首都圏と近畿圏にある一部の私立女子中学校・高校で、戸籍上は男性でも女性だと自認するトランスジェンダーの生徒の受け入れが検討されていることが10日、明らかになった。性の多様性の尊重は社会的な潮流となっており、男女別学の枠組みにも変化を迫る。アンケートからは、新たな理念との対峙(たいじ)を余儀なくされた学校現場の葛藤が浮かび上がった。 「認める方向で支障がないかどうか協議を始めている」。こう回答した奈良文化高校(奈良)は、令和8年度入学者の入試に向けて検討しているという。アンケート実施後の電話取材に、担当教員は「普通科だけでなく、衛生看護科も設置しているため、更衣スペースの確保など施設面の課題がある」と説明した。 現在はスカートだけの制服にズボンも認める方向で、生徒を含めた委員会も立ち上げた。「身体的には女性でも性自認は男性という生徒を想定し、配慮できる環境にしたいというのも目的の一つ」(担当