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JP3064566B2 - アレルゲン低減化小麦調製品の製造方法 - Google Patents
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JP3064566B2 - アレルゲン低減化小麦調製品の製造方法 - Google Patents

アレルゲン低減化小麦調製品の製造方法

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JP3064566B2
JP3064566B2 JP3266393A JP26639391A JP3064566B2 JP 3064566 B2 JP3064566 B2 JP 3064566B2 JP 3266393 A JP3266393 A JP 3266393A JP 26639391 A JP26639391 A JP 26639391A JP 3064566 B2 JP3064566 B2 JP 3064566B2
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宏 杉山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アレルゲン低減化小麦
調製品の製造方法に関する。詳しくは、小麦に対してア
レルギー反応を起こす患者が、食料として用いることが
できるアレルゲン低減化小麦調製品の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】日常欠かすことの出来ない食物の摂取
が、時として生体に異常な反応を引き起こすことがあ
る。この中で、食物中の物質が抗原として認識され、一
連の免疫学的機序により、喘息、湿疹などの症状を呈す
る病態を食物アレルギーと呼んでいる。
【0003】食物アレルギー患者は、推定で人口の約1
%弱いるとみられており、特に小児においては、気管支
喘息、アトピー性皮膚炎等の原因として食物アレルギー
の発症頻度も高い。食物アレルギーは、一般に、牛乳、
卵、大豆等の蛋白性食物が原因になることが多いといわ
れているが、近年では、米や小麦等の穀物によるアレル
ギーが増加している(例えば、荒井綜一他、小児内科、
第22巻、415〜(1990))。
【0004】食物アレルギー患者の治療法としては、薬
物による対症療法の他、アレルギーの原因となる食物を
制限、あるいは摂取させない方法が試みられているが、
食物を制限することは、生命の維持、発育にも支障をき
たしかねない。そこで、アレルギーを起こす成分のみを
除去し、他の栄養成分は損なわないような食品を摂取さ
せる方法が研究されている。
【0005】近年、食物アレルギーを引き起こす成分
(アレルゲン)について研究が進み、穀物の場合は、塩
水溶液可溶画分であるグロブリン画分にアレルゲンが存
在することがわかった。米のアレルゲンについては、例
えば、JOURNAL OF FOOD SCIENC
E、Vol55、No.3、781〜783(199
0)に記載されているが、小麦を米と同様に扱うことは
できなかった。
【0006】そこで、本発明らは、アレルゲンを低減化
した小麦、その製造方法、即ち、適当な塩の水溶液と小
麦とを混合攪拌し、その後、塩の水溶液可溶部分を適当
な方法で分離除去する方法、およびそれを含む加工食品
について、特願平2−99562号を出願した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特願平2−99562
号では、小麦からアレルゲンを除去するために、適当な
塩水溶液と小麦とを混合攪拌した後、塩水溶液に可溶な
成分をデカンテーション、遠心分離等により分離除去し
ている。しかしながら、デカンテーションで固液を分離
するには、固形物の沈降に多大の時間がかかり、又、固
液の分離が不十分なため、小麦のアレルゲンの抽出度が
低下する。
【0008】又、バッチタイプの遠心分離機で700
G、10分以上行って固液分離した場合には、小麦の粘
性が増し、その後の作業性に支障をきたす等の問題があ
った。したがって、本発明の目的は、アレルゲンの除去
度を高め、しかも容易な除去方法を提供することによ
り、小麦によりアレルギー反応を起こす重症患者が、食
料とすることができる極めて有効なアレルゲン低減化小
麦調製品を、容易に製造することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討した結果、小麦に塩水溶液を加えて、
塩水溶液に可溶な成分と、該溶液不溶のアレルゲン低減
化小麦画分を、連続式固液分離機により、上記小麦画
分の分離機内滞留時間が10分を越えない条件下で分離
して、塩水溶液に可溶な成分を除去することにより、上
記課題点を解決できることを見いだした。
【0010】即ち、本発明は、小麦に充分量(3〜20
倍量)の下記塩水溶液を加え、室温以下、好ましくは1
0℃以下の温度にて、1分〜8時間、好ましくは、10
分〜1時間攪拌した後、連続式固液分離機を用いて、塩
の水溶液に不溶なタンパク質や多糖画分等の塩水溶液不
溶小麦画分と、溶出する塩水溶液に可溶な成分を分離し
て、該塩水溶液に可溶な成分除去することにより、アレ
ルゲン低減化処理した小麦を得るものである。
【0011】本発明において使用される連続式固液分離
機は、遠心力として少なくとも700G以上の能力を有
する機械が望ましく、より望ましくは1500G以上の
遠心力を有する機械である。本発明において、連続式固
液分離機による処理は、分離された液体の上清における
懸濁物質が2.0mg/ml以下になるまで行うことが好ま
しい。懸濁物質の測定は、日本工業規格(JIS)の工
場排水試験方法(JIS K 0102−1986)の
方法に従った。
【0012】又、本発明において、塩水溶液不溶小麦画
分が、連続式固液分離機のローター内に、滞留する時間
も重要である。塩水溶液不溶小麦画分の滞留時間が、1
0分を越えるとグルテンと小麦澱粉とが分離するように
なり、又、グルテン同士が結合し、この結合したグルテ
ンが粘性を持つようになるためである。したがって、本
発明において使用される連続式固液分離機は、塩水溶液
不溶小麦画分の遠心機内滞留時間が、10分を越えない
ものが望ましく、さらには5分以内であるものが望まし
い。
【0013】さらに又、本発明において使用される連続
式固液分離機は、液体部分と分離された固形物が連続的
に排出される機構を持つことが好ましい。以上から、本
発明において使用される連続式固液分離機は、上記の条
件を満たすものであれば機種は制限されないが、デカン
タ型の連続式固液分離機がさらに望ましい。
【0014】本発明に使用する小麦原料としては、挽砕
前の小麦や、強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、小
麦グルテンなどの市販小麦粉がそのまま使用できるが、
この他、上記小麦粉の混合物、及び上記小麦粉を少なく
とも50%以上含有する混合物であれば使用できる。本
発明において使用される塩水溶液としては、ナトリウ
ム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の塩化物、
硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩等の水
溶液が挙げられ、これらの塩の水溶液を少なくとも50
%以上含有する水溶液であり、好ましくは、塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウ
ム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸水
素ナトリウム等の水溶液が挙げられ、塩化ナトリウム水
溶液が最も好ましい。
【0015】上記塩水溶液のHは5〜10の範囲であ
れば、そのまま使用することができ、この範囲外の場合
は、酸又はアルカリ溶液を用いて、上記範囲内に調整し
て使用すればよい。塩の濃度は、塩の種類によらず、
0.02〜3Mが好ましく、さらには0.2〜2Mが好
ましい。塩濃度が0.02Mを下回ると、アレルゲンの
除去効率が極端に低下する。一方、3Mを上回ると、か
えって除去効率が落ち、又、排水に多量の塩が混入する
ことになり、排水処理が困難になる。
【0016】尚、塩水溶液には、界面活性剤及び還元剤
などを必要により含ませることができる。以上から得ら
れた本発明のアレルゲン低減化小麦調製品は、分子量3
万以下の蛋白質、さらには、分子量5万〜7万の蛋白質
を除去もしくは低減化してなるものである。
【0017】具体的には、該アレルゲン低減化小麦調製
品1gに1M NaCl溶液10mlを加えて30分間室
温で攪拌した場合に、その上清中に含まれる分子量3万
以下の蛋白質濃度が500μg/ml以下、好ましくは2
00μg/ml以下、さらに好ましくは50μg/ml以下
となるものであることが好ましい。さらに、前記の上清
中に含まれる分子量5万〜7万の蛋白質濃度が、100
μg/ml以下、好ましくは80μg/ml以下、さらに好
ましくは60μg/ml以下となるものであることが好ま
しい。
【0018】以上から得られた本発明のアレルゲン低減
化小麦調製品は、用途によって、そのまま利用するか、
あるいは乾燥し、粉末化あるいは粒状にして用いる。乾
燥方法は、食品の乾燥に用いられる方法であればどのよ
うな方法でもよく、例えば、噴霧、真空、熱風、凍結、
天日、電磁波、あるいはこれらを組み合わせた乾燥方法
等が挙げられる。
【0019】粉末化あるいは粒状化方法も通常の方法を
用いればよく、例えば、ロール式、臼杵式、衝撃式等の
方法が挙げられる。本発明により得られたアレルゲン低
減化小麦調製品は、パン、ビスケット、クラッカー、ク
ッキー等のベイカリー製品や焼き菓子製品、ケーキ等の
洋生菓子、うどん、中華麺、パスタ、そば等の麺製品、
調理用製品、その他市販の小麦粉と全く同様の用途に使
用することができ、加工食品原料として制約されるもの
は無い。
【0020】驚くべきことに、本発明により製造された
アレルゲン低減化小麦調製品を使用したパンは、食感が
よくボリュームがあった。又、うどんの場合は、腰があ
り、ツルツルしたうどんができた。
【0021】
【実施例】小麦粉(日本製粉株式会社製、製品名イーグ
ル)10kgに、50l の500mM NaCl溶液を加
え、1時間、8℃にて攪拌した後、デカンタ型の連続遠
心機を用いて、分離された液体の上清における懸濁物質
が2.0mg/ml以下になるまで固液分離して(条件、回
転数:3000G、相対回転差:20rpm.)、塩水溶液
不溶小麦画分を得た。
【0022】得られた塩水溶液不溶小麦画分に、40l
の500mM NaCl溶液を加え、1時間、8℃にて
攪拌後、再度デカンタ型の連続遠心機(同上)を用いて
固液分離した。さらに、この操作を3回繰り返した。又
さらに、得られた固形物は、40l の水道水を加え、1
時間、8℃にて攪拌後、再度デカンタ型の連続遠心機
(同上)を用いて固液分離し、脱塩した。
【0023】以上から得られた脱塩小麦画分14Kg
は、真空乾燥機を用いて乾燥して、アレルゲン低減化小
麦調製品約7Kgを得た。得られたアレルゲン低減化小麦
調製品の10gに、50mlの1M NaCl溶液を加
え、1時間室温下で攪拌後、遠心分離(1000G×1
0分)して得られたアレルゲン低減化小麦調製品の塩水
溶液可溶画分の蛋白量を測定したところ、0.06mg/m
l であった。
【0024】得られたアレルゲン低減化小麦調製品を用
いて、小麦アレルギー患者に下記の皮内反応で検査した
ところ陰性であった。又、小麦アレルギー患者7名に、
上記アレルゲン低減化小麦調製品を用いて製造したうど
んを1日2食、14日間摂取させたところ、特に摂取さ
せたことに起因する発症は認められなかった。 (皮内反応による検査方法)小麦アレルギー患者を腹臥
位にして、片腕の全体をアルコール綿で消毒し、自然乾
燥後、抗原液及びコントロールを1滴づつ滴下した。
【0025】抗原液としては、得られたアレルゲン低減
化小麦調製品10gに50mlの1MNaCl溶液を加
え、1時間室温下て攪拌後、遠心分離(1000G×1
0分)して得られた上清を使用した。又、コントロール
としては、50%グリセリンを含む1M NaCl溶液
とした。消毒した針を、滴下した抗原液の上から斜めの
方向に皮フ内に突き刺し、20分間後に膨疹とその回り
の発赤の有無を判定した。判定は Sheldon J.M., らの
方法(A manual of clinical Allergy 159 W.B.Saunders
Company Philadelphiaand London,1967)に準じて、コ
ントロールに同じ場合は陰性(−)、発赤が認められる
が直径21mm以下の場合 (+) 、21mm以上の発赤があ
るが膨疹は無い場合 (++) 、発赤、膨疹の両方が認め
られる場合は (+++)とした。
【0026】
【発明の効果】本発明は、アレルゲンの除去度を高め、
しかも、市販の小麦粉等から容易に製造することができ
るので、小麦等の穀類アレルギー患者にとり、多大の利
益をもたらすものである。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 隆 東京都荒川区東尾久七丁目2番35号 旭 電化工業株式会社内 (72)発明者 杉山 宏 東京都荒川区東尾久七丁目2番35号 旭 電化工業株式会社内 (72)発明者 河野 博繁 東京都荒川区東尾久七丁目2番35号 旭 電化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−167040(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/10 A23L 1/015 BIOSIS(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】小麦に塩水溶液を加えて、塩水溶液に可溶
    な成分と、該溶液不溶のアレルゲン低減化小麦画分と
    を、連続式固液分離機により、上記小麦画分の分離機内
    滞留時間が10分を越えない条件下で分離して、塩水溶
    液に可溶な成分を除去することを特徴とするアレルゲン
    低減化小麦調製品の製造方法。
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