概要
8世紀の中国、唐。
宝石商の妻、白 霞(ハク カ)は、暴力をふるう、支配欲の強い夫のもとから、実家の茶肆(喫茶店)に逃げ帰る。
実母は冷たく、条件の悪い見合いをさせようとする。
「我慢しなさい。もう若くないんだから。自分の価値を知りなさい。」
女は、一度結婚に失敗したら、もう幸せを望んではいけないの───?
もがく霞は、やがて、日本からの遣唐使、應 俰(オウ クヮ)と出会い、綺羅綺羅しい美貌の年下男と、きらめく恋に落ちる。
【この作品で、カクヨムコン10、中間選考通過しました。応援ありがとうございます。】
※この物語は架空です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!私、まだ幸せになれるかな?
とても読みやすい作品です
主人公は、30歳にして離婚を経験してしまった1人の女性。
年齢という、どうしようも出来ないコンプレックスを抱えながら、前を歩こうとする物語です。
一章までを読み終えたので、レビューを残していきます。
作品の魅力は、共感性の高い主人公にあるんだと思います。
彼女の考え方や悩みは、誰もが理解できるものです。
そんな彼女の苦悩を読んでいくうちに。
私は、彼女を応援する1人のファンになっていました。
『 唐 』という世界観。
この世界には、触れてこなかった人は全く知らない用語や社会通念がいつくもあります。
私もこういった作品は本作が初めてで。
最初は多少の読みづらさ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!唐を舞台に描かれる、色鮮やかな恋物語
8世紀の中国、唐を舞台に描かれる、遣唐使と唐女の恋の物語です。
宝石商の妻・白 霞(ハク カ)が、夫から暴力を振るわれて離縁するエピソードから始まるこの物語。望まない見合いを迫られたり、元夫から復縁を迫られたりと、白 霞の周囲には問題が無くなりません。
そんな中で出逢う、遣唐使の大川さま。彼との出逢いが、彼女に新たな人生の舵を切らせていくのです。
この大川様が、それはもう超絶美貌で眼福このうえなし! 優しいうえに武術にも長け、発する声も耳に心地良く。更には無邪気な可愛さも持ち合わせています。
その年上ヒロインたる白 霞は、青い瞳を持つたおやかな美女。博識であり、お客様相手もうまく、聞…続きを読む - ★★★ Excellent!!!8世紀の中国、唐の文化に触れながら楽しむ大人の恋愛譚
結婚に破れ実家の茶店に戻った白霞。彼女は癇癪もちの母と女たらしの元夫に苦しみながらも、年下の遣唐使・應俰との出会いに希望を見出す。離婚を経て自由を得た彼女は、男装して気晴らしをしたり、友情や異国の知識を通じて自立への道を模索。長安の街で人々と交流を深めるうち、新たな人生に踏みだす。
不幸な白霞が遣唐使の應俰に出会い、彼と心を通わせていく過程にすごくドキドキしました☆
主人公は辛い離婚を経験した大人の女性なので、恋愛模様も大人っぽい話が多くて、わたし好み♪
それに、作者様は唐の時代の中国や日本の知識が豊富!
あの時代、あの地域の文化交錯をここまで濃く描いた作品は、今まで読んだことないかも!…続きを読む - ★★★ Excellent!!!一度結婚に辛い過去を持ち、それでも前を向いていく
第4章までのレビューですが、本作の魅力は人間模様の緻密さにあると思います。
結婚に辛い過去を持つヒロイン、白霞さんが出会ったのは、遣唐使としてやってきた大川さん。ですが、訳あって白霞さんは男装し、兄としてふるまいます。
大川さんも大川さんで女性に対し思うところがあるようで、男である(と勘違いしている)白霞さんには少しずつ心を開いていく様などが鮮明で、見ていてドキドキハラハラもあり、大川さんや白霞さんの人間的な魅力にもどんどん引き込まれていきます。
また彼らだけではなく周りの人間模様や背景などもしっかりと描きこまれていて、どんどん世界に入っていけると思います。
おすすめの作品です。 - ★★★ Excellent!!!運命に翻弄された女性は、遣唐使と出会って愛を知る。
時は八世紀
舞台は中国の唐
織りなす物語は、海を越えた壮大なラブストーリーときたもんだ。(講談師風)
そこで驚いたね~
ヒロインの強いことよ。
運命の仕打ちに涙を流しても、凜と前を向く姿は健気だ。
女性の強さと悲しさを描かせたら、この作者には適わない。
パン、パン、パパン (張り扇で机を叩く音)
また、ヒーローがいい味を出しているから驚いた。
そうよ。遣唐使よ。海を渡ったイケメン男は、命がけで恋をする。
過去とは、二人が出会うために用意された試練! パンパン
物語に引き込む描写力に狂いなし! パパン
読んで後悔なしの恋愛小説、
褒め始めるときりが無い、これにて語り終わりでございます。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!何歳になっても恋ははじめていいし、幸せだって掴みたい!
舞台は8世紀の中国。唐の時代です。
宝石商人に嫁いだ白 霞(ハク カ)は、支配欲が強くて暴力を振るう夫と離縁して、茶肆の実家へと逃げ帰ります。
霞は三十代のいわゆるおばさん。
元夫との間に子がなく、それだけで嫁ぎ先でも実家に帰っても肩身の狭い思いをしています。
冒頭から読み進めていると、霞の境遇がとても身につまされます。
どうして若くないと駄目なのだろう。
どうして結婚していないと駄目なのだろう。
どうして子を産んでいないと駄目なのだろう。
夫に従順で、子を産んで育てることが、どうして女の幸せなのだろう、と。
現代社会でもよくあります。
それが幸せで人生の終着点、そこから外れた道…続きを読む