パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエルを急襲した大規模攻撃からこの10月で2年を迎えた。双方はトランプ米政権が提案する停戦を受け入れ、それぞれ拘束するイスラエル人の人質(生存者)とパレスチナ人を10月13日に解放した。イスラエルはこの2年間、執拗なまでにガザ攻撃を続けてきた。ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を経験した民族がなぜ、ここまで苛烈な戦闘を継続したのだろうか。現地で特派員や研究者として活動してきた毎日新聞専門編集委員の大治朋子(おおじ・ともこ)さんに、その疑問を解いてもらった。そこには、イスラエル社会に底流する独特の世界観があるという。(取材・構成:高田昌幸/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) ――イスラエルとハマスが停戦を受け入れ、人質も解放されたとはいえ、ガザはもう壊すものがないほど破壊し尽くされました。この間、国際的に強く非難されても、