骨折で搬送は「緊急性なし」? 救急車の費用徴収めぐって疑問の声も
原田悠自
救急車で大病院に運ばれた際に、緊急性が認められなければ、お金を徴収される――。そんな仕組みが導入された茨城県で、「救急車を呼んで骨折と診断されたのに、費用を徴収された」などと困惑するケースが起きている。識者からは「水面下では呼ぶのを控えることも起きているのでは」との指摘も出ている。
茨城県つくば市の60代男性は7月28日の夜、JR品川駅(東京都港区)の構内で足がもつれて転び、左肩を強打した。電車には乗れたが、翌日未明に自宅の最寄り駅に着いたころに激痛を伴うようになった。
駅のベンチに座って様子を見ていたが、痛みはひどくなり上半身も起こせない状態に。周囲に駅員らもいなかったため119番通報して、救急隊に担架に乗せられ、病院に搬送された。
搬送先では左肩の骨折と診断された。その後の状態によっては手術の必要があるとも説明を受けたが、結局、手術には至らず、医師から「選定療養費を徴収する」と言われ、診察料などに加えて7700円を支払ったという。
都道府県単位では初めて導入、搬送件数に変化は
茨城県は昨年12月、救急車…
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