日本人が自信をなくす必要はない

2025年5月9日、日本電信電話会社の新しい社名「NTT株式会社」と新CI(コーポレートアイデンティティ)が発表された。旧社名には「電信(電報)」と「電話」が入っていた。電報についてはもはや世の中の9割以上は祝電以外の電報を見たことがないだろう。また、「電話」と言われても、日常的に電話している人は激減している。スマホでコミュニケーションするときはSNSかメールかショートメッセージだ。日本「電信電話」会社という社名は時代を錯誤していた。

島田明社長は「確実にグローバルマーケットを意識し、ブランドを統一していく。たとえば海外に出張してイベントに出る場合『Nippon Telegraphand Telephone』と表示され、違和感がある。国内ではローマ字で法人登記ができなかった時代もあったため、カタカナ(エヌ・ティ・ティ)とローマ字(NTT)で表記が混在し、ブランドとして統一感がないことをずっと気にしていた」と、会見で補足した。

そして今、NTTが力を注いでいるのはIOWN(アイオン、Innovative Optical and Wireless Network)だ。光の技術で超大容量、超低遅延、超低消費電力の通信基盤を実現する構想である。同社はIOWNの導入で30年までに電力効率を100倍、伝送容量を125倍、エンド・エンドの通信遅延を200分の1にするため研究開発を進めている。なお、大阪で開催されている万博のNTTパビリオンのサーバーにはIOWNが実装されている。そのためサーバーの消費電力は従来の通信基盤と比べると8分の1になっている。

日本にどんな明るい未来をもたらすのか。作家の野地秩嘉氏が聞いた――。