魔導の光は闇を照らして影を生む

主人公に依頼された仕事。スパイ行為の疑い。最初から最後まで目が話せませんでした。

ご都合主義となりがちな異世界ファンタジーのミステリー。
しかし、この作品は違った。

魔法でズルをしないところ、好感度大です。

ところで、私なら「魔導サイボーグ大戦」とか「巨大魔導ロボを撃破せよ」みたいな話を作っちゃうんですが……あ、それはもうミステリーじゃねえですねｗｗ

失礼しました。

上手いなー

素直に思いました。読ませる文章です。登場人物の些細な仕草を、それとなく描写するセンス、格好良いです。
また、主人公が渋い。目に浮かぶようです。読んでいて、目の前で実際に動いているような、気分にさせられてしまいます。

今回は、「零下とみんなが決めるミステリー賞」参加作品として、読ませて頂いています。
出会えてよかったです。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（208文字）

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（261文字）

　ファンタジーは世界観的になんでもありになってしまい、実はこんな力が！　みたいな後出しがし放題のため、ミステリーは作りにくいという印象ですが、こちらの作品はそういう事をせず、伏線とヒントが随所にちりばめられ、回収されて結論に至るという納得の流れ。
　魔力というものを、あくまでエネルギーの一つとして使っている感じでしょうか。

　それぞれのエピソードが映画のワンシーンを想起させて、渋くてかっこいいというのも、この作品のお勧めポイントの一つです。

　剣の時代が終わり、銃にむかう時代。新たな兵器の存在は国家間のバランスを大きく崩し、戦争の影で暗躍する工作員の存在。
　戦争はたくさんの命を奪い、友…続きを読む