概要
彼は、自身が海へ沈みゆく中不思議な声を耳にし、そしてその記憶を後世へと引き継いでいく。
その記憶を持って生まれた世界は、滅亡と再生を繰り返した果ての世界……現代の日本によく似た世界だった。
◇
その世界で「僕」こと【伊月 晃】は、前世の記憶が一切ない、ごく普通な中学生として生活をしていた。……が、時折ひっかかる記憶と、目の前に現れた同年代と思われる不思議な少年との出会い等によって、少しずつ自分の前世に関心を持つようになる。
不思議な少年の「神様はいる」と言う言葉と、「前世」という単語。
……彼らは一体、何者なのでしょう。
記憶と神の存在をめぐる、平安時代な転生×歴史ファンタジー、ここに開幕します。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!第零話から感動🥹 歴史が苦手でも大丈夫👍✨
まずはぜひ、第零話にある声劇動画をご覧ください…!
……私は思わず涙してしまいました。気づけば物語の世界へと、一気に引き込まれていました。
ストーリーが進むにつれ、
「誰が誰の記憶を宿しているのか?」
というミステリーが丁寧に編み込まれ、源平に生きた人たちの想いや因縁が、少しずつ明らかになっていきます。
歴史好きとしては、この深みとロマンが本当にたまりません。
そして何より、作者さまが史料を丹念に読み込んでいることが随所から伝わり、学びながら読める作品でもあります🫡✨
さらに素敵なのは、
歴史に詳しくない方でも自然と平安時代の景色や空気、人々の想いを感じられること。
物語としての面白さ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!源平合戦。戦いの記憶を抱え、生まれ変わった中学生たちが紡ぐ物語!
壇ノ浦の戦いで源氏に敗れた平家は、多くが入水自殺をはかった。
これは壮絶な戦いの記憶を持って生まれ変わり、中学生となった少年たちの物語です。
日本のようで日本ではない独特の雰囲気が漂う不思議な世界で、若くして帯刀を許され魔物と戦う少年たち。
これだけでもかなり熱いのですが、少年たちは源平入り混じっているため、やはり前世の因縁が…!?
彼らの葛藤や想いに、読者の心はジェットコースター並みに揺り動かされ、1話ごとに意見が真逆になるという乱高下を繰り返しながらも、物語に深く惹きつけられていきます。
そして、キャラクターがみんな尊い✨ もっとずっと読んでいたい、そんな素敵なお話でした。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!前世で敵同士だった僕たちは、転生した現世にてふたたび出会う――。
歴史好きの方も、またはそれほど明るくない方も『壇ノ浦の合戦』といえばピンとくるでしょう。
そう、かの有名な源平合戦。
源義経率いる源氏によって、平家一門は追い詰められた先の壇ノ浦にて海に沈みます。海の底にも都はあると信じて――。
冒頭の壇ノ浦の合戦から一転、現代の“僕”は一般の中学生として生活をしています。
前世の記憶のない状態の少年は、しかし荒れ狂う瀬戸内海で過去に因縁を持つ人物と遭遇するのですが――。
平氏側と源氏側で生まれ変わった少年たちの紡ぐふぁんたじぃ、もといファンタジーは、宿縁や少年らしい葛藤が丁寧に描かれています。
物語の重要なキーポイントである前世。
なにか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!源平合戦を経て、僕たちは———
あの有名な「壇ノ浦の戦い」の、その後の物語を、知っていますか……?
「源平の戦いに散っていった者たちが、もし生まれ変わったら」そんな斬新な設定で描かれた、ユニークな現代バトルファンタジー。
作者様の「歴史オタ知識」(褒めてる)が存分に盛り込まれ、展開される圧倒的な「戦い」の臨場感。まるで、私もあの壮大な源平合戦を体験しているような気持ちになります。
そして、もう一方で描かれるのは、ごく普通の中学生たちの日常。「自分とは、何者なのだろう。どこへ向かうのだろう」そんな、誰もが通る思春期の葛藤と繊細な心。
この2つの、味の違う文体の描き分けも素晴らしく、どんどん記憶と現代が交差していく…続きを読む - ★★★ Excellent!!!宿命を抱きしめる瞳
見慣れた日本の風景の中に、源平の時代から続く魂の物語が息づいている――
ごく普通の中学生・伊月晃。
自身の内に眠っていた平知盛としての記憶が目覚め始めます。
彼はその唐突な記憶の流入に戸惑い、自身の真のアイデンティティについて悩みますが、やがてその記憶に導かれるように行動を起こします。
そして、魔物との戦いを通じて自らの未熟さと向き合い、知盛としての使命感に目覚めていきます。
一方、源義経としての記憶を持つ眞城九郎。
飄々とした雰囲気を持つ彼の瞳には、義経としての過去、特に「大切な者」への強い思いがあります。
自ら選んだ道を進み、誰の指図も受けずにその信念を貫く九郎。
過去の記憶と向き合…続きを読む - ★★★ Excellent!!!きめ細やかに構築された独特の世界観
源氏と平家の武者がその記憶を持って現代で魔物を狩る話の認識で読みはじめました。
違いました。
そこには現代とは似て非なる異世界が広がっていました。
前作を拝読した時も感じましたが、現実や過去の源平合戦のエッセンスを取り入れながら異世界であると分かる世界を作られる構築力が素晴らしいです。
そしてこの唯一無二とも言える世界観、空気感をことさらに主張することなく、主人公達の過去の記憶と転生後の気持ちをうまく溶け合わせ、人間と人間のドラマとしてまとめ上げている筆力が見事です。
私は日本史があまり得意ではなく、薄い知識しか持ち合わせていないのですが、それでもどきどきハラハラ、登場人物に寄り添いながら…続きを読む