JP3064565B2 - アレルゲン低減化小麦の製造方法 - Google Patents
アレルゲン低減化小麦の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アレルゲン低減化小麦
の製造方法に関する。詳しくは、穀類に対してアレルギ
ー反応を起こす患者が、食料として用いることができる
アレルゲン低減化小麦の製造方法に関する。
の製造方法に関する。詳しくは、穀類に対してアレルギ
ー反応を起こす患者が、食料として用いることができる
アレルゲン低減化小麦の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】日常欠かすことの出来ない食物の摂取
が、時として生体に異常な反応を引き起こすことがあ
る。この中で、食物中の物質が抗原として認識され、一
連の免疫学的機序により、喘息、湿疹などの症状を呈す
る病態を食物アレルギーと呼んでいる。
が、時として生体に異常な反応を引き起こすことがあ
る。この中で、食物中の物質が抗原として認識され、一
連の免疫学的機序により、喘息、湿疹などの症状を呈す
る病態を食物アレルギーと呼んでいる。
【0003】食物アレルギー患者は、推定で人口の約1
%弱いるとみられており、特に小児においては、気管支
喘息、アトピー性皮膚炎などの原因として食物アレルギ
ーの発症頻度も高い。食物アレルギーは、一般に、牛
乳、卵、大豆等の蛋白性食物が原因になることが多いと
いわれているが、近年では、米や小麦等の穀物によるア
レルギーが増加している(荒井綜一他、小児内科、第2
2巻、415〜(1990))。
%弱いるとみられており、特に小児においては、気管支
喘息、アトピー性皮膚炎などの原因として食物アレルギ
ーの発症頻度も高い。食物アレルギーは、一般に、牛
乳、卵、大豆等の蛋白性食物が原因になることが多いと
いわれているが、近年では、米や小麦等の穀物によるア
レルギーが増加している(荒井綜一他、小児内科、第2
2巻、415〜(1990))。
【0004】食物アレルギー患者の治療法としては、薬
物による対症療法の他、アレルギーの原因となる食物を
制限、あるいは摂取させない方法が試みられているが、
食物を制限することは、生命の維持、発育にも支障をき
たしかねない。そこで、アレルギーを起こす成分のみを
除去し、他の栄養成分は損なわないような食品を摂取さ
せる方法が研究されている。
物による対症療法の他、アレルギーの原因となる食物を
制限、あるいは摂取させない方法が試みられているが、
食物を制限することは、生命の維持、発育にも支障をき
たしかねない。そこで、アレルギーを起こす成分のみを
除去し、他の栄養成分は損なわないような食品を摂取さ
せる方法が研究されている。
【0005】近年、食物アレルギーを引き起こす成分、
即ちアレルゲンについて研究が進み、穀物の場合は、塩
水溶液可溶画分であるグロブリン画分にアレルゲンが存
在することがわかった。米のアレルゲンについては、例
えば、JOURNAL OF FOOD SCIENC
EVol55、No.3、781〜783(1990)
に記載されているが、小麦を米と同様に扱うことはでき
なかった。
即ちアレルゲンについて研究が進み、穀物の場合は、塩
水溶液可溶画分であるグロブリン画分にアレルゲンが存
在することがわかった。米のアレルゲンについては、例
えば、JOURNAL OF FOOD SCIENC
EVol55、No.3、781〜783(1990)
に記載されているが、小麦を米と同様に扱うことはでき
なかった。
【0006】そこで、本発明者らは、アレルゲンを低減
化した小麦、その製造方法、即ち、適当な塩の水溶液と
小麦とを混合攪拌し、その後、塩の水溶液可溶部分を適
当な方法で分離除去する方法、およびそれを含む加工食
品について、特願平2−99562号を出願した。
化した小麦、その製造方法、即ち、適当な塩の水溶液と
小麦とを混合攪拌し、その後、塩の水溶液可溶部分を適
当な方法で分離除去する方法、およびそれを含む加工食
品について、特願平2−99562号を出願した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、小麦か
らアレルゲンを除去するには、特願平2−99562号
のような塩水溶液による処理では不十分であり、塩水溶
液に可溶な画分以外のアレルゲンが除去しきれず残存
し、重篤なアレルギー患者に対しては効果がうすいとい
う問題があった。又、デカンテーションや遠心分離等の
固液分離方法では、アレルゲンの抽出効率が悪く、抽出
回数を増やしても除去されないアレルゲンが固形画分に
残るという問題があった。
らアレルゲンを除去するには、特願平2−99562号
のような塩水溶液による処理では不十分であり、塩水溶
液に可溶な画分以外のアレルゲンが除去しきれず残存
し、重篤なアレルギー患者に対しては効果がうすいとい
う問題があった。又、デカンテーションや遠心分離等の
固液分離方法では、アレルゲンの抽出効率が悪く、抽出
回数を増やしても除去されないアレルゲンが固形画分に
残るという問題があった。
【0008】したがって、本発明の目的は、小麦により
アレルギー反応を起こす患者が、食料とすることができ
る極めて有効なアレルゲン低減化小麦を製造することで
ある。
アレルギー反応を起こす患者が、食料とすることができ
る極めて有効なアレルゲン低減化小麦を製造することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の課
題について鋭意検討した結果、小麦を、HLB13以上
のショ糖脂肪酸エステル、グリセリン重合度が10以下
でかつ脂肪酸結合数が3以下のポリグリセリン脂肪酸エ
ステル及び酵素処理レシチンからなる群から選ばれる界
面活性作用を有する物質を含有する界面活性作用を有す
る塩水溶液、アルカリ性である塩水溶液又は還元作用を
有する塩水溶液から選ばれる1種又は2種以上の塩水溶
液で処理し、溶出する成分を除去することにより解決し
た。
題について鋭意検討した結果、小麦を、HLB13以上
のショ糖脂肪酸エステル、グリセリン重合度が10以下
でかつ脂肪酸結合数が3以下のポリグリセリン脂肪酸エ
ステル及び酵素処理レシチンからなる群から選ばれる界
面活性作用を有する物質を含有する界面活性作用を有す
る塩水溶液、アルカリ性である塩水溶液又は還元作用を
有する塩水溶液から選ばれる1種又は2種以上の塩水溶
液で処理し、溶出する成分を除去することにより解決し
た。
【0010】本発明に使用される界面活性作用を有する
塩水溶液としては、例えば、HLB値13以上のショ糖
脂肪酸エステル、グリセリン重合度が10以下でかつ脂
肪酸結合数が3以下のポリグリセリン脂肪酸エステル及
びリゾレシチン等の酵素処理レシチンからなる群から選
ばれる界面活性作用を有する物質が、以下の塩を0.0
2〜3M含有する水溶液に溶解又は分散している状態の
ものが挙げられる。界面活性作用を有する物質は、1種
又は2種類以上組み合わせて使用してもよい。
塩水溶液としては、例えば、HLB値13以上のショ糖
脂肪酸エステル、グリセリン重合度が10以下でかつ脂
肪酸結合数が3以下のポリグリセリン脂肪酸エステル及
びリゾレシチン等の酵素処理レシチンからなる群から選
ばれる界面活性作用を有する物質が、以下の塩を0.0
2〜3M含有する水溶液に溶解又は分散している状態の
ものが挙げられる。界面活性作用を有する物質は、1種
又は2種類以上組み合わせて使用してもよい。
【0011】含有させる塩としては、ナトリウム、カリ
ウム、カルシウム、マグネシウム等の塩化物、硫酸塩、
炭酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩等が挙げられ、
好ましくは、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カル
シウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン
酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム等が挙げられ、塩
化ナトリウムが最も好ましい。
ウム、カルシウム、マグネシウム等の塩化物、硫酸塩、
炭酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩等が挙げられ、
好ましくは、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カル
シウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン
酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム等が挙げられ、塩
化ナトリウムが最も好ましい。
【0012】上記塩水溶液のpHは5〜10の範囲であ
れば、そのまま使用することができ、この範囲外の場合
は、酸又はアルカリ溶液を用いて、上記範囲内に調整し
て使用すればよい。塩の濃度は、塩の種類によらず、
0.02〜3Mが好ましく、さらには0.2〜2Mが好
ましい。塩濃度が0.02Mを下回ると、アレルゲンの
除去効率が極端に低下する。一方、3Mを上回ると、か
えって除去効率が落ち、又、排水に多量の塩が混入する
ことになり、排水処理が困難になる。
れば、そのまま使用することができ、この範囲外の場合
は、酸又はアルカリ溶液を用いて、上記範囲内に調整し
て使用すればよい。塩の濃度は、塩の種類によらず、
0.02〜3Mが好ましく、さらには0.2〜2Mが好
ましい。塩濃度が0.02Mを下回ると、アレルゲンの
除去効率が極端に低下する。一方、3Mを上回ると、か
えって除去効率が落ち、又、排水に多量の塩が混入する
ことになり、排水処理が困難になる。
【0013】HLB13以上のショ糖脂肪酸エステル
は、水又は塩水溶液に溶解又は分散するため、小麦蛋白
質に対して均一に作用して、分子量3万以下の蛋白質、
分子量5万〜7万の蛋白質を十分に除去することができ
る。一方、HLB13未満のショ糖脂肪酸エステルは、
水又は塩水溶液に不溶性のため、小麦蛋白質に対して均
一に作用することができず、アレルゲンを十分に除去す
ることができない。
は、水又は塩水溶液に溶解又は分散するため、小麦蛋白
質に対して均一に作用して、分子量3万以下の蛋白質、
分子量5万〜7万の蛋白質を十分に除去することができ
る。一方、HLB13未満のショ糖脂肪酸エステルは、
水又は塩水溶液に不溶性のため、小麦蛋白質に対して均
一に作用することができず、アレルゲンを十分に除去す
ることができない。
【0014】グリセリン重合度が10以下でも、脂肪酸
結合数が4以上のポリグリセリン脂肪酸エステルは、水
又は塩水溶液に不溶性のため、小麦蛋白質に対して均一
に作用することができず、アレルゲンを十分に除去する
ことができない。リゾレシチン等の酵素処理レシチン
は、水又は塩水溶液に極めてよく溶解するため、小麦蛋
白質に対して均一に作用して、アレルゲンを十分に除去
することができる。
結合数が4以上のポリグリセリン脂肪酸エステルは、水
又は塩水溶液に不溶性のため、小麦蛋白質に対して均一
に作用することができず、アレルゲンを十分に除去する
ことができない。リゾレシチン等の酵素処理レシチン
は、水又は塩水溶液に極めてよく溶解するため、小麦蛋
白質に対して均一に作用して、アレルゲンを十分に除去
することができる。
【0015】ソルビタン脂肪酸エステルやモノグリセリ
ン脂肪酸エステルは、水に不溶性のため蛋白質に作用し
づらく実用的ではない。本発明の界面活性作用を有する
塩水溶液における界面活性作用を有する物質の濃度は、
0.01〜10重量%で使用し、さらには、0.05〜
2重量%で使用するのが好ましい。0.01重量%を下
回る濃度では、処理及び除去操作の効率が極端に低下
し、又、10重量%を上回る濃度でも、処理及び除去操
作の効率がかえって低下し、しかも処理及び除去後の水
洗に多大の時間を費やすことになるため好ましくない。
ン脂肪酸エステルは、水に不溶性のため蛋白質に作用し
づらく実用的ではない。本発明の界面活性作用を有する
塩水溶液における界面活性作用を有する物質の濃度は、
0.01〜10重量%で使用し、さらには、0.05〜
2重量%で使用するのが好ましい。0.01重量%を下
回る濃度では、処理及び除去操作の効率が極端に低下
し、又、10重量%を上回る濃度でも、処理及び除去操
作の効率がかえって低下し、しかも処理及び除去後の水
洗に多大の時間を費やすことになるため好ましくない。
【0016】これら界面活性作用を有する塩水溶液は、
単に浸透性を助けるだけではなく、蛋白質に直接作用し
て、処理及び除去操作の効率を高めるものと考えられ
る。本発明に用いるアルカリ性である塩水溶液とは、塩
を0.02〜3M含有する水溶液に強アルカリの塩を加
え、pH7以上10以下、好ましくは、pH8以上10
以下に調整した水溶液で、強アルカリの塩が、塩水溶液
に溶解又は分散している状態のものをいう。
単に浸透性を助けるだけではなく、蛋白質に直接作用し
て、処理及び除去操作の効率を高めるものと考えられ
る。本発明に用いるアルカリ性である塩水溶液とは、塩
を0.02〜3M含有する水溶液に強アルカリの塩を加
え、pH7以上10以下、好ましくは、pH8以上10
以下に調整した水溶液で、強アルカリの塩が、塩水溶液
に溶解又は分散している状態のものをいう。
【0017】上記強アルカリの塩としては、ナトリウ
ム、カリウム等の水酸化物等が挙げられる。アルカリ性
である水溶液がpH7以下では、処理及び除去操作の効
率が低下するため好ましくない。又、pH10以上で
は、グルテニン等の小麦の特性を有する蛋白質画分がこ
の水溶液中に抽出除去されてしまうため好ましくない。
ム、カリウム等の水酸化物等が挙げられる。アルカリ性
である水溶液がpH7以下では、処理及び除去操作の効
率が低下するため好ましくない。又、pH10以上で
は、グルテニン等の小麦の特性を有する蛋白質画分がこ
の水溶液中に抽出除去されてしまうため好ましくない。
【0018】本発明に用いる還元作用を有する塩水溶液
とは、SO3 2- 、HSO3 - 、NO2 - 、NO- のナト
リウム又はカリウムの塩、又は、システイン、アスコル
ビン酸等の還元作用を有する物質を、塩を0.02〜3
M含有する水溶液に溶解又は分散している状態のものを
いう。本発明の還元作用を有する塩水溶液における還元
作用を有する物質の濃度は、0.01〜10重量%で使
用し、0.1〜5重量%で使用するのが好ましい。
とは、SO3 2- 、HSO3 - 、NO2 - 、NO- のナト
リウム又はカリウムの塩、又は、システイン、アスコル
ビン酸等の還元作用を有する物質を、塩を0.02〜3
M含有する水溶液に溶解又は分散している状態のものを
いう。本発明の還元作用を有する塩水溶液における還元
作用を有する物質の濃度は、0.01〜10重量%で使
用し、0.1〜5重量%で使用するのが好ましい。
【0019】0.01重量%を下回る濃度では、処理及
び除去操作の効率が著しく低下し、又、10重量%を上
回る濃度でも、処理及び除去操作の効率がかえって低下
し、しかもアレルゲン以外の蛋白質に変性をきたし小麦
の特性を失うため好ましくない。本発明において、還元
作用を有する物質を1種又は2種以上組み合わせて使用
してもよい。
び除去操作の効率が著しく低下し、又、10重量%を上
回る濃度でも、処理及び除去操作の効率がかえって低下
し、しかもアレルゲン以外の蛋白質に変性をきたし小麦
の特性を失うため好ましくない。本発明において、還元
作用を有する物質を1種又は2種以上組み合わせて使用
してもよい。
【0020】又、本発明において、界面活性作用を有す
る物質、強アルカリの塩、還元作用を有する物質を、そ
れぞれ組み合わせて使用してもよい。なかでも、アルカ
リ性である塩水溶液に還元作用を有する物質を1種又は
2種以上添加して使用するのが好ましい。本発明で使用
する小麦として代表的なものは小麦粉である。小麦粉
は、強力粉、中力粉、薄力粉、あるいは小麦グルテン等
いずれでもよいが、処理や入手の容易さを考えると、市
販の製粉した小麦粉を用いるのが好ましい。
る物質、強アルカリの塩、還元作用を有する物質を、そ
れぞれ組み合わせて使用してもよい。なかでも、アルカ
リ性である塩水溶液に還元作用を有する物質を1種又は
2種以上添加して使用するのが好ましい。本発明で使用
する小麦として代表的なものは小麦粉である。小麦粉
は、強力粉、中力粉、薄力粉、あるいは小麦グルテン等
いずれでもよいが、処理や入手の容易さを考えると、市
販の製粉した小麦粉を用いるのが好ましい。
【0021】以下に、本発明の製造方法について例を挙
げて説明する。小麦粉粉末等に、例えば、0.02〜3
M濃度の塩化ナトリウム水溶液を含有し、界面活性作用
を有する水溶液、アルカリ性である水溶液又は還元作用
を有する水溶液から選ばれる1種又は2種以上を所定濃
度又は所定pHになるように調製した水溶液を2〜20
倍量添加して、室温以下、好ましくは、10℃以下で、
1分〜72時間、好ましくは、10分〜2時間攪拌し
て、溶出する蛋白質画分(主に、分子量3万以下の蛋白
質画分)を溶出させる。その後、デカンテーション、遠
心分離等の固液分離を行うことにより、溶出する成分を
除去して、本発明のアレルゲン低減化小麦である沈澱物
を得る。この操作を必要であれば数回繰り返して行う。
普通1〜5回程度が好ましい。又、この操作は回分式だ
けでなく連続式に実施することも可能である。
げて説明する。小麦粉粉末等に、例えば、0.02〜3
M濃度の塩化ナトリウム水溶液を含有し、界面活性作用
を有する水溶液、アルカリ性である水溶液又は還元作用
を有する水溶液から選ばれる1種又は2種以上を所定濃
度又は所定pHになるように調製した水溶液を2〜20
倍量添加して、室温以下、好ましくは、10℃以下で、
1分〜72時間、好ましくは、10分〜2時間攪拌し
て、溶出する蛋白質画分(主に、分子量3万以下の蛋白
質画分)を溶出させる。その後、デカンテーション、遠
心分離等の固液分離を行うことにより、溶出する成分を
除去して、本発明のアレルゲン低減化小麦である沈澱物
を得る。この操作を必要であれば数回繰り返して行う。
普通1〜5回程度が好ましい。又、この操作は回分式だ
けでなく連続式に実施することも可能である。
【0022】又、上記操作のうち、塩を含有する水溶液
で処理した場合、水洗して塩分を除去してもよい。上記
操作により、分子量3万以下の蛋白質画分、特に、1万
3千〜1万5千、次いで2万3千〜2万5千近辺の蛋白
質を中心に、分子量3万以下の蛋白質を除去もしくは低
減化したアレルゲン低減化小麦を得ることができる。
で処理した場合、水洗して塩分を除去してもよい。上記
操作により、分子量3万以下の蛋白質画分、特に、1万
3千〜1万5千、次いで2万3千〜2万5千近辺の蛋白
質を中心に、分子量3万以下の蛋白質を除去もしくは低
減化したアレルゲン低減化小麦を得ることができる。
【0023】さらに、分子量3万以下の蛋白質だけでな
く、分子量5万〜7万の蛋白質を除去もしくは低減化し
たアレルゲン低減化小麦を得ることができる。即ち、本
発明により得られるアレルゲン低減化小麦は、該アレル
ゲン低減化小麦1gに1M NaCl溶液10mlを加え
て30分間室温で攪拌した場合に、その上清中に含まれ
る分子量3万以下の蛋白質濃度が500μg/ml以下、
好ましくは200μg/ml以下、さらに好ましくは50
μg/ml以下となるものであることが好ましい。
く、分子量5万〜7万の蛋白質を除去もしくは低減化し
たアレルゲン低減化小麦を得ることができる。即ち、本
発明により得られるアレルゲン低減化小麦は、該アレル
ゲン低減化小麦1gに1M NaCl溶液10mlを加え
て30分間室温で攪拌した場合に、その上清中に含まれ
る分子量3万以下の蛋白質濃度が500μg/ml以下、
好ましくは200μg/ml以下、さらに好ましくは50
μg/ml以下となるものであることが好ましい。
【0024】さらに、前記の上清中に含まれる分子量5
万〜7万の蛋白質濃度が、100μg/ml以下、好まし
くは80μg/ml以下、さらに好ましくは60μg/ml
以下となるものであることが好ましい。アレルゲン低減
化小麦であることを確認するには、電気泳動法、高速液
体クロマトグラフィー等で、除去すべき蛋白質画分の存
在を確認して判定することができる。さらに厳密に測定
するには、免疫学的分析法、例えばエンザイムイムノア
ッセイ法、ラジオイムノアッセイ法等の方法を行えばよ
い。
万〜7万の蛋白質濃度が、100μg/ml以下、好まし
くは80μg/ml以下、さらに好ましくは60μg/ml
以下となるものであることが好ましい。アレルゲン低減
化小麦であることを確認するには、電気泳動法、高速液
体クロマトグラフィー等で、除去すべき蛋白質画分の存
在を確認して判定することができる。さらに厳密に測定
するには、免疫学的分析法、例えばエンザイムイムノア
ッセイ法、ラジオイムノアッセイ法等の方法を行えばよ
い。
【0025】以上のようにして得られるアレルゲン低減
化小麦は、用途にあわせた利用形態とすればよく、その
まま利用してもよいし、あるいは乾燥して粉末又は粒状
にして利用してもよい。本発明より得られるアレルゲン
低減化小麦の乾燥は、通常食品の乾燥に用いられる方法
であればよく、例えば、噴霧、真空、熱風、凍結、天
日、電磁波、又はこれらを組み合わせた乾燥方法等が挙
げられる。
化小麦は、用途にあわせた利用形態とすればよく、その
まま利用してもよいし、あるいは乾燥して粉末又は粒状
にして利用してもよい。本発明より得られるアレルゲン
低減化小麦の乾燥は、通常食品の乾燥に用いられる方法
であればよく、例えば、噴霧、真空、熱風、凍結、天
日、電磁波、又はこれらを組み合わせた乾燥方法等が挙
げられる。
【0026】本発明より得られるアレルゲン低減化小麦
の粉末化又は粒状化も、通常食品の粉末化又は粒状化に
用いられる方法であればよく、例えば、ロール式、臼杵
式、衝撃式等の方法が挙げられる。本発明より得られる
アレルゲン低減化小麦は、従来の小麦調製物と全く同様
に、加工食品の原料として用いることができる。
の粉末化又は粒状化も、通常食品の粉末化又は粒状化に
用いられる方法であればよく、例えば、ロール式、臼杵
式、衝撃式等の方法が挙げられる。本発明より得られる
アレルゲン低減化小麦は、従来の小麦調製物と全く同様
に、加工食品の原料として用いることができる。
【0027】加工食品としては、ベーカリー製品又は焼
き菓子製品、具体的には、パン、ビスケット、クラッカ
ー、クッキー等が挙げられる。又、ケーキ等の洋生菓
子、うどん、中華麺、パスタ、そば等の麺製品、調理用
製品などを挙げることができる。特に、麺製品では食感
が改善されて好ましい。
き菓子製品、具体的には、パン、ビスケット、クラッカ
ー、クッキー等が挙げられる。又、ケーキ等の洋生菓
子、うどん、中華麺、パスタ、そば等の麺製品、調理用
製品などを挙げることができる。特に、麺製品では食感
が改善されて好ましい。
【0028】
【発明の効果】本発明は、市販の小麦粉等から簡単な処
理によって容易に製造することができるので、アレルゲ
ンが低減化した加工食品を安価に供給することができ
る。又、本発明は、従来の塩水溶液による処理だけでは
除去しきれなかったアレルゲンも除去することができる
ので、重篤な小麦アレルギー患者に対しても有効であ
る。
理によって容易に製造することができるので、アレルゲ
ンが低減化した加工食品を安価に供給することができ
る。又、本発明は、従来の塩水溶液による処理だけでは
除去しきれなかったアレルゲンも除去することができる
ので、重篤な小麦アレルギー患者に対しても有効であ
る。
【0029】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するもので
はない。 実施例1 小麦粉(日本製粉(株)製、イーグル)1gに、10ml
の1M NaCl溶液に最終濃度0.5%となるように
ショ糖脂肪酸エステル(HLB14〜15、OWA−1
570 三菱化成食品社製)を加えた水溶液を加え、1
時間、4℃にて攪拌した後、20分間遠心分離(3,0
00×g)し、溶出する成分(抽出液)を分離した。
に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するもので
はない。 実施例1 小麦粉(日本製粉(株)製、イーグル)1gに、10ml
の1M NaCl溶液に最終濃度0.5%となるように
ショ糖脂肪酸エステル(HLB14〜15、OWA−1
570 三菱化成食品社製)を加えた水溶液を加え、1
時間、4℃にて攪拌した後、20分間遠心分離(3,0
00×g)し、溶出する成分(抽出液)を分離した。
【0030】抽出液は、0.15mM NaCl溶液を
含む20mMリン酸緩衝液(pH 7.4)に対して、ポ
アサイズ分子量3500カットの透析チューブを用いて
4℃にて24時間透析した。透析後の抽出液は、凍結乾
燥して塩抽出物Aとした。一方、抽出後の小麦残渣は、
上記塩抽出剤20mlにて14時間攪拌し、更に2時間水
洗した。この時抽出液の蛋白濃度は、14μg /mlであ
った(合計10ml)。得られた小麦残渣は凍結乾燥し、
アレルゲン低減化小麦1とした。
含む20mMリン酸緩衝液(pH 7.4)に対して、ポ
アサイズ分子量3500カットの透析チューブを用いて
4℃にて24時間透析した。透析後の抽出液は、凍結乾
燥して塩抽出物Aとした。一方、抽出後の小麦残渣は、
上記塩抽出剤20mlにて14時間攪拌し、更に2時間水
洗した。この時抽出液の蛋白濃度は、14μg /mlであ
った(合計10ml)。得られた小麦残渣は凍結乾燥し、
アレルゲン低減化小麦1とした。
【0031】アレルゲン低減化小麦1が、アレルゲンを
低減化していることを確認するために、以下の試験を行
った。アレルゲン低減化小麦1の0.8gに、10mlの
尿素抽出剤(7M尿素、20mM 2−メルカプトエタ
ノールを含む76mMトリスクエン酸緩衝液(pH8.
6)) を加え10分間室温にて攪拌した後、20分間遠
心分離(3,000×g)し、溶出する成分(抽出液)
を分離した後、上記塩抽出物と同様に精製して、尿素抽
出物aとした。
低減化していることを確認するために、以下の試験を行
った。アレルゲン低減化小麦1の0.8gに、10mlの
尿素抽出剤(7M尿素、20mM 2−メルカプトエタ
ノールを含む76mMトリスクエン酸緩衝液(pH8.
6)) を加え10分間室温にて攪拌した後、20分間遠
心分離(3,000×g)し、溶出する成分(抽出液)
を分離した後、上記塩抽出物と同様に精製して、尿素抽
出物aとした。
【0032】以上より得られた塩抽出物A及び尿素抽出
物aは、それぞれの抽出剤溶液10mlに再可溶させ0.
22μm ミリポアフィルターで瀘過した。得られた塩抽
出物A及び尿素抽出物aの瀘過物の蛋白質量2mgに相当
量に対して、それぞれ最終濃度でSDS1%、2−メル
カプトエタノール1%、グリセリン20%、トリス塩酸
緩衝液1mMとなるようにそれぞれ加え、蒸留水で1ml
として、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(S
DS−PAGE)試料を調製した。
物aは、それぞれの抽出剤溶液10mlに再可溶させ0.
22μm ミリポアフィルターで瀘過した。得られた塩抽
出物A及び尿素抽出物aの瀘過物の蛋白質量2mgに相当
量に対して、それぞれ最終濃度でSDS1%、2−メル
カプトエタノール1%、グリセリン20%、トリス塩酸
緩衝液1mMとなるようにそれぞれ加え、蒸留水で1ml
として、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(S
DS−PAGE)試料を調製した。
【0033】各試料は、100℃にて2分間加熱処理し
た後、0.05%となるようにBPB(ブロモフェノー
ルブルー)を加えた。各試料10μl は、10〜20%
クラジエントSDS−ポリアクリルアミドゲルに加え、
40mAにて90分間電気泳動し、小麦の塩抽出物画分
及び尿素抽出物画分をそれぞれ分画した。
た後、0.05%となるようにBPB(ブロモフェノー
ルブルー)を加えた。各試料10μl は、10〜20%
クラジエントSDS−ポリアクリルアミドゲルに加え、
40mAにて90分間電気泳動し、小麦の塩抽出物画分
及び尿素抽出物画分をそれぞれ分画した。
【0034】得られた小麦分画成分は、それぞれイモビ
ロンP膜(ミリポア社製)に80mAの定電流にて、一
時間電気泳動的に転写した。転写膜を5%スキムミルク
でブロッキングした後、小麦アレルギー患者血清及び小
麦アレルギーを持たないコントロール成人血清を14時
間室温にて反応させた。イモビロンP膜を洗浄後、ビオ
チン結合抗ヒトIgE(タゴ社製)の500倍希釈液及
びペルオキシダーゼを結合したアビジン(1000倍希
釈液)を、それぞれ2時間37℃にて反応させて、イモ
ビロンP膜に結合したIgE抗体を酵素標識化した。
ロンP膜(ミリポア社製)に80mAの定電流にて、一
時間電気泳動的に転写した。転写膜を5%スキムミルク
でブロッキングした後、小麦アレルギー患者血清及び小
麦アレルギーを持たないコントロール成人血清を14時
間室温にて反応させた。イモビロンP膜を洗浄後、ビオ
チン結合抗ヒトIgE(タゴ社製)の500倍希釈液及
びペルオキシダーゼを結合したアビジン(1000倍希
釈液)を、それぞれ2時間37℃にて反応させて、イモ
ビロンP膜に結合したIgE抗体を酵素標識化した。
【0035】続いて、DAB(3,3diamino benzidine t
etra hydrochloride)25mlを50mMトリス塩酸緩衝
液(pH 7.6)100mlに溶かし、30%過酸化水素
水を50μl 加え発色液を調整した。上記発色液を各転
写膜に加えて、IgE抗体の検出を行った。結果は第1
表及び第2表に示した。
etra hydrochloride)25mlを50mMトリス塩酸緩衝
液(pH 7.6)100mlに溶かし、30%過酸化水素
水を50μl 加え発色液を調整した。上記発色液を各転
写膜に加えて、IgE抗体の検出を行った。結果は第1
表及び第2表に示した。
【0036】以上から、小麦の塩抽出液Aは、患者血清
と強く反応し、特に、分子量3万以下の小麦蛋白と強く
反応したことから、塩抽出物Aは、アレルゲンを多く含
んでおり、抽出効率がより高いものである。したがっ
て、本発明により得られるアレルゲン低減化小麦は、ア
レルゲンが低減化されているものである。
と強く反応し、特に、分子量3万以下の小麦蛋白と強く
反応したことから、塩抽出物Aは、アレルゲンを多く含
んでおり、抽出効率がより高いものである。したがっ
て、本発明により得られるアレルゲン低減化小麦は、ア
レルゲンが低減化されているものである。
【0037】実施例2 小麦粉(日本製粉(株)製、イーグル)1gに、10ml
の1M NaCl溶液に最終濃度0.5%となるように
デカグリセリンモノラウレートを加えた水溶液を加え、
実施例1と同様に操作し、アレルゲン低減化小麦2と、
塩抽出物B及び尿素抽出物bを得た。
の1M NaCl溶液に最終濃度0.5%となるように
デカグリセリンモノラウレートを加えた水溶液を加え、
実施例1と同様に操作し、アレルゲン低減化小麦2と、
塩抽出物B及び尿素抽出物bを得た。
【0038】又、アレルゲン低減化小麦2が、アレルゲ
ンを低減化していることを確認するために、塩抽出物B
及び尿素抽出物bについて、実施例1と同様の試験を行
い、結果を第3表及び第4表に示した。以上から、塩抽
出物Bは、患者血清と強く反応し、特に、分子量3万以
下の小麦蛋白と強く反応したことから、塩抽出物Bは、
アレルゲンを多く含んでおり、抽出効率がより高いもの
である。
ンを低減化していることを確認するために、塩抽出物B
及び尿素抽出物bについて、実施例1と同様の試験を行
い、結果を第3表及び第4表に示した。以上から、塩抽
出物Bは、患者血清と強く反応し、特に、分子量3万以
下の小麦蛋白と強く反応したことから、塩抽出物Bは、
アレルゲンを多く含んでおり、抽出効率がより高いもの
である。
【0039】したがって、本発明により得られるアレル
ゲン低減化小麦は、アレルゲンが低減化されているもの
である。 実施例3 小麦粉(日本製粉(株)製、イーグル)1gに、10ml
の1M NaCl溶液に最終濃度0.5%となるように
リゾレシチンを加えた水溶液を加え、実施例1と同様に
操作し、アレルゲン低減化小麦3と、塩抽出物C及び尿
素抽出物cを得た。
ゲン低減化小麦は、アレルゲンが低減化されているもの
である。 実施例3 小麦粉(日本製粉(株)製、イーグル)1gに、10ml
の1M NaCl溶液に最終濃度0.5%となるように
リゾレシチンを加えた水溶液を加え、実施例1と同様に
操作し、アレルゲン低減化小麦3と、塩抽出物C及び尿
素抽出物cを得た。
【0040】又、アレルゲン低減化小麦3が、アレルゲ
ンを低減化していることを確認するために、塩抽出物C
及び尿素抽出物cについて、実施例1と同様の試験を行
い、結果を第5表及び第6表に示した。以上から、塩抽
出物Cは、患者血清と強く反応し、特に、分子量3万以
下の小麦蛋白と強く反応したことから、塩抽出物Cは、
アレルゲンを多く含んでおり、抽出効率がより高いもの
である。
ンを低減化していることを確認するために、塩抽出物C
及び尿素抽出物cについて、実施例1と同様の試験を行
い、結果を第5表及び第6表に示した。以上から、塩抽
出物Cは、患者血清と強く反応し、特に、分子量3万以
下の小麦蛋白と強く反応したことから、塩抽出物Cは、
アレルゲンを多く含んでおり、抽出効率がより高いもの
である。
【0041】したがって、本発明により得られるアレル
ゲン低減化小麦は、アレルゲンが低減化されているもの
である。 実施例4 小麦粉(日本製粉(株)製、イーグル)1gに、10ml
の1M NaCl溶液に1M NaOH溶液を数滴滴下
してpH9に調整した水溶液を加え、実施例1と同様に
操作し、アレルゲン低減化小麦4と、塩抽出物D及び尿
素抽出物dを得た。
ゲン低減化小麦は、アレルゲンが低減化されているもの
である。 実施例4 小麦粉(日本製粉(株)製、イーグル)1gに、10ml
の1M NaCl溶液に1M NaOH溶液を数滴滴下
してpH9に調整した水溶液を加え、実施例1と同様に
操作し、アレルゲン低減化小麦4と、塩抽出物D及び尿
素抽出物dを得た。
【0042】又、アレルゲン低減化小麦4が、アレルゲ
ンを低減化していることを確認するために、塩抽出物D
及び尿素抽出物dについて、実施例1と同様の試験を行
い、結果を第7表及び第8表に示した。以上から、塩抽
出物Dは、患者血清と強く反応し、特に、分子量3万以
下の小麦蛋白と強く反応したことから、塩抽出物Dは、
アレルゲンを多く含んでおり、抽出効率がより高いもの
である。
ンを低減化していることを確認するために、塩抽出物D
及び尿素抽出物dについて、実施例1と同様の試験を行
い、結果を第7表及び第8表に示した。以上から、塩抽
出物Dは、患者血清と強く反応し、特に、分子量3万以
下の小麦蛋白と強く反応したことから、塩抽出物Dは、
アレルゲンを多く含んでおり、抽出効率がより高いもの
である。
【0043】したがって、本発明により得られるアレル
ゲン低減化小麦は、アレルゲンが低減化されているもの
である。 実施例5 小麦粉(日本製粉(株)製、イーグル)1gに、10ml
の1M NaCl溶液に最終濃度0.5%となるように
亜硫酸ナトリウムを加えた水溶液を加え、実施例1と同
様に操作し、アレルゲン低減化小麦5と、塩抽出物E及
び尿素抽出物eを得た。 又、アレルゲン低減化小麦5
が、アレルゲンを低減化していることを確認するため
に、塩抽出物E及び尿素抽出物eについて、実施例1と
同様の試験を行い、結果を第9表及び第10表に示し
た。
ゲン低減化小麦は、アレルゲンが低減化されているもの
である。 実施例5 小麦粉(日本製粉(株)製、イーグル)1gに、10ml
の1M NaCl溶液に最終濃度0.5%となるように
亜硫酸ナトリウムを加えた水溶液を加え、実施例1と同
様に操作し、アレルゲン低減化小麦5と、塩抽出物E及
び尿素抽出物eを得た。 又、アレルゲン低減化小麦5
が、アレルゲンを低減化していることを確認するため
に、塩抽出物E及び尿素抽出物eについて、実施例1と
同様の試験を行い、結果を第9表及び第10表に示し
た。
【0044】以上から、塩抽出物Eは、患者血清と強く
反応し、特に、分子量3万以下の小麦蛋白と強く反応し
たことから、塩抽出物Eは、アレルゲンを多く含んでお
り、抽出効率がより高いものである。したがって、本発
明により得られるアレルゲン低減化小麦は、アレルゲン
が低減化されているものである。
反応し、特に、分子量3万以下の小麦蛋白と強く反応し
たことから、塩抽出物Eは、アレルゲンを多く含んでお
り、抽出効率がより高いものである。したがって、本発
明により得られるアレルゲン低減化小麦は、アレルゲン
が低減化されているものである。
【0045】比較例 小麦粉(日本製粉(株)製、イーグル)1gに、10ml
の塩抽出剤(1M NaCl溶液を含む76mMトリス
クエン酸緩衝液(pH 7.4))を加え、実施例1と同
様に操作し、アレルゲン低減化小麦比較品と、塩抽出物
比較品及び尿素抽出物比較品を得た。
の塩抽出剤(1M NaCl溶液を含む76mMトリス
クエン酸緩衝液(pH 7.4))を加え、実施例1と同
様に操作し、アレルゲン低減化小麦比較品と、塩抽出物
比較品及び尿素抽出物比較品を得た。
【0046】又、アレルゲン低減化小麦比較品について
も、アレルゲンの低減化の程度を確認するために、塩抽
出物比較品及び尿素抽出物比較品について、実施例1と
同様の試験を行い、結果を第11表及び第12表に示し
た。塩抽出物比較品は、患者血清と強く反応したが、塩
抽出物A〜Eより反応は低く、アレルゲン低減化小麦比
較品は、実施例1〜5より得られるアレルゲン低減化小
麦よりアレルゲンの低減化効果が低かった。
も、アレルゲンの低減化の程度を確認するために、塩抽
出物比較品及び尿素抽出物比較品について、実施例1と
同様の試験を行い、結果を第11表及び第12表に示し
た。塩抽出物比較品は、患者血清と強く反応したが、塩
抽出物A〜Eより反応は低く、アレルゲン低減化小麦比
較品は、実施例1〜5より得られるアレルゲン低減化小
麦よりアレルゲンの低減化効果が低かった。
【0047】試験例 小麦粉(日本製粉(株)製、イーグル)1gに、実施例
1〜5で使用した尿素抽出剤10mlを加え10分間室温
にて攪拌した後、20分間遠心分離(3,000×g)
し、溶出する成分(抽出液)を分離した後、上記塩抽出
物と同様に精製して、尿素抽出物fを得た。
1〜5で使用した尿素抽出剤10mlを加え10分間室温
にて攪拌した後、20分間遠心分離(3,000×g)
し、溶出する成分(抽出液)を分離した後、上記塩抽出
物と同様に精製して、尿素抽出物fを得た。
【0048】ここで、それぞれ10mgの実施例1〜5で
得られた尿素抽出物a〜e及び上記尿素抽出物fに、5
0%グリセリンを含む1MNaCl溶液を加え、14時
間4℃にて攪拌した後、遠心分離(10,000×G)
20分間かけた後、溶出する成分を得、それぞれ抽出液
a’、b’、c’、d’、e’及びf’とした。小麦ア
レルギー患者を腹臥位にして、片腕の全体をアルコール
綿で消毒し、自然乾燥後、抗原液として上記抽出液a’
〜f’及びコントロール(50%グリセリンを含む1M
NaCl溶液)を1滴づつ滴下した。
得られた尿素抽出物a〜e及び上記尿素抽出物fに、5
0%グリセリンを含む1MNaCl溶液を加え、14時
間4℃にて攪拌した後、遠心分離(10,000×G)
20分間かけた後、溶出する成分を得、それぞれ抽出液
a’、b’、c’、d’、e’及びf’とした。小麦ア
レルギー患者を腹臥位にして、片腕の全体をアルコール
綿で消毒し、自然乾燥後、抗原液として上記抽出液a’
〜f’及びコントロール(50%グリセリンを含む1M
NaCl溶液)を1滴づつ滴下した。
【0049】消毒した針を、滴下した抗原液の上から斜
めの方向に皮フ内に突き刺し、20分間後に膨疹とその
回りの発赤の有無を判定した。判定は Sheldon J.M.,
らの方法(A manual of clinical Allergy 159 W.B.Saun
ders Company Philadelphiaand London,1967)に準じ
て、コントロールに同じ場合は陰性(−)、発赤が認め
られるが直径21mm以下の場合 (+) 、21mm以上の発
赤があるが膨疹は無い場合 (++) 、発赤、膨疹の両方
が認められる場合は (+++)とした。
めの方向に皮フ内に突き刺し、20分間後に膨疹とその
回りの発赤の有無を判定した。判定は Sheldon J.M.,
らの方法(A manual of clinical Allergy 159 W.B.Saun
ders Company Philadelphiaand London,1967)に準じ
て、コントロールに同じ場合は陰性(−)、発赤が認め
られるが直径21mm以下の場合 (+) 、21mm以上の発
赤があるが膨疹は無い場合 (++) 、発赤、膨疹の両方
が認められる場合は (+++)とした。
【0050】結果を第13表に示した。以上から、アレ
ルゲンとなる蛋白質は、界面活性作用を有する塩水溶
液、アルカリ性である塩水溶液、還元作用を有する塩水
溶液で処理することにより除去されている。更に塩水の
みで抽出したものに比べ、これらの抽出液はより効率よ
く抽出されているものである。
ルゲンとなる蛋白質は、界面活性作用を有する塩水溶
液、アルカリ性である塩水溶液、還元作用を有する塩水
溶液で処理することにより除去されている。更に塩水の
みで抽出したものに比べ、これらの抽出液はより効率よ
く抽出されているものである。
【0051】実施例6 容器(70l )に、1M NaCl水溶液50kg、ショ
糖脂肪酸エステル(HLB14〜15、OWA−157
0 三菱化成食品社製)250gを入れて攪拌溶解後、
市販の小麦粉(日本製粉製:強力粉)10kgを加えて5
℃で攪拌した。30分放置後、溶出する成分を含有する
上澄み液を取り除き、沈澱物を得た。この沈澱物に対し
て上記抽出処理を更に3回繰り返して行った。
糖脂肪酸エステル(HLB14〜15、OWA−157
0 三菱化成食品社製)250gを入れて攪拌溶解後、
市販の小麦粉(日本製粉製:強力粉)10kgを加えて5
℃で攪拌した。30分放置後、溶出する成分を含有する
上澄み液を取り除き、沈澱物を得た。この沈澱物に対し
て上記抽出処理を更に3回繰り返して行った。
【0052】以上から得られた沈澱物に、水30l を加
えて、5℃で攪拌して水洗を行った。30分放置後、溶
出する成分を含有する上澄み液を取り除き、沈澱物を得
た。この沈澱物に対して、上記水洗処理を3回繰り返
し、遠心分離(3,000rpm)後沈澱物を得た。
えて、5℃で攪拌して水洗を行った。30分放置後、溶
出する成分を含有する上澄み液を取り除き、沈澱物を得
た。この沈澱物に対して、上記水洗処理を3回繰り返
し、遠心分離(3,000rpm)後沈澱物を得た。
【0053】得られた沈澱物は真空乾燥し、石臼式粉砕
機にて30メッシュ以下に粉砕し、アレルゲン低減化小
麦6を9kg得た。このアレルゲン低減化小麦6を小麦ア
レルギー患者の皮内反応で検査したところ陰性であっ
た。又、得られたアレルゲン低減化小麦6のタンパク質
画分を、電気泳動法によって測定したところ、分子量3
万以下のタンパク質画分の量は250μg/ml、分子量5
万〜7万のタンパク質画分の量は100μg/mlであっ
た。
機にて30メッシュ以下に粉砕し、アレルゲン低減化小
麦6を9kg得た。このアレルゲン低減化小麦6を小麦ア
レルギー患者の皮内反応で検査したところ陰性であっ
た。又、得られたアレルゲン低減化小麦6のタンパク質
画分を、電気泳動法によって測定したところ、分子量3
万以下のタンパク質画分の量は250μg/ml、分子量5
万〜7万のタンパク質画分の量は100μg/mlであっ
た。
【0054】実施例7 ショ糖脂肪酸エステル250gを使用する代わりに、1
M NaCl溶液50kgに、5M NaOH溶液を滴下
してpH9.0に調製した水溶液に、亜硫酸ナトリウム
250gを加えた以外は、実施例6と同様にしてアレル
ゲン低減化小麦7を製造した。
M NaCl溶液50kgに、5M NaOH溶液を滴下
してpH9.0に調製した水溶液に、亜硫酸ナトリウム
250gを加えた以外は、実施例6と同様にしてアレル
ゲン低減化小麦7を製造した。
【0055】得られたアレルゲン低減化小麦7につい
て、小麦アレルギー患者の皮内反応で検査したところ陰
性であった。又、得られたアレルゲン低減化小麦6のタ
ンパク質画分を、電気泳動法によって測定したところ、
分子量3万以下のタンパク質画分の量は100μg/ml、
分子量5万〜7万のタンパク質画分の量は30μg/mlで
あった。
て、小麦アレルギー患者の皮内反応で検査したところ陰
性であった。又、得られたアレルゲン低減化小麦6のタ
ンパク質画分を、電気泳動法によって測定したところ、
分子量3万以下のタンパク質画分の量は100μg/ml、
分子量5万〜7万のタンパク質画分の量は30μg/mlで
あった。
【0056】実施例8 小麦粉として強力粉に換えて薄力粉(日本製粉社製)と
した以外は、実施例6と同様にしてアレルゲン低減化小
麦8を製造した。又、得られたアレルゲン低減化小麦7
について、小麦アレルギー患者の皮内反応で検査したと
ころ陰性であった。
した以外は、実施例6と同様にしてアレルゲン低減化小
麦8を製造した。又、得られたアレルゲン低減化小麦7
について、小麦アレルギー患者の皮内反応で検査したと
ころ陰性であった。
【0057】実施例9 実施例6で得られたアレルゲン低減化小麦6を1.5k
g、実施例8で得られたアレルゲン低減化小麦8を3k
g、食塩90g及び水2.65kgを用いて、製麺機に
てうどんを製造した。こうして得られたうどんを小麦ア
レルギー患者10名に1日2食づつ(1食分は250
g)14日間摂取させたところ、摂取させたことによる
発症は認められなかった。
g、実施例8で得られたアレルゲン低減化小麦8を3k
g、食塩90g及び水2.65kgを用いて、製麺機に
てうどんを製造した。こうして得られたうどんを小麦ア
レルギー患者10名に1日2食づつ(1食分は250
g)14日間摂取させたところ、摂取させたことによる
発症は認められなかった。
【0058】表1〜表12において、血清No.1〜7
は小麦アレルギー患者の血清であり、No.8〜10は
コントロール(健常人)の血清である。表13において
は、No.1〜7は小麦アレルギー患者であり、No.
8〜10はコントロール(健常人)である。
は小麦アレルギー患者の血清であり、No.8〜10は
コントロール(健常人)の血清である。表13において
は、No.1〜7は小麦アレルギー患者であり、No.
8〜10はコントロール(健常人)である。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】
【表9】
【0068】
【表10】
【0069】
【表11】
【0070】
【表12】
【0071】
【表13】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 一憲 東京都荒川区東尾久七丁目2番35号 旭 電化工業株式会社内 (72)発明者 杉山 宏 東京都荒川区東尾久七丁目2番35号 旭 電化工業株式会社内 (72)発明者 河野 博繁 東京都荒川区東尾久七丁目2番35号 旭 電化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−167040(JP,A) Agricultural Biol ogical Chemistry (1991)Vol.55,No.2,p. 509−513 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/10 A23L 1/015 BIOSIS(DIALOG)
Claims (1)
- 【請求項1】小麦を、HLB13以上のショ糖脂肪酸エ
ステル、グリセリン重合度が10以下でかつ脂肪酸結合
数が3以下のポリグリセリン脂肪酸エステル及び酵素処
理レシチンからなる群から選ばれる界面活性作用を有す
る物質を含有する界面活性作用を有する塩水溶液、アル
カリ性である塩水溶液又は還元作用を有する塩水溶液か
ら選ばれる1種又は2種以上の塩水溶液で処理し、溶出
する成分を除去することを特徴とするアレルゲン低減化
小麦の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3266392A JP3064565B2 (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | アレルゲン低減化小麦の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3266392A JP3064565B2 (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | アレルゲン低減化小麦の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05103612A JPH05103612A (ja) | 1993-04-27 |
| JP3064565B2 true JP3064565B2 (ja) | 2000-07-12 |
Family
ID=17430300
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3266392A Expired - Fee Related JP3064565B2 (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | アレルゲン低減化小麦の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3064565B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4507231B2 (ja) * | 2002-09-25 | 2010-07-21 | 株式会社バイオス医科学研究所 | 植物性抗糖尿病成分の抽出分離方法 |
-
1991
- 1991-10-15 JP JP3266392A patent/JP3064565B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| Agricultural Biological Chemistry(1991)Vol.55,No.2,p.509−513 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05103612A (ja) | 1993-04-27 |
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