組織のリーダーの役目とは何か。らしさラボ代表の伊庭正康さんは「リーダーの仕事は、『頑張る』ことでも、『頑張らせる』ことでもない。『もっと、ラクに、確実に、成果を出せないか』という問いを、常に持ち続けることだ。ニトリの管理職にも、『前任者を超えよ』というマインドが引き継がれている」という――。

※本稿は、伊庭正康『リーダーの「任せ方」の順番 部下を持ったら知りたい3つのセオリー』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

ビジネスパーソンと街並み
写真=iStock.com/metamorworks
※写真はイメージです

1日8時間働くなら、自分の業務は2~3時間で

“頑張ることが美徳”ではない

私たちは、いつからか“頑張ることが美徳”だと教わってきました。

「人に任せるより、自分でやるほうが早い」
「責任ある立場なら、背負うのが当然だ」

そうやって、毎日を駆け抜けてきた人は多いでしょう。

でも、ちょっと立ち止まってほしいのです。

リクルートワークス研究所の調査によると、個人業務の比率が3割程度におさえるマネジャーが率いる組織は、パフォーマンスが高い、という結果が出ています。逆に5割を超えると、組織の成果は急降下。

つまり、自分で頑張りすぎることが、結果的にチームの足を引っ張ってしまう可能性がある、ということなのです。

誰よりも頑張っているなら、あえて自分に言い聞かせてください。

「自分でやらないほうがいいよ」と。任せることは、手放すことではありません。

育てること、信じること、そして、未来を託すことです。

だから、覚えていてください。

「個人業務は3割まで」

1日8時間働くなら、自分の業務は2~3時間。

残りの5~6時間は、部下との対話、困っている人へのサポート、チームの未来をつくるプロジェクトに時間を使ってください。