足りないミカン、はや高値? 増やす秘策は「木の半分を実らせない」

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長沢美津子 沼田千賀子
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 「○○離れ」と消費の減退がいわれるうちに生産がもっと減り、気づくと需要をまかなえない農作物が出てきました。ミカンもそのひとつです。昨シーズンの高騰は天候による不作の影響があるとはいえ、身近な果物をこの先どうするか。現場は模索しています。

収量はピークの6分の1

 2024年のミカンの収穫量は60万トンを割って、55万9600トン。一昨年の2割減となった。生産のピークの1970年代の6分の1以下という状況で、国は5年後の生産目標を約68万トンに置いて増産を呼びかける。

 本格的に出回るのは11月からだが、今シーズンも高値で始まっている。

 消費地からは何ができるか。消費者である組合員が、産地の農家を支えるという関係を続けてきた生協。ともに取り組む姿勢をいっそう、打ち出すところもある。

 全国21都道府県にある生活クラブ生協でつくる「生活クラブ連合会」(組合員約42万人)は8月、「ビジョンフード産地推進会議 みかん」を開いた。提携する生産者が活動する三重県御浜町に各地の農家や組合員が集まった。

 ここ10年で産地は縮小し、提携する生産者から仕入れるミカンの割合が7割弱まで落ちている。不作の昨年は、組合員から受けた注文の2割超に応じられなかった。

梅農家もミカンを…

 「これからは調達するだけで…

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この記事を書いた人
長沢美津子
くらし科学医療部|大阪駐在 食担当
専門・関心分野
食と社会、料理、生活文化