JPS6141332B2 - - Google Patents
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- JPS6141332B2 JPS6141332B2 JP7000778A JP7000778A JPS6141332B2 JP S6141332 B2 JPS6141332 B2 JP S6141332B2 JP 7000778 A JP7000778 A JP 7000778A JP 7000778 A JP7000778 A JP 7000778A JP S6141332 B2 JPS6141332 B2 JP S6141332B2
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Description
本発明はL−リンゴ酸モノカリウム塩及びその
1水和物の高純度結晶を製造する新規な方法に関
する。 L−リンゴ酸のカリウム塩は細胞代射の促進剤
として、或は低カリウム症などのカリウム補給剤
としてすぐれた医薬的効果を有する化合物である
が、これまでその工業的に有利な製造方法が知ら
れていなかつた。 従来、一般にDL−リンゴ酸アルカリ金属塩は
DL−リンゴ酸とアルカリ金属イオンとを含有す
る水溶液からPH7〜9において晶出させることに
よつて1対2モル比の塩を取得し得ることが知ら
れているが、このようなジアルカリ金属塩の晶出
には溶解度が高いことに基く種々の困難が伴い、
そのため、たとえば含水アルコールから晶出させ
る特開昭52−3019号の方法が工夫されている。し
かしながら、この特開昭52−3019号の方法でもア
ルコール濃度が低いと晶出結晶が相互付着して、
もち状となり、後処理が困難となるので、大量の
アルコールの使用が必要となる難点がある。ま
た、等モルのL−リンゴ酸と1酸性塩基性カリウ
ムイオン供与物質、例えば水酸化カリウムとを水
中で混合すると溶液中にL−リンゴ酸モノカリウ
ム塩が生成することも知られているが、該溶液か
ら冷却晶析、濃縮晶析等の常用晶析手段によつて
結晶を析出させても、高純度のL−リンゴ酸モノ
カリウム塩の結晶を取得することができず、L−
リンゴ酸とカリウムのモル比が1対0.6〜0.8程度
の、しかも組成が一定しない結晶しか得られなか
つた。 このような組成不定の結晶が生成することは、
DL−リンゴ酸のモノカリウム塩やDL−リンゴ酸
及びL−リンゴ酸の同じアルカリ金属塩に属する
モノナトリウム塩の場合には全く認められず、L
−リンゴ酸のモノカリウム塩の場合に特異な現象
である(後記実験例参照)。また、このようなL
−リンゴ酸モノカリウム塩含有液を濃縮乾固する
とブロツク状のL−リンゴ酸モノカリウム塩が得
られるが、このかたまりには水溶液中の不純物、
例えばフマール酸などがそのまま残存し、かつ結
晶水組成が一定しない難点があつた。 本発明者等は、先に、L−リンゴ酸とカリウム
イオン含有水性溶媒溶液から、結晶析出終了時の
溶液のPHを5.3以上6.8未満とする条件下、常用の
晶析手段により結晶を析出させ、これを分離すれ
ば、常に組成一定のL−リンゴ酸モノカリウム
塩・1水和物結晶を好収率にて取得しうることを
見出した。(特願昭第52−17511号)。特にこの方
法は、例えば結晶析出開始時の溶液のPHが4.7以
下であつて、液低体として存在する析出結晶が組
成不定なものである場合でも、結晶析出終了時の
溶液のPHを5.3以上6.8未満に調整することによ
り、その組成不定の結晶を組成一定のL−リンゴ
酸モノカリウム塩・1水和物結晶へ移転(即ち、
結晶移転)させることができるものである。 更に、本発明等は組成不定な結晶の析出をさけ
つつ工業的に有利なL−リンゴ酸モノカリウム
塩・1水和物結晶の製法を探求して研究を重ねた
結果、L−リンゴ酸とカリウムイオン含有水性溶
媒溶液よりL−リンゴ酸モノカリウム塩・1水和
物結晶を得るに際し、結晶析出開始時の溶液のPH
を5.0以上に調整し、この溶液のPHを5.0以上に維
持しつつ結晶析出を続行させ、かつ結晶析出終了
後の溶液のPHを5.0以上5.3未満に調製することに
より、本発明者等が先に見出した方法よりも約1
割程度収率よく組成一定のL−リンゴ酸モノカリ
ウム塩・1水和物結晶を得ることができることを
見出した。 本発明方法はこのような新知見にもとずくもの
であつて、L−リンゴ酸モノカリウム塩・1水和
物結晶は、L−リンゴ酸およびカリウムイオンを
含有する水性溶媒溶液から、結晶析出時の溶液の
PHを5.0以上に維持しつつ、かつ結晶析出終了時
の溶液のPHを5.0以上5.3未満とする条件下におい
て、結晶を析出させ、固液分離することにより製
造できる。また、このようにして析出させた組成
一定な結晶を固液分離するに際しては、比較的短
時間であればPHが酸性側にこの範囲外に若干逸脱
しても取得せるL−リンゴ酸モノカリウム塩・1
水和物結晶の純度には殆ど悪影響を生じない。例
えば固液分離時のPHが4.8附近まで酸性側にずれ
ても、約1時間位の間に分離操作を完了させれ
ば、純度的に変りのない良好なる結晶を得る。む
しろ固液分離時の溶液のPHをこのようにやや酸性
側に移行させた方が目的物結晶の得量も若干上昇
する利点もある。但し、固液分離時の溶液PHが
4.7以下に下がると析出せるL−リンゴ酸モノカ
リウム塩・1水和物結晶が急速に組成不定な結晶
へ移転してしまうので、そのような条件はさける
べきである。ちなみに、L−リンゴ酸モノカリウ
ム塩・1水和物結晶としての経時的な安定性とPH
との関係を測定せる結果は第1図に示すとおりで
ある。 ここに得られるL−リンゴ酸モノカリウム塩・
1水和物結晶は、結晶水を失うまで乾燥すること
により、高純度の無水のL−リンゴ酸モノカリウ
ム塩結晶とすることができる。 L−リンゴ酸とカリウムイオン含有水性溶媒溶
液は、たとえばL−リンゴ酸を水性溶媒にとか
し、この溶液に塩基性カリウムイオン供与物質
(カリウムイオン量として1.0〜1.9モル比、特に
好ましくは1.1〜1.4モル比)を加え、さらに結晶
析出開始時の溶液のPHが5.0以上、より好ましく
は5.0以上5.3未満となるように調整することによ
り調製するのが好都合である。塩基性カリウムイ
オン供与物質としては、たとえば水酸化カリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が使用で
きる。水性溶媒としてはたとえば、水あるいはメ
タノール、エタノール、アセトンや酢酸エチル等
の親水性有機溶媒と水との混合溶媒などがあげら
れる。L−リンゴ酸及び塩基性カリウムイオン供
与物質を溶解する温度は通常、冷時乃至加熱下、
好ましくは30〜80℃が適当である。 L−リンゴ酸と1酸性塩基性カリウムイオン供
与物質とを等モル比混合した場合、液性は通常約
4.1になる。このような場合には更に液性を前記
特定範囲に調整して後、常用の晶析手段により結
晶を析出させる必要がある。この際、使用するア
ルカリ性物質としては塩基性カリウムイオン供与
物質と同一物質である方が好都合であるが、水酸
化ナトリウムやアンモニアを用いてもよい。ま
た、結晶析出の進行につれ溶液のPHが中性側へ移
行するので、結晶析出終了時の溶液のPHを前記特
定範囲に調整する必要もある。この際使用する酸
性物質としては、酢酸、塩酸等も使用できるが、
L−リンゴ酸を使用するのが好ましい。尚、これ
ら酸性物質は、固液分離時に溶液のPHを4.8まで
低下させる時にも好適に使用できる。 このようにして得られるL−リンゴ酸モノカリ
ウム塩・1水和物結晶から結晶水を除去して無水
のL−リンゴ酸モノカリウム塩結晶を製する乾燥
方法としては、たとえば温風温度50℃にて乾燥す
る場合には、関係湿度31%以下とするのが適当で
ある。 上記の如くして得られるL−リンゴ酸モノカリ
ウム塩およびその1水和物結晶は、高純度である
ばかりでなく、吸湿性その他の不都合なく取扱い
易い利点がある。 実施例 1 L−リンゴ酸68.1g(0.508モル)を水200mlに
溶解し、水酸化カリウム34.2g(0.61モル)を加
える。この溶液を減圧濃縮し、残液量を約120ml
とした後、約10℃に冷却して結晶を析出させる。
結晶析出開始時の溶液のPHは5.0であり、3時間
後にはPHが5.5と上昇するのでL−リンゴ酸水溶
液(L−リンゴ酸を34.07W/W%含有)14.8gを
加えて溶液のPHを5.0となし、更に結晶析出を続
行させる。結晶析出終了後(溶液のPHは5.1)、固
液分離して、L−リンゴ酸モノカリウム塩・1水
和物結晶を73.0g得る。収率75.6%(仕込みL−
リンゴ酸基準) mp.:184〜185℃(分解) 〔α〕D−5.6゜(C=4、水) 元素分析値:K・C4H5O5・H2O 計算値:C、25.26;H、3.72;K、20.56 実測値:C、25.21;H、3.69;K、20.55 (但し、カリウム含量はアニオン交換樹脂処理
後、中和滴定による) 本品はカール・フイツシヤー法で水分析をした
ところ結晶水は9.43%(理論値:9.46%)であ
る。 尚、本品を60℃(関係湿度20%)にて24時間の
熱風乾燥に付すと、結晶水をもたないL−リンゴ
酸モノカリウム塩結晶となすことができる(但
し、カール・フイツシヤー法による水分析では水
分は0.12%である)。 mp.184〜185℃ 〔α〕22 D−6.1゜(C=4、水) 実施例 2 L−リンゴ酸68.1g及び水酸化カリウム34.2g
を水180mlに溶解し、この溶液を約110mlに濃縮す
る。得られる濃厚溶液を冷却し、L−リンゴ酸モ
ノカリウム塩・1水和物結晶0.1gを種晶として
添加し、10℃で3時間かくはん晶析する。なお、
結晶析出開始時の溶液のPHは5.1である。この
間、この溶液のPHを5.0以上5.3未満に維持するた
め、適時、塩酸を加えてPH調整を行う。固液分離
し、得られる結晶を含水メタノールで洗浄後30℃
で1夜送風乾燥する。L−リンゴ酸モノカリウム
塩・1水和物結晶を73.8g得る。収率76.4%。 本品の物理化学的性状は実施例1で得た標品の
それらと一致した。 実施例 3 L−リンゴ酸134.1g及び水酸化カリウム65.6
gを水400mlに溶解し、この溶液を約240mlに濃縮
する。得られた濃厚溶液を冷却し、種晶のL−リ
ンゴ酸モノカリウム塩・1水和物結晶0.1gを添
加し、10℃で4時間かくはん晶析を行う。この
間、晶析系の溶液PHを5.0〜5.2に維持するため、
適時、35%塩酸を加えてPH調整を行う。なお、結
晶析出開始時の溶液のPHは5.1である。ついで晶
析系の溶液PHを35%塩酸で4.8に調製し、1時間
後に固液分離し、得られた結晶を冷含水メタノー
ルで洗浄後乾燥する。L−リンゴ酸モノカリウム
塩・1水和物結晶を155.0g得る。収率81.5%。 本品の物理化学的性状は実施例1で得た標品の
それらと一致した。 実験例 PH調整をしないで、等モル量のDL−、もしく
はL−リンゴ酸とナトリウムイオン、もしくはカ
リウムイオンを含有する水溶液から結晶を晶析さ
せた場合にどのような組成の結晶が得られるかを
参考例として以下に記載する。 (1) ナトリウム塩の場合 L−リンゴ酸26.8g(0.2モル)と水酸化ナ
トリウム8.0g(0.2モル)とを水200mlに溶解
し(PH4.1)、ついで減圧下に残液量が60gとな
るまで濃縮し、10℃に冷却下、4時間のかくは
ん晶析を行う。析出結晶をろ取し(母液のPH
4.1)、80%含水メタノールで洗浄後、35℃で16
時間送風乾燥する。結晶重量は23.2gである。 この結晶1gを水10mlに溶解したときの液性
はPH4.1である。また、この結晶の化学分析値
は第1表の如くであり、この結晶がL−リンゴ
酸モノカリウム塩・2水和物結晶であることを
示している。
1水和物の高純度結晶を製造する新規な方法に関
する。 L−リンゴ酸のカリウム塩は細胞代射の促進剤
として、或は低カリウム症などのカリウム補給剤
としてすぐれた医薬的効果を有する化合物である
が、これまでその工業的に有利な製造方法が知ら
れていなかつた。 従来、一般にDL−リンゴ酸アルカリ金属塩は
DL−リンゴ酸とアルカリ金属イオンとを含有す
る水溶液からPH7〜9において晶出させることに
よつて1対2モル比の塩を取得し得ることが知ら
れているが、このようなジアルカリ金属塩の晶出
には溶解度が高いことに基く種々の困難が伴い、
そのため、たとえば含水アルコールから晶出させ
る特開昭52−3019号の方法が工夫されている。し
かしながら、この特開昭52−3019号の方法でもア
ルコール濃度が低いと晶出結晶が相互付着して、
もち状となり、後処理が困難となるので、大量の
アルコールの使用が必要となる難点がある。ま
た、等モルのL−リンゴ酸と1酸性塩基性カリウ
ムイオン供与物質、例えば水酸化カリウムとを水
中で混合すると溶液中にL−リンゴ酸モノカリウ
ム塩が生成することも知られているが、該溶液か
ら冷却晶析、濃縮晶析等の常用晶析手段によつて
結晶を析出させても、高純度のL−リンゴ酸モノ
カリウム塩の結晶を取得することができず、L−
リンゴ酸とカリウムのモル比が1対0.6〜0.8程度
の、しかも組成が一定しない結晶しか得られなか
つた。 このような組成不定の結晶が生成することは、
DL−リンゴ酸のモノカリウム塩やDL−リンゴ酸
及びL−リンゴ酸の同じアルカリ金属塩に属する
モノナトリウム塩の場合には全く認められず、L
−リンゴ酸のモノカリウム塩の場合に特異な現象
である(後記実験例参照)。また、このようなL
−リンゴ酸モノカリウム塩含有液を濃縮乾固する
とブロツク状のL−リンゴ酸モノカリウム塩が得
られるが、このかたまりには水溶液中の不純物、
例えばフマール酸などがそのまま残存し、かつ結
晶水組成が一定しない難点があつた。 本発明者等は、先に、L−リンゴ酸とカリウム
イオン含有水性溶媒溶液から、結晶析出終了時の
溶液のPHを5.3以上6.8未満とする条件下、常用の
晶析手段により結晶を析出させ、これを分離すれ
ば、常に組成一定のL−リンゴ酸モノカリウム
塩・1水和物結晶を好収率にて取得しうることを
見出した。(特願昭第52−17511号)。特にこの方
法は、例えば結晶析出開始時の溶液のPHが4.7以
下であつて、液低体として存在する析出結晶が組
成不定なものである場合でも、結晶析出終了時の
溶液のPHを5.3以上6.8未満に調整することによ
り、その組成不定の結晶を組成一定のL−リンゴ
酸モノカリウム塩・1水和物結晶へ移転(即ち、
結晶移転)させることができるものである。 更に、本発明等は組成不定な結晶の析出をさけ
つつ工業的に有利なL−リンゴ酸モノカリウム
塩・1水和物結晶の製法を探求して研究を重ねた
結果、L−リンゴ酸とカリウムイオン含有水性溶
媒溶液よりL−リンゴ酸モノカリウム塩・1水和
物結晶を得るに際し、結晶析出開始時の溶液のPH
を5.0以上に調整し、この溶液のPHを5.0以上に維
持しつつ結晶析出を続行させ、かつ結晶析出終了
後の溶液のPHを5.0以上5.3未満に調製することに
より、本発明者等が先に見出した方法よりも約1
割程度収率よく組成一定のL−リンゴ酸モノカリ
ウム塩・1水和物結晶を得ることができることを
見出した。 本発明方法はこのような新知見にもとずくもの
であつて、L−リンゴ酸モノカリウム塩・1水和
物結晶は、L−リンゴ酸およびカリウムイオンを
含有する水性溶媒溶液から、結晶析出時の溶液の
PHを5.0以上に維持しつつ、かつ結晶析出終了時
の溶液のPHを5.0以上5.3未満とする条件下におい
て、結晶を析出させ、固液分離することにより製
造できる。また、このようにして析出させた組成
一定な結晶を固液分離するに際しては、比較的短
時間であればPHが酸性側にこの範囲外に若干逸脱
しても取得せるL−リンゴ酸モノカリウム塩・1
水和物結晶の純度には殆ど悪影響を生じない。例
えば固液分離時のPHが4.8附近まで酸性側にずれ
ても、約1時間位の間に分離操作を完了させれ
ば、純度的に変りのない良好なる結晶を得る。む
しろ固液分離時の溶液のPHをこのようにやや酸性
側に移行させた方が目的物結晶の得量も若干上昇
する利点もある。但し、固液分離時の溶液PHが
4.7以下に下がると析出せるL−リンゴ酸モノカ
リウム塩・1水和物結晶が急速に組成不定な結晶
へ移転してしまうので、そのような条件はさける
べきである。ちなみに、L−リンゴ酸モノカリウ
ム塩・1水和物結晶としての経時的な安定性とPH
との関係を測定せる結果は第1図に示すとおりで
ある。 ここに得られるL−リンゴ酸モノカリウム塩・
1水和物結晶は、結晶水を失うまで乾燥すること
により、高純度の無水のL−リンゴ酸モノカリウ
ム塩結晶とすることができる。 L−リンゴ酸とカリウムイオン含有水性溶媒溶
液は、たとえばL−リンゴ酸を水性溶媒にとか
し、この溶液に塩基性カリウムイオン供与物質
(カリウムイオン量として1.0〜1.9モル比、特に
好ましくは1.1〜1.4モル比)を加え、さらに結晶
析出開始時の溶液のPHが5.0以上、より好ましく
は5.0以上5.3未満となるように調整することによ
り調製するのが好都合である。塩基性カリウムイ
オン供与物質としては、たとえば水酸化カリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が使用で
きる。水性溶媒としてはたとえば、水あるいはメ
タノール、エタノール、アセトンや酢酸エチル等
の親水性有機溶媒と水との混合溶媒などがあげら
れる。L−リンゴ酸及び塩基性カリウムイオン供
与物質を溶解する温度は通常、冷時乃至加熱下、
好ましくは30〜80℃が適当である。 L−リンゴ酸と1酸性塩基性カリウムイオン供
与物質とを等モル比混合した場合、液性は通常約
4.1になる。このような場合には更に液性を前記
特定範囲に調整して後、常用の晶析手段により結
晶を析出させる必要がある。この際、使用するア
ルカリ性物質としては塩基性カリウムイオン供与
物質と同一物質である方が好都合であるが、水酸
化ナトリウムやアンモニアを用いてもよい。ま
た、結晶析出の進行につれ溶液のPHが中性側へ移
行するので、結晶析出終了時の溶液のPHを前記特
定範囲に調整する必要もある。この際使用する酸
性物質としては、酢酸、塩酸等も使用できるが、
L−リンゴ酸を使用するのが好ましい。尚、これ
ら酸性物質は、固液分離時に溶液のPHを4.8まで
低下させる時にも好適に使用できる。 このようにして得られるL−リンゴ酸モノカリ
ウム塩・1水和物結晶から結晶水を除去して無水
のL−リンゴ酸モノカリウム塩結晶を製する乾燥
方法としては、たとえば温風温度50℃にて乾燥す
る場合には、関係湿度31%以下とするのが適当で
ある。 上記の如くして得られるL−リンゴ酸モノカリ
ウム塩およびその1水和物結晶は、高純度である
ばかりでなく、吸湿性その他の不都合なく取扱い
易い利点がある。 実施例 1 L−リンゴ酸68.1g(0.508モル)を水200mlに
溶解し、水酸化カリウム34.2g(0.61モル)を加
える。この溶液を減圧濃縮し、残液量を約120ml
とした後、約10℃に冷却して結晶を析出させる。
結晶析出開始時の溶液のPHは5.0であり、3時間
後にはPHが5.5と上昇するのでL−リンゴ酸水溶
液(L−リンゴ酸を34.07W/W%含有)14.8gを
加えて溶液のPHを5.0となし、更に結晶析出を続
行させる。結晶析出終了後(溶液のPHは5.1)、固
液分離して、L−リンゴ酸モノカリウム塩・1水
和物結晶を73.0g得る。収率75.6%(仕込みL−
リンゴ酸基準) mp.:184〜185℃(分解) 〔α〕D−5.6゜(C=4、水) 元素分析値:K・C4H5O5・H2O 計算値:C、25.26;H、3.72;K、20.56 実測値:C、25.21;H、3.69;K、20.55 (但し、カリウム含量はアニオン交換樹脂処理
後、中和滴定による) 本品はカール・フイツシヤー法で水分析をした
ところ結晶水は9.43%(理論値:9.46%)であ
る。 尚、本品を60℃(関係湿度20%)にて24時間の
熱風乾燥に付すと、結晶水をもたないL−リンゴ
酸モノカリウム塩結晶となすことができる(但
し、カール・フイツシヤー法による水分析では水
分は0.12%である)。 mp.184〜185℃ 〔α〕22 D−6.1゜(C=4、水) 実施例 2 L−リンゴ酸68.1g及び水酸化カリウム34.2g
を水180mlに溶解し、この溶液を約110mlに濃縮す
る。得られる濃厚溶液を冷却し、L−リンゴ酸モ
ノカリウム塩・1水和物結晶0.1gを種晶として
添加し、10℃で3時間かくはん晶析する。なお、
結晶析出開始時の溶液のPHは5.1である。この
間、この溶液のPHを5.0以上5.3未満に維持するた
め、適時、塩酸を加えてPH調整を行う。固液分離
し、得られる結晶を含水メタノールで洗浄後30℃
で1夜送風乾燥する。L−リンゴ酸モノカリウム
塩・1水和物結晶を73.8g得る。収率76.4%。 本品の物理化学的性状は実施例1で得た標品の
それらと一致した。 実施例 3 L−リンゴ酸134.1g及び水酸化カリウム65.6
gを水400mlに溶解し、この溶液を約240mlに濃縮
する。得られた濃厚溶液を冷却し、種晶のL−リ
ンゴ酸モノカリウム塩・1水和物結晶0.1gを添
加し、10℃で4時間かくはん晶析を行う。この
間、晶析系の溶液PHを5.0〜5.2に維持するため、
適時、35%塩酸を加えてPH調整を行う。なお、結
晶析出開始時の溶液のPHは5.1である。ついで晶
析系の溶液PHを35%塩酸で4.8に調製し、1時間
後に固液分離し、得られた結晶を冷含水メタノー
ルで洗浄後乾燥する。L−リンゴ酸モノカリウム
塩・1水和物結晶を155.0g得る。収率81.5%。 本品の物理化学的性状は実施例1で得た標品の
それらと一致した。 実験例 PH調整をしないで、等モル量のDL−、もしく
はL−リンゴ酸とナトリウムイオン、もしくはカ
リウムイオンを含有する水溶液から結晶を晶析さ
せた場合にどのような組成の結晶が得られるかを
参考例として以下に記載する。 (1) ナトリウム塩の場合 L−リンゴ酸26.8g(0.2モル)と水酸化ナ
トリウム8.0g(0.2モル)とを水200mlに溶解
し(PH4.1)、ついで減圧下に残液量が60gとな
るまで濃縮し、10℃に冷却下、4時間のかくは
ん晶析を行う。析出結晶をろ取し(母液のPH
4.1)、80%含水メタノールで洗浄後、35℃で16
時間送風乾燥する。結晶重量は23.2gである。 この結晶1gを水10mlに溶解したときの液性
はPH4.1である。また、この結晶の化学分析値
は第1表の如くであり、この結晶がL−リンゴ
酸モノカリウム塩・2水和物結晶であることを
示している。
【表】
(2) カリウム塩の場合
(a) DL−リンゴ酸
DL−リンゴ酸26.8g(0.2モル)と炭酸カ
リウム13.8g(0.1モル)とを水200mlに溶解
し(PH4.1)、ついで減圧下に残液量が60gと
なるまで濃縮する。これを10℃に冷却し、4
時間かくはん晶析を行い、析出結晶をろ取し
(ろ液PH4.1)、含水メタノールで洗浄後、35
℃で16時間送風乾燥する。結晶重量は26.4g
である。 本品の10%水溶液の液性はPH4.1である。 この結晶の化学分析値は第2表に示す如く
であり、この結晶がDL−リンゴ酸モノカリ
ウム塩・1水和物結晶であることを示してい
る。
リウム13.8g(0.1モル)とを水200mlに溶解
し(PH4.1)、ついで減圧下に残液量が60gと
なるまで濃縮する。これを10℃に冷却し、4
時間かくはん晶析を行い、析出結晶をろ取し
(ろ液PH4.1)、含水メタノールで洗浄後、35
℃で16時間送風乾燥する。結晶重量は26.4g
である。 本品の10%水溶液の液性はPH4.1である。 この結晶の化学分析値は第2表に示す如く
であり、この結晶がDL−リンゴ酸モノカリ
ウム塩・1水和物結晶であることを示してい
る。
【表】
(b) L−リンゴ酸
L−リンゴ酸26.8g(0.2モル)と炭酸カ
リウム13.8g(0.1モル)とを水200mlに溶解
し(PH4.1)、ついで減圧下に残液量が60gと
なるまで濃縮する。これを10℃に冷却し、4
時間かくはん晶析を行い、析出結晶をろ取し
(ろ液PH5.1)、含水メタノールで洗浄後、35
℃で16時間送風乾燥する。結晶重量は23.4g
である。 mp.174〜177℃ 〔α〕24 D−4.7゜(C=4、水) この結晶の化学分析値は第3表に示す如く
であり、L−リンゴ酸モノカリウム塩(無水
塩)の計算値と比較してカリウムの相対含有
量が著しく不足するものである。
リウム13.8g(0.1モル)とを水200mlに溶解
し(PH4.1)、ついで減圧下に残液量が60gと
なるまで濃縮する。これを10℃に冷却し、4
時間かくはん晶析を行い、析出結晶をろ取し
(ろ液PH5.1)、含水メタノールで洗浄後、35
℃で16時間送風乾燥する。結晶重量は23.4g
である。 mp.174〜177℃ 〔α〕24 D−4.7゜(C=4、水) この結晶の化学分析値は第3表に示す如く
であり、L−リンゴ酸モノカリウム塩(無水
塩)の計算値と比較してカリウムの相対含有
量が著しく不足するものである。
【表】
更に、本品はIRスペクトルにおいても実施例
1の本発明方法によつて製したL−リンゴ酸モノ
カリウム塩結晶(無水塩)のそれと全く相違する
ものである。 比較実験例 (実験方法) L−リンゴ酸13.4gを水100mlに溶解し、水酸
化カリウムを加えて所定のPHに調整した。この溶
液を残量が約30gになるまで減圧濃縮し、必要に
応じ更にPH調整をした後、10℃に冷却した。 析出晶をろ取、含水メタノール洗浄後、30℃で
一夜送風乾燥した。 (結果) 得られた結晶の組成及び収率を下表に示す。
1の本発明方法によつて製したL−リンゴ酸モノ
カリウム塩結晶(無水塩)のそれと全く相違する
ものである。 比較実験例 (実験方法) L−リンゴ酸13.4gを水100mlに溶解し、水酸
化カリウムを加えて所定のPHに調整した。この溶
液を残量が約30gになるまで減圧濃縮し、必要に
応じ更にPH調整をした後、10℃に冷却した。 析出晶をろ取、含水メタノール洗浄後、30℃で
一夜送風乾燥した。 (結果) 得られた結晶の組成及び収率を下表に示す。
第1図は混合液PHに対するL−リンゴ酸モノカ
リウム塩・1水和物結晶の液底体としての安定性
を示す。縦軸は液底体(固相)のL−リンゴ酸量
に対するカリウム量のモル比(組成比)を表わ
し、横軸は混合液の時間経過を示す。直線aは混
合液のPHが5.0以上5.3未満の、曲線bは混合液の
PHが4.8の、曲線Cは混合液のPHが4.7の場合の液
底体の組成を示す。尚、測定時の温度は10℃であ
る。
リウム塩・1水和物結晶の液底体としての安定性
を示す。縦軸は液底体(固相)のL−リンゴ酸量
に対するカリウム量のモル比(組成比)を表わ
し、横軸は混合液の時間経過を示す。直線aは混
合液のPHが5.0以上5.3未満の、曲線bは混合液の
PHが4.8の、曲線Cは混合液のPHが4.7の場合の液
底体の組成を示す。尚、測定時の温度は10℃であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 L−リンゴ酸およびカリウムイオンを含有す
る水性溶媒溶液から、結晶析出時の溶液のPHを
5.0以上5.5以下に維持しつつ、かつ結晶析出終了
時の溶液のPHを5.0以上5.3未満とする条件下にお
いて、結晶を析出させ、固液分離することを特徴
とするL−リンゴ酸モノカリウム塩・1水和物結
晶の製法。 2 特許請求の範囲第1項において、結晶析出に
L−リンゴ酸モノカリウム塩・1水和物の精製結
晶を種晶として使用するL−リンゴ酸モノカリウ
ム塩・1水和物結晶の製法。 3 特許請求の範囲第1項又は第2項において、
固液分離時のPHが4.8以上5.3未満であるL−リン
ゴ酸モノカリウム塩・1水和物結晶の製法。 4 L−リンゴ酸およびカリウムイオンを含有す
る水性溶媒溶液から、結晶析出時の溶液のPHを
5.0以上5.5以下に維持しつつ、かつ結晶析出終了
時の溶液のPHを5.0以上5.3未満とする条件下にお
いて、結晶を析出させ、固液分離してL−リンゴ
酸モノカリウム塩・1水和物結晶を得、次いでこ
の結晶を結晶水を失うまで乾燥することを特徴と
する無水のL−リンゴ酸モノカリウム塩結晶の製
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7000778A JPS54163520A (en) | 1978-06-09 | 1978-06-09 | Production of crystal of monopotassium l-malate |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7000778A JPS54163520A (en) | 1978-06-09 | 1978-06-09 | Production of crystal of monopotassium l-malate |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS54163520A JPS54163520A (en) | 1979-12-26 |
| JPS6141332B2 true JPS6141332B2 (ja) | 1986-09-13 |
Family
ID=13419107
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7000778A Granted JPS54163520A (en) | 1978-06-09 | 1978-06-09 | Production of crystal of monopotassium l-malate |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS54163520A (ja) |
-
1978
- 1978-06-09 JP JP7000778A patent/JPS54163520A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS54163520A (en) | 1979-12-26 |
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