X-31 (航空機)
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X-31は、ロックウェル社によって製作された実験機。推力偏向ノズルによるヘルプスト機動[1]を実証した。
概要
エンジン排気口の推力偏向による、戦闘機の機動能力向上を検証するため開発された。
NASA、DARPAの研究に、「アメリカ空軍・アメリカ海軍、ロックウェル社」、「ドイツ国防省、ダイムラークライスラー・エアロスペース(旧メッサーシュミット・ベルコウ・ブロームとドイツ航空宇宙センター)」が加わる国際共同開発になった。
- 機体の構造材はアルミ合金、外板の大部分にアルミ合金とグラファイト・エポキシ板を使用。
- 主翼は、内側・前縁後退角56.6°/外側・前縁後退角45°、翼厚比5.0の、ダブルデルタ翼。
- 機首に、前縁後退角45°、翼厚比は5.5の、カナード翼を装備。
- 胴体末尾のエンジン排気口に装備した、グラファイト・エポキシ/カーボン製の推力偏向ノズル3枚により排気方向を制御、ヘルプスト機動を可能にした。
- F/A-18のキャノピー部を流用するなど開発費が削減された。
- エアインテークは機体下部にある。
- 操縦系統にフライ・バイ・ワイヤを採用している。
1986年末、ロックウェル社による機体設計を承認。
1987年2月、X-31Aと命名され、2機の製作を正式契約。
1号機
- 1990年3月、完成。
- 1990年10月11日、初飛行。
- 1995年1月19日、エドワーズ空軍基地でピトー管が凍結、飛行制御にエラーが生じ墜落、機体は失われた。原因は、ピトー管凍結防止ヒーターの配線ミスとされる。パイロットは機体が制御不能に陥った時点で脱出し無事だった。
2号機
- 1991年1月19日、初飛行。
- 1993年4月29日、180°ターン、ヘルプスト機動に成功。その後、「近接支援などの実戦的な能力開発」「ヘルメット装着型の視覚/聴覚表示システム(HMVAD)」「ステルス性向上のため垂直尾翼を取り外して無尾翼機とした場合を想定したソフトウェアを組み込む」などのテストが実施された。
- 1995年6月、パリ航空ショーに参加。
- 1995年5月13日の飛行をもって、当初計画は終了した。
1995年、X-31Aのテストを終了。2機による総飛行数は524回。
その後、パタクセント・リバー海軍航空基地に保管されていたが、2000年4月よりVECTOR計画として、短距離離着陸の試験が行われることとなり、復帰のための改装・整備が行なわれた。再整備後の初飛行は2001年2月24日に行われている。2002年から2003年にかけて、上空にて模擬離着陸試験を繰り返した。試験終了後の機体はドイツ博物館に展示・保管されている。
仕様(X-31A)
諸元
- 乗員: 1 名
- 全長: 13.21 m
- 全幅: 7.26 m
- 全高: 4.75 m
- 自重: 5,176 kg
- 全備重量: 7,228 kg
- 翼面積: 21.02 m2
- エンジン: ゼネラル・エレクトリック F404-GE-400 軸流式ターボファン 推力7,258kg
- 燃料: 1,876 kg
性能
- 最大速度: マッハ1.28
- 最高高度: 12,200 m
脚注
参考文献
- 『世界の傑作機 No.67 X-プレーンズ』文林堂、1997年。ISBN 9784893190642。
- 『Xの時代―未知の領域に踏み込んだ実験機全機紹介』文林堂〈世界の傑作機スペシャル・エディションVol.3〉。 ISBN 9784893191175。
外部リンク
X-31
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アメリカがドイツなどと共同で開発し、ロックウェルが製造したパドル式推力偏向装置を備えた実験機。パドル式は3枚のパドル(板)によって推力偏向ノズルより簡便な動作でピッチ方向とヨー方向に推力を偏向することができる。
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