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JP3431764B2 - 焦電型赤外線薄膜素子 - Google Patents
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JP3431764B2 - 焦電型赤外線薄膜素子 - Google Patents

焦電型赤外線薄膜素子

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JP3431764B2
JP3431764B2 JP16529596A JP16529596A JP3431764B2 JP 3431764 B2 JP3431764 B2 JP 3431764B2 JP 16529596 A JP16529596 A JP 16529596A JP 16529596 A JP16529596 A JP 16529596A JP 3431764 B2 JP3431764 B2 JP 3431764B2
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一隆 岡本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、焦電体薄膜と、
その上面および下面にそれぞれ設けられる上部電極およ
び下部電極とからなる赤外線検出部が表層部に凹部を有
する基板の前記凹部の上部に形成されている赤外線検出
用の焦電型赤外線薄膜素子に関する。
【0002】
【従来の技術】前記焦電型赤外線薄膜素子の一つに、特
開平7−55577号公報に示されるものがある。この
焦電型赤外線薄膜素子は、図8(A),(B)に示すよ
うに、基板51としてMgO(100)単結晶基板を用
い、その表層部に、下部電極52、焦電体薄膜53およ
び上部電極54をこの順で設け、基板51の表層部に形
成される微小空洞55より下部電極52を小さくするた
め、焦電体薄膜53および上、下電極54,52の重な
り合う赤外線検出部56を有機系支持膜57によって支
持している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の焦電型赤外
線薄膜素子においては、下部電極52、焦電体薄膜53
および上部電極54が互いに重なり合うところの赤外線
検出部56の下部に微小空洞55が形成されているの
で、基板51の熱容量が小さくなり、熱応答性に優れる
といった効果があるものの、次のような欠点がある。
【0004】すなわち、上記のように構成しても、赤外
線検出部56に赤外線が入射してその温度が上昇して
も、赤外線検出部56における熱が周囲に拡散し、感度
や高速応答性の点で改良の余地が残されていた。また、
前記図8(A)から理解されるように、下部電極52の
細い引出し部52aが赤外線検出部55と基板51との
間に赤外線検出部55を中心にして対称的に設けられて
おり、基板エッチング後の赤外線検出部55の強度を持
たせようとしているが、この引出し部52aはPtより
なる。
【0005】しかしながら、上記Ptは延性や展性が小
さく、また、その熱膨張率が有機系保持膜のそれと大き
な差があるため、機械的ストレスを受けて断線が生じや
すい。
【0006】この発明は、上述の事柄に留意してなされ
たもので、入射した赤外線による赤外線検出部における
熱をできるだけ外部に拡散させないようにすることによ
り、高感度、かつ高速応答性を有し、しかも、下部電極
と下部引出し電極との接続において可及的に機械的スト
レスの少ない構造を採用することにより、堅牢な焦電型
赤外線薄膜素子を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明では、焦電体薄膜と、その上面および下面
にそれぞれ設けられる上部電極および下部電極とからな
る赤外線検出部が表層部に凹部を有する基板の前記凹部
の上部に形成されてなる焦電型赤外線薄膜素子におい
て、前記凹部が前記赤外線検出部より大きく形成され、
この赤外線検出部を金属よりも小さい熱伝導率を有する
絶縁体薄膜のみによって前記基板に保持すると共に、前
記下部電極をPtで形成するとともに、この下部電極に
接続される下部引出し電極を金系材料より形成してい
る。
【0008】上記構成の焦電型赤外線薄膜素子において
は、赤外線検出部が基板に対して直接接触することがな
いのは勿論のこと、赤外線検出部を、金属よりも小さい
熱伝導率を有する絶縁体薄膜のみによって基板に保持し
ているので、赤外線検出部に赤外線が入射してその温度
が上昇した場合、その熱が基板方向に伝わりにくく、前
記赤外線の入射に伴う熱が赤外線検出部によって効率的
に吸収される。したがって、焦電型赤外線薄膜素子の感
度および応答性が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の詳細を、図を参
照しながら説明する。
【0010】図1〜図3は、この発明の焦電型赤外線薄
膜素子Sの一例を示し、図1は、焦電型赤外線薄膜素子
Sの平面形状を示す図であり、図2は、図1におけるI
−I線断面形状を拡大図とともに示す断面図であり、図
3は、焦電型赤外線薄膜素子Sの分解斜視図である。
【0011】図1〜図3において、1はMgO(酸化マ
グネシウム)よりなる単結晶基板で、2はこの基板1の
表層部にエッチングによって形成される微小な凹部であ
る。3は焦電体薄膜で、例えばPZT系強誘電体薄膜ま
たはPLZT強誘電体薄膜からなる。この焦電体薄膜3
の上下両面には、例えばPt(白金)よりなる上部電極
4と下部電極5とが互いに対応するように設けられてい
る。4aは上部電極4に形成されるエッチング用の複数
の孔、5aは下部電極5に形成された突起部である。な
お、矢印A方向に見て、両電極4,5および焦電体薄膜
3が互いに重なり合う部分を赤外線検出部6というもの
とする。
【0012】7は赤外線検出部6の受光電極としての上
部電極4の上面を被覆するように設けられる赤外線吸収
膜で、フォトリソグラフが可能な感光性有機薄膜にカー
ボンブラックのような赤外線吸収材料を適宜混入してな
るものである。8は赤外線検出部6の周辺に形成され、
赤外線検出部6を基板1に対して保持させる絶縁体薄膜
で、ポリイミド系樹脂薄膜のような有機絶縁体薄膜また
はSiO2 薄膜のような無機絶縁体薄膜よりなる。8a
は絶縁体薄膜8に開設されるエッチング用の孔で、上部
電極4の孔4aに対応して設けられるもののほか、赤外
線検出部6を囲むようにして設けられている。9,10
は上部電極4、下部電極5とそれぞれ接続される上部引
出し電極、下部引出し電極で、例えばAuよりなる。
【0013】上記焦電型赤外線薄膜素子Sの形成方法に
ついて、図4〜図7を参照しながら説明する。なお、図
5〜図7においては、それぞれ断面形状を概略的に示す
図と、平面形状を概略的に示す図を並列的に示してい
る。また、最終形状前の各部材に対応する部分を表す符
号には’(ダッシュ)を付している。
【0014】(1)適宜厚さ(例えば500μm)のM
gO(100)単結晶基板1を用意する(図4(A)参
照)。
【0015】(2)前記基板1の上面に、例えばスパッ
タリングによって、下部電極5’としてPtを0.2μ
mの厚みに成膜する(図4(B)参照)。
【0016】(3)前記下部電極5’の上面に、例えば
MOCVD法(有機金属化学気相成長法)によって、焦
電体薄膜3’としてPZT系強誘電体薄膜(またはPL
ZT強誘電体薄膜)を約2μmの厚みに成膜する(図4
(C)参照)。
【0017】(4)前記焦電体薄膜3’の上面に、スパ
ッタリングによって、上部電極4’としてPtを0.2
μmの厚みに成膜する(図4(D)および図5(A),
(B)参照)。
【0018】(5)前記上部電極4’にレジストを塗布
し、フォトリソグラフでレジストをパターニングする。
その後、エッチングにより上部電極4をパターニングし
た後、レジストを除去し、複数の孔4aを有する形状に
形成する(図5(C),(D)参照)。
【0019】(6)次いで、焦電体薄膜3’にレジスト
を塗布し、フォトリソグラフでレジストをパターニング
する。その後、エッチングにより焦電体薄膜3をパター
ニングした後、レジストを除去し、上部電極4の孔4a
に対応した位置に複数の孔を有する形状に形成する(図
5(E),(F)参照)。なお、この実施例では、焦電
体薄膜3は上部電極4よりもやや大径に形成されてい
る。
【0020】(7)次いで、下部電極5’にレジストを
塗布し、フォトリソグラフでレジストをパターニングす
る。その後、エッチングにより下部電極5’をパターニ
ングした後、レジストを除去し、下部電極5およびこれ
に連なる下部電極突起部5aを形成する(図6(A),
(B)参照)。なお、この実施例では、下部電極5は焦
電体薄膜3と同径に形成されているが、これよりやや大
径にしてもよい。
【0021】(8)赤外線検出部6周辺および基板1の
上面にわたって、金属より小さい熱伝導率を有する絶縁
体薄膜8を形成する(図6(C),(D)参照)。絶縁
体薄膜8は、有機絶縁体薄膜、無機絶縁体薄膜のいずれ
でもよく、有機絶縁体薄膜としてはポリイミド系樹脂薄
膜が、また、無機絶縁体薄膜としてはSiO2 薄膜が好
適である。そして、8aは上部電極4の孔4aに対応し
た位置および赤外線検出部6の外周に設けられる孔であ
る。
【0022】(9)例えばスパッタリングによってAu
よりなる上部電極引出し部9および下部引出し部10を
形成する(図6(E),(F)参照)。
【0023】(10)そして、例えばネガレジスト材料
のような感光性有機薄膜に3wt%程度のカーボンブラ
ックのような赤外線吸収材料を混入したものを、赤外線
検出部6の上部電極4の上面に適宜厚さ塗布した後、パ
ターニングすることにより、上部電極4の上面を赤外線
吸収膜7によって被覆する(図7(A),(B)参
照)。
【0024】絶縁体薄膜8の孔8aから所定濃度のリン
酸液をエッチング液として注入して、赤外線検出部6の
直下の基板1をエッチングにより除去し、凹部(微小空
洞)2を形成する(図7(C),(D)参照)。この場
合、凹部2は、赤外線検出部6よりも大きくなるように
形成されるが、赤外線検出部6の周囲および基板1の上
面にわたって絶縁体薄膜8が形成されているので、赤外
線検出部6は絶縁体薄膜8によって凹部2の上面に浮揚
した状態で保持される。つまり、図1〜図3および図7
(C),(D)に示すような焦電型赤外線薄膜素子Sが
得られる。
【0025】ところで、この実施例では、図1〜図3に
示すように、赤外線検出部6の周囲の絶縁体薄膜8に
は、複数の孔8aが形成されている。これらの孔8a
は、赤外線検出部6に赤外線が入射したとき赤外線検出
部6において生ずる熱が周囲に赤外線検出部6以外の部
分に伝わりにくくするとともに、前記MgO基板1のエ
ッチングを行う際、そのエッチング液を注入するのに利
用される。
【0026】上記構成の焦電型赤外線薄膜素子Sにおい
ては、赤外線検出部6は、絶縁体薄膜8によって基板1
に保持されているので、基板1やその表層部に形成され
ている凹部2表面に対して接触することがない。そし
て、赤外線検出部6を保持している絶縁体薄膜8は、金
属よりも小さい熱伝導率を有するので、赤外線検出部6
に赤外線が入射してその温度が上昇した場合、その熱が
基板1方向に伝わりにくく、赤外線の入射に伴う熱が赤
外線検出部6によって効率的に吸収される。したがっ
て、焦電型赤外線薄膜素子Sの感度および応答性が向上
する。
【0027】特に、絶縁体薄膜8の赤外線検出部6の周
囲に複数の孔8aを設けることにより、前記熱の伝搬は
より効果的に阻止される。また、この孔8aは基板1の
エッチング時におけるエッチング液注入孔として利用で
きるが、エッチングによる凹部2を良好に行うといった
観点からも、赤外線検出部6の周囲に複数の孔8aを均
等に設けるのがよい。また、この孔8aを赤外線検出部
6に設けてもよい。
【0028】ところで、下部電極5はPtよりなるが、
これに形成される引出し用突起部5aはかなり短く形成
され、図1および図2に示すように、その先端部がエッ
チングによって基板1に形成される凹部2を越えない程
度に形成されている。また、引出し用突起部5aに接続
される下部引出し電極10は、延性および展性に富むA
uまたは金合金などの金系材料より構成される。
【0029】そして、下部電極5と下部引出し電極10
の位置関係は、図2および図3から理解されるように、
下部電極5の上方に絶縁体薄膜8が位置し、この絶縁体
薄膜8の上方に下部引出し電極10が位置している。つ
まり、下部電極5に連なる引出し用突起部5aと下部引
出し電極10との間に絶縁体薄膜8が介在している。そ
こで、この実施例においては、図2および図3に示すよ
うに、引出し用突起部5aに対応するようにして絶縁体
薄膜8に形成された貫通孔8bを介して引出し用突起部
5aと下部引出し電極10とが電気的接続されるように
している。つまり、下部引出し電極10の形成時にAu
の一部が絶縁体薄膜8に形成された貫通孔8b上にも成
膜され、下部引出し電極10と引出し用突起部5aとを
電気的に接続するのである。
【0030】このように、下部電極5の引出し用突起部
5aが短く、この下部電極5aに接続される下部引出し
電極10が延性および展性に富む金系材料よりなるの
で、下部電極5の引出し構成を機械的ストレスの可及的
に小さいものとすることができる。したがって、堅牢な
焦電型赤外線薄膜素子Sを得ることができる。
【0031】なお、下部引出し電極10の構成材料は、
Auでもよいが、金を主体とする金合金であってもよ
い。
【0032】
【発明の効果】この発明は、以上のような形態で実施さ
れ、以下のような効果を奏する。
【0033】赤外線検出部に入射した赤外線に起因して
赤外線検出部において発生する熱が赤外線検出部外、特
に、基板側に伝搬するのを効果的に防止することがで
き、前記熱は赤外線検出部によって効率よく吸収され
る。したがって、焦電型赤外線薄膜素子の感度および応
答性が向上し、より優れた焦電型赤外線薄膜素子を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の焦電型赤外線薄膜素子の一例を示す
平面図である。
【図2】図1におけるI−I線断面形状図とその部分拡
大図である。
【図3】前記焦電型赤外線薄膜素子Sの分解斜視図であ
る。
【図4】図5〜図7とともに前記焦電型赤外線薄膜素子
の製造工程を示し、このうちの始めの部分を示してい
る。
【図5】図4に続く製造工程を示す図である。
【図6】図5に続く製造工程を示す図である。
【図7】図6に続く製造工程を示す図である。
【図8】従来技術を説明するための図で、(A)は平面
図、(B)は断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…凹部、3…焦電体薄膜、4…上部電極、
5…下部電極、5a…引出し用突起部、6…赤外線検出
部、7…赤外線吸収膜、8…絶縁体薄膜、8a…孔、1
0…下部引出し電極、S…焦電型赤外線薄膜素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 浩一 京都府京都市南区吉祥院宮の東町2番地 株式会社堀場製作所内 (56)参考文献 特開 平1−136035(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 1/00 - 1/60 G01J 5/00 - 5/62

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焦電体薄膜と、その上面および下面にそ
    れぞれ設けられる上部電極および下部電極とからなる赤
    外線検出部が表層部に凹部を有する基板の前記凹部の上
    部に形成されてなる焦電型赤外線薄膜素子において、前
    記凹部が前記赤外線検出部より大きく形成され、この赤
    外線検出部を金属よりも小さい熱伝導率を有する絶縁体
    薄膜のみによって前記基板に保持すると共に、前記下部
    電極をPtで形成するとともに、この下部電極に接続さ
    れる下部引出し電極を金系材料より形成したことを特徴
    とする焦電型赤外線薄膜素子。
  2. 【請求項2】 絶縁体薄膜が有機系樹脂材料よりなる請
    求項1に記載の焦電型赤外線薄膜素子。
  3. 【請求項3】 絶縁体薄膜の赤外線検出部の周辺に複数
    の孔を形成した請求項1または2に記載の焦電型赤外線
    薄膜素子。
  4. 【請求項4】 上部電極が赤外線吸収膜で被覆されてい
    請求項1〜3のいずれかに記載の焦電型赤外線薄膜素
    子。
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