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JP5042772B2 - 連続鋳造用鋳型 - Google Patents
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JP5042772B2 - 連続鋳造用鋳型 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁コイルを有する溶融金属の連続鋳造用鋳型に関し、安定的に電磁力を溶融金属に印加し、長期にわたり良質の鋳片を得ることができる鋳型に関するものである。
溶融金属の連続鋳造において、溶融金属の湯面の安定化、連続鋳造した鋳片表面の平滑化、及び鋳造速度の高速化を達成するために、例えば、特許文献1にあるように、溶融金属に電磁力を作用させて鋳造を行う技術が開発されている。これは、鋳型を包囲するように配置され、耐火物で絶縁された電磁コイルに交流電流を供給して、鋳型内の溶融金属のメニスカス部を湾曲させ、鋳型と溶融金属の間にCCパウダーの流入を促すとともに、初期凝固における鋳型と鋳片との接触圧を軽減することにより、表面性状の向上を図る技術である。
特許文献2には、電磁コイルを有する連続鋳造用装置の鋳型であって、一対の第一の冷却銅板が一対の第二の冷却銅板に挟まれ、第一の冷却銅板と組み合わされる一対のバックプレートと、第二の冷却銅板と組み合わされる一対のバックプレートとが、絶縁物を介して電気的に絶縁され、第一の冷却銅板と第二の冷却銅板との合わせ面は、合わせ面の絶縁物を介して電気的に絶縁されており、かつ第一及び第二の冷却銅板の鋳造面のコーナー部から50mm以内に、コーナー部近傍の絶縁物が設置された連続鋳造用鋳型が開示されている。
特許文献3には、電磁コイルを有する溶融金属の連続鋳造装置の連続鋳造用鋳型において、一対の第一の冷却銅板が一対の第二の冷却銅板に挟まれ、前記第一の冷却銅板と前記第二の冷却銅板との合わせ面は、絶縁物を介して電気的に互いに絶縁されており、前記一対の第一の冷却銅板に組み合わされる第一のバックプレートと前記第二の冷却銅板に組み合わされる第二のバックプレートとは、絶縁物を介して電気的に互いに絶縁して締結固定され、かつ、前記一対の第一のバックプレートおよび前記一対の第二のバックプレートのうち少なくとも一つのバックプレートの外周面が電気的絶縁物で被覆された連続鋳造用鋳型が開示されている。
特許文献4には、電磁コイル(連続鋳造鋳型内の溶融金属のメニスカス初期凝固部付近の前記鋳型の内壁に直角な方向に電磁力を印加させる溶融金属の連続鋳造装置において、前記鋳型の外周面に数10Hzから数100Hzの低周波交流電流を連続的または間欠的に通電する電磁コイル)を有し、一対の第一の冷却銅板には一対の第一のバックプレートが、一対の第二の冷却銅板には一対の第二のバックプレートがそれぞれ組み合わされ、一対の第一の冷却銅板と第一のバックプレートが、一対の第二の冷却銅板と第二のバックプレートに移動可能に挟まれて構成される連続鋳造用鋳型において、前記一対の第一の冷却銅板および一対の第二の冷却銅板のいずれか(または双方)が、鋳造方向に平行または鋳造方向から5度以下傾斜して、板幅方向に2以上に分割され、分割部が電気的に絶縁されて接触しており、且つ前記2以上に分割された冷却銅板と組み合わされたバックプレートは、2分割以上に分割された冷却銅板と非接触または電気的に絶縁されている連続鋳造用鋳型が開示されている。
特許文献5には、電磁コイル(連続鋳造鋳型内の溶融金属のメニスカス初期凝固部付近の前記鋳型の内壁に直角な方向に電磁力を印加させる溶融金属の連続鋳造装置において、前記鋳型の外周面に数10Hzから数100Hzの低周波交流電流を連続的または間欠的に通電する電磁コイル)を有し、一対の第一の冷却銅板には一対の第一のバックプレートが、一対の第二の冷却銅板には一対の第二のバックプレートがそれぞれ組み合わされ、一対の第一の冷却銅板と第一のバックプレートが、一対の第二の冷却銅板と第二のバックプレートに移動可能に挟まれて構成される連続鋳造用鋳型において、前記鋳型は、前記第一及び第二の冷却銅板のうち少なくとも一つ以上が前記冷却銅板の板幅方向に2以上に分割され、分割された前記冷却銅板の対向する分割面および該分割面に隣り合う面のうち、少なくとも鋳造方向に平行な面の、少なくともメニスカスを含む範囲に、ニッケルまたはその合金、コバルトまたはその合金、クロムまたはその合金、鉄またはその合金のいずれか1つ以上よりなるコーティング層を設け、前記第一の冷却銅板の分割面に設けられたコーティング層と前記第二の冷却銅板の分割面に設けられたコーティング層との間に電気的絶縁物が設けてあり、前記第一および第二のバックプレートは、前記第一および第二の冷却銅板と電気的に絶縁されており、且つ前記第一のバックプレートと前記第二のバックプレートとが非接触または電気的に絶縁されている連続鋳造用鋳型が開示されている。
特開昭52−32824号公報 特開2003−145251号公報 特開2003−145252号公報 国際公開番号WO2004/078380 A1 特開2007−144513号公報
電磁力を発生させる電磁コイルは、鋳型の外側に配置されるため、導電性の鋳型に誘起される誘導電流により、鋳型内部の溶融金属へ作用する電磁力は減衰する。この減衰は、使用する交流電流の周波数にも依存し、周波数が高いほど、鋳型での磁場の減衰は大きい。
特許文献1においては、磁場の減衰を小さくするように、鋳型のメニスカス部を含む範囲にステンレスの内張りを設けるように記載されているが、電磁コイルによる誘導電流を抑えきれず、溶融金属への磁場が減衰することが避けられなかった。
特許文献2乃至4に開示されている鋳型においては、絶縁場所、電気的絶縁層などについて記述されており、短時間の鋳造においては、磁場の減衰は問題なかったが、長時間の鋳造に使用した場合に、絶縁物が劣化して磁場が減衰すると共に、電気的絶縁層が損傷するという問題があり、耐久性に乏しいものであった。
発明者らは、特許文献5に開示されている鋳型を提案しており、この鋳型は長時間使用しても、絶縁劣化や電気的絶縁層の損傷が起こらず、耐久性に優れたものであったが、更に長時間の操業を実施した場合、別の課題が存在することが明らかとなった。詳しくは後述するが、分割銅板間の隙間の間隔(それぞれの分割銅板の分割面に付与した電気的絶縁物表面間の距離、以下、分割スリット間隔という)が、鋳型の使用時間が増加するにつれ、徐々に拡がってくるという問題である。この現象は、鋳型の熱負荷の大きい位置(メニスカス高さから、それより下方200mm辺りの位置)で顕著であった。
銅板は背面または内部が冷却されているとはいえ、鋳造中の稼動面の表面近傍は、溶融金属からの熱で膨張する。一対の冷却銅板(鋳型短辺)が分割されている場合、短辺銅板は、もう一対の銅板(鋳型長辺)に挟まれて配置されるため、短辺銅板の熱膨張は長辺銅板に抑えられ、自由に伸びることができない。そのため、短辺銅板の弾性変形の域を超える熱膨張が発生すると、熱応力により短辺銅板の表面近傍は塑性変形する。鋳造後に銅板表面の温度が低下すると、短辺銅板の表面近傍は収縮し、分割スリット部に各分割銅板の熱応力変形分の隙間が生じる。熱応力変形が飽和した状態では、理想的には、冷間で開いたスリット隙間は、鋳造中は、銅板の熱膨張により閉じており、再び鋳造後は銅板の収縮によりスリット部が開くことを繰り返すだけで、スリット隙間が拡大していくことは無い。
しかし、実際には、鋳造中に、分割スリット部は、上から下まで完全に閉じている訳ではなく、閉じているところと若干開いているところが混在していると考えられ、鋳造中に、若干開いているところに、鋳造助剤として用いる溶融パウダーの蒸気やヒュームが入り込み、スリット隙間内の電気的絶縁物上に付着する。スリット内に付着物が発生することは、その付着厚み分、銅板幅が増加することと等価であり、一旦飽和した熱応力変形がさらに進行し、分割スリット間隔が徐々に大きくなる。
分割スリット隙間内が、完全に付着物で塞がれていると、冷却銅板の稼動面側から溶融金属が侵入することはないが、ところどころに空隙があると、パウダー切れなどが発生した場合、その空隙の部分に溶融金属が入り込む、所謂、湯差しが発生する危険性があり、分割スリットが開いていくことで、安定な製造が阻害される。鋳造中とその前後での銅板熱膨張によるスリット隙間の発生は避けがたいものであることから、隙間が発生しても、そこに入り込んでくる蒸気やヒュームなどの異物を極力排除する必要がある。
本発明の目的は、電磁コイルにより発生させた磁場を溶融金属に作用させて鋳造する連続鋳造用鋳型において、長時間使用しても絶縁劣化による磁場の減衰が起こらず、長時間にわたって安定して良質の鋳片を製造できる耐久性のある鋳型を提供することである。
上記問題は、分割スリットの隙間の圧力が、銅板の表裏、すなわちバックプレート側も稼動面側も同じであるため、稼動面側で発生した蒸気やヒュームの分割スリットへの侵入を阻止できず、隙間に入り込んでしまうためにおこる問題である。これは、以下に述べる本発明の連続鋳造用鋳型によって解決される。
(1)連続鋳造鋳型内の溶融金属のメニスカス初期凝固部付近の前記鋳型の内壁に垂直な方向に電磁力を印加するために、前記鋳型の外周面に10Hzから500Hzの低周波交流電流を通電する電磁コイルを備え、短辺側に配置される一対の第一の冷却銅板には一対の第一のバックプレートが、長辺側に配置される一対の第二の冷却銅板には一対の第二のバックプレートが、それぞれ組み合わされ、一対の前記第一の冷却銅板と前記第一のバックプレートが、一対の前記第二の冷却銅板と前記第二のバックプレートに対して移動可能に挟まれて配置され、前記第一及び第二の冷却銅板のうち少なくとも一つ以上が板幅方向に2以上に分割され、その分割面に電気的絶縁物が設けられた連続鋳造用鋳型において、前記電気的絶縁物に相対する前記バックプレート面に、上端および下端が閉じている気体導入溝を設け、鋳造中に前記電気的絶縁物の稼動面側に比べて気体導入溝が陽圧となるように加圧可能な、気体による加圧機構を有し、加圧範囲が0.01MPa〜0.05MPaであることを特徴とする溶融金属の連続鋳造用鋳型。
本発明によれば、電磁力を付与して溶融金属を連続鋳造する際、長期使用に際しても、鋳型の安定性を確保でき、長期にわたって操業トラブル無しに良質な鋳片を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
発明者らは、従来の問題点を明らかにするために、図3に示すような分割冷却銅板1aを組み立てた第一の冷却銅板1(短辺)を、図4に示す連続鋳造装置20に組み込み、溶融金属の鋳造を実施した。図3(a)は、冷却銅板1の斜視図、図3(b)はメニスカス高さでの冷却銅板1の水平断面図を示す。尚、図3(a)において、紙面下方向が鋳造方向である。
この鋳型は、第二の冷却銅板2(長辺)の幅Wが2000mm、第一の冷却銅板1(短辺)の幅Wが250mm、高さHが900mmの寸法であり、一方の第一の冷却銅板1を板幅中央部で二分割してある。二分割した第一の冷却銅板1の各銅板1aには、図3(b)に示すように、双方共に、耐硫化性コーティング5を施した。即ち、冷却銅板1aの分割面及びバックプレート3側の面(分割面に隣り合う面の一部)に、0.05mm厚みのニッケルメッキを施した。稼動面(分割面に隣り合う面の残部)については、図3(a)に示すように、上端から300mm高さまでは、耐硫化性コーティング5として0.05mm厚みのクロムメッキを施し、300mm高さから下端までは1mm厚さのニッケル系自溶性合金溶射部17を設けた。また、分割した冷却銅板1aの双方の分割面に、高速フレーム溶射法により、厚み0.05mmのハステロイC−276(ニッケル基合金の商品名)の下地溶射層を形成した上に、プラズマ溶射法により、高さ方向で上端から600mmまでの範囲には、厚み0.15mmのジルコニアセラミックスを、それよりも下側の範囲には、厚み0.15mmのイットリアセラミックス溶射層を形成し、電気的絶縁物6を設けた。さらに、分割冷却銅板1と組み合わされるバックプレート3には、分割冷却銅板1と接する面に、高速フレーム溶射法により、厚み0.05mmのハステロイC−276の下地溶射層を形成した上に、プラズマ溶射法により、厚み0.15mmのジルコニアセラミックス溶射層を形成し、電気的絶縁層7を設けた。これらの分割冷却銅板1aおよびバックプレート3を、それぞれの間に電気的導通が無いように、図3(b)に示すように絶縁ワッシャー8、絶縁スリーブ9、締結ボルト10を用いて組み立て、図4に示すように連続鋳造装置20に組み込み、鋳造を行ない、絶縁抵抗の変化および分割スリット間隔の変化を調査した。
通常のメガテスターで測定した使用前の分割冷却銅板1a間の絶縁抵抗値は83MΩであり、また鋳型上端から150mm位置での、稼動面側から倍率200のマイクロスコープを用いて測定した分割スリット間隔は15μmであった。その後、200時間の鋳造毎に、分割銅板間の絶縁抵抗および鋳型上端から150mm位置での分割スリット間隔を測定した。測定した絶縁抵抗および分割スリット間隔は、200時間後は、それぞれ52MΩおよび30μm、400時間後は、それぞれ15MΩおよび42μm、600時間後は、それぞれ12MΩおよび68μm、800時間後は、それぞれ8MΩおよび105μm、1000時間後は、それぞれ6MΩおよび175μmと変化した。
この鋳型を解体し、詳細な調査を行った。分割冷却銅板1aをバックプレート3から取り外し、分割面を観察したところ、メニスカス高さより上方30mm辺りから、それより下方の200mmくらいの高さまでの範囲にわたって、それぞれの分割面に付与した電気的絶縁物の上に異物が付着していた。鋳型の上端から150mm高さの部分の水平断面を切断し、その断面を観察したところ、電気的絶縁物6の皮膜にクラックや欠けなどの損傷は見られず、また銅板と溶射皮膜の間の剥離も見られず、健全であったが、電気的絶縁物6の上に数十μmの付着物が観察された。この付着物は、分析の結果、SiOやCaOを主成分とする酸化物であり、鋳造の際に使用したCCパウダーが稼動面側から分割スリット隙間に侵入したものであることが明らかとなった。
以上の結果から、鋳造中およびその前後での、分割冷却銅板1aの熱膨張および収縮によって発生する銅板1aの変形で生じるスリットの開きに異物が侵入し、スリット面に付着すると、スリット間隔が大きく開いていくことが判明した。スリットが開いた際に異物が稼動面から侵入することを阻止するためには、分割スリット部の表裏で、溶鋼面側に比べ、バックプレート3側の圧力を高くし、溶鋼面側から異物が侵入しないようにすればよい。
図1は、幅可変鋳型に対応した、本発明の実施の形態の一例であり、冷却銅板1を板幅方向に二分割し、対向する分割面に電気的絶縁物6を設けた連続鋳造用鋳型21の組立状態を示す斜視図である。一対の第一の冷却銅板1(短辺)は、第二のバックプレート4に取り付けられた一対の第二の冷却銅板2(長辺)に移動可能に挟まれて組み立てられており、バックプレート3に取り付けられたシリンダー12によって、鋳造中に幅を変えることが出来るようになっている。第一の冷却銅板1に取り付けられたバックプレート3と第二の冷却銅板2に取り付けられたバックプレート4とは、非接触にすることにより、電気的導通が起こらないように組み立ててある。鋳型21の外周部には、鋳型21内の溶融金属のメニスカス部近傍において、溶融金属に、鋳型内壁に垂直な方向に電磁力を印加するための電磁コイル11が設けられている。電磁コイル11には、10Hzから500Hzの低周波交流電流が通電される。
図2(a)は、バックプレート3の、分割冷却銅板1aを取り付ける面を示す斜視図で、冷却銅板の分割面に相対する位置に、加圧した気体を送り込む溝13が形成され、溝13に加圧気体を送り込むための配管15が設けられている。図2(b)は、バックプレート3に分割した冷却銅板1aを取り付けた鋳型の、上端部付近の水平断面を示したもの、図2(c)は、溝13に加圧した気体を送り込む配管15が取り付けてある部分の水平断面を示したもの、図2(d)は、加圧した気体を送り込む溝13が形成されている部分の水平断面を示したものである。図2に示した様に、分割冷却銅板1aのスリットに相対するバックプレート3の表面に溝13を設け、この溝13に加圧した気体を送り込むことにより、分割冷却銅板1aの表裏、すなわちバックプレート3側と稼動面側との間に圧力差を付与することができる。この際、バックプレート3の上端から下端まで溝13を設けると、気体が上端または下端から逃げるため、バックプレート3に設ける溝13は、図2(a)に示す様に、上端および下端が閉じている必要がある。こうすることにより、分割スリット部において、バックプレート3側と稼動面側との間に圧力差が発生し、スリット隙間内にバックプレート3側から稼動面に向かう気体の流れができ、稼動面側からの異物の侵入を阻止することができる。
溝13の範囲は、冷却銅板1の熱負荷が高い領域を含む範囲は必須であり、メニスカス高さの上方50mmから、メニスカス高さの下方250mmまでの範囲に設けることが望ましく、上端および下端を除く範囲すべてに設けても良い。
加圧に用いる気体は、空気、窒素、アルゴンなど、任意の気体を用いて良い。
分割スリット部の表(稼動面側)は大気圧であるため、分割スリット部の裏(バックプレート3側)は、それよりも少し高い圧力であればよい。したがって、溝13に送り込む気体にかける圧力は、大気圧よりも0.01MPa以上高ければ良い。あまり圧力を高くしすぎると、スリット隙間から溶鋼側に気体が勢いよく噴出し、CCパウダーの溶融層や溶融金属の凝固に影響を及ぼす場合があるため、大気圧よりも0.05MPa高くなる程度までの加圧が好ましい。気体の圧力は、バックプレート3に接続した配管15に圧力計14を設けて測定すればよい。
尚、分割冷却銅板1aの分割面または冷却銅板1,2同士の合わせ面に設ける電気的絶縁物の構造において、耐硫黄性を向上させるための冷却銅板1,2のコーティング材料やコーティング方法、耐久性のある電気的絶縁物の材質や付与方法などは、特許文献5に示したものをそのまま用いて良い。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、加圧機構の例として、バックプレート3に溝13を設け、加圧した気体を溝13に送り込んで、バックプレート3側の圧力を稼動面側の圧力よりも高くする例を示したが、加圧機構はこれに限るものではなく、分割スリットの表裏に圧力差を発生できる機構であれば、いかなる方式を用いてよい。
また、本発明の鋳型において、冷却銅板1,2を冷却する方法は、冷却銅板1,2にスリットを加工し、冷却銅板1,2とバックプレート3,4とで水路を設けるようにしても良いし、冷却銅板1,2内に貫通孔を穿って冷却水路を設けるようにするなど、周知の方法を採用することが出来る。
さらに、冷却銅板1,2の稼動面の高さ方向での中間部および下端部については、耐食性および耐摩耗性を向上させるために、通常用いられているニッケルメッキ、コバルト−ニッケルメッキ、自溶性合金溶射などを施工すると良いことは言うまでもない。
第二の冷却銅板2(長辺)の幅が2000mm、第一の冷却銅板1(短辺)の幅が250mm、高さが900mmの寸法の鋳型において、一方の第一の冷却銅板1を板幅中央部で二分割した鋳型を製作した。二分割した第一の冷却銅板1a,1aは、双方共に、分割面及びバックプレート3側の面(分割面に隣り合う面の一部)に、0.05mm厚みのニッケルメッキを設け、また稼動面(分割面に隣り合う面の残部)については、高さ方向で、上端から300mm高さまでは0.05mm厚みのクロムメッキを設け、300mm高さから下端までは1mm厚みのニッケル系自溶性合金溶射を設けた。分割冷却銅板1の双方の分割面に、高速フレーム溶射法により、厚み0.05mmのハステロイC−276(ニッケル基合金の商品名)の下地溶射層を形成した上に、プラズマ溶射法により、高さ方向で、上端から600mmまでの範囲には、厚み0.15mmのジルコニアセラミックスを、上端から600mmから下端までの範囲には、厚み0.15mmのイットリアセラミックス溶射層を形成し、電気的絶縁物を設けた。また、分割冷却銅板1と組み合わされるバックプレート3には、分割スリットに相対する位置の、上端からの高さ20mmから880mmまでの範囲に、幅6mm、深さ5mmの溝13を設け、この溝13に気体を送り込むため、バックプレート3を貫通する孔19を設け、この孔19に圧縮気体を送り込む装置に接続するための配管15、バルブ16および溝13内の気体の圧力を測定するための圧力計14を取り付けた(図2(c)参照)。バックプレート3の分割冷却銅板1と接する面の溝13を除く範囲に、高速フレーム溶射法により、厚み0.05mmのハステロイC−276の下地溶射層を形成した上に、プラズマ溶射法により、厚み0.15mmのジルコニアセラミックス溶射層を形成した。これらの分割冷却銅板およびバックプレート3を、それぞれの間に電気的導通が無いように組み立てて、連続鋳造装置に組み込み、鋳造を行った。尚、鋳造に際し、バックプレート3に設けた溝13に接続した配管15から、大気圧よりも0.02MPa高い圧力のアルゴンを溝13に送り込んで鋳造を実施した。
鋳造時間の増加に伴う絶縁抵抗およびスリット隙間間隔の変化を調査することを目的としたことから、この鋳型には電磁コイルは設置せずに鋳造を行い、第一の分割冷却銅板1間の絶縁抵抗をメガテスターを用いて、またスリット間隔を稼動面側から倍率200のマイクロスコープにて、適宜測定した。
使用前の分割冷却銅板1間の絶縁抵抗値は80MΩであり、また分割銅板1間の隙間間隔(それぞれの分割銅板1aの分割面に付与した電気的絶縁物表面間の距離)は17μmであった。その後、200時間の鋳造毎に、絶縁抵抗および分割銅板1a間の隙間間隔の測定を行った。分割銅板1a間の絶縁抵抗および隙間間隔は、200時間後は、それぞれ48MΩおよび30μm、400時間後は、それぞれ19MΩおよび40μm、600時間後は、それぞれ11MΩおよび45μm、800時間後は、それぞれ8MΩおよび48μm、1000時間後は、それぞれ6MΩおよび50μmと変化した。この鋳型を解体して調査したところ、分割銅板1aの分割面に付与した電気的絶縁物の上に付着は殆ど見られず、本発明により、分割スリットへの異物の侵入を効果的に防ぐことができることがわかった。
本発明は、電磁コイルを有する溶融金属の連続鋳造用鋳型に適用できる。
本発明にかかる連続鋳造用鋳型を模式的に示した斜視図である。 本発明にかかる鋳型の第一のバックプレート、および第一の冷却銅板を第一のバックプレートに組み立てた状態を模式的に示した図であり、(a)は第一のバックプレートの斜視図、(b)は冷却銅板をバックプレートに組み立てた状態の上端部の水平断面図、(c)は冷却銅板をバックプレートに組み立てた状態の、加圧した気体を送り込む配管接続部分の水平断面図、(d)は冷却銅板をバックプレートに組み立てた状態の(b)および(c)を除く部分の水平断面図である。 従来の鋳型の第一の冷却銅板を第一のバックプレートに組み立てた状態を模式的に示した図であり、(a)は斜視図、(b)はメニスカス高さでの水平断面図である。 従来の連続鋳造用鋳型を模式的に示した斜視図である。
符号の説明
1 第一の冷却銅板
2 第二の冷却銅板
3 第一のバックプレート
4 第二のバックプレート
5 耐硫化性コーティング
6 (冷却銅板の分割面に設置する)電気的絶縁物
7 (冷却銅板とバックプレートの間に設置する)電気的絶縁物
8 絶縁ワッシャー
9 絶縁スリーブ
10 締結ボルト
11 電磁コイル
12 シリンダー
13 溝
14 圧力計
15 配管
16 バルブ
17 ニッケル系自溶性合金溶射

Claims (1)

  1. 連続鋳造鋳型内の溶融金属のメニスカス初期凝固部付近の前記鋳型の内壁に垂直な方向に電磁力を印加するために、前記鋳型の外周面に10Hzから500Hzの低周波交流電流を通電する電磁コイルを備え、短辺側に配置される一対の第一の冷却銅板には一対の第一のバックプレートが、長辺側に配置される一対の第二の冷却銅板には一対の第二のバックプレートが、それぞれ組み合わされ、一対の前記第一の冷却銅板と前記第一のバックプレートが、一対の前記第二の冷却銅板と前記第二のバックプレートに対して移動可能に挟まれて配置され、前記第一及び第二の冷却銅板のうち少なくとも一つ以上が板幅方向に2以上に分割され、その分割面に電気的絶縁物が設けられた連続鋳造用鋳型において、
    前記電気的絶縁物に相対する前記バックプレート面に、上端および下端が閉じている気体導入溝を設け、鋳造中に前記電気的絶縁物の稼動面側に比べて気体導入溝が陽圧となるように加圧可能な、気体による加圧機構を有し、加圧範囲が0.01MPa〜0.05MPaであることを特徴とする溶融金属の連続鋳造用鋳型。
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