「男として死ぬなら」と崖に立った 取り戻せた私、手術なし性別変更

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大滝哲彰
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 最初の「違和感」は4歳の時だった。

 いつも一緒に遊んでいた女の子と、近所の銭湯で偶然会った。その子のからだは、明らかに自分のからだと違っていた。

 「私は女の子じゃないんだ」。そう自覚した瞬間だった。母に聞くと、こう言われた。

 「神様が間違っておちんちんをつけたの。だからつけておきなさい」――。

「おとこおんな」と呼ばれ、いじめられた

 大井まりあさん(63)=札幌市=は幼少期から病弱だった。母は医者から「3歳まで生きられないかもしれない」と言われていた。元々女の子が欲しかった母は、「長く生きられないのなら女の子として育てよう」と考えた。

 本名とは別につけた「マリア」という名前で呼び、かわいらしい洋服を着させてくれた。

 遊びは、ままごとや人形遊びが中心。一緒に遊ぶのも女の子ばかりだった。

 男子用の制服を着て通い始めた幼稚園。いじめを受けるようになった。「おとこおんな」と呼ばれ、たたかれた。

 小学校に入ると、いじめはエスカレートした。

 ハエの死骸を入れた給食のス…

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