JP3761522B2 - 音声信号処理装置および音声信号処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、PCM(Pulse Code Modulation)等のデジタル符号化方式によって構成されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換する音声信号処理装置および音声信号処理方法に関し、さらに詳しくは、サンプリング周波数の異なる複数のデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換する音声信号処理装置および音声信号処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、DVD等には、音声に関する情報を含む音声信号がデジタル化されて記録されている。そして、DVD再生装置は、DVDにデジタル化されて記録された音声信号を読み出し、このデジタルの音声信号を、DVD再生装置に設けられたデジタル−アナログ変換回路を用いてアナログの音声信号に変換し、スピーカ等に出力する。
【0003】
ところで、このようなDVD再生装置の中には、いわゆるマルチチャネル方式を採用したものがある。マルチチャネル方式とは、左側と右側の2チャネルに音声を振り分けるだけでなく、3チャネル以上に音声を振り分ける方式をいい、例えば、前方中央、前方左側、前方右側、後方中央、後方左側および後方右側の6チャネルに音声を振り分ける方式をいう。
【0004】
また、このようなマルチチャネル方式を採用したDVD再生装置においては、各チャネルに振り分けられるそれぞれの音声信号のサンプリング周波数が、通常、1通りのサンプリング周波数に統一されている。例えば、6チャネルのマルチチャネル方式を採用したDVD再生装置を用いて、DVDに記録された映画の音声を再生する場合、6チャネルに振り分けられる各音声信号のサンプリング周波数は、48kHzに統一されている。
【0005】
ところで、再生する音声信号のサンプリング周波数を高く設定すると、DVD再生装置を用いて再生する音声の質を向上させることができる。例えば、6チャネルのマルチチャネル方式を採用したDVD再生装置において、6チャネルに振り分けられるすべての音声信号のサンプリング周波数を48kHzから96kHzに変更すると、DVD再生装置を用いて再生する音声の質は向上する。しかしながら、すべての音声信号のサンプリング周波数を48kHzから96kHzに変更すると、音声信号の量、即ち、音声を再生するために必要なデータ量が増大する。DVDの記録容量または記録時間等の制約、さらには、音声信号を転送する際の転送レートの制約を考慮すると、音声信号の量の増大はDVD再生装置にかかる負担を増大させる。
【0006】
そこで、例えば、上述した6チャネルのマルチチャネル方式を採用したDVD再生装置において、6チャネルに振り分けられる各音声信号のうち、一部の数チャネル、例えば、3チャネル分の音声信号のサンプリング周波数のみを48kHzから96kHzに変更すると、音声信号の量の増大を抑えることができる。
【0007】
具体的に説明すると、一般に、音楽を聴く者または映画を見る者にとっては、後方から聞こえてくる音声よりも前方から聞こえてくる音声の方が関心が高い。従って、上記DVD再生装置のチャネル1〜チャネル6が、前方中央、前方左側、前方右側、後方中央、後方左側および後方右側にそれぞれ配置された6つのスピーカにそれぞれ対応している場合には、前方中央、前方左側、前方右側にそれぞれ対応した3つのチャネルに振り分けられる音声信号のサンプリング周波数のみを96kHzに設定し、他の3つのチャネルに振り分けられる音声信号のサンプリング周波数を48kHzに設定する。これにより、音楽や映画の音質を向上させつつ、音声信号の量の増大を抑制することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、マルチチャネル方式を採用したDVD再生装置において、複数のチャネルにそれぞれ振り分けられる各音声信号のサンプリング周波数を、例えば48kHzと96kHzの2通りに設定することにより、総合的に音質を向上させつつ、音声信号の量の増大を抑制することができる。
【0009】
しかしながら、各チャネルに振り分けられる各音声信号のサンプリング周波数を2通りに設定すると、各サンプリング周波数に対応した少なくとも2種類のデジタル−アナログ変換回路(DAコンバータ)が必要となる。具体的には、サンプリング周波数が48kHzの音声信号をアナログの音声信号に変換するためのデジタル−アナログ変換回路と、サンプリング周波数が96kHzの音声信号をアナログの音声信号に変換するためのデジタル−アナログ変換回路が必要となる。この結果、DVD再生装置に設けるデジタル−アナログ変換回路の数が増大すると共に、各デジタル−アナログ変換回路を制御するための信号線の数等が増大する。その結果、DVD再生装置の回路構成が複雑になると共に、製造コストが増大するという問題がある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、デジタル−アナログ変換部の個数を減少させることができ、回路の複雑化または製造コストの増大を抑制しながら、再生する音声の質を向上させることができる音声信号処理装置および音声信号処理方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は所定のサンプリング周波数を有する第1の音声データ信号と前記第1の音声データ信号のサンプリング周波数と異なるサンプリング周波数を有する第2の音声データ信号との少なくとも2通りの音声データ信号を出力する音声データ信号出力部と、前記音声データ信号出力部から出力された前記第1及び第2の音声データ信号のサンプリング周波数を同一のサンプリング周波数に変換する周波数変換部と、前記第1の音声データ信号と前記第2の音声データ信号に基づいてアナログ音声信号を出力するデジタル−アナログ変換部とを備えた音声信号処理装置において、前記周波数変換部は、前記第1の音声データ信号用の第1の周波数変換回路と第1の遅延回路と、前記第2の音声データ信号用の第2の周波数変換回路と第2の遅延回路と、前記第1の周波数変換回路と前記第1の遅延回路を切り換える第1の切り換えスイッチと、前記第2の周波数変換回路と前記第2の遅延回路を切り換える第2の切り換えスイッチと、を有し、前記第1の遅延回路は、前記第2の周波数変換回路によってサンプリング周波数が変換された前記第2の音声データ信号と位相が一致するように前記第1の音声データ信号を遅延させ、前記第2の遅延回路は、前記第1の周波数変換回路によってサンプリング周波数が変換された前記第1の音声データ信号と位相が一致するように前記第2の音声データ信号を遅延させることを特徴とする。
【0012】
このように、周波数変換部によって、第1の音声データ信号のサンプリング周波数と第2の音声データ信号のサンプリング周波数を同一となるように変換することにより、デジタル信号出力部およびデジタル−アナログ変換部において取り扱う2通りの音声データ信号のサンプリング周波数を1通りに統一することができる。
【0013】
上記課題を解決するために、請求項4の発明は所定のサンプリング周波数を有する第1の音声データ信号と前記第1の音声データ信号のサンプリング周波数と異なるサンプリング周波数を有する第2の音声データ信号との少なくとも2通りの音声データ信号を出力する音声データ信号出力工程と、前記音声データ信号出力部から出力された前記第1及び第2の音声データ信号のサンプリング周波数を同一のサンプリング周波数に変換する周波数変換工程と、前記第1の音声データ信号と前記第2の音声データ信号に基づいてアナログ音声信号を出力するデジタル−アナログ変換工程とを備えた音声処理方法において、前記周波数変換工程は、前記第1の音声データ信号用の第1の周波数変換回路と第1の遅延回路とを切り換える第1の切り換えスイッチを前記第1の周波数変換回路又は前記第1の遅延回路に接続する工程と、前記第1の切り換えスイッチが前記第1の遅延回路に接続される場合、前記第2の音声データ信号用の第2の周波数変換回路と第2の遅延回路と切り換える第2の切り換えスイッチを前記第2の周波数変換回路に接続し、前記第1の切り換えスイッチが前記第1の周波数変換回路に接続される場合、前記第2の切り換えスイッチを前記第2の遅延回路に接続する工程と、前記第1の切り換えスイッチが前記第1の遅延回路に接続される場合、前記第2の周波数変換回路によってサンプリング周波数が変換された前記第2の音声データ信号と位相が一致するように前記第1の音声データ信号を前記第1の遅延回路によって遅延させ、前記第1の切り換えスイッチが前記第1の周波数変換回路に接続される場合、前記第1の周波数変換回路によってサンプリング周波数が変換された前記第1の音声データ信号と位相が一致するように前記第2の音声データ信号を前記第2の遅延回路によって遅延させる工程と、を備えることを特徴とする。
【0014】
このように、周波数変換工程によって、第1の音声データ信号のサンプリング周波数と第2の音声データ信号のサンプリング周波数を同一となるように変換することにより、デジタル信号出力部およびデジタル−アナログ変換部において取り扱う2通りの音声データ信号のサンプリング周波数を1通りに統一することができる。
また、請求項7の発明は所定のサンプリング周波数を有する第1の音声データ信号と前記第1の音声データ信号のサンプリング周波数と異なるサンプリング周波数を有する第2の音声データ信号との少なくとも2通りの音声データ信号を出力する音声データ信号出力部と、前記音声データ信号出力部から出力された前記第1及び第2の音声データ信号のサンプリング周波数を同一のサンプリング周波数となる様に周波数変換する周波数変換部と、前記音声データ信号出力部から出力された前記第1及び第2の音声データ信号を遅延させる遅延部と、前記第1の音声データ信号と前記第2の音声データ信号に基づいてアナログ音声信号を出力するデジタル−アナログ変換部と、前記第1の音声データ信号が前記周波数変換部を通過した信号を出力する場合には、前記第2の音声データ信号が前記遅延部を通過した信号を出力させるように選択する第1の選択部と、前記第2の音声データ信号が前記周波数変換部を通過した信号を出力する場合には、前記第1の音声データ信号が前記遅延部を通過した信号を出力させるように選択する第2の選択部と、を備え、前記遅延部は、当該遅延部を通過した音声データ信号の位相が前記周波数変換部によってサンプリング周波数が変換された音声データ信号と一致するように遅延させることを特徴とする。
請求項9の発明は所定のサンプリング周波数を有する第1の音声データ信号と前記第1の音声データ信号のサンプリング周波数と異なるサンプリング周波数を有する第2の音声データ信号との少なくとも2通りの音声データ信号を出力する工程と、前記出力された前記第1及び第2の音声データ信号のサンプリング周波数を同一のサンプリング周波数となるように周波数変換部により周波数変換する周波数変換工程と、前記音声データ信号出力部から出力された前記第1及び第2の音声データ信号を遅延部により遅延させる遅延工程と、前記第1の音声データ信号と前記第2の音声データ信号に基づいてアナログ音声信号を出力するデジタル−アナログ変換工程と、前記第1の音声データ信号が前記周波数変換部を通過した信号を出力する場合には、前記第2の音声データ信号が前記遅延部を通過した信号を出力させるように選択する第1の選択工程と、前記第2の音声データ信号が前記周波数変換部を通過した信号を出力する場合には、前記第1の音声データ信号が前記遅延部を通過した信号を出力させるように選択する第2の選択工程と、を備え、前記遅延工程は、当該遅延部を通過した音声データ信号の位相が前記周波数変換工程によってサンプリング周波数が変換された音声データ信号と一致するように遅延させることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
【0016】
まず、本発明の第1の実施形態による音声信号処理装置をマルチチャネル方式のDVD再生システムに適用した場合を例に挙げ、図1および図2に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本実施形態によるマルチチャンネル方式のDVD再生システム100を示している。図1に示すように、DVD再生システム100は、DVD200の回転を制御するスピンドルモータ10と、DVD200に記録された種々のデジタル情報を読み出す光ピックアップ20と、光ピックアップ20により読み出された種々のデジタル情報から音声に関するデジタル情報(デジタル音声情報)およびスピンドルモータ10等の制御に関する情報(制御情報)等を抽出するサーボ信号処理回路30と、サーボ信号処理回路30により抽出されたデジタル音声情報を復調するデコーダ40と、デコーダ40により復調されたデジタル音声情報をアナログの音声信号に変換する音声信号処理装置50と、音声信号処理装置50により変換されたアナログの音声信号の増幅等を行うアナログ回路60とを備えている。このように構成されるDVD再生システム100によれば、DVD200にデジタル音声情報として記録された音楽、映画の効果音等の音声情報を再生することができる。
【0018】
次に、本実施形態によるマルチチャネル方式のDVD再生システム100に設けられた音声信号処理装置50について図2に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図2は、本実施形態によるマルチチャネル方式のDVD再生システム100に設けられた音声信号処理装置50を示している。図2に示すように、音声信号処理装置50は、音声データ信号出力回路51と、周波数変換回路52と、遅延回路53と、デジタル信号出力回路54と、3つのデジタル−アナログ変換回路55,56,57(以下、「DAコンバータ55,56,57」という)とを備えている。
【0020】
音声データ信号出力回路51は、図1に示すデコーダ40から出力されたデジタル音声情報を受け取り、このデジタル音声情報に基づいて、例えば、6通りの音声データ信号DL,DR,DC,DSW,DSLおよびDSRを作り出す。
【0021】
これら6通りの音声データ信号DL,DR,DC,DSW,DSLおよびDSRは、例えばPCM方式によって構成された音声情報である。また、前記6通りの音声データ信号は、後述する周波数変換回路52,遅延回路53,デジタル信号出力回路54,DAコンバータ55,56,57を順次通過することによって、それぞれ6通りのアナログ音声信号に変換される。これらアナログ音声信号に基づいて6通りの音声を再生することにより、6チャネルのマルチチャネル再生を実現することができる。
【0022】
また、前記6通りの音声データ信号のうち、3通りの音声データ信号DL,DRおよびDCのサンプリング周波数は96kHzである。一方、残りの3通りの音声データ信号DSW,DSLおよびDSRのサンプリング周波数は48kHzである。
【0023】
周波数変換回路52は、音声データ信号出力回路51から出力された3通りの音声データ信号DSW,DSLおよびDSRを受け取り、各音声データ信号DSW,DSLおよびDSRのサンプリング周波数を、音声データ信号DL,DRおよびDCのサンプリング周波数と同一のサンプリング周波数に変換する。即ち、周波数変換回路52は、各音声データ信号DSW,DSLおよびDSRのサンプリング周波数を48kHzから96kHzに増加させる。そして、周波数変換回路52は、サンプリング周波数が96kHzに変換された各音声データ信号DSW’,DSL’およびDSR’をデジタル信号出力回路54に向けて出力する。
【0024】
遅延回路53は、音声データ信号出力回路51から出力された音声データ信号DL,DR,DCを受け取り、周波数変換回路52のサンプリング周波数変換処理に要した時間分、音声データ信号DL,DR,DCを遅延させ、音声データ信号DL’,DR’,DC’としてデジタル信号出力回路54に向けて出力する。これにより、遅延回路53から出力された音声データ信号DL’,DR’,DC’の各位相は、周波数変換回路52から出力された音声データ信号DSW’,DSL’,DSR’の各位相と一致する。そして、音声データ信号DL’,DR’,DC’および音声データ信号DSW’,DSL’,DSR’はそれぞれ同一位相でデジタル信号出力回路54に入力される。
【0025】
デジタル信号出力回路54は、遅延回路53から出力された各音声データ信号DL’,DR’およびDC’と、周波数変換回路52から出力された各音声データ信号DSW’,DSL’およびDSR’をそれぞれ受け取る。
【0026】
ここで、遅延回路53から出力された各音声データ信号DL’,DR’およびDC’のサンプリング周波数は96kHzである。また、周波数変換回路52から出力された各音声データ信号DSW’,DSL’およびDSR’のサンプリング周波数も、周波数変換回路52によりサンプリング周波数が96kHzに変換されている。従って、デジタル信号出力回路54に入力される6通りの音声データ信号DL’,DR’,DC’,DSW’,DSL’およびDSR’のサンプリング周波数は、すべて96kHzである。
【0027】
そして、デジタル信号出力回路54は、各音声データ信号DL’,DR’,DC’,DSW’,DSL’およびDSR’に基づいて、デジタル制御信号としてのチャネルクロック信号LRCKおよびビットクロック信号BCKと、3通りのデジタル音声信号D1,D2,D3を作り出し、これらの信号をDAコンバータ55,56,57に向けて出力する。
【0028】
さらに具体的に説明すると、デジタル信号出力回路54により作り出されるデジタル音声信号D1は、音声データ信号DLおよびDRが時分割可能に混合されたデジタル信号(時分割多重されたデジタル信号)であり、デジタル音声信号D2は、音声データ信号DCおよびDSW’が時分割可能に混合されたデジタル信号であり、デジタル音声信号D3は、音声データ信号DSL’およびDSR’が時分割可能に混合されたデジタル信号である。また、チャネルクロック信号LRCKは、2通りの音声データ信号が時分割可能に混合されたデジタル音声信号D1,D2またはD3を、2通りのデジタル信号に時分割するために用いられる。また、ビットクロック信号BCKは、デジタル音声信号D1,D2またはD3のデータ長を識別するために用いられる。
【0029】
DAコンバータ55,56,57は、デジタル信号出力回路54から出力されたチャネルクロック信号LRCKおよびビットクロック信号BCKに基づいて、デジタル音声信号D1,D2,D3を6通りのアナログ音声信号AL,AR,AC,ASW,ASLおよびASRに変換し、図1に示すアナログ回路60に向けて出力する。
【0030】
ここで、各DAコンバータ55,56,57は、2通りの音声データ信号を、それぞれに対応したアナログ音声信号に変更する機能を有する、いわゆるデュアルチャネルタイプのDAコンバータである。即ち、各DAコンバータ55,56,57は、2通りの音声データ信号が時分割可能に混合されたデジタル音声信号D1,D2またはD3を受け取り、このデジタル音声信号D1,D2またはD3を、チャネルクロック信号LRCKおよびビットクロック信号BCKに基づいて時分割し、デジタル−アナログ変換することにより、2通りのアナログ音声信号を作り出すものである。
【0031】
そして、DAコンバータ55,56,57からそれぞれ出力されたアナログ音声信号AL,AR,AC,ASW,ASLおよびASRは、アナログ回路60を介して、例えば、前方中央、前方左側、前方右側、後方中央、後方左側および後方右側にそれぞれ配置された6個のスピーカ(図示せず)にそれぞれ入力される。これにより、アナログ音声信号AL,AR,AC,ASW,ASLおよびASRを6チャネルに振り分けることができ、6チャネルのマルチチャネル方式による音声再生を実現することができる。
【0032】
かくして、本実施形態による音声信号処理装置50によれば、音声データ信号出力回路51から出力された各音声データ信号DSW,DSLおよびDSRのサンプリング周波数を、周波数変換回路52によって48kHzから96kHzに変換する構成としたから、デジタル信号出力回路54およびDAコンバータ55,56,57によって取り扱う音声データ信号DL’、DR’、DC’、DSW’、DSL’、DSR’またはデジタル音声信号D1,D2,D3のサンプリング周波数をすべて96kHzに統一することができる。
【0033】
これにより、サンプリング周波数が96kHzの音声信号DL,DRおよびDCと、サンプリング周波数が48kHzの音声信号DSW,DSLおよびDSRとを、サンプリング周波数が異なった状態のままデジタル−アナログ変換する場合と比較して、デジタル信号出力回路54の回路構成を簡単化できる。
【0034】
具体的に述べると、デジタル音声信号D1,D2,D3のサンプリング周波数をすべて96kHzに統一することができるため、DAコンバータ55,56,57を一種類のDAコンバータ、即ち、サンプリング周波数が96kHzのDAコンバータに統一することができる。これにより、DAコンバータの未使用端子数を減少させることができ、DAコンバータの使用効率を最大限に高めることができる。さらに、DAコンバータの個数を減少させることができ、回路構成を簡単化を図り、製造コストを削減することができる。
【0035】
さらに、本実施形態による音声信号処理装置50によれば、DAコンバータ55,56,57の種類または設定を1通りに統一することができるため、1通りのチャネルクロック信号LRCKおよび1通りのビットクロックBCKによって、すべてのDAコンバータ55,56,57を制御することができる。従って、チャネルクロック信号LRCKおよびビットクロックBCKを伝送するための信号線の数を減少させることができ、回路構成を簡単化することができる。
【0036】
また、本実施形態による音声信号処理装置50によれば、周波数変換回路52により、各音声データ信号DSW,DSLおよびDSRのサンプリング周波数を48kHzから96kHzに増加させる構成としたから、ノイズシェーピングによって、各音声データ信号DSW,DSLおよびDSRのS/N比を向上させることができる。
【0037】
次に、本発明の第2の実施形態による音声信号処理装置をDVD再生システムに適用した場合を例に挙げて、図3および図4を参照しつつ説明する。
【0038】
図3は、本実施形態によるDVD再生システムに設けられた音声信号処理装置70を示す。図3に示すように、音声信号処理装置70は、前述した第1の実施形態による音声信号処理装置50とほぼ同様の構成を有するものの、当該音声信号処理装置70に設けられた周波数変換回路71が、音声データ信号出力回路51から出力される各音声データ信号DL、DR、DC、DSW、DSLおよびDSRをすべて受け取る点で、第1の実施形態による音声信号処理装置50と異なる。
【0039】
即ち、本実施形態による周波数変換回路71は、図4に示すように、遅延回路部71Aと、この遅延回路部71Aと並列に接続された周波数変換回路部71Bと、遅延回路部71Aと周波数変換回路部71Bの出力切換を行うスイッチ71Cとからなる回路が6組設けられている。
【0040】
そして、周波数変換回路71は、サンプリング周波数が48kHzの音声データ信号DSW,DSLまたはDSRを受け取ったときには、周波数変換回路部71Bによって、各音声データ信号DSW,DSLまたはDSRのサンプリング周波数を、音声データ信号DL,DRまたはDCのサンプリング周波数と同一のサンプリング周波数に変換する。即ち、周波数変換回路部71Aは、各音声データ信号DSW,DSLまたはDSRのサンプリング周波数を48kHzから96kHzに増加させる。これにより、各音声データ信号DSW,DSLまたはDSRは、サンプリング周波数が96kHzに変換され、各音声データ信号DSW’,DSL’またはDSR’となってデジタル信号出力回路54に出力される。
【0041】
一方、周波数変換回路71は、サンプリング周波数が96kHzの音声データ信号DL,DRまたはDCを受け取ったときには、遅延回路部71Aによって、これら音声データ信号DL,DRまたはDCを、周波数変換回路部71Bのサンプリング周波数変換処理に要する時間分だけ遅延させる。これにより、各音声データ信号DL,DRまたはDCは、周波数変換回路部71Bによって周波数変換された各音声データ信号DSW’,DSL’またはDSR’と同位相の信号となり、音声データ信号DL’,DR’,DC’としてデジタル信号出力回路54に出力される。
【0042】
より具体的に説明すると、図4に示すように、周波数変換回路71に音声データ信号DL、DR,DC,DSW,DSLまたはDSRが入力されると、いずれの音声データ信号も遅延回路部71Aと周波数変換回路部71Bの双方に入力される。そして、周波数変換回路71に音声データ信号DL、DRまたはDCが入力されたときには、各スイッチ71Cが各遅延回路部71Aとデジタル信号出力回路54とを接続するように切り換わる。一方、周波数変換回路71に音声データ信号DSW,DSLまたはDSRが入力されたときには、各スイッチ71Cが各周波数変換回路部71Bとデジタル信号出力回路54とを接続するように切り換わる。
【0043】
このように構成される本実施形態による音声信号処理装置70においても、前述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0044】
なお、前記各実施形態における音声データ信号出力回路51,周波数変換回路52(71),遅延回路53およびデジタル信号出力回路54は、それぞれ独立したチップによって構成してもよく、または、前記各回路を1チップに集約する構成としてもよい。前記各回路を1チップ化することにより、回路構成を簡単化することができる。
【0045】
また、前記各実施形態では、6チャネルのマルチチャネル方式を採用したDVD再生システムについて説明したが、本発明はこれに限らず、2〜5チャネルまたは7チャネル以上でもよい。
【0046】
さらに、前記各実施形態では、周波数変換回路52(71)により、サンプリング周波数が48kHzの音声データ信号を、96kHzに増加させることによって、すべての音声データ信号のサンプリング周波数を96kHzに統一するものとして説明したが、本発明はこれに限らず、サンプリング周波数が96kHzの音声データ信号を、48kHzに低下させることによって、すべての音声データ信号のサンプリング周波数を48kHzに統一する構成としてもよい。
【0047】
さらに、前記各実施形態では、サンプリング周波数が48kHzの音声データ信号と、サンプリング周波数が96kHzの音声データ信号とを取り扱う場合を例に挙げたが、各音声データ信号のサンプリング周波数は、これに限定されるものではない。例えば、サンプリング周波数が32kHz、44.1kHz等の音声データ信号を取り扱う構成としてもよい。
【0048】
さらに、前記各実施形態では、いわゆるデュアルチャネルタイプのDAコンバータ55,56,57を用いる場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、シングルチャネルタイプのDAコンバータや、チャネル数が3以上のタイプのDAコンバータを用いることも可能である。
【0049】
また、前記各実施形態では、遅延回路53(遅延回路部71A)を設け、デジタル信号出力回路54に入力される各音声データ信号の位相をそれぞれ合わせる構成としたが、本発明はこれに限らず、遅延回路53(遅延回路部71A)を設けず、音声データ信号出力回路51から出力される各音声データ信号DL,DRおよびDCをデジタル信号出力回路54に直接入力する構成としてもよい。例えば、図5は、第1の実施形態による音声信号処理装置50(図2)から遅延回路53を除いた音声信号処理装置50’を示している。このように、遅延回路53を除いても音声を再生することができる。また、第2の実施形態のように、周波数変換回路71内に、遅延回路部71Aと周波数変換回路部71Bが設けられている構成の場合には、周波数変換回路71内に周波数変換回路部71Bのみを設ける構成とすればよい。
【0050】
さらにまた、前記各実施形態では、音声信号処理装置50(70)をDVD再生システムに適用する場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、CD再生システム等のように、デジタル情報を記録した記録媒体を再生するシステムに広く適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上詳説したとおり、請求項1の発明によれば、周波数変換部によって、第1の音声データ信号のサンプリング周波数と第2の音声データ信号のサンプリング周波数を同一となるように変換する構成としたから、デジタル信号出力部およびデジタル−アナログ変換部において取り扱う少なくとも2通りの音声データ信号のサンプリング周波数を1通りに統一することができる。これにより、デジタル−アナログ変換部(DAコンバータ等)の種類または設定を1通りのサンプリング周波数の信号に対するものに統一することができる。従って、デジタル−アナログ変換部の個数を減少させることができると共に、デジタル−アナログ変換部に接続する制御線等の数を減少させることができ、回路の複雑化または製造コストの増大を抑制することができる。
【0052】
請求項4の発明によれば、周波数変換工程によって、第1の音声データ信号のサンプリング周波数と第2の音声データ信号のサンプリング周波数を同一となるように変換する構成としたから、デジタル信号出力工程およびデジタル−アナログ変換工程において取り扱う少なくとも2通りの音声データ信号のサンプリング周波数を1通りに統一することができる。これにより、デジタル−アナログ変換工程で使用するデジタル−アナログ変換回路(例えば、DAコンバータ等)の種類または設定を1通りのサンプリング周波数の信号に対するものに統一することができる。従って、デジタル−アナログ変換回路の個数を減少させることができると共に、デジタル−アナログ変換回路に接続する制御線等の数を減少させることができ、当該音声信号処理方法を実現するための回路の複雑化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるDVD再生システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるDVD再生システムに設けられた音声信号処理装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態によるDVD再生システムに設けられた音声信号処理装置を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による周波数変換回路を示すブロック図である。
【図5】第1の実施の形態による音声信号処理装置の変形例を示すブロック図である。
【符号の説明】
50,70 音声信号処理装置
51 音声データ信号出力回路(音声データ信号出力部)
52,71 周波数変換回路(周波数変換部)
53 遅延回路
54 デジタル信号出力回路(デジタル信号出力部)
55,56,57 DAコンバータ(デジタル−アナログ変換部)
Claims (10)
- 所定のサンプリング周波数を有する第1の音声データ信号と前記第1の音声データ信号のサンプリング周波数と異なるサンプリング周波数を有する第2の音声データ信号との少なくとも2通りの音声データ信号を出力する音声データ信号出力部と、
前記音声データ信号出力部から出力された前記第1及び第2の音声データ信号のサンプリング周波数を同一のサンプリング周波数に変換する周波数変換部と、
前記第1の音声データ信号と前記第2の音声データ信号に基づいてアナログ音声信号を出力するデジタル−アナログ変換部とを備えた音声信号処理装置において、
前記周波数変換部は、
前記第1の音声データ信号用の第1の周波数変換回路と第1の遅延回路と、前記第2の音声データ信号用の第2の周波数変換回路と第2の遅延回路と、
前記第1の周波数変換回路と前記第1の遅延回路を切り換える第1の切り換えスイッチと、
前記第2の周波数変換回路と前記第2の遅延回路を切り換える第2の切り換えスイッチと、を有し、
前記第1の遅延回路は、前記第2の周波数変換回路によってサンプリング周波数が変換された前記第2の音声データ信号と位相が一致するように前記第1の音声データ信号を遅延させ、
前記第2の遅延回路は、前記第1の周波数変換回路によってサンプリング周波数が変換された前記第1の音声データ信号と位相が一致するように前記第2の音声データ信号を遅延させることを特徴とする音声信号処理装置。 - 前記周波数変換部により同一のサンプリング周波数を有することになった前記第1の音声データ信号と前記第2の音声データ信号とに基づいて時分割多重されたデジタル音声信号を生成するデジタル信号出力部を更に備え、
前記デジタル−アナログ変換部は、前記生成されたデジタル音声信号に基づいてアナログ音声信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の音声信号処理装置。 - 前記第1の音声データ信号のサンプリング周波数は96kHzであり、前記第2の音声データ信号のサンプリング周波数は48kHzであることを特徴とする請求項1または2に記載の音声信号処理装置。
- 所定のサンプリング周波数を有する第1の音声データ信号と前記第1の音声データ信号のサンプリング周波数と異なるサンプリング周波数を有する第2の音声データ信号との少なくとも2通りの音声データ信号を出力する音声データ信号出力工程と、
前記音声データ信号出力部から出力された前記第1及び第2の音声データ信号のサンプリング周波数を同一のサンプリング周波数に変換する周波数変換工程と、
前記第1の音声データ信号と前記第2の音声データ信号に基づいてアナログ音声信号を出力するデジタル−アナログ変換工程とを備えた音声信号処理方法において、
前記周波数変換工程は、
前記第1の音声データ信号用の第1の周波数変換回路と第1の遅延回路とを切り換える第1の切り換えスイッチを前記第1の周波数変換回路又は前記第1の遅延回路に接続する工程と、
前記第1の切り換えスイッチが前記第1の遅延回路に接続される場合、前記第2の音声データ信号用の第2の周波数変換回路と第2の遅延回路と切り換える第2の切り換えスイッチを前記第2の周波数変換回路に接続し、前記第1の切り換えスイッチが前記第1の周波数変換回路に接続される場合、前記第2の切り換えスイッチを前記第2の遅延回路に接続する工程と、
前記第1の切り換えスイッチが前記第1の遅延回路に接続される場合、前記第2の周波数変換回路によってサンプリング周波数が変換された前記第2の音声データ信号と位相が一致するように前記第1の音声データ信号を前記第1の遅延回路によって遅延させ、前記第1の切り換えスイッチが前記第1の周波数変換回路に接続される場合、前記第1の周波数変換回路によってサンプリング周波数が変換された前記第1の音声データ信号と位相が一致するように前記第2の音声データ信号を前記第2の遅延回路によって遅延させる工程と、を備えることを特徴とする音声信号処理方法。 - 前記周波数変換工程により同一のサンプリング周波数を有することになった前記第1の音声データ信号と前記第2の音声データ信号とに基づいて時分割多重されたデジタル音声信号を生成する工程を更に備え、
前記デジタル−アナログ変換工程は、前記生成されたデジタル音声信号に基づいてアナログ音声信号を出力することを特徴とする請求項4に記載の音声信号処理方法。 - 前記第1の音声データ信号のサンプリング周波数は96kHzであり、前記第2の音声データ信号のサンプリング周波数は48kHzであることを特徴とする請求項4または5に記載の音声信号処理方法。
- 所定のサンプリング周波数を有する第1の音声データ信号と前記第1の音声データ信号のサンプリング周波数と異なるサンプリング周波数を有する第2の音声データ信号との少なくとも2通りの音声データ信号を出力する音声データ信号出力部と、
前記音声データ信号出力部から出力された前記第1及び第2の音声データ信号のサンプリング周波数を同一のサンプリング周波数となる様に周波数変換する周波数変換部と、
前記音声データ信号出力部から出力された前記第1及び第2の音声データ信号を遅延させる遅延部と、
前記第1の音声データ信号と前記第2の音声データ信号に基づいてアナログ音声信号を出力するデジタル−アナログ変換部と、
前記第1の音声データ信号が前記周波数変換部を通過した信号を出力する場合には、前記第2の音声データ信号が前記遅延部を通過した信号を出力させるように選択する第1の選択部と、
前記第2の音声データ信号が前記周波数変換部を通過した信号を出力する場合には、前記第1の音声データ信号が前記遅延部を通過した信号を出力させるように選択する第2の選択部と、を備え、
前記遅延部は、当該遅延部を通過した音声データ信号の位相が前記周波数変換部によってサンプリング周波数が変換された音声データ信号と一致するように遅延させることを特徴とする音声信号処理装置。 - 前記周波数変換部により同一のサンプリング周波数を有することになった前記第1の音声データ信号と前記第2の音声データ信号とに基づいて時分割多重されたデジタル音声信号を生成するデジタル信号出力部を更に備え、
前記デジタル−アナログ変換部は、前記生成されたデジタル音声信号に基づいてアナログ音声信号を出力することを特徴とする請求項7に記載の音声信号処理装置。 - 所定のサンプリング周波数を有する第1の音声データ信号と前記第1の音声データ信号のサンプリング周波数と異なるサンプリング周波数を有する第2の音声データ信号との少なくとも2通りの音声データ信号を出力する工程と、
前記出力された前記第1及び第2の音声データ信号のサンプリング周波数を同一のサンプリング周波数となるように周波数変換部により周波数変換する周波数変換工程と、
前記音声データ信号出力部から出力された前記第1及び第2の音声データ信号を遅延部により遅延させる遅延工程と、
前記第1の音声データ信号と前記第2の音声データ信号に基づいてアナログ音声信号を出力するデジタル−アナログ変換工程と、
前記第1の音声データ信号が前記周波数変換部を通過した信号を出力する場合には、前記第2の音声データ信号が前記遅延部を通過した信号を出力させるように選択する第1の選択工程と、
前記第2の音声データ信号が前記周波数変換部を通過した信号を出力する場合には、前記第1の音声データ信号が前記遅延部を通過した信号を出力させるように選択する第2の選択工程と、を備え、
前記遅延工程は、当該遅延部を通過した音声データ信号の位相が前記周波数変換工程によってサンプリング周波数が変換された音声データ信号と一致するように遅延させることを特徴とする音声信号処理方法。 - 前記周波数変換工程により同一のサンプリング周波数を有することになった前記第1の音声データ信号と前記第2の音声データ信号とに基づいて時分割多重されたデジタル音声信号を生成する工程を更に備え、
前記デジタル−アナログ変換工程は、前記生成されたデジタル音声信号に基づいてアナログ音声信号を出力することを特徴とする請求項9に記載の音声信号処理方法。
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