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JP3099443B2 - 歯車のバックラッシ調整用シム選択方法 - Google Patents
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JP3099443B2 - 歯車のバックラッシ調整用シム選択方法 - Google Patents

歯車のバックラッシ調整用シム選択方法

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JP3099443B2
JP3099443B2 JP03210216A JP21021691A JP3099443B2 JP 3099443 B2 JP3099443 B2 JP 3099443B2 JP 03210216 A JP03210216 A JP 03210216A JP 21021691 A JP21021691 A JP 21021691A JP 3099443 B2 JP3099443 B2 JP 3099443B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歯車のバックラッシ調整
用のシムを選択する方法に関するものであり、特に、バ
ックラッシを小さく抑えることができるシム選択方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】互に噛み合う2個の歯車の間にはバック
ラッシが必要であるが、バックラッシの大きさは、歯と
歯とがぶつかる衝突音の発生,歯車の破損,作動遅れ等
の原因になり、歯車装置の良否を左右する。そのため、
バックラッシを測定し、適切な大きさに調整することが
行われている。この調整は、2個の歯車をそれぞれ支持
する軸の各軸線間の距離をシムを用いて調整することに
より行われる。シムの厚さを変えて2本の軸線間の距離
を変えればバックラッシの大きさを変えることができる
のであり、従来から厚目のマスタシムを用いて歯車と歯
車とを噛み合わせた状態でバックラッシを測定し、その
測定結果に基づいて適正な大きさのバックラッシが得ら
れる厚さの正規シムを選択することが行われている。歯
車のバックラッシは歯車の製造誤差や組付け誤差等によ
って変わり、互に噛み合う2個の歯車の複数の噛合位置
においてそれぞれバックラッシを測定すれば、各位置の
バックラッシ値が異なるのが普通である。これら複数の
バックラッシ値の大きさおよびそのばらつきは、図14
に4組の歯車を例に取って示すように歯車によって異な
る。ただし、図14のグラフはバックラッシのばらつき
が歯車の偏心誤差によって生じる場合を想定し、かつ測
定誤差は存在しないと仮定して描いたものであり、実際
にはバックラッシのばらつきは偏心誤差以外の原因によ
っても生じ、測定誤差も存在するため、測定値は必ずし
も図14のようにはならない。
【0003】上記のようにバックラッシ値は歯車毎に異
なり、また一つの歯車についても噛合位置によって異な
るため、種類が同じである複数組の歯車についてそれぞ
れバックラッシを測定するとともに、歯車毎にバックラ
ッシの平均値を求め、図15に示すように、その平均値
がほぼ一定の値となるように正規シムを選択していた。
バックラッシの測定値には、歯車の製造誤差,測定誤差
等が含まれるが、それら誤差がバックラッシが小さくな
る方向に最大限に生じても、複数組の歯車のいずれにつ
いてもバックラッシ値が負にならない誤差の範囲(図1
5にL1 で示す)を設定し、歯車のバックラッシの平均
値がその値L1 となる厚さの正規シムが選択されていた
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに正規シムを選択すれば、バックラッシ値のばらつき
が小さい歯車についてもバックラッシが相当大きくなっ
てしまう問題があった。図15に示すように、バックラ
ッシ値のばらつきが小さい歯車の場合には、バックラッ
シが小さくなる方向への誤差の範囲を、最小のバックラ
ッシ測定値と平均値との差より僅かに大きい範囲L2
設定すれば、誤差が最大限に生じても最小のバックラッ
シ値が負にならないのに対し、誤差の範囲はバックラッ
シ値のばらつきが大きい歯車に合わせて設定されている
ため、その差(L1 −L2 )だけ無駄なバックラッシが
生じ、歯の衝突音や作動遅れ等が発生することとなるの
である。本発明は、バックラッシのばらつきが小さい歯
車のバックラッシを小さく抑えることができるシム選択
方法を提供することを課題として為されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本願の請求項1の発明に係るシム選択方法は、
(a)2個の歯車の各軸間の距離がマスタシムにより調
整された状態でそれら歯車のバックラッシの大きさを複
数の噛合位置において測定する測定工程と、(b)その
測定工程において測定された複数のバックラッシ値から
バックラッシ最小値を求め、そのバックラッシ最小値が
予め定められた一定値となる正規シムを選択する正規シ
ム選択工程とを含むように構成される。なお、ここにお
いて「一定値」は、複数組の歯車に共通に定められた固
定の値である。また、「バックラッシ最小値」は、本
来、1組の歯車について測定された複数のバックラッシ
値に基づいて推定される文字通り最小のバックラッシの
値であるが、測定によって得られた複数のバックラッシ
値のうち最も小さいものをバックラッシ最小値と見做し
て使用してもよい。また、請求項2の発明は、特に、動
的アンバランスを有する第1軸と一体的に回転する第1
歯車と、第1軸と平行に配設された第2軸と一体的に回
転可能に設けられて第1歯車と噛み合わされる第2歯車
とのバックラッシを調整するシムを選択する方法に適用
されるものであって、(c)第1軸と第1歯車とを、第
1歯車の歯面の偏心方向と第1軸の前記動的アンバラン
スが最大である方向とが第1軸の軸線に対して互いに逆
向きとなる状態に組み立てる工程と、(d)第1軸と第
2軸とを、それら両軸の軸間距離がマスタシムにより調
整されて第1歯車と第2歯車とが噛み合う状態とする工
程と、(e)その両歯車が噛み合う状態で、第1歯車と
第2歯車とのバックラッシの大きさを、第1歯車の、前
記歯面の偏心方向に対応する位置と、前記動的アンバラ
ンスが最大である方向に対応する位置とを含む予め定め
られた複数の位置において、それぞれ測定する測定工程
と、(f)その測定工程において得られた複数のバック
ラッシ値のうちの最小値が予め定められた一定値とな
る正規シムを選択する正規シム選択工程とを含むことを
特徴とする。
【0006】
【作用】請求項1に係る発明に従って、バックラッシ最
小値が予め定められた一定値となるように正規シムを選
択すれば、歯車のバックラッシ値がばらつく範囲は、図
13に示すように、その一定値と、その一定値にバック
ラッシのばらつきの大きさを加えた値との間となり、バ
ックラッシのばらつきが小さい歯車についてはバックラ
ッシの最大値が小さく、ばらつきが大きい歯車について
はバックラッシの最大値が大きくなる。各歯車のバック
ラッシを他の歯車のバックラッシのばらつきによって左
右されることなく設定することができるのであり、一定
値は、各歯車毎の製造誤差,組付誤差等を考慮すること
なく、測定装置の測定誤差を考慮して設定すればよいこ
ととなる。また、請求項2の発明においては、動的アン
バランスを有する第1軸が、その動的アンバラスによ
り、軸受内で遠心力が作用する方向に偏った状態で回転
することによるバックラッシの変動をも考慮して、請求
項1に係る発明が実施される。第1歯車の歯面が偏心し
ており、その偏心量が大きい場合に、第1軸に動的アン
バランスがなければ、歯面の偏心方向に対応する部分の
バックラッシが最小となり、反対側の部分のバックラッ
シが最大になるのが普通である。そこで、請求項2の発
明においては、第1軸と第1歯車とが、第1歯車の歯面
の偏心方向と第1軸の前記動的アンバランスが最大であ
る方向とが第1軸の軸線に対して互いに逆向きとなる状
態に組み立てられる。このようにすれば、第1軸の回転
時に、第1軸が遠心力により軸受内において第1歯車の
偏心方向とは反対の方向に偏った状態で回転することに
より、歯面の偏心の影響を減殺することができるのであ
る。そして、請求項1の発明を実施するに当たって、こ
の事実を考慮して「バックラッシ最小値の予め定められ
た一定値」が設定されるため、実際に第1軸および第2
軸が回転する際におけるバックラッシが、適切に抑えら
れられる(過小にならない範囲で、可及的に小さくされ
る)こととなる。
【0007】
【発明の効果】このように請求項1に係る発明のシム選
択方法によれば、バックラッシのばらつきが小さい歯車
についてはバックラッシを小さく抑えることができ、歯
の衝突音等の小さい良好な歯車装置を得ることができ
る。また、請求項2に係る発明のシム選択方法によれ
ば、第1軸が動的アンバランスを有し、軸受内で遠心力
の方向に偏って回転する場合に、請求項1に係る発明の
効果を良好に享受することができる。
【0008】
【実施例】以下、エンジンのクランクシャフト,バラン
スシャフトおよびそれらに設けられた歯車を含む歯車装
置におけるバックラッシを調整するシムを選択する場合
を例に取り、図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】図2において10はクランクシャフトであ
る。クランクシャフト10は、4個のクランクピン1
2,5個のクランクジャーナル14および4組のバラン
スウェイト16を有し、クランクジャーナル14におい
てブロック18により回転可能に支持されている。な
お、ブロック18は概略の形状が二点鎖線で示されてい
る。このクランクシャフト10には歯車20が一体的に
取り付けられ、第一バランスシャフト24に取り付けら
れた歯車26と噛み合わされている。第一バランスシャ
フト24は、ブロック18上に正規シム27を介して取
り付けられたフレーム28(概略の形状のみが二点鎖線
で示されている)によりクランクシャフト10の軸線と
平行な軸線まわりに回転可能に支持されており、図3に
示すように、歯車26はクランクシャフト10の歯車2
0の他、第二バランスシャフト30の歯車32に噛み合
わされている。歯車26と歯車32とは歯幅が異なり、
歯車32はクランクシャフト10の歯車20とは軸線方
向においてずれた位置において歯車26に噛み合わされ
ており、歯車32と20とは噛み合わない。
【0010】また、第一,第二バランスシャフト24,
30にはそれぞれ、ウェイト33,35が取り付けられ
ている。これら第一,第二バランスシャフト24,30
は、エンジン作動時に生ずる二次振動を除去するための
ものであり、それぞれ軸部においてフレーム28に取り
付けられた軸受により回転可能に支持されている。歯車
20,32は、その製造誤差や第一,第二バランスシャ
フト24,30の製造誤差,組付誤差等によりそれらの
歯面が第一,第二バランスシャフト24,30の軸線か
ら僅かに偏心しており、ウェイト33,35は、歯面が
軸線に最も近い位置において第一,第二バランスシャフ
ト24,30の軸部に取り付けられている。
【0011】クランクシャフト10が第一歯車としての
歯車20を有する第一軸として機能し、第一バランスシ
ャフト24が第二歯車としての歯車26を有する第二軸
として機能し、ブロック18およびフレーム28が歯車
装置本体34を構成しており、ブロック18によりクラ
ンクシャフト10を支持して成るクランクシャフトアッ
センブリ37と、フレーム28により第一,第二バラン
スシャフト24,30を支持して成るバランスシャフト
アッセンブリ38とが正規シム27を介して組み付けら
れて歯車装置36を構成しているのである。
【0012】上記クランクシャフトアッセンブリ37と
バランスシャフトアッセンブリ38との組付けは、専用
の組付けシステムによって行われる。この組付けシステ
ムには、図4に示すように、両アッセンブリ37,38
をマスタシムを用いて組み付けるマスタシム組付けゾー
ン39と、マスタシムを用いて組み付けられて成る歯車
装置36の歯車20,26のバックラッシを測定する第
一バックラッシ測定ゾーン40と、両アッセンブリ3
7,38をマスタシムに代えて正規シム27を用いて組
み付ける正規シム組付けゾーン42と、正規シムを用い
て組み付けられた歯車装置36の歯車20,26のバッ
クラッシを測定する第二バックラッシ測定ゾーン44と
を有する。第一,第二のバックラッシ測定ゾーン40,
44にはそれぞれ、バックラッシ測定装置46が設けら
れるとともに、その測定結果に基づいてデータ処理およ
びバックラッシ測定装置46の制御を行う第一および第
二のデータ処理コントローラ48,50が設けられてい
る。これらデータ処理コントローラ48,50とはシリ
アル回線52によって接続され、データの送信,受信が
行われるようにされている。
【0013】バックラッシ測定装置46について説明す
る。測定装置46には、図5に示すように歯車装置36
を支持する支持装置としての支持台54が設けられてい
る。歯車装置36は、図示しない搬送装置により、クラ
ンクシャフト10および第一バランスシャフト24の軸
線が搬送方向(図5において左右方向)と平行となる姿
勢で搬送され、支持台54上に搬入される。搬入後、支
持台54が上昇させられ、位置決め治具により歯車装置
36を位置決めするとともに搬送装置から持ち上げる。
【0014】測定装置46は、装置本体(図示省略)に
昇降可能に設けられた昇降台56を有している。昇降台
56は、図示しないエアシリンダによって昇降させられ
るようになっており、その下面には回転駆動装置58お
よび固定装置60が取り付けられている。回転駆動装置
58のフレーム62は、昇降台56の下面に固定された
一対のガイドレール64(図には一つのみ示されてい
る)に摺動可能に嵌合されており、駆動シリンダ66に
よってクランクシャフト10の軸線と平行な方向に移動
させられ、支持台54に支持されたクランクシャフト1
0に接近,離間させられる。フレーム62には回転駆動
モータ68が取り付けられており、その出力軸にはオル
ダム継手70を介して係合部材72が取り付けられ、ク
ランクシャフト10の一端部と相対回転不能に係合する
ようにされている。回転駆動モータ68はACサーボモ
ータであり、エンコーダ71によりその回転位置が検出
される。また、検出装置73によって係合部材72とク
ランクシャフト10との係合が検出される。固定装置6
0のフレーム74は、昇降台56の下面に固定のガイド
レール76に摺動可能に嵌合され、図示しない移動装置
によりクランクシャフト10の軸線と平行な方向に移動
させられる。フレーム74にはクランパ78が取り付け
られており、クランクシャフト10の他端部を回転不能
に把持する。
【0015】昇降台56の回転駆動装置58と固定装置
60との間の部分には、モーメント付与装置80および
角度検出装置82が設けられている。以下、これら装置
80,82を図6〜図8に基づいて詳細に説明する。ま
ず、モーメント付与装置80を説明する。昇降台56に
は、図6に示すように矩形の開口86が形成されるとと
もに、昇降台56の下面には支持板88が固定され、開
口86を塞いでいる。この支持板88には4本の支柱9
0が立設されるとともに、これら支柱90の端部に取付
板92が固定されている。取付板92上には押さえ用シ
リンダ94が下向きに固定され、そのピストンロッド9
6が取付板92を貫通するとともに、突出端部に押さえ
板98が軸方向に相対移動不能に固定され、ピストンロ
ッド96の伸縮により昇降させられるようになってい
る。押さえ板98上には2本のガイドピン100が立設
されるとともに取付板92に軸方向に摺動可能に嵌合さ
れ、押さえ板98の昇降を案内する。また、押さえ板9
8の、支持台54に支持された歯車装置36の第一バラ
ンスシャフト24の軸線と平行な方向に隔たった2箇所
にはそれぞれ押さえ用ボルト102が下向きに螺合され
ている。なお、取付板92の押さえ用ボルト102と対
応する位置には貫通穴104が形成され、押さえ板98
が昇降させられるとき、押さえ用ボルト102と取付板
92とが干渉しないようにされている。
【0016】支持板88には、一対の座110が上記一
対の押さえ用ボルト102と同心に固定されている。座
110には上下方向に貫通する貫通穴112が形成さ
れ、その貫通穴112の上部側は上方ほど径が増大する
テーパ穴114とされている。これら座110の貫通穴
112にはそれぞれ、ロッド116が半径方向に隙間を
有して嵌合されている。ロッド116の上端部には係合
ブロック118が取り付けられ、その係合ブロック11
8の下部はテーパ穴114に対応するテーパ部120と
されている。これらロッド116の下端部には、取付板
124が固定されており、取付板124の下面には3個
の押さえ部材126(図には2個のみ示されている)が
固定され、歯車装置36のフレーム28に当接すること
によってブロック18を支持台54に押し付け、固定す
るようにされている。また、押さえ部材126の下面に
は係合突起128が設けられており、第一,第二バラン
スシャフト24,30を支持するフレーム28に食い込
むようにされている。
【0017】ロッド116にはまた、昇降板130が軸
受132を介して軸方向に相対移動可能に嵌合されてい
る。昇降板130は、ロッド116に嵌合されたスリー
ブ134との間に配設されたスプリング136により、
取付板124から離間する向きに付勢されている。昇降
板130の一対のロッド116の間の部分の下面には一
対の係合部材140(図には一つのみ示されている)が
固定され、取付板124上に固定された昇降用シリンダ
144のピストンロッド146が係合させられている。
係合部材140は有底円筒部材が一直線に沿って2分割
されたものであり、底部と昇降板130との間に形成さ
れた円形の隙間に、ピストンロッド146の突出端部に
固定された円形の係合板148が軸方向に隙間を残して
抜け出し不能に嵌められているのであり、ピストンロッ
ド146の伸縮により昇降板130が昇降させられる。
また、昇降板130上には当接ブロック152が上方に
延び出す向きに固定され、前記支持板88に下向きに設
けられたピン154に当接するようにされている。
【0018】昇降板130の第一バランスシャフト24
の軸線と平行な方向に隔たった両端部の一方には、支持
板158が固定されている。この支持板158の上記軸
線と直交する方向の両端部にはそれぞれ、図3に示すよ
うに取付板160,162が固定されるとともに、それ
ぞれ2本ずつの連結ロッド164,166が上記軸線に
平行な方向に距離を隔てて下方に延び出す向きに固定さ
れている。これら2本ずつの連結ロッド164,166
の下端部はそれぞれ、連結板168,170によって連
結されている。これら支持板158,取付板160,1
62,連結ロッド164,166および連結板168,
170は、昇降板130の昇降に伴って昇降させられ、
昇降板130と共に昇降部材を構成し、昇降用シリンダ
144が昇降駆動装置を構成している。
【0019】上記連結板168,170の上には揺動部
材としての揺動板174が載置されており、その両端
は、平面視において第一バランスシャフト24の軸線か
ら両側に延び出させられている。連結板168,170
上にはそれぞれ、円錐形の位置決めピン176が1個ず
つ設けられ、揺動板174に形成された位置決め穴17
8に嵌入して揺動板174を位置決めするようにされて
いる。また、揺動板174上には、その長手方向に隔た
った両端部にそれぞれ円錐形の位置決めピン182が設
けられている。
【0020】この揺動板174の中央には、チャック1
90が取り付けられている。チャック190は第一バラ
ンスシャフト24の軸線と平行な軸線まわりに回動可能
に取り付けられた一対のアーム192を有し、それらア
ーム192の上端部にはそれぞれ一対ずつのリンク19
4,196が回転可能に取り付けられるとともに、リン
ク194,196の他端部が回転可能に連結されてい
る。揺動板174上には、チャック開閉用シリンダ20
0が上向きに固定され、そのピストンロッド202の先
端部に係合させられたブロック204にリンク194,
196の他端部が回動可能に連結されており、ピストン
ロッド202の伸縮により、アーム192が回動させら
れ、アーム192の下端部に取り付けられた把持爪20
6が開閉させられて第一バランスシャフト24を把持,
解放する。リンク194,196はトグル機構を構成し
ており、チャック開閉用シリンダ200の比較的小さい
作動によって把持爪206が第一バランスシャフト24
を強く把持する。
【0021】208はブロック204上に突設された係
合ピンであり、支持板158に固定の規制板210に設
けられた貫通穴212内に嵌入させられている。係合ピ
ン208は基端部が円柱状を成し、先端部がテーパ状を
成し、チャック190が第一バランスシャフト24を把
持しない状態では、ピストンロッド202が伸長端位置
にあり、係合ピン208は基端部まで貫通穴212に嵌
入してチャック190のがたつきを防止する。チャック
190が第一バランスシャフト24を把持する際には、
ピストンロッド202が収縮させられるのに伴って係合
ピン208の先端部が貫通穴212に嵌入する状態とな
り、貫通穴212との間の隙間によりチャック190の
揺動を許容する状態となる。
【0022】前記取付板160,162上にはそれぞ
れ、昇降用シリンダ220,222が下向きに固定され
るとともに、そのピストンロッド224,226の下端
部にはおもり228,230が軸方向に相対移動可能に
吊り下げられている。おもり228,230は同じ構成
であり、おもり228について代表的に説明する。
【0023】おもり228は、ピストンロッド224に
係合させられる第一部232と、その第一部232にピ
ン234によって連結され、揺動板174上に位置決め
され、載置される第二部236とから成る。第一部23
2には、軸方向に貫通する貫通孔238が形成されてい
る。貫通孔238は段付状を成すとともに、小径孔部2
40と大径孔部242との間にはテーパ孔部244が形
成されており、ピストンロッド224は貫通孔238に
軸方向に相対移動可能に嵌合されるとともに、その下端
部に設けられたテーパ部246がテーパ孔部244に係
合しておもり228を吊り下げる。また、第二部236
には、その下面に開口する円錐状の位置決め穴248が
形成されている。これらおもり228,230は、ピス
トンロッド224,226が収縮させられた状態では揺
動板174から離間し、ピストンロッド224,226
によって吊り下げられた状態にあり、ピストンロッド2
24,226が伸長させられれば、位置決めピン182
に嵌合して位置決めされる。ピストンロッド224,2
26がその状態から更に伸長させられれば、テーパ部2
46がテーパ孔部244から離れておもり228,23
0が位置決めピン182を介して揺動板174によって
支持される状態となる。昇降用シリンダ220,22
2,おもり228,230が負荷装置を構成しているの
である。
【0024】次に角度検出装置82について説明する。
角度検出装置82は、図6に示すように、昇降板130
の第一バランスシャフト24の軸線と平行な方向におい
てモーメント付与装置80とは反対側に設けられてい
る。角度検出装置82は、図8に示すように、モーメン
ト付与装置80と同様に、昇降板130に固定された支
持板250,支持板250に固定の取付板252,25
4,それら取付板252,254にそれぞれ下方に延び
出す向きに取り付けられた2本ずつの連結ロッド25
6,258およびそれら連結ロッド256,258の下
端部を連結する連結板260,262を含み、昇降板1
30の昇降と共に昇降する昇降部材を有している。
【0025】連結板260,262上には揺動板264
が載置されるとともに、チャック270が設けられてい
る。チャック270はモーメント付与装置80のチャッ
ク190と同様に、一対のアーム272および一対ずつ
のリンク274,276を有する。これらリンク27
4,276の他端部は、揺動板264上に固定されたチ
ャック開閉用シリンダ278のピストンロッド280に
係合させられたブロック282に回動可能に連結されて
おり、ピストンロッド280の伸縮によりアーム272
が回動させられ、その下端部にそれぞれ取り付けられた
把持爪284が開閉させられて第一バランスシャフト2
4の他端部を把持,解放する。また、ブロック282上
には係合ピン286が立設され、支持板250に固定の
規定板288に設けられた貫通穴290に嵌入させられ
ており、チャック270のがたつきを防止するようにさ
れている。
【0026】揺動板264の昇降板130側の部分に
は、図6に示すように検出体300が立設されている。
検出体300は揺動板264から上方に延び出させられ
た後、昇降板130側に曲げられて成り、昇降板130
の検出体300に、第一バランスシャフト24の軸線と
直交する方向において対向する位置にマグネスケール3
04が取り付けられている。マグネスケール304の測
定子306は図示しない付勢手段により付勢され、検出
体300に当接させられており、揺動板264が揺動す
るとき検出体300に追従して移動し、それにより検出
体300の位置が検出される。
【0027】次にバックラッシの測定および正規シム2
7の選択について説明する。まず、マスタシム組付けゾ
ーン39において、クランクシャフトアッセンブリ37
とバランスシャフトアッセンブリ38とがマスタシムを
用いて組み付けられる。この組付けは作業者により行わ
れ、クランクシャフト10と第一バランスシャフト24
との回転位相が、エンジン作動時の二次振動を除去する
位相となるように組み付けられる。組付け後、歯車装置
36は図示しない搬送装置により第一バックラッシ測定
ゾーン40へ搬送され、バックラッシが測定される。こ
の測定は、図11に示すように、クランクシャフト10
の上死点から一方向へ設定角度ずつ回転した4個の噛合
位置A,C,B,Dにおいて行われる(以下、測定位置
A,C,B,Dと称する)。多気筒のエンジンの場合、
クランクピン12が複数あり、クランクシャフト10の
上死点はそれらクランクピン12のうちの一つについて
エンジンのシリンダのピストンが上死点に位置する位相
である。本実施例において4個の測定位置A,C,B,
Dのうち、Cは歯車26の歯面が第一バランスシャフト
24の軸線に最も近い位置、Dは最も遠い位置、Aおよ
びBはCとDとの中間の位置に設定されている。
【0028】バックラッシの測定は次のように行われ
る。非測定時には、昇降台56は上昇端位置にあり、回
転駆動装置58,固定装置60,モーメント付与装置8
0および角度検出装置82は支持台54の上方に位置す
るとともに、回転駆動装置58および固定装置60はそ
れぞれ支持台54から最も離れた後退端位置にある。ま
た、ロッド116の係合ブロック118のテーパ部12
0がテーパ穴114に係合し、モーメント付与装置80
および角度検出装置82が昇降台56に吊り下げられて
おり、それら装置80,82のチャック190,270
は開いた状態にある。
【0029】そして、歯車装置36が搬入され、支持台
54が所定の測定位置まで上昇させられて歯車装置36
が支持台54上に位置決めされれば、昇降台56が下降
端まで下降させられる。この昇降台56の下降に伴って
押さえ部材126が下降し、歯車装置36のフレーム2
8に当接する。昇降台56は押さえ部材126がフレー
ム28に当接した後も更に小距離下降させられるのであ
るが、この下降は、ロッド116と昇降台56とが相対
移動することにより許容され、昇降台56が下降端まで
下降させられた状態では、係合ブロック118がテーパ
穴114から離脱し、ロッド116が昇降台56から分
離された状態となる。
【0030】また、昇降台56の下降時には、スプリン
グ136を介して取付板124に支持されている昇降板
130も共に下降する。そして、上記押さえ部材126
のフレーム128への当接により取付板124が停止し
た後はピン154と当接ブロック152との当接により
スプリング136を圧縮しつつ下降し、取付板124の
停止位置とは無関係に昇降台56の下降端位置に基づい
て決まる位置まで下降させられる。この間、モーメント
付与装置80および角度検出装置82のチャック19
0,270がそれぞれ第一バランスシャフト24の端部
を両側から挟む状態で下降し、昇降板130の下降が停
止したとき、チャック190,270の軸線が第一バラ
ンスシャフト24の軸線より僅かに下になる。昇降台5
6が下降端まで下降した後、押さえ用シリンダ94によ
り押さえ板98が下降させられ、押さえ用ボルト102
がロッド116を下方に押し、押さえ部材126の下面
に突設された係合突起128がフレーム28の上面に食
い込まされるとともに、押さえ部材126によりフレー
ム28およびブロック18が支持台54に押さえ付けら
れる。
【0031】昇降台56が下降端まで下降した状態では
さらに、回転駆動装置58および固定装置60の係合部
材72およびクランパ78の軸線がクランクシャフト1
0の軸線とほぼ一致する状態となる。そして、まず、駆
動シリンダ66のピストンロッドがクランクシャフト1
0に向かって伸長させられ、係合部材72がクランクシ
ャフト10の一端部に係合し、検出装置73により係合
状態が確認された後、回転駆動モータ68が回転させら
れ、クランクシャフト10および第一バランスシャフト
24が回転させられて、エンコーダ71の回転検出信号
に基づいて歯車20,26がバックラッシ測定位置Aに
回転させられる。係合部材72はオルダム継手70を介
して回転駆動モータ68に取り付けられているため、回
転駆動モータ68の回転軸線とクランクシャフト10の
軸線とにずれがあっても、クランクシャフト10は支障
なく回転させられる。回転後、クランパ78が前進させ
られてクランクシャフト10の他端部を把持し、クラン
クシャフト10をバックラッシ測定位置Aに固定する。
【0032】このように昇降台56が下降させられ、ク
ランクシャフト10および第一バランスシャフト24が
バックラッシ測定位置Aに回転させられるとともに、フ
レーム28およびブロック18が押さえ部材126によ
り押さえられたならば、チャック190,270が閉じ
られ、第一バランスシャフト24の両端部をそれぞれ把
持する。前述のように、チャック190,270の軸線
は第一バランスシャフト24の軸線より僅かに下になっ
ているため、チャック190,270が閉じたときそれ
らが僅かに上昇し、揺動板174,264がそれぞれ連
結板168,170,260,262から僅かに浮き上
がった状態となる。ただし、チャック190,270が
取り付けられた揺動板174,264は一般に僅かに傾
き、それぞれその長手方向の両端部のいずれか一方が連
結板168あるいは170,連結板260あるいは26
2に支持された状態となる。そして、この状態から昇降
板130が昇降用シリンダ144によって下降させら
れ、連結板168,170,260,262が下降させ
られて揺動板174,264が十分な角度揺動可能な状
態とされるとともに、第一バランスシャフト24の両端
部にそれぞれ、揺動板174,264,チャック19
0,270,チャック開閉用シリンダ200,278等
の重さが下向きに加えられることとなる。
【0033】次いで、2個のおもり228,230のう
ち、まず、おもり228が下降させられて揺動板174
上に載置され、第一バランスシャフト24に図7におい
て時計方向の回転モーメントが作用させられる。それに
より第一バランスシャフト24が同方向に回動すれば、
第一バランスシャフト24の他端部に取り付けられた揺
動板264が揺動するとともに検出体300が揺動し、
その位置がマグネスケール304によって測定される。
この測定後、おもり228が上昇させられるとともに、
他方のおもり230が下降させられて揺動板264に支
持され、第一バランスシャフト24に反時計方向の回転
モーメントが作用させられる。この場合には揺動板26
4が逆向きに揺動し、その際の検出体300の位置がマ
グネスケール304によって測定され、このように第一
バランスシャフト24に正逆両方向の回転モーメントが
加えられたときの検出体300の位置の変化に基づいて
バックラッシが算出される。
【0034】バックラッシBLは図9に示す部分であ
り、(1)式で表される。
【数1】 ただし、 MGSD:第一バランスシャフト24に正方向の回転モ
ーメントが加えられたときに歯と歯とが当接する際の検
出体300の位置と、逆方向の回転モーメントが加えら
れたときに歯と歯とが当接する際の検出体300の位置
との間の距離 B:歯車26のピッチ円の直径 LARM:第一バランスシャフト24の軸線とマグネス
ケール304の測定子306の中心との距離 第一バランスシャフト24がバックラッシBL分回転す
るときの回転角度をθとすれば、バックラッシBLはB
L=(B/2)・θ、距離MGSDはMGSD=LAR
M・θで表され、これらの式から上記式が得られる。B
およびLARMは予めわかっている値であり、また、M
GSDはマグネスケール304の測定によって得られる
値であって、これらB,LARM,MGSDからバック
ラッシBLを求めることができる。
【0035】このようにしてバックラッシBLが測定さ
れたならば、昇降板130が上昇させられ、揺動板17
4,264の揺動可能角度がそれぞれ連結板168,1
70,260,262により小さく制限された後、チャ
ック190,270による第一バランスシャフト24の
把持が解かれて揺動板174,264が連結板168,
170,260,262等によって支持された状態とな
る。この状態でクランパ78によるクランクシャフト1
0の把持が解かれ、クランクシャフト10および第一バ
ランスシャフト24が回転させられて歯車20,26が
次のバックラッシ測定位置Cに回転させられて再びバッ
クラッシが測定される。
【0036】測定位置A,B,C,Dの全部においてバ
ックラッシが測定されたならば、それら測定値は第一デ
ータ処理コントローラ48に送られ、正規シム27の選
択が行われる。実際のバックラッシ測定値には歯車26
の偏心誤差のみならず、他の製造誤差や組付誤差、さら
にはバックラッシ測定誤差も含まれているが、一般に、
偏心量が大きいほど測定点A,BとC,Dとにおけるバ
ックラッシ値の差が大きくなる。したがって、本実施例
の組付システムにおいては、その差が5以上であるか否
かによって偏心量が大きいか小さいかを判断し、シムの
選択方法が変えられるようになっている。
【0037】第一データ処理コントローラ48では、ま
ず、歯車26の偏心量が大きいか否かの判定が行われ
る。今、測定位置A,C,B,Dにおいて得られたバッ
クラッシ値がそれぞれ100,110,100,90で
あるとすれば、測定位置A,BとC,Dとにおけるバッ
クラッシ値の差は5以上であり、偏心量が大きい。した
がって、偏心量が大きい場合のシム選択が行われる。
【0038】この正規シムの選択を図10に基づいて説
明する。クランクシャフトアッセンブリ37とバランス
シャフトアッセンブリ38とがマスタシムを用いて組み
付けられた場合の歯車20,26のバックラッシBL
は、B・MGSD/2・LARMであるが、マスタシム
は厚目に設定されていてバックラッシは大きく、正規シ
ム27を用いて組み付ける場合に縮めるべきバックラッ
シ量SHBLは(2)式で表される。
【数2】 ただし、 BLP:測定位置A,C,B,Dの各バックラッシ値の
うちの最小値 BLO:目標バックラッシ値 BLS:バックラッシの狙い値 BLSH:正規シム27を用いて組み付けた場合のバッ
クラッシ測定量からの変更分(狙い値のシフト量) BLiN:ライン補正量
【0039】4個の測定値のうちの最小値について目標
バックラッシ値BLOが定められ、その差が求められる
のであり、目標バックラッシ値BLOはバックラッシの
狙い値BLSを補正値BLSH,BLiNにより補正し
て求められる。バックラッシの狙い値BLSは、測定装
置46の測定誤差に基づいて設定される。測定装置46
の測定誤差は、予め調べることができ、ここでは±25
μであるとする。そして、バックラッシの狙い値BLS
は、測定誤差が最大限に生じても歯車20,26の非回
転時の最小のバックラッシ値が−5μとなる大きさに設
定される。
【0040】前述のように、第一バランスシャフト24
のウェイト33は、歯車26の歯面が第一バランスシャ
フト24の軸線に最も近い位置に取り付けられており、
また、第一バランスシャフト24を支持する軸受は滑り
軸受であって、第一バランスシャフト24と軸受との間
には半径方向の隙間がある。そのため、クランクシャフ
ト10および第一バランスシャフト24が互に噛み合わ
された状態で回転させられるとき、第一バランスシャフ
ト24は軸受内をウェイト33の遠心力が作用する方向
に移動し、歯車26の歯面が第一バランスシャフト24
の軸線に最も近く、バックラッシが最大になるはずの位
置において第一バランスシャフト24が軸受内をクラン
クシャフト10に接近する向きに移動し、バックラッシ
が小さくなる。
【0041】逆に、歯車26の歯面が第一バランスシャ
フト24の軸線から最も遠く、バックラッシが最小にな
るはずの位置において、ウェイト33により生ずる遠心
力によって第一バランスシャフト24が軸受内をクラン
クシャフト10から離れる向きに移動し、バックラッシ
が大きくなる。したがって、バックラッシが最小となる
噛合位置のバックラッシが非回転時に負になるように設
定しても、回転時に実際に負にならないようにすること
ができる。
【0042】特に、歯車の偏心量が大きい場合には、測
定誤差の存在下においても歯面が軸線から最も遠い位置
を明瞭に知ることができ、かつ、バックラッシが最大と
なる位置におけるバックラッシが相当大きくなって振
動,騒音が大きくなり、バックラッシを小さくする必要
性が高い。したがって、歯車の偏心量が大きい場合に
は、測定誤差±25μに対して、バックラッシの狙い値
BLSが20μに設定され、それにより図1に実線で示
すように、誤差が最大限に生じたとき、最小バックラッ
シ値は−5μになるが、実際にはウェイト33の遠心力
による第一バランスシャフト24の軸受内移動によって
+5μとなる。
【0043】上記の目標バックラッシ値BLOを達成す
るために縮めるべき、クランクシャフト10と第一バラ
ンスシャフト24との各軸間の距離SHDは(3)式で
表される。
【数3】 ただし、 k:バックラッシ常数
【0044】そして、マスタシムを用いて組み付けた場
合のクランクシャフト10と第一バランスシャフト24
との各軸線間の距離DISは(4)式で表される。
【数4】 ただし、 P0 :マスタシムを用いて組み付けた場合のクランクシ
ャフト10と第一バランスシャフト24との各軸線の垂
直距離 Q:クランクシャフト10と第一バランスシャフト24
との各軸線の水平距離
【0045】さらに、正規シム27を用いて組み付けた
場合のクランクシャフト10と第一バランスシャフト2
4との各軸線間の垂直距離Pは(5)式で表される。
【数5】 そして、最適な正規シム27の厚さTは(6)式で求め
られる。
【数6】 ただし、 TMS:マスタシムの厚さ この正規シム27の厚さTに基づいて正規シム27のシ
ム番号Noが(7)式によって求められる。
【数7】 ただし、 T0 :最小シムの厚さ Tcs:第二データ処理コントローラ50からフィード
バックされるシム厚さの補正値 DT:1段階のシム番号に対応するシムの厚さ なお、この(7)式によって求められたシム番号値に少
数点以下の値が含まれる場合には四捨五入され、整数値
とされる。
【0046】第一データ処理コントローラ48は、上記
のように正規シム27を選択するとともに、その選択し
た正規シム27を用いてクランクシャフトアッセンブリ
37とバランスシャフトアッセンブリ38とを組み付け
た場合の歯車20,26のバックラッシの予想値を算出
し、これら選択した正規シム27の番号およびバックラ
ッシ予測値が第二バックラッシ測定ゾーン44の第二デ
ータ処理コントローラ50に送信される。
【0047】次に、歯車装置36は正規シム組付けゾー
ン42に送られ、マスタシムが取り外されるとともに正
規シム27を用いて組み付けられ、組付け後、第二バッ
クラッシ測定ゾーン44に送られ、バックラッシが測定
される。この測定もマスタシムを用いて組み付けた場合
のバックラッシの測定と同様に、クランクシャフト10
の上死点から一方向に設定角度ずつ回転した4個所の測
定位置A〜Dにおいて行われる。マスタシムを用いて組
み付けた場合のバックラッシの測定値と、正規シム27
を用いて組み付けた場合のバックラッシの予測値と、実
測値との関係を図12に示す。測定値はバックラッシ測
定装置46から第二データ処理コントローラ50に送ら
れ、測定値と第一データ処理コントローラ48から送ら
れた予測値とが誤差の範囲(±25μ)内にあるか否か
が判定される。
【0048】測定値と予測値との差が誤差の範囲内にあ
れば、正規シム27の選択が適正であったと判断される
が、その範囲から外れていれば、正規シム27の選択に
誤りがあったか、あるいは第一バックラッシ測定ゾーン
40のバックラッシ測定装置46の零点にずれがある
等、何らかの異常が生じていると考えられる。また、4
個の測定値が誤差の範囲内の値であるが、比較的大きい
場合には、正規シム27の厚さを更に薄くしてバックラ
ッシを小さく抑えることが可能である。そのため、測定
値と予測値との外れや、バックラッシのばらつきの大き
さに基づいて正規シム27の厚さを変えるべく、その補
正値Tcsが算出され、第一データ処理コントローラ4
8にフィードバックされる。それにより、次に正規シム
27が選択される歯車装置36の歯車20,26のバッ
クラッシの測定時には、選択される正規シムが変わり、
バックラッシ値はより小さい値とされる。
【0049】なお、補正値Tcsを算出して正規シム2
7の厚さを変えても、測定値と予測値との外れが修正さ
れない場合には、第一,第二バックラッシ測定ゾーン4
0,44のバックラッシ測定装置46の異常等、正規シ
ム27の選択変更によっては解決されない事態が生じて
いることを意味し、その場合には、第一データ処理コン
トローラ48において何らかの基準(例えば設定回連続
して補正値Tcsが変更された)を設けて異常を検出
し、作業者に知らせるようにすればよい。
【0050】以上、歯車26の偏心量が大きい場合の正
規シム27の選択について説明したが、測定位置A,B
とC,Dとの測定値の差が5より小さく、歯車26の偏
心量が小さい場合には、バックラッシの狙い値BLSは
最小のバックラッシ値が非回転時にも負にならない値
(測定誤差が±25μの場合には30μ)に設定され
る。偏心量が小さい場合には、ウェイト33が取り付け
られている位置とは反対側のバックラッシ値を負に設定
すれば、第一バランスシャフト24の移動により、その
位置のバックラッシ値が実際に負になることはないが、
ウェイト33の取り付けられている位置のバックラッシ
値が第一バランスシャフト24のクランクシャフト10
側への移動により実際に負になって歯車が破損する恐れ
があるからである。また、偏心量が小さい場合には、歯
車26の歯面が第一バランスシャフト24の軸線から最
も遠い位置を明瞭に知ることが困難である上、歯車26
の全回転位置においてバックラッシを小さくすることが
できるため、その上、無理にバックラッシを小さくする
必要性も乏しいためである。
【0051】このように本実施例のシム選択方法によれ
ば、複数の測定点においてそれぞれ得られたバックラッ
シ値のうちの最小値が測定誤差に基づいて設定される一
定値(20μあるいは30μ)になるように正規シム2
7が選択される。そのため、ばらつきが小さい歯車につ
いて無駄にバックラッシが大きくされることがなく、振
動,騒音の少ない歯車装置36が得られることとなる。
従来は、図1に二点鎖線で示すように、誤差の範囲が歯
車の製造誤差,測定誤差,バックラッシの測定位置誤差
を含めて±40μに設定され、最小のバックラッシ値が
負にならないように正規シムが選択されていたため、バ
ックラッシのばらつきが小さい歯車についてもバックラ
ッシが大きくなっていたのに対し、バックラッシを極め
て小さく抑えることができるのである。
【0052】また、本実施例においては、バックラッシ
の測定位置がウェイト33の取付位置を考慮して特定の
4箇所に設定されており、マスタシムを用いて組み付け
た場合と正規シム27を用いて組み付けた場合とに測定
位置に違いによる誤差が生ぜず、正規シムの選択時にこ
の誤差を考慮する必要がなく、バックラッシを小さく抑
えることができる。
【0053】さらに、本実施例においては、ウェイト3
3が歯車26の歯面が第一バランスシャフト24の軸線
に最も近い位置に取り付けられ、ウェイト33により生
ずる遠心力によって歯車26の歯面が軸線から最も遠い
位置において歯車26が歯車20から離れるようにされ
るとともに、最小のバックラッシ値が負になるように正
規シムが選択されるようになっており、その分、バック
ラッシの最大値が小さく抑えられ、騒音が少ない歯車装
置36が得られる。
【0054】さらにまた、本実施例においては、正規シ
ム27を用いて組み付けた場合に得られるバックラッシ
の予想値と測定値とが比較され、正規シム27の選択用
に補正値Tcsが算出されてフィードバックされるよう
になっており、よりバックラッシを小さく抑えることが
できる正規シムを選択することができる。
【0055】以上、本発明の一実施例を詳細に説明した
が、これは文字通り例示であり、特許請求の範囲を逸脱
することなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改
良を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるシム選択方法により選
択された正規シムを用いて測定されたバックラッシを、
従来の選択方法により選択されたシムを用いて測定され
たバックラッシと共に示すグラフである。
【図2】上記本発明の一実施例であるシム選択方法によ
り正規シムが選択される歯車装置を概略的に示す正面図
である。
【図3】上記歯車装置を概略的に示す側面図である。
【図4】上記シム選択方法が実施されるシム組付システ
ムを概略的に示す図である。
【図5】上記シム組付システムに設けられたバックラッ
シ測定装置を示す正面図である。
【図6】上記バックラッシ測定装置の要部を拡大して示
す正面図である。
【図7】上記バックラッシ測定装置のモーメント付与装
置を示す正面図(一部断面)である。
【図8】上記バックラッシ測定装置の角度検出装置を示
す正面図である。
【図9】上記バックラッシ測定装置によるバックラッシ
の算出を説明する図である。
【図10】上記シム選択方法による正規シムの選択を説
明する図である。
【図11】上記バックラッシ測定装置によるバックラッ
シ測定位置を示す図である。
【図12】上記シム選択方法において歯車装置がマスタ
シムを用いて構成された場合のバックラッシ値と、正規
シムを用いて構成された場合のバックラッシ値の予測値
と実測値との関係を示す図である。
【図13】本発明の効果を説明するためのグラフであ
る。
【図14】複数の歯車についてそれぞれ得られるバック
ラッシを示すグラフである。
【図15】従来のシム選択方法を説明する図である。
【符号の説明】
10 クランクシャフト 20 歯車 24 第一バランスシャフト 26 歯車 27 正規シム 36 歯車装置 46 バックラッシ測定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 良治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 成沢 克也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 熊沢 匡 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−72939(JP,A) 特開 昭54−1530(JP,A) 特開 平4−232395(JP,A) 特開 昭62−62058(JP,A) 特開 昭51−13056(JP,A) 特開 平2−221839(JP,A) 特開 平1−165929(JP,A) 特開 昭63−180767(JP,A) 特開 平3−163327(JP,A) 特開 昭63−23044(JP,A) 特開 平2−217646(JP,A) 特開 昭60−109638(JP,A) 実開 昭64−36758(JP,U) 実開 平1−136756(JP,U) 実開 昭55−137737(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 57/12 F16F 15/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互に噛み合う2個の歯車のバックラッシ
    を調整するシムを選択する方法であって、 前記2個の歯車の各軸間の距離がマスタシムにより調整
    された状態でそれら歯車のバックラッシの大きさを複数
    の噛合位置において測定する測定工程と、 その測定工程において測定された複数のバックラッシ値
    からバックラッシ最小値を求め、そのバックラッシ最小
    値が予め定められた一定値となる正規シムを選択する正
    規シム選択工程とを含むことを特徴とするバックラッシ
    調整用シム選択方法。
  2. 【請求項2】 動的アンバランスを有する第1軸と一体
    的に回転する第1歯車と、第1軸と平行に配設された第
    2軸と一体的に回転可能に設けられて第1歯車と噛み合
    わされる第2歯車とのバックラッシを調整するシムを選
    択する方法であって、 前記第1軸と前記第1歯車とを、第1歯車の歯面の偏心
    方向と第1軸の前記動的アンバランスが最大である方向
    とが第1軸の軸線に対して互いに逆向きとなる状態に組
    み立てる工程と、 前記第1軸と前記第2軸とを、それら両軸の軸間距離が
    マスタシムにより調整されて前記第1歯車と前記第2歯
    車とが噛み合う状態とする工程と、 その両歯車が噛み合う状態で、第1歯車と第2歯車との
    バックラッシの大きさを、第1歯車の、前記歯面の偏心
    方向に対応する位置と、前記動的アンバランスが最大で
    ある方向に対応する位置とを含む予め定められた複数の
    位置において、それぞれ測定する測定工程と、 その測定工程において得られた複数のバックラッシ値の
    うちの最小値が予め定められた一定値となる正規シムを
    選択する正規シム選択工程とを含むことを特徴とするバ
    ックラッシ調整用シム選択方法。
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