越前敏弥のレビュー一覧
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ネタバレダ・ヴィンチ・コードの下巻。
ついに真の黒幕”導師”の正体と”聖杯”の真実がわかる解決編。
一気に押し寄せる真相と感動と衝撃で読む手が止まりませんでした。歴史(ついていくのが大変だったが)に詳しくなったような感覚もあり、とても勉強になりました。ミステリーとしては伏線の回収とどんでん返しが衝撃でした。犯人の正体も意外でとても驚かされ、そして暗号の謎は逆転に次ぐ逆転で、最後の余韻と謎を残すところがロマンを感じられました。登場人物たちが全員、人間臭くて最高に好きになりました。生きている人だけでも、ほかの作品で登場してほしいなぁと思いました。
ほかの作品も出版されているようなのでそちらも読んでいきたい -
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ネタバレダン・ブラウン先生のレオナルドダヴィンチの作品と”聖杯”を巡り、謎を追う物語。上巻ながらも物語の導入とこれからのわくわくさせてくれる展開で中巻以降がとても楽しみになりました。序盤から美術や歴史の知識が多く出てきて、とても勉強になり、しかもすべて作者の取材に基づいた情報で構成されていてリアル感もあって面白かったです。中巻以降も読んでいきたいです。
この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
ロバート・ラングトン:諏訪部順一
ソフィー・ヌヴー:佐倉綾音
ジャック・ソニエール:大塚芳忠
マヌエル・アリンガローサ:大塚明夫
シラス:津 -
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ネタバレアメリカの作家、マイクル・コリータの十年ぶりの新刊。過去作は早川書房から探偵ものが一冊、東京創元社からサスペンス一冊、ホラーが2冊。特に東京創元社の「夜を希う」が好きで、楽しみにしていた作品。
父親を殺し服役していたイズレル・パイクは、仮釈放を機に故郷の島へと戻る。当然歓迎されるわけがなく、特に保安官補の叔父スターリングとの軋轢は酷い。一方、父親から虐待を受けるライマン・ランキンは、隠れ家にしている空き家で斧を持った女性と出会い…
個人的には今年の新作の中でも上位。主要キャラのイズレル、ライマンの過酷な人生は読んでいて辛いものがあるが、だからこそラストの余韻が非常に良い。
主要キャラへのス -
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マイクル・コリータ『穢れなき者へ』新潮文庫。
初読み作家のハードなミステリー・サスペンス小説である。
なかなか読ませてくれるではないか。何よりも、あってもおかしくはない、べたべたとした男女の恋愛関係など一切排除し、島を蝕む悪の正体に向かい物語が突き進んでいく所が良い。
メイン州のサルヴェーション・ポイント島の沖で、対立する上院議員候補2人を含む7人の惨殺体がヨット上で発見され、第一発見者のイズレル・パイクがイズレルの父親の弟で保安官補のスターリングにより殺人の第一容疑者とみなされる。
イズレルは10年前に実の父親を殺した罪で収監されていたのだが、州警察の女性警部補ジェン・サラザールに -
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ファーブル昆虫記は子供向けのを読んだことがあったが、何故かシートン動物記は未読。完全に忘れていたのだが、偶然見かけて手に取ってみた。
結果、大当たり。解説にある様に子供向けの、人と動物のふれあい等という話では無く、徹底したリアリズムに基づくドキュメンタリーと言うべき内容。翻訳も更にその魅力を高めているし、シートン自筆の挿絵がまた美しい。
思うに、シートンは動物をひたすら観察し続け、共に生き続けて来たのだろう。だからこそ、実際には見ていないはずの光景すらもまるでその場にいたかのように、動物の心理すらも描き出すことが出来たのだと思う。動物をただ可愛い可愛いでは無く、人間と同じ存在として冷静に捉 -
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読みはじめから面白くて、最後まで興味は尽きませんでした。本書には短編8作がおさめられ、原文に忠実に訳されており、大人向けです。シートンが描いた挿絵も入っています。
野生動物の生態が面白いだけでなく、人間と動物の知恵比べにも夢中になり、いつも動物の方を応援してしまう自分がいました。
語られるエピソードのひとつひとつが、深く記憶に残るものでした。
・愛する妻が殺されたのを知らずに、探しまわる夫のオオカミの姿
・死んだふりをすることで敵をおびき寄せる、母ぎつねの賢さ
・人間に捕獲されてしまった子ギツネに対する母ギツネの行動には、ドキッとさせられました。“これが野生動物の真の姿なんだ。こんな愛情 -
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この本は確かアガサクリスティの文庫を読んだときに巻末に載っていて面白そうだと思ったので読んでみた。他のアンソロで「後ろを見るな」だけは読んだことがあったけど(もちろんそのアンソロでも一番最後に収録されていました)他の短編も総じてクオリティが高く面白い!
一見どういう意味…?という短編もありますが、じっくり考えてみると意味が分かって後からじわじわと怖さが来る作風が特に好みでした。
以下お気に入り作品。
「叫べ、沈黙よ」
駅で電車を待つ男。そばに座っている男はどうやら耳が聞こえないらしい。駅員が語るその男の罪とは。
これ最初どういう意味?と思って何回か読み返してるうちに理解して、ぞっとした。真相 -
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ハワード・ヴァン・ホーンは夢遊病に悩まされていた。その日も見ず知らずの安宿で目覚める。シャツには血がついている。死ぬことも考えたハワードだが、この街に住む旧友エラリー・クイーンを訪ねた。
エラリー・クイーンは推理小説作家で、NY市警警視の父の捜査協力して素人探偵としても名を挙げていた。二人は10年ぶりの再会だった。
エラリー・クイーンはハワードから相談を受ける。夢遊病の時になにかしているのではないか?
ハワードの邸宅はライツヴィルにある。父親は富豪で「父」たる器量を持ったディードリッチ、父の弟で陰険なウルファート、二人の母親で時間の止まったような老婦人クリスティーナ、そしてディードリッチの若妻 -
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こういう偶然に思える出来事が一連の殺人計画の一部だったというのは面白くないわけがない。マザーグースの歌詞の通りに人が死き、それが果たして偶然なのか何者かの意志によるものなのかについてエラリーも確固たる証拠をなかなか示せなかった。これが館や孤島ではなく、町という比較的広い範囲での出来事だからこそ、デイキン署長も偶然としか思っていなかった。作品を通してエラリーは事件の中に散らばる点を点線で繋いでいたが、それが終盤になって実線で繋がったときはたまらなくワクワクした。十日間の不思議と九尾の猫はそこまで好きではないが、災厄の町、フォックス家の殺人、ダブル・ダブルはライツヴィルシリーズでかなり好きである。
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ネタバレいや、面白かった。名作と呼ばれるものは食わず嫌いぜすに読んでみるべきだなと思った。
サンティアーゴが魚を見つけることができるのか、仕留めることができるのか、無事に帰ることができるのか、はらはらしながら読み進めた。
途中の自分への問いかけが哲学的でとても考えさせられた。
特に、印象に残っているのは魚を仕留めた終盤の内省である。
“だが老人は、自分のかかわるあらゆることを考える性分で、いまは読むものもラジオもないので、あれこれと思いをめぐらし、罪について考えつづけた。あの魚を殺したのは、自分が生き長らえるためと食い物として売るためだけだったのではない、と思った。殺したのは自尊心のためであり