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成長戦略

更新日:2024/10/1

全社業績の実績と事業環境の認識

全社業績の実績

2023年度は、合併による事業の効率化やシナジーの加速、今後の持続的な利益成長を促進するため、2023年10月1日に、Zホールディングス(株)ならびに中核子会社のLINE(株)とヤフー(株)との合併を含むグループ内再編を行い、LINEヤフー(株)が誕生しました。

グループ経営体制は、意思決定のさらなる迅速化を図るため、Co-CEO体制から単独CEO体制に移行し、権限移譲による迅速なサービス開発を進めるため、事業領域ごとのカンパニー制度を導入しました。

また、選択と集中によって重複機能やサービスを統廃合し、販促費や業務委託費を中心としたコストコントロールを実行してきました。

さらに、収益率の高いメディア・検索の再強化や「LINE」と「PayPay」のユーザー・サービス基盤を最大限活用するため、アカウント連携や「LYPプレミアム」などの施策に加え、2024年度以降の成長を見据えた基盤作りも進めてきました。

その結果、2023年度の売上収益は前年度比8.5%増の1兆8,146億円、調整後EBITDAは前年度比24.7%増の4,149億円となりました。

売上収益
売上収益のグラフ
調整後EBITDA
調整後EBITDAのグラフ

※:調整後EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費±EBITDA調整項目。 EBITDA調整項目: 営業収益・費用の内、非経常かつ非現金の取引損益 (固定資産除却損、減損損失、株式報酬費用、企業結合に伴う再測定益、その他現金の流出が未確定な取引 (一時的な引当金等) 等)。また、一部ファンドの保有株式の売却損益。2022年度より定義を変更。減価償却費及び償却費に一部の賃借料を、 EBITDA調整項目に一部ファンドの保有株式の売却損益を追加

事業環境の認識

当社グループを取り巻く事業環境は、大きく変化しています。2022年度後半からは経済環境の悪化に伴う広告市場の低迷が始まりましたが、2023年度の下期から広告市況は緩やかに回復してきました。加えて、主要事業であるメディア事業が属する国内インターネット広告市場は、生成AIなどの技術革新による強力な新サービスの登場や、ユーザーニーズの多様化に伴う新たな広告フォーマットの急成長など外部環境の目覚ましい変化が続いており、その中で当社グループの国内広告市場におけるシェア、検索クエリシェアの悪化など、競争力の相対的な低下が続いています。

また、2013年の「eコマース革命」以来、成長を続けてきたコマース事業も、新型コロナウイルス感染症拡大等の環境変化はあったとはいえ、当社グループの国内eコマース市場におけるシェアおよび物販取扱高の成長率の伸びはいずれも鈍化し、従来型の積極的な販促の実施に支えられた成長の限界に直面していました。しかしながら、2022年度下期からプロダクトの強化とコスト最適化を両立させる方針に転換し、物販取扱高の成長率は改善しています。

成長戦略

当社グループは、収益性の高い検索・メディアの再強化を軸に、グループ横断有料会員プログラム「LYPプレミアム」の導入や「LINE」リニューアル、「Yahoo! JAPAN」アプリリニューアルでサービスの起点を強化し、統合コマース検索やアカウント連携、データ活用、クロスユースの促進などに順次取組み、各アセットの有するユーザー基盤の活用とそれに伴うサービス連携の強化を図ることで、中長期的な成長を目指します。

成長戦略の図

2024年度の重点施策

2023年度は、NAVER Cloud社および当社の委託先企業PCのマルウェア感染等を契機とし、当社のシステムへ第三者による不正アクセスが複数発生しました。これにより、ユーザー・取引先等・従業員等に関する情報が漏えいしたことから、2024年度は、セキュリティ対策を最優先課題として取組み、ガバナンスの強化に加え、経営体制を変更し、サービス・事業成長にも取り組んでいきます。

セキュリティ対策は、従業員向けシステム等における安全管理措置や委託先管理の抜本的な見直しを行います。また、NAVER社との従業員向けシステム・認証基盤の分離等、当社単体の対策は2024年度に完了予定です。子会社のセキュリティ対策は2024年度以降に完了見込みですが、スケジュールの前倒しにも取り組んでいきます。また、従業員向けシステム・ネットワークの運用等にとどまらず、サービス・事業領域においてもNAVER社との委託関係も終了します。さらに、セキュリティ対策に向けた新組織を設置し、セキュリティガバナンス体制も強化します。

プロダクト強化では、「LYPプレミアム」によるグループアセットのクロスユースの促進や、「LINE」リニューアル、「Yahoo! JAPAN」アプリリニューアルにより、各サービスの起点を強化し、検索や広告、コマース、PayPayなどの主要事業の成長に繋げていきます。また、生成AIのサービス実装を進め、各サービスの成長を促進します。

これらの取り組みにより、2024年度の売上収益は、前年度比約7%増収の約1.93兆円、調整後EBITDAは同約3.6%から6.0%増益となる4,300億円から4,400億円のレンジ内での着地を見込んでいます。

2024年度以降の再成長の図

財務戦略

  • ネットレバレッジ・レシオ※1
    (金融業※2を除く)

    3倍以下を維持

  • 格付の維持

    JCR:AA-
    R&I:A+

  • 調整後EPS

    2025年度に
    20円超

技術革新により日進月歩するインターネット業界に属する当社グループの経営では、機動的な財務戦略は中長期での安定成長の要です。当社グループは適切な資本配分の下、財務健全性と資本効率性の両方を意識し、継続的な成長と企業価値最大化を目指します。

当社グループは、メディア事業を中心に創出される事業利益を基本原資として、先行投資や設備投資、資本業務提携などの成長に向けた施策を積極的に実行すると共に、企業価値向上に向けた株主還元施策を実施するため、キャピタル・アロケーション方針※3(2023年度から2025年度までの累計)を定めています。キャッシュ・イン・フローは、営業キャッシュ・フローが9,550億円、合併効果・資金調達が2,000億円で、合計約1.1兆円を見込みます。得られたキャッシュは、ベース株主還元・ベース投資に6,400億円充当する他、自己株式取得やM&A等を主な使途とする付加的投資および資本政策バッファとして、5,150億円を確保する計画です。なお、当社は東京証券取引所プライム市場の上場維持基準の適合および株主還元を目的として、約1,500億円の自己株式の取得を実施し、発行済株式総数の約6.4%の自己株式を消却※4しました。

大規模な買収・合併(M&A)を行う場合は社債および銀行融資の活用を検討しますが、「ネットレバレッジ・レシオ(金融業※2を除く)3倍以下を維持」という財務規律のもと、適切な財務健全性を維持しながら資金調達を行います。

また、中長期での企業価値向上には株主還元も重要であることから、成長投資とのバランスに配慮しながら、今後もキャピタル・アロケーションの範囲内で、配当に加えて、自己株式取得等の直接的な施策も含めた株主還元施策を、積極的に検討、実施していきます。

資本効率性については、自己資本利益率(ROE)等をLINE(株)との経営統合前の水準に回復させ、さらにはそれを上回ることが、当社の財務戦略上の重要な課題と考えています。資本効率性の改善に当たっては、分子である当期利益の成長を基本としており、2024年度は規律あるコスト投下と事業・サービスの成長により、前年度比約3.6%から6.0%増益となる調整後EBITDA4,300億円から4,400億円を計画しています。また、2023年度の一時益※5を除いた実力値で見た場合、2024年度の調整後EBITDAは、前年度比約6.0%から8.5%の増益となる見込みです。調整後EPSは、自己株式取得による改善効果や調整後EBITDAの成長に加え、2025年度までに持分法適用関連会社の収益性改善を進めることで持分法による投資損失を解消し、2025年度に20円超を目指します。

  1. ※1:ネットレバレッジ・レシオ=純有利子負債 ÷ 調整後EBITDA (直近12ヵ月間の数値を使用)。純有利子負債=有利子負債 - 現金及び現金同等物
  2. ※2:金融業には、PayPay(株)、PayPayカード(株)のほか、PayPay銀行(株)などのZフィナンシャル(株)傘下の金融子会社、LINE Financial Plus Corporation傘下の金融子会社も含む
  3. ※3:2024年5月8日時点
  4. ※4:2024年8月決定。2024年9月30日に消却
  5. ※5:アスクル(株)受取損害賠償金94億円