JPH0354554B2 - - Google Patents
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- JPH0354554B2 JPH0354554B2 JP7967888A JP7967888A JPH0354554B2 JP H0354554 B2 JPH0354554 B2 JP H0354554B2 JP 7967888 A JP7967888 A JP 7967888A JP 7967888 A JP7967888 A JP 7967888A JP H0354554 B2 JPH0354554 B2 JP H0354554B2
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Description
産業上の利用分野
本発明は、アンジオテンシンの前駆体ペプチ
ドであり、興味深い生理活性ペプチドであるアン
ジオテンシン(アスパラギン酸(AsP)−アル
ギニン(Arg)−バリン(Val)−チロシン(Tyr)
−イソロイシン(Ile)−ヒスチジン(His)−プロ
リン(Pro)−フエニルアラニン(Phe)−ヒスチ
ジン(His)−ロイシン(Leu)の10個のアミノ酸
配列よりなるペプチド、以下、ANG1と略す。)
を含む融合タンパク質を大量に生産可能とする新
規組換えプラスミドpANG1−23、pANG1−23
を含有する大腸菌、ANG1を酵素のカルボキシ末
端側に有するジヒドロ葉酸還元酵素−ANG1融合
タンパク質(以下、DHFR−ANG1と略す。)、
DHFR−ANG1の分離精製方法、およびANG1の
製造方法に関するものである。本発明の新規組換
えプラスミドpANG1−23は、第1図において示
されるDNA配列を有する。本発明は、発酵工業、
医薬品工業等の分野に好適である。 従来の技術 ANG1は、血中ペプチドであり、血圧をコント
ロールすると考えられているレニン−アンジオテ
ンシン系の物質である。ANG1からは、アンジオ
テンシン変換酵素(angitensin converting
enzyme、以下ACEと略す。)の働きにより活性
なアンジオテンシン(以下、ANG2と略す。)
が生成される。また、ANG1がアミノペプチダー
ゼの作用を受け、[des−Asp1]−ANG1が生成
し、これにACEが作用することにより、アンジ
オテンシン(以下、ANG3と略す。)が生成さ
れる。ANG2は末梢動脈のANG2レセプターに作
用し、血管収縮による血圧上昇作用と副賢皮質の
球状層に作用し、アルデステロン分泌促進作用を
有する。ANG3は、ANG2の23から50%の血圧上
昇作用、また、ANG2と同程度のアルデステロン
分泌促進活性を有する。このように、ANG1は、
ANG2およびANG3の前駆体ペプチドとして興味
深い物質である。 本発明の技術的背景としては、いわゆる遺伝子
操作技術がある。しかしながら、遺伝子操作を利
用した効率のよいANG1の製造方法に関しては、
知られていない。 既に、本発明者らは、大腸菌由来のジヒドロ葉
酸還元酵素(以下、DHFRと略す。)遺伝子に関
して、その遺伝子の改変の結果、異種遺伝子発現
用プラスミドベクターpTP70−1(特開昭63−
46193号公報)及び及びpTP104−4(特開平1−
144979号公報)と、それを利用した融合遺伝子の
作成方法(特願昭62−302153)を開発している。
また、pTP104−4にロイシンエンケフアリン
(以下、LEKと略す。)を暗号化する化学DNAを
組み込んで、LEKの効率よい生産方法を開発し
ている(特開昭63−102698号公報)。効率のよい
LEKの生産方法を開発する際に得られた組換え
プラスミドpLEK1は、制限酵素BamHとMlu
部位の間の配列を異種DNAと取り替えるだけ
で、DHFRとの融合遺伝子を容易に作成できる。
また、pLEK1を利用して融合遺伝子を作成した
場合、融合遺伝子の発現の結果得られる融合タン
パク質の大腸菌菌体の蓄積量は、全菌体タンパク
質の約20%が期待される。しかしながら、ANG1
の生産に上記発現ベクターを用いた例はない。 発明の目的 本発明の目的は、いまだ確立されていない、遺
伝子操作の手法を用いたANG1の大量生産方法を
開発することにある。 既に、本発明者らは(1)大腸菌のDHFRを大量
に発現する発現プラスミドを構築していること
(特開昭62−69990号公報)、(2)大腸菌のDHFRの
カルボキシ末端側の配列を変化させても、酵素活
性が失われないこと、(3)大腸菌のDHFRのカル
ボキシ末端側に異種ペプチドを融合させることを
可能とするプラスミドベクターpTP104−4を構
築していること(特開平1−144979号公報)、(4)
pTP104−4上の改変DHFRは、大腸菌で効率良
く発現すること、(5)pTP104−4にLEKを暗号化
する化学DNAを組み込んだプラスミドpLEK1を
作成し、pLEK1の制限酵素BamHとMlu部
位を利用することにより、異種DNAとDHFRと
の融合遺伝子の作成が容易である(特開平1−
252290号公報)こと、を明らかにしている。 本発明者らは、上記の知見を利用し、鋭意研究
の結果、ANG1遺伝子を設計・化学合成し、
pLEK1に組み込むことにより、ANG1遺伝子と
DHFR遺伝子の融合遺伝子を作成し、融合遺伝
子を大腸菌で発現させることにより、DHFR−
ANG1を大量に生産できることを見いだし、さら
に、DHFR−ANG1を用いることにより効果的
にANG1を作成できることを明らかにし、本発明
を完成させた。 発明の構成 本発明は、(1)DHFR−ANG1の大量発現を可
能にする新規組換えプラスミドpANG1−23、(2)
pANG1−23を含有する大腸菌菌体、(3)pANG1
−23を含有する大腸菌が生産するDHFR−
ANG1、(4)pANG1−23を含有する大腸菌からの
DHFR−ANG1の分離精製、および(5)DHFR−
ANG1を用いたANG1の製造方法、の発明により
構成される。 (1) 新規組換えプラスミドpANG1−23 第1図は、本発明のpANG1−23の全塩基配
列を示している。図は、2本鎖環状DNAのう
ち片方のDNA鎖配列だけを、プラスミド中に
1箇所存在する制限酵素Cla部位の切断認識
部位、5′−ATCGAT−3′、の最初の“A”を
1番として数えて、5′末端から3′末端の方向に
記述している。本発明のpANG1−23は、新規
な組換えプラスミドである。pANG1−23は、
4222塩基対の大きさであり、宿主である大腸菌
にトリメトプリムおよびアンピシリン耐性を付
与することができる。pANG1−23は、pLEK1
のBamHとMlu部位の間のLEKを暗号化
する配列を含む28塩基対の配列を、ANG1を暗
号化する配列を含む43塩基対の化学合成DNA
と置き換えた構造をしていてる。第1図におい
て、533番目から575番目迄の配列が化学合成
DNA由来の配列である。それ以外の配列が
pLEK1由来の配列である。 第1図の57番目から572番目まで配列は、
DHFRのカルボキシ末端側にANG1がメチオ
ニン(Met)を介して結合したDHFR−ANG1
を暗号化している。 DHFR−ANG1を暗号化する配列の上流に
は、DHFR−ANG1遺伝子の発現を効率良く
行わせる配列が存在する(特開昭63−46193号
公報)。即ち、43番目から50番目までの配列が
SD配列と呼ばれるもので、効率の良い翻訳に、
また、4180番目から4208番目までが、コンセン
サス転写プロモーターであり、効率の良い転写
に貢献する。このことから、pANG1−23は、
大腸菌に導入された場合、多種のDHFR−
ANG1を作る。作られたDHFR−ANG1は、菌
体内に可溶性の状態で、菌体タンパク質の約20
%程度蓄積する。このことによつて、pANG1
−23を含有する大腸菌はトリメトプリム耐性を
示すようになる。また、pANG1−23は、
pLEK1由来の、アンピシリン耐性遺伝子を有
している。このことから、pANG1−23が導入
された大腸菌は、アンピシリン耐性をも示す。
pANG1−23は、大腸菌に導入されて安定状態
に保たれ、pANG1−23を含有する大腸菌は、
微工研にFERM BP−1819として寄託されて
いる。 このような特長を有するpANG1−23は、実
施例1に従つて作成することができるが、組換
えプラスミドの作成方法によつて本発明が制限
されるものではない。 (2) pANG1−23を含有する大腸菌 pANG1−23を含有する大腸菌は、トリメト
プリム及びアンピシリンに対して耐性を示す。
pANG1−23を含有する大腸菌は、DHFR−
ANG1遺伝子の効率のよい発現の結果、
DHFR−ANG1を菌体内に可溶性の状態で大
量に蓄積する。pANG1−23を含有する大腸菌
をYT+Ap培地(培地1中に、5gのNaCl、
8gのトリプトン、5gのイーストエキス、及
び50mgのアンピシリンナトリウムを含む液体培
地)を用いて、37℃で定常期まで培養した場
合、蓄積するDHFR−ANG1は、菌体タンパ
ク質の約20%に達する。培養菌体を、リン酸緩
衝液などの適当な緩衝液に懸濁し、フレンチプ
レス法もしくは音波破砕法で破砕し、これを遠
心分離法により上清と沈澱に分離した場合、ほ
とんど全てのDHFR−ANG1は上清中に回収
される。pANG1−23を含有する大腸菌は、微
工研にFERMBP−1819として寄託されてい
る。 (3) DHFR−ANG1 第2図は、DHFR−ANG1を暗号化する部
分のDNA配列とそれから作られると予想され
るタンパク質のアミノ酸配列を示している。
DHFR−ANG1は、170アミノ酸よりなる新規
なタンパク質である。アミノ末端側から数え
て、1から159番目までの配列が、大腸菌の野
生型DHFRに1箇所アミノ酸置換置換が起こ
つた(Cys−152(wild type)→Glu−152)配
列であり、163番目から172番目までがANG1の
配列である。ANG1の配列の直前のアミノ酸は
メチオニン(Met)である。このことにより、
DHFR−ANG1をブロムシアンで処理するこ
とにより、ANG1を特異的に切り出すことがで
きる。160と161番目のイソロイシン(Ile)−ロ
イシン(Leu)の配列は、pLEK1のBamH
部位にANG1を暗号化するDNAを導入する際
に、遺伝暗号の読み取り枠を合わせるために生
じた配列である(pLEK1のもととなつた
pTP104−4が作るDHFRは、162個のアミノ
酸よりなり、第2図のDHFR−ANG1のアミ
ノ酸配列のうち、アミノ末端側から数えて、1
から160番目までの配列に、Gln−Ileの2個の
アミノ酸配列が結合した配列をしている。)。
DHFR−ANG1およびANG1の分子量は、それ
ぞれ19661および1297である。 DHFR−ANG1は、新規なタンパク質であ
る。DHFR−ANG1はDHFRのカルボキシ末
端側に、ANG1が融合した構造をしているにも
かかわらず、DHFR酵素活性を有する。この
ため、大腸菌がDHFR−ANG1を多量につく
ると、DHFRの阻害剤であり抗細菌剤である
トリメトプリムに対して、耐性を示すようにな
る。 (4) DHFR−ANG1の分離精製 本発明のDHFR−ANG1の分離精製法は、
菌体の培養、菌体の破砕、DEAE−トヨ
パールカラム処理、メソトリキセート
(MTX)結合アフイニテイクロマトグラフイ
ー、およびDEAE−トヨパールカラムクロマ
トグラフイーの過程より成り立つている。 菌体の培養 pANG1−23を含有する大腸菌の培養は、
YT+Ap培地(培地1中に、5gのNaCl、
8gのトリプトン、5gのイーストエキスお
よび50mgのアンピシリンナトリウムを含む液
体培地。)で培養することができる。培地と
しては、この他にST+Ap培地(培地1中
に、2gのグルコース、1gのリン酸2カリ
ウム、5gのポリペプトン、5gのイースト
エキスおよび50mgのアンピシリンナトリウム
を含む液体培地。)など、菌体が成長する培
地であれば、どの様な培地でも用いることが
できるが、調べた限りでは、DHFR−
ANG1の生産にはYT+Ap培地が最適であつ
た。 pANG1−23を含有する大腸菌を、培地に
接種し、37℃で対数成長期の後期もしくは定
常期まで培養する。培養温度により菌体中の
DHFR−ANG1の蓄積量が変動し、調べた
限りでは、培養温度が高いほど蓄積量が大で
あつた。培養した菌体は、5000回転/分の遠
心分離により集める。培地1lより湿重量2か
ら4gの菌体が得られる。 集菌およびこれ以後の操作は、特に断わら
ない限り低温(0から10℃の間、4℃が望ま
しい)で行う。 菌体の破砕 培養して得られた菌体を、湿重量の3倍の
緩衝液1(0.1mM エチレンジアミン4酢酸
ナトリウム(EDTA)を含む10mMリン酸
カリウム緩衝液、PH7.0)に懸濁し、フレン
チプレスを用いて菌体を破砕する。菌体破砕
液を5000回転、10分間遠心分離し、上清を得
る。さらに、上清を、35000回転、1時間超
遠心分離し、上清を得る(無細胞抽出液)。 DEAE−トヨパールカラム処理 この操作は、次の精製過程の前処理の目的
で行う。無細胞抽出液を、あらかじめ0.1M
のKClを含む緩衝液1で平衡化したDEAEト
ヨパールカラムにかけ、0.1MのKClを含む
緩衝液1でカラムを洗う。酵素の溶出は、
0.3MのKClを含む緩衝液1を用いて行う。
溶出液を一定量ずつフラクシヨンコレクター
を用いて分画する。分画した溶出液について
DHFR活性を測定し、酵素活性が含まれる
画分を集める。 MTX結合アフイニテイクロマトグラフイ
ー 上記の操作により得られた酵素液を、あら
かじめ緩衝液1で平衡化したMTX結合
Sepharoseアフイニテイカラムに吸着させ
る。吸着後、1MのKClを含む緩衝液2(0.1
mM EDTAを含む10mMリン酸カリウム
緩衝液、PH8.5)で洗う。洗いは、カラムか
らの溶出液の280nmの吸光度を測定し、吸
光度が0.1以下になるまで同緩衝液を流し続
ける。酵素の溶出は、1MのKClと3mMの
葉酸を含む緩衝液2を用いて行い、溶出液を
一定量ずつフラクシヨンコレクターを用いて
分画する。分画した溶出液についてDHFR
活性を測定し、酵素活性が含まれる画分を集
める。得られた酵素液を、緩衝液1に対し
て、3回透析する。この段階で、純度90%以
上のDHFR−ANG1が得られる。 DEAE−トヨパールカラムクロマトグラフ
イー 透析した酵素液を、あらかじめ緩衝液1で
平衡化したDEAE−トヨパールカラムに吸着
させる。吸着後、0.1MKClを含む緩衝液1
で洗う。洗いは、カラムからの溶出液の
280nmの吸光度を測定し、吸光度が0.01以下
になるまで同緩衝液を流し続ける。酵素の溶
出は、緩衝液1を用いて0.1Mから0.3Mの
KClの直線濃度勾配を用いて行い、溶出液を
一定量ずつフラクシヨンコレクターを用いて
分画する。分画した溶出液について280nm
の吸光度とDHFR活性とを測定する。酵素
活性/280nmの吸光度の値が、一定な画分
を集める。 以上の操作により、DHFR−ANG1の高度
精製均一化を、再現性良く行うことができる。 本発明に従うと、DHFR−ANG1の精製は、
培養を含めて一週間以内に行うことができ、回
収率45%以上で、均一な酵素標品を得ることが
できる。 DHFR酵素活性は、反応液(0.05mMのジヒ
ドロ葉酸、0.06mMのNADPH、12mMの2−
メルカプトエタノール、50mMのリン酸緩衝液
(PH7.0))を、1mlのキユベツトとり、これに
酵素液を加え、340nmの吸光度の時間変化を
測定することにより行う。酵素1ユニツトは、
上記反応条件において、1分間に1マイクロモ
ルのジヒドロ葉酸を還元するのに必要な酵素量
として定義する。この測定は、分光光度計を用
いて容易に行うことができる。 (5) DHFR−ANG1を用いたANG1の製造 精製したDHFR−ANG1からのANG1の切
断・分離は、ブロムシアン処理することにより
行う。精製したDHFR−ANG1を凍結乾燥し、
これに1から10mgタンパク質/mlとなるように
70%蟻酸を加え、溶解した後、タンパク質量の
約20倍量の結晶ブロムシアンを加え密栓し、窒
素雰囲気下、室温で撹拌しながら24時間反応さ
せる。反応液を10倍量の水で希釈した後、凍結
乾燥し過剰の試薬等を除く。凍結乾燥試料を1
から10mgタンパク質/mlとなるように30%酢酸
に溶かす。溶かした試料を、HPLC装置(島津
LC−4A、inertsil−ODSカラム)を用いて、
0.1%トリフルオロ酢酸中、15%から50%のア
セトニトリルの濃度勾配を用いて溶出・分離す
ることができる。溶出物は、220nmにおける
吸光度の測定により検出することができる。第
3図は、ブロムシアン処理したDHFR−
ANG1試料の高速液体クロマトグラムを示して
いる。試料注入後約20分後のピークがANG1で
ある。このピーク画分を分離する。分離した溶
出液をエバホレーターで乾燥後、少量の水を加
え凍結乾燥し溶媒を除き、ANG1を得ることが
できる。また、得られたペプチドを酸加水分解
後、アミノ酸分析することによりアミノ酸組成
を確かめることができる。 本発明の実施例においては、3lの培地から湿重
量約6gの菌体が得られ、この菌体(計算上、約
60mgのDHFR−ANG1、約4.0mgのANG1を含
む。)から、約28mgのDHFR−ANG1(収率、46.8
%、計算上約1.8mgのANG1を含む。)を精製して
得ることができ、このうち、10mgのDHFR−
ANG1をブロムシアン処理後、HPLCで分離・精
製することにより、約0.36mgのANG1を得ること
ができた。 次に本発明の実施例および参考例を示す。 実施例 1 pANG1−23の作成 ANG1を暗号化するDNAとしては、 1 5′− GATCCTGATGGATCGCGTGTACATCCA
CCCGTTCCACCTGTAA−3′ 2 5′− CGCGTTACAGGTGGAACGGGTGGATGT
ACACGCGATCCATCAG−3′ の2本の43ヌクレオチドからなるDNAをホスホ
アミダイト法に従つて化学合成し、精製後、ポリ
ヌクレオチドキナーゼを用いて、各DNAの5′末
端をリン酸化した。リン酸化したDNAを約0.1ml
(約0.01μgのDNAを含んでいる。)ずつ取り、こ
れを60℃でインキユベートすることによつて両
DNAをアニールさせた(これをDNA1と呼ぶ)。 約1μgのpLEK1(特開昭1−252290号公報)
を、BamHおよびMluで切断した後、アルカ
リホスフアターゼ処理をした。アルカリホスフア
ターゼ処理したDNAをフエノール処理すること
により、共存する酵素タンパク質を変性除去し、
その後エタノールでDNAを沈澱させた。沈澱し
たDNAを70%エタノールで洗つた後、エタノー
ルを除き、減圧下に沈澱を乾燥させた。BamH
によるDNAの切断、アルカリホスフアターゼ
処理、フエノール処理、およびエタノール沈澱の
各操作は、いずれも、“Molecular Cloning A
Loboratory Manual”(T.Maniatis、E.F.
Fritsch、J.Sambrook、eds.Cold Spring
Harbor Laboratory(1982)、以下、文献1と呼
ぶ。)に記載している方法に従つて行つた。乾燥
させたDNAを50μのリガーゼ用反応液(10m
M Tris−HCl、PH7.4、5mM MgCl2、10m
Mジチオトレイトール、5mM ATP)に溶解
後、5μのDNA1を加え、これに1ユニツトの
T4−DNAリガーゼを加えて、10℃で、12時間
DNAの連結反応を行わせた。この反応物を、形
質転換法(transformation method、上記文献1
に記載)に従つて、大腸菌に取り込ませた。この
処理をした菌体を、50mg/のアンピシリンナト
リウムおよび10mg/のトリメトプリムを含む栄
養寒天培地(培地1中に、2gのグルコース、
1gのリン酸2カリウム、5gのイーストエキ
ス、5gのポリペプトン、15gの寒天を含む。)
上に塗布し、37℃で24時間培養することにより、
33個のコロニーを得ることができた。これらのコ
ロニーをそれぞれ、1.5mlのYT+Ap培地(培地
1中に、5gのNaCl、5gのイーストエキス、
8gのトリプトン、50mgのアンピシリンナトリウ
ムを含む。)で、37℃、1晩、菌体を培養した。
培養液を、各々エツペンドルフ遠心管にとり、
12000回転/分で10分間遠心分離し、菌体を沈澱
として集めた。これに、0.1mlの電気泳動用サン
プル調製液(0.0625MのTris−HCl、PH6.8、2%
のラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、10%のグリ
セリン、5%の2−メルカプトエタノール、
0.001%のブロムフエノールブルーを含む。)を加
え、菌体を懸濁し、これを沸騰水中に5分間保
ち、菌体を溶かした。この処理をしたサンプルを
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(U.
K.Lammli;Nature、vol.227、p.680(1970))に
従つて分析した。標準サンプルとしてpTP70−
1を含有する大腸菌に同様な処理をしたもの、お
よび分子量マーカーとしてラクトアルブミン(分
子量14200)、トリプシンインヒビター(分子量
20100)、トリプシノーゲン(分子量24000)、カル
ボニツクアンヒドラーゼ(分子量29000)、グリセ
ロアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ(分子
量36000)、卵アルブミン(分子量45000)、および
牛血清アルブミン(分子量66000)を含むサンプ
ルをポリアクリルアミド濃度の10から20%濃度勾
配ゲルで泳動した。その結果、33個のコロニーの
うち、3個ではpLEK1のDHFRのバンドが消失
し、それより明らかに分子量が大きくなつたタン
パク質(分子量約23000と推定される。)を新たに
生産していること、また、残りの30個では、
pLEK1がつくるDHFR−LEK(分子量約22000の
タンパク質として泳動する)とほぼ同じ大きさの
タンパク質を生産することが明らかになつた。分
子量の大きい新たなタンパク質を生産するコロニ
ーのうちから、適当に一株選び、各々、これを
YT+Ap培地で培養し、TanakaとWeisblumの
方法(T.Tanaka、B.Weisblum;J.
Bacteriology、vol.121、p.354(1975))に従つ
て、プラスミドを調製した。得られたプラスミド
をpANG1−23と名づけた。pANG1−231は、
pLEK1ののBamHとMlu部位の間の配列が
合成DNAと置き換わつた配列をしているはずで
ある。pANG1−23のEcoR(第1図の471−
476番目の配列)とSal(第1図の581−586番目
の配列)による切断によつて得られる約100ヌク
レオチド長のDNAについて、M13フアージを用
いたジデオキシ法(J.Messing;Mehtods in
Enzymology、vol.101、p.20(1983))に従つて、
塩基配列を決定した。その結果、第1図に示す配
列の471番目から約586番目迄の配列が確かめられ
た。 pLEK1の塩基配列は、本発明者らによつて明
らかにされている(特開平1−252290号公報)。
pANG1−13のEcoR−Mluの配列は、
pLEK1のEcoR−Mlu間の28塩基対の配列
が、ANG1を暗号化す配列として設計・合成した
43塩基対のDNAと置き換わつた配列であつた。 また、pANG1−23のEcoR−Mlu切断によ
つて得られる約4.2キロ塩基対のDNAは、Pst、
Hind、Hpa、Aat、Pvu、Bgl、Sal
およびClaを用いた制限酵素による切断実験
の結果、pLE1のEcoR−Mlu切断によつて得
られる約4.2キロ塩基対のDNAと全く同一である
ことが示された。 以上の結果から、pANG1−23の全塩基配列が
第1図に示した配列であることが決められた。 実施例 2 pANG1−23を含有する大腸菌が作るDHFR−
ANG1 pANG1−23を含有する大腸菌が作るDHFR−
ANG1のアミノ酸配列は、DHFR−ANG1遺伝子
の塩基配列から予想することができる。第1図の
57番目から572番目の配列がDHFR−ANG1を暗
号化していることから、トルプレツト暗号表を用
いて、アミノ酸配列を推定した。その結果第2図
に示すアミノ酸配列が得られた。 pANG1−23を含有する大腸菌から、DHFR−
ANG1を分離精製し、精製したタンパク質の性質
を調べた。 DHFR−ANG1の精製 A 用いた菌体量:湿重量 6g B 酵素精製表 表における精製過程は無細胞抽出液、
DEAE−トヨパールカラム処理、メソトリキ
セート結合アフイニテイクロマトグラフイー、
およびDEAE−トヨパールカラムクロマトグ
ラフイーを表す。
ドであり、興味深い生理活性ペプチドであるアン
ジオテンシン(アスパラギン酸(AsP)−アル
ギニン(Arg)−バリン(Val)−チロシン(Tyr)
−イソロイシン(Ile)−ヒスチジン(His)−プロ
リン(Pro)−フエニルアラニン(Phe)−ヒスチ
ジン(His)−ロイシン(Leu)の10個のアミノ酸
配列よりなるペプチド、以下、ANG1と略す。)
を含む融合タンパク質を大量に生産可能とする新
規組換えプラスミドpANG1−23、pANG1−23
を含有する大腸菌、ANG1を酵素のカルボキシ末
端側に有するジヒドロ葉酸還元酵素−ANG1融合
タンパク質(以下、DHFR−ANG1と略す。)、
DHFR−ANG1の分離精製方法、およびANG1の
製造方法に関するものである。本発明の新規組換
えプラスミドpANG1−23は、第1図において示
されるDNA配列を有する。本発明は、発酵工業、
医薬品工業等の分野に好適である。 従来の技術 ANG1は、血中ペプチドであり、血圧をコント
ロールすると考えられているレニン−アンジオテ
ンシン系の物質である。ANG1からは、アンジオ
テンシン変換酵素(angitensin converting
enzyme、以下ACEと略す。)の働きにより活性
なアンジオテンシン(以下、ANG2と略す。)
が生成される。また、ANG1がアミノペプチダー
ゼの作用を受け、[des−Asp1]−ANG1が生成
し、これにACEが作用することにより、アンジ
オテンシン(以下、ANG3と略す。)が生成さ
れる。ANG2は末梢動脈のANG2レセプターに作
用し、血管収縮による血圧上昇作用と副賢皮質の
球状層に作用し、アルデステロン分泌促進作用を
有する。ANG3は、ANG2の23から50%の血圧上
昇作用、また、ANG2と同程度のアルデステロン
分泌促進活性を有する。このように、ANG1は、
ANG2およびANG3の前駆体ペプチドとして興味
深い物質である。 本発明の技術的背景としては、いわゆる遺伝子
操作技術がある。しかしながら、遺伝子操作を利
用した効率のよいANG1の製造方法に関しては、
知られていない。 既に、本発明者らは、大腸菌由来のジヒドロ葉
酸還元酵素(以下、DHFRと略す。)遺伝子に関
して、その遺伝子の改変の結果、異種遺伝子発現
用プラスミドベクターpTP70−1(特開昭63−
46193号公報)及び及びpTP104−4(特開平1−
144979号公報)と、それを利用した融合遺伝子の
作成方法(特願昭62−302153)を開発している。
また、pTP104−4にロイシンエンケフアリン
(以下、LEKと略す。)を暗号化する化学DNAを
組み込んで、LEKの効率よい生産方法を開発し
ている(特開昭63−102698号公報)。効率のよい
LEKの生産方法を開発する際に得られた組換え
プラスミドpLEK1は、制限酵素BamHとMlu
部位の間の配列を異種DNAと取り替えるだけ
で、DHFRとの融合遺伝子を容易に作成できる。
また、pLEK1を利用して融合遺伝子を作成した
場合、融合遺伝子の発現の結果得られる融合タン
パク質の大腸菌菌体の蓄積量は、全菌体タンパク
質の約20%が期待される。しかしながら、ANG1
の生産に上記発現ベクターを用いた例はない。 発明の目的 本発明の目的は、いまだ確立されていない、遺
伝子操作の手法を用いたANG1の大量生産方法を
開発することにある。 既に、本発明者らは(1)大腸菌のDHFRを大量
に発現する発現プラスミドを構築していること
(特開昭62−69990号公報)、(2)大腸菌のDHFRの
カルボキシ末端側の配列を変化させても、酵素活
性が失われないこと、(3)大腸菌のDHFRのカル
ボキシ末端側に異種ペプチドを融合させることを
可能とするプラスミドベクターpTP104−4を構
築していること(特開平1−144979号公報)、(4)
pTP104−4上の改変DHFRは、大腸菌で効率良
く発現すること、(5)pTP104−4にLEKを暗号化
する化学DNAを組み込んだプラスミドpLEK1を
作成し、pLEK1の制限酵素BamHとMlu部
位を利用することにより、異種DNAとDHFRと
の融合遺伝子の作成が容易である(特開平1−
252290号公報)こと、を明らかにしている。 本発明者らは、上記の知見を利用し、鋭意研究
の結果、ANG1遺伝子を設計・化学合成し、
pLEK1に組み込むことにより、ANG1遺伝子と
DHFR遺伝子の融合遺伝子を作成し、融合遺伝
子を大腸菌で発現させることにより、DHFR−
ANG1を大量に生産できることを見いだし、さら
に、DHFR−ANG1を用いることにより効果的
にANG1を作成できることを明らかにし、本発明
を完成させた。 発明の構成 本発明は、(1)DHFR−ANG1の大量発現を可
能にする新規組換えプラスミドpANG1−23、(2)
pANG1−23を含有する大腸菌菌体、(3)pANG1
−23を含有する大腸菌が生産するDHFR−
ANG1、(4)pANG1−23を含有する大腸菌からの
DHFR−ANG1の分離精製、および(5)DHFR−
ANG1を用いたANG1の製造方法、の発明により
構成される。 (1) 新規組換えプラスミドpANG1−23 第1図は、本発明のpANG1−23の全塩基配
列を示している。図は、2本鎖環状DNAのう
ち片方のDNA鎖配列だけを、プラスミド中に
1箇所存在する制限酵素Cla部位の切断認識
部位、5′−ATCGAT−3′、の最初の“A”を
1番として数えて、5′末端から3′末端の方向に
記述している。本発明のpANG1−23は、新規
な組換えプラスミドである。pANG1−23は、
4222塩基対の大きさであり、宿主である大腸菌
にトリメトプリムおよびアンピシリン耐性を付
与することができる。pANG1−23は、pLEK1
のBamHとMlu部位の間のLEKを暗号化
する配列を含む28塩基対の配列を、ANG1を暗
号化する配列を含む43塩基対の化学合成DNA
と置き換えた構造をしていてる。第1図におい
て、533番目から575番目迄の配列が化学合成
DNA由来の配列である。それ以外の配列が
pLEK1由来の配列である。 第1図の57番目から572番目まで配列は、
DHFRのカルボキシ末端側にANG1がメチオ
ニン(Met)を介して結合したDHFR−ANG1
を暗号化している。 DHFR−ANG1を暗号化する配列の上流に
は、DHFR−ANG1遺伝子の発現を効率良く
行わせる配列が存在する(特開昭63−46193号
公報)。即ち、43番目から50番目までの配列が
SD配列と呼ばれるもので、効率の良い翻訳に、
また、4180番目から4208番目までが、コンセン
サス転写プロモーターであり、効率の良い転写
に貢献する。このことから、pANG1−23は、
大腸菌に導入された場合、多種のDHFR−
ANG1を作る。作られたDHFR−ANG1は、菌
体内に可溶性の状態で、菌体タンパク質の約20
%程度蓄積する。このことによつて、pANG1
−23を含有する大腸菌はトリメトプリム耐性を
示すようになる。また、pANG1−23は、
pLEK1由来の、アンピシリン耐性遺伝子を有
している。このことから、pANG1−23が導入
された大腸菌は、アンピシリン耐性をも示す。
pANG1−23は、大腸菌に導入されて安定状態
に保たれ、pANG1−23を含有する大腸菌は、
微工研にFERM BP−1819として寄託されて
いる。 このような特長を有するpANG1−23は、実
施例1に従つて作成することができるが、組換
えプラスミドの作成方法によつて本発明が制限
されるものではない。 (2) pANG1−23を含有する大腸菌 pANG1−23を含有する大腸菌は、トリメト
プリム及びアンピシリンに対して耐性を示す。
pANG1−23を含有する大腸菌は、DHFR−
ANG1遺伝子の効率のよい発現の結果、
DHFR−ANG1を菌体内に可溶性の状態で大
量に蓄積する。pANG1−23を含有する大腸菌
をYT+Ap培地(培地1中に、5gのNaCl、
8gのトリプトン、5gのイーストエキス、及
び50mgのアンピシリンナトリウムを含む液体培
地)を用いて、37℃で定常期まで培養した場
合、蓄積するDHFR−ANG1は、菌体タンパ
ク質の約20%に達する。培養菌体を、リン酸緩
衝液などの適当な緩衝液に懸濁し、フレンチプ
レス法もしくは音波破砕法で破砕し、これを遠
心分離法により上清と沈澱に分離した場合、ほ
とんど全てのDHFR−ANG1は上清中に回収
される。pANG1−23を含有する大腸菌は、微
工研にFERMBP−1819として寄託されてい
る。 (3) DHFR−ANG1 第2図は、DHFR−ANG1を暗号化する部
分のDNA配列とそれから作られると予想され
るタンパク質のアミノ酸配列を示している。
DHFR−ANG1は、170アミノ酸よりなる新規
なタンパク質である。アミノ末端側から数え
て、1から159番目までの配列が、大腸菌の野
生型DHFRに1箇所アミノ酸置換置換が起こ
つた(Cys−152(wild type)→Glu−152)配
列であり、163番目から172番目までがANG1の
配列である。ANG1の配列の直前のアミノ酸は
メチオニン(Met)である。このことにより、
DHFR−ANG1をブロムシアンで処理するこ
とにより、ANG1を特異的に切り出すことがで
きる。160と161番目のイソロイシン(Ile)−ロ
イシン(Leu)の配列は、pLEK1のBamH
部位にANG1を暗号化するDNAを導入する際
に、遺伝暗号の読み取り枠を合わせるために生
じた配列である(pLEK1のもととなつた
pTP104−4が作るDHFRは、162個のアミノ
酸よりなり、第2図のDHFR−ANG1のアミ
ノ酸配列のうち、アミノ末端側から数えて、1
から160番目までの配列に、Gln−Ileの2個の
アミノ酸配列が結合した配列をしている。)。
DHFR−ANG1およびANG1の分子量は、それ
ぞれ19661および1297である。 DHFR−ANG1は、新規なタンパク質であ
る。DHFR−ANG1はDHFRのカルボキシ末
端側に、ANG1が融合した構造をしているにも
かかわらず、DHFR酵素活性を有する。この
ため、大腸菌がDHFR−ANG1を多量につく
ると、DHFRの阻害剤であり抗細菌剤である
トリメトプリムに対して、耐性を示すようにな
る。 (4) DHFR−ANG1の分離精製 本発明のDHFR−ANG1の分離精製法は、
菌体の培養、菌体の破砕、DEAE−トヨ
パールカラム処理、メソトリキセート
(MTX)結合アフイニテイクロマトグラフイ
ー、およびDEAE−トヨパールカラムクロマ
トグラフイーの過程より成り立つている。 菌体の培養 pANG1−23を含有する大腸菌の培養は、
YT+Ap培地(培地1中に、5gのNaCl、
8gのトリプトン、5gのイーストエキスお
よび50mgのアンピシリンナトリウムを含む液
体培地。)で培養することができる。培地と
しては、この他にST+Ap培地(培地1中
に、2gのグルコース、1gのリン酸2カリ
ウム、5gのポリペプトン、5gのイースト
エキスおよび50mgのアンピシリンナトリウム
を含む液体培地。)など、菌体が成長する培
地であれば、どの様な培地でも用いることが
できるが、調べた限りでは、DHFR−
ANG1の生産にはYT+Ap培地が最適であつ
た。 pANG1−23を含有する大腸菌を、培地に
接種し、37℃で対数成長期の後期もしくは定
常期まで培養する。培養温度により菌体中の
DHFR−ANG1の蓄積量が変動し、調べた
限りでは、培養温度が高いほど蓄積量が大で
あつた。培養した菌体は、5000回転/分の遠
心分離により集める。培地1lより湿重量2か
ら4gの菌体が得られる。 集菌およびこれ以後の操作は、特に断わら
ない限り低温(0から10℃の間、4℃が望ま
しい)で行う。 菌体の破砕 培養して得られた菌体を、湿重量の3倍の
緩衝液1(0.1mM エチレンジアミン4酢酸
ナトリウム(EDTA)を含む10mMリン酸
カリウム緩衝液、PH7.0)に懸濁し、フレン
チプレスを用いて菌体を破砕する。菌体破砕
液を5000回転、10分間遠心分離し、上清を得
る。さらに、上清を、35000回転、1時間超
遠心分離し、上清を得る(無細胞抽出液)。 DEAE−トヨパールカラム処理 この操作は、次の精製過程の前処理の目的
で行う。無細胞抽出液を、あらかじめ0.1M
のKClを含む緩衝液1で平衡化したDEAEト
ヨパールカラムにかけ、0.1MのKClを含む
緩衝液1でカラムを洗う。酵素の溶出は、
0.3MのKClを含む緩衝液1を用いて行う。
溶出液を一定量ずつフラクシヨンコレクター
を用いて分画する。分画した溶出液について
DHFR活性を測定し、酵素活性が含まれる
画分を集める。 MTX結合アフイニテイクロマトグラフイ
ー 上記の操作により得られた酵素液を、あら
かじめ緩衝液1で平衡化したMTX結合
Sepharoseアフイニテイカラムに吸着させ
る。吸着後、1MのKClを含む緩衝液2(0.1
mM EDTAを含む10mMリン酸カリウム
緩衝液、PH8.5)で洗う。洗いは、カラムか
らの溶出液の280nmの吸光度を測定し、吸
光度が0.1以下になるまで同緩衝液を流し続
ける。酵素の溶出は、1MのKClと3mMの
葉酸を含む緩衝液2を用いて行い、溶出液を
一定量ずつフラクシヨンコレクターを用いて
分画する。分画した溶出液についてDHFR
活性を測定し、酵素活性が含まれる画分を集
める。得られた酵素液を、緩衝液1に対し
て、3回透析する。この段階で、純度90%以
上のDHFR−ANG1が得られる。 DEAE−トヨパールカラムクロマトグラフ
イー 透析した酵素液を、あらかじめ緩衝液1で
平衡化したDEAE−トヨパールカラムに吸着
させる。吸着後、0.1MKClを含む緩衝液1
で洗う。洗いは、カラムからの溶出液の
280nmの吸光度を測定し、吸光度が0.01以下
になるまで同緩衝液を流し続ける。酵素の溶
出は、緩衝液1を用いて0.1Mから0.3Mの
KClの直線濃度勾配を用いて行い、溶出液を
一定量ずつフラクシヨンコレクターを用いて
分画する。分画した溶出液について280nm
の吸光度とDHFR活性とを測定する。酵素
活性/280nmの吸光度の値が、一定な画分
を集める。 以上の操作により、DHFR−ANG1の高度
精製均一化を、再現性良く行うことができる。 本発明に従うと、DHFR−ANG1の精製は、
培養を含めて一週間以内に行うことができ、回
収率45%以上で、均一な酵素標品を得ることが
できる。 DHFR酵素活性は、反応液(0.05mMのジヒ
ドロ葉酸、0.06mMのNADPH、12mMの2−
メルカプトエタノール、50mMのリン酸緩衝液
(PH7.0))を、1mlのキユベツトとり、これに
酵素液を加え、340nmの吸光度の時間変化を
測定することにより行う。酵素1ユニツトは、
上記反応条件において、1分間に1マイクロモ
ルのジヒドロ葉酸を還元するのに必要な酵素量
として定義する。この測定は、分光光度計を用
いて容易に行うことができる。 (5) DHFR−ANG1を用いたANG1の製造 精製したDHFR−ANG1からのANG1の切
断・分離は、ブロムシアン処理することにより
行う。精製したDHFR−ANG1を凍結乾燥し、
これに1から10mgタンパク質/mlとなるように
70%蟻酸を加え、溶解した後、タンパク質量の
約20倍量の結晶ブロムシアンを加え密栓し、窒
素雰囲気下、室温で撹拌しながら24時間反応さ
せる。反応液を10倍量の水で希釈した後、凍結
乾燥し過剰の試薬等を除く。凍結乾燥試料を1
から10mgタンパク質/mlとなるように30%酢酸
に溶かす。溶かした試料を、HPLC装置(島津
LC−4A、inertsil−ODSカラム)を用いて、
0.1%トリフルオロ酢酸中、15%から50%のア
セトニトリルの濃度勾配を用いて溶出・分離す
ることができる。溶出物は、220nmにおける
吸光度の測定により検出することができる。第
3図は、ブロムシアン処理したDHFR−
ANG1試料の高速液体クロマトグラムを示して
いる。試料注入後約20分後のピークがANG1で
ある。このピーク画分を分離する。分離した溶
出液をエバホレーターで乾燥後、少量の水を加
え凍結乾燥し溶媒を除き、ANG1を得ることが
できる。また、得られたペプチドを酸加水分解
後、アミノ酸分析することによりアミノ酸組成
を確かめることができる。 本発明の実施例においては、3lの培地から湿重
量約6gの菌体が得られ、この菌体(計算上、約
60mgのDHFR−ANG1、約4.0mgのANG1を含
む。)から、約28mgのDHFR−ANG1(収率、46.8
%、計算上約1.8mgのANG1を含む。)を精製して
得ることができ、このうち、10mgのDHFR−
ANG1をブロムシアン処理後、HPLCで分離・精
製することにより、約0.36mgのANG1を得ること
ができた。 次に本発明の実施例および参考例を示す。 実施例 1 pANG1−23の作成 ANG1を暗号化するDNAとしては、 1 5′− GATCCTGATGGATCGCGTGTACATCCA
CCCGTTCCACCTGTAA−3′ 2 5′− CGCGTTACAGGTGGAACGGGTGGATGT
ACACGCGATCCATCAG−3′ の2本の43ヌクレオチドからなるDNAをホスホ
アミダイト法に従つて化学合成し、精製後、ポリ
ヌクレオチドキナーゼを用いて、各DNAの5′末
端をリン酸化した。リン酸化したDNAを約0.1ml
(約0.01μgのDNAを含んでいる。)ずつ取り、こ
れを60℃でインキユベートすることによつて両
DNAをアニールさせた(これをDNA1と呼ぶ)。 約1μgのpLEK1(特開昭1−252290号公報)
を、BamHおよびMluで切断した後、アルカ
リホスフアターゼ処理をした。アルカリホスフア
ターゼ処理したDNAをフエノール処理すること
により、共存する酵素タンパク質を変性除去し、
その後エタノールでDNAを沈澱させた。沈澱し
たDNAを70%エタノールで洗つた後、エタノー
ルを除き、減圧下に沈澱を乾燥させた。BamH
によるDNAの切断、アルカリホスフアターゼ
処理、フエノール処理、およびエタノール沈澱の
各操作は、いずれも、“Molecular Cloning A
Loboratory Manual”(T.Maniatis、E.F.
Fritsch、J.Sambrook、eds.Cold Spring
Harbor Laboratory(1982)、以下、文献1と呼
ぶ。)に記載している方法に従つて行つた。乾燥
させたDNAを50μのリガーゼ用反応液(10m
M Tris−HCl、PH7.4、5mM MgCl2、10m
Mジチオトレイトール、5mM ATP)に溶解
後、5μのDNA1を加え、これに1ユニツトの
T4−DNAリガーゼを加えて、10℃で、12時間
DNAの連結反応を行わせた。この反応物を、形
質転換法(transformation method、上記文献1
に記載)に従つて、大腸菌に取り込ませた。この
処理をした菌体を、50mg/のアンピシリンナト
リウムおよび10mg/のトリメトプリムを含む栄
養寒天培地(培地1中に、2gのグルコース、
1gのリン酸2カリウム、5gのイーストエキ
ス、5gのポリペプトン、15gの寒天を含む。)
上に塗布し、37℃で24時間培養することにより、
33個のコロニーを得ることができた。これらのコ
ロニーをそれぞれ、1.5mlのYT+Ap培地(培地
1中に、5gのNaCl、5gのイーストエキス、
8gのトリプトン、50mgのアンピシリンナトリウ
ムを含む。)で、37℃、1晩、菌体を培養した。
培養液を、各々エツペンドルフ遠心管にとり、
12000回転/分で10分間遠心分離し、菌体を沈澱
として集めた。これに、0.1mlの電気泳動用サン
プル調製液(0.0625MのTris−HCl、PH6.8、2%
のラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、10%のグリ
セリン、5%の2−メルカプトエタノール、
0.001%のブロムフエノールブルーを含む。)を加
え、菌体を懸濁し、これを沸騰水中に5分間保
ち、菌体を溶かした。この処理をしたサンプルを
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(U.
K.Lammli;Nature、vol.227、p.680(1970))に
従つて分析した。標準サンプルとしてpTP70−
1を含有する大腸菌に同様な処理をしたもの、お
よび分子量マーカーとしてラクトアルブミン(分
子量14200)、トリプシンインヒビター(分子量
20100)、トリプシノーゲン(分子量24000)、カル
ボニツクアンヒドラーゼ(分子量29000)、グリセ
ロアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ(分子
量36000)、卵アルブミン(分子量45000)、および
牛血清アルブミン(分子量66000)を含むサンプ
ルをポリアクリルアミド濃度の10から20%濃度勾
配ゲルで泳動した。その結果、33個のコロニーの
うち、3個ではpLEK1のDHFRのバンドが消失
し、それより明らかに分子量が大きくなつたタン
パク質(分子量約23000と推定される。)を新たに
生産していること、また、残りの30個では、
pLEK1がつくるDHFR−LEK(分子量約22000の
タンパク質として泳動する)とほぼ同じ大きさの
タンパク質を生産することが明らかになつた。分
子量の大きい新たなタンパク質を生産するコロニ
ーのうちから、適当に一株選び、各々、これを
YT+Ap培地で培養し、TanakaとWeisblumの
方法(T.Tanaka、B.Weisblum;J.
Bacteriology、vol.121、p.354(1975))に従つ
て、プラスミドを調製した。得られたプラスミド
をpANG1−23と名づけた。pANG1−231は、
pLEK1ののBamHとMlu部位の間の配列が
合成DNAと置き換わつた配列をしているはずで
ある。pANG1−23のEcoR(第1図の471−
476番目の配列)とSal(第1図の581−586番目
の配列)による切断によつて得られる約100ヌク
レオチド長のDNAについて、M13フアージを用
いたジデオキシ法(J.Messing;Mehtods in
Enzymology、vol.101、p.20(1983))に従つて、
塩基配列を決定した。その結果、第1図に示す配
列の471番目から約586番目迄の配列が確かめられ
た。 pLEK1の塩基配列は、本発明者らによつて明
らかにされている(特開平1−252290号公報)。
pANG1−13のEcoR−Mluの配列は、
pLEK1のEcoR−Mlu間の28塩基対の配列
が、ANG1を暗号化す配列として設計・合成した
43塩基対のDNAと置き換わつた配列であつた。 また、pANG1−23のEcoR−Mlu切断によ
つて得られる約4.2キロ塩基対のDNAは、Pst、
Hind、Hpa、Aat、Pvu、Bgl、Sal
およびClaを用いた制限酵素による切断実験
の結果、pLE1のEcoR−Mlu切断によつて得
られる約4.2キロ塩基対のDNAと全く同一である
ことが示された。 以上の結果から、pANG1−23の全塩基配列が
第1図に示した配列であることが決められた。 実施例 2 pANG1−23を含有する大腸菌が作るDHFR−
ANG1 pANG1−23を含有する大腸菌が作るDHFR−
ANG1のアミノ酸配列は、DHFR−ANG1遺伝子
の塩基配列から予想することができる。第1図の
57番目から572番目の配列がDHFR−ANG1を暗
号化していることから、トルプレツト暗号表を用
いて、アミノ酸配列を推定した。その結果第2図
に示すアミノ酸配列が得られた。 pANG1−23を含有する大腸菌から、DHFR−
ANG1を分離精製し、精製したタンパク質の性質
を調べた。 DHFR−ANG1の精製 A 用いた菌体量:湿重量 6g B 酵素精製表 表における精製過程は無細胞抽出液、
DEAE−トヨパールカラム処理、メソトリキ
セート結合アフイニテイクロマトグラフイー、
およびDEAE−トヨパールカラムクロマトグ
ラフイーを表す。
【表】
DHFR酵素活性は、反応液(0.05mMのジヒド
ロ葉酸、0.06mMのNADPH、12mMの2−メル
カプトエタノール、50mMのリン酸緩衝液(PH
7.0))を、1mlのキユベツトとり、これに酵素液
を加え、340nmの吸光度を時間変化を測定する
ことにより行つた。酵素1ユニツトは、上記反応
条件において、1分間に1マイクロモルのジヒド
ロ葉酸を還元するのに必要な酵素量として定義し
た。 得られた酵素タンパク質をSDS電気泳動法(上
記実施例に記載の方法)により分析したところ、
約23000の単一なタンパク質バンドが示され、得
られた酵素標品が均一であることが示された。 分離精製したDHFR−ANG1の性質 精製したDHFR活性を示すタンパク質をエン
ザイムイムノアツセイにより検討したところ、
ANG1に対する抗体と反応することが示された。
即ち、精製して得られたタンパク質は免疫学的に
ANG1と同等の構造を有することが明らかとなつ
た。 精製して得られたタンパク質のカルボキシ末端
側のアミノ酸配列を明らかにするために、カルボ
キシペプチダーゼYを、精製タンパク質に時間を
変化させて作用させ、遊離してくるアミノ酸を定
量した(カルボキシペプチダーゼ法によるカルボ
キシ末端側のアミノ酸配列の決定法)。その結果、
−Tyr−Ile−His−Pro−Phe−His−Leu(カルボ
キシ末端)であることが予想された。また、精製
して得られたタンパク質を酸加水分解した後、ア
ミノ酸分析したところ、塩基配列の結果予想され
るアミノ酸組成と一致した結果が得られた。 実施例 3 精製分離したDHFR−ANG1からのANG1の分
離 実施例2で得られた精製タンパク質(約10mg、
約508nmoleのDHFR−ANG1)を凍結乾燥し、
これを2mlの70%蟻酸に溶かし、これに約200mg
のブロムシアンを加え溶かし、窒素雰囲気下に密
栓し、室温で24時間撹拌しながら反応させた。反
応後、20mlの水を加え、その後、凍結乾燥した。
凍結乾燥して得られた標品を、10mlの30%酢酸に
溶かした。そのうちの0.5mlを(約25nmoleの
DHFR−ANG1を含むはず)をとり、HPLC装置
(島津LC−4A)を用い、Inertsil−ODS5μmカラ
ムで分離した。溶出は、0.1%トリフルオロ酢酸
中、アセトニトリルの濃度勾配(15%から50%)
をかけることにより行つた。0から2分までは、
15%のアセトニトリルを用い、2分から32分まで
は、15%から50%のアセトニトリルの直線濃度勾
配をかけた。その結果、第3図に示すような溶出
曲線が得られた。試料注入後約20分後のピークを
分取し、分離した溶出液をエバポレーターで乾燥
後、少量の水を加え凍結乾燥し溶媒を除き、ペプ
チドを得た。得られたペプチドを酸加水分解し、
その4分の1容をアミノ酸分析に用いた。その結
果、アスパラギン酸(Asp)、バリン(Val)、ロ
イシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、チロシン
(Tyr)、フエニルアラニン(Phe)、ヒスチジン
(His)、アルギニン(Arg)、およびプロリン
(Pro)が、それぞれ、3.2、2.4、3.0、2.5、2.4、
3.0、5.6、2.9および3.1nmoleずつ検出された。ア
ミノ酸組成は、ANG1のそれと一致した値であ
り、またアミノ酸分析に用いた標品は、約
2.8nmole(約3.6μg)のANG1を含んでいたこと
が明かとなつた。この結果を用いると、0.5mlの
ブロムシアン処理して得られた標品をHPLCを用
いて分離することにより、収率約58%
(3.6x4nmole/25nmole)でANG1を回収できる
こと、またこの操作を20回繰り返すことにより、
10mgのDHFR−ANG1から約360μgのANG2が
得られることが示される。 また、DHFR−ANG1の精製の収率が約47%
であり、DHFR−ANG1からANG1の分離の収率
が約58%であることから、大腸菌がつくるANG1
ペプチド部分の単離収率が、約27%程度であると
算出される。 発明の効果 上記のように、新規組換えプラスミドpANG1
−23は、DHFR−ANG1を暗号化しており、か
つpANG1−23を含有する大腸菌は、DHFR−
ANG1を可溶性の状態で大量に蓄積生産する。さ
らに、生成したDHFR−ANG1は、DHFR酵素
活性を保持しており、精製を容易に行うことがで
きる。また、DHFR−ANG1をブロムシアン処
理後、HPLCで分離することにより、ANG1を容
易に単離することができる。このような性質を有
することから、本発明は、DHFR−ANG1とそ
れを利用したANG1の生産に有益である。
ロ葉酸、0.06mMのNADPH、12mMの2−メル
カプトエタノール、50mMのリン酸緩衝液(PH
7.0))を、1mlのキユベツトとり、これに酵素液
を加え、340nmの吸光度を時間変化を測定する
ことにより行つた。酵素1ユニツトは、上記反応
条件において、1分間に1マイクロモルのジヒド
ロ葉酸を還元するのに必要な酵素量として定義し
た。 得られた酵素タンパク質をSDS電気泳動法(上
記実施例に記載の方法)により分析したところ、
約23000の単一なタンパク質バンドが示され、得
られた酵素標品が均一であることが示された。 分離精製したDHFR−ANG1の性質 精製したDHFR活性を示すタンパク質をエン
ザイムイムノアツセイにより検討したところ、
ANG1に対する抗体と反応することが示された。
即ち、精製して得られたタンパク質は免疫学的に
ANG1と同等の構造を有することが明らかとなつ
た。 精製して得られたタンパク質のカルボキシ末端
側のアミノ酸配列を明らかにするために、カルボ
キシペプチダーゼYを、精製タンパク質に時間を
変化させて作用させ、遊離してくるアミノ酸を定
量した(カルボキシペプチダーゼ法によるカルボ
キシ末端側のアミノ酸配列の決定法)。その結果、
−Tyr−Ile−His−Pro−Phe−His−Leu(カルボ
キシ末端)であることが予想された。また、精製
して得られたタンパク質を酸加水分解した後、ア
ミノ酸分析したところ、塩基配列の結果予想され
るアミノ酸組成と一致した結果が得られた。 実施例 3 精製分離したDHFR−ANG1からのANG1の分
離 実施例2で得られた精製タンパク質(約10mg、
約508nmoleのDHFR−ANG1)を凍結乾燥し、
これを2mlの70%蟻酸に溶かし、これに約200mg
のブロムシアンを加え溶かし、窒素雰囲気下に密
栓し、室温で24時間撹拌しながら反応させた。反
応後、20mlの水を加え、その後、凍結乾燥した。
凍結乾燥して得られた標品を、10mlの30%酢酸に
溶かした。そのうちの0.5mlを(約25nmoleの
DHFR−ANG1を含むはず)をとり、HPLC装置
(島津LC−4A)を用い、Inertsil−ODS5μmカラ
ムで分離した。溶出は、0.1%トリフルオロ酢酸
中、アセトニトリルの濃度勾配(15%から50%)
をかけることにより行つた。0から2分までは、
15%のアセトニトリルを用い、2分から32分まで
は、15%から50%のアセトニトリルの直線濃度勾
配をかけた。その結果、第3図に示すような溶出
曲線が得られた。試料注入後約20分後のピークを
分取し、分離した溶出液をエバポレーターで乾燥
後、少量の水を加え凍結乾燥し溶媒を除き、ペプ
チドを得た。得られたペプチドを酸加水分解し、
その4分の1容をアミノ酸分析に用いた。その結
果、アスパラギン酸(Asp)、バリン(Val)、ロ
イシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、チロシン
(Tyr)、フエニルアラニン(Phe)、ヒスチジン
(His)、アルギニン(Arg)、およびプロリン
(Pro)が、それぞれ、3.2、2.4、3.0、2.5、2.4、
3.0、5.6、2.9および3.1nmoleずつ検出された。ア
ミノ酸組成は、ANG1のそれと一致した値であ
り、またアミノ酸分析に用いた標品は、約
2.8nmole(約3.6μg)のANG1を含んでいたこと
が明かとなつた。この結果を用いると、0.5mlの
ブロムシアン処理して得られた標品をHPLCを用
いて分離することにより、収率約58%
(3.6x4nmole/25nmole)でANG1を回収できる
こと、またこの操作を20回繰り返すことにより、
10mgのDHFR−ANG1から約360μgのANG2が
得られることが示される。 また、DHFR−ANG1の精製の収率が約47%
であり、DHFR−ANG1からANG1の分離の収率
が約58%であることから、大腸菌がつくるANG1
ペプチド部分の単離収率が、約27%程度であると
算出される。 発明の効果 上記のように、新規組換えプラスミドpANG1
−23は、DHFR−ANG1を暗号化しており、か
つpANG1−23を含有する大腸菌は、DHFR−
ANG1を可溶性の状態で大量に蓄積生産する。さ
らに、生成したDHFR−ANG1は、DHFR酵素
活性を保持しており、精製を容易に行うことがで
きる。また、DHFR−ANG1をブロムシアン処
理後、HPLCで分離することにより、ANG1を容
易に単離することができる。このような性質を有
することから、本発明は、DHFR−ANG1とそ
れを利用したANG1の生産に有益である。
第1図は、pANG1−23の全塩基配列を示した
図であり、2本鎖DNAのうち片方のDNA鎖配列
だけを、5′末端から3′末端の方向に記述してい
る。図中符号は、核酸塩基を表し、Aはアデニン
を、Cはシトシンを、Gはグアニンを、Tはチミ
ンを示している。図中番号は、pANG1−23に1
箇所存在する制限酵素Claの切断認識部位、
5′−ATCGAT−3′、の最初の“A”を1番とし
て数えた番号を示している。第2図は、pANG1
−23中に存在するDHFR−ANG1を暗号化する
部分の塩基配列およびタンパク質のアミノ酸配列
を示す図である。図中符号は、核酸塩基およびア
ミノ酸を表し、Aはアデニンを、Cはシトシン
を、Gはグアニンを、Tはチミンを、Alaはアラ
ニンを、Argはアルギニンを、Asnはアスパラギ
ンを、Aspはアスパラギン酸を、Cysはシステイ
ンを、Glnはグルタミンを、Gluはグルタミン酸
を、Glyはグリシンを、Hisはヒスチジンを、Ile
はイソロイシンを、Leuはロイシンを、Lysはリ
ジンを、Metはメチオニンを、Pheはフエニルア
ラニンを、Proはプロリンを、Serはセリンを、
Thrはトレオニンを、Trpはトリプトフアンを、
Tyrはチロシンを、Valはバリンを示している。
図中番号は、1番目のアミノ酸であるメチオニン
を暗号化するATGコドンの“A”を1番として
数えた番号を示している。第3図は、ブロムシア
ン処理したDHFR−ANG1試料の高速液体クロ
マトグラムを示している。横軸は、試料注入後の
時間を分単位で、縦軸は、220nmの吸光度を任
意単位で表現している。矢印で示したピークが
ANG1の溶出ピークである。
図であり、2本鎖DNAのうち片方のDNA鎖配列
だけを、5′末端から3′末端の方向に記述してい
る。図中符号は、核酸塩基を表し、Aはアデニン
を、Cはシトシンを、Gはグアニンを、Tはチミ
ンを示している。図中番号は、pANG1−23に1
箇所存在する制限酵素Claの切断認識部位、
5′−ATCGAT−3′、の最初の“A”を1番とし
て数えた番号を示している。第2図は、pANG1
−23中に存在するDHFR−ANG1を暗号化する
部分の塩基配列およびタンパク質のアミノ酸配列
を示す図である。図中符号は、核酸塩基およびア
ミノ酸を表し、Aはアデニンを、Cはシトシン
を、Gはグアニンを、Tはチミンを、Alaはアラ
ニンを、Argはアルギニンを、Asnはアスパラギ
ンを、Aspはアスパラギン酸を、Cysはシステイ
ンを、Glnはグルタミンを、Gluはグルタミン酸
を、Glyはグリシンを、Hisはヒスチジンを、Ile
はイソロイシンを、Leuはロイシンを、Lysはリ
ジンを、Metはメチオニンを、Pheはフエニルア
ラニンを、Proはプロリンを、Serはセリンを、
Thrはトレオニンを、Trpはトリプトフアンを、
Tyrはチロシンを、Valはバリンを示している。
図中番号は、1番目のアミノ酸であるメチオニン
を暗号化するATGコドンの“A”を1番として
数えた番号を示している。第3図は、ブロムシア
ン処理したDHFR−ANG1試料の高速液体クロ
マトグラムを示している。横軸は、試料注入後の
時間を分単位で、縦軸は、220nmの吸光度を任
意単位で表現している。矢印で示したピークが
ANG1の溶出ピークである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 大腸菌において安定に複製され、宿主である
大腸菌にトリメトプリム耐性およびアンピシリン
耐性を与えることができ、4222塩基対の大きさを
有し、第1図において示されるDNA配列を有す
る新規組換えプラスミドpANG1−23。 2 pANG1−23を含有する大腸菌。 3 pANG1−23を含有する大腸菌が生産し、第
2図によつて示されるアミノ酸配列を有するジヒ
ドロ葉酸還元酵素−アンジオテンシン融合タン
パク質。 4 pANG1−23を含有する大腸菌を培養し、ジ
ヒドロ葉酸還元酵素活性を目安に、ジヒドロ葉酸
還元酵素−アンジオテンシン融合タンパク質
を、培養菌体の無細胞抽出液から、イオン交換カ
ラム処理、メソトリキセート結合アフイニテイカ
ラムクロマトグラフイー、および陰イオン交換カ
ラムクロマトグラフイーを用いて精製することを
特徴とするジヒドロ葉酸還元酵素−アンジオテン
シン融合タンパク質の分離精製方法。 5 pANG1−23を含有する大腸菌の生産するジ
ヒドロ葉酸還元酵素−アンジオテンシン融合タ
ンパク質をブロムシアン分解法により分解した
後、アンジオテンシンを分離精製することを特
徴とするアンジオテンシンの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7967888A JPH01252287A (ja) | 1988-03-31 | 1988-03-31 | アンジオテンシン1 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7967888A JPH01252287A (ja) | 1988-03-31 | 1988-03-31 | アンジオテンシン1 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01252287A JPH01252287A (ja) | 1989-10-06 |
| JPH0354554B2 true JPH0354554B2 (ja) | 1991-08-20 |
Family
ID=13696858
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7967888A Granted JPH01252287A (ja) | 1988-03-31 | 1988-03-31 | アンジオテンシン1 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01252287A (ja) |
-
1988
- 1988-03-31 JP JP7967888A patent/JPH01252287A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01252287A (ja) | 1989-10-06 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |