アイスランドで3匹の蚊を発見 「最後のとりで陥落」 温暖化影響か

ロンドン=藤原学思
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 北欧の島国アイスランドで今月、3匹の蚊が発見された。国営放送RUVが20日に報じた。蚊の生息に適さないとされてきたアイスランドでは初めてのことで、発見者は「最後のとりでが陥落した」と驚いている。

 RUVによると、昆虫愛好家の男性が16~18日、首都レイキャビクから北東に約20キロの地域で、3日連続で計3匹を捕獲した。自然史研究所に送ったところ、昆虫学者が蚊だと確認したという。

 アイスランド大の教授はRUVに対し、アイスランドに今後、蚊がすみつく可能性があると指摘。「3日で3匹見つかったということは、近くにそれなりの数が生息しているかもしれない」と述べた。

 蚊は世界中に生息し、卵からサナギまでの期間をたまり水で過ごす。しかし、アイスランドは屋外の水場が凍結と溶解を繰り返す変化の激しい気候のため、世界的にも珍しく蚊の繁殖が難しいとされてきた。

 近年は気候変動がアイスランドの生態系に大きな影響を与えており、今回の蚊の発見も、温暖化が背景にある可能性がある。2018年にアイスランド気象庁が発表した「気候リポート」によると、1980年以降、気温は「10年に0.47度」のペースで上昇。地球平均のほぼ3倍に達するという。

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この記事を書いた人
藤原学思
ロンドン支局長
専門・関心分野
ウクライナ情勢、英国政治、偽情報、陰謀論