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いつ、どれぐらい休めばいいのか

By: momentcaptured1CC BY 2.0


大橋悦夫前回の「ブログを読み返すことの効用」でご紹介した、某ヘアサロンで修行中のK君(24)ですが、彼にまつわる、思わず感心させられたエピソードがもう1つありました。

「シャンプーするときは、最初は多めに使ってワックスを落とすつもりで洗い流して、2回目は少量で地肌をマッサージするように洗うとイイッすよ。2度洗いっすね。」
「2回もですかー」
「そーっす。そうしないとちゃんと落ちないんでー。で、シャンプーし終えたら、このトリートメントです。シャンプーが髪の生え際とか地肌を洗うんですけど、トリートメントはそういう根元じゃなくて髪の毛の先の方につけてあげるもんなんすよ。染みこませる感じっすね。そんでしばらく時間置いてください」
「何分くらいですか?」
「そーっすねー、5分くらいは置いて欲しいっすね」
「5分も!?」
「自分の場合は、最初に髪の毛シャンプーして、トリートメントした後は、そのまま体を洗ったり洗顔したりするんで、それで5分くらいたちますよねー」
「あー、なるほどー」

しゃべり方こそ若者口調なK君ですが、実践に裏打ちされたシャンプー術は非常にわかりやすく、納得度の高いものでした。

実際に髪の毛のカットをしてもらうのはそのヘアサロンの店長であるOさんなのですが、K君の現在の目標はこのO店長。僕自身もOさんのカットの技術はもちろん、こちらの要望に対する柔軟な対応や適切なアドバイスには信頼を置いており、かれこれ2年半くらいずっとOさんです。

まぁ、それはともかく、エピソードその2というのはお店がクローズした後の話。K君のような修行中の人たちにとって、閉店後から終電までの数時間が自分のカットの腕を磨くための限られた貴重な時間。

とは言え、朝は9時前にはお店に出ないといけないことから毎日終電までやっていたら体がもちません。しかも、休みは月に6日しかないため、自分でケジメをつけて“稼働時間”をコントロールしなければ、早晩燃え尽きてしまいます。

そのあたりのことについてK君に尋ねてみたところ、たいていは終電ギリギリまで店でハサミを握っているものの、週に何回かは早く上がって飲みに行ったり買い物をしたりして息抜きをしているとのこと。

このような状況では、週に何回終電までがんばればいいのか、早く上がる頻度はどれぐらいが適切なのか、という頻度のチューニングのよしあしが“修行”の成果を左右するでしょう。

毎日休まず終電までがんばっている人と、K君のように適当に息抜きを挟みながら続ける人とでは、結果にどういう違いが出るか、についてまでは聞きませんでしたが、想像するに、もし自分がやるとしたら絶対に後者の「適当に息抜きを挟みながら」という方を選ぶと思います。

これは『メンタル・タフネス』で言うところの、ストレスと回復のウェーブの実践例と言えます。

ゴールへの道のりがたとえ一直線に描けたとしても、人間は直線的にゴールに向かうのではなく、直線を中心に少しずつ左右に振れながら進んでいくのではないでしょうか。ちょうどバイクが急勾配を登坂する時に似ています。まっすぐに登坂するのではなく、蛇行しながら登る方が少ない負荷で登り切ることができます。

問題は、どれくらい“蛇行”すればいいのか、という「さじ加減」ではないでしょうか。

『メンタル・タフネス』の後半5章には、具体的にどのようにすれば自分にとって適切な「さじ加減」が得られるかについて解説されています。こちらについてはまた次回に。

» メンタル・タフネス―勝ち抜く「精神力」を手に入れる