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JPH0796638B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
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JPH0796638B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JPH0796638B2
JPH0796638B2 JP25282289A JP25282289A JPH0796638B2 JP H0796638 B2 JPH0796638 B2 JP H0796638B2 JP 25282289 A JP25282289 A JP 25282289A JP 25282289 A JP25282289 A JP 25282289A JP H0796638 B2 JPH0796638 B2 JP H0796638B2
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和夫 土山
真 山口
信 大須賀
章博 仁木
寅之助 斉藤
博記 角町
大志郎 岸本
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,スチレン系ブロック共重合体エラストマーと
脂肪族ポリエステルとを混合してなる熱可塑性エラスト
マー組成物に関する。
(従来の技術) 現在,熱可塑性エラストマー(以下,TPEという)は新し
い形態のゴムとして注目を集めている。TPEは従来の天
然および合成ゴムに必要であった加硫操作を必要とせず
にゴム弾性を示すため,生産工程を簡単にできる点,高
温で可塑化されるため成型が容易である点,及びスクラ
ップの再使用が可能であるなどの利点を有し,近年自動
車部品,ホース,チューブなど広範に使用されるように
なってきた。
TPEの分子構造の特徴は,強固な化学的結合によらない
架橋,すなわち,常温付近でのみ有効な何らかの高分子
間拘束を施すシステムにあり,ソフトセグメントとハー
ドセグメントとからなる高分子集合体というのがTPEの
典型的な構造である。ソフトセグメントとハードセグメ
ントは互いに化学構造が異なり,両者の混成組成におい
ては,同質部分がそれぞれ凝集し,異質部分が互いに相
分離したミクロ的不均衡構造を形成することになり,そ
の際ハードセグメントの凝集部分が上記分子間の拘束作
用を示すのである。
代表的なTPEとしては,例えば,スチレン系,オレフィ
ン系,ウレタン系,エステル系,アミド系などがある。
スチレン系TPEではハードセグメントとしてポリスチレ
ンが凍結相を形成して分子鎖間を拘束し,その結果ゴム
弾性を発揮する。このスチレン系TPEは低硬度で高強
度,常温での圧縮永久歪みが小さく,ゴム弾性的性質,
低温特性が優れている。しかしながら,機械的強度,耐
熱性,耐候性,耐油性は劣っている。
このような欠点を補うために,例えば,ソフトセグメン
トであるブタジエン部分を水添したSEBSTPEが開発され
ている。このものは耐熱性,耐油性,耐候性は改善され
るが,反面反発弾性は悪くなる。
また,ポリスチレン型ブロック共重合体にポリエステル
系ブロック共重合体を配合してなるエラストマー組成物
(特開昭50-82162号公報)が提案されている。しかし,
この混合エラストマーは,伸びが不十分で,しかも耐油
性は改善されていない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり,本発
明の目的は,ゴム弾性的性質を有する上に,柔軟性,機
械的強度,耐熱性,耐候性,耐油性に優れたスチレン系
の熱可塑性エラストマー組成物を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために検討を重ねた結果,本発明に
到達した。つまり,スチレン系の熱可塑性エラストマー
では,スチレン系ブロック共重合体エラストマーと特定
の脂肪族ポリエステルエラストマーとを配合して得られ
る熱可塑性エラストマー組成物は,ゴム弾性的性質,柔
軟性が優れしかも機械的強度,耐熱性,耐候性,耐油性
が良好であることを見出した。またこのエラストマー組
成物はスチレン系TPEに起因する粘着性が低下したこと
により著しく成型性が改善されることがわかった。
すなわち,(A)スチレン系ブロック共重合体エラスト
マー20〜80重量%と; (B)一般式が下式〔I〕で表わされる脂肪族ジカルボ
ン酸,脂肪族ジオール,及び一般式が下式〔II〕で表わ
されるジヒドロキシ化合物と下式〔III〕で表わされる
モノヒドロキシ化合物のうち少なくともいずれか一方を
構成成分とする脂肪族ポリエステル80〜20重量%と; を含有し,そのことにより上記目的が達成される。
HOOC−(CH2n−COOH 〔I〕 (式中,nは0〜10の整数を示す。) (式中,R1,R2は独立的にアルキレン基を示し,pは3ま
たは4であり,q,rは独立的に0または1以上の整数を示
す。) (式中,R3はアルキレン基を示し,lは2または3であ
り,mは0又は1以上の整数を示す。) 〔脂肪族ポリエステル〕 上記脂肪族ジカルボン酸において,炭素数が10を越える
ジカルボン酸を用いると,脂肪族ポリエステルから得ら
れる成形体の物性が低下する。上記ジカルボン酸として
は,たとえばシュウ酸,マロン酸,コハク酸,グルタル
酸,アジピン酸,スベリン酸,セバチン酸が好適に用い
られる。
上記脂肪族ジオールとしては,グリコール及びポリアル
キレンオキシドが挙げられる。上記グリコールとして
は,例えば,エチレングリコール,プロピレングリコー
ル,トリメチレングリコール,1,4−ブタンジオール,1,3
−ブタンジオール,1,5−ペンタンジオール,1,6−ヘキサ
ンジオール,1,7−ヘプタンジオール,1,8−オクタンジオ
ール,1,9−ノナンジオール,1,10−デカンジオール,シ
クロペンタン−1,2−ジオール,シクロヘキサン−1,2−
ジオール,シクロヘキサン−1,3−ジオール,シクロヘ
キサン−1,4−ジオール,シクロヘキサン−1,4−ジメタ
ノール等があげられ,これらは単独で使用されてもよ
く,二種以上が併用されてもよい。
上記ポリアルキレンオキシドとしては,例えば,ポリエ
チレンオキシド,ポリプロピレンオキシド,ポリテトラ
メチレンオキシド,ポリヘキサメチレンオキシド等があ
げられ,これらは単独で使用されてもよく,二種以上が
併用されてもよい。ポリアルキレンオキシドの数平均分
子量は,小さくなると生成する脂肪族ポリエステルに柔
軟性を付与する能力が低下し,大きくなりすぎると得ら
れた脂肪族ポリエステルの熱安定性等の物性が低下する
ので,100〜20,000が好ましく,より好ましくは500〜5,0
00である。
上記式〔II〕で表されるジヒドロキシ化合物は液晶性を
示す低分子化合物であって,アルキレン基R1,R2はエチ
レン基又はプロピレン基が好ましく,q及びrは0又は1
が好ましく,次式〔A〕で表される4,4″−ジヒドロキ
シ−p−ターフェニル,次式〔B〕で表される4,4−
ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル及び次式〔C〕
で表される4,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p
−クォーターフェニル等が好適に使用される。
4,4″−ジヒドロキシ−p−ターフェニル〔A〕の結晶
状態から液晶状態への転移温度は260℃で,4,4−ジヒ
ドロキシ−p−クォーターフェニル〔B〕のそれは336
℃,4,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p−クォー
ターフェニル〔C〕のそれは403℃である。尚,液晶状
態とは,化合物が溶融状態であって,また分子が配向状
態を保持している状態をいう。上記各ヒドロキシ化合物
〔II〕はそれぞれ単独で使用しても良く,あるいは併用
しても良い。
液晶性の分子は一般に結晶性が高く,上記したように4,
4″−ジヒドロキシ−p−ターフェニル〔A〕,4,4−
ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル〔B〕及び4,4
−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p−クォーターフ
ェニル〔C〕はその結晶から液晶状態への転移点が高い
ために,これらのジヒドロキシ化合物〔II〕がポリマー
鎖中に組み込まれた場合,そのポリマーは特異な性質を
示す。
すなわちジヒドロキシ化合物〔II〕が結晶性を示し,し
かもその転移点が高いので,ジヒドロキシ化合物〔II〕
の配合量が少量の場合でも強固で耐熱性の高い物理的架
橋を形成する。その結果,ソフトセグメントに由来する
柔軟性を損なうことなく耐熱性の高い熱可塑性エラスト
マーが得られるものと推察される。
上式〔III〕で示されるモノヒドロキシ化合物は,パラ
フェニレン骨格を有する剛直性の低分子化合物であり,
その特徴有る分子構造を反映してこれらの化合物の融点
は極めて高い。さらにパラフェニレン骨格は低分子液晶
化合物のメソゲンとして有効であることが知られてお
り,これは該骨格が固体状態のみならず高温状態(溶融
状態)においても,強い凝集力を有していることを示す
ものである。従って,上記のモノヒドロキシ化合物〔II
I〕をポリマー末端に組み込んだ場合,非常に強固で耐
熱性の高い物理的架橋をもたらし,耐熱性に優れた優れ
た熱可塑性エラストマーが生成する。
上記式〔III〕で示されるモノヒドロキシ化合物におい
ては,R3はエチレン基またはプロピレン基が好ましく,m
は0または1が好ましい。上記モノヒドロキシ化合物と
しては,例えば,4−ヒドロキシ−p−ターフェニル,4−
ヒドロキシ−p−クォーターフェニル,4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−p−ターフェニル,4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)−p−クォーターフェニル等が挙げられ
る。モノヒドロキシ化合物〔III〕は,それぞれ単独で
使用しても良く,あるいはそれらを併用しても良い。
上記脂肪族ジカルボン酸〔I〕,脂肪族ジオールおよび
ジヒドロキシ化合物〔II〕と,モノヒドロキシ化合物
〔III〕のうち少なくともいずれか一方よりなる脂肪族
ポリエステルに,2個の水酸基を有するポリシリコーン
や,ラクトンや,芳香族ヒドロキシカルボン酸を構成成
分として含有させてもよい。
上記ポリシリコーンは,2個の水酸基を有するものであ
り,2個の水酸基が分子末端にあるポリシリコーンが好ま
しく,たとえば,分子の両末端に2個の水酸基を有する
ジメチルポリシロキサン,ジエチルポリシロキサン,ジ
フェニルポリシロキサン等があげられる。ポリシリコー
ンの数平均分子量は,小さくなると,生成するポリエス
テルに柔軟性を付与する能力が低下し,大きくなると,
ポリエステルの生成が困難になるので,100〜20,000が好
ましく,より好ましくは500〜5,000である。
上記ラクトンは,開環して酸及び水酸基と反応し,脂肪
族鎖を付加するものであって,ポリエステルに柔軟性を
付与するものであり,環の中に4以上の炭素原子を有す
るものが好ましく,より好ましくは5員環〜8員環であ
り,例えばε−カプロラクトン,δ−バレロラクトン,
γ−ブチロラクトン等があげられる。
上記芳香族ヒドロキシカルボン酸は,ポリエステルに剛
性や液晶性を付与するものであり,サリチル酸,メタヒ
ドロキシ安息香酸,パラヒドロキシ安息香酸,3−クロロ
−4−ヒドロキシ安息香酸,3−ブロモ−4−ヒドロキシ
安息香酸,3−メトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸,3−メ
チル−4−ヒドロキシ安息香酸,3−フェニル−4−ヒド
ロキシ安息香酸,2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸,4−ヒ
ドロキシ−4′−カルボキシビフェニルなどが挙げら
れ,好ましくは,パラヒドロキシ安息香酸,2−ヒドロキ
シ−6−ナフトエ酸,4−ヒドロキシ−4′−カルボキシ
ビフェニルである。
さらに,上記脂肪族ポリエステルに,ポリエステルの機
械的物性等を向上させるために,ジヒドロキシ化合物
〔II〕以外の芳香族ジオールや芳香族ジカルボン酸を構
成成分として含有させてもよい。
上記芳香族ジオールとしては,ヒドロキノン,レゾルシ
ン,クロロヒドロキノン,ブロモヒドロキノン,メチル
ヒドロキノン,フェニルヒドロキノン,メトキシヒドロ
キノン,フェノキシヒドロキノン,4,4′−ジヒドロキシ
ビフェニル,4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル,
4,4′−ジヒドロキシジフェニルサルファイド,4,4′−
ジヒドロキシジフェニルスルホン,4,4′−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン,4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタ
ン,ビスフェノールA,1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン,1,2−ビス(4−ヒドロキシフェノ
キシ)エタン,1,4−ジヒドロキシナフタリン,2,6−ジヒ
ドロキシナフタリンなどがあげられる。
上記芳香族ジカルボン酸としては,テレフタル酸,イソ
フタル酸,5−スルホイソフタル酸の金属塩,4,4′−ジカ
ルボキシビフェニル,4,4′−ジカルボキシジフェニルエ
ーテル,4,4′−ジカルボキシジフェニルサルファイド,
4,4′−ジカルボキシジフェニルスルホン,3,3′−ジカ
ルボキシベンゾフェノン,4,4′−ジカルボキシベンゾフ
ェノン,1,2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタ
ン,1,4−ジカルボキシナフタリン,または2,6−ジカル
ボキシナフタリンなどが挙げられる。
上記ジヒドロキシ化合物〔II〕と脂肪族ジオールと脂肪
族ジカルボン酸よりなる脂肪族ポリエステルは,ジヒド
ロキシ化合物〔II〕の含有量が,少なくなると耐熱性が
低下し,多くなると弾性率が高くなり柔軟性が低下し,
熱可塑性エラストマーとしては不適当になるので,上記
ジヒドロキシ化合物〔II〕の含有量は,ポリエステルを
構成する全モノマー中の0.1〜30モル%が好ましく,よ
り好ましくは0.5〜20モル%であり,さらに好ましくは
1.0〜10モル%である。尚,芳香族以外のジオールとし
てポリアルキレンオキシドやポリシリコーンを使用する
場合,その構成単位を1モノマーとして数える。即ち,
重合度10のポリエチレンオキシドは10モノマーとして数
える。
また,上記モノヒドロキシ化合物〔III〕と脂肪族ジオ
ールと脂肪族ジカルボン酸よりなる脂肪族ポリエステル
は,モノヒドロキシ化合物〔III〕の含有量が少なくな
ると耐熱性が低下し,多くなると脂肪族ポリエステルの
分子量が十分に上昇せず,物性的に劣ったものとなるの
で脂肪族ポリエステルを構成する全モノマー中の0.1〜2
0モル%とするのが好ましい。また,上記ジヒドロキシ
化合物〔II〕とモノヒドロキシ化合物〔III〕と脂肪族
ジオールと脂肪族ジカルボン酸より成る脂肪族ポリエス
テルは,ジヒドロキシ化合物〔II〕とモノヒドロキシ化
合物〔III〕とを合せたヒドロキシ化合物の含有量が少
なくなると耐熱性が低下し,多くなると柔軟性の低下お
よび十分な分子量上昇が得られないため,脂肪族ポリエ
ステルを構成する全モノマー中の0.1〜30モル%とする
のが好ましい。この際のジヒドロキシ化合物〔II〕とモ
ノヒドロキシ化合物〔III〕の割合は 0<〔III〕/〔II〕+〔III〕<2/3 を満たす範囲が好ましい。
以上のような構成成分から成る脂肪族ポリエステルは,
以下にあげる一般に知られている任意の重縮合方法を用
いて製造することができる。
ジカルボン酸とジオール成分(脂肪族ジオール,ジ
ヒドロキシ化合物,モノヒドロキシ化合物等を含めたも
のとする)とを直接反応させる方法。
ジカルボン酸の低級エステルとジオール成分とをエ
ステル交換を利用して反応させる方法。
ジカルボン酸のハロゲン化物とジオール成分をピリ
ジンなどの適当な溶媒中で反応させる方法。
ジオール成分の金属アルコラートをジカルボン酸の
ハロゲン化物と反応させる方法。
ジオール成分のアセチル化物とジカルボン酸とをエ
ステル交換を利用して反応させる方法。
また,重合中ジヒドロキシ化合物〔II〕の添加順序を変
えることによって得られるポリエステルの構造を規制す
ることも可能である。例えば,ジヒドロキシ化合物〔I
I〕をジカルボン酸および他のジオール成分と一括して
仕込んだ場合,ランダム共重合体が得られ易くなり,重
合後期にジヒドロキシ化合物〔II〕を仕込んだ場合はブ
ロック共重合体が得られ易くなる。また,予め合成した
ポリエステルに上記ジヒドロキシ化合物〔II〕あるいは
ジヒドロキシ化合物のアセチル化合物を減圧加熱下で混
練し,脱エチレングリコールあるいはエステル交換反応
によって分子鎖にジヒドロキシ化合物〔II〕に基づくセ
グメントを導入することも可能である。
重縮合する際には,一般にポリエステルを製造する際に
使用されている触媒が使用されてよい。この触媒として
は,リチウム,ナトリウム,カリウム,セシウム,マグ
ネシウム,カルシウム,バリウム,ストロンチウム,亜
鉛,アルミニウム,チタン,コバルト,ゲルマニウム,
錫,鉛,アンチモン,ヒ素,セリウム,ホウ素,カドミ
ウム,マンガンなどの金属,その有機金属化合物,有機
酸塩,金属アルコキシド,金属酸化物等があげられる。
特に好ましい触媒は,酢酸カルシウム,ジアシル第一
錫,テトラアシル第二錫,ジブチル錫オキサイド,ジブ
チル錫ジラウレート,ジメチル錫マレート,錫ジオクタ
ノエート,錫テトラアセテート,トリイソブチルアルミ
ニウム,テトラブチルチタネート,二酸化ゲルマニウ
ム,及び三酸化アンチモンである。これらの触媒は二種
以上併用してもよい。また,重合とともに副生する水
や,アルコール,グリコールなどを効率よく留出させ,
高分子量ポリマーを得るためには,反応系を重合後期に
1mmHg以下に減圧することが好ましい。反応温度は一般
に,150〜350℃である。
〔スチレン系ブロック共重合体エラストマー〕
スチレン系ブロック共重合体エラストマーはソフトセグ
メントの種類によりSBS(ポリスチレン−ポリブタジエ
ン−ポリスチレン型,ソフトセグメント;ポリブタジエ
ン),SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレ
ン型,ソフトセグメント;ポリイソプレン),SEBS(ポ
リスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレ
ン型,ソフトセグメント:ポリエチレン/ポリブチレ
ン)に分けられる。また,ハードセグメントとソフトセ
グメントとの結合様式により,リニアブロック,ラジア
ルブロック,マルチブロックなどの種類があり,以上の
いずれのタイプを用いてもさしつかえない。
本発明では特にポリスチレン相が5〜40重量%でゴム相
が60〜95重量%,平均分子量が5000〜500,000のスチレ
ン系ブロック共重合体エラストマーが好適に用いられ
る。平均分子量が5000を下まわるとゴム的性質を示さ
ず,500,000を上まわると他の樹脂との相溶性が低下し,
かつ流動性が悪くなる。
スチレン系ブロック共重合体エラストマーの市販品とし
ては,Kraton.Car:flex TR(シェルケミカル)。Solpren
e(フィリップスペトロリアム)Europrene SOLT(アニ
ッチ),タフプレン(旭化成),ソルプレン−T(日本
エラストマー),JSR TR(日本合成ゴム),電荷STR(電
気化学),Quintac(日本ゼオン),KratonG(シェルケミ
カル),タフテック(旭化成)等が挙げられる。
スチレン型ブロック共重合体は,一般にリビングアニオ
ン重合により合成されるが,特にこれに限定されること
はなく,カチオン重合,ラジカル重合によっても得るこ
とができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は,以上のように
して合成された脂肪族ポリエステル(B)とスチレン系
ブロック共重合体エラストマー(A)とを混合して得ら
れ,脂肪族ポリエステル(B)は20〜80重量%含有さ
れ,スチレン系ブロック共重合体エラストマー(A)は
20〜80重量%含有される。スチレン系共重合体ブロック
エラストマー(A)が配合されたエラストマー組成物に
おいて,そのエラストマー(A)の含有量が20重量%を
下まわると柔軟性が低下し,圧縮永久ひずみが大きくな
る。80重量%を上まわると機械的強度,耐熱性,耐候
性,耐油性が改善されない。
スチレン系ブロック共重合体エラストマー(A)と脂肪
族ポリエステル(B)との混合方法は溶融混合が好まし
く,具体的には単軸又は二軸押出機,ニーダー,バンバ
リーミキサー,加熱ロール,プラストグラフ等の装置を
用いることができる。
また,本発明の熱可塑性エラストマー組成物には,実用
性を損なわない範囲で以下の添加剤が添加されてもよ
い。すなわち,ガラス繊維,炭素繊維,ボロン繊維,炭
化けい素繊維,アルミナ繊維,アモルファス繊維,シリ
コン・チタン・炭素系繊維等の無機繊維,アラミド繊維
等の有機繊維,炭酸カルシウム,酸化チタン,マイカ,
タルク等の無機充填剤,トリフェニルホスファイト,ト
リラウリルホスファイト,トリスノニルフェニルホスフ
ァイト,2−tert−ブチル−α−(3−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)−p−クメニルビス(p−ノニ
ルフェンル)ホスファイト等の熱安定剤,ヘキサブロモ
シクロドデカン,トリス−(2,3−ジクロロプロピル)
ホスフェート,ペンタブロモフェニルアリルエーテル等
の難燃剤,p−tert−ブチルフェニルサリシレート,2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ
−4−メトキシ−2′−カルボキシベンゾフェノン,2,
4,5−トリヒドロキシブチロフェノン等の紫外線吸収
剤,ブチルヒドロキシアニソール,ブチルヒドロキシト
ルエン,ジステアリルチオジプロピオネート,ジラウリ
ルチオジプロピオネート,ヒンダドードフェノール系酸
化防止剤等の酸化防止剤,N,N−ビス(ヒドロキシエチ
ル)アルキルアミン,アルキルアリルスルホネート,ア
ルキルスルファネート等の帯電防止剤,硫酸バリウム,
アルミナ,酸化珪素などの無機物;ステアリン酸ナトリ
ウム,ステアリン酸バリウム,パルミチン酸ナトリウム
などの高級脂肪酸塩;ベンジルアルコール,ベンゾフェ
ノンなどの有機化合物;高結晶化したポリエチレンテレ
フタレート,ポリトランス−シクロヘキサンジメタノー
ルテレフタレート等の結晶化促進剤等が挙げられる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は,プレス成形,
押出成形,射出成形,ブロー成形等により成形体とされ
る。成形体の物性は,その構成成分及びその配合割合等
によって任意に変化し得る。ポリエステルを熱可塑性エ
ラストマーとして調製した場合には,成形体は自動車部
品,ホース,ベルト,パッキンなどの柔軟性を有する成
形体や,塗料,接着剤等に好適に用いられる。
(実施例) 以下に,本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1及び2,比較例1及び2 脂肪族ポリエステルエラストマー(B)の合成 攪拌機,温度計,ガス吹込み口及び蒸留口を備えた内容
積2lのガラス製フラスコに,アジピン酸ジメチル268.2
g,エチエングリコール313.6gおよび4,4−ジヒドロキ
シ−p−クォーターフェニル(以下,DHQとする)60.9g
のモノマー混合物並びに触媒として酢酸カルシウム0.4g
及び酸化ゲルマニウム0.13gを加えた。フラスコ内を窒
素で置換した後,180℃に昇温してエステル交換反応を行
なった。反応とともにメタノールが留出した。エステル
交換反応が終了するまでに約2時間かかり,その間中,
攪拌を続けた。次いで,フラスコ内を300℃まで昇温
し,その状態で30分間攪拌するとエチレングリコールが
留出して反応混合液が均一になった。このフラスコ内を
1mmHg以下に減圧した状態で2時間重縮合反応を行なっ
た。極めて粘稠な白色樹脂が得られた。この樹脂の極限
粘度は1.0であった。
上記で得られた脂肪族ポリエステルエラストマー(B)
と,スチレン系ブロック共重合体エラストマー(A)
(JSR TR 2000 (B),日本合成ゴム株式会社製)を表
1に示す割合で配合し,プラストグラフを用いて170℃
で30分間溶融混練し熱可塑性エラストマー組成物を得
た。なお,JSR TR 2000 (B)は,スチレン:ブタジエ
ン=40:60(重量比)のSBSタイプエラストマーであり,
比重0.96,メルトインデックス3.0g/10min(190℃,2.16k
g)のものである。
得られたエラストマー組成物について以下の評価試験を
行なった。
(a) 引張り伸び試験; 3号ダンベル(射出圧1500kgf/cm2,金型温度70℃,シ
リンダー温度190℃)を用いて,JIS K 6301に従って行な
った。
(b) 耐油性試験; エラストマー組成物をJIS #3オイルに100℃で70時間
浸漬し,試験前に対する浸漬後のエラストマー組成物の
体積変化率(%)を測定した。
(c) 耐候性試験; ウェザーメーターにおいて,雰囲気条件を40℃,湿度68
%に設定して上記(B)で得られたダンベルに光を照射
し,1日後及び14日後にダンベルを取り出して,その伸度
保存率(%)を測定した。伸度保存率は,JIS K 6301に
従い,引張り破断伸びを測定し,耐候性試験前後の比に
より求めた。それらの結果を表1に示す。
(発明の効果) 本発明のエラストマー組成物は,300℃以上で溶解可能な
ヒドロキシ化合物を構成成分とする脂肪族ポリエステル
が配合されている。この脂肪族ポリエステルは,脂肪族
ジカルボン酸と,脂肪族ジオールから主として構成され
た脂肪族ポリエステルに,結晶性が高く,融点の高いジ
ヒドロキシ化合物やモノヒドロキシ化合物に基づくセグ
メントが導入されているので,これを混合して得られた
本発明のエラストマー組成物は,熱可塑性エラストマー
としての性能を有すると共に耐熱性,耐候性,耐油性,
機械的強度等が優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仁木 章博 大阪府三島郡島本町百山2番2号 (72)発明者 斉藤 寅之助 大阪府茨木市山手台5丁目17番21号 (72)発明者 角町 博記 大阪府茨木市南春日丘1丁目11番3号 (72)発明者 岸本 大志郎 大阪府茨木市三島丘2丁目11番20号 ウメ ヤママンション102 (56)参考文献 特開 昭50−79559(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)スチレン系ブロック共重合体エラス
    トマー20〜80重量%と; (B)一般式が下式〔I〕で表わされる脂肪族ジカルボ
    ン酸,脂肪族ジオール,及び一般式が下式〔II〕で表わ
    されるジヒドロキシ化合物と下式〔III〕で表わされる
    モノヒドロキシ化合物のうち少なくともいずれか一方を
    構成成分とする脂肪族ポリエステル80〜20重量%と; を含有する熱可塑性エラストマー組成物。 HOOC−(CH2n−COOH 〔I〕 (式中,nは0〜10の整数を示す。) (式中,R1,R2は独立的にアルキレン基を示し,pは3ま
    たは4であり,q,rは独立的に0または1以上の整数を示
    す。) (式中,R3はアルキレン基を示し,lは2または3であ
    り,mは0又は1以上の整数を示す。)
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