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『メンタル・タフネス』前半のまとめ | シゴタノ!
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『メンタル・タフネス』前半のまとめ

カテゴリー: Journal

気づけば、今週はひたすら『メンタル・タフネス』のことしか書いていませんが、せっかくなのでこの4日間に書いたことを簡単に振り返ってみます。

実践を通して初めて見えてくるもの

実践した人だけが到達することができる「目に見えない」IPS(Ideal Performance State;理想的な心理状態)を目指すこと。そういえば、「仕事を楽しくするためのコツ」にも同じようなところがある、ということで、

「仕事を楽しくするためのコツ」というのもIPSのように目に見えないものであって、人の数だけ表現方法と実践方法があるはずで、単一の方法論に統合する方向性とは相容れないのではないか

と書きました。実はも同じようなことを書いていました。

そう考えると世の中にあふれる「こうすれば仕事はうまくいく」の類のほとんどには疑問符がつけられる可能性があります。いずれも「こうすれば」の拠り所は直感でしかないからです。つまり、客観データで注意深く構築された自然科学の数式では仕事術を割り切ることができないのです。

繰り返し登場するアイデアは、無意識に自覚している答え、あるいは原則なのだと感じます。

安定はゴールではない

生きるということは浮き沈みがあるということ、そして「フラットな線は死を意味する」、つまり完全なストレスフリーの状態は究極の理想ということになります。

アルコールに頼る前に…

以下4つのうち「当たり」は1つだけ。

 1.オーバートレーニング(過剰ストレス)
 2.タフネストレーニング(順応性ストレス)
 3.メンテナンストレーニング(維持ストレス)
 4.アンダートレーニング(不足ストレス)

間違えると、前に進めません。それどころか後退してしまうことも。

神経を使う仕事をした後には身体を動かしてバランスを取るべきところをお酒や食べ物といった安易な方法に逃げてしまう自分を振り返るにつけ、結局それが新たなストレスの原因になっていることを思い知らされます。

見分けるポイントは、「痛み」「楽しさ」

仕事に「ウェーブ」を取り入れる

ストレスと回復が織りなすウェーブに上手に乗ることで仕事を楽しく、しかもミスも少なくこなすことができます。自分の限界に挑戦するにしても、回復の見込めないダメージを受けるのは避けたいものです。

ストレスを感じたときに、自分をいかに素早く回復サイドに振り戻すことができるか、その巧拙がカギになりそうです。そして、このウェーブにうまく乗っている状態こそがIPSと言えるでしょう。

ふと周りを見回してみると、おもしろい本やドラマや映画は例外なくウェーブをうまく活用していることに気づきます。例えば「24 -TWENTY FOUR-」や「ダ・ヴィンチ・コード」。

「24 -TWENTY FOUR-」続・自分で立てたスケジュールを守るコツ

物語がせっかく良い方向に向かい始めたと思ったのに、キーとなる人物が殺されてしまったり、せっかく伝えたメッセージを相手が聞いてなかったり、といった予想を裏切られる展開の連続。

(中略)

まぁ、これはこれで楽しいのですが、予想を裏切られてばかりだとだんだんストレスが溜まってきます。「24」の巧いところは、時には予想通りの展開を見せて、観ている人を安心させるところだと思います。適度にガス抜きをして、また裏切る。アメとムチ(?)の使い方が実に巧妙です。

まさにアメとムチが回復とストレスです。

「ダ・ヴィンチ・コード」あえて追われる身に扮する

舞台となる空間が限定されていなかったとしても、「今夜中に」という時間枠が設定されていることにより、登場人物たちは先送りが許されないタフなミッションを負うことになります。

こういったギリギリの状況は、読んでいる側、あるいは観ている側に疑似体験をさせます。似たような実体験があれば、その時のことが思い出されて、自分が体験している時に近い反応をするのではないでしょうか。

つまり、締め切りに負われて仕事をしている時の心境と、映画の中で追い詰められていく主人公を見ている時の心境は似ている、もしくは同じなのではないか、ということです。

そして、こういったピンチを乗り越えた後にやってくる圧倒的な解放感や得も言われぬ安心感の心地よさがクセになり、「もっとピンチを体験したい」という欲求を喚起している可能性があります。

もちろん、映画や小説は放っておいても無事に終わりを迎えますから、スリルとしては限定的と言えます。でも、仕事は自分が終わらせない限りはいつまでもサスペンドされ続けるわけですから、事実上そのスリルには際限がありません。

とはいえ、人間には限界があります。適度なスリルなら行動を駆り立てる起爆剤になりえますが、度を超えると二度と立ち上がれないような深いダメージを負いかねません。

そこで、「徹夜」というハコを用意することで「朝が来れば事態は収拾するはず」という暗黙の“免罪符”を発行するわけです。

一言で言えば、オーバートレーニングにならない程度のギリギリのタフネストレーニングを志向する、ということになります。ちなみに、つまらないと感じられる映画というのは、アンダートレーニングの極みと言えるでしょう。

ところで、習慣が長続きしないのもオーバートレーニングアンダートレーニングの考え方で説明できます。例えば、ブログが続かないとしたら、ブログを書く行為が今の自分にとってオーバートレーニングの状態、すなわち耐久可能な限界を超えた負荷がかかっている場合か、ちょっとしたことでブログを書くのをサボってしまい、そのまま復活できずにアンダートレーニングの状態、すなわち負荷から離れてしまっている場合のいずれか、と言えます。

ブログを書くことがタフネストレーニングあるいはメンテナンストレーニングのレベルにセットできていれば、そこにウェーブが生まれ、文字通り継続のための波動が生まれます。ボートをこいだり、シーソーを動かしたりするときのような書く(負荷)と休む(回復)のリズムに乗ることができるわけです。

これまでにシゴタノ!で取り上げてきた本を振り返ってみると、『パフォーマンス・マネジメント』「いかに習慣を構築し、これを継続するか」に力点が置かれていたとすれば、『ロボット心理学』「習慣化に潜むワナ」を指摘し、そして『メンタル・タフネス』が、この2冊がカバーしていなかった「習慣以前の行動や感情のコントロール方法」に切り込んでいる、と整理することができます。

習慣のように顕在化していない、水面下に沈むIPSという“うねり”を、行動を後押しするウェーブに変えることによって、放っておくと“直線”に収束していきそうになる人間の感情と行動に力強いビートを与えてくれます。

ここまでの内容は、『メンタル・タフネス』の前半、以下のCHAPTER 1~4の内容に基づいています。

 CHAPTER 1:ジミー・コナーズの秘密
 CHAPTER 2:どうしたらタフになれるのか
 CHAPTER 3:ストレスを活かすトレーニング
 CHAPTER 4:回復のためのトレーニング

残りの後半の構成は以下の通り。

 CHAPTER 5:過酷な状況から生還する
 CHAPTER 6:タフネスと化学物質
 CHAPTER 7:感情的なタフネス
 CHAPTER 8:メンタル・タフネス
 CHAPTER 9:タフネス・トレーニングに終わりはない

週末、続きを読むのが楽しみです。

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