出している。
図1および図2に示されているように、正極シート50は、長尺なシート状の正極集電箔52と、正極活物質層54とを備えている。正極集電箔52は、例えば、アルミニウム箔である。この実施形態では、正極集電箔52は、正極活物質層54が設けられた領域と、正極活物質層54が設けられずに正極集電箔52の表面が露出した露出領域52aとを有している。正極活物質層54は、例えば、正極集電箔52の片面または両面(ここでは、両面)上に、長手方向に沿って、帯状に設けられている。正極活物質層54は、短手方向の端部(図中では、左側の端部)には、設けられていない。露出領域52aは、ここでは、短手方向の端部(図中では、左側の端部)における帯状の領域である。図1に示されているように、露出領域52aには、集電板42aが取り付けられている。
正極活物質層54は、例えば、正極活物質を含んでいる。正極活物質としては、例えば、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(NCM)(例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3)、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等のリチウム遷移金属酸化物;LiFePO等のリチウム遷移金属リン酸化合物;等が挙げられる。正極活物質層54は、正極活物質以外に、導電材、バインダ等を含んでいてもよい。導電材としては、例えば、アセチレンブラック(AB)等のカーボンブラック;グラファイト等のその他の炭素材料が挙げられる。バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。
図3は、負極シート60の模式断面図である。図3には、負極シート60における負極集電箔62と負極活物質層64との断面構造が部分的に拡大されて示されている。図1~図3に示されているように、負極シート60は、長尺なシート状の負極集電箔62と、負極活物質層64とを備えている。負極集電箔62は、例えば、銅箔である。この実施形態では、負極集電箔62は、負極活物質層64が設けられた領域と、負極活物質層64が設けられずに負極活物質層64の表面が露出した露出領域62aとを有している。負極活物質層64は、例えば、負極集電箔62の片面または両面(ここでは、両面)上に、長手方向に沿って、帯状に設けられている。負極活物質層64は、長手方向に直交する短手方向の端部(図中では、右側の端部)には、設けられていない。露出領域62aは、ここでは、短手方向の端部(図中では、右側の端部)における帯状の領域である。図1に示されているように、露出領域62aには、集電板44aが取り付けられている。
負極活物質層64は、後述の負極活物質68を含んでいる(図3参照)。図3に示されているように、負極活物質68は、ここでは、第1粒子681と第2粒子682とを含んでいる。第1粒子681は、シリコンを含む粒子である。第2粒子682もまた、シリコンを含む粒子であるが、第1粒子681と異なる粒子である。第2粒子682は、粒子におけるシリコンの含有量と平均粒子径とについて、第1粒子681と異なっている。
第2粒子682におけるシリコンの含有量C2は、第1粒子681におけるシリコンの含有量C1よりも小さい。本明細書において、「第1粒子681におけるシリコンの含有量C1」とは、第1粒子681全体を100質量%としたときのシリコンの含有量(質量%)をいう。また、「第2粒子682におけるシリコンの含有量C2」とは、第2粒子682全体を100質量%としたときのシリコンの含有量(質量%)をいう。含有量C2は、含有量C1よりも小さく、ここで開示される技術の効果が実現される限り、限定されない。含有量C1と含有量C2との比(C2/C1)は、ここで開示される技術の効果を実現するとともに、蓄電デバイスの容量維持率の低下を抑制する観点から、概ね0.05以上であり、0.07以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましく、0.5以上が特に好ましい。一方で、同様の観点から、比(C2/C1)は、概ね1未満であり、0.9以下が好ましく、0.8以下がより好ましい。好ましい一態様では、比(C2/C1)は、0.07~0.8である。また、好ましい他の態様では、比(C2/C1)は、0.6~0.8である。
ここで開示される技術の効果を実現する観点から、含有量C1は、例えば30質量%以上であり、45質量%以上でもよく、55質量%超過が好ましく、60質量%以上がより好ましい。一方で、シリコンの含有による蓄電デバイス100の大容量化効果を実現する観点から、含有量C1は、例えば90質量%以下であり、80質量%以下が好ましい。また、シリコンの含有による蓄電デバイス100の大容量化効果を実現する観点から、含有量C2は、例えば5質量%以上であり、15質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましい。一方で、ここで開示される技術の効果を実現する観点から、含有量C2は、例えば70質量%未満であり、65質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、55質量%以下がさらに好ましい。
また、第2粒子682の平均粒子径D2は、第1粒子681の平均粒子径D1よりも大きい。本明細書において、粒子に関して「平均粒子径」とは、レーザー回折・光散乱法に基づく粒度分布測定によって測定した体積基準の粒度分布において、微粒子側から累積50%に相当する粒子径(D50粒子径)をいう。例えば、平均粒子径D1と平均粒子径D2との比(D1/D2)は、0.01以上1未満に設定されるとよい。ここで開示される技術の効果をよりよく実現する観点から、比(D1/D2)は、0.03以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.07以上がさらに好ましい。また、同様の観点から、比(D1/D2)は、0.9以下であるとよく、0.8以下が好ましく、0.7以下がより好ましく、0.6以下がさらに好ましい。比(D1/D2)をかかる範囲に設定することで、上述の効果に加えて、蓄電デバイス100を充放電した場合における容量維持率の低下を抑制する効果が実現される。かかる2つの効果双方をよりよく実現する観点から、比(D1/D2)は、0.07~0.6、あるいは、0.3~0.6に設定されることが特に好ましい。
平均粒子径D1は、概ね0.1μm~20μmに設定されるとよい。ここで開示される技術の効果を実現する観点から、平均粒子径D1は、例えば0.3μm以上であり、0.5μm以上が好ましく、0.7μm以上がより好ましい。同様の観点から、平均粒子径D1は、例えば15μm以下であり、10μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましく、6μm以下がさらに好ましい。平均粒子径D1をかかる範囲に設定することで、上述の効果に加えて、蓄電デバイス100を充放電した場合における容量維持率の低下を抑制する効果を実現することができる。また、平均粒子径D2は、概ね1μm~30μmに設定されるとよい。ここで開示される技術の効果を実現する観点から、平均粒子径D2は、例えば3μm以上であり、5μm以上が好ましく、7μm以上がより好ましい。同様の観点から、平均粒子径D2は、例えば25μm以下であり、20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましい。
負極活物質層64は、例えば、シリコンを含む粒子に関して、二峰性の粒度分布を有しているとよい。シリコンを含む粒子は、ここでは、第1粒子681と第2粒子682とである。二峰性の粒度分布では、例えば小径側と大径側とに、相互に独立した2つのピークがみられる。このように、シリコンを含む粒子に関して、負極活物質層64が相互に独立した2つのピークを有するように構成されることによって、2つのピークそれぞれの由来となる粒子による効果をより効率よく発揮させることができる。シリコンを含む粒子に関して、負極活物質層64が小径側と大径側とにそれぞれピークを有することによって、蓄電デバイス100の充放電中の負極活物質層64の充填性が向上し、サイクル特性が向上しうる。ここでは、小径側のピークは、第1粒子681に由来する。また、大径側のピークは、第2粒子682に由来する。なお、小径側のピーク(ここでは、第1粒子681に由来するピーク)は、1μm~5μmの範囲にあるとよい。大径側のピーク(ここでは、第2粒子682に由来するピーク)は、6μm~12μmの範囲にあるとよい。
第1粒子681と第2粒子682とは、例えば、いずれもシリコンとカーボンとの複合粒子であるとよい。シリコンとカーボンとの複合粒子は、例えば、シリコンとカーボンとが一体化されて、一つの粒子のようにふるまう粒子である。以下、シリコンとカーボンとの複合粒子を「Si/C粒子」とも称する。第1粒子681と第2粒子682とがSi/C粒子であることによって、蓄電デバイス100の充放電にともなうシリコンの膨張収縮を緩和することができ、延いては、蓄電デバイス100の厚みの増大を抑制することができる。
Si/C粒子は、例えば、炭素材料の表面と内部とに、シリコンを含む。炭素材料は、例えば、多孔質炭素材料であるとよい。多孔質炭素材料は、ここでは、細孔を有する炭素材料をいう。多孔質炭素材料の細孔は、蓄電デバイス100の充放電にともなうシリコンの膨張収縮の緩和に寄与しうる。このため、Si/C粒子の炭素材料が多孔質炭素材料であることによって、蓄電デバイス100の厚みの増大を抑制することができる。シリコンは、例えば、多孔質炭素材料の細孔に担持されているとよい。シリコンが多孔質炭素材料の細孔に担持されることによって、例えば、シリコンが膨張した際に、その膨張分を細孔が吸収することができ、延いては、蓄電デバイス100の厚みの増大を抑制することができる。なお、特に限定するものではないが、多孔質炭素材料は、繊維状あるいは粒状であることが好ましい。
Si/C粒子は、例えば、以下に説明される方法によって製造されうる。ただし、Si/C粒子の製造方法は、以下に説明されたものに限定されない。Si/C粒子の製造方法は、例えば、用意工程と、混合工程と、加熱工程と、を含む。
用意工程は、例えば、原材料としての多孔質炭素材料とSiOとの複合体(SiO-C複合体)と、金属還元剤とを用意する工程である。金属還元剤としては、この種の用途で用いられる金属還元剤が特に制限なく用いられる。金属還元剤は、例えば、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)等であるとよい。
混合工程は、例えば、用意工程で用意された原材料を混合する工程である。混合工程を実施することで、原材料たるSiO-C複合体と金属還元剤との混合物が得られる。ここでは、原材料を、乳鉢等の従来公知の混合手段によって混合するとよい。
加熱工程は、例えば、混合工程で得られた混合物を加熱する工程である。加熱工程を実施することによって、金属還元剤による還元反応が起こりうる。これによって、例えば、SiO-C複合体のSiOがSiに還元され、多孔質炭素材料の細孔にシリコン(Si)が配置される。加熱工程は、例えば、アルゴン雰囲気等の希ガス雰囲気、窒素雰囲気等の不活性雰囲気において実施されることが好ましい。加熱工程における加熱の温度条件は、例えば、200℃~500℃であるとよい。また、加熱の時間は、例えば、0.1時間~10時間であるとよい。
なお、第1粒子681と第2粒子682とがSi/C粒子である場合、例えば、原材料としてのSiO-C複合体におけるSiOの量を適宜調整することによって、第1粒子681と第2粒子682とについて所望するシリコン(Si)の含有量C1と含有量C2とを実現することができる。また、原材料としてのSiO-C複合体のサイズを適宜調整することによって、第1粒子681と第2粒子682とについて所望する平均粒子径D1と平均粒子径D2とを実現することができる。
第1粒子681と第2粒子682との比(質量比)は、ここで開示される技術の効果が実現される限り、特に限定されない。第1粒子681と第2粒子682との比(第1粒子681:第2粒子682)は、概ね10:90~90:10であるとよく、好ましくは20:80~40:60であり、より好ましくは25:75~75:25である。
図3に示された形態では、負極活物質層64は、さらに黒鉛粒子683を含んでいる。第1粒子681と第2粒子682とに加えて、黒鉛粒子683も負極活物質として機能しうる。また、黒鉛粒子683は、シリコンを含む第1粒子681と第2粒子682と比較して、蓄電デバイス100の充放電にともなう膨張収縮の程度が小さい。このため、負極活物質層64が黒鉛粒子683を含むことによって、黒鉛粒子683が負極活物質層64における負極活物質の役割の一部を担うことができる。これによって、蓄電デバイス100の充放電によって負極シート60が膨張収縮するのをよりよく抑制することができ、延いては、蓄電デバイス100の厚みの増大をより効率よく抑制することができる。
黒鉛粒子683は、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛等であるとよい。黒鉛粒子683は、表面に非晶質炭素の被覆層を有していてもよい。特に限定するものではないが、黒鉛粒子683は、例えば、略球形状である。本明細書において、黒鉛粒子683に関して、「略球形状」とは、黒鉛粒子683の電子顕微鏡(SEM)観察に基づく平均アスペクト比が1~2(好ましくは、1~1.5)であることをいう。なお、平均アスペクト比は、例えば、黒鉛粒子683の平面SEM観察像を取得し、SEM観察像から無作為に複数(例えば、10~100)の黒鉛粒子683を選択してそれぞれのアスペクト比を算出し、その算術平均値を算出することによって求められる。黒鉛粒子683の平均粒子径は、例えば5μm~30μmであるとよく、10μm~20μmであってもよい。
負極活物質が黒鉛粒子683を含む場合、上述の効果を実現する観点から、第1粒子681と第2粒子682と黒鉛粒子683との合計を100質量%としたときに、黒鉛粒子683の割合は、概ね20質量%~80質量%(好ましくは40質量%~75質量%、より好ましくは50質量%~70質量%)であるとよい。
負極活物質層64は、負極活物質に加えて、導電材を含んでもよい。導電材としては、例えば、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、二層カーボンナノチューブ(DWCNT)、多層カーボンナノチューブ(MWCNT)等のカーボンナノチューブ;アセチレンブラック(AB)等のカーボンブラック;炭素繊維;等が用いられるとよい。なかでも、カーボンナノチューブが好ましく、単層カーボンナノチューブがより好ましい。導電材としてカーボンナノチューブが用いられることによって、導電パスがより好適に維持され、蓄電デバイス100のサイクル特性がより向上しうる。
負極活物質層64全体を100質量%としたときの負極活物質の割合は、例えば、80質量%以上が好ましく、90質量%~99質量%がより好ましく、95質量%~99質量%であってもよい。また、負極活物質層64全体を100質量%としたときの導電材の割合は、例えば0.01質量%~1質量%であるとよい。
負極活物質層64は、負極活物質に加えて、バインダを含んでもよい。バインダとしては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸(PAA)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。なかでも、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸(PAA)、およびスチレンブタジエンラバー(SBR)が好ましく用いられうる。負極活物質層64全体を100質量%としたときのバインダの割合は、例えば1質量%~10質量%であるとよい。
負極シート60の作製では、負極活物質と、必要に応じて用いられる材料(導電材やバインダ等)を、適当な溶媒(例えば水)に分散させ、ペースト状(またはスラリー状)の組成物を調製する。次いで、この組成物を負極集電箔62の表面に塗布して、乾燥する。そして、必要に応じてプレスすることによって、負極集電箔62の表面に負極活物質層64が設けられた負極シート60が作製される。
セパレータ70としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂材料からなる多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
ケース30は、例えば、電極体20と非水電解液80とを収容する外装容器である。ケース30は、ここでは、扁平な角型のケースである。図1に示されているように、ケース30は、正極端子42と、負極端子44と、安全弁36と、注液孔(図示なし)とを有している。正極端子42は、例えば、正極側の外部接続用端子である。正極端子42は、ここでは、集電板42aを介して、電極体20の正極シート50と電気的に接続されている。負極端子44は、例えば、負極側の外部接続用端子である。負極端子44は、ここでは、集電板44aを介して、電極体20の負極シート60と電気的に接続されている。安全弁36は、例えば、ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に内圧を開放するように設定された、薄肉部である。注液孔は、例えば、ケース30に非水電解液80を注液する部位である。
非水電解液80は、例えば、電解質塩と、非水溶媒と、捕捉剤と、を含んでいる。電解質塩は、例えば、LiPFが挙げられる。非水電解液80における電解質塩の濃度は、例えば、0.7mol/L~1.3mol/Lであるとよい。非水溶媒は、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F-DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等のカーボネート類であるとよい。これらは単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。
蓄電デバイス100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。また、蓄電デバイス100は、小型電力貯蔵装置等の蓄電池として用いられうる。また、蓄電デバイス100は、複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも用いられうる。
上述のとおり、蓄電デバイス100は、負極活物質を含む負極活物質層64を備えている。負極活物質は、第1粒子681と第2粒子682とを含んでいる。第1粒子681は、シリコンを含む粒子である。第2粒子682は、シリコンを含む粒子である。ここで、第2粒子682におけるシリコンの含有量C2は、第1粒子681におけるシリコンの含有量C1よりも小さい。第2粒子682の平均粒子径D2は、第1粒子681の平均粒子径D1よりも大きい。
かかる構成の蓄電デバイス100では、例えば、負極活物質として、相対的にシリコンの含有量が大きく、相対的に平均粒子径が小さい第1粒子681を含むことによって、高容量化が実現されている。また、蓄電デバイス100は、負極活物質として、相対的にシリコンの含有量が小さく、相対的に平均粒子径が大きい第2粒子682を含んでいる。これによって、蓄電デバイス100の充放電時に膨張収縮する、負極活物質におけるシリコンの体積の変化分(特に、膨張による体積の増加分)を緩和することができる。このため、蓄電デバイス100の充放電にともなう負極シート60の膨張収縮を抑制することができ、延いては、蓄電デバイス100の厚みの増大を抑制することができる。
以下、本発明に関する試験例を説明するが、本発明を以下の試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
<試験用セルの作製>
-実施例1-
負極シートの作製では、まず、材料を用意した。負極活物質として、第1粒子と、第2粒子と、黒鉛粒子と、を用意した。第1粒子は、第1粒子全体を100質量%としたときのシリコンの含有量(含有量C1)が70質量%であり、平均粒子径D1が3μmのSi/C粒子であった。第2粒子は、第2粒子全体を100質量%としたときのシリコンの含有量(含有量C2)が40質量%であり、平均粒子径D2が10μmのSi/C粒子であった。黒鉛粒子は、平均粒子径が15μmの黒鉛粒子であった。導電材として、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を用意した。バインダとして、カルボキシメチルセルロース(CMC)と、ポリアクリル酸(PAA)と、スチレンブタジエンラバー(SBR)と、を用意した。これらを、第1粒子:第2粒子:黒鉛粒子:SWCNT:CMC:PAA:SBR=7:28:65:0.1:1:1:1.5の重量比となるように、溶媒としての水と混練し、負極合剤ペーストを作製した。
負極合剤ペーストの作製では、まず、第1粒子および第2粒子と、ペースト状のSWCNT(固形分率2%)と、分散媒と、を混練機に投入し、ディスパーを用いて3000rpmにて分散混合することによって、第1ペーストを作製した。次いで、撹拌造粒機を用いて、黒鉛粒子とCMCとPAAとを乾式混合した。そして、第1ペーストと、乾式混合によって得られた混合粉体と、分散媒(水)と、を固練り混錬した。固練り混錬時の固形分率は、65%であった。固練り混錬した混合物に対して、さらにSBRと分散媒(水)とを加えて混合した。このようにして、負極合剤ペーストを作製した。このペーストを、厚み10μmの銅箔の両面に、帯状に塗布した。そして、銅箔上のペーストを乾燥させ、所定の厚みまでプレスした後、所定の寸法に加工することによって、負極シートを作製した。
次いで、正極活物質としてのリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(NCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを用意した。これらを、NCM:AB:PVDF=100:1:1の質量比となるように、溶媒としてのN-メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極合材ペーストを作製した。このペーストを、厚み15μmのアルミニウム箔の両面に、帯状に塗布した。そして、アルミニウム箔上のペーストを乾燥させ、所定の厚みまでプレスした後、所定の寸法に加工することによって、正極シートを作製した。
上述のように得られた正極シートと負極シートとのそれぞれに集電用のリードを取り付け、セパレータを介して積層し、積層電極体を作製した。次いで、積層電極体をアルミニウムラミネートシートで構成された外装体に挿入し、外装体の内部に非水電解液を注入し、外装体の開口部を封止することによって、実施例1の試験用セルを作製した。なお、セパレータとしては、PP/PE/PPの三層構造を有する多孔性ポリオレフィンシートを用いた。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)と、フルオロエチレンカーボネート(FEC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)と、ジメチルカーボネート(DMC)とを、EC:FEC:EMC:DMC=15:5:40:40の体積比となるように混合した混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。
-実施例2-
第2粒子として、第2粒子全体を100質量%としたときのシリコンの含有量(含有量C2)が55質量%である第2粒子を用いた。このこと以外は実施例1と同様の材料と手順とを用いて、本例の試験用セルを作製した。
-実施例3-
第1粒子として、平均粒子径D1が6μmである第1粒子を用いた。このこと以外は実施例1と同様の材料と手順とを用いて、本例の試験用セルを作製した。
-実施例4-
第2粒子として、第2粒子全体を100質量%としたときのシリコンの含有量(含有量C2)が5質量%である第2粒子を用いた。このこと以外は実施例1と同様の材料と手順とを用いて、本例の試験用セルを作製した。
-実施例5-
第1粒子として、平均粒子径D1が0.7μmである第1粒子を用いた。このこと以外は実施例1と同様の材料と手順とを用いて、本例の試験用セルを作製した。
-比較例1-
第2粒子として、第2粒子全体を100質量%としたときのシリコンの含有量(含有量C2)が70質量%である第2粒子を用いた。このこと以外は実施例1と同様の材料と手順とを用いて、本例の試験用セルを作製した。
-比較例2-
第1粒子として、平均粒子径D1が6μmである第1粒子を用いた。第2粒子として、平均粒子径D2が6μmである第2粒子を用いた。このこと以外は実施例1と同様の材料と手順とを用いて、本例の試験用セルを作製した。
-比較例3-
負極活物質として、黒鉛粒子と第2粒子とを含み、第1粒子を含まない負極活物質を用いた。本例の負極活物質における各成分の質量比は、黒鉛粒子:第1粒子:第2粒子=65:0:35であった。このこと以外は実施例1と同様の材料と手順とを用いて、本例の試験用セルを作製した。
<厚み増加率の評価>
上述のように作製された各例の試験用セルについて、初期厚みTを測定した。具体的には、各例の試験用セルの幅広面における上部、中央部、および下部からそれぞれ任意の点を選択し、かかる計3点における試験用セルの厚みをそれぞれ測定し、その算術平均値を初期厚みTとした。次いで、各例の試験用セルに対して、25℃環境下にて、CCCV充電(4.2Vまでレート0.4C、その後0.1Cカット)をした後、CC放電(レート0.4Cで2.5Vカット)することを1サイクルとする充放電を200サイクル行った。200サイクルの充放電後の各例の試験用セルについて、初期厚みTの測定時と同じ3点における厚みを測定し、その算術平均値を、200サイクル後の厚みT200とした。そして、初期厚みTと200サイクル後の厚みT200とから、以下の数式(A):
厚み増加率(%)
=(200サイクル後の厚みT200/初期厚みT)×100・・・数式(A)
に基づいて、各例の試験用セルの厚み増加率(%)を測定した。結果を表1の該当欄に示す。なお、厚み増加率(%)が20%以下であった例を、充放電にともなう試験用セルの厚みの増大が抑制された例と評価した。また、幅広面の「中央部」は、幅広面の中心である。幅広面の「上部」は、幅広面の中心よりも一の端部側における領域である。幅広面の「下部」は、幅広面の中心よりも上記一の端部と反対側における領域である。
<容量維持率の評価>
各例の試験用セルに対して、25℃環境下にて、CCCV充電(4.2Vまでレート0.4C、その後0.1Cカット)をした後、CC放電(レート0.4Cで2.5Vカット)する充放電を1サイクルとして、200サイクルに到達するまで、上記条件の充放電を繰り返すサイクル試験を行った。そして、1サイクル目の放電容量(初期容量)と、200サイクル目の放電容量とを測定し、以下の数式(B):
容量維持率(%)
=(200サイクル目の放電容量/初期容量)×100・・・数式(B)
に基づいて、各例の試験用セルの容量維持率(%)を測定した。結果を表1の該当欄に示す。
上述のとおり、実施例1~実施例5の試験用セルは、第1粒子と第2粒子とを含む負極活物質を含む負極活物質層を備えている。ここで、実施例1~実施例5の試験用セルでは、第2粒子のシリコンの含有量C2が、第1粒子のシリコンの含有量C1よりも小さい。また、実施例1~実施例5の試験用セルでは、第2粒子の平均粒子径D2が、第2粒子の平均粒子径D1よりも大きい。表1に示されているように、上記構成の実施例1~実施例5の試験用セルでは、比較例1~比較例3の試験用セルにおいてよりも、厚み増加率の増大が抑制された。
以上のとおり、ここで開示される技術の具体的な態様として、以下の各項に記載のものが挙げられる。
項1:
負極活物質を含む負極活物質層を備える蓄電デバイスであって、
前記負極活物質は、
シリコンを含む第1粒子と、
シリコンを含む第2粒子と、
を含んでおり、
ここで、
前記第2粒子におけるシリコンの含有量C2は、前記第1粒子におけるシリコンの含有量C1よりも小さく、
前記第2粒子の平均粒子径D2は、前記第1粒子の平均粒子径D1よりも大きい、蓄電デバイス。
項2:
前記含有量C1と前記含有量C2との比(C2/C1)は、0.05以上0.9以下である、項1に記載の蓄電デバイス。
項3:
前記含有量C1は、55質量%超過90質量%以下であり、
前記含有量C2は、5質量%以上55質量%以下である、項1または2に記載の蓄電デバイス。
項4:
前記平均粒子径D1と前記平均粒子径D2との比(D1/D2)は、0.05以上0.8以下である、項1~3のいずれか一つに記載の蓄電デバイス。
項5:
前記平均粒子径D1は、0.5μm以上10μm以下であり、
前記平均粒子径D2は、5μm以上15μm以下である、項1~4のいずれか一つに記載の蓄電デバイス。
項6:
前記負極活物質層は、シリコンを含む粒子に関して、二峰性の粒度分布を有している、項1~5のいずれか一つに記載の蓄電デバイス。
項7:
前記第1粒子と前記第2粒子とは、いずれもシリコンとカーボンとの複合粒子である、項1~6のいずれか一つに記載の蓄電デバイス。
項8:
前記負極活物質層は、さらに黒鉛粒子を含む、項1~7のいずれか一つに記載の蓄電デバイス。
以上、ここで開示される技術の実施形態について説明したが、ここで開示される技術を上記実施形態に限定することを意図したものではない。ここで開示される技術は、他の実施形態においても実施されうる。特許請求の範囲に記載の技術には、上記に例示した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上記した実施形態の一部を他の変形態様に置き換えることも可能であり、上記した実施形態に他の変形態様を追加することも可能である。また、その技術的特徴が必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することも可能である。
20 電極体
30 ケース
50 正極シート
60 負極シート
62 負極集電箔
64 負極活物質層
68 負極活物質
681 第1粒子
682 第2粒子
683 黒鉛粒子
100 蓄電デバイス

Claims (7)

  1. 負極活物質を含む負極活物質層を備える蓄電デバイスであって、
    前記負極活物質は、
    シリコンを含む第1粒子と、
    シリコンを含む第2粒子と、
    を含んでおり、
    ここで、
    前記第1粒子と前記第2粒子とのいずれもが、細孔を有する多孔質炭素材料と、該多孔質炭素材料の該細孔に担持されたシリコンとの複合粒子を含んでおり、
    前記第2粒子におけるシリコンの含有量C2は、前記第1粒子におけるシリコンの含有量C1よりも小さく、
    前記含有量C1は、前記第1粒子全体を100質量%としたときの該第1粒子におけるシリコンの含有量(質量%)であり、前記含有量C2は、前記第2粒子全体を100質量%としたときの該第2粒子におけるシリコンの含有量(質量%)であり、
    前記第2粒子の平均粒子径D2は、前記第1粒子の平均粒子径D1よりも大きい、蓄電デバイス。
  2. 前記含有量C1と前記含有量C2との比(C2/C1)は、0.05以上0.9以下である、請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 前記含有量C1は、55質量%超過90質量%以下であり、
    前記含有量C2は、5質量%以上55質量%以下である、請求項1に記載の蓄電デバイス。
  4. 前記平均粒子径D1と前記平均粒子径D2との比(D1/D2)は、0.05以上0.8以下である、請求項1に記載の蓄電デバイス。
  5. 前記平均粒子径D1は、0.5μm以上10μm以下であり、
    前記平均粒子径D2は、5μm以上15μm以下である、請求項1に記載の蓄電デバイス。
  6. 前記負極活物質層は、シリコンを含む粒子に関して、二峰性の粒度分布を有している、請求項1に記載の蓄電デバイス。
  7. 前記負極活物質層は、さらに黒鉛粒子を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の蓄電デバイス。
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