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JPH0832680B2 - 芳香族ビスエーテルフタルイミド化合物の合成法 - Google Patents
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JPH0832680B2 - 芳香族ビスエーテルフタルイミド化合物の合成法 - Google Patents

芳香族ビスエーテルフタルイミド化合物の合成法

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JPH0832680B2
JPH0832680B2 JP62325636A JP32563687A JPH0832680B2 JP H0832680 B2 JPH0832680 B2 JP H0832680B2 JP 62325636 A JP62325636 A JP 62325636A JP 32563687 A JP32563687 A JP 32563687A JP H0832680 B2 JPH0832680 B2 JP H0832680B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07D209/48Iso-indoles; Hydrogenated iso-indoles with oxygen atoms in positions 1 and 3, e.g. phthalimide

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ポリエーテルイミドの合成の中間物質とし
て有用な芳香族ビス(エーテルフタルイミド)化合物の
合成方法に関する。
発明の背景 芳香族ビス(エーテルフタルイミド)化合物はある種
のポリイミドの合成に使用される公知の中間物質であ
る。これらの化合物は公知の方法で対応する芳香族ビス
(エーテル無水物)化合物に容易に転化される。このよ
うな方法の一例では、芳香族ビス(エーテルフタルイミ
ド)を水酸化ナトリウム水溶液で加水分解してテトラカ
ルボン酸塩を製造し、その後このテトラカルボン酸塩を
テトラカルボン酸に酸性化し、その後このテトラカルボ
ン酸を脱水して芳香族ビス(エーテル無水物)を製造す
る(米国特許第3,879,428号)。同様の方法が米国特許
第3,933,852号に開示されており、この方法ではある種
のビス(N−メチルフタルイミド)エーテルを水酸化ナ
トリウム水溶液および水で処理して対応するテトラカル
ボン酸を形成し、次にこのテトラカルボン酸をたとえば
氷酢酸および無水酢酸で処理して対応する二無水物を得
る。
こうして誘導された芳香族ビス(フタル酸二無水物)
エーテルは、各種のポリイミド単独重合体および共重合
体の製造のための単量体として有用である。たとえばカ
ークオトマー化学技術事典(Kirk-Othmer Encyclopedia
of Chemical Technology)、第2版、ジョン・ウィレ
ー・アンド・サンズ社(John Wiley and Sons,Inc.)、
ニューヨーク(1971)、追補巻第746−755ページを参照
されたい。米国特許第3,847,867号には、ある種の芳香
族ビス(エーテル無水物)を有機ジアミンと反応させる
ことによる、ポリエーテルイミドの製造が記載されてい
る。
発明の開示 本発明は、式: の芳香族ビス(エーテルフタルイミド)を合成するにあ
たり、式: のフタルイミドを、化学量論的に過剰な式: M−O−R2−O−M (III) のアルカリ金属ジフェノキシド塩と、触媒量の相間移動
触媒の存在下、無水の無極性有機溶剤中にて、エーテル
形成条件で反応させる工程を含む改善された方法を提供
する。固相−液相分離技術を用いて、式(I)の化合物
は実質的に完全に可溶であるがアルカリ金属塩不純物は
実質的に不溶である温度で、上記反応混合物から不純物
を除去する。適当な固相−液相分離技術の一つは、式
(I)の化合物は実質的に溶剤に完全に可溶でフィルタ
ーを通過するが、不純物のアルカリ金属塩は不溶でフィ
ルター上に保持される温度での、過である。式(I)
の化合物が液から高い収率および純度で回収される。
具体的説明 本発明は、式: の芳香族ビス(エーテルフタルイミド)を合成するにあ
たり、式: のフタルイミドを、化学量論的に過剰な式: M−O−R2−O−M (III) のアルカリ金属ジフェノキシド塩と、触媒量の相間移動
触媒の存在下、無水の無極性有機溶剤中にて、エーテル
形成条件で反応させる工程を含む改善された方法を提供
する。不純物は固相−液相分離技術、たとえば反応混合
物を式(I)の化合物は実質的に完全に可溶であるがア
ルカリ金属塩である不純物は実質的に不溶である温度で
過することによって除去する。式(I)の化合物は液
相から高収率かつ高純度で回収される。
R1は水素、または1−約10個の炭素原子、好ましくは
1−約5個の炭素原子を有する低級アルキル基、または
約6−約20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基また
はそのハロゲン化誘導体から選ばれた一価の有機基であ
る。R1に包含される基には、たとえば芳香族基、たとえ
ばフェニル、トリル、キシリル、ナフチル、クロロフェ
ニルおよびブロモナフチル、およびアルキル基、たとえ
ばメチル、エチルおよびプロピル基がある。特に好適な
R1基はメチル基である。
R2は二価の有機基で、エーテル形成反応を妨害しない
任意のアルキルまたはアリール基とすることができる。
たとえばR2基は所望の反応に立体障害をもたらすほど大
きくてはならない。R2基はまた拮抗によって所望のエー
テル形成反応を妨害する反応基を含んでいてもならな
い。多くの適当なR2基の例には、 の二価の有機基があり、式中のQは −O−および−CyH2y−(式中のyは1−約5の整
数)、および多くの他の芳香族または直鎖または枝分れ
脂肪族基から選ばれた基を表わす。
Mはアルカリ金属イオンを表わす。アルカリ金属イオ
ンはたとえばナトリウム、カリウムまたはリチウムとす
ることができ、ナトリウムが好適である。
構造式(III)を有する化合物は公知である(たとえ
ば米国特許第3,847,867号および第3,879,428号参照)。
本発明で使用することのできる多くの式(III)の化合
物の例には、以下の二価フェノールのアルカリ金属塩が
ある。
2,2−ビス(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、 2,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン ビス−(2−ヒドロキシフェニル)−メタン、 2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン (以下では「ビスフェノールA」と称する)、 1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、 1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパ
ン、 2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−ペンタ
ン、 3,3−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−ペンタ
ン、 4,4′−ジヒドロキシビフェニル、 2,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、 4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、 2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、 4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、 4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、など。
特に好適な式(III)の化合物は、R2基が であるビスフェノールAである。(メルク・インデック
ス(The Merck Index)第10版、見出し番号(untry n
o.)1296、第181ページ参照。) R3は脱離基を表わす。「脱離基」は本発明で使用する
場合には、式(II)の出発化合物から反応のエーテル形
成条件下で容易に置換される基のことを言う。R3はニト
ロ基(つまり−NO2)またはハロゲン原子、たとえばク
ロロ、ボロモまたはフルオロ置換基とするのが有利でフ
ルオロ置換基とするのが好ましい。R3基は式(II)の化
合物のベンゼン環の3位または4位に結合することがで
きる。
したがって、式(III)の化合物のR2で表わされる二
価の基に対する2個の酸素原子、ならびに式(II)の化
合物のR3基が各種の位置で結合が可能であるがゆえに、
式(I)の化合物でのエーテル結合の位置は変化しう
る。たとえば式(I)の化合物は特に以下の位置にエー
テル結合を有することができる。
式(III)で表わされる化合物は式HO−R2−OHを有す
る対応する二価フェノール化合物から誘導することがで
きる。これらの二価フェノールはフェノール性ヒドロキ
シル基のために一般に弱い酸性である。これらの化合物
のアルカリ金属塩は公知の方法で製造することができ
る。(たとえば米国特許第4,273,712号、第3コラム、
第33−43行参照。)これらのアルカリ金属塩にはナトリ
ウム、カリウムおよびリチウム塩があるがこれらに限定
されるものではない。本発明に使用するのに好適なアル
カリ金属塩はナトリウム塩である。式(III)の化合物
がビスフェノールAのナトリウム塩であるときは、後述
の実施例で説明するように、ナトリウム塩はビスフェノ
ールAおよび水酸化ナトリウムを水中で混合し、次に混
合物をトルエン中で共沸乾燥することによって製造する
ことができる。
式(II)のフタルイミド化合物は公知である。(たと
えば米国特許第4,116,980号、第3,933,852号および第3,
879,428号参照。)本発明および上述のR、およびR3
の定義によれば、式(II)の化合物はたとえばN−フェ
ニル−3−ニトロフタルイミド、N−フェニル−4−ニ
トロフタルイミド、N−メチル−3−ニトロフタルイミ
ド、N−ブチル−3−クロロフタルイミド、N−プロピ
ル−4−ブロモフタルイミド、および多くの他のこのよ
うな化合物とすることができる。
置換フタルイミドを二価フェノール塩と反応させて芳
香族ビス(エーテルフタルイミド)化合物を形成するこ
とは公知である。たとえば米国特許第3,933,852号に
は、N−メチル−3−ニトロフタルイミド(またはN−
メチル−4−ニトロフタルイミド)をビスフェノールA
[(2,2−ビス−4−ヒドロキシフェニル)プロパン]
の二アルカリ金属塩と反応させて、芳香族ビスイミドで
あるビスフェノールAビスイミドを形成することが記載
されている。米国特許第4,577,033号には、相間移動触
媒の存在下でのビスフェノールAの二ナトリウム塩と4
−ニトロ−N−メチルフタルイミドの反応による、芳香
族エーテルイミドの製造が記載されている。米国特許第
4,273,712号には、同様の方法で製造された芳香族エー
テルイミドの種々の回収方法が提示されている。この種
の反応によって芳香族ビス(エーテルフタルイミド)化
合物を製造する際に生ずる問題には、(反応完了後の)
反応混合物に不純物が存在することがあり、不純物が存
在すると生成物に望ましくない色が付与され、この化合
物から製造されたポリエーテルイミドの特性に負の影響
を与える。反応混合物を水または水溶液で抽出すると、
別の高度に着色した不純物が形成されることが知られて
いる。
本発明で説明する芳香族ビス(エーテルフタルイミ
ド)化合物の製造方法は、この種の化合物の改善された
合成方法である。本発明に開示した方法の利点には、高
温での固相−液相分離工程(好ましくは過)による、
反応混合物からの色形成性不純物を含む不純物の除去が
ある。固相−液相分離工程に先立ち、必要に応じて、反
応混合物に塩基、たとえば水酸化ナトリウムを加えて特
定の不純物の不溶性塩を形成することができる。固相−
液相分離工程の間に、不溶性の不純物は除去されるが、
目的とす生成物は溶液中に保持される。「不純物」とは
目的とする生成物以外の化合物のことで、反応混合物に
意図的に添加されるもの(たとえば反応物質)、ならび
に副反応によって形成されるものを包含する。不純物と
して存在する化合物は、反応物質中のR1、R2およびR3
の選択によって変わる。本発明に開示した方法によって
合成した芳香族ビス(エーテルフタルイミド)化合物は
高収率および比較的高レベルの純度で得られる。本発明
の方法のこれらの利点および他の利点を以下にさらに説
明する。
本発明では式(II)および式(III)の化合物は無水
の無極性有機溶剤中で反応され、この溶剤は反応物質お
よび目的とする生成物に対して不活性である必要があ
り、後述するように化合物(II)および(III)の化合
物(I)生成物への実質的な転化が生じる所望の反応温
度に加熱できるよう十分高い沸点を有する必要がある。
多くのこの種の溶剤が公知で、たとえばテトラヒドロフ
ラン、オクタン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンま
たはそれらの混合物があるが、それらに限定されるもの
ではない。好適に溶剤はトルエンである。
反応は触媒量の相間移動触媒の存在下で行う。この量
は反応物質の濃度および反応温度に応じて相当変化させ
ることができる。一般に触媒対式(II)のフタルイミド
化合物のモル比は約0.01:1から約0.04:1、好ましくは約
0.02:1から約0.03:1の範囲とする。触媒の量がこれより
多くても、反応の収率または効率が有意に改善されるわ
けではなくしかも回収過程を妨害することがあり、一方
触媒の濃度がこれより低いと所望の触媒効果が得られな
いことがある。
相間移動触媒の使用は周知である。(たとえば米国特
許第4,577,033号、第4,554,357号、第4,513,141号、第
4,273,712号、および第4,460,778号参照。)この種の触
媒は、一種(以上)の反応物質が反応混合物の一方の相
に見出され、別の反応物質が反応混合物の異なった相に
見出される化学反応を効果的に触媒する。反応混合物中
の異なった相は、たとえば水性相と有機相、または固相
と液相とすることができる。本発明のエーテル形成反応
では、式(III)の化合物のアルカリ金属塩は不溶であ
るので固相を形成し、一方式(II)の化合物は有機溶剤
に可溶(液相)である。多くの適当な相間移動触媒が知
られており、一般的には第四アンモニウムおよびホスホ
ニウム塩である(たとえば米国特許第4,273,712号およ
び第4,554,357号参照。)公知の相間移動触媒には、ジ
第四アンモニウム塩である二臭化ビス(トリ−n−ブチ
ル)−1,6−ヘキシレンジアンモニウム、臭化テトラプ
ロピルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、
弗化テトラブチルアンモニウム、酢酸テトラブチルアン
モニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、臭化テトラ
フェニルホスホニウム、およびその他多くのものがあ
る。本発明で使用するのに好適な相間移動触媒は臭化テ
トラブチルアンモニウムである。
「エーテル形性条件」は本発明で使用する場合には、
一般に反応混合物を、式(II)および(III)の反応物
質が式(I)の芳香族ビス(エーテルフタルイミド)化
合物に実質的に転化するのに十分な高温に加熱すること
を包含する。一般にこの温度は約40℃−150℃の範囲と
することができる。この温度は約100℃−約130℃の範囲
とするのが有利で、約105℃−約120℃とするのが好まし
い。反応は混合物を加熱して還流させることによって行
うのが好都合である。反応混合物は、有害な副反応を防
止するために、不活性雰囲気中で実質的に無水条件下に
保持するのが有利である。好適な方法では反応を乾燥し
た窒素雰囲気中で行う。
本発明では、反応は式(II)および(III)の化合物
および相間移動触媒を溶剤に加えることによって開始す
る。反応物質および触媒の添加順序は変えることができ
る。溶剤中の反応物質の濃度も相当広範囲に変化させる
ことができる。反応が十分な速度で進行するように、反
応混合物は十分高い濃度を有するのが好ましい。
反応混合物には、式(III)の化合物が式(II)の化
合物に対して化学量論的に過剰なモル量で存在する。2
モルの式(II)の化合物が1モルの化合物(III)と反
応して式(I)の化合物を生成する。したがって、反応
混合物中で式(III)の化合物が「化学量論的に過剰な
モル量」であるとは、化合物(III)のモル濃度が化合
物(II)のモル濃度の半分を超えていることを意味す
る。好ましくは、式(III)の化合物は反応混合物中に
式(II)の化合物よりわずかに化学量論的に過剰なだけ
存在して、反応混合物中の未反応の、したがって、反応
終了後は「無駄」となる式(III)の反応物質の存在を
最少とする。一般に式(II)の化合物の初期濃度は約0.
1−約3.0M、好ましくは約1.0−約2.0Mの範囲とする。式
(III)のアルカリ塩の初期濃度は、一般に約0.1−約2.
0M、好ましくは約0.6−約1.20Mの範囲とする。2種の反
応物質の濃度は上述の所望のモル関係となるよう選ぶ。
したがって式(II)の化合物は反応でほぼ完全に使用
されてしまうので、反応の完了後は反応混合物中に未反
応の式(II)のフタルイミド反応物質は本質的に全く残
っていない。このことは、この種の式(II)の反応物質
が(反応後に)未反応不純物として存在していると、反
応混合物からの除去がしばしば困難であることから有利
である。この種の不純物の除去は、目的とする生成物を
純粋な形態で単離するために、そして式(II)のある種
の化合物が芳香族ビス(エーテルフタルイミド)生成物
に望ましくない着色を生ずるので望ましい。また式(I
I)の化合物は一般に比較的高価で、したがって反応混
合物中にこの種の化合物の一部が未反応で残ったときに
生じるこの種の化合物の高価な「無駄」を最小とするの
が望ましい。
反応混合物を反応が完了するまで上述のようにして加
熱する。本発明の一実施態様では混合物を約1−約2時
間加熱還流する。反応を高圧液体クロマトグラフィーで
監視して未反応化合物(II)を検出することもできる。
反応が完了したら、反応混合物から不純物を除去する
工程を行う。「不純物」は目的とする式(I)の生成物
以外の化合物を意味する。このような工程の一種では、
反応混合物に必要に応じて塩基を加える。適当な塩基に
はアルカリ金属を含有するものがあり、この種の塩基に
はNaOH、KOH、LiOH、Na2CO3、K2CO3およびLi2CO3がある
が、これらに限定されるものではない。この工程は、遊
離酸の形態で存在する不純物のアルカリ金属塩を形成す
ると考えられる。この種の塩は有機溶剤に不溶である。
式(II)の反応物質または溶剤に可溶な他の不純物が存
在する場合には、それらも塩基の添加によって溶剤に不
溶な塩に転化することができる。塩基は反応混合物に、
不純物をその塩に転化するのに有効な量で加えるのが有
利である。このような量は一般に最終濃度で約0.1%−
約2.0%(W/V)、好ましくは約0.2%−約0.6%(W/V)
である。塩基の添加後、反応混合物を好ましくは約80℃
−約115℃に加熱する。塩基は乾燥粉末形状で添加し
て、反応混合物の無水状態を保持するのが有利である。
必要に応じてさらに有機溶剤を添加することもできる。
本発明の一実施態様では、NaOH粉末を最終濃度が約0.5
%(W/V)となるまで加え、そして得られた混合物を約1
5分間加熱還流する。
上述のように必要に応じて塩基を加えた後、あるいは
反応完了のすぐ後に、固相−液相分離工程を行う。さき
にも述べたように、この工程は過からなってもよい。
固相−液相分離は、目的とする式(I)の生成物が可溶
であるが不純物が一般に不溶である温度の(上述の)無
水の無極性有機溶剤中で行う。溶剤の量が目的とする生
成物を溶液に保持するに十分であるよう、必要な場合に
は溶剤を加えることもできる。過は好ましくはトルエ
ン中、約80℃−約105℃の温度で行う。反応混合物は、
不純物の不溶な塩を保持するのに有効であるが目的とす
る生成物はフィルターを通して液として流す任意の適
当な公知の材を通して過することができる。このよ
うな材には通常の実験室用の紙または焼結ガラスフ
ィルターがあるがこれらに限定されるものではなく、フ
ィルターの多孔率は孔径約1−約100μ、好ましくは約1
0−約50μの範囲とする。本発明の一実施態様では、多
孔率が25−50μ径の焼結ガラスフィルター漏斗を使用す
る。「高温過」工程は、亜硝酸ナトリウム(式(II
I)のナトリウム塩を式(II)のR3がニトロ基である化
合物と反応させたときに副生物として形成される)、反
応中に形成される次式: を有する「モノイミド」、式(II)および(III)の反
応物質の塩、および他の不純物、たとえば高度に着色し
た不純物を、液から減少したり、本質的に除去したり
するのに有効である。
固相−液相分離工程の後、液体(たとえば液)を水
で抽出するのが有利である。水による抽出(または洗
浄)の回数はできるだけ少なくして、このような水洗中
に一般に生じる生成物の物理的損失を最少とするのが有
利である、水での抽出によって相間移動触媒は液から
水へと除去されるが、目的とする生成物は液(有機溶
剤)中に保持される。水の量および温度、および抽出の
回数は相間移動触媒を実質的に除去するのに十分なもの
とする。一般に一回の抽出で十分である。本発明の一実
施態様では温度約70℃−約90℃でほぼ等量の蒸留水で
液を2回抽出している。
洗浄工程の後、液は有機無極性溶剤における目的生
成物の溶液からなる。次に目的とする生成物である式
(I)の化合物を任意の適当な手段で液から回収す
る。溶剤を蒸発させて芳香族ビス(エーテルフタルイミ
ド)化合物を乾燥した固形物として残すのが適当であ
る。本発明の方法は、反応混合物からの不純物の効率的
な除去を含む、式(I)の芳香族ビス(エーテルフタル
イミド)化合物の単純かつ効率的な製造方法を提供す
る。本質的に無水条件を保つことによって、塩基の存在
下で水と接触させた場合に生じていた付加的な着色不純
物の形成が最少となる。有機溶剤中で高温で固体−液体
分離によって不純物を除去すると、(不純物を除去する
のにこれまで使用されてきたような水または水溶液によ
って何回も抽出するのと異なり)、このような水での度
重なる除去の間に生じる生成物の損失が防止される。本
発明の方法で製造された生成物は、実質的に純粋な形態
かつ高収率で回収される。
以下の実施例は本発明の実施態様を例示するためのも
ので、本明細書で説明し請求する本発明の範囲はこれら
の実施例によって限定されるものではない。
実施例I 次式: を有するビスフェノールAの式(III)のナトリウム塩
を以下のようにして製造した。40.00%NaOH(2.0000g、
0.02000M)、ビスフェノールA(2.2831g、0.0100M)、
および10mlの蒸留H2Oの混合物を固形分が溶解するまで
加熱した。次にトルエン(25ml)を加え、混合物をかき
まぜながら還流(約110℃)で6時間加熱し、反応の間
ディーン・スターク(Dean-Stark)トラップを介して水
の共沸除去を継続した。得られたビスフェノールAの二
ナトリウム塩固形物を破砕して約110℃(還流)でさら
に2時間加熱した。次に約15mlのトルエンを(2時間の
加熱工程の後)蒸留除去した。次に次式: を有する式(II)の反応物質であるN−メチル−4−ニ
トロフタルイミド(3.7127g、0.0180M)を、上述の相間
移動触媒である臭化テトラブチルアンモニウム(0.150
g、0.00047M)とともに加えた。この混合物(フラスコ
に残存していた約10mlのトルエンを含む)を加熱して1
時間還流した。次に0.10gのNaOH乾燥粉末を10mlの乾燥
(無水)トルエンとともに加えた。15分間加熱還流した
後、混合物の0.2ml分を取出して高圧液体クロマトグラ
フィー(HPLC)で分析した。分析から、混合物が92.595
重量%の目的生成物(後述するビスフェノールAビスイ
ミド)を含有していることがわかった。混合物には、特
に下記のものを含む不純物も含有していた。
次にこの混合物を25−50μの焼結ガラスフィルター漏
斗を通して注ぐことによって「高温過」した。過工
程をすばやく完了することにより、溶液は目的とする生
成物が溶液のままでいるのに十分な高温に保たれた。フ
ィルター上に集まった固形分を約10mlのトルエンをフィ
ルタ上に注ぐことによって洗浄した。液の0.2ml分をH
PLCで分析した。分析から液が97.633重量%の目的生
成物を含有していることがわかった。混合物は下記の不
純物を下記に示す重量%で含有していた。
不純物 重量% 式(II)の反応物質 検出不能 式(III)の反応物質 0.059 モノイミド 1.415 Bu BPA 0.077 Bu BPA MI 0.619 高温過工程によって、混合物の他の未確認不純物の
レベルも低減した。
次に液を20mlのトルエンで希釈し、蒸留水で80℃で
抽出(25mlずつ2回抽出)して相間移動触媒を除去し
た。トルエン相を蒸発して乾燥したところ、約1.4重量
%のモノイミド(上記のもの)を含有する4.72gのビス
フェノールAビスイミド(式Iの化合物)が回収され
た。目的生成物の収率は、N−メチル−4−ニトロ−フ
タルイミド反応物質に基づいて96.0%であった。生成物
の式は下記の通りである。
着色不純物を含めた多数の不純物の量は、本発明の方法
の高温過工程の後、効果的に低減した。(式(II)の
反応物質の転化率に基づいた)目的生成物の収率が改善
されることも例証された。

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: の芳香族ビス(エーテルフタルイミド)を合成するにあ
    たり、式: のフタルイミドを、化学量論的に過剰なモル量の式: M−O−R2−O−M (III) のアルカリ金属ジフェノキシド塩と、触媒量の相間移動
    触媒の存在下、無水の無極性有機溶剤中にて、エーテル
    形成条件下で反応させ、次に反応混合物に、前記有機溶
    剤中において式(I)の化合物は実質的に完全に可溶で
    あるが不純物のアルカリ金属塩は実質的に不溶である温
    度で固相−液相分離を実施し、そして液相から式(I)
    の化合物を回収する工程よりなり、式中のR1が水素、1
    −約10個の炭素原子を有する低級アルキル基および約6
    −約20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基またはそ
    のクロロまたはブロモ置換芳香族炭化水素基よりなる群
    から選ばれ、R2 および一般式 (式中、Qは −S−、−O−および−CyH2y− からなる群から選ばれる一員であり、yは1−約5の整
    数である)の二価の有機基からなる群から選ばれる二価
    の有機基であり、Mがアルカリ金属イオン、そしてR3
    式(II)の出発化合物から反応のエーテル形成条件下で
    容易に置換される脱離基である、方法。
  2. 【請求項2】R1が1−約5個の炭素原子を有する低級ア
    ルキル基である特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】R1がメチル基である特許請求の範囲第2項
    記載の方法。
  4. 【請求項4】R2が式 の二価の有機基で、 式中のQが −O− および−CyH2y−(式中のyは1−約5の整数)よりな
    る群から選ばれる特許請求の範囲第1項記載の方法。
  5. 【請求項5】R2が基 である特許請求の範囲第1項記載の方法。
  6. 【請求項6】R3がニトロ基およびハロゲン原子よりなる
    群から選ばれる特許請求の範囲第1項記載の方法。
  7. 【請求項7】Mがナトリウム、カリウムおよびリチウム
    イオンよりなる群から選ばれる特許請求の範囲第1項記
    載の方法。
  8. 【請求項8】上記相間移動触媒が第四アンモニウムまた
    はホスホニウム塩である特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
  9. 【請求項9】上記触媒が二臭化ビス(トリ−n−ブチ
    ル)−1,6−ヘキシレンジアンモニウム、臭化テトラプ
    ロピルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、
    弗化テトラブチルアンモニウム、酢酸テトラブチルアン
    モニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、および臭化
    テトラフェニルホスホニウムよりなる群から選ばれる特
    許請求の範囲第8項記載の方法。
  10. 【請求項10】上記相間移動触媒が臭化テトラブチルア
    ンモニウムである特許請求の範囲第8項記載の方法。
  11. 【請求項11】触媒対式(II)のフタルイミド化合物の
    モル比が約0.01:1から約0.04:1である特許請求の範囲第
    8、9または10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】上記モル比が約0.02:1から約0.03:1であ
    る特許請求の範囲第11項記載の方法。
  13. 【請求項13】上記溶剤がテトラヒドロフラン、オクタ
    ン、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびそれらの混合
    物よりなる群から選ばれる特許請求の範囲第1項記載の
    方法。
  14. 【請求項14】上記溶剤がトルエンである特許請求の範
    囲第13項記載の方法。
  15. 【請求項15】上記エーテル形成条件が、反応混合物を
    約40℃−約150℃の温度で、不活性雰囲気中にて、実質
    的に無水条件下で加熱することを含む特許請求の範囲第
    1項記載の方法。
  16. 【請求項16】上記反応混合物を約100℃−約130℃の温
    度に加熱する特許請求の範囲第15項記載の方法。
  17. 【請求項17】上記反応混合物を加熱して還流する特許
    請求の範囲第16項記載の方法。
  18. 【請求項18】反応混合物中の式(II)の化合物の初期
    濃度が約0.1−約3.0Mの範囲である特許請求の範囲第1
    項記載の方法。
  19. 【請求項19】反応混合物中の式(III)の化合物の初
    期濃度が約0.1−約2.0Mの範囲である特許請求の範囲第1
    8項記載の方法。
  20. 【請求項20】反応混合物中の式(II)の化合物の初期
    濃度が約1.0−約2.0Mの範囲である特許請求の範囲第18
    項記載の方法。
  21. 【請求項21】反応混合物中の式(III)の化合物の初
    期濃度が約0.6−約1.2Mの範囲である特許請求の範囲第2
    0項記載の方法。
  22. 【請求項22】固相−液相分離が約80℃−約105℃の温
    度での濾過を含み、式(I)の化合物を濾液から回収す
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。
  23. 【請求項23】上記濾過の前で、前記フタルイミドと前
    記アルカリ金属ジフェノキシド塩との反応の後に、アル
    カリ金属を含有する塩基を、不純物をそのアルカリ金属
    塩に転化するのに有効な量反応混合物に加える特許請求
    の範囲第1項記載の方法。
  24. 【請求項24】上記塩基がNaOH、KOH、LiOH、Na2CO3、K
    2CO3およびLi2CO3よりなる群から選ばれる特許請求の範
    囲第23項記載の方法。
  25. 【請求項25】上記塩基を反応混合物に最終濃度が約0.
    1−約2.0%(W/V)となるように加える特許請求の範囲
    第24項記載の方法。
  26. 【請求項26】上記塩基を反応混合物に最終濃度が約0.
    2−約0.6%(W/V)となるように加える特許請求の範囲
    第25項記載の方法。
  27. 【請求項27】上記塩基の添加後に、反応混合物を約80
    ℃−約115℃に加熱する特許請求の範囲第23項記載の方
    法。
  28. 【請求項28】上記塩基がNaOHで、最終濃度が約0.5%
    となるよう添加し、そして次に反応混合物を約15分間加
    熱して還流する特許請求の範囲第27項記載の方法。
  29. 【請求項29】上記濾液を水で、上記濾液から相間移動
    触媒を除去するのに有効な条件下で抽出し、そして次に
    上記濾液から式(I)の化合物を回収する特許請求の範
    囲第22項記載の方法。
  30. 【請求項30】濾液から溶剤を蒸発させることによっ
    て、濾液から式(I)の化合物を回収する特許請求の範
    囲第22項記載の方法。
  31. 【請求項31】式: の芳香族ビス(エーテルフタルイミド)を合成するにあ
    たり、式: のフタルイミドを、化学量論的に過剰なモル量の式: M−O−R2−O−M (III) のアルカリ金属ジフェノキシド塩と、触媒量の相間移動
    触媒の存在下、無水の無極性有機溶剤中にて、エーテル
    形成条件下で反応させ、次に反応混合物に、前記有機溶
    剤中において式(I)の化合物は実質的に完全に可溶で
    あるが不純物のアルカリ金属塩は実質的に不溶である約
    80℃−約105℃の範囲の温度で固相−液相分離を実施
    し、そして液相から式(I)の化合物を回収する工程よ
    りなり、式中のR1が水素、1−約10個の炭素原子を有す
    る低級アルキル基および約6−約20個の炭素原子を有す
    る芳香族炭化水素基またはそのクロロまたはブロモ置換
    芳香族炭化水素基よりなる群から選ばれ、R2 および一般式 (式中、Qは −S−、−O−および−CyH2y− からなる群から選ばれる一員であり、yは1−約5の整
    数である)の二価の有機基からなる群から選ばれる二価
    の有機基であり、Mがアルカリ金属イオン、そしてR3
    式(II)の出発化合物から反応のエーテル形成条件下で
    容易に置換される脱離基である、方法。
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