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JP3595533B2 - 連続鋳造用鋳型 - Google Patents
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JP3595533B2 - 連続鋳造用鋳型 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁コイルを有する連続鋳造装置に関し、安定的に電磁力を鋳型内の溶融金属に印加し、長期にわたり良質の鋳片を得ることができる鋳型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溶融金属の連続鋳造技術において、溶融金属の湯面の安定化、連続鋳造した鋳片表面の平滑化、および鋳造速度の高速化を達成するために、鋳造時に電磁力を利用する技術が開発されており、特開昭52−32824号公報には、図14に示すように、鋳型31を包囲するように配置され、耐火物で絶縁された通電コイル35に交流電流を供給して、溶融金属32のメニスカス部を湾曲させ、パウダー34の流入を促すとともに、初期凝固における鋳型と鋳片との接触圧を軽減することにより、表面性状の向上を図ることが開示されている。しかしながら、電磁コイルによって付与される交流磁場により、鋳型を構成する冷却銅板に誘導電流が誘起され、その表面効果によって鋳型内の溶融金属に付与さるべき磁場が減衰することになる。
【0003】
電磁力を利用するこの技術における鋳型内での磁場の減衰を抑制し、電磁効果を更に向上させるために、特開平05−15949号公報には、図13に示すように内部水冷構造の金属製鋳型31と、この鋳型を周回して高周波電流を通す電磁コイル35とを備えた金属の連続鋳造装置であって、その鋳型31は、a)その上部に鋳造方向に延び、かつ鋳型の上端までは達しない複数のスリット36により分割された内部冷却可能な構造のセグメント部分37を有するか、あるいはb)鋳造方向に延びて鋳型の上端まで達する複数のスリット36により分割された内部冷却可能なセグメント37部分と、このセグメント部分を連結する複数の桁を有するものとし、電磁コイル35がセグメント部分を周回するように配置される連続鋳造装置が、開示されている。
【0004】
しかしながら、このようなスリットを設けた鋳型では、バックプレートなどで補強することができず剛性が劣るので、鋳型に熱変形が生じやすく、スラブなどの大断面を鋳造する鋳型には適用することが困難であった。これらの点を解決するために、特開2000−246397号公報では、図12に示すように、連続鋳造鋳型内の溶融金属のメニスカス初期凝固部付近の金属に前記鋳型壁に直角な方向に電磁力を印加させる溶融金属の連続鋳造装置において、前記鋳型31の外周面に交流電流を通電する電磁コイル35と、1対の第1の冷却銅板39とこの銅板と組み合わされる非磁性のステンレス鋼からなる第1のバックプレート41、および1対の第2の冷却銅板40と、この銅板と組み合わされる非磁性のステンレス鋼からなる第2のバックプレート42、および絶縁物46を含む複数の分割冷却部からなり、それぞれの前記第1の冷却銅板と前記第2の冷却銅板とは、鋳造面と反対側の面に少なくとも1つの溝を有し、それぞれの前記第1および第2のバックプレートで、前記第1および第2の冷却銅板の前記溝を有する面側を密閉固定することにより、前記溝は冷却通路43を形成し、前記第1の冷却銅板と前記第2の冷却銅板とは、絶縁物46を介して電気的に絶縁されており、前記第1のバックプレートと前記第2のバックプレートとは、電気的に互いに絶縁された状態で絶縁および締結されている鋳型とを備えることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開2000−246397号公報に開示された連続鋳造装置の鋳型では、電磁力のロスを低減できるとともに、鋳型の各辺の全長を単位として分割することによって、加工精度、組み立て精度を確保できるという利点がある。
【0006】
しかしながら、この鋳型は、冷却銅板を組み合わせた鋳型のコーナー部を拡大した水平断面の概略図である図11に示すように、冷却銅板を電気的に絶縁する絶縁物46は、その合わせ面48のみにしか配置されておらず、鋳型の繰り返し使用により合せ面が磨耗して生じた隙間に溶融金属が浸入したり、鋳造中の溶融金属のスプラッシュが鋳型壁のコーナー部近傍に付着するなどして、鋳型の冷却銅板やハックプレートの合わせ面、鋳型のコーナー部近傍において絶縁性が低下することは避けられない。この絶縁性が低下すると冷却銅板に誘導電流が流れ、磁場強度が減少する。したがって溶融金属に付与される電磁力も減少するという問題がある。
【0007】
本発明は、電磁コイルを有する溶融金属の連続鋳造装置において、鋳型の長期使用に際しても、鋳型の絶縁性を安定して確保し、長期にわたって良質な鋳片をうるための、連続鋳造用鋳型を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を要旨とするものである。
【0009】
(1)電磁コイルを有する連続鋳造装置において、連続鋳造鋳型の1対の第1冷却銅板が1対の第2の冷却銅板にはさまれ、前記第1の冷却銅板と組み合わされる1対の第1のバックプレートと、前記第2の冷却銅板と組み合わされる1対の第2のバックプレートとが、絶縁物を介して電気的に互いに絶縁され、前記第1の冷却銅板と前記第2の冷却銅板との合わせ面は、合わせ面の絶縁物を介して電気的に互いに絶縁されており、かつ前記1対の第1の冷却銅板が前記1対の第2の冷却銅板に挟まれて形成された鋳造面側のコーナー部から、前記第1の冷却銅板及び/又は前記第2の冷却銅板の鋳造面に沿って0超50mm以下の範囲の鋳造面に、コーナー部近傍の絶縁物が設置されていることを特徴とする連続鋳造鋳型。
【0010】
(2) 前記第1の冷却銅板と前記第2の冷却銅板の合わせ面において、前記第1の冷却銅板、前記第2の冷却銅板のいずれか一方又は双方に、前記合わせ面の絶縁物が配置されていることを特徴とする(1)記載の連続鋳造用鋳型。
【0011】
(3) 前記合わせ面の絶縁物と、前記コーナー部近傍の絶縁物が、電気絶縁性のセラミックプレート及び/又は溶射により形成された電気絶縁性のセラミックであることを特徴とする(1)又は(2)記載の連続鋳造用鋳型。
【0012】
(4)前記合わせ面の絶縁物と、前記コーナー部近傍の絶縁物がアルミナ系セラミックス及び/又は、ジルコニア系セラミックスであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の連続鋳造装置
【0013】
(5)前記コーナー部近傍の絶縁物が、アルミナ系セラミックスであり、前記合わせ面の絶縁物がジルコニア系セラミックスであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の連続鋳造鋳型
【0014】
(6)前記合わせ面の絶縁物が、マイカ板、セラミックスファイバー成形体、PTFEの1種又は2種以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の連続鋳造用鋳型。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を実施例の図面に従って詳細に説明する。図1は、本発明の連続鋳造用鋳型の組立概念を示す斜視図であり、図2は、このようにして組み立てられた本発明の装連続鋳造用鋳型の水平断面概略図である。図1、図2において、本発明の連続鋳造用鋳型は、第1の一対の対向する冷却銅板1,1(通常、鋳型の短辺側)と、これを挟んで対向する第2の冷却銅板2,2(通常、鋳型の長辺側)とから鋳型壁面が構成され、さらに、これらの冷却銅板の背面、すなわち冷却銅板の溶鋼と接する側と反対側の面、には第1の冷却銅板1,1と組み合わされてこれを支持する一対のバックプレート7、7と、第2の冷却銅板2,2と組み合われてこれを支持する第2のバックプレート8,8が設けられる。さらに、第1の冷却銅板とこれを挟んで配置される第2の冷却銅板との合わせ面12は、絶縁物により電気的に絶縁されると共に、バックプレート7,7とこれを挟むバックプレート8、8とは電気的に絶縁して締結されている。
【0016】
なお、バックプレートは、好適には非磁性のステンレス鋼で構成されており、バックプレート7とこれと組み合わされるバックプレート8とは間隙13をもっており、締結ボルト14により電気的に絶縁されて締結固定される。すなわち、締結ボルト14の頭部および軸部とバックプレート8の外面およびボルト穴の内面との間には、絶縁ワッシャー10および絶縁スリーブ11を介在させており、これにより電気的に絶縁されて締結固定され、これにより鋳型が形成される。
【0017】
尚、間隙13は鋳造中の鋳型の変形や、付着物による短絡防止のため、1〜5mm程度とすることが好ましい。
【0018】
このように構成された鋳型の外周には、鋳造時に鋳型内の溶融金属に交流磁場を与えるための交流電流を流すためのコイル9が設けられる。なお、本発明において、絶縁物とは、電気的に絶縁するものを言う。
【0019】
上述したように、第1の冷却銅板1とこれを挟んで配置される第2の冷却銅板2との合わせ面12には、合わせ面の絶縁物が設けられるが、この絶縁物は冷却銅板1および冷却銅板2のいずれか一方または双方の面に配置される。すなわち、図3〜図5は、図2に示した本発明の連続鋳造用鋳型のコーナー部近傍(図2のA部)を拡大した水平断面概略図である。図3に示す例においては、第1の冷却銅板1とこれを挟んで配置される第2の冷却銅板2の双方の合わせ面12に、合わせ面の絶縁物3及び4が設けられている。
【0020】
また、図6(a)〜図6(c)、図7(a)〜図7(c)は、図3〜図5と同様、図2に示した本発明の連続鋳造用鋳型のコーナー部近傍を拡大した水平断面概略図であるが、これらに示すように、この合わせ面の絶縁物3または4は、冷却銅板1および冷却銅板2のいずれかの板の面に配置しても良い。
【0021】
本発明の鋳型においては、上記のように、冷却銅板の合わせ面12に絶縁物を介在させることに加えて、冷却銅板の溶融金属と接触する面17(以下、鋳造面と記す。)のコーナー部近傍に絶縁物を設置する。すなわち、図3の鋳型においては、第1の冷却銅板1の鋳造面にコーナー部近傍の絶縁物5を設けている。図4に示す例においては、第2の冷却銅板2の鋳造面にコーナー部近傍の絶縁物6を設けている。さらに、図5に示す例においては、第1および第2の各冷却銅板の鋳造面にそれぞれコーナー部近傍の絶縁物5、6を設けている。
【0022】
また、図6(a)〜図6(c)、図7(a)〜図7(c)は、上述のように、冷却銅板の合わせ面12のいずれか一方の冷却銅板の面に合わせ面の絶縁物3又は4が設けられている場合における冷却銅板の鋳造面に配置したコーナー部近傍の絶縁物5又は6の設置状況を示したものである。
【0023】
すなわち、図6(a)〜(c)は、合わせ面の第1の冷却銅板1の面に合わせ面の絶縁物3が設けられており、さらに、図6(a)は、第1の冷却銅板1の鋳造面にコーナー部近傍の絶縁物5を、図6(b)は、第2の冷却銅板2の鋳造面にコーナー部近傍の絶縁物6を、図6(c)は第1および、第2の冷却銅板1,2の鋳造面にコーナー部近傍の絶縁物5,6を、それぞれ設けたものである。なお、短辺を移動させるタイプ(幅可変タイプ)の連続鋳造用鋳型の場合は、図6(a)のようにするのが好ましい。
【0024】
鋳造面のコーナー部近傍に配置するコーナー部近傍の絶縁物の溶融金属との接触部の長さ、すなわち、絶縁物の幅Wは、電気的な絶縁を広範囲に確保する点では、大きくする方が好ましいが、絶縁物は銅板に比べて一般的に熱伝導率の低いものが多いため、これを冷却銅板の鋳造面に設けることによる凝固への影響を勘案する必要がある。
【0025】
発明者らは、これを検討するために、実施例に示したように、内寸法が1500mm×250mm、高さが800mmのサイズの水冷構造の鋳型を20mm厚さの銅板により構成し、その背面に50mm厚さのステンレス製のバックプレートを配して図2のような鋳型を構成した。なお、合わせ面の絶縁物は、図4に示すように、第1の冷却銅板1の合わせ面には、ジルコニア系セラミックスを溶射し、厚さ0.5mm×幅20mm×高さ800mmの絶縁物3を形成し、電気的に絶縁した。
【0026】
一方、第2の冷却銅板2の合わせ面には、厚さ1mm×(幅20mm(合わせ面)+幅W(mm)(鋳造面のコーナー部近傍の絶縁物)×高さ200mmのアルミナプレートを4枚垂直方向に貼り付けて、全高さ800mmの絶縁物4、6を形成し、電気的に絶縁した。ここで、Wは、鋳造面のコーナー部近傍の絶縁物の幅であり、この幅を種々に変化させたが、合わせ面の幅とコーナー部近傍の絶縁物の幅とを併せた一体の幅としてアルミナプレートを作成し、冷却銅板に接着したものである。
【0027】
このように構成した本発明の鋳型を用いて、溶融金属としてのS45Cの溶鋼を鋳型に供給し、連続鋳造を行い、鋳型下端部におけるコーナー部のシェル厚をサルファープリントにより測定し、コーナー部凝固遅れ率=鋳型下端部でのコーナー部最小シェル厚さ(mm)/鋳型下端部でのコーナー部最大シェル厚さ(mm)×100(%)を求めた。これを、コーナー部近傍の絶縁物の幅W(mm)に対してプロットし、図9に示すような関係を得た。図9から判るように、絶縁物の溶鋼との接触長さ、すなわち絶縁物の幅が50mmを超えると、コーナー部の凝固遅れ率が大きくなり、凝固シェルの強度限界とされる50%を超える。このため、絶縁物の溶鋼との接触長さ、すなわち、コーナー部近傍に配置する絶縁物の幅は50mm以下とするものである。このようなことから、コーナー部近傍の絶縁物は、第1および第2の冷却銅板のコーナー部から50mm以下の範囲に設置する。
【0028】
また、この絶縁物の厚さt(mm)は、同様の熱的な観点から、0.5〜1.00mm程度とすることが好ましい。
【0029】
また、このコーナー部近傍の絶縁物は、図8に示すように、合わせ面の絶縁物と同様に、鋳型の冷却銅板の垂直方向の全高さに亘って設けることが望ましい。
【0030】
これによって、湯面変動による付着物の広範囲な付着、下端部近傍の合わせ面の磨耗などによる絶縁の低下を防止することができる。図8(a)は第1の水冷銅板の1のコーナー部近傍の全高さにアルミナプレートの絶縁物15を設けた例、図8(b)は、冷却銅板1のコーナー部近傍にアルミナの溶射により絶縁物16を設けた例である。また、図8では、何れも合わせ面の第1の冷却銅板の面に合わせ面の絶縁物が設けられており、図8(a)は、アルミナプレートの絶縁物15’、図8(b)は、アルミナの溶射の絶縁物16’を設けた例である。
【0031】
また、合わせ面およびコーナー部近傍の絶縁物は、耐熱性を備える電気絶縁性材料であれば良いが、溶融金属に対して耐食性を有するとともに、耐磨耗性にも優れた電気絶縁性セラミックスが好ましい。このようなセラミックスとしては、アルミナ系セラミックが好ましい。また、溶融金属と常時接触することない部位、例えば、鋳型の上方部分、では、急激な温度上昇に耐え、絶縁性も備えたジルコニア系セラミックスが望ましい。
【0032】
したがって、合わせ面の絶縁物をジルコニア系セラミックスとし、溶鋼と接する側(鋳造面)であるコーナー部近傍の絶縁物をアルミナ系セラミックスとした複層構造の絶縁物としても良い。これによって、溶鋼と冷却銅板間の大きな温度差によるアルミナ系セラミックスへの熱衝撃を緩和することができる。
【0033】
合わせ面の絶縁物は、耐熱性と組立精度を両立させるため、マイカ板、アルミナ、ジルコニアなどのセラミックファイバーを0.1〜1mmの板に成形したもの、テフロン(登録商標)(PTFE:ポリテトラフルオロエチレン)などが好ましい。
【0034】
絶縁物を冷却銅板の合わせ面およびコーナー部近傍に設ける方法は、絶縁物、例えばセラミックプレートートを、接着剤(セラミックス等)、耐熱性無機接着剤などにより接着する方法、あるいは、セラミックの粉末をプラズマあるいはガスとともに溶融噴射する溶射法にて銅板の表面に溶射層を形成する方法など適宜採用することができる。
【0035】
なお、図3〜図5、図6(a)、図6(c)、図7(b)、図7(c)の例において示したように、同じ冷却銅板に対して合わせ面とコーナー部近傍との双方に絶縁物を設置する場合は、合わせ面とコーナー部近傍の絶縁物を連続した一体として設けることは、絶縁物間の境界を少なくする上で好ましいことはいうまでもない。
【0036】
コーナー部近傍の絶縁物と合わせ面の絶縁物とを、同じ絶縁材料からなるものとし、同じ方法で設けることも好ましい。例えば、第1の冷却銅板と第2の冷却銅板との合わせ面および、第1の冷却銅板のコーナー部近傍および/または第2の冷却銅板のコーナー部近傍に設ける絶縁物を1枚のアルミナプレートとし、これを接着することによって絶縁物を設けること、あるいは、同様に絶縁物を溶射により1回で形成した溶射層とすることも好ましい。
【0037】
また、コーナー部近傍の絶縁物と合わせ面の絶縁物とを、異なる絶縁材料とし、それぞれを異なる方法で設けてもよいし、同じ方法で設けても良い。同様に、コーナー部近傍の絶縁物と合わせ面の絶縁物とを、同じ絶縁材料とし、それぞれを異なる方法で設けてもよいし、同じ方法で設けても良い。
【0038】
本発明の鋳型において、冷却銅板を冷却する方法は、特開2000−246397号公報に開示されたような銅板とバックプレートとで冷却水通路を設けるようにしても良いし、銅板内に貫通孔を穿って冷却水路を設けるなど、周知の方法を採用することができる。
【0039】
【実施例】
内寸法が1500mm×250mm、高さが800mmのサイズの水冷構造の鋳型を20mm厚さの銅板により構成し、その背面に50mm厚さの非磁性ステンレス鋼製のバックプレートを配して鋳型を構成し、この鋳型の外周に電磁コイルを設置した。なお、絶縁物は、図4に示すように、第1の冷却銅板1の合わせ面には、ジルコニア系セラミックスを溶射し、厚さ0.5mm×幅20mm×高さ800mmの絶縁物3を形成した。
【0040】
また、第2の冷却銅板2の合わせ面、および第2の冷却銅板2のコーナー部近傍には、厚さ1mm×(合わせ面での幅20mm+コーナー部近傍での幅(W)5mm)×高さ200mmのアルミナプレート4枚を、高さ方向に貼付けて全高さ800mmの絶縁物4、6をそれぞれ形成した。なお、アルミナプレートは、合わせ面の幅と、コーナー部近傍の幅とを併せた幅とした一体のプレートとして貼付けた。
【0041】
このように構成した本発明の鋳型を用いて、溶融金属としてのS45Cの溶鋼を鋳型に供給し、電磁コイル9に100Hzの交流電流を通電しつつ連続鋳造を行った。
【0042】
なお、比較のためコーナー部近傍の絶縁物を設けていない鋳型を用いて同様に鋳造を行った。
【0043】
鋳造終了後、コイルに通電した状態とし、コイルの垂直方向中心で、かつ鋳型幅、厚さの中心位置での磁場強度を測定し、各時点での磁場強度と初期状態での磁場強度との相対磁場強度を調査した。その結果を図10に示す。
【0044】
図10から判るように、従来の鋳型を使用した場合には、鋳造時間の経過とともに相対磁場強度が低下するのに対して、本発明の鋳型を使用した場合には、鋳造時間が100時間を超えても相対磁場の低下はなく、絶縁性が初期と同様に十分確保されていることが判る。
【0045】
【発明の効果】
本発明の連続鋳造用鋳型は、電磁力を付与して溶融金属を連続鋳造する際、鋳型の繰り返し使用による合せ面の磨耗、鋳型のコーナー部近傍への溶融金属のスプラッシュの付着などによる鋳型の冷却銅板の合わせ面、鋳型のコーナー部近傍での絶縁性の低下を防止でき、鋳型の長期使用に際しても、鋳型の絶縁性を安定して確保し、長期にわたって良質な鋳片を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続鋳造用鋳型の組み立て概念図。
【図2】本発明の連続鋳造用鋳型の水平断面概略図。
【図3】本発明の連続鋳造用鋳型のコーナー部近傍(A部)の絶縁物の配置状況を示す部分水平断面概略図。
【図4】本発明の連続鋳造用鋳型のコーナー部近傍(A部)の絶縁物の他の配置状況を示す部分水平断面概略図。
【図5】本発明の連続鋳造用鋳型のコーナー部近傍(A部)の絶縁物の他の配置状況を示す部分水平断面概略図。
【図6】本発明の連続鋳造用鋳型のコーナー部近傍(A部)の絶縁物の配置状況を示す部分水平断面概略図であり、(a)は、コーナー部近傍の片方の銅板に、(b)は、コーナー部近傍の他の片方の銅板に、(c)は、コーナー部近傍の双方の銅板に、それぞれ絶縁物を配置した状況を示す。
【図7】本発明の連続鋳造用鋳型のコーナー部近傍(A部)の絶縁物の配置状況を示す部分水平断面概略図であり、(a)は、コーナー部近傍の片方の銅板に、(b)は、コーナー部近傍の他の片方の銅板に、(c)は、コーナー部近傍の双方の銅板に、それぞれ絶縁物を配置した状況を示す。
【図8】本発明の連続鋳造用鋳型のコーナー部近傍の絶縁物の配置状況を示す部分垂直断面概略図であり、(a)は、アルミナプレートの貼付けによるコーナー部近傍の絶縁物の配置状況、(b)は、アルミナの溶射によるコーナー部近傍の絶縁物の配置状況をそれぞれ示す。
【図9】本発明の連続鋳造用鋳型のコーナー部近傍の絶縁物の幅とコーナー部凝固遅れ率との関係を示す図。
【図10】本発明の連続鋳造用鋳型における鋳造時間と相対磁場強度との関係を示す図。
【図11】従来の鋳型における鋳型壁への付着物の付着状況を示す部分水平断面概略図。
【図12】従来の連続鋳造用鋳型の水平断面図。
【図13】従来の連続鋳造用鋳型の水平断面図。
【図14】電磁力を付与する連続鋳造技術を示す概念図。
【符号の説明】
1…第1の冷却銅板
2…第2の冷却銅板
3…第1の冷却銅板の合わせ面の絶縁物
4…第2の冷却銅板の合わせ面の絶縁物
5…第1の冷却銅板のコーナー部近傍の絶縁物
6…第2の冷却銅板のコーナー部近傍の絶縁物
7…第1のバックプレート
8…第2のバックプレート
9…電磁コイル
10…絶縁ワッシャー
11…絶縁スリーブ
12…冷却銅板の合わせ面
13…間隙
14…締結ボルト
15、15’…セラミックプレート
16、16’…セラミック溶射層
17…鋳造面
31…鋳型
32…溶融金属
33…メニスカス
34…パウダー
35…通電コイル
36…スリット
37…セグメント
38…浸漬ノズル
39…第一の冷却銅板
40…第2の冷却銅板
41…第1のバックプレート
42…第2のバックプレート
43…冷却水通路
44…締結ボルト
45…絶縁締結ボルト
46…絶縁物
47…シール物
48…合わせ面
49…鋳造面

Claims (6)

  1. 電磁コイルを有する連続鋳造装置において、連続鋳造鋳型の1対の第1冷却銅板が1対の第2の冷却銅板にはさまれ、前記第1の冷却銅板と組み合わされる1対の第1のバックプレートと、前記第2の冷却銅板と組み合わされる1対の第2のバックプレートとが、絶縁物を介して電気的に互いに絶縁され、前記第1の冷却銅板と前記第2の冷却銅板との合わせ面は、合わせ面の絶縁物を介して電気的に互いに絶縁されており、かつ、前記1対の第1の冷却銅板が前記1対の第2の冷却銅板に挟まれて形成された鋳造面側のコーナー部から、前記第1の冷却銅板及び/又は前記第2の冷却銅板の鋳造面に沿って0超50mm以下の範囲の鋳造面に、コーナー部近傍の絶縁物が設置されていることを特徴とする連続鋳造鋳型。
  2. 前記第1の冷却銅板と前記第2の冷却銅板の合わせ面において、前記第1の冷却銅板、前記第2の冷却銅板のいずれか一方又は双方に、前記合わせ面の絶縁物が配置されていることを特徴とする請求項1記載の連続鋳造用鋳型。
  3. 前記合わせ面の絶縁物と、前記コーナー部近傍の絶縁物が、電気絶縁性のセラミックプレート及び/又は溶射により形成された電気絶縁性のセラミックであることを特徴とする請求項1又は2記載の連続鋳造用鋳型。
  4. 前記合わせ面の絶縁物と、前記コーナー部近傍の絶縁物が、アルミナ系セラミックス及び/又はジルコニア系セラミックスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の連続鋳造用鋳型。
  5. 前記コーナー部近傍の絶縁物がアルミナ系セラミックスであり、前記合わせ面の絶縁物がジルコニア系セラッミクスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の連続鋳造用鋳型。
  6. 前記合わせ面の絶縁物が、マイカ板、セラミックスファイバー成形体、PTFEの1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の連続鋳造用鋳型。
JP2001345019A 2001-11-09 2001-11-09 連続鋳造用鋳型 Expired - Fee Related JP3595533B2 (ja)

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